JPH05325736A - ガス漏れ検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスが封入された開閉器のガス漏れを開閉器
内への混入空気量で検出することによって、絶縁性能の
限界まで利用できるガス漏れ検出装置を得る。また、外
部からの供給電源が断たれても作動するようにする。 【構成】 開閉器のケース１内部に侵入した空気の量を
検出する酸素センサ２３の出力に応じて、制御装置３１
を介して通報手段４０を作動させて外部へ通報する。こ
の場合、制御装置３１は外部から電源を供給されている
が、外部電源が断たれたときは、切り換え手段３２によ
り空気電池２４を通報手段４０に接続し、空気電池２４
がケース１内の空気により発生する電圧に応じて、通報
手段４０が作動し外部へ通報する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスを封入した開閉器
等のガスが漏れ、外部から空気が開閉器内に侵入したと
きに、これを検知するガス漏れ検出装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】図３は特開平３−１１０５０号号公報に
示された従来のガス漏れ検出装置を示す縦断面図であ
る。図において、１は開閉器等の圧力容器のケース、２
は圧力センサで、この圧力センサ２は次のように構成さ
れている。ケース１の内部に連結する連通孔３、同連通
孔３を経て伝達される圧力検出装置４、この検出値を外
部へ機械的に表示ないし伝達する伝達装置である作動杆
５を有し、ケース１を貫通し、ナット６、スプリングワ
ッシャ７、座金８によって締め付け、ケース１と圧力セ
ンサ２との接触面にはＯリング９を嵌合し、気密に固定
されている。

【０００３】圧力検出装置４はベローズ式とし、圧力に
よって伸縮するベローズ１０、ベローズ１０の外側を外
傷から保護する保護筒１１、ベローズ１０を所定圧力値
のとき所定位置でバランスするように付勢する付勢スプ
リング１２、付勢スプリング１２を保持案内するスプリ
ングガイド１３よりなる。作動杆５は、ベローズ１０の
伸縮に応じて移動し、ベローズ１０が上下方向に伸縮す
ると、作動杆５も上下に移動する。

【０００４】１４はケース１に固定された支持枠であ
り、前記付勢スプリング１２を支持し、作動杆５の案内
孔１４ａを有している。支持枠１４に取り付けられた作
動軸１５にはコマ１６が嵌挿され、コマ１６に設けられ
た凹溝１６ａで作動杆５に当接している。１７はＥ形止
め輪で、コマ１６の表面に座金１８を介して当接し、作
動軸１５に設けられたリング溝に嵌合している。Ｅ形止
め輪１７と支持枠１４との間には前記作動軸１５に嵌合
されたコマ１６を作動方向に付勢するスプリング２０が
設けられている。２１は作動軸１５のストッパ用Ｅ形止
め輪であり、作動軸１５のストロークを規制する。作動
軸１５が作動すると、作動・表示機構２２が作動し、外
部へ作動指令が伝達される。

【０００５】次に、上記従来装置の動作について説明す
る。ケース１内部にガス圧がかかると、ベローズ１０は
伸長し、作動杆５が下方に下がって作動軸１５に当接
し、同時に、コマ１６の凹溝１６ａが作動杆５の側面に
スプリング２０の付勢力によって圧接される。

【０００６】ケース１内のガス圧が低下すると、ベロー
ズ１０が収縮し、作動杆５が図面上、上方へ移動する。
ガス圧が所定圧以下になると、作動杆５がコマ１６の頂
点から外れ、作動軸１５がスプリング２０の付勢力によ
り左方へ移動し、ストッパ用Ｅ形止め輪２１が支持枠１
４に当接して止まる。このとき、作動軸１５の移動によ
り作動・表示機構２２が作動し、ガス漏れを表示すると
ともに、開閉器の操作機構（図示せず）を鎖錠して、投
入・遮断ができないようにする。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ガス開閉器は、ケース
内に封入されているＳＦ６ガス等のガスが外部に漏れ、
容器内に空気が侵入すると絶縁能力が低下する。しか
し、ガスが外部に漏れて容器内の圧力が低下しても、大
気圧よりも高ければ空気は侵入してこないし、所定量
（例えば、容器の５０％）以上の空気が容器内に混入し
ていなければ、開閉器の絶縁性能上問題とはならない。
また、ガスが容器の小さな隙間から漏れだした場合、容
器内の圧力が大気圧となってから、開閉器において絶縁
不能となるだけの空気が混入するまでには相当の時間を
要するため、すぐにガス漏れを表示する必要はない。と
ころが、従来のガス漏れ検出装置では、容器内の混入空
気量ではなく、ガス圧の低下によってガス漏れを検出し
ていたため、空気が侵入する前にガス漏れの表示装置が
作動して、開閉器の寿命が性能以上に短くなるという問
題点があった。

【０００８】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ガス漏れを開閉器内への混入空
気量によって検出し、開閉器の絶縁性能を十分に発揮で
きるガス漏れ検出装置を得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係るガス漏れ
検出装置は、ケース内に侵入した空気の量を検出する空
気センサ、外部から電源を供給されると共に、センサの
出力に応じて作動指令を出す制御装置、ケース内に侵入
した空気中の酸素を利用して電圧を発生する空気電池、
制御装置に供給する電源が外部から供給されるときは、
制御装置の作動指令側に、制御装置に供給する電源が外
部から供給されないときは、上記空気電池側に切り換え
て出力する切り換え手段、この切り換え手段の出力に応
じてガス漏れを通報する通報手段を備えたものである。

