JPH0531935B2 - - Google Patents

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JPH0531935B2
JPH0531935B2 JP60501346A JP50134685A JPH0531935B2 JP H0531935 B2 JPH0531935 B2 JP H0531935B2 JP 60501346 A JP60501346 A JP 60501346A JP 50134685 A JP50134685 A JP 50134685A JP H0531935 B2 JPH0531935 B2 JP H0531935B2
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particles
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scattered
scattering
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Nooman Shii Junia Fuoodo
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KOORUTAA EREKUTORONITSUKUSU OBU NYUU INGURANDO Inc
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Publication of JPH0531935B2 publication Critical patent/JPH0531935B2/ja
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    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
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    • G01J3/44Raman spectrometry; Scattering spectrometry ; Fluorescence spectrometry
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    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
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Description

請求の範囲 1 流体に分散している粒子を、かかる粒子から
の電気泳動による光散乱を測定することによつ
て、電気泳動的に特性決定する方法であつて、 (a) 電気泳動セル内に分散している上記粒子に入
射する光パターンを発生させる段階を包含し、
該光パターンは(1)散乱光の主たる発生源となる
比較的高い強度の構成成分と、(2)該高い強度の
ビームに比して比較的低い強度の複数個の局部
発振器とによつて特徴づけられるものとし、該
比較的低い強度のビームの個々のビームは上記
粒子に互に異なる角度で、しかも上記高い強度
のビームの入射角とも異なる角度で入射するも
のとし、 (b) 比較的低い強度の光の上記ビームを、特性決
定すべき粒子が電気泳動的環境に曝されている
試料セルの中に、種々の入射角で導入する段階
を包含し、 (c) (1)比較的低い強度の光の上記ビーム中の光
と、(2)上記セル内の上記粒子から散乱された光
とを混合したものを、これが上記セルを出ると
き、上記比較的低い強度の光の上記ビームによ
つて定められるような複数個の角度で測定する
段階を包含し、 (d) 上記分散している粒子の電気泳動的特性を上
記粒子のランダムな拡散特性から区別するため
上記角度の移される角度の各角度で散乱された
光を同時に評価する段階を包含すること を特徴とする方法。
2 上記発生源からの光を回折格子に入射させ、
±2次回折光の片方又は両方の周辺ビームの強度
をより高くし、その帰結として1本のビームを除
く他の全てのビームの強度が減衰されるように上
記回折格子を通過させ、該1本のビームを上記高
い強度のビームとしての役を果たさせるようにし
た請求の範囲第1項記載の方法。
3 上記高い強度のビームか、上記比較的低い強
度のビームかのどちらかのビームの周波数偏移器
装置を通過させることによつて該高い強度のビー
ムの周波数を該比較的低い強度のビームの周波数
に対して変更する追加の段階を包含する請求の範
囲第1項、又は第2項に記載の方法。
4 流体に分散している粒子を、かかる粒子から
散乱された光の測定及び解析を行なうことによつ
て、電気泳動的特性について評価する装置であつ
て、 (a) 比較的高いビームであつて、かつ散乱される
光の主たる発生源としての役を果たす第1のビ
ームを上記粒子が分散されている電気泳動セル
の中へ導入する装置を包含し、 (b) 複数個の追加の光ビームを上記セルに導入す
る装置を包含し、上記追加のビームは局部発振
器装置を形成すると共に、上記粒子に上記高い
ビームの入射角とは異なる角度で入射するもの
であるとし、 (c) 上記粒子から散乱された光を種々の予め選択
しておいた角度で同時に受ける光検出装置を包
含すること を特徴とする装置。
