JPH05328497A - 超音波送受波器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み立てに要する手間及び時間を省くことが
可能で、組み立て効率の向上及びコストの低減を図るこ
とができる超音波送受波器を提供する。 【構成】 端子ピン１０のそれぞれが金属板を用いて形
成されたものであり、各端子ピン１０の上側端部には、
ベース４の厚み方向に沿って拡がるとともに、該ベース
４の外周端面に向かって拡がった平板部１１を設けてい
る。また、端子ピン１０に設けた平板部１１の外側端縁
部１１ａをベース４の外周端面からケース５の内周面に
向かって突出させるとともに、ケース５の内周面上に
は、平板部１１の外側端縁部１１ａをベース４の厚み方
向に沿って案内する案内部１２を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動ドア付近に配設さ
れた人体検知用や自動車におけるバックセンサなどとし
て用いられる超音波送受波器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、この種の超音波送受波器とし
ては、図６で示すように、圧電素子１ａ及び金属板１ｂ
を一体に貼り合わせることによってユニモルフ振動子と
いわれる圧電発音体１と、その上側に位置する金属板１
ｂの上面中央部に取り付けられた付加共振子２と、圧電
発音体１の下側に位置する圧電素子１ａの下面周縁部を
支持する突起部３が形成された絶縁樹脂製のベース４
と、このベース４の上側空間を囲んで圧電発音体１及び
付加共振子２を内装する樹脂製などのケース５とを備え
たものがある。そして、この付加共振子２はアルミニウ
ム板などの打ち抜き成形によって上拡がり漏斗形状とし
て形成されたものであり、その漏斗頂点部２ａは接着剤
（図示していない）を用いて金属板１ｂ上に接合されて
いる。また、圧電発音体１を構成する圧電素子１ａとベ
ース４の突起部３とは、弾性接着剤６を介して接合され
ている。

【０００３】一方、ベース４にはこれをその厚み方向に
沿って貫通する金属製丸棒状の端子ピン７，７が取り付
けられており、端子ピン７，７の各々と圧電素子１ａ及
び金属板１ｂとは互いにリード線８，８を介して接続さ
れている。すなわち、圧電素子１ａ及び金属板１ｂのそ
れぞれに対して一端部が半田付けされたリード線８，８
のそれぞれはベース４の所定位置に形成された切り欠き
部（図示していない）を通って外部に引き出されてお
り、各リード線８の他端部は各端子ピン７の外部に位置
する上側端部に巻き付けられたうえで半田付けされてい
る。さらに、この半田付けされた各リード線８の他端部
上には当該半田付け部分を保護するためのシリコン接着
剤（図示していない）が塗布される一方、各リード線８
が通過する切り欠き部の内部にはリード線８の不要振動
を抑制すべくシリコン接着剤が塗布されている。

【０００４】さらにまた、ベース４の上側空間を囲むケ
ース５には付加共振子２の上側開放面と対向する位置に
配置された放音孔９が形成されており、このケース５は
ベース４の外周端面に沿って外嵌されることによって取
り付けられている。そして、このケース５の内周面とベ
ース４の下面周縁部とは、両者の当接部分全周にわたっ
て塗布された接着剤（図示していない）を用いて接合さ
れている。なお、このとき、ケース５の内周面には、ベ
ース４の上面が当接して位置決めされる突起５ａや段付
き部（図示していない）を形成しておくのが一般的とな
っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来構
成とされた超音波送受波器では、リード線８，８それぞ
れの他端部を端子ピン７，７に対して幾重にも巻き付け
たうえで半田付けしているのであるが、このようにする
のは、丸棒状とされた各端子ピン７に対するリード線８
の半田付けが不確実なものとなりやすいため、超音波送
受波器を配設する際におけるリード線８，８のプリント
基板などへの半田付けによる影響を受けてリード線８，
８が端子ピン７，７から外れてしまうのを防止するため
である。しかしながら、このようにリード線８，８をわ
ざわざ各別に巻き付けるのでは、余分な手間及び時間が
かかることになってしまう。また、ベース４とケース５
とを接合する際にも、これら両者間の全周にわたって接
着剤を塗布することが行われているのであるが、これで
はさらに手間及び時間を要することになり、少なくとも
その分だけは組み立て効率が低下し、組み立てに要する
コストの増加を招いてしまうことになる。

