JPH05319859A - Tmイオンドープした波長可変フッ化物レーザーガラス - Google Patents
Tmイオンドープした波長可変フッ化物レーザーガラスInfo
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- JPH05319859A JPH05319859A JP14852492A JP14852492A JPH05319859A JP H05319859 A JPH05319859 A JP H05319859A JP 14852492 A JP14852492 A JP 14852492A JP 14852492 A JP14852492 A JP 14852492A JP H05319859 A JPH05319859 A JP H05319859A
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- glass
- ion
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Tm3+の 3H4 から 3H6 への発光の量子効
率を向上させた、長い 3H4 蛍光寿命、高い輻射遷移確
率と低い非輻射遷移確率とを有する媒質ガラスを用いた
Tmドープレーザーガラス及び1.6〜2μmのレーザ
ー光発生方法の提供。 【構成】 Tm3+を4〜15モル%含有するフッ化物レ
ーザーガラス。このレーザーガラスは、Tm以外の陽イ
オンとして例えばZr、Hf、Al、Mg、Ca、S
r、Ba等を含みかつ、陰イオンとして少なくともフッ
素を含有する。このレーザーガラスに波長0.68μm
及び/又は0.79μmの半導体レーザーを照射して
1.6〜2μmのレーザー光を発生させる方法。
率を向上させた、長い 3H4 蛍光寿命、高い輻射遷移確
率と低い非輻射遷移確率とを有する媒質ガラスを用いた
Tmドープレーザーガラス及び1.6〜2μmのレーザ
ー光発生方法の提供。 【構成】 Tm3+を4〜15モル%含有するフッ化物レ
ーザーガラス。このレーザーガラスは、Tm以外の陽イ
オンとして例えばZr、Hf、Al、Mg、Ca、S
r、Ba等を含みかつ、陰イオンとして少なくともフッ
素を含有する。このレーザーガラスに波長0.68μm
及び/又は0.79μmの半導体レーザーを照射して
1.6〜2μmのレーザー光を発生させる方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Tm3+をドープした波
長可変フッ化物レーザーガラスに関する。
長可変フッ化物レーザーガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、Tm3+或いはHo3+を活性化イオ
ンとしてドープしたYSGG、YAG等の結晶は2μ付
近に発振波長有し、医学的な応用やレーザー検知、レー
ザー核融合のエネルギードライバ及び水溶液スペクトル
の光源として用いられてきている。
ンとしてドープしたYSGG、YAG等の結晶は2μ付
近に発振波長有し、医学的な応用やレーザー検知、レー
ザー核融合のエネルギードライバ及び水溶液スペクトル
の光源として用いられてきている。
【0003】2μのTm3+レーザーはTm3+の 3H4 か
ら 3H6 への遷移によるものである。その機構は次のよ
うに考えられる。0.68μ或いは0.79μの半導体
レーザーによりTm3+の 3F3 と 3F4 に電子が励起さ
れ、そのエネルギーは輻射遷移及び非輻射遷移により蛍
光寿命の長い 3H4 に緩和され、発光とするものと考え
られる(図1参照)。0.68μ及び0.79μの半導
体レーザーを使用する理由は、これらの安価な半導体レ
ーザーでTm3+を励起する場合には1.06μのN
d3+:YAGレーザーで励起する場合よりもアップコン
バージョンが起こりにくく、かつTm3+の 3F4 から 3
H4 への発光による 3H6 から 3H4 までの励起を起こ
す有利なエネルギー伝達が 3H4 から 3H6 への発光効
率を高めることができるからである。
ら 3H6 への遷移によるものである。その機構は次のよ
うに考えられる。0.68μ或いは0.79μの半導体
レーザーによりTm3+の 3F3 と 3F4 に電子が励起さ
れ、そのエネルギーは輻射遷移及び非輻射遷移により蛍
光寿命の長い 3H4 に緩和され、発光とするものと考え
られる(図1参照)。0.68μ及び0.79μの半導
体レーザーを使用する理由は、これらの安価な半導体レ
ーザーでTm3+を励起する場合には1.06μのN
d3+:YAGレーザーで励起する場合よりもアップコン
バージョンが起こりにくく、かつTm3+の 3F4 から 3
H4 への発光による 3H6 から 3H4 までの励起を起こ
す有利なエネルギー伝達が 3H4 から 3H6 への発光効
率を高めることができるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Y
SGG等の結晶を育成するのはかなり難しく、大きな結
晶の作成は非常に困難である。そこで、これらの応用機
器に使われている2μレーザーのコストを低下するため
に、結晶の代わりに、製作しやすいガラスをTm3+レー
ザーの媒質として用いたTm3+ドープシリカガラスが知
られている。
SGG等の結晶を育成するのはかなり難しく、大きな結
晶の作成は非常に困難である。そこで、これらの応用機
器に使われている2μレーザーのコストを低下するため
に、結晶の代わりに、製作しやすいガラスをTm3+レー
ザーの媒質として用いたTm3+ドープシリカガラスが知
られている。
【0005】しかし、Tm3+ドープシリカガラスの量子
効率はわずかに6%である。これはシリカガラスのフォ
ノンエネルギーが大きいからだと考えられている。〔D.