5 電気泳動特性をランダムな拡散特性から識別
するため、上記拡散された光を評価する電子的相
関器を形成する装置をその上に包含する請求の範
囲第4項に記載の装置。
6 上記電気泳動用セルに入射する光の周波数を
変更する装置をその上に包含する請求の範囲第4
項、又は第5項に記載の装置。
7 上記光を上記電気泳動セルの中へ導入する前
に、該光を回折格子と光減衰装置とから成る光学
系を通過させるようにし、該光学系が低い強度の
局部発振器の出力ビームと高い強度の主ビームと
を具備する装置を形成するようにした請求の範囲
上記各項の何れかに記載の装置。
8 液体からの散乱光を測定することによつて液
体の特性を解析する装置であつて、該装置は、 (a) 可干渉光ビームを発生する装置12と、 (b) 上記可干渉光ビームを少なくとも一つの減光
された参照ビーム部分と散乱ビーム部分に分割
する分割手段17であつて、該分割手段17は
ビーム発生手段12と測定すべき特性の液体の
間に配置され、 (c) 解析すべき液体の平らな領域に散乱ビームを
向けて合焦する手段と、 (d) 上記散乱ビーム部分と各参照ビーム部分が解
析すべき領域に入つたときに、上記散乱ビーム
部分と各参照ビーム部分を実質上可干渉にに維
持する手段と、 (e) 上記主ビームから各上記角度において散乱放
射を検出し、かつ上記減光された参照ビームか
ら非散乱光を検出するため、一つの角度または
複数の角度で配置された少なくとも一つの検出
手段52,54,56,58と、さらに、 (f) 検出された光を解析し、これによつて上記液
体の選択された特性を決定するために、検出さ
れた光を処理する手段と を有することを特徴とする液体の特性を解析する
装置。
9 互いに実質上可干渉性の上記主ビーム部分と
各参照光ビームを解決すべき領域に伝達し、さら
に参照ビームと散乱光の角度を検出するために単
一路に沿つて上記検出及び処理手段に伝達する請
求の範囲第8項に記載の装置。
10 上記光を発生する手段がレーザー12であ
る請求の範囲第8項に記載の装置。
11 実質上可干渉性のビーム部分を維持するた
めの上記手段が剛体を介して上記ビームに異なつ
た有効行路長を提供する請求の範囲第8項に記載
の装置。
12 上記ビーム部分を実質上可干渉性に維持す
るための手段が、上記剛体を介して上記ビームに
異なつた有効行路長を提供する請求の範囲第8項
に記載の装置。
13 上記ビームを分割するための手段が、回折
格子である請求の範囲第1項に記載の装置。
〔発明の背景〕
本発明は、電気泳動作用を受けている粒子が示
す諸性質を光散乱法によつて測定する改良装置に
関する。
一般に、電気泳動光散乱法(Electrophoretic
Light Scattering、以下ELSと略記する)とは、
次に述べる方法のことをいう。現実には分子であ
ることの多い光散乱体、つまり粒子を電極の挿入
されている透明な液体媒質の中に分散させ、電極
に電圧を印加すると、粒子は電界の作用を受け
る。粒子はその大きさ、形状及び電子的性質に応
じて、電界から異なる作用、とくに電極へ向かつ
て移動する作用を受けることになるが、粒子のこ
の移動作用は粒子からの散乱光を利用して有用な
解析的方法で解釈可能である。
かかる電気泳動光散乱法に関しては、種々の文
献が知られている。アール・アイ・シヤフイ
(R.I.Sha′ afi)とエス・エム・フエルナンデス
(S.M.Fernandez)の編集になる、Fast
Methods in Physical Biochemistry and Cell
Biology(生体の生化学と細胞生物学における迅
速測定法)という名称の刊行物(Elsevier社よ
り、1983年に出版)の一章であつて、
「Electrophoretic Light Scattering(電気泳動光
散乱法)」という題でベン・アール・ウエア
(Ben.R.Ware)とダニエル・デイ・ハース
(Daniel D.Haas)が執筆している章には、電気
泳動光散乱法に関係すると共に、同法の基礎にな
つている勝れた文献目録が記載されている。
散乱光を、「局部発信器」の出力光(散乱を受
けていない光であり、従つて散乱光を制御する
光、つまり散乱光が参照される基準と見做しても
よい元の光源から発した光)と比較することによ
つて検出されたドツプラーシフトを利用する電気
泳動光散乱測定法が近年次第に発展してきた。
電気泳動測定法に関しては、多数の特許が公告
されている。かかる特許のうちで、特許第
3984533号、特許第4011044号、及び特許第
4127195号を含む幾つかの特許が、ジエネラルエ
レクトリツク社(General Electric Company)
のテクニカルマーケテイング事業部により作成さ
れ、1980年10月に刊行された「Laser Doppler
Spectroscopy Technology(レーザードツプラー
分光法)」という題の概説報告書の文献リスト中
に収録されている。
電気泳動光散乱法(ELS)は、小さな蛋白質か
ら大きな生体細胞にまで及ぶ生物学的粒子の特性
決定に適用されて、成功を収めている。この方法
の主要利点は、多数粒子の特性を同時決定できる
能力にある。それにもかかわらず、場合によつて
は、特性決定すべき粒子のランダムな運動を電気
泳動に特有な運動から区別するのが難かしいこと
がある。
試験試料中の評価すべき粒子は、若干の重要な
性質に関して通常は不均一なものである。たとえ
