JPH05320857A - プラズマ溶射方法 - Google Patents
プラズマ溶射方法Info
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- JPH05320857A JPH05320857A JP14882692A JP14882692A JPH05320857A JP H05320857 A JPH05320857 A JP H05320857A JP 14882692 A JP14882692 A JP 14882692A JP 14882692 A JP14882692 A JP 14882692A JP H05320857 A JPH05320857 A JP H05320857A
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- plasma
- torch
- electrode
- arc
- plasma jet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 プラズマジェットJの高温部を拡大し、高温
部を溶射粉末Pが通過しやすくして、皮膜7の品質を高
める。 【構成】 プラズマトーチ1の前方に電極8を設ける。
このトーチ前電極8とプラズマトーチ1内の電極2との
間にアークAを発生させる。プラズマトーチ1のノズル
2から噴出されるプラズマジェットJに、このアークA
を重畳させる。
部を溶射粉末Pが通過しやすくして、皮膜7の品質を高
める。 【構成】 プラズマトーチ1の前方に電極8を設ける。
このトーチ前電極8とプラズマトーチ1内の電極2との
間にアークAを発生させる。プラズマトーチ1のノズル
2から噴出されるプラズマジェットJに、このアークA
を重畳させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマジェットを熱
源として、部材表面に皮膜を形成するプラズマ溶射方法
に関する。
源として、部材表面に皮膜を形成するプラズマ溶射方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄設備等の各種部材表面に耐熱性・耐
摩耗性を付与することを目的として、その表面に皮膜を
作製することが行われている。その皮膜作製手段として
溶射法があり、溶射法の中でも、プラズマ溶射法は、熱
源に熱プラズマを用いるので、セラミックス等の高融点
材料を使用できる利点を有する。その原理は、プラズマ
ジェット中に溶射粉末を送給し、プラズマの熱で溶射粉
末を溶融すると共に、プラズマの圧力で粉末を加速し
て、ノズルより母材に向けて噴射するというものであ
る。加速・加熱された粒子は母材表面に堆積し、皮膜を
形成する。
摩耗性を付与することを目的として、その表面に皮膜を
作製することが行われている。その皮膜作製手段として
溶射法があり、溶射法の中でも、プラズマ溶射法は、熱
源に熱プラズマを用いるので、セラミックス等の高融点
材料を使用できる利点を有する。その原理は、プラズマ
ジェット中に溶射粉末を送給し、プラズマの熱で溶射粉
末を溶融すると共に、プラズマの圧力で粉末を加速し
て、ノズルより母材に向けて噴射するというものであ
る。加速・加熱された粒子は母材表面に堆積し、皮膜を
形成する。
【0003】なお、プラズマジェットとプラズマアーク
を複合した熱源の応用例として、半移送型プラズマジェ
ットによる肉盛り溶接がある1)。この方法は、母材と溶
接材料を完全に溶融させることを目的とし、トーチ内電
極とノズルとの間で発生するプラズマジェットのほか
に、トーチ内電極と母材との間で発生するアークを用い
る。
を複合した熱源の応用例として、半移送型プラズマジェ
ットによる肉盛り溶接がある1)。この方法は、母材と溶
接材料を完全に溶融させることを目的とし、トーチ内電
極とノズルとの間で発生するプラズマジェットのほか
に、トーチ内電極と母材との間で発生するアークを用い
る。
【0004】1)Surfacing with Super Alloy Powders
by Plasma Jet : Trans.NRIM VOL.7 NO.4(1965) p153
〜161 蓮井淳
by Plasma Jet : Trans.NRIM VOL.7 NO.4(1965) p153
〜161 蓮井淳
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プラズマ溶射において
は、前述のごとく、溶射皮膜は粉末の堆積により形成さ
れる。熱源により加熱・加速された粉末は母材表面に衝