C.ハンナ(Hanna),R.M.パーシバル(Percival). R.G.スマ
ート(Smart) A.C. トロッパー(Tropper),オプティクス
コミニュケーションズ(Optics Communications), 753/4
(1990) 283〕。
効率はわずかに6%である。これはシリカガラスのフォ
ノンエネルギーが大きいからだと考えられている。〔D.
C.ハンナ(Hanna),R.M.パーシバル(Percival). R.G.スマ
ート(Smart) A.C. トロッパー(Tropper),オプティクス
コミニュケーションズ(Optics Communications), 753/4
(1990) 283〕。
【0006】そこで、本発明の目的は、Tm3+の 3H4
→ 3H6 発光の量子効率を向上させた、長い 3H4 の蛍
光寿命、高い輻射遷移確率と低い非輻射遷移確率を有す
る媒質ガラスを用いたTmドープレーザーガラスを提供
することにある。
→ 3H6 発光の量子効率を向上させた、長い 3H4 の蛍
光寿命、高い輻射遷移確率と低い非輻射遷移確率を有す
る媒質ガラスを用いたTmドープレーザーガラスを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、Tm3+を4〜
15モル%含有するフッ化物レーザーガラスに関する。
15モル%含有するフッ化物レーザーガラスに関する。
【0008】本発明者らは、上記特性を有する媒質ガラ
スを探るため、けい酸塩、ゲルマニウム酸塩、フツ燐酸
塩、アルミ酸塩、フッ化物ガラスなど各種ガラスにTm
3+を添加し、目的波長における発光強度と蛍光寿命を測
定し、各種ガラスに発光強度の最大値を現するTm3+の
添加量を決め、その発光強度の最大値となるサンプルの
発光量子効率を計算した。その結果、フッ化物ガラスを
媒質として用いた本発明を完成した。
スを探るため、けい酸塩、ゲルマニウム酸塩、フツ燐酸
塩、アルミ酸塩、フッ化物ガラスなど各種ガラスにTm
3+を添加し、目的波長における発光強度と蛍光寿命を測
定し、各種ガラスに発光強度の最大値を現するTm3+の
添加量を決め、その発光強度の最大値となるサンプルの
発光量子効率を計算した。その結果、フッ化物ガラスを
媒質として用いた本発明を完成した。
【0009】図2に示すようにあらゆるガラスの中でフ
ッ化物ガラスにドープしたTm3+の発光強度が最も強
く、発光の量子効率も最も高い事が分かった。これはフ
ッ化物ガラスのフォノンエネルギーが最も小さいことに
よるものと推察される。次にTm3+添加量の限定理由に
ついて説明する。
ッ化物ガラスにドープしたTm3+の発光強度が最も強
く、発光の量子効率も最も高い事が分かった。これはフ
ッ化物ガラスのフォノンエネルギーが最も小さいことに
よるものと推察される。次にTm3+添加量の限定理由に
ついて説明する。
【0010】図1に示すように、0.68μの半導体レ
ーザーで励起する場合、励起されている 3F3 準位とそ
の下の 3F4 準位とのエネルギー間隔がとても小さいの
でほとんどのエネルギーが 3F3 から 3F4 まで緩和さ
れると考えられる。したがって、0.68μの半導体レ
ーザーで励起しても、0.79μの半導体レーザーで励
起しても 3F4 から 3H4 へのエネルギー伝達が最も重
要である。Tm3+の添加量が低い場合には、J−O理論
での計算によると 3F4 から 3H6 への輻射遷移確率が
ほかの遷移(例えば 3F4 → 3H4 )よりもかなり大き