ば、試料中の各粒子は、大きさと相関関係がある
多分散性と所与の電気泳動的環境の下で生じる移
動度とに関しては、恐らく異なる挙動を示すもの
と思われる。種々の試料において、とくに血球の
ような大粒子を含む試料にあつては、散乱光から
得られた情報を解析し、その結果を測定母集団に
属する粒子全部が個々に示す特性に基づき解釈す
ることは困難になる。
従つて、種々の光散乱効果をより明確に評価で
きるように、しかもかかる効果が評価すべき試料
粒子の性質にいつそう明確に関連づけられるよう
に、光散乱効果の生じている状態を多種多様な条
件の下で変更する方法であつて、より便利、かつ
より実際的な方法を見つけることが今後の問題と
して残されている。
〔発明の概要〕
本発明の主目的は、特性決定すべき粒子から
の、「ELS」と呼ばれる電気泳動光散乱を識別で
きる装置を提供することであり、より詳しくは不
均一な電気泳動効果を、電気泳動を生じさせる電
場にかけられている粒子に作用する拡散効果から
区別することのできる装置を提供することにあ
る。
本発明の別の目的は、電気泳動装置の勝れた検
出特性を迅速に解析することのできるデータ処理
装置を提供することにある。
本発明のその上の目的は、試料セルから出て行
く光に最適な処理と解析とを施すことができるよ
うに光を試料セルに通すための、特に有利な光学
的配置を提供することにある。
本発明の、さらに別の目的は、迅速にして広範
囲の試験を行なう本発明の能力をいつそう完全な
ものにするための、迅速交換可能な電気泳動用セ
ルを提供することにある。
本発明の、その上に別の目的は本明細書に開示
されているところを読めば当業者によつて直ちに
認識されよう。
本明細書中で使用する「粒子(particles)」な
る語は、流体媒質中の光散乱体であると定義す
る。かかる粒子は分子種であつたり、あるいは現
実には必ずしも厳密に微細子と見做せない別の光
散乱体であつたりすることがよくある。大概の研
究は平均粒径が0.1μm乃至1.0μmの範囲の光散乱
粒子について実施されてきたが、0.01μmから
30μmに及ぶような、上記範囲よりも大きいか、
あるいは小さい粒径の粒子などの、他の粒子を使
用して測定を行ない好結果が得られないと信ずべ
き何の理由もない。
上記諸目的は、光源からの光のうちの局部発振
器部分であつて、電気泳動測定用試料セルを通過
する間散乱を受けない光を導入する装置を、極め
て便利な多重アレイ形散乱光受光器と組み合わせ
て使用するよう構成したドツプラーシフト測定型
電気泳動光散乱(ELS)装置によつて実質的に達
成される。別の光検出器が、特性決定すべき粒子
から複数個の角度で散乱された光を受け入れるよ
うに配置されている。かかる光散乱装置が出力す
る膨大な量のデータを同時に解析するため、かか
るデータの解析を行うと共に、電気泳動セル用電
源の制御及び変調を行なうようにコンピユータ制
御装置が便利に使用される。かかる光評価装置
(lightevaluating apparatus)は既に市販されて
いて、これを同装置の取扱説明書に従つて本発明
に直ちに適用することができる。かかる装置の一
つに、1096形デジタル相関器という名称で、アメ
リカ合衆国、マサチユセツト州、アメルスト
(Amherst)所在のラングレイフオードインスツ
ルメンツ社(Langley Ford instruments)によ
り市販されているものがある。
種々の角度で散乱された光(及び局部発振器と
しての役割を果たす参照ビーム)は、別々のフオ
トダイオードへ入射する。S/N比を改善するた
め、演算増巾器の内蔵されているフオトダイオー
ドを使用するのが便利である。かかるフオートダ
イオードは市販されていて、たとえばHUV−
1100BQ型という名称のEGG社(EGG
Company)の製品がある。フオトダイオードの
出力信号は上述したものなどの市販のデジタル相
関器で直ちに信号処理される。
通常のコンピユータ処理は、ELS法に関する通
常の知識を有する者がメーカーの製品取扱説明書
に従い、かつ好ましくは、市販のコンピユータハ
ードウエア及びソフトウエアを利用してこれを実
行可能である。こうする代りに、ELS法に通暁し
ている有能なプログラマーにより開発されたソフ
トウエアを利用することもできる。
本発明の装置は、その配置を変更して、種々の
形の試料セル室や種々のレーザー光源を使用した
り、選択した試料室と相容れないことのない限り
は光束に関する種々の配置を採用したり、あるい
は試料室内で互に交差する二光束を含ませたりす
るような配置に容易に構成し得るものと解すべき
である。その上に、本発明の装置では、オペレー
タが光を散乱させる試料塊を目視したり、特定の
実験に合わせるためこの試料塊を光源に対して移
動させたりすることが可能である。
ここに強調しておきたいのは、所与の試料に対
して多重角度試験を同時に行なうことの重要性に
ついてである。これは、多数の試験を行なうこと
が比較的不便だという理由だけによるものではな
い。たとえば、試験すべき多数の材料では、この
同一材料で次々に装填される各セルに含まれてい
る材料の粒子母集団間に、種々の試験条件で得ら
れた測定結果の解釈を困難にする位に充分大きな
統計的変動が、たとえば粒径に関して生じること
があるかも知れないからである。しかしながら、
かかる測定を同一のセル装填材料で行なうことに
すれば、装填試料間に生じる不可避な統計的変動
を回避することができる。
