JPH0533046Y2

JPH0533046Y2 -

Info

Publication number: JPH0533046Y2
Application number: JP1987196420U
Authority: JP
Priority date: 1987-12-23
Filing date: 1987-12-23
Publication date: 1993-08-24
Anticipated expiration: 2002-12-23
Also published as: JPH01100509U

Description

【考案の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本考案は、自動車車体に装備される電動式伸縮
アンテナ装置に関するものである。

【従来の技術】

この種の電動式伸縮アンテナ装置としては、伸
縮多段アンテナロツドの先端ロツドに対して接続
されるドライブコードにラツク歯を形成して置い
て、これにドライブギヤを噛合わせ、上記ギヤの
駆動で上記伸縮多段アンテナロツドの伸縮動作を
行う構造になつている。上記構造の利点は、巻取ドラムにドライブコー
ドを巻装して置いて、巻取・巻戻し動作で、伸縮
多段アンテナロツドの伸縮動作を制御するものに
比べて、押上げ力が大きく、確実な送りができ、
従つて、凍結対策や走行時の風圧対策などに有利
な点である。

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、上記のようなアンテナ装置にお
いては、アンテナロツドの全伸長、全縮あるいは
中間の所定伸長位置でのモータの停止などの制御
が必要である。そのために次のような制御形態が
とられている。１つの形態としてはタイマを使用
すうもので、アンテナロツドの伸縮操作の時間
を、アンテナロツドの実際の動作とは関係なく設
定する方式であり、この場合には、バツテリ電圧
が変化すると、実際のアンテナロツドの動作時間
が変わり、タイマでセツトした予定の位置でアン
テナロツドが停止されないという問題を生じる。また、モータのアクチユエータ部分に対応して
リードスイツチを設け、パルス信号を発生させ
て、これをカウントすることにより、モータの駆
動量、換言すれば、アンテナロツドの伸長量を判
定し、所定位置で停止させる方式があるが、モー
タからドライブコードまでの伝動系に、過負荷防
止用のクラツチ機構を介在させると、上記クラツ
チ機構の個所ですべりを生じ、実際のアンテナロ
ツドの伸長量とパルス信号との整合が得られなく
なるという問題がある。更に、ドライブコードのラツク歯に噛合うドラ
イブギヤの１回転に１回づつカウンタギヤを１駒
づつ動作させるリミツトスイツチ式の信号取出し
方式も考えられるが、１パルス当りのアンテナロ
ツドの伸長量が大きく、高い精度でのアンテナロ
ツドの伸長量をセツトできない。本考案は上記事情にもとづいてなされたもの
で、アンテナロツドを伸縮動作するドライブコー
ドの芯線を利用して、簡単な構成でかつ正確に、
アンテナロツドを所要位置に停止できるようにパ
ルス信号を、ドライブコードの動作に整合して取
出せるようにした電動式伸縮アンテナ装置を提供
しようとするものである。

【問題点を解決するための手段】

このため、本考案では、伸縮多段アンテナロツ
ドの先端ロツドに対して接続されるドライブコー
ドにはラツク歯が形成されており、上記ラツク歯
にドライブギヤを噛合わせて、上記ギヤの駆動で
上記伸縮多段アンテナロツドの伸縮動作を行うよ
うにしたものにおいて、上記ドライブコードは、
中心に導電性の芯材を配設し、これを被包する合
成樹脂製の包皮材にラツク歯を形成すると共に、
上記ラツク歯の歯溝部分において上記心材の一部
を外部に露出させ、上記露出部分に対して間欠的
に電気的な導通状態となるように上記ラツク歯に
噛合うパルス信号取出しギヤを具備している。