いので 3F4 から 3H4 までのエネルギー伝達効率がと
ても低い。しかし、Tm3+添加量の増加につれて、 3F
4 → 3H4 の遷移から 3H6 → 3H4 遷移へのエネルギ
ー伝達効率が著しく増大し、即ち 3F4 から 3H4 への
エネルギー伝達が大きくなり、Tm3+の添加量が4モル
%を超えるとほとんどのエネルギーが 3H4 準位に伝達
し、発光強度を高めることができる。一方Tm3+の添加
量が多すぎると 3H4 の蛍光寿命が短くなるの加え発光
強度は逆に減少することになる。したがって、Tm3+の
添加量は4〜15モル%に限定する。
ーザーで励起する場合、励起されている 3F3 準位とそ
の下の 3F4 準位とのエネルギー間隔がとても小さいの
でほとんどのエネルギーが 3F3 から 3F4 まで緩和さ
れると考えられる。したがって、0.68μの半導体レ
ーザーで励起しても、0.79μの半導体レーザーで励
起しても 3F4 から 3H4 へのエネルギー伝達が最も重
要である。Tm3+の添加量が低い場合には、J−O理論
での計算によると 3F4 から 3H6 への輻射遷移確率が
ほかの遷移(例えば 3F4 → 3H4 )よりもかなり大き
いので 3F4 から 3H4 までのエネルギー伝達効率がと
ても低い。しかし、Tm3+添加量の増加につれて、 3F
4 → 3H4 の遷移から 3H6 → 3H4 遷移へのエネルギ
ー伝達効率が著しく増大し、即ち 3F4 から 3H4 への
エネルギー伝達が大きくなり、Tm3+の添加量が4モル
%を超えるとほとんどのエネルギーが 3H4 準位に伝達
し、発光強度を高めることができる。一方Tm3+の添加
量が多すぎると 3H4 の蛍光寿命が短くなるの加え発光
強度は逆に減少することになる。したがって、Tm3+の
添加量は4〜15モル%に限定する。
【0011】また、本発明のレーザーガラスは、具体的
には例えばガラスを構成する陽イオンとして、Zrイオ
ン、Hfイオン、Alイオン、Mgイオン、Caイオ
ン、Srイオン、Baイオン、Tmイオンとを含み、前
記陽イオン中の各イオンの割合がモル%表示で、Zrイ
オンとHfイオンとの合量が1〜25%、Alイオンが
20〜45%、MgイオンとCaイオンとSrイオンと
Baイオンとの合量が20〜70%、Tmイオンが4〜
15%であり、かつガラスを構成する陰イオンとして、
少なくともFイオンを含み、陰イオン中のFイオンの割
合がモル%表示で80〜100%であるフッ化物ガラス
である。
には例えばガラスを構成する陽イオンとして、Zrイオ
ン、Hfイオン、Alイオン、Mgイオン、Caイオ
ン、Srイオン、Baイオン、Tmイオンとを含み、前
記陽イオン中の各イオンの割合がモル%表示で、Zrイ
オンとHfイオンとの合量が1〜25%、Alイオンが
20〜45%、MgイオンとCaイオンとSrイオンと
Baイオンとの合量が20〜70%、Tmイオンが4〜
15%であり、かつガラスを構成する陰イオンとして、
少なくともFイオンを含み、陰イオン中のFイオンの割
合がモル%表示で80〜100%であるフッ化物ガラス
である。
【0012】陽イオンとしては、Zrイオン、Hfイオ
ン、Alイオン、Mgイオン、Caイオン、Sraイオ
ン、Baイオンを用いることができる。これらのうち、
Zrイオン、Hfイオン、Alイオンは、ガラス骨格を
形成する成分であり、これらの量は上記限定内でガラス
の結晶化に対する安定性を高くするので好ましい。ま