突・変形し付着する。このため、加熱が不充分である
と、粉末は母材表面で充分変形しない。これらの粉末の
堆積により形成される皮膜は、気孔を多く含み、また付
着力も低い。逆に加熱が過剰であると、粉末は母材表面
への衝突時に飛び散り、これらの飛沫も同時に堆積する
ことにより、形成される皮膜は、やはり気孔を多く含
み、付着力も低い。従って、高性能の溶射皮膜を得るに
は、送給した全粉末を適正に、かつ均一に加熱する必要
がある。
は、前述のごとく、溶射皮膜は粉末の堆積により形成さ
れる。熱源により加熱・加速された粉末は母材表面に衝
突・変形し付着する。このため、加熱が不充分である
と、粉末は母材表面で充分変形しない。これらの粉末の
堆積により形成される皮膜は、気孔を多く含み、また付
着力も低い。逆に加熱が過剰であると、粉末は母材表面
への衝突時に飛び散り、これらの飛沫も同時に堆積する
ことにより、形成される皮膜は、やはり気孔を多く含
み、付着力も低い。従って、高性能の溶射皮膜を得るに
は、送給した全粉末を適正に、かつ均一に加熱する必要
がある。
【0006】プラズマ溶射法は、最高温度が数万度に達
するプラズマジェットを熱源とし、粉末がプラズマ中に
僅かな時間しかとどまらないにしても、粒子径が数十〜
百ミクロン程度であるので、うまくこの熱源の最高温度
部を通過させることが出来れば、あらゆる材料を完全に
溶融させることが出来、セラミックス等の高融点材料も
使用できる利点を有するが、その反面、次のような欠点
も合わせ持っている。
するプラズマジェットを熱源とし、粉末がプラズマ中に
僅かな時間しかとどまらないにしても、粒子径が数十〜
百ミクロン程度であるので、うまくこの熱源の最高温度
部を通過させることが出来れば、あらゆる材料を完全に
溶融させることが出来、セラミックス等の高融点材料も
使用できる利点を有するが、その反面、次のような欠点
も合わせ持っている。
【0007】作製された皮膜内に不適正な加熱が行われ
た粒子も多数存在することにより、そのような部分から
皮膜の付着低下が起こる。原因は以下のようである。プ
ラズマジェットを取り囲みジェットに比べ温度が低い大
気がプラズマジェット中に混入し、ジェットが急冷され
ることにより、プラズマジェットが軸方向、半径方向に
急勾配の温度分布を持ち、高温部の体積は小さなものと
なる。このようなプラズマジェットに送給された粉末
は、必ずしも高温部を通過することが出来ず、加熱が不
適正となる。そして、不適正な加熱しか行われなかった
粉末も、母材上で堆積し、皮膜の一部として取り込まれ
ることにより、皮膜の付着力低下が起こる。
た粒子も多数存在することにより、そのような部分から
皮膜の付着低下が起こる。原因は以下のようである。プ
ラズマジェットを取り囲みジェットに比べ温度が低い大
気がプラズマジェット中に混入し、ジェットが急冷され
ることにより、プラズマジェットが軸方向、半径方向に
急勾配の温度分布を持ち、高温部の体積は小さなものと
なる。このようなプラズマジェットに送給された粉末
は、必ずしも高温部を通過することが出来ず、加熱が不
適正となる。そして、不適正な加熱しか行われなかった
粉末も、母材上で堆積し、皮膜の一部として取り込まれ
ることにより、皮膜の付着力低下が起こる。
【0008】このようなプラズマ溶射の欠点は、プラズ
マジェットの高温部の体積が小さいことに起因してお
り、高温部を拡大することにより全送給粉末を高温部を
通過させることができるようになり、溶射皮膜性能の向
上が図れる。プラズマジェットの高温部の拡大には、他
の熱源の複合が有効である。しかし、前述したプラズマ
アークの複合では、トーチと母材間にアークを発生させ
るため、母材も溶融し母材変形が大きい。また、溶融池
を作るため材料にセラミックスを使用した場合、比重差
で浮遊し、その後の冷却過程で膨張係数の違いにより、
そのセラミックスは剥離する。
マジェットの高温部の体積が小さいことに起因してお
り、高温部を拡大することにより全送給粉末を高温部を
通過させることができるようになり、溶射皮膜性能の向
上が図れる。プラズマジェットの高温部の拡大には、他
の熱源の複合が有効である。しかし、前述したプラズマ
アークの複合では、トーチと母材間にアークを発生させ
るため、母材も溶融し母材変形が大きい。また、溶融池
を作るため材料にセラミックスを使用した場合、比重差
で浮遊し、その後の冷却過程で膨張係数の違いにより、
そのセラミックスは剥離する。
【0009】本発明の目的は、母材を溶融させずにプラ
ズマジェットの高温部を拡大して、溶射皮膜の性能を高
めるプラズマ溶射方法を提供することにある。
ズマジェットの高温部を拡大して、溶射皮膜の性能を高