〔ドツプラーシフト〕
本明細書に記載の型のELS法において、電気泳
動による粒子の移動速度は移動する粒子から散乱
されたレーザー光のドツプラーシフトにより測定
される。
検出器へ向かつて速度vで移動する音源の発す
る音波から類推して、光(又は音)の周波数のド
ツプラーシフトは Δν=v/cν0 で与えられる。ここに、ν0は運動座標系に対する
基準座標系(静止座標系)としての、波源に固定
した慣性座標系において観測さる波源の周波数で
あり、cは波動の特性速度(すなわち、散乱光の
光束に等しい)とする。波源が検出器に対して或
る角度をもつて移動しているとき、ドツプラーシ
フトの大きさは係数sinθだけ小さくなる。
移動しつつある粒子によつて散乱させられた光
の呈するドツプラーシフトがかかる粒子の移動速
度に正比例するという事実は、光散乱のスペクト
ルが試料粒子の瞬間速度のヒストグラム(棒グラ
フ)で単純に表現されるという、誤解を招き易い
印象を与えるように思われる。試料粒子は、電気
泳動によるドリフトに加えて、ランダムなブラウ
ン運動による拡散のためぶつかり運動を行なつて
いる。かかるランダム運動による粒子の速度成分
は、かかる粒子が電極により印加される通常の電
界強度の下で電気泳動によりドリフトする移動速
度よりも程度の大きい速度を有する。しかしなが
ら、実際には、電気泳動によつて、明確に識別さ
れるスペクトルのピークが、試料粒子の拡散定数
に依存する線幅をもつて固有のドツプラーシフト
周波数の位置に生じるのである。スペクトルの周
波数シフトがランダム運動に依存するよりもどち
らかといえば電気泳動に主として依存するという
この事実は、試料粒子の運動によつて元の波源周
波数をもつた光に連続的に増大する位相が生じ、
このため観測光に見掛けの周波数シフトが認めら
れるようになつたものであると解釈する古典物理
学者な言い廻しによるドツプラーシフトの説明と
一致している。試料粒子を移動させる運動のう
ち、照射光の1波長の相当に大きな分数倍の距離
を移動させる運動だけが、散乱光の波動の連続す
る2つの波頂が検出器に到着するに要する時間内
に目立つた変化を生じさせることができ、そうす
ることによつて検出器で観測時に知覚される散乱
光の周波数に変化を生じるのである。試料粒子が
行なうランダムなドリフトの個々の行程は光の波
長で検出するには余りにも小さい(数Åにすぎな
い)けれども、試料粒子が拡散中に行なう多数の
行程を累加した結果が、ELSによるスペクトルで
は、電気泳動によるピークに対する二次的な寄与
として初めて目立つようになるが、そのわけは、
試料粒子が電気泳動用印加電界によつて溶液中を
押しやられて光のおよび1波長分だけ移動するに
要する時間のうちにスペクトルのピークの幅が拡
散によつて拡げられるからである。
〔干渉現象とドツプラービート発生の原理〕
理論的には、電気泳動作用により移動しつつあ
る粒子によつて散乱される光のドツプラーシフト
は直接に検出されるはずであるけれども、この周
波数偏移は非常に小さく(約1015Hzの搬送周波数
に対して約100Hzである)、そのためこれを測定す
るに充分な分解能をもつた光学フイルターは入手
できない。この周波数偏移を検出するための唯一
の方法は、ドツプラーシフトを受けている散乱光
と元の照明光の一部とを観測点で光ヘテロダイン
検出すると両者の周波数の差がドツプラービート
として検出できるというものである。この状況の
解析は、2個の粒子から散乱された光を同時に考
慮するだけで行なうことができる。2個の粒子と
は、(1)電界の作用を受けて移動しつつある試験粒
子であつて、かかる移動に加えてランダムなブラ
ウン運動、又は何か他の興味ある運動をしている
ことも有り得る試験粒子と、(2)試料室の壁に付着
していて動けないようにされている、局部発振器
と呼ばれる固定粒子との2つである。光散乱の実
験で観測される、大概の重要な効果はこの単純な
モデルを使用して説明することができる。照明光
の振動する電界は、上記モデルの2個の粒子を構
成している各分子により共有されている価電子を
強制して、各電子が相手の核に対して行なつてい
る通常の運動に対して僅かばかりの振動運動を付
加する。古典物理学のドルーデ(Drude)のモデ
ル(The Theory Of Optics、Lungmans Green
& Co.NY.1907を参照)によれば、電子のか
かる振動の周波数は各粒子に固定した静止座標系
で観測される照明光の波動の振動数であつて電子
の上記振動を誘起させた照明光の周波数に等しい
けれども、光の電界が行なう振動に対する電子の
振動の相対位相は光の振動周波数が電子の共鳴周
波数(すなわち、粒子の共鳴周波数)にどれ位接
近しているかの度合によつて定まる。かかる電子
の振動が、こんどは、粒子をあたかも入射する照
明光と同じ周波数を有するけれども、振幅と照明
光の位相に対する相対位相偏移に関しては粒子の
位置と粒子を構成する物質とによつて規定される
振幅及び位相偏移を有する光を放出する第2の光
源として観測されるようにする。
2個の粒子が距離dだけ離れているとすれば、
遠方領域(フラウンホーフア領域)で観測され
る、かかる粒子による散乱光の強度分布は、粒子
間距離dと散乱光の波長とによつて定まる散乱角
の位置に生じる一連の極大と極小とから成る干渉
パターンになる。この干渉パターンは、2個の粒
子から発した2つの振動する電界を重ね合わせた