た、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、Baイオン
は、ガラス修飾成分であり、これらの量は上記限定内
で、ガラスの結晶化に対する安定性を高め、化学的耐久
性を良くするので好ましい。
ン、Alイオン、Mgイオン、Caイオン、Sraイオ
ン、Baイオンを用いることができる。これらのうち、
Zrイオン、Hfイオン、Alイオンは、ガラス骨格を
形成する成分であり、これらの量は上記限定内でガラス
の結晶化に対する安定性を高くするので好ましい。ま
た、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、Baイオン
は、ガラス修飾成分であり、これらの量は上記限定内
で、ガラスの結晶化に対する安定性を高め、化学的耐久
性を良くするので好ましい。
【0013】さらに、Liイオン、Naイオン、Kイオ
ン、Csイオン等のアルカリ金属イオン、Yイオン、S
cイオン、Gdイオン、Znイオン、Pbイオン、Cd
イオン、Inイオン、Gaイオン等もガラスの結晶化に
対する安定性を高めるのでガラスの陽イオン成分として
用いることができる。アルカリ金属イオンは、その量が
多いとガラスの化学的耐久性を低下させるので20モル
%以下が好ましく、Yイオン、Scイオン、Gdイオ
ン、Znイオン、Pbイオン、Cdイオンは、その量が
多いと逆にガラスの結晶化に対する安定性を劣化させる
ので20モル%以下が好ましく、Scイオン、Inイオ
ン、Gaイオンも同様に、5モル%以下が好ましい。
ン、Csイオン等のアルカリ金属イオン、Yイオン、S
cイオン、Gdイオン、Znイオン、Pbイオン、Cd
イオン、Inイオン、Gaイオン等もガラスの結晶化に
対する安定性を高めるのでガラスの陽イオン成分として
用いることができる。アルカリ金属イオンは、その量が
多いとガラスの化学的耐久性を低下させるので20モル
%以下が好ましく、Yイオン、Scイオン、Gdイオ
ン、Znイオン、Pbイオン、Cdイオンは、その量が
多いと逆にガラスの結晶化に対する安定性を劣化させる
ので20モル%以下が好ましく、Scイオン、Inイオ
ン、Gaイオンも同様に、5モル%以下が好ましい。
【0014】次に、陰イオンについて説明する。Fイオ
ンはガラスの基本成分である。さらにFイオンの置換と
して、Clイオン、Brイオン、及びIイオンを含有す
ることができる。但し、その量がClイオンについて2
0%、Brイオン及びIイオンについてそれぞれ10%
を超えるとガラスが結晶化し易く、化学的耐久性が低下
するので、Clイオンは0〜20モル%、Brイオンは
0〜10モル%、Iイオンは0〜10モル%に限定され
る。そして、Fイオンの量が80%未満では結晶化に対
する安定性の高いガラスが得られ難くなるので、Clイ
オンとBrイオンとIイオンとの合量は20モル%以下
に限定される。
ンはガラスの基本成分である。さらにFイオンの置換と
して、Clイオン、Brイオン、及びIイオンを含有す
ることができる。但し、その量がClイオンについて2
0%、Brイオン及びIイオンについてそれぞれ10%
を超えるとガラスが結晶化し易く、化学的耐久性が低下
するので、Clイオンは0〜20モル%、Brイオンは
0〜10モル%、Iイオンは0〜10モル%に限定され
る。そして、Fイオンの量が80%未満では結晶化に対
する安定性の高いガラスが得られ難くなるので、Clイ
オンとBrイオンとIイオンとの合量は20モル%以下
