JPH05320071A - 牛伝染性鼻気管炎ウイルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病ウイルス感染症、パラインフルエンザ3型ウイルス感染症、牛rsウイルス感染症および牛アデノ7型ウイルス感染症5種混合生ワクチン - Google Patents

牛伝染性鼻気管炎ウイルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病ウイルス感染症、パラインフルエンザ3型ウイルス感染症、牛rsウイルス感染症および牛アデノ7型ウイルス感染症5種混合生ワクチン

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JPH05320071A
JPH05320071A JP15560392A JP15560392A JPH05320071A JP H05320071 A JPH05320071 A JP H05320071A JP 15560392 A JP15560392 A JP 15560392A JP 15560392 A JP15560392 A JP 15560392A JP H05320071 A JPH05320071 A JP H05320071A
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健太郎 川津
Akihiro Izumida
昭弘 出水田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢−粘膜
病、パラインフルエンザ3型、牛RSおよび牛アデノ7
型の各ウイルス感染症に対するワクチンの全てを混合し
た5種混合生ワクチンにより、ワクチン接種を効率化す
る。 【構成】 弱毒牛伝染性鼻気管炎ウイルスNo.758
−43株をウシまたはブタ組織由来培養細胞で培養した
ウイルス液、弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病ウイルスN
o.12−43株をウシまたはブタ組織由来培養細胞で
培養したウイルス液、弱毒パラインフルエンザ3型ウイ
ルスBN−CE株をニワトリもしくはウシ組織由来培養
細胞またはサル腎(vero)細胞で培養したウイルス
液、弱毒牛RSウイルスrs−52株をハムスターもし
くはウシ組織由来培養細胞またはサル腎(vero)細
胞で培養したウイルス液、および弱毒牛アデノ7型ウイ
ルスTS−GT株をヤギまたはウシ組織由来培養細胞で
培養したウイルス液の5種類のウイルス液を混合してな
る5種混合生ワクチン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛伝染性鼻気管炎(I
BR)ウイルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病(B
VD−MD)ウイルス感染症、パラインフルエンザ3型
(PI3)ウイルス感染症、牛RSウイルス感染症およ
び牛アデノ7型(AD7)ウイルス感染症の各ウイルス
感染症に対するワクチンの全てを混合してなる5種混合
生ワクチンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス
は、牛に感染すると呼吸器症状、結膜炎及び陰門膣炎等
を起こし、妊娠牛では流産を起こす。牛ウイルス性下痢
−粘膜病(BVD−MD)ウイルスでは、呼吸器症状の
他に重度の致死的下痢を起こすことで知られ、妊娠牛に
対しては持続感染牛の産出および流産等の異常産の原因
となる。パラインフルエンザ3型(PI3)ウイルスで
は、主として呼吸器症状の原因となる。また、牛RSウ
イルスでは、主として呼吸器症状の原因となるが、呼吸
器系各器官における病状が重度で治癒の経過も長く、特
に成牛では予後不良となることか多い。更に、牛アデノ
7型(AD7)ウイルスの感染では呼吸器症状および下
痢の両者の原因となる。
【0003】これら5種の病原体は日本全国のほとんど
の牛群に分布し、感染・発病を繰り返している。したが
って、各成育段階の牛や成牛においては常時脅威となっ
ており、発病することによる死亡、成長の遅延、泌乳量
の減少および生産子牛の減少等、畜産経営の面からのト
ータルの被害も大きい。ここに、これら5種に対するワ
クチンの有用性が存在し、5種混合生ワクチンとするこ
とによる有利な面での経済性が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら5種の病気を予
防する目的として、それぞれ一種ずつの単味ワクチンが
開発され、従来から実用化されてきた。更に近年になっ
て牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス感染症、牛ウイ