めるプラズマ溶射方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ溶射方
法は、プラズマジェットを熱源とするプラズマ溶射方法
において、プラズマトーチの内部に設けたトーチ内電極
と、プラズマトーチの先端部に設けたノズルとの間にア
ークを発生させて、ノズルの出口からプラズマガスを噴
出させると共に、このプラズマジェットを挟むまたは取
り囲む電極をプラズマトーチの前方に設けて、このトー
チ前電極と前記トーチ内電極との間にアークを発生さ
せ、このアークを前記プラズマジェットに重量させるこ
とを特徴とする。
法は、プラズマジェットを熱源とするプラズマ溶射方法
において、プラズマトーチの内部に設けたトーチ内電極
と、プラズマトーチの先端部に設けたノズルとの間にア
ークを発生させて、ノズルの出口からプラズマガスを噴
出させると共に、このプラズマジェットを挟むまたは取
り囲む電極をプラズマトーチの前方に設けて、このトー
チ前電極と前記トーチ内電極との間にアークを発生さ
せ、このアークを前記プラズマジェットに重量させるこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】図1は本発明の一実施態様を模式的に示す立面
図である。
図である。
【0012】プラズマトーチ1は、先端部にノズル2を
有し、内部に電極3を保有している。このトーチ内電極
3とノズル2との間には、電源4が接続されており、こ
れによりトーチ内電極3とノズル2との間にアークを発
生させる。このアークにより、プラズマトーチ1内に供
給されるプラズマガスGがプラズマ化されて、ノズル2
の出口からプラズマジェットJが噴出される。プラズマ
ジェットJには、粉末供給管5を通じて溶射粉末Pが供
給される。溶射粉末PはプラズマジェットJにより加速
・加熱され、溶射母材6の表面に衝突してその表面に皮
膜7を形成する。
有し、内部に電極3を保有している。このトーチ内電極
3とノズル2との間には、電源4が接続されており、こ
れによりトーチ内電極3とノズル2との間にアークを発
生させる。このアークにより、プラズマトーチ1内に供
給されるプラズマガスGがプラズマ化されて、ノズル2
の出口からプラズマジェットJが噴出される。プラズマ
ジェットJには、粉末供給管5を通じて溶射粉末Pが供
給される。溶射粉末PはプラズマジェットJにより加速
・加熱され、溶射母材6の表面に衝突してその表面に皮
膜7を形成する。
【0013】プラズマトーチ1の前方には、リング状の
電極8が設けられている。このトーチ前電極8は、ノズ
ル2の中心軸上にあり、保護のために水冷されている。
そして、ノズル2とトーチ前電極8との間に電源10に
より電圧を印加することにより、トーチ内電極3とトー
チ前電極8との間にアークAを発生させる。このアーク
AによりプラズマジェットJの高温部が拡大し、溶射粉
末Pの高温部通過が容易となる。また、アークAはトー
チと前電極の間でプラズマジェットJの高温部を拡大す
るので、溶射粉末Pの溶融についてのみ寄与し、母材6
を溶融させない。
電極8が設けられている。このトーチ前電極8は、ノズ
ル2の中心軸上にあり、保護のために水冷されている。
そして、ノズル2とトーチ前電極8との間に電源10に
より電圧を印加することにより、トーチ内電極3とトー
チ前電極8との間にアークAを発生させる。このアーク
AによりプラズマジェットJの高温部が拡大し、溶射粉
末Pの高温部通過が容易となる。また、アークAはトー
チと前電極の間でプラズマジェットJの高温部を拡大す
るので、溶射粉末Pの溶融についてのみ寄与し、母材6
を溶融させない。
【0014】トーチ前電極8は、プラズマジェットJを
挟む又は取り囲むようにすればよく、図1ではリング状
としているが、平行部でプラズマジェットを挟むような
ものも好ましい。これらのトーチ前電極8を図2および
図3に詳示する。11はトーチ前電極8の内部に冷却水
Wを流通させるための冷却水管で、端子および保持部を
兼ねている。
挟む又は取り囲むようにすればよく、図1ではリング状
としているが、平行部でプラズマジェットを挟むような
ものも好ましい。これらのトーチ前電極8を図2および
図3に詳示する。11はトーチ前電極8の内部に冷却水
Wを流通させるための冷却水管で、端子および保持部を
兼ねている。
【0015】リング状のトーチ前電極の場合、その内径
D1は20mm〜40mmが好ましい。内径D1が小さ
すぎると、プラズマジェットJの熱でトーチ前電極とが
溶融するため好ましくなく、大きすぎると、トーチ内電
極とトーチ前電極との間で発生するアークAがトーチ前