ときの位相差によつて生じたものである。干渉パ
ターンの極大は、光が発生源から一つの粒子を経
て検出器に達する距離が光源からもう一つの粒子
を経て検出器に達する距離よりも正確に照明光の
波長の整数m倍だけ大きくなるような観測角で生
じる。すなわち、極大強度を与える角度をθと
し、光の波長をλとして sinθ=m/dλ いま、供試粒子が、照明光に垂直な方向に、固
定されている局部発振器から僅かばかり遠去かる
ように移動したと仮定しよう。すると、粒子間の
距離dが増し、そのため遠方領域に生じる干渉パ
ターンの極大と極小の分離角度が減少する。供試
粒子が充分な距離を移動すると、干渉パターンが
全体として収縮したことに起因して、干渉パター
ンの極大を観測する位置に当初設置されていた光
電検出器は干渉パターンの極小強度の光を受光し
ていることになる。そのため、供試粒子が局部発
振器から遠去かる方向へ定速度で移動するのに伴
つて、検出器の光電面は連続する極大と極小とか
ら成る干渉パターンの散乱光によつて端から端ま
で掃引されて、この光電検出器の出力には粒子の
上記移動に伴い時間につれて完全な正弦波として
変化する光電流が得られる。この振動する検出器
の出力は時間をX軸とし、光電流をY軸として表
示することができる。この振動する光電流の周波
数は、供試粒子の移動速度に固有なドツプラーシ
フトに等しい。しかしながら、この周波数偏移を
受けた供試粒子の散乱光と、元の周波数を有する
参照光としての照明光とを検出器でヘテロダイン
検出して両者の周波数の差周波数をドツプラービ
ートとして検出するという、この2粒子モデルを
実現するためには、固定された周波数の局部発振
器が必要になる。局部発振器が存在することによ
つて、移動しつつある供試粒子から発した、定振
幅のドツプラーシフトを受けた光は、検出器の中
で参照光と混合されて変化する強度(振幅)を有
する合成散乱光に変換され、そのため非常に小さ
なドツプラーシフトが間接的に検出可能になる。
光の干渉を利用する方法によつては上へ向かつ
て移動する粒子を下へ向かつて移動する粒子から
識別することができないが、そのわけは粒子が極
大強度の散乱光を生じる位置と極小強度の散乱光
を生じる位置との間をどちらの方向へ運動しても
照明光がこの運動粒子により散乱されて周波数の
変調を受け光検出器は変調された出力信号を生じ
るからである。しかしながら、ドツプラーシフト
を直接に測定することによつて、下へ向かつて移
動する粒子から観測される散乱光の周波数の増大
することが直ちに示されよう。観測される粒子運
動の正負の向きをドツプラービートの周期から決
定することができないというこの性質は、ドツプ
ラーレーダーの場合に遭遇する類似の性質に対し
て使用されるものと同じ術語を用いて「ドツプラ
ーの曖味さ(Doppler ambiguity)」と呼ばれる。
しかしながら、このドツプラーの曖味さは局部発
振器の出力光(参照光)にあらかじめ周波数偏移
を与えておくことによつてこれを排除することが
可能である。
〔角度依存性〕
供試粒子が照明方向に垂直に1/2λの距離を並
進するとき、照明方向に垂直に散乱された光(θ
=90゜)を受ける検出器は干渉パターンの極大強
度が極小強度にとつて代わるのを観測するはずで
ある。しかしながら、注目すべきことに、照明方
向に対して90゜の方向の散乱光を受けるよう配置
された上記検出器は、照明方向に対して45゜の方
向に移動する供試粒子に対しては干渉パターンの
強度変化を観測することがない。このわけは、照
明系の等位相面から照明光が散乱される問題の点
を経て検出器の等位相面へ至る光路長の等しい点
の軌跡を任意の散乱角に対して求めると、かかる
点の軌跡は散乱角を二等分する直線(実際には三
次元空間における平面)になるという事実によ
る。一定光路長を与える上記平面内の一点から他
点へ粒子を運ぶ運動は、供試粒子と局部発振器
(セル壁に固定されている粒子)とから到着して
合成された散乱光の複素光振幅を与える式中の位
相を表わす項を一定のままに保つ。この平面に垂
直な、粒子運動の成分だけが観測される散乱光の
強度を与える光波の振幅を変調させ、その結果、
検出可能な信号変化を生じる。干渉パターンの極
大強度を検出器上に生じさせるような一つの平面
内に初めはあつた供試粒子を(λを波長とし、θ
を散乱光の照明光に対する散乱角として) 散乱面の間隔=λ/2sin(θ/2) で与えられる距離だけ移動させたとすれば、この
粒子はその時干渉パターンの極大強度を与える次
の平面内に運ばれていて、この時検出器が観測す
る信号は、上記粒子のかかる運動の結果として、
初めの極大値から極小値を経て別の極大値へ変化
することになる。等しい散乱強度を与える上記面
間距離は照明光の波長と、検出器が散乱光を観測
できるように照明ビームに対して選択した散乱角
とだけによつて定まり、散乱粒子の性質には何ら
関係しない。散乱面間距離に関するこの定義は、
ブラツグの条件として知られている効果を述べた
ものである。
等散乱強度を与える平面が周期的な間隔で配置
されていることから、かかる平面をk−ベクト
ル、又は散乱ベクトルと呼ばれるベクトルであつ
て、振幅が平面間の間隔に逆比例し、方向がかか
る平面群に垂直な、次に記すようなベクトルで簡
潔に表示することが可能になる。
k→=4π/λsin(θ/2)k^ ここに、k^は平面に垂直な方向に向いた単位ベ
クトルとする。k−ベクトルは、照明ビームを表
