JPH05320193A - 副甲状腺ホルモン誘導体 - Google Patents

副甲状腺ホルモン誘導体

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JPH05320193A
JPH05320193A JP5029283A JP2928393A JPH05320193A JP H05320193 A JPH05320193 A JP H05320193A JP 5029283 A JP5029283 A JP 5029283A JP 2928393 A JP2928393 A JP 2928393A JP H05320193 A JPH05320193 A JP H05320193A
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lys
amino acid
ser
arg
leu
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JP5029283A
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Tsunehiko Fukuda
常彦 福田
Shizue Nakagawa
静枝 中河
Shigehisa Taketomi
滋久 武富
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)(1−34)
の特性を改良したPTH誘導体を提供する。 【構成】PTH(1−34)の3位、14位、15位、
16位、17位、25位、26位、27位または34位
の1ないしそれ以上を他のアミノ酸残基で置換したPT
H誘導体。 【効果】上記の置換により、酵素分解に対する安定性が
増し、また活性が上昇するなど、優れたPTH誘導体を
得ることができた。このものは骨疾患等に対して有用な
医薬となり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】副甲状腺ホルモン(PTH)は副甲状腺で
合成された後、その標的器官である骨、腎臓、腸に作用
して、主に血中カルシウムやリン酸イオンの濃度を調節
する重要な働きをしている。PTHは84個のアミノ酸か
らなるペプチドホルモンであるがその生物学的作用はN
末端(1-34位)のペプチドフラグメントで再現できる事が
知られている〔G.W.Tregearら、エンドクリノロジー(En
docrinology),93 1349-1353(1973)〕。このヒト型P
THのN末端(1-34位)のペプチドフラグメント(ヒトP
TH(1-34)と略す)のアミノ酸配列は以下の通りであ
る。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 H-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser- 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-Phe-OH (配列番号:1) 当該ホルモンの構造活性相関を理解すべくPTH(1-34)
フラグメントについて種々の誘導体の合成がなされてき
たが、それらは主にウシPTH(1-34)に関するもので
あり、ヒトPTH(1-34)に関してはその例は少ない。例
えばヒトPTH(1-34)のC末端PheをPhe-NH2に変換
すると活性の上昇が見られる(特開昭58-96052)事が知
られている。しかし、これはカルボキシルペプチダーゼ
による分解が抑えられ、その結果見かけの活性上昇が観
察されたものと思われる。また、ヒトPTH(1-34)には
Metが2残基含まれるが、これらをNleに置換した
分子では酸化によるホルモン活性消失が防止されること
が知られている(特開昭61-24598)。また、F.E.Cohenら
〔ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー(The Journal of Biolological Chemistry,226,19
97-2004(1991)〕は、ウシPTH(1−34)におい
て3位Serを種々のL−アミノ酸残基に置換したが、
Ala置換体ではほぼ天然型と同程度の活性を示したほ
かは他のアミノ酸残基置換では活性が著しく低下した。
S.Reppeら〔The Journal of Biological Chemistry,22
6,14198-14201(1991)〕はヒトPTH(1−84)に
おいて、26位LysをGlnに置換した蛋白質では天
然型と同等の活性を有することを示したがヒトPTH
(1−34)活性フラグメントについては、同様の置換
をほどこした誘導体は知られていない。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】PTHの生物学的作用
からして、これを医薬として用いれば種々の骨疾患等に
対する有用な医薬品になりうる事が期待されるが、ペプ
チドが有する次のような性質がそれを困難にしている。
1.体内で種々の酵素により分解を受けやすい。2.種
々の経路における体内への吸収効率が非常に低い。3.