【０００６】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであり、組み立てに要する手間及び時間を省く
ことが可能で、組み立て効率の向上及びコストの低減を
図ることができる超音波送受波器の提供を目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、ベースと、このベース上に取り付
けられた圧電発音体と、この圧電発音体上に取り付けら
れた付加共振子と、圧電発音体及び付加共振子を内装し
てベースに取り付けられたケースと、ベースに取り付け
られた端子ピンとを備えてなる超音波送受波器であっ
て、端子ピンのそれぞれは金属板を用いて形成されたも
のであり、各端子ピンの上側端部には、ベースの厚み方
向に沿って拡がるとともに、該ベースの外周端面に向か
って拡がった平板部を設けていることを特徴とするもの
である。また、ここで、端子ピンに設けた平板部の外側
端縁部をベースの外周端面からケースの内周面に向かっ
て突出させるとともに、ケースの内周面上に平板部の外
側端縁部をベースの厚み方向に沿って案内する案内部を
設けてもよい。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【０００９】図１は本発明の第１実施例にかかる超音波
送受波器の概略構造を示す断面図、図２はその分解斜視
図、図３はこれに用いられる端子ピンの外観形状を示す
斜視図であり、図４及び図５のそれぞれは端子ピンの変
形例を示す斜視図である。なお、この超音波送受波器の
全体構成は従来例と基本的に異ならないので、図１及び
図２において従来例を示す図６と互いに同一もしくは相
当する部品、部分には同一符号を付している。

【００１０】この超音波送受波器は、図１及び図２で示
すように、圧電素子１ａ及び金属板１ｂを一体に貼り合
わせた圧電発音体１と、その上側に位置する金属板１ｂ
の上面中央部に取り付けられた上拡がり漏斗形状の付加
共振子２と、突起部３を介して圧電発音体１の下側に位
置する圧電素子１ａの下面周縁部を支持するベース４
と、このベース４の上側空間内に配設された圧電発音体
１及び付加共振子２を内装するケース５とを備えてお
り、ベース４にはこれをその厚み方向に沿って貫通する
一対の端子ピン１０，１０が取り付けられている。そし
て、図３で示すように、端子ピン１０，１０のそれぞれ
は所定厚みの金属板を用いることによって形成されてお
り、ベース４の厚み内に位置する各端子ピン１０の上側
端部には、ベース４の厚み方向に沿って拡がるととも
に、ケース５が外嵌されるベース４の外周端面に向かっ
て拡がった形状の平板部１１が設けられている。

【００１１】また、ここで、各端子ピン１０と圧電発音
体１とはリード線８，８を介して各別に接続されてお
り、圧電素子１ａ及び金属板１ｂのそれぞれに対して一
端部が接続されたリード線８，８それぞれの他端部は各
端子ピン１０の平板部１１に半田付けされている。そし
て、この半田付けされた各リード線８の他端部上には、
当該半田付け部分を保護するためのシリコン接着剤（図
示していない）が塗布されている。すなわち、本実施例
においては、端子ピン１０を金属板によって形成し、か
つ、その上側端部には平板部１１を設けているので、こ
の平板部１１に対してリード線８の他端部を確実に半田
付けすることが可能となる。なお、この図３では、端子
ピン１０の全体が一定厚みを有する金属板から形成され
るものとしているが、これに限定されるものではなく、
例えば、図４及び図５でそれぞれ示すように、平板部１
１を除く端子ピン１０の脚部の断面形状が略Ｌ字状とさ
れたり略円形状とされたりしていてもよいことは勿論で
ある。