わすベクトルk→0と散乱光を表わすベクトルk→s
差ベクトル k→=k→0−k→s であり、両ベクトルの方向は夫々のベクトルが表
わす光波の伝播方向(すなわち、夫々の光波の波
面に垂直な方向)と一致し、両ベクトルの大きさ
は夫々の光波の波長 k→0=2π/λ0k^0 k→s=2π/λsk^s に逆比例するが、この間の事情はk−ベクトルの
大きさが波長(すなわち、周期間隔)によつて定
まり、その方向がこのk−ベクトルの等しい散乱
強度を与える平面に垂直であつたのと同様であ
る。前にも述べたように、電気泳動により大抵の
試料中に誘起されるドツプラー波長偏移は百億分
の一にすぎないので、散乱光の波長は照明光の波
長に等しいと見做すのが普通であり、 λsλ0 となる。
照明光の波長と散乱光の波長、及びk−ベクト
ルの振幅はともに略等しいので、k−ベクトルの
振幅はsin(θ/2)の因子を生じる2個の構成ベ
クトル、k→0、k→s間の角度差のみによつて定ま
る。
〔拡 散〕
これまでの論議では、供試粒子は局部発振器
(セル壁に固定されている粒子)に対して定速度
で移動しているものと仮定していた。従つて、検
出された信号は適当なドツプラーシフトにより与
えられた唯一の周波数で輝度変調されたものであ
つた。しかしながら、物質は皆、実際には、水中
に分散しているサブミクロンの粒子によつてブラ
ウン運動として明示される熱エネルギーをもつて
いる。この拡散運動によつて、電気泳動作用を受
けて絶えず或る方向へ向かつて移動する粒子の運
動にドリフト運動が重ね合わされることになる。
極大散乱強度を与える或る平面上に初めは位置し
ていた、電気泳動の作用で移動しつつある粒子の
集団が極大散乱強度を与える隣りの平面上に達す
るには若干の時間を要し、その結果スペクトル線
はドツプラー効果により偏移した周波数を中心に
してその両側には線幅が熱拡散によつて拡がる。
拡散によつて生じたスペクトル線幅の拡がりは散
乱k−ベクトルの振幅の2乗に比例する角度依存
性(k2依存性)を示すのに対して、ドツプラー効
果により誘起されたスペクトル線幅の拡がりは|
k→|に正比例する(k依存性)にすぎない。従つ
て、スペクトル線幅の拡がりの主因が拡散にある
ときは、ウエア(Ware)とフリゲア(Flygare)
がケミカルフイジツクスレターの第12巻、第81頁
乃至第82頁(Chem.Phys.Lett.12 81−82)に指
摘しているように、小さな散乱角で観測を行うよ
うにすることによつてスペクトルの分析上の分解
能を改善することができる。
上に述べたスペクトル線幅の角度依存性は数学
的に導出することもできるが、この角度依存性は
等散乱強度面間の分離間隔に関する前述の論議に
基づいて合理的に説明される。拡散はランダムな
方向に短かくけいれん的に動作するのが特徴であ
つて、かかる動作によつて粒子がその出発点から
離れて極めて遠くにまで運ばれるということは減
多にない。小散乱角で得られるスペクトル(|k→
|が小さく、従つて大きな面間距離に相当する)
は電気泳動作用を受けた粒子が長距離にわたる移
動を目指して行う運動に主としてよるものであ
り、そのためランダムなブラウン運動によつては
ごく僅かしか影響されない。これに反して、大散
乱角(|k→|が大きく、従つて小さな面間距離に
相当する)では、拡散により粒子を一つの面から
隣りの面へ運ぼうとする可能性が増大し、そのた
め拡散によるスペクトル線幅の拡がりが電気泳動
作用によるドツプラーシフトのため誘起される線
幅の拡がりに比していつそう大となる。
〔試料の不均一性〕
試料粒子は、次に示す重要な2点に関して不均
一であると言われる。(1)粒子の大きさ(粒子の多
分散性)、及び(2)電気泳動による移動度。小粒子
から成る多分散性の試料は、電気泳動による移動
度の粒径への依存性に起因してスペクトル線の線
幅の拡がりを示すことがよくある。等しい表面電
荷密度をもつ大粒子から成る試料が、多分散性に
より単一のELSスペクトルの線幅の拡がりを生じ
ることを示す直接の証拠は何もない。その理由
は、かかる粒子はその全てが大きさに関係なく同
一の速度で電気泳動の作用を受けるものと考えら
れるからである。種々の散乱角でとつたELSスペ
クトルを比較することによつて、粒子の大きさが
連続的に変化する(多分散性)試料中の、種々の
大きさの粒子が行なう挙動について若干の推測を
行なうことのできる場合がよくある。このように
推測のできる理由は、照明光の波長よりも大きさ
がずつと小さな粒子は等量の光を衝突軸の回りに
あらゆる方向へ散乱するのに対して、大きな粒子
の種々の部分から散乱された光は揃つている位相
を破壊するように干渉して、大散乱角で観測され
る、大きな粒子から散乱される光の強度を減少さ
せるからである。
電気泳動的に不均一な試料粒子から得られるス
ペクトルは、各試料粒子の電気泳動による移動度
に夫々に対応した種々の周波数に中心を有するロ
ーレンツ型の吸収線を重ね合わせたものである。
血球などのような大粒子は、拡散係数が小さいこ
とを理由にして、かかる大粒子のELSスペクトル
を試料セル中の試料粒子が呈する、電気泳動によ
る移動度のヒストグラム(棒グラム)であると解
釈することが通常可能である。従つて、この場合
は、拡散よりもどちらかと言えば表面電荷密度の
多分散性(電荷密度が連続的に変化すること)が
スペクトル線に線幅を生じる主因である。個々に
分解した幾つかのピークを生じる程に電気泳動に
よる粒子の移動度に差がないときは、試料の不均