電極の円周方向の一部にのみ発生し、プラズマジェット
Jの高温部を拡大させる効果が少ない。トーチ前電極の
外周部は、アークAの電流路とはなり難いので重要性が
低く、電極内に冷却水Wを流せ、電流を流せるだけの導
体部断面積を有する形状であればよい。設置位置につい
ても好ましい値が存在し、ノズル出口からの距離が40
〜60mmが好ましい。これよりも近づきすぎると、ト
ーチ内電極とトーチ前電極との間で発生するアークA
が、ノズルから出るときの角度が大きくなりすぎて不安
定となり好ましくない。遠すぎるとトーチ内電極とトー
チ前電極との間で発生するアークA用の電源の供給電圧
が過剰に高くなり、アークAも不安定となる。また、ト
ーチからの距離の増加に伴い、広がりながら飛行する溶
射粉末が吹き付けられるので好ましくない。
D1は20mm〜40mmが好ましい。内径D1が小さ
すぎると、プラズマジェットJの熱でトーチ前電極とが
溶融するため好ましくなく、大きすぎると、トーチ内電
極とトーチ前電極との間で発生するアークAがトーチ前
電極の円周方向の一部にのみ発生し、プラズマジェット
Jの高温部を拡大させる効果が少ない。トーチ前電極の
外周部は、アークAの電流路とはなり難いので重要性が
低く、電極内に冷却水Wを流せ、電流を流せるだけの導
体部断面積を有する形状であればよい。設置位置につい
ても好ましい値が存在し、ノズル出口からの距離が40
〜60mmが好ましい。これよりも近づきすぎると、ト
ーチ内電極とトーチ前電極との間で発生するアークA
が、ノズルから出るときの角度が大きくなりすぎて不安
定となり好ましくない。遠すぎるとトーチ内電極とトー
チ前電極との間で発生するアークA用の電源の供給電圧
が過剰に高くなり、アークAも不安定となる。また、ト
ーチからの距離の増加に伴い、広がりながら飛行する溶
射粉末が吹き付けられるので好ましくない。
【0016】プラズマジェットJを挟んで平行部がある
トーチ前電極の場合、対面する平行部の間隔D2は20
〜40mmが好ましい。その理由はリング状の電極の場
合と同様に説明される。この型のトーチ前電極を使用し
た場合は、プラズマジェットJはトーチ内電極とトーチ
前電極との間で発生するアークAの作用により平行部長
手方向の直角方向に拡大される。そのため、このプラズ
マジェットJに供給される粉末は、プラズマジェットの
拡大方向に沿って供給される。トーチ前電極の平行部
は、電力供給のためにいずれ一体となるので、平行部で
はなくなる部分が現れる。よってトーチ内電極とトーチ
前電極との間で発生するアークAの対称性を確保するた
め、電極の平行部はある程度長くある必要があり、10
0mm以上が望ましい。また、電極保護の面から水冷す
ることが望ましく、そのために、図3のようにトーチ前
電極8を長方形にすると、冷却水Wを還流させることが
容易となる。
トーチ前電極の場合、対面する平行部の間隔D2は20
〜40mmが好ましい。その理由はリング状の電極の場
合と同様に説明される。この型のトーチ前電極を使用し
た場合は、プラズマジェットJはトーチ内電極とトーチ
前電極との間で発生するアークAの作用により平行部長
手方向の直角方向に拡大される。そのため、このプラズ
マジェットJに供給される粉末は、プラズマジェットの
拡大方向に沿って供給される。トーチ前電極の平行部
は、電力供給のためにいずれ一体となるので、平行部で
はなくなる部分が現れる。よってトーチ内電極とトーチ
前電極との間で発生するアークAの対称性を確保するた
め、電極の平行部はある程度長くある必要があり、10
0mm以上が望ましい。また、電極保護の面から水冷す
ることが望ましく、そのために、図3のようにトーチ前
電極8を長方形にすると、冷却水Wを還流させることが
容易となる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0018】図1に示す態様で溶射皮膜を作製した。溶
射条件を表1に示す。作製した皮膜は、その断面を観察
して評価した。評価法としては、ASTMに基づくポイ
ントカウンティング2)による皮膜断面内の気孔率の測定
を用いた。
射条件を表1に示す。作製した皮膜は、その断面を観察
して評価した。評価法としては、ASTMに基づくポイ
ントカウンティング2)による皮膜断面内の気孔率の測定
を用いた。
【0019】2)ANNUAL BOOK of ASTM STANDARDS 1988
E562-83 ,p527
E562-83 ,p527
【0020】
【表1】
【0021】図4にトーチ内電極とトーチ前電極との間
で発生するアークの電流値と皮膜の気孔率の関係を示し
た。トーチ前電極はリング状で内径20mm、プラズマ