【００１２】さらにまた、この実施例では、端子ピン１
０，１０のそれぞれに設けた平板部１１の外側端縁部１
１ａがベース４の外周端面からケース５の内周面に向か
って突出させられる一方、このベース４の外周端面と対
面するケース５の内周面上には平板部１１の外側端縁部
１１ａをベース４の厚み方向に沿って案内する案内部１
２が設けられている。そして、この案内部１２は、図２
から明らかなように、各端子ピン１０の有する平板部１
１の厚みに対応した所定間隔だけ離間して並列配置され
た一対の突条によって構成されている。なお、これらの
突条はケース５と一体に形成されたものであっても別体
として形成されたうえで固着されたものであってもよ
い。

【００１３】そこで、ベース４の外周端面から突出した
平板部１１，１１それぞれの外側端縁部１１ａ上にリー
ド線８の他端部を半田付けし、さらに、当該半田付け部
分上にシリコン接着剤を塗布したうえでベース４をケー
ス５内に挿入すると、各外側端縁部１１ａは案内部１２
に従って案内されたうえでシリコン接着剤を介して案内
部１２と接合されることになる。その結果、圧電発音体
１や付加共振子２などが配設されたベース４とケース５
とは、互いに接合されて一体化されたことになる。

【００１４】ところで、以上の説明における端子ピン１
０の多数個を予め並列一体化することによっていわゆる
フープ状としておき、互いに隣接配置された一対ずつの
端子ピン１０，１０に対してベース４をインサート成形
によって形成することも可能であり、このようにした場
合には、超音波送受波器の組み立てを連続化することが
できるという利点がある。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる超
音波送受波器によれば、金属板を用いて端子ピンを形成
するとともに、ベースの厚み内に位置する端子ピンの上
側端部には平板部を設けているので、平板部分に対して
リード線を確実に半田付けすることが可能となり、各端
子ピンに対してリード線を巻き付けなくてもリード線が
端子ピンから外れてしまうことが起こり得なくなる結
果、このリード線の巻き付け作業に要していた手間及び
時間を省くことができる。また、本発明によれば、端子
ピンの平板部を介してベースとケースとの接合が行われ
るのであるから、従来例のように、ベース及びケース間
の全周にわたって接着剤を塗布する必要がなくなり、さ
らなる手間及び時間の削減を図ることができる。そのた
め、超音波送受波器における組み立て効率の向上及びコ
ストの低減を図ることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例にかかる超音波送受波器の概略構造を
示す断面図である。

【図２】その分解斜視図である。

【図３】本実施例にかかる端子ピンの外観形状を示す斜
視図である。

【図４】端子ピンの変形例を示す斜視図である。

【図５】端子ピンの変形例を示す斜視図である。

【図６】従来例にかかる超音波送受波器の概略構造を示
す断面図である。

【符号の説明】 １ 圧電発音体 １ａ 圧電素子 １ｂ 金属板 ４ ベース ５ ケース １０ 端子ピン １１ 平板部 １１ａ 外側端縁部 １２ 案内部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベース（４）と、このベース（４）上に取
   り付けられた圧電発音体（１）と、この圧電発音体
   （１）上に取り付けられた付加共振子（２）と、圧電発
   音体（１）及び付加共振子（２）を内装してベース
   （４）に取り付けられたケース（５）と、ベース（４）
   に取り付けられた端子ピン（１０）とを備えてなる超音
   波送受波器であって、 端子ピン（１０）のそれぞれは金属板を用いて形成され
   たものであり、 各端子ピン（１０）の上側端部には、ベース（４）の厚
   み方向に沿って拡がるとともに、該ベース（４）の外周
   端面に向かって拡がった平板部（１１）を設けているこ
   とを特徴とする超音波送受波器。
2. 【請求項２】端子ピン（１０）に設けた平板部（１１）
   の外側端縁部（１１ａ）をベース（４）の外周端面から
   ケース（５）の内周面に向かって突出させるとともに、 ケース（５）の内周面上には、平板部（１１）の外側端
   縁部（１１ａ）をベース（４）の厚み方向に沿って案内
   する案内部（１２）を設けていることを特徴とする請求
   項１記載の超音波送受波器。