例えば酸化等、種々の物理化学的条件にたいし、不安定
である。このような問題点を解決すべく、又当該ホルモ
ンの構造活性相関を解明すべく、PTH(1−34)活
性フラグメントについて種々の誘導体の合成がなされて
きた。これらの化合物の生物活性の測定においては、上
記1〜3の問題点のどれかが回避された化合物では、前
項で、34位Phe−NH2誘導体について述べたのと
同様、活性の上昇した誘導体がみられることが多い。
又、例えばレセプターとの調和性の増大などによって本
来の活性の上昇した誘導体は、その高活性によって上記
1〜3の問題点を補うことができる。
【0003】
【課題を解決するための手段】先に本発明者等は、ヒト
PTH(1−34)におけるアミノ酸残基の置換を化学合
成的に実施し、ヒトPTH(1−34)に、(1)種々の
蛋白質分解酵素に対する抵抗性を考慮したアミノ酸残基
置換をほどこす事により、(2)また予想される2次元
構造や、親水・疎水性もしくはイオン的環境を考慮した
アミノ酸残基置換によって、当該ホルモンの活性を高め
ることにより、(3)さらには酸、アルカリ性条件、酸
化条件等に対して不安定なアミノ酸残基を、活性を低下
させる事なく、これらの条件に対して安定なアミノ酸残
基に置換することによって、この目的が達成されること
を見出し、優れたヒトPTH(1−34)誘導体を提供
した(ヨーロッパ特許出願公開第477885号公
報)。今般、さらに研究を重ねた結果、ヒトPTH(1
−34)配列における第3位、14位、15位、16
位、17位、25位、26位、27位及び34位のアミ
ノ酸残基のいずれか、あるいはこれらの置換の組合せよ
りなる該ペプチド誘導体が活性の上昇や安定性等に優れ
ていることが期待され、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、 Ser-Val-R1-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys
-R2-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-R3-Leu-Gln-Asp-Val
-His-Asn-R4 〔式中R1はSerまたは炭素数4以下のD−α−アミノ酸
残基を、R2は少なくとも1個の水溶性α−アミノ酸残基
を有するテトラペプチド鎖を、R3は少なくとも1個の水
溶性α−アミノ酸残基を有するトリペプチド鎖を、R4
芳香族アミノ酸残基またはそのアミドを示す(ただし同
時にR1がSer,R2がHis-Leu-Asn-Ser,およびR3がE-F-G
(式中、AはArgまたはHis,BはLysまたはHis,およびC
はLys,LeuまたはGlnを示す)である場合を除く)〕で表
されるペプチドまたはその塩に関するものである。
【0004】上記定義中、水溶性α−アミノ酸とは側鎖
に極性基を有するα型の天然あるいは非天然の親水性ア
ミノ酸を表す。特に天然の水溶性α−アミノ酸が好まし
い。これらのうち天然アミノ酸は天然(動物、植物また
は微生物)のタンパク質を構成するアミノ酸もしくはそ
の代謝産物であるアミノ酸のうち水溶性のものをいい、
また、その側鎖に有する極性基(カルボキシル基、アミ
ノ基、グアニジノ基、ヒドロキシル基等)により酸性ア
ミノ酸、中性アミノ酸あるいは塩基性アミノ酸のいずれ
であってもよい。さらにこれらのうち塩基性アミノ酸残
基としては式:
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、ZはNH2,NHC(NH)NH2
たはイミダゾール環を、nは1〜5の整数を示す〕で表
されるLもしくはD−αアミノ酸残基であるものが好ま
しい。R1における炭素数4以下のD-α-アミノ酸残基と
してはD-Ala,D-Asn,D-Cys,D-Ser,D-Thr等の中性ア
ミノ酸残基が例示され、好ましくは、炭素数3以下のD
-α-アミノ酸残基、たとえばD-Ser,D-Ala等が挙げられ
る。R2の少なくとも1個の水溶性α−アミノ酸残基を有
するテトラペプチド鎖をA-B-C-Dで表わすと、AはHis又
はそれ以外の水溶性アミノ酸残基を、BはLeu又は水溶性
アミノ酸残基を、CはAsn又はそれ以外の水溶性α−アミ
ノ酸残基を、DはSer又はそれ以外の水溶性アミノ酸残基
を表わす。R2のA,B,C,Dにおける水溶性アミノ酸とし