トーチのノズルからの距離は60mmとした。プラズマ
ジェットに重畳するアークの電流を徐々に増加させる
と、プラズマの高温部が拡大され、粉末加熱の適正化が
図られる。そして、今回のプラズマジェットの条件にお
いては、150Aにて最も緻密な皮膜が作製できること
が分かった。しかし、150Aを超えると粉末は過剰に
加熱されるようになり、皮膜の気孔率は再び増大する。
電流0Aのときは通常のプラズマ溶射によるもので、こ
れと比較すると、アークを重畳することにより、その電
流値にかかわらず気孔率は低下する。
で発生するアークの電流値と皮膜の気孔率の関係を示し
た。トーチ前電極はリング状で内径20mm、プラズマ
トーチのノズルからの距離は60mmとした。プラズマ
ジェットに重畳するアークの電流を徐々に増加させる
と、プラズマの高温部が拡大され、粉末加熱の適正化が
図られる。そして、今回のプラズマジェットの条件にお
いては、150Aにて最も緻密な皮膜が作製できること
が分かった。しかし、150Aを超えると粉末は過剰に
加熱されるようになり、皮膜の気孔率は再び増大する。
電流0Aのときは通常のプラズマ溶射によるもので、こ
れと比較すると、アークを重畳することにより、その電
流値にかかわらず気孔率は低下する。
【0022】図5はリング状電極を用いた場合の電極内
径の適正化の検討を行った結果で、プラズマトーチのノ
ズル出口からトーチ前電極までの距離を60mmとした
場合の電極内径と皮膜の気孔率の関係を示したものであ
る。トーチ内電極とトーチ前電極との間で発生するアー
クの電流は150Aとした。今回の検討範囲の20mm
〜40mmでは、電極内径は小さいほど良く、皮膜の気
孔率は低下している。しかし、プラズマの熱によるダメ
ージのため20mmよりも小さくすることは困難であっ
た。
径の適正化の検討を行った結果で、プラズマトーチのノ
ズル出口からトーチ前電極までの距離を60mmとした
場合の電極内径と皮膜の気孔率の関係を示したものであ
る。トーチ内電極とトーチ前電極との間で発生するアー
クの電流は150Aとした。今回の検討範囲の20mm
〜40mmでは、電極内径は小さいほど良く、皮膜の気
孔率は低下している。しかし、プラズマの熱によるダメ
ージのため20mmよりも小さくすることは困難であっ
た。
【0023】図6は内径20mmのリング状電極を用い
た場合の、ノズル出口から電極までの距離と皮膜の気孔
率の関係を示したものである。トーチ内電極とトーチ前
電極との間のアーク電流は150Aとした。ノズル出口
から電極までの距離には適正値が存在し、距離60mm
のとき気孔率は最低となる。これよりも近いと、トーチ
内電極とトーチ前電極との間で発生するアークのノズル
から出るときの角度が大きくなり、プラズマジェットか
ら離れてトーチ内電極とトーチ前電極との間でアークが
発生し、プラズマジェットの高温部の拡大の効果は少な
い。逆に、遠い場合はアークも不安定となり、やはりプ
ラズマジェットの高温部拡大の効果は少ない。
た場合の、ノズル出口から電極までの距離と皮膜の気孔
率の関係を示したものである。トーチ内電極とトーチ前
電極との間のアーク電流は150Aとした。ノズル出口
から電極までの距離には適正値が存在し、距離60mm
のとき気孔率は最低となる。これよりも近いと、トーチ
内電極とトーチ前電極との間で発生するアークのノズル
から出るときの角度が大きくなり、プラズマジェットか
ら離れてトーチ内電極とトーチ前電極との間でアークが
発生し、プラズマジェットの高温部の拡大の効果は少な
い。逆に、遠い場合はアークも不安定となり、やはりプ
ラズマジェットの高温部拡大の効果は少ない。
【0024】図7はトーチ前電極が平行型電極の場合の
電極間隔の適正化の検討を行った結果で、プラズマトー
チのノズル出口からトーチ前電極までの距離を60m
m、トーチ内電極で発生するアーク電流を150Aとし
た場合の、トーチ前電極の電極間隔と皮膜の気孔率の関
係を示したものである。今回の検討範囲の20mm〜4
0mmでは、電極間隔は小さいほど良く、皮膜の気孔率
は低下している。しかし、リング状電極の場合に比べそ
の効果は小さい。
電極間隔の適正化の検討を行った結果で、プラズマトー
チのノズル出口からトーチ前電極までの距離を60m
m、トーチ内電極で発生するアーク電流を150Aとし
た場合の、トーチ前電極の電極間隔と皮膜の気孔率の関
係を示したものである。今回の検討範囲の20mm〜4
0mmでは、電極間隔は小さいほど良く、皮膜の気孔率
は低下している。しかし、リング状電極の場合に比べそ
の効果は小さい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のプラズマ溶射方法は、トーチから噴出されるプラズマ