ルス性下痢−粘膜病(BVD−MD)ウイルス感染症お
よびパラインフルエンザ3型(PI3)ウイルス感染症
の3種混合生ワクチンも実用化されている。しかしなが
ら、これら5種の全てに対するワクチンを混合した5種
混合生ワクチンは実用化されていない。これは、5種類
のワクチンウイルスを混合するためには、各単味ワクチ
ンのウイルス量に比べ5倍のウイルス量が必要であっ
て、従来の方法では、このような各単味ワクチンの5倍
ものウイルス量のワクチンを得ることが出来ず、全ての
ワクチンウイルスを混合することは不可能であったこと
による。本発明は上記の点に鑑み、前記3種混合生ワク
チンに牛RSウイルス感染症および牛アデノ7型(AD
7)ウイルス感染症のワクチンウイルス液を加えたもの
であって、前記のようなワクチンウイルスの混合にとも
なう困難さを克服してなし得たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、弱毒牛
伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルスNo.758−43
株をウシまたはブタ組織由来培養細胞で培養したウイル
ス液、弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−MD)
ウイルスNo.12−43株をウシまたはブタ組織由来
培養細胞で培養したウイルス液、弱毒パラインフルエン
ザ3型(PI3)ウイルスBN−CE株をニワトリもし
くはウシ組織由来培養細胞またはサル腎(vero)細
胞で培養したウイルス液、弱毒牛RSウイルスrs−5
2株をハムスターもしくはウシ組織由来培養細胞または
サル腎(vero)細胞で培養したウイルス液、および
弱毒牛アデノ7型(AD7)ウイルスTS−GT株をヤ
ギまたはウシ組織由来培養細胞で培養したウイルス液の
5種類のウイルス液を混合してなる5種混合生ワクチン
である。
【0006】前記弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイ
ルス液では、ウイルスの接種量を感染の多重度(接種ウ
イルス量/培養細胞数;multiplicity of infection 、
以下「m.o.i.」と略記する)0.001にするこ
とにより、また、培養日数を12〜14日とすることに
より従来の方法と比較し約5〜7倍の高いウイルス液を
得ることが可能となった。
【0007】弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−
MD)ウイルス液では、m.o.i.を0.5〜0.1
の接種量に変更し、更に、この接種量のウイルスと培養
細胞浮遊液とを34°で混合培養することにより、従来
の方法に比べて約5〜10倍の高いウイルス液を得るこ
とが可能となった。
【0008】また、弱毒パラインフルエンザ3型(PI
3)ウイルス液では、培養細胞浮遊液に対してウイルス
を混合培養することにより、従来の方法に比べて5〜8
倍の高いウイルス液を得ることが可能となった。
【0009】そして、弱毒牛RSウイルス液では、HA
L細胞をクローニングすることによりウイルスの増殖の
良好な細胞を選択し、更に採取したウイルス液を限外ろ
過法により約5〜10倍濃縮する方法を開発応用した。
これにより、従来より5〜10倍高いウイルス液を得る
ことが可能となった。
【0010】更に、弱毒牛アデノ7型(AD7)ウイル
ス液では、培養細胞にm.o.i.が0.1となるよう
に接種して培養することにより、従来の方法に比べ約5
〜8倍の高いウイルス液を得ることが可能となった。
【0011】上記のように、各単味ワクチンにおけるウ
イルス量をそれぞれ5倍以上とすることで、5種混合生
ワクチンが実用可能となった。
【0012】そして、それぞれのワクチンウイルスの混
合比は、牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス107.75
TCID50以上、牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−
MD)ウイルス106.00TCID50以上、パラインフル
エンザ3型(PI3)108.00TCID50以上、牛RS
ウイルス107.75TCID50以上、および牛アデノ7型
(AD7)ウイルス106.75TCID50以上とした。こ
れにより、5種混合生ワクチンは、その効力の点で安定
した性状の製品を得ることが可能となった。
【0013】更に、凍結乾燥の過程や凍結乾燥後の製品
の安定性を確保するため、混合した5種のウイルスの失
活を防ぐ安定剤(JIS試薬特級乳糖5重量%、JIS
試薬特級ショ糖5重量%、JIS試薬特級L−アルギニ
ン塩酸塩2重量%、JIS試薬特級グリシン3重量%、
