JPH05328840A - 挿し木苗の育成方法 - Google Patents

挿し木苗の育成方法

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JPH05328840A
JPH05328840A JP4168406A JP16840692A JPH05328840A JP H05328840 A JPH05328840 A JP H05328840A JP 4168406 A JP4168406 A JP 4168406A JP 16840692 A JP16840692 A JP 16840692A JP H05328840 A JPH05328840 A JP H05328840A
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JP
Japan
Prior art keywords
seedlings
plug
cuttings
cutting
satsuki
Prior art date
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Pending
Application number
JP4168406A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Matsumoto
真悟 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd filed Critical Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Publication of JPH05328840A publication Critical patent/JPH05328840A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サツキ,ツツジ等の花木苗をプラグ苗で大量
に育成するもの。 【構成】 縦方向及び横方向に多数のポット室2を有す
るプラグトレイ1に秋季の休眠期間を経過した母樹より
挿し穂を採取して挿し木し、しかる後、トンネルマルチ
10等で密閉して加温・加湿状態で発根させ、花木のプ
ラグ苗を作成し、育成苗の取出し、移植作業を効率的に
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サツキ,ツツジ等の花
木苗をプラグ苗として多量に育成する挿し木苗の育成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、公園やゴルフ場あるいは高速道路
等の美観向上のためにサツキ,ツツジ等の花木苗を多量
に移植する傾向にあり、これらの需要に応えて多量の花
木苗を量産化し供給することが望まれていた。例えばサ
ツキ苗の場合は、従来、一般的に7〜9月頃に母樹より
採取した挿し穂を、露地に形成した挿し床に挿し木し
て、これを2重トンネルマルチで被覆して育成管理し、
翌年5〜6月頃に育成した1年生苗を掘り起こして圃場
に移植するようにし、その後該畑地圃場で約2年間育成
して3年生苗として各地に出荷していた。また、サツキ
を袋の中のポリウレタンフォームに挿し木して育成する
ものは、実公昭52─16187号に示されている。そ
こで、本出願人は本発明に至る課程において、サツキの
プラグ苗を大量に作成すべく、縦方向及び横方向に多数
のポット室を連続形成した育苗用プラグトレイの、前記
ポット室に充填した挿し床土に、10〜11月頃に母樹
より採取したサツキの挿し穂を挿し木するプラグ苗の生
育方法を試みてみた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の露地栽培に関す
るものは、挿し木後の育成管理が楽である長所がある反
面、挿し木作業が重労働であり、苗床からの苗木の堀取
り及び畑地圃場への移植作業が面倒で能率に劣るという
短所があり、これの効率化が望まれている。また、上記
実公昭52─16187号のものは家庭園芸向けを対象
にしたもので、事業的に大量生産するものには応用でき
ないものである。さらに、本出願人が試みた前記プラグ
苗育成方法によると、9〜11月頃はサツキの休眠期に
該当する関係から、育成管理に注意をしていても枯死す
るものが多く生存率に劣り、また、発根具合も良くなく
根が小さくて発根率に劣る不具合があり、結果的に苗の
歩留りが悪く、さらに、例え上手く生育できたとしても
育成期間が長過ぎて翌年5月頃の移植時期にはポット室
内で根が回り過ぎ、畑地圃場へ移植した後の活着,生育
が劣る欠点が見られた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、秋季の休眠期間を過ぎた初冬以降に母樹
より挿し穂を採取し、該挿し穂を縦方向及び横方向に多
数のポット室を連続形成したプラグトレイの、前記ポッ
ト室に充填した挿し床土に挿し木し、しかる後密閉して
加温・加湿状態で発根育成してプラグ苗を作成したこと