に限定される。
【0015】本発明のレーザーガラスは所定の組成にな
るように高純度のフッ化物及び又は塩化物等の原料を混
合調製し、アルゴン雰囲気中で950〜1000℃で熔
融した後に、ガラス熔液を徐冷して得ることができる。
るように高純度のフッ化物及び又は塩化物等の原料を混
合調製し、アルゴン雰囲気中で950〜1000℃で熔
融した後に、ガラス熔液を徐冷して得ることができる。
【0016】本発明のレーザーガラスは、波長0.68
μm、0.79μm又はその両方の半導体レーザーを照
射することにより、1.6〜2μmのレーザー光を発生
させることができる。
μm、0.79μm又はその両方の半導体レーザーを照
射することにより、1.6〜2μmのレーザー光を発生
させることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)出発原料としてZrF4 、AlF3 、Hf
F4 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、YF
3 、NaF、NaCl、TmF3 の高純度フッ化物及び
塩化物を表1の組成となるように秤量混合して、バッチ
を得た。
説明する。 (実施例1)出発原料としてZrF4 、AlF3 、Hf
F4 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、YF
3 、NaF、NaCl、TmF3 の高純度フッ化物及び
塩化物を表1の組成となるように秤量混合して、バッチ
を得た。
【0018】次いで、得られたバッチをカーボン製のル
ツボにいれて加熱炉内に配置し、炉内をアルゴンガス雰
囲気として950〜1000℃で1時間、上記バッチを
加熱して熔融させて、ガラス融液を得た。この後、得ら
れたガラス融液をルツボに入れたまま空気中で徐冷して
ガラスをルツボ中で固化させ、徐冷炉中で室温まで冷却
してフッ化物ガラスを得た。
ツボにいれて加熱炉内に配置し、炉内をアルゴンガス雰
囲気として950〜1000℃で1時間、上記バッチを
加熱して熔融させて、ガラス融液を得た。この後、得ら
れたガラス融液をルツボに入れたまま空気中で徐冷して
ガラスをルツボ中で固化させ、徐冷炉中で室温まで冷却
してフッ化物ガラスを得た。
【0019】(比較例1)最終的に得られるガラスを構
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表1に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、各種ガラス(アルミ酸塩ガ
ラス、フッ燐酸塩ガラス、ゲルマニウム酸塩ガラス、ケ
イ酸塩ガラス)を得た。
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表1に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、各種ガラス(アルミ酸塩ガ
ラス、フッ燐酸塩ガラス、ゲルマニウム酸塩ガラス、ケ
イ酸塩ガラス)を得た。
【0020】(発光スペクトルの測定)実施例1及び比
較例1で得られた表1に示す各種ガラスを23×12×
3mmに切断して6面研磨した後、これらのガラスを0.
68μmの発振波長を有する半導体レーザーで励起した
ときの発光スペクトルを測定した。
較例1で得られた表1に示す各種ガラスを23×12×
3mmに切断して6面研磨した後、これらのガラスを0.