JIS試薬特級ポリビニルピロリドン0.3重量%、J
IS試薬特級ラクトアルブミン0.5重量%、およびJ
IS試薬特級イーストエキストラクト0.1重量%を含
んだ水溶液)を開発した。
【0014】
【発明の効果】本発明は弱毒牛伝染性鼻気管炎(IB
R)ウイルス、弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD
−MD)ウイルス、弱毒パラインフルエンザ3型(PI
3)ウイルス、弱毒牛アデノ7型(AD7)ウイルス
に、弱毒牛RSウイルスを加えて5種混合生ワクチンと
し、一製品として実用化可能としてなるものであって、
5種混合生ワクチンとしの実用化は世界においても例を
見ない。
【0015】そして、本発明によれば、このように5種
混合生ワクチンとすることによって、以下のような多く
の優れた効果が得られる。 (1)これらの5種類の病原体は、四季を問わず年間を
通して流行し、しかも牛個体に対する伝播経路がいずれ
も接触感染により、また、日本各地のほとんどの牛群に
浸潤しているところから、5種混合生ワクチンの中に不
必要と思われるワクチンが含まれない。 (2)一度の接種で各単味ワクチンを応用した場合と同
等の効果が期待できる。 (3)これらの5種の生ウイルス間では、培養細胞を用
いた試験管内( in vitr o )試験においても、また、牛
を用いた生体内(in vivo )試験においてもワクチン効
果を阻害する干渉現象はみられない。 (4)牛にこの5種混合生ワクチンを接種しても、元気
・食欲等の一般的臨床症状を示さず、赤血球および白血
球数に異常を示さない。また、注射局所における腫脹・
硬結もみられない。更に、発熱(40.5°以上)や、
白血球減少症もみられない。 (5)一度のワクチン接種で5種の疾病に対する効果が
期待できるため、従来のワクチンを用いたワクチネーシ
ョンに比べて牛を保定する回数および注射の回数が減少
し、牛個体に対するストレスは軽減されるとともに、注
射のための人の配置や人の労働時間が短縮され、経済性
が上昇する。 (6)5種混合生ワクチンは一製品となるため、ワクチ
ン製造にかかるコストが低減され、各単味ワクチンを個
々に応用した合計の費用よりも安くなり、畜産農家にと
って経済性が上昇する。
【0016】
【実施例】本発明に係る牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウ
イルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−M
D)ウイルス感染症、パラインフルエンザ3型(PI
3)ウイルス感染症、牛RSウイルス感染症および牛ア
デノ7型(AD7)ウイルス感染症5種混合生ワクチン
の具体的製造方法は以下の通りである。
【0017】先ず、弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウ
イルスでは、野外強毒No.758株を30°のブタ精
巣培養細胞で39代継代し、限界希釈法により3回クロ
ーニングして得られたNo.758−43株を種ウイル
スとした。この種ウイルスをm.o.i.が0.001
になるように37°で2〜4日間培養したブタ精巣培養
細胞に接種し、30°で12〜14日間培養後採取した
ウイルス液を弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス
浮遊液とした。
【0018】次に、弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(B
VD−MD)ウイルスでは、野外強毒No.12株を3
4°のブタ精巣培養細胞で39代継代し、限界希釈法に
より3回クローニングして得られたNo.12−43株
を種ウイルスとした。この種ウイルスをm.o.i.が
0.5〜0.1となるように1ミリリットル当たり10
0万個に調整したブタ精巣培養細胞に混合接種し、34
°で3日間培養後採取したウイルス液を弱毒牛ウイルス
性下痢−粘膜病(BVD−MD)ウイルス浮遊液とし
た。
【0019】また、弱毒パラインフルエンザ3型(PI
3)ウイルスでは、野外強毒BN1−1株を30°のニ
ワトリ胚培養細胞で連続継代して得られたBN−CE株
を種ウイルスとした。この種ウイルスをm.o.i.が
0.01となるように1ミリリットル当たり300万個
に調整したニワトリ胚培養細胞浮遊液に混合接種し、3
0°で8〜10日間培養後採取したウイルス液を弱毒パ
ラインフルエンザ3型(PI3)ウイルス浮遊液とし
た。
【0020】そして、弱毒牛RSウイルスでは、野外強
毒RS−52株を30°のHAL細胞で連続継代後3回
限界希釈法によりクローニングを行い、得られた温度感
受性変異株を種ウイルスとした。この種ウイルスをm.