てはDもしくはL体のLys,Gln,Asp,Glu,Thr,Asn,
Arg,Ser,His,オルニチン,ホモアルギニン,2,3-ジ
アミノプロピオン酸,2,4-ジアミノ-酪酸,2-アミノ-4
グアニジノ酪酸,2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸
もしくはGlyが挙げられ、中でもLys,Argが好ましい。R
2のA,B,C,Dは上記のものを適当に組合せることがで
きるが、中でもHis-Lys-Lys-Lys,His-Leu-Lys-Lys,Ly
s-Lys-Lys-LysもしくはHis-Leu-Lys-Serの組合せが好ま
しい。R3の少なくとも1個の水溶性α−アミノ酸残基を
有するトリペプチド鎖E-F-Gは、中性ないし塩基性のア
ミノ酸残基が好ましく、具体的な中性アミノ酸残基とし
ては、Ser,Asn,Gln,Thr,Gly,Cit,Hci等が挙げら
れる。塩基性アミノ酸残基としてはArg,Lys,His,オ
ルニチン,ホモアルギニン,2-3ジアミノプロピオン
酸,2-4-ジアミノ酪酸,2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸,
2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸等が挙げられる。
R3のE-F-Gは上記のものを適当に組合せることができる
が、中でもArg-Gln-GlnもしくはArg-Lys-Hisの組合せが
特に好ましい。R4の芳香族アミノ酸残基またはそのアミ
ドとしては、Phe,Phe-NH2,Tyr,Tyr-NH2等が挙げられ
る。本発明のペプチドは上記R1,R2,R3およびR4の組み
合せにより、PTH(1-34)フラグメントに対する置換は
一ケ所だけでなく、何ケ所かの置換の組合せも可能であ
り、後述の実施例にあるように特に4ケ所までの置換の
組合せは実用的である。特に3位および34位について
は単独よりも、他の位置での置換との組合せが、活性を
上げるうえで好ましい。
【0007】本発明におけるペプチド合成はペプチド自
動合成装置を用いて行うことができる。基本的な合成過
程等はR.B.Merrifield〔アドバンシズ・イン・エンザイモ
ロジー(Advances in Enzymology)32,221-296(196
9)〕の方法に準じている。この方法は、カルボキシル
末端のアミノ酸を樹脂担体に共有結合させておき、α−
アミノ基の保護基の除去、保護アミノ酸の縮合を順次繰
り返して、アミノ末端に向けてペプチド鎖を延長させ目
的のアミノ酸配列を有する保護ペプチド樹脂を得る事を
その原理としている。各アミノ酸の縮合やα−アミノ基
の保護基の除去などは、ほぼ同一の条件でなされ、中間
体の精製も行なわない為、合成に際しては一般に高度な
熟練は要求されない。しかもこの方法は迅速であり、種
々のペプチドを合成するに際し、非常に便利な方法であ
る。こうして得られた保護ペプチド樹脂を、例えば無水
フッ化水素、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはト
リフルオロ酢酸と種々の添加物の共存下に反応させる事
により、ペプチドの樹脂からの脱離と全保護基の除去を
一段階で行うことができる。得られたペプチド粗精製物
は、ペプチドまたは蛋白質を精製する公知の手段で精製
することができる。例えばゲル濾過、陽イオン交換、も
しくは陰イオン交換樹脂を用いるイオン交換クロマトグ
ラフィー、さらには疎水クロマトグラフィー、分配吸着
クロマトグラフィー等、種々の原理によるカラムクロマ
トグラフィーや高速液体クロマトグラフィーが挙げられ
る。本発明のペプチドは種々の塩の形で得られる。塩と
しては、例えば無機酸や、ギ酸、酢酸、酒石酸、クエン
酸などの有機酸との塩、もしくはナトリウムやアンモニ
アなどの無機塩基や、トリエチルアミン、エチルアミ
ン、メチルアミン等の有機塩基との塩が挙げられる。
【0008】本発明の一般式で表わされるヒトPTH
(1−34)誘導体ペプチドは、低毒性であることが知ら
れている天然型ヒトPTH(1−34)の低毒性を変化さ
せないので、骨粗鬆症治療剤、副甲状腺機能低下症の治
療剤、高血圧治療剤として安全に用いることができる。
そしてその剤型としては、注射剤、経鼻吸収剤、直腸吸
収剤、膣吸収剤、経皮吸収剤もしくは点眼剤のようなも