一性により線幅が拡がつて観測される或る一本の
スペクトル線をこのスペクトル線を形成している
粒子の表面電荷密度の寄与によるものであると特
定するのは著しく困難である。線幅をいくつかの
散乱角で測定することは、スペクトル線の線幅が
拡がつているのは粒子の拡散によるものであるの
か、それとも電気泳動による粒子の移動度がもた
らした、粒子の分散によるものであるのかを決め
るための良い試験法になる。何故ならば、後者に
よる線幅の拡がりはk(すなわち、sin(θ/2))
に生比例しているからである。また、電極間印加
電圧を大きくするにつれて線幅がこれに比例して
増大すれば、これは電気泳動作用に不均一性のあ
ることを示している。
〔実施例の説明〕
第1図は本発明に従つて構成した電気泳動光散
乱装置の光学配置図であつて、同装置の一部は略
図で、又別の一部は断面図で示されている。
第2図は、本発明に使用して有用な周波数偏移
器の略図である。
第3図、第4図、第5図、第6図、及び第7図
は本発明の使い捨て試料セル要素を示す。
第8図、第9図、第10図、及び第11図は代
表的な光散乱装置のサンプリングサイクルと、こ
のサンプリングサイクルで測定されたパラメータ
とを示す。
第1図は、集束レンズ14及び回析格子18を
介して結合されているレーザー光源12を包含す
る電気泳動装置10を示す。回折格子17は、第
1図で18として略示されている回折次数二次の
ビームの強度を他のビームの強度よりも大きく選
択するものとする。回析格子17を出た光は、適
当なレンズ系24により、平行ビームになり、つ
いで集束されて試料セル40に集中する。対のレ
ンズ系24は、f=50mmでF=1.7のカメラレン
ズ24a及び24bから成る。
回折格子17は二次のビーム18を生じるが、
このビームは他の4本の光ビーム19,20,2
1及び22よりも強度が高い。この二次のビーム
18は主ビームと呼ばれる。他の4本のビーム1
9,20,21及び22は参照ビーム19,2
0,21及び22と呼ばれる。後に述べるよう
に、主光ビーム18は4本の参照ビーム19,2
0,21及び22の各ビームに比して約4桁も高
い強度で試料セル40に入射する。その結果とし
て、試料セル中で試料粒子により散乱された光の
大多数は、主光ビーム18から散乱されたもので
ある。主ビームから散乱された光が測定しようと
しているものである。
4本の参照ビーム19,20,21及び22の
各ビームは、試料セル40中で主ビーム18から
散乱された光が参照される局部発振器として作用
する。
250本/mmの刻線を有する回折格子を使用する
のが好都合である。かかる回折格子は当業者の知
悉してものであつて、多数のメーカーにより市販
されている。
2枚のポーラロイドシートから成る、4ビーム
用減光器29がレンズ系24内に配置されてい
る。この減光器は、代表的な使用例で、入射光を
約4桁分減光させた偏光出力を得るために使用さ
れる。減光器29は参照ビーム、つまり局部発振
器(の出力)の強度を主ビームの強度に対して下
げる方向に調節する役を果たす。光ビームは皆厳
密にコヒーレントな(可干渉性)状態に維持され
ている。従つて、レンズ24aを通過した平行光
線は、平凸レンズ38を通つて電気泳動用試料セ
ルモジユールに入射するが、この平凸レンズは光
ビーム18乃至22の集束角を試料セル40のガ
ラス、又はプラスチツクの壁の中で維持する役を
果たすものである。もしレンズ38が無かつたと
したら、収束ビーム18乃至22は、試料セル4
0のセル壁の屈折率が空気の屈折率よりも高いこ
とから、空気中における収束角よりも浅い収束角
で試料セル内において収束していたはずである。
浅い収束角は光学装置の性能を制限することにな
るので、収束角を空気中で得られるものよりも大
きく維持することが望ましい。こうするには、試
料セル40と近似的に等しい屈折率を有する平凸
レンズ38を、その湾曲面がレンズ24aと向き
合うようにして挿入すればよい。平凸レンズ38
の位置及びその曲率半径はこのレンズに入射する
光ビームの全てが同レンズの湾曲面に垂直に入射
するように選択しなければならない。本実施例で
は、上記条件はかかるレンズをBK−7ガラスで
つくり、1インチ(25.4mm)の曲率半径をもつよ
うに選び、このレンズを試料セルの中心から1イ
ンチ(25.4mm)前方の位置(光束が空気中を通過
したとすれば収束したはずの位置よりも1インチ
(25.4mm)前方の位置)に配置することによつて
充足される。熟練した設計者なら留意するよう
に、レンズ38の平面側面と試料セルの壁面との
間の空隙は小さくするか、無くさなければならな
い。本実施例では、この空隙は約0.025インチ
(0.635mm)にしてある。
センサーアレイ50のフオトダイオード52,
54,56及び58の各フオトダイオードは、試
料セル40中の粒子によつて主ビーム18から散
乱された光を受け入れる。また、各フオトダイオ
ード52,54,56及び58は、試料セル40
から発した参照ビーム19,20,21及び22
のうちの1本の参照ビームを遮るように配置され
ている。従つて、前にも述べたように、参照ビー
ム19,20,21及び22はどれもが局部発振
器となる。
また、第2図には、固定プリズム72と可動プ
リズム74とから成る周波数偏移器装置70が、
オプシヨンとして図示されている。プリズム74
は、両楔(プリズム72とプリズム74)間の分