o.i.が0.01となるように、既存のHAL細胞を
更にクローニングして得られた高ウイルス感受性HAL
−cl1 細胞に接種し、30°で7〜10日間培養後ウ
イルス液を採取した。更に、このウイルス液を分子量分
別限外ろ過法により5〜10倍に濃縮したものを弱毒牛
RSウイルス浮遊液とした。
【0021】牛アデノ7型(AD7)ウイルスでは、野
外強毒袋井株を30°のウシ腎培養細胞、ヤギ胸腺培養
細胞およびヤギ精巣培養細胞で連続継代後30°で3回
クローニングし、得られたTS−GT株を種ウイルスと
した。この種ウイルスをm.o.i.が0.1となるよ
うにヤギ精巣培養細胞に接種し、30°で10〜14日
間培養後採取したウイルス液を弱毒牛アデノ7型(AD
7)ウイルス浮遊液とした。
【0022】これら5種類のウイルス液のそれぞれのウ
イルス含有量は、弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイ
ルス浮遊液は1ミリリットル当たり107.75TCID50
以上、弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−MD)
ウイルス浮遊液では1ミリリットル当たり106.00TC
ID50以上、弱毒パラインフルエンザ3型(PI3)ウ
イルス浮遊液では1ミリリットル当たり108.00TCI
50以上、弱毒牛RSウイルス浮遊液では1ミリリット
ル当たり107.75TCID50以上、および弱毒牛アデノ
7型(AD7)ウイルス浮遊液では1ミリリットル当た
り106.75TCID50以上とし、これらを混合してウイ
ルス原液とする。
【0023】このウイルス原液に対して等量の安定剤
(JIS試薬特級乳糖5重量%、JIS試薬特級ショ糖
5重量%、JIS試薬特級L−アルギニン塩酸塩2重量
%、JIS試薬特級グリシン3重量%、JIS試薬特級
ポリビニルピロリドン0.3重量%、JIS試薬特級ラ
クトアルブミン0.5重量%、およびJIS試薬特級イ
ーストエキストラクト0.1重量%を含んだ水溶液)を
加え混合し、ワクチン瓶に小分けした後、凍結乾燥し
た。
【0024】以上のように凍結乾燥した乾燥品を、既存
の溶解用液で溶解したワクチンについて試験した成績を
以下に示す。
【0025】異常毒性否定試験 ワクチンを4週齢のマウスの腹腔内には0.5ミリリッ
トル、体重約350gのモルモットの腹腔内には5ミリ
リットルを接種し、両動物の一般的臨床症状、および体
重の推移を10日間観察した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】この試験結果から明らかなように、両動物
とも一般的臨床症状に、ワクチン接種による異常は観察
されず、体重の増加は順調に推移した。
【0028】牛に対する安全性試験 3〜4か月齢のホルスタイン種9頭を用い、その中の3
頭にはワクチンの1ドースずつを1回、他の3頭には1
00ドースずつを1回それぞれ筋肉内に接種し、更に残
る3頭は未接種対照とし一般的臨床症状を2週間観察し
た。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】この結果、ワクチンの1ドース、および1
00ドースをそれぞれ接種したいずれの牛群においても
元気食欲等の異常は観察されず、40.5°以上の発熱
および白血球減少も認められなかった。また注射局所の
腫脹や硬結もみられず、ワクチン注射による副作用は観
察されなかった。
【0031】有効性試験(1) 表2で用いた牛9頭について、ワクチン接種前、および
接種後4週までの一週間間隔で採取した血清を用い、ワ
クチン接種後の抗体応答をワクチンウイルスの親株(野
外強毒株)を抗原とし測定した。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】この結果、ワクチンの1ドース、および1
00ドースをそれぞれ接種したいずれの牛群においても
ワクチンの接種前抗体陰性の個体はワクチン接種の1〜
2週後から抗体応答がみられ、ワクチン接種前抗体陽性
の個体でも一部抗体の有意上昇を示す例が観察された。
【0034】有効性試験(2) 野外飼養牛80頭を用い、その中の60頭にはワクチン
の1ドースを筋肉内に注射し、残りの20頭をワクチン
未接種対照とした。ワクチン接種牛についてワクチン接
種後10か月までの抗体応答をワクチンウイルスの親株
(野外強毒株)を抗原とし測定した。結果を表4に示
す。
【0035】
【表4】
【0036】ワクチン接種前抗体を保有していなかった
牛の抗体応答は、ワクチン接種後1か月の血清を用いた
試験で牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス45頭中4
0頭(40/45=88.9%)、牛ウイルス性下痢−
粘膜病(BVD−MD)ウイルス(34/36=94.