のが挙げられるが、場合により経口投与されることもあ
る。該ペプチドをこのような治療剤として用いる場合、
哺乳動物に対してその有効量が用いられる。一般的には
1ng〜100μg/体重kgの範囲で用いられるが、こ
の厳密な量については当業者によって適宜決められるも
のである。このペプチドを治療剤として用いる場合に
は、細菌や発熱物質が存在しないように十分に精製され
るが、その方法自体は公知手段に従えばよい。このペプ
チドを骨粗鬆症などの治療薬として用いる場合、そのま
まあるいは薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤
と混合したのち、上記注射剤、経鼻吸収剤、直腸吸収
剤、膣吸収剤、経皮吸収剤もしくは点眼剤などの剤型で
非経口的に投与することができる。投与量は成人の場
合、注射剤の場合、1回あたり50ng〜5mg、好まし
くは1〜500μgで1〜3日に1回の投与が適当であ
る。治療剤の濃度は注射剤では10〜100μg/mlが適
当である。
【0009】本発明明細書において、アミノ酸などを略
号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on
Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分
野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記
する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL−体を示すものとする。 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Nle :ノルロイシン Cit :シトルリン Hci :ホモシトルリン Orn :オルニチン hPTH :ヒトPTH
【0010】
【作用】PTH(1-34)に本発明のような置換を行なうこ
とによって、種々の蛋白質分解酵素に対する抵抗性が増
す。また血中での活性の持続性が得られる。これは例え
ば第3位のD-α-アミノ酸残基への置換で達成された。
さらに14〜17位の少なくとも1個を他の水溶性α-
アミノ酸残基に、特に塩基性アミノ酸残基に置換するこ
とにより高いPTH活性が発現された。また、25位か
ら27位に存在する塩基性アミノ酸残基の少なくとも1
個を中性ないし塩基性の他の水溶性アミノ酸残基に置換
しても酵素に対する抵抗性の上昇や活性の維持、上昇が
見られた。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、ここに挙げた代表的なアミノ酸置換の例は本
発明を制限するものと解釈されるべきではない。 〔実施例1〕PTH部分ペプチド(1-34位)誘導体の合成
と精製 本ペプチドの合成はメリフィールドらにより開発された
ペプチドの固相合成法(R.B.Merrifield.アドバンシズ
イン エンザイモロジー(Adv.Enzymol)32巻、221-296頁
1969年)の変法に順じて行われ、自動ペプチド合成機430
A(アプライドバイオシステムズ社)を用いた。保護ペ
プチド−樹脂の合成はアプライドバイオシステムズ社指
定のプロトコールを用いた。カルボキシル末端が遊離カ
ルボン酸の誘導体を得る場合には保護アミノ酸−pオキ
シメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂(ポリスチレ
ンー1%ジビニルベンゼン)を、またカルボキシルアミ
ドの誘導体を得る場合には4−メチルベンズヒドリル樹
脂を出発原料とし、これに遂次保護アミノ酸を縮合させ
た、縮合時に各アミノ酸のα−アミノ基を保護するた
め、三級ブチルオキシカルボニル(BOC)基を用い
た。側官能基保護は次のように行なった。セリンとスレ
オニンのヒドロキシル基は0−ベンジルエーテルとし
て、チロシンのヒドロキシル基又はp−ブロモベンジル
オキシカルボニルエスチルとして、グルタミン酸及びア
スパラギン酸のカルボキシル基はベンジルエステルとし
て、ヒスチジンのイミダゾール窒素はベンジルオキシメ
チルによって、リジンの側鎖アミノ基は2−クロルベン
ジルオキシカルボニルで、オルニチンの側鎖アミノ基は
ベンジルオキシカルボニルで、アルギニンのグアニジン
官能基はp−トルエンスルホニル基で、トリプトファン
のインドールイミンはホルミル基で保護した。すべての