68μmの発振波長を有する半導体レーザーで励起した
ときの発光スペクトルを測定した。
【0021】ケイ酸塩ガラスの発光強度を1としたとき
の相対強度を各ガラスについて求め、その結果を図2に
示す。この結果より、Tmイオンを含有するフッ化物ガ
ラスが最も高い発光強度を有することがわかった。
の相対強度を各ガラスについて求め、その結果を図2に
示す。この結果より、Tmイオンを含有するフッ化物ガ
ラスが最も高い発光強度を有することがわかった。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)最終的に得られるガラスを構
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表2に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、フッ化物ガラスを得た。こ
れらのガラスを実施例1と同様に発光スペクトルを測定
し、1.82μmにおける発光強度、蛍光寿命、量子効
率を求めた。この結果を表2に示す。この結果より、T
mイオン濃度が4〜15モル%の範囲で1.6〜2μm
の発光強度が高められることがわかった。
成する陽イオン成分及び陰イオン成分が、モル%表示で
表2に示す割合となるようにこれらの原料を秤量混合
し、実施例1と同様にして、フッ化物ガラスを得た。こ
れらのガラスを実施例1と同様に発光スペクトルを測定
し、1.82μmにおける発光強度、蛍光寿命、量子効
率を求めた。この結果を表2に示す。この結果より、T
mイオン濃度が4〜15モル%の範囲で1.6〜2μm
の発光強度が高められることがわかった。
【0024】
【表2】
【0025】又、本発明のフッ化物レーザーガラス(表
2のNO. 5)及びレーザー結晶であるTm3+:YSGG
(Tm:8×1020/cc )とCr:Tm:YSGG(T
m:4×1020/cc 、Cr:2.5×1020/cc )の
0.68μmの半導体レーザー励起による発光スペクト
ルを図3に示し、0.79μmの半導体レーザー励起に
よる発光スペクトルを図4に示す。本発明のフッ化物レ
ーザーガラスはレーザー結晶より強い発光強度を有する
ことがわかる。
2のNO. 5)及びレーザー結晶であるTm3+:YSGG
(Tm:8×1020/cc )とCr:Tm:YSGG(T
m:4×1020/cc 、Cr:2.5×1020/cc )の
0.68μmの半導体レーザー励起による発光スペクト
ルを図3に示し、0.79μmの半導体レーザー励起に
よる発光スペクトルを図4に示す。本発明のフッ化物レ
ーザーガラスはレーザー結晶より強い発光強度を有する
ことがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、安価な半導体レーザー
を励起光源として用いて、蛍光寿命が長く、量子効率が
大きい1.6μmから2μmまでの波長範囲に強い発光
強度を有するTm3+ドープフッ化物レーザーガラスが得
られる。さらに、本発明のレーザーガラスを用いて得ら
れる1.6〜2μmの光からフィルター等を用いて、任
意の波長の光を取り出すこともできる。
を励起光源として用いて、蛍光寿命が長く、量子効率が
大きい1.6μmから2μmまでの波長範囲に強い発光
強度を有するTm3+ドープフッ化物レーザーガラスが得
られる。さらに、本発明のレーザーガラスを用いて得ら
れる1.6〜2μmの光からフィルター等を用いて、任
意の波長の光を取り出すこともできる。
【図1】Tm3+のエネルギー準位図である。
【図2】Tmイオンを含有する各ガラスの発光強度と量
子効率との関係を示す。
子効率との関係を示す。
【図3】YSGG結晶及びフッ化物ガラスの0.68μ
mの半導体レーザー励起による発光スペクトルを示す。
mの半導体レーザー励起による発光スペクトルを示す。
【図4】YSGG結晶及びフッ化物ガラスの0.79μ
mの半導体レーザー励起による発光スペクトルを示す。
mの半導体レーザー励起による発光スペクトルを示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 Tm3+を4〜15モル%含有するフッ化
物レーザーガラス。 - 【請求項2】 ガラスを構成する陽イオンとして、Zr
イオン、Hfイオン、Alイオン、Mgイオン、Caイ
オン、Srイオン、Baイオン、Tmイオンとを含み、
前記陽イオン中の各イオンの割合がモル%表示で、Zr
イオンとHfイオンとの合量が1〜25%、Alイオン
が20〜45%、MgイオンとCaイオンとSraイオ
ンとBaイオンとの合量が20〜70%、Tmイオンが
4〜15%であり、かつガラスを構成する陰イオンとし
て、少なくともFイオンを含み、陰イオン中のFイオン
の割合がモル%表示で80〜100%であることを特徴
とするフッ化物レーザーガラス。 - 【請求項3】 波長0.68μm及び/又は0.79μ
mの半導体レーザーを請求項1又は2記載のレーザーガ
ラスに照射して1.6〜2μmのレーザー光を発生させ
る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14852492A JPH05319859A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | Tmイオンドープした波長可変フッ化物レーザーガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14852492A JPH05319859A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | Tmイオンドープした波長可変フッ化物レーザーガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05319859A true JPH05319859A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15454709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14852492A Pending JPH05319859A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | Tmイオンドープした波長可変フッ化物レーザーガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05319859A (ja) |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP14852492A patent/JPH05319859A/ja active Pending
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