を特徴とするものである。
【0005】
【作用】サツキの休眠期間は9〜11月頃であり、この
休眠期間が過ぎた12月〜1月頃にサツキの母樹より挿
し穂を採取し、該挿し穂を前記プラグトレイのポット室
に充填した挿し床土に挿し木し、しかる後トンネルマル
チ等で密閉して70〜90パーセントの多湿度を保って
昼間20〜25度C、夜間15度C程度の温度で加温し
て発根育成させ、3月頃まで加温制御して育成管理する
と5〜6月頃には樹幹がしっかりし、床土崩れが少ない
移植に適するプラグ苗が得られる。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面にもとづき説明す
る。図1は育苗用のプラグトレイ1を用いて育苗してい
る態様を示す斜視図であって、該プラグトレイ1は合成
樹脂製の軟質シートで成型されていて、縦方向及び横方
向に多数のポット室2が連続形成されている。該ポット
室2は縦方向に約15〜10列及び横方向に約5〜7列
配設されているもので、各ポット室2の形状は上面が広
い円錐形にされ上面の直径は約3〜4センチ前後,深さ
は約5〜7センチ程度に形成され、下面に排水孔3が穿
設されている。4は、上記ポット室2に充填した挿し床
土で、鹿沼土あるいは腐葉土と真砂土を混入したもの等
を詰める。なお、挿し床土4を充填する前にポット室2
下面の排水孔3を閉塞するようにラムネ玉程度の大きさ
の礫5を挿入しておくと排水性が良好になり、育成苗の
根腐れを防止できる。6はサツキの挿し穂で、9〜11
月頃の休眠期間を過ぎた12月〜1月頃にサツキの母樹
より新梢を採取し、長さ20センチ前後に切り揃えたも
のを挿し床土4に挿し木する。通常サツキは梅雨挿しと
言われる7〜8月頃に露地に挿し木するのが一般的であ
るが、これら梅雨挿しの挿し穂に比較して、12〜1月
に採取する挿し穂6は枝葉の成長度合いが大きく、樹幹
のしっかりした丈夫な挿し穂が得られる利点がある。
【0007】挿し木する前処理作業すなわち、採取した
挿し穂6を約1時間水揚げを行う点、成分としてオーキ
シンシンを含む発根処理剤(商品名,オキシベロン、ル
ートンなど)で挿し穂6の基部を処理する点、挿し床土
4に予め割り箸とを用いて挿し穴を形成した後挿し木を
する点等は従来から行われている慣行の方法と同様に行
う。7は、稲苗育苗用の育苗箱で、該育苗箱7は縦60
センチ、横30センチ、深さ3センチの硬質合成樹脂製
のもので、上記軟質製プラグトレイ1の台座として利用
すると、プラグトレイ1の運搬・移動等の取扱性が向上
する。しかして、育苗ハウス等の加温施設内において、
上記育苗箱7にプラグトレイ1を載置し、ポット室2に
礫5及び挿し床土4を充填し、挿し床土4に挿し穂6を
挿し木した後充分に灌水する。これらの作業は従来慣行
の露地作業に比較して能率良く楽に作業ができる。そし
て、プラグトレイ1を載置したままの育苗箱7を電熱線
8を敷設した苗床露地面9に並置し、ビニールトンネル
10で被覆し密閉状態にして、70〜90パーセントの
多湿度を保って昼間20〜25度C、夜間15度C程度
の温度で加温制御すると約2〜3週間後には発根してく
る。
【0008】実験結果によれば、図8および図9に示す
ように、10月,11月に挿し木した場合は休眠打破が
不十分で例え加温したとしても生存率,発根率ともに悪
い。本発明方法の12月に挿し木した場合であれば、休
眠は十分破れており、加温すれば発根,生存とも良好に
なり、さらに、10〜11月に比較して加温期間が短く
なり加温経費を少なくできる。なお慣行に近い形態で育
苗ハウス室外の露地に夏に挿し木し、その後11〜12
月頃まで充分に低温に遭遇させた後育苗ハウス内で加温
育成したものを対照区として示したが、この対照区のも
のに比して本発明方法による育成状況は遜色ないものと
なっている。発芽並びに発根がより活性化してくる3月
頃までは、ビニールトンネル10で被覆して密封加湿状
態を維持して加温制御し、灌水時にのみビニールトンネ
ル10の被覆を取る。3月以降はビニールトンネル10
の被覆を取り去り、加温制御も休止して適宜灌水しなが
ら育成管理すると根の発達も良好となり3〜4ケ月後に
は移植に最適なプラグ苗が得られる。従って、畑地圃場
への移植時期を考慮して、サツキの休眠期間が過ぎた初
冬以降に挿し木をするようにすれば多量のプラグ苗が量
産でき、また加温の状態をコントロールすれば成育度合
いも制御が可能となり育成期間を4〜5ケ月にもでき
る。そして、育苗箱7により運搬・移動が容易でプラグ
トレイ1からの苗の取り出しも容易で移植作業が効率的
に遂行できる。
【0009】移植作業は、図12に示す走行機体11に
牽引される移植機12を用いる。該移植機12の苗供給
機構並びに植付機構は公知形態のものを流用しており、
移植機12の上部にターンテーブル13上で回転する複
数個の苗収納体14が配置され該苗収納体14の底板は
一定位置でのみ自重開放されるようになっている。該苗
収納体14底板の自重開放位置下部と畑地圃場面との間
を上下回動する開嘴状植付爪15を有する植付器16が