ジェットに、トーチ内電極とトーチ前電極との間で発生
するアークを重畳させることにより、プラズマジェット
の高温部を拡大することができ、溶射粉末の高温部通過
を容易にする。これにより、溶射粉末が適正に溶融さ
れ、気孔の少ない緻密な溶射皮膜を形成することが可能
になる。
のプラズマ溶射方法は、トーチから噴出されるプラズマ
ジェットに、トーチ内電極とトーチ前電極との間で発生
するアークを重畳させることにより、プラズマジェット
の高温部を拡大することができ、溶射粉末の高温部通過
を容易にする。これにより、溶射粉末が適正に溶融さ
れ、気孔の少ない緻密な溶射皮膜を形成することが可能
になる。
【図1】本発明の一実施態様を模式的に示す立面図であ
る。
る。
【図2】本発明に使用するトーチ前電極の平面図であ
る。
る。
【図3】本発明に使用する他のトーチ前電極の平面図で
ある。
ある。
【図4】トーチ内電極とトーチ前電極との間で発生する
アークの電流値と皮膜の気孔率の関係を示す図表であ
る。
アークの電流値と皮膜の気孔率の関係を示す図表であ
る。
【図5】トーチ前電極がリング状電極の場合の電極内径
が皮膜の気孔率に与える影響を示す図表である。
が皮膜の気孔率に与える影響を示す図表である。
【図6】トーチ前電極がリング状電極の場合のプラズマ
ノズル出口からトーチ前電極までの距離と皮膜の気孔率
の関係を示す図表である。
ノズル出口からトーチ前電極までの距離と皮膜の気孔率
の関係を示す図表である。
【図7】平行型電極の場合の電極間隔と皮膜の気孔率の
関係を示す図表である。
関係を示す図表である。
【符号の説明】 1 プラズマトーチ 2 ノズル 3 トーチ内電極 6 溶射母材 7 皮膜 8 トーチ前電極
Claims (1)
- 【請求項1】 プラズマジェットを熱源とするプラズマ
溶射方法において、プラズマトーチの内部に設けたトー
チ内電極と、プラズマトーチの先端部に設けたノズルと
の間にアークを発生させて、ノズルの出口からプラズマ
ガスを噴出させると共に、このプラズマジェットを挟む
又は取り囲む電極をプラズマトーチの前方に設けて、こ
のトーチ前電極と前記トーチ内電極との間にアークを発
生させ、このアークを前記プラズマジェットに重量させ
ることを特徴とするプラズマ溶射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14882692A JPH05320857A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | プラズマ溶射方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14882692A JPH05320857A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | プラズマ溶射方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320857A true JPH05320857A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15461597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14882692A Pending JPH05320857A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | プラズマ溶射方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320857A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108796496A (zh) * | 2017-05-04 | 2018-11-13 | 通用电气公司 | 用来在基体上沉积涂层的系统及方法 |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP14882692A patent/JPH05320857A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108796496A (zh) * | 2017-05-04 | 2018-11-13 | 通用电气公司 | 用来在基体上沉积涂层的系统及方法 |
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