【作用】

したがつて、ドライブコードの動きに従つて、
芯線を経由してパルス信号を取出しギヤの間欠的
な電気的導通状態が得られるから、アンテナロツ
ドの動作量との確実な整合性を持つてパルス信号
を高精度に取出すことができ、このため、モータ
の制御が正しく行えて、アンテナロツドを正しく
所定位置で停止させることができる。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図面を参照して具
体的に説明する。図において、符号Ａは自動車の
サイド部分であり、この上面部１には伸縮多段ア
ンテナロツドＲが配置され、これを伸縮動作する
駆動装置Ｈが上記サイド部分Ａ内に装備されてい
る。上記駆動装置Ｈは、上記サイド部分Ａの上面部
１よりブラケツト２を介して合成樹脂製の駆動部
ハウジング３を吊設しており、上記ハウジング３
の一側には金属製のアンテナ収納筒５が立設して
あつて、その上端を上記サイド部分Ａの上面部１
を貫通して上方に向け開口している。上記ハウジ
ング３には上記アンテナ収納筒５の上部を囲むよ
うにして、ネツク金具４が設けてあり、キヤツプ
６を上記ネツク金具４に螺合することで、パツキ
ング９および１０を介して上記アンテナ収納筒５
を上記上面部１に固定している。上記伸縮多段アンテナロツドＲは、上記アンテ
ナ収納筒５内に収納されるそれぞれ筒状の先端ロ
ツド７ａ、中間ロツド７ｂおよび基端ロツド７ｃ
を具備しており、これらは互いに摺動自在に嵌合
されている。上記先端ロツド７ａは基端にドライ
ブコード８を連結している。上記ドライブコード８は、芯線８ａの周囲は、
ジユラコンなどの合成樹脂よりなる包皮材８ｂを
覆つたもので、包皮材８ｂの一側にはラツク歯８
ｃが形成され、そのラツク歯８ｃの歯溝の部分に
おいて、上記芯線８ａの一部が露出している。こ
のようなドライブコード８は、芯線８ａに対して
包皮材８ｂを押出し成形によつて包皮押出しした
直後、ラツク歯８ｃを押し当てて成形する方法が
とられる。この場合、芯線８ａはドライブコード
８の中心にあり、材料としては、例えば金属素
線、金属繊維、カーボン繊維あるいは同様の機能
を持つ導電性の化学合成繊維などをクロスに編成
したもの、あるいは複数の上記繊維を撚つたもの
の集合体が使用される。このような材料を使用す
ることは、材質的に引張り強度が高く、弾性係数
が高く、ドライブコード８の切断予防、座屈時の
復元性向上のため、コード全体の補強効果のため
に有利である。また、芯線８ａがコード中心に位
置されるので、その断面積を大きくとれるので、
より大きな補強効果をねらうことが可能である。上記ドライブコード８は、ハウジング３の下部
に設けたスライドガイド１２および上記ラツク歯
８ｃに噛合うドライブギヤ１３に沿つて直角方向
に曲げられ、上記ハウジング３の下部より後方に
延びる収納ケース１４内に誘導されるようになつ
ている。上記ハウジング３にはモータ１５が装備
してあつて、給電線１６を介して、自動車側から
電力をうけるようになつており、モータ１５の出
力軸に設けたウオーム１７、上記ウオーム１７に
噛合うウオームギヤ１８、上記ウオームギヤ１８
から動力をうけてこれを減速して上記ドライブギ
ヤ１３へ伝達する減速ギヤ列１９を収納装備して
いる。また、上記ドライブギヤ１３に並んで、パルス
信号取出しギヤ２０が用意してあつて、これは、
その歯先の部分を芯線８ａの露出部分に接触した
状態でラツク歯８ｃに噛合されており、上記ギヤ
２０には、電流が供給されるようになつている。上記ギヤ２０は、上記芯線８ａの露出部分に対
して間欠的に電気的な導通状態を得るように、例
えば、第５図にみられるような構造になつている
とよい。ここでは、非導電性の歯車体２０ａ，２
０ｂの間に、１歯間隔で欠歯した金属などの導電
性の歯車体２０ｃをサンドイツチしたものが、ギ
ヤ２０の形を構成しており、これによつて、ギヤ
２０としてはラツク歯８ｃに連続して次々に噛合
い、芯線８ａにもラツク歯８ｃの前後で同時に接
触する状態になるが、電気的には、上記芯線８ａ
に対して間欠的に接触することとなる。このギヤ２０の電気的な接触の結果、パルス信
号が発生するように、上記ドライブコード８の端
末は車体に対してアースされており、カウンタ回
路２１が上記ギヤ２０に電気的に接続されてい
る。上記カウンタ回路２１では、パルス信号およ
びモータ１５への正・逆回転方向の信号切換え
で、カウントアツプおよびカウントダウンを行う
ようになつており、比較回路２２によつて、全伸
長位置、全縮位置および設定された中間位置につ
いての基準信号をカウンタ回路２１からの信号と
比較して、モータ１５への正・逆信号切換えおよ
び駆動・停止の信号切換えなどの切換回路２３へ
制御指令を行うようになつている。このような構成では、モータ１５の駆動で、ド
ライブギヤ１３が、減速ギヤ列１９による減速さ
れた速度で正転あるいは逆転される時、ドライブ
コード８が先端ロツド７ａを押し上げあるいは引
き下げる。これによつて、ドライブコード８は、
収納ケース１４に対して出入される。一方、上記
ドライブコード８におけるラツク歯８ｃに噛合し
ているギヤ２０が芯線８ａに対して間欠的に電気
的な接触をなし、パルス信号をカウンタ回路２１
に与えることができる。その結果、アンテナロツ
ドの伸長量と正確に整合したパルス信号を高精度
に発生できる。なお、ドライブコード８について
は、前述のように、芯線８ａがコードの中心を通
つているので、コードに曲げ力や座屈が働いて
も、芯線８ａにかかる引張力、圧縮力が最小限に
とどめられるから、弾性限界を越えることなく、
復元力が確保されており、脆化がさけられ、耐久
性が向上できる。なお、上記実施例では、ドライブギヤ１３とは
別に、芯線８ａに対して間欠的に電気的な導通を
得るために別にパルス信号取出しギヤ２０を用意
したが、上記ドライブギヤ１３をパルス信号取出
しのために兼用させてもよい。また、上記パルス信号取出しギヤ２０は、全体
を金属などの導電性材料で構成し、ギヤ２０の歯
先がギヤ２０とラツク歯８ｃとの噛合い動作過程
で、間欠的に電気的導通をするように、芯線８ａ
の露出部分との相関的な構成上の特別な配慮がな
されていれば、上記実施例のように、１歯隔てて
電気的導通をするような構成にしなくてもよい。
また、１歯間隔で歯先を短くして芯線に対する接
触を間欠的にする方式もあり、あるいはそこに電
気絶縁物を設ける方式もある。逆に、芯線８ａの
露出部分をラツク歯８ｃの歯溝深さをかえること
でラツク歯に対して間欠的になるように工夫する
こともできる。また、上記芯線８ａの露出部分にはギヤ２０の
歯先が接触するので、この部分の強度を高めて耐
久性を向上するために、少なくとも、芯線８ａの
露出部分に対しては、導電性材料よりなる丈夫な
コーテイング被膜を設けるようにするとよい。