配設されている。しかるに、本発明方法で育成したサツ
キのプラグ苗を回転する複数個の苗収納体14に一個づ
つ投入すると一定位置で植付器16の開嘴状植付爪15
に落下移送され、開嘴状植付爪15が圃場面に植付穴を
穿孔すると同時に開いて、プラグ苗を植付穴に移植す
る。これによりサツキをプラグ苗として効率良く省力的
に移植作業ができるものである。
【0010】なお、本発明ではサツキを例にして説明し
たがツツジの場合も同様であり、同種の花木苗の育成に
応用できるものである。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、秋季の休
眠期間を過ぎた初冬以降に母樹より挿し穂を採取し、該
挿し穂を縦方向及び横方向に多数のポット室を連続形成
したプラグトレイの、前記ポット室に充填した挿し床土
に挿し木し、しかる後密閉して加温・加湿状態で発根育
成してプラグ苗を作成したことにより、サツキ等の花木
苗を均一で取扱性の良好なプラグ苗として歩留り良く育
成でき、多量生産が可能となった。また、初冬以降に挿
し穂を採取するので樹幹がしっかりした頑丈な苗が育成
できる利点がある。さらに、プラグトレイへの挿し木作
業が楽に行え、畑地圃場への移植の際に行うプラグ苗の
取り出し供給も床土の崩れなく容易に行える等、苗の育
成並びに移植作業が大幅に省力化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラグトレイを用いて育苗している態様を示す
全体斜視図である。
【図2】プラグトレイを用いて育苗している態様を示す
部分断面図である。
【図3】本発明方法と慣行方法との挿し木時期の比較説
明図である。
【図4】本発明方法と慣行方法との成長活性を示す比較
説明図である。
【図5】プラグ苗の挿し木後2〜3週間の状態を示す発
根説明図である。
【図6】プラグ苗の挿し木後1ケ月の状態を示す発根説
明図である。
【図7】プラグ苗の挿し木後3〜4乃至5ケ月の状態を
示す発根説明図である。
【図8】挿し木時期による生存率を示す実験結果説明図
である。
【図9】挿し木時期による発根率を示す実験結果説明図
である。
【図10】挿し木時期による3ケ月後の新梢の伸長を示
す実験結果説明図である。
【図11】本発明方法のプラグ苗を移植する移植機の全
体側面図である。
【符号の説明】
1 プラグトレイ 2 ポット室 4 挿し床土 6 挿し穂 7 台座(育苗箱) 11 移植機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 秋季の休眠期間を過ぎた初冬以降に母樹
    より挿し穂を採取し、該挿し穂を縦方向及び横方向に多
    数のポット室を連続形成したプラグトレイの、前記ポッ
    ト室に充填した挿し床土に挿し木し、しかる後密閉して
    加温・加湿状態で発根育成してプラグ苗を作成したこと
    を特徴とする挿し木苗の育成方法。
JP4168406A 1992-06-02 1992-06-02 挿し木苗の育成方法 Pending JPH05328840A (ja)

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JP4168406A JPH05328840A (ja) 1992-06-02 1992-06-02 挿し木苗の育成方法

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ID=15867538

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988004399A1 (en) * 1986-12-11 1988-06-16 Toray Industries, Inc. Flexible heat transfer structure and method of manufacturing same
KR20010097002A (ko) * 2000-04-19 2001-11-08 이종재 화목류의 화아분화된 삽수를 군삽하여 소형 분화를생산하는 방법
CN102960481A (zh) * 2012-12-05 2013-03-13 童广清 一种紫鹃茶的培育种植加工方法
KR101395671B1 (ko) * 2013-01-17 2014-05-15 경상남도 산초나무의 증식방법
CN103814736A (zh) * 2014-03-07 2014-05-28 安徽理工大学 一种杜鹃温室幼苗间苗移栽方法
JP2014108057A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Sumitomo Forestry Co Ltd スギ挿し木苗の効率的製造方法
JP2018086006A (ja) * 2018-02-06 2018-06-07 住友林業株式会社 スギ挿し木苗の効率的製造方法

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