アミノ酸は、アプライド・バイオシステムズジャパン
社、ノバ・バイオケム社又はバチェム・ケミカルズから
入手した。
【0012】樹脂上に全てのアミノ酸を縮合した後、保
護ペプチド樹脂を合成機から取り出し、乾燥した。ペプ
チド樹脂(1g)を、p−クレゾール(1ml)、1,2−エ
タンジチオール(1ml)、2−メルカプトピリジン(100
mg)を含んだ、無水フッ化水素(8ml)と、0℃で2時
間反応させた。反応終了後、フッ化水素を留去し、残留
物をジエチルエーテルで洗浄し、大部分の混合試薬を除
去した。ペプチドを3%酢酸(10ml)で抽出し、濾過に
より樹脂を除いた。濾液をセファデックスG−25を用い
るゲル濾過により精製した。ゲル濾過の条件は、カラム
サイズ2.8×60cm、検出波長230もしくは280nm;溶媒、3
%酢酸;流速40ml/時間であった。ペプチドを含むフラ
クションを集めて凍結乾燥し、得られた粉末標品をさら
に逆相高速液体クロマトグラフィーで精製した。カラム
YMC−パック、A−324 ODS(10×250mm)溶出溶媒
A,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,
0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出
濃度勾配プログラム、0分(90%A+10%B)、30分(60%
A+40%B)(但し必要ならば他の溶出プログラムを用
いる事もある。)溶出速度1.6ml/分、検出波長230また
は280nm。純粋な目的物を含むピーク画分を集めてバイ
オラッドAGI×8(酢酸型、1.8×5cm)のカラムに通
し、洗液も集めアセトニトリルを留去した後、凍結乾燥
した。
【0013】このようにして得たペプチドと、そのアミ
ノ酸分析結果ならびに逆相高速液体クロマトグラフィー
における保持時間を表1に示す。なお、表1中のa,
b,cは以下の通りである。 a:4%チオグリコール酸存在下、6規定塩酸で減圧封
管中、110℃、24時間加水分解後アミノ酸分析に付し
た。カッコ内は理論値。 b:被験化合物(末尾に何も付いていないのはカルボン
酸タイプである): (1)〔D−Ser3〕hPTH(1−34)NH2 (2)〔D−Ala3〕hPTH(1−34) (3)〔Thr16〕hPTH(1−34) (4)〔Glu16〕hPTH(1−34) (5)〔Lys16〕hPTH(1−34) (6)〔Thr27〕hPTH(1−34) (7)〔Asn27〕hPTH(1−34) (8)〔Gln2627〕hPTH(1−34) (9)〔Gln25'26'27〕hPTH(1−34) (10)〔Ser27〕hPTH(1−34) (11)〔Gly27〕hPTH(1−34) (12)〔His27〕hPTH(1−34) (13)〔Lys16,Gln27〕hPTH(1−34) (14)〔Orn16,Gln27〕hPTH(1−34) (15)〔Hci16,Gln27〕hPTH(1−34) (16)〔Asp16,Gln27〕hPTH(1−34) (17)〔Arg16,Gln27〕hPTH(1−34) (18)〔Arg26'27〕hPTH(1−34) (19)〔Gln26〕hPTH(1−34) (20)〔Lys15'16,His27〕hPTH(1−34) (21)〔Lys15,His27〕hPTH(1−34) (22)〔Gln25〕hPTH(1−34) (23)〔D-Lys16〕hPTH(1−34) (24)〔Lys15'16'17,His27〕hPTH(1−3
4) (25)〔Gln16〕hPTH(1−34) (26)〔Ser16〕hPTH(1−34) (27)〔Gly16〕hPTH(1−34) (28)〔Lys16〕hPTH(1−34)NH2 (29)〔Lys16,Asp17〕hPTH(1−34) (30)〔Lys14'15'16'17〕hPTH(1−34) (31)〔Lys15'16'17〕hPTH(1−34) (32)〔Lys16'17〕hPTH(1−34) (33)〔Arg16'17〕hPTH(1−34) (34)〔Arg15'16'17〕hPTH(1−34) c:誘導体の高速液体クロマトグラフィーによる保持時
間。分析条件:バりアン社製VISTA5000高速液体クロマ
トグラムとウォーターズ社712Wオートサンプラーを連
結して用いた。カラム,YMC A−303 ODS(4.