【００１０】

【作用】この発明においては、制御装置に供給する電源
が外部から供給されるときは、ケース内部に侵入した空
気の量を空気センサで検出し、この検出値に応じて通報
し、外部からの電源が供給されないときは、空気電池の
圧力に応じて通報する。

【００１１】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図１において、１は圧力容器のケース、１４は支持
枠、１５は作動軸、１６はコマ、１６ａは凹溝、１７は
Ｅ形止め輪、１８は座金、２０はスプリング、２１はス
トッパ用Ｅ形止め輪、２２は作動・表示機構であり、従
来の装置と同様のものである。２３は空気センサで、こ
の場合酸素の量に比例して微弱な電圧を発生する酸素セ
ンサを用いている。検出された電圧値によって容器内に
侵入した空気の量を知ることができる。その他酸素以外
に空気の成分を検出するものでもよい。２４は空気中の
酸素と反応して電気エネルギーを発生する空気電池で、
端子板２５によって電池ボックス２６内に保持されてお
り、酸素センサ２３とともに開閉器のケース１内に備え
られている。

【００１２】４０は通報手段であり、次のものから構成
されている。２７は作動軸１５を作動させ、外部へ表示
ないし伝達するための作動杆、２８は作動杆２７を上方
へ移動させるための駆動装置であるソレノイドで、作動
軸１５に当接する方向に付勢するためのスプリング２９
とＥ形止め輪３０とを有し、支持枠１４に取り付けられ
ている。したがって、通常はスプリング２９の付勢力に
よって作動杆２７がコマ１６の凹溝１６ａに係止してい
るため、作動軸１５は作動しない。なお、上記Ｅ形止め
輪３０はスプリング２９を支持するとともに作動杆２７
のストロークを規制する。そして、作動軸１５の作動に
より、作動・表示機構２２が外部へ通報する。通報手段
４０は、以上のように構成されている。

【００１３】図２は通報手段４０のソレノイド２８を駆
動する電気回路の構成を示す図である。図において、３
１は開閉器全体の制御を行う制御装置で、電源は開閉器
の負荷側から供給される。酸素センサ２３からの出力は
制御装置３１に取り込まれ、検出された混入空気量によ
ってソレノイド２８の動作を制御する。３２はソレノイ
ド２８の駆動電源を切り換えるための切り換え手段で通
常スイッチが利用される。制御装置３１に電源が供給さ
れている間は、ソレノイド２８の動力線が制御装置３１
側に接続され、制御装置３１の電源が切られた時は、自
動的に空気電池２４に接続される。

【００１４】次に、上記のように構成されたガス漏れ検
出装置の動作について説明する。ガス漏れが生じてケー
ス１内に空気が入ってくると、その空気の量に応じて酸
素センサ２３から出力される。酸素センサ２３から検出
される電圧値によって容器内の空気量を監視する。容器
内からガスが漏れ、容器内の圧力が大気圧と等しくなる
と、ガスが漏れたところから空気が侵入してくる。侵入
した空気量が所定量以上になると制御装置３１が作動し
てソレノイド２８を駆動させ、作動杆２７をコマ１６か
らはずして作動軸１５を作動させる。この作動により、
作動・表示機構２２で外部に通報する。

【００１５】外部から電源が制御装置３１に供給されて
いる時は、上記のように動作するが、開閉器が遮断した
りトリップなどして、外部電源が制御装置３１に供給さ
れないときは、切り換え手段３２が作動して空気電池２
４と通報手段４０を接続する。そして、容器内に空気が
混入してくると、空気電池２４から電気エネルギーが発
生される。空気電池２４の電圧が所定値以上になると、
ソレノイド２８が作動し、作動杆２７をコマ１６からは
ずして作動軸１５を作動させ、作動・表示機構２２で外
部に通報する。

【００１６】なお、空気電池２４を外部から電源が供給
されないときのみに利用するのは、空気が無い状態でも
常時回路上で接続されていると、電池が消耗して長時間
利用することができなくなる恐れがあるからで、外部電
源が供給されるときは空気電池２４側の回路を切断して
おく方がよい。また、酸素センサ２３を常時用いると、
容器内の空気量を随時検出できるため、絶縁不能となる
までに開閉器を交換することを予告することができると
いう利点がある。

【００１７】実施例２．上記の実施例では、ガス封入の
開閉器を例にあげたが、開閉器以外のガス封入をした電
気機器に広く適用できる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、絶縁
性のガスを封入したケース内に侵入した空気の量によっ
てガス漏れを検出するようにしたので、電気機器の絶縁
性能の限界まで利用でき、したがって、電気機器の寿命
を長くする効果がある。また、外部から電源が供給され
る、されないに係わらず、ガス漏れを検出できるので、
信頼性の高いガス漏れ検出装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１の開閉器のガス漏れ検出装
置を示す縦断面図である。

【図２】この発明の実施例１の電気回路の構成を示す図
である。

【図３】従来の開閉器のガス漏れ検出装置を示す縦断面
図である。

【符号の説明】

１ ケース ２３ 酸素センサ（空気センサ） ２４ 空気電池 ３１ 制御装置 ３２ スイッチ（切り換え手段） ４０ 通報手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気機器と共に電気絶縁ガスが封入され
   たケース内に侵入した空気の量に応じて作動するセン
   サ、外部電源によって駆動された上記センサの出力に応
   じて作動する制御装置、上記ケース内に侵入した空気中
   の酸素によって電圧を発生する空気電池、上記制御装置
   を駆動する外部電源がある時は上記制御装置側に、電源
   がない時は上記空気電池側に切り換えて接続されるガス
   漏れ通報手段を備えたガス漏れ検出装置。