【考案の効果】

本考案は、以上詳述したようになり、ドライブ
コードの芯線を露出させ、ドライブコードの動き
に従つて、芯線を経由してパルス信号取出しギヤ
の間欠的な電気的導通状態が得られるから、アン
テナロツドの動作量との確実な整合性を持つてパ
ルス信号を高精度に取出すことができ、このた
め、モータ制御が正しく行え、アンテナロツドを
正しく所定位置で停止させることができるなどの
実用上の効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略斜視図、
第２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図
は要部の拡大断面図、第４図ａおよびｂはドライ
ブコードの拡大側面およびＡ−Ａ線に沿う断面
図、第５図はパルス取出しギヤの一部切欠いた側
面図である。Ａ……サイド部分、Ｒ……伸縮多段アンテナロ
ツド、Ｈ……駆動装置、７ａ……先端ロツド、７
ｂ……中間ロツド、７ｃ……基端ロツド、８……
ドライブコード、８ａ……芯線、８ｂ……包皮
材、８ｃ……ラツク歯、２０……パルス信号取出
しギヤ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

伸縮多段アンテナロツドの先端ロツドに対して
接続されるドライブコードにはラツク歯が形成さ
れており、上記ラツク歯にドライブギヤを噛合わ
せて、上記ギヤの駆動で上記伸縮多段アンテナロ
ツドの伸縮動作を行うようにしたものにおいて、
上記ドライブコードは、中心に導電性の芯材を配
設し、これを被包する合成樹脂製の包皮材にラツ
ク歯を形成すると共に、上記ラツク歯の歯溝部分
において上記芯材の一部を外部に露出させ、上記
露出部分に対して間欠的に電気的な導通状態とな
るように上記ラツク歯に噛合うパルス信号取出し
ギヤを具備したことを特徴とする電動式伸縮アン
テナ装置。