6×250mm);溶出液A,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9
%水;溶出溶媒B,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%ア
セトニトリル;溶出濃度勾配プログラム,0分(80%A
+20%B),30分(50%A+50%B);流速0.7ml/
分;検出波長280nm。
【0014】
【表1−1】
【0015】
【表1−2】
【0016】
【表1−3】
【0017】
【表1−4】
【0018】
【表1−5】
【0019】
【表1−6】
【0020】
【表1−7】
【0021】
【実施例2】 PTH部分ペプチド(1-34位)誘導体の生
物活性の測定 PTH部分ペプチド(1-34位)誘導体の生物活性をシゲ
ノら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー、第263巻、第18369〜18377頁、1980年Shigenoら
〔The Journal of Biological Chemistry,263:18369-1
8377(1988)〕により報告された方法を修正して評価し
た。96穴マルチ・プレート〔ヌンクロン(Nunclon)、ヌ
ンク〕上で培養したマウス頭蓋骨由来骨芽細胞様細胞
株、MC3T3-EI細胞に、0.01,0.1,1,10あるいは100nM
の誘導体を含む、100μlの培養液〔20mMのN-2-ヒドロキ
シエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸(HEPE
S)、0.1%牛血清アルブミン(BSA)および0.5mMのイソ
ブチルメチルキサンチンを含む。Hank's液〕を加え、30
分間室温で反応させた。0.2規定度の塩酸100μlを加え
た後、沸騰水中に2分半浸し、PTH受容体によって産
生されたサイクリック・アデノシン・1リン酸(cAMP)
を細胞から抽出した。培養液中および細胞内の総cAM
P測定は、市販のラジオイムノアッセイキット〔サイク
リックAMP[125I]キット「デュポン−第一」、第一化学
薬品〕を用いて行った。標準として添加したヒトPTH
部分ペプチド(1-34位)の濃度に依存したcAMPの産
生量の増加が常に認められた。PTH部分ペプチド(1-
34位)誘導体の生物活性については表2に示した。
【0022】 表2 PTH(1-34)部分ペプチドの生物活性〔hPTH(1-34)との相対活性で表わした もの〕 hPTH(1−34) 1.00 〔D−Ala3〕hPTH(1−34) 2.17 〔Thr16〕hPTH(1−34) 1.74 〔Glu16〕hPTH(1−34) 1.55 〔Lys16〕hPTH(1−34) 3.37 〔Thr27〕hPTH(1−34) 0.96 〔Gln2627〕hPTH(1−34) 1.19 〔Gln252627〕hPTH(1−34) 0.41 〔Orn16,Gln27〕hPTH(1−34) 1.82 〔Hci16,Gln27〕hPTH(1−34) 1.54 〔Arg16,Gln27〕hPTH(1−34) 2.16 〔Arg2627〕hPTH(1−34) 0.98 〔Gln26〕hPTH(1−34) 〔Lys1516,His27〕hPTH(1−34) 1.49 〔Gln25〕hPTH(1−34) 〔D−Lys16〕hPTH(1−34) 0.86 〔Lys151617,His27〕hPTH(1−34) 7.47 〔Gln16〕hPTH(1−34) 1.73 〔Lys16,Asp17〕hPTH(1−34) 1.24 〔Lys151617〕hPTH(1−34) 7.62 〔Lys1617〕hPTH(1−34) 8.85 〔Lys14151617〕hPTH(1−34) 6.39 〔Lys16〕hPTH(1−34)NH2 5.48
【0023】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ: 34 配列の種類: ペプチド トポロジー: 直鎖状 配列の型: アミノ酸 配列の特徴: 部分ペプチド 配列: Ser Val Ser Glu Ile Gln Leu Met His Asn Leu Gly Lys His Leu Asn 1 5 10 15 Ser Met Glu Arg Val Glu Trp Leu Arg Lys Lys Leu Gln Asp Val His 20 25 30 Asn Phe。
【0024】配列番号:2 配列の長さ: 34 配列の型: アミノ酸 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: ペプチド 配列の特徴: 存在位置:3 他の情報:Xaa= Ser,炭素数4以下のD-α-アミノ酸 存在位置:14 他の情報:Xaa=His,水溶性α−アミノ酸 存在位置:15 他の情報:Xaa=Leu,水溶性α−アミノ酸 存在位置:16 他の情報:Xaa=水溶性α−アミノ酸 存在位置:17 他の情報:Xaa=Ser,水溶性α−アミノ酸 存在位置:25 他の情報:Xaa=水溶性α−アミノ酸 存在位置:26 他の情報:Xaa=水溶性α−アミノ酸 存在位置:27 他の情報:Xaa=水溶性α−アミノ酸 存在位置:34 他の情報:Xaa=芳香族アミノ酸またはそのアミド体 配列: Ser Val Xaa Glu Ile Gln Leu Met His Asn Leu Gly Lys Xaa Xaa Xaa 1 5 10 15 Xaa Met Glu Arg Val Glu Trp Leu Xaa Xaa Xaa Leu Gln Asp Val His 20 25 30 Asn Xaa 34。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列: Ser-Val-R1-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-R2-Met-Glu-Arg-Val- Glu-Trp-Leu-R3-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R4 〔式中R1はSerまたは炭素数4以下のD−α−アミノ酸