離間隔が一定に維持され、かつこの間隔が非常に
小さくなるように、或る経路にそつて速度vで移
動することができる。
第3図は、電極支持部材102と電極支持部材
104及びセル挿入部材106とから成る試料セ
ル40を示す。ここで注意しておきたいことは、
セル挿入部材106はガラス、又はASTMD7
02によるアクリル樹脂をきれいに成形したもの
でつくらなければならないということである。セ
ル挿入部材106において、開口108は滑らか
な内面が得られるように最大の注意を払つて穿孔
しなければならない。リーマー、又は当業者には
周知のタイプの緩衝工具を使用し、又べんがらを
グリーズ状結合剤に混ぜたものを研磨液として低
速で光学研磨を行なうことが望ましい。この最終
行程中に冷却を行なうため、ケロシンを研磨して
いる間注ぐとよいことが知られている。
第4図は電極支持部材102の上面図であり、
第5図はこの電極支持部材の側面図である。試料
セル40は電極挿入用タツプ112と114を包
含し、又2個の電極支持部材のうちの片方の支持
部材102は試料挿入用タツプ116を包含す
る。ボルト穴124を図示してないボルトを通し
てセル挿入部材106を電極支持部材102,1
04間に挟んで締付けたときに良好な封止作用が
行なわれるように、Oリングを溝120に嵌入さ
せる。
第6図と第7図に示す洗滌通路、つまりフラツ
シング通路128は、電極の清掃を行なうと共に
セルのフラツシングを行なうためのものである。
試料セルを容易に分解できるように、試料挿入
部材106は、必要なときは何時でも、容易に変
換したり、目面を一新させたりすることのできる
設計になつている。これに関連して、本明細書に
記載の、光学的に適切につくられているセル挿入
部材106の開口108の内面は、この内壁面に
試料粒子が付着することにより生じる電気−滲透
圧効果の作用を受けているということを指摘して
おきたい。このために、供試粒子の幾何学的挙
動、つまり運動に影響が及ぼされ、その結果本発
明の装置で実行される電気泳動測定が妨害を受け
ることが多い。測定に影響を及ぼす、この効果を
回避するため、あるいは回避できないまでもかか
る効果を大幅に減らすため、セル挿入部材106
の開口108の内壁面は使用する溶液の状態によ
つて誘起される表面電荷を最小にするような材料
で被覆される。適当な被覆材料の一つはメチルセ
ルローズである。
通常、かかる被覆は頻繁に取り替えることを要
し、こうすることがかかる構造の使い捨てセル挿
入部材106にとつて推奨される用法の一つであ
る。セルを本格的に被覆するには数時間乃至数日
を要する。従つて、また第3図を参照すれば、セ
ル挿入部材106を電極支持部材102及び10
4から容易に分離し、ついでこの分離したセル挿
入部材106を予め被覆の施してある新しい部材
と、作業時間を実質的に浪費することなく、迅速
に交換できることが了解されよう。
散乱光の波面を4つの角度で測定して解析する
本実施例では、1096チヤンネル相関器を同時に作
動する4個の256チヤンネル相関器として使用す
るのが便利であることが了解されよう。
第8図と第9図は、かかる装置を使用する際に
利用される、電極印加電圧と電圧印加時間との間
の関係を規定する電気泳動装置作動プログラムを
説明するためのものである。代表例において、
50Vと300Vの間を変化する電極印加電圧が2秒
のオンサイクルと1秒のオフサイクルで電極間に
周期的に印加される様子を第8図に示し、又その
時のラン−ホールドサイクルを第9図に示す。代
表的な測定例について述べれば、 N=サンプリングした散乱光の1成分を相関器
で解析するために使用される相関器のチ
ャンネル数(代表的な解析モードでは
256チヤンネルを使用する) dT=0.256秒(相関器でサンプリングデータを
処理するに要する時間 ΔT=相関器のサンプリング時間、たとえば
10-3秒 として、dT=NΔTである。
市販の相関器に標準として採用されている代表
的な相関解析プログラムの一つは、次に記す構成
項目から成る。
1 τの関数として、相関関数g(τ)を測定す
る(第10図参照)。
2 相関関数g(τ)をフーリエ変換してρ(ω)
をωの関数として生成する。
3 ついで、解析項目上記第2項で得た、g(τ)
のフーリエ変換ρ(ω)を ρ(ω)∞1/(ω−ω02+(Δω)2 となるようにローレンツ型吸収曲線に適合させ
ることによつてω0とΔωとを求める。
Δωを、下に記す式に従つて、4個の散乱角
について求める。
Δω=Asin2θ/2+Bsin2θ/2 上式で、Bは試料粒子の拡散の目安を与える
常数、又Aは電気泳動作用を受けている試料粒
子の多分散性の目安を与える定数である。定数
Aは試料粒子の移動度が示す特性と試料粒子の
移動度の分布に相関がある。従つて、定数Aは
試料粒子の大きさ及び電荷の2つの性質に相関
がある。
多重波面の評価を行う際に別法を使用するこ
ともそうしようとすればできようが、本実施例
の方法は大抵の応用にこれで充分であることが
分かつている。
以下に記載する請求の範囲は、以上本明細書に
記載した本発明の真正にして特有な特徴の全て、
及び請求の範囲の諸項の何れかに該当するもので
あると言うことのできる、本発明の範囲に関する
説明の全てを包含するようにしたものであると了
解すべきである。
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