4%)、パラインフルエンザ3型(PI3)ウイルス
(34/39=87.1%)、牛RSウイルス(41/
44=93.2%)、牛アデノ7型(AD7)ウイルス
(38/38=100%)と良好な陽転率を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39:265) 9284−4C (72)発明者 川津 健太郎 京都府宇治市槇島町中川原1−1 (72)発明者 出水田 昭弘 京都府綴喜郡宇治田原町立川68−4 (72)発明者 石田 康久 京都府京都市北区紫野大徳寺町95−2 (54)【発明の名称】 牛伝染性鼻気管炎ウイルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病ウイルス感染症、パラインフルエ ンザ3型ウイルス感染症、牛RSウイルス感染症および牛アデノ7型ウイルス感染症5種混合生 ワクチン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイル
    スNo.758−43株をウシまたはブタ組織由来培養
    細胞で培養したウイルス液、弱毒牛ウイルス性下痢−粘
    膜病(BVD−MD)ウイルスNo.12−43株をウ
    シまたはブタ組織由来培養細胞で培養したウイルス液、
    弱毒パラインフルエンザ3型(PI3)ウイルスBN−
    CE株をニワトリもしくはウシ組織由来培養細胞または
    サル腎(vero)細胞で培養したウイルス液、弱毒牛
    RSウイルスrs−52株をハムスターもしくはウシ組
    織由来培養細胞またはサル腎(vero)細胞で培養し
    たウイルス液、および弱毒牛アデノ7型(AD7)ウイ
    ルスTS−GT株をヤギまたはウシ組織由来培養細胞で
    培養したウイルス液の5種類のウイルス液を混合してな
    る5種混合生ワクチン。
  2. 【請求項2】 弱毒牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイル
    ス株を、感染の多重度(接種ウイルス量/培養細胞数)
    が0.001になるようにブタ精巣培養細胞に接種して
    培養してなる牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス感染
    症生ワクチン。
  3. 【請求項3】 弱毒牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD
    −MD)ウイルス株を、感染の多重度(接種ウイルス量
    /培養細胞数)が0.5〜0.1となるように調整した
    ブタ精巣培養細胞に混合接種して混合培養してなる牛ウ
    イルス性下痢−粘膜病(BVD−MD)ウイルス感染症
    生ワクチン。
  4. 【請求項4】 弱毒パラインフルエンザ3型(PI3)
    ウイルス株を、感染の多重度(接種ウイルス量/培養細
    胞数)が0.01となるようにニワトリ胚の培養細胞浮
    遊液に混合接種して培養してなるパラインフルエンザ3
    型(PI3)ウイルス感染症生ワクチン。
  5. 【請求項5】 弱毒牛RSウイルス株を、感染の多重度
    (接種ウイルス量/培養細胞数)が0.01となるよう
    にHAL細胞をクローニングして得られた高ウイルス感
    受性HAL−cl1 細胞に接種して培養し、得られたウ
    イルス液を分子量別限外ろ過法により濃縮してなる牛R
    Sウイルス感染症生ワクチン。
  6. 【請求項6】 弱毒牛アデノ7型(AD7)ウイルス株
    を、感染の多重度(接種ウイルス量/培養細胞数)が
    0.1となるようにヤギ精巣培養細胞に接種して培養し
    てなる牛アデノ7型(AD7)ウイルス感染症生ワクチ
    ン。
  7. 【請求項7】 請求項2〜請求項6記載の各単味生ワク
    チンを混合してなる5種混合生ワクチン。
  8. 【請求項8】 各ワクチンウイルスの混合比を、牛伝染
    性鼻気管炎(IBR)ウイルス107.75TCID50
    上、牛ウイルス性下痢−粘膜病(BVD−MD)ウイル
    ス106.00TCID50以上、パラインフルエンザ3型
    (PI3)108.00TCID50以上、牛RSウイルス1
    7.75TCID50以上、および牛アデノ7型(AD7)
    ウイルス106.75TCID50以上としてなる請求項7記
    載の5種混合生ワクチン。
  9. 【請求項9】 乳糖5重量%、ショ糖5重量%、L−ア
    ルギニン塩酸塩2重量%、グリシン3重量%、ポリビニ
    ルピロリドン0.3重量%、ラクトアルブミン0.5重
    量%、およびイーストエキストラクト0.1重量%を含
    む水溶液からなるワクチン安定剤。
JP4155603A 1992-05-22 1992-05-22 牛伝染性鼻気管炎ウイルス感染症、牛ウイルス性下痢−粘膜病ウイルス感染症、パラインフルエンザ3型ウイルス感染症、牛rsウイルス感染症および牛アデノ7型ウイルス感染症5種混合生ワクチン Expired - Fee Related JPH0813753B2 (ja)

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