    残基を、 R2は少なくとも1個の水溶性α−アミノ酸残基を有する
    テトラペプチド鎖を、 R3は少なくとも1個の水溶性α−アミノ酸残基を有する
    トリペプチド鎖を、 R4は芳香族アミノ酸残基またはそのアミドを示す(ただ
    し同時にR1がSer,R2がHis-Leu-Asn-Ser,およびR3がE-
    F-G(式中、EはArgまたはHis,FはLysまたはHis,およ
    びGはLys,LeuまたはGlnを示す)である場合を除く)〕
    で表されるペプチドまたはその塩。
  2. 【請求項2】R1が中性アミノ酸残基、 R2がA-B-C-D(AはHis又はそれ以外の水溶性アミノ酸残
    基を、BはLeu又は水溶性アミノ酸残基を、Cは水溶性α
    −アミノ酸残基を、DはSer又はそれ以外の水溶性アミノ
    酸残基を表わす)、 R3が塩基性又は中性の水溶性α−アミノ酸残基であるト
    リペプチド鎖、である、請求項1記載のペプチドまたは
    その塩。
  3. 【請求項3】塩基性アミノ酸残基が式: 【化1】 〔式中、ZはNH2,NHC(NH)NH2またはイミダゾ
    ール環を、nは1〜5の整数を示す〕で表されるLもし
    くはD−αアミノ酸残基である請求項2記載のペプチド
    またはその塩。
  4. 【請求項4】塩基性アミノ酸残基がLys,Argもし
    くはOrnである請求項3記載のペプチドまたはその
    塩。
  5. 【請求項5】R1がSer,D-SerもしくはD-Alaである請求
    項1記載のペプチドまたはその塩。
  6. 【請求項6】AがHisもしくはLysである請求項2記載の
    ペプチドまたはその塩。
  7. 【請求項7】BがLeu,LysもしくはArgである請求項2
    記載のペプチドまたはその塩。
  8. 【請求項8】CがAsn,Orn,Hci,Asp,Arg,Lys,D-Ly
    s,SerもしくはGlyである請求項2記載のペプチドまた
    はその塩。
  9. 【請求項9】DがSer,Lys,AspもしくはArgである請求
    項2記載のペプチドまたはその塩。
  10. 【請求項10】R2がHis-Lys-Lys-Lys,His-Leu-Lys-Ly
    s,Lys-Lys-Lys-LysもしくはHis-Leu-Lys-Serである請
    求項1記載のペプチドまたはその塩。
  11. 【請求項11】EがArgもしくはGlnである請求項1記載
    のペプチドまたはその塩。
  12. 【請求項12】FがLys,GlnもしくはArgである請求項1
    記載のペプチドまたはその塩。
  13. 【請求項13】GがLys,Gln,Arg,His,Asn,Thrもし
    くはSerである請求項1記載のペプチドまたはその塩。
  14. 【請求項14】R3がArg-Gln-GlnもしくはArg-Lys-Hisで
    ある請求項1記載のペプチドまたはその塩。
  15. 【請求項15】R4がPhe,Phe-NH2,TyrもしくはTyr-NH2
    である請求項1記載のペプチドまたはその塩。
  16. 【請求項16】(1)R1がSer,R2がHis-Lys-Lys-Lys,
    R3がArg-Lys-His,R4がPhe (2)R1がSer,R2がHis-Lys-Lys-Lys,R3がArg-Lys-Ly
    s,R4がPhe (3)R1がSer,R2がHis-Leu-Lys-Lys,R3がArg-Lys-Ly
    s,R4がPhe (4)R1がSer,R2がLys-Lys-Lys-Lys,R3がArg-Lys-Ly
    s,R4がPhe もしくは (5)R1がSer,R2がHis-Leu-Lys-Ser,R3がArg-Lys-Ly
    s,R4がPhe-NH2 である請求項1記載のペプチドまたはその塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995011697A1 (fr) * 1993-10-27 1995-05-04 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Accelerateur de guerison utilise en chondroplastie
WO1998029130A1 (fr) * 1996-12-27 1998-07-09 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Medicament orthodontique contenant une pth

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