JPH05317417A - 人工肺のプライミング方法 - Google Patents

人工肺のプライミング方法

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JPH05317417A
JPH05317417A JP4130717A JP13071792A JPH05317417A JP H05317417 A JPH05317417 A JP H05317417A JP 4130717 A JP4130717 A JP 4130717A JP 13071792 A JP13071792 A JP 13071792A JP H05317417 A JPH05317417 A JP H05317417A
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Japan
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membrane
priming
blood
artificial lung
liquid
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JP4130717A
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English (en)
Inventor
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膜型人工肺のプライミングにおいて、血液流
路側に、プライミング液を導入した状態で、膜によっ
て、血液流路と隔てられた他の側を、たとえば、600
torr以下に減圧せしめることから成る、人工肺のプ
ライミング方法。 【効果】 プライミング液の流速を変化させたり、機器
を、外部から叩くという、繁雑で、しかも、個人差が入
り易い操作が不必要となり、プライミング時間が短縮で
きる上に、気泡の除去効果が確実である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる人工
肺のプライミング方法に関する。さらに詳細には、本発
明は、膜型人工肺のプライミング方法において、血液流
路側にプライミング液を導入した状態で、膜によって、
血液流路と隔てられた側を減圧せしめることから成る、
人工肺のプライミング方法に関するものであって、就
中、開心術に使用される膜型人工肺や、体外補助肺とし
て用いられる膜型人工肺のプライミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】膜型人工肺を使用するに当り、膜型人工
肺(以下、人工肺と略記する。)の血液流路側(以下、
血液側とも言う。)に、あらかじめ、生理的食塩水など
を充填(これは、プライミングと呼ばれている。)し、
しかるのち、血液と交換する操作が実施されている。
【0003】かかるプライミングの主たる目的は、人工
肺の血液流路から、気体や気泡などを除去せしめること
であるが、当該膜型人工肺は、血液との接触面積が非常
に大きく採られており、血液の流路に狭小なる空隙を多
く有する為に、この空隙に気泡が残留することを免れ得
ない。特に、中空糸膜の外側に、血液を流すというタイ
プの人工肺では、血液流路の形状が複雑なるために、気
泡が滞留し易く、また、膜に非多孔質膜を使用した人工
肺では、プライミング時に膜を通して、気泡が抜けるこ
とが無い処から、残留気泡の量が多くなるという問題が
あった。
【0004】こうした残留気泡を完全に除去するには、
かなりの困難を伴うものであって、たとえば、プライミ
ングに際して、狭小なる空隙から気泡を追い出すため
に、プライミング液の流速を変動させたり、人工肺をカ
ンシなどで叩くという操作が行われるし、加えて、プラ
イミングに30分以上の時間を要する場合もあった。
【0005】しかも、このように繁雑な操作を行い、か
つ、それ相応の時間をかけても、気泡の除去が完全であ
る、という確信は持てなかった。
【0006】このような繁雑さや、非効率性を排除し除
去するために、人工肺の膜の血液接触面を、化学的ない
しは物理的処理によって、表面を親水化せしめ、そのよ
うにすることにより、濡れ性を向上させ、気泡の付着を
抑制するという方法が提案されている。(たとえば、特
開平1−170472号公報)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た表面親水化法は、実際には、叩く回数を減少させる程
度の、不完全なる効果しかなく、やはり、気泡の除去が
完全であるという確信を持ち得ない状態のものであっ
た。
【0008】その上、補体活性を誘発したり、あるい
は、製造コストの上昇を招いたり、さらには、膜を通し
ての血漿の漏洩を促進する結果となるなどの不都合があ
った。しかるに、本発明者は、このような表面親水化処
理を行うことなく、気泡を除去する方法を求めて、鋭
意、研究を開始した。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、膜型人工肺のプライミング方法において、専ら、
血液流路側にプライミング液を導入した状態で、膜によ
って、血液流路と隔てられた側を減圧せしめることから
成る、人工肺のプライミング方法を、就中、開心術に使
用される膜型人工肺や、体外補助肺として用いられる膜
型人工肺のプライミング方法提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は基本
的には、膜型人工肺のプライミング方法において、血液
流路側にプライミング液を導入した状態で、膜によっ
て、血液流路と隔てられた側を減圧せしめることから成
る、人工肺のプライミング方法を提供しようとするもの
である。
【0011】つまり、本発明の要旨は、膜型人工肺の血
液流路側に、プライミング液を導入した状態で、膜によ
って、隔てられた他の側を減圧することから成る、膜型
人工肺のプライミング方法を提供しようとするにある。
【0012】[構成]本発明は、膜型人工肺の血液流路
側に、プライミング液を導入せしめた状態で、膜によっ
て、隔てられた他の側(以下、これを気体側と略称す
る。ただし、人工肺の使用法によっては、ここで言う気
体側に、酸素を含む液体を流す場合もある。)を減圧せ
しめるというプライミング方法を提供しようとするもの
である。
【0013】この際、プライミング液を導入したのちに
減圧を開始してもよいし、あらかじめ、減圧しておいた
状態で、プライミング液を導入してもよいし、これらが
同時であってもよい。
【0014】また、最終的には、血液流路側にプライミ
ング液が導入された状態で以て、気体側が減圧されてい
ることが望ましい。プライミング液の導入と、気体側の
減圧操作との前後関係は、膜型人工肺に使用される膜の
種類によって、適宜、好適なる順序が異なる。
【0015】膜が多孔質膜、すなわち、膜の表裏を連絡
する、多数の細孔を有する膜の場合には、気体側を減圧
しつつ、プライミング液を導入せしめることにより、特
に、効果的に気泡が除去される。
【0016】ただし、この方法においては、多孔質膜の
気体透過速度が高い処から、減圧装置の排気速度が小さ
い場合には、減圧装置を稼働させても、気体側が、それ
ほど、減圧にならない場合があるが、気体側の圧力を、
常圧よりも5torr以上、低く保つことが、気泡除去
を、一層、完全にする上で、望ましい。
【0017】このとき、膜が気体透過性であるために、
プライミング液が、未だ導入されていない血液側の圧力
もまた、減圧になり得る。血液側の圧力は、減圧装置の
排気容量、血液側のプライミング液流路の構成(人工肺
の設置される高さなど)、ならびに、血液側または気体
側に設置されるリーク・バルブの有無などによって、変
わり得る。
【0018】減圧しつつ、プライミング液を導入する方
式を取る場合において、減圧装置の排気速度が過大であ
ると、プライミング液を、強く、吸引する結果、プライ
ミング液流路の配管が、つぶれるなどの不都合を、もた
らす場合がある。
【0019】このような現象は、人工肺と減圧装置との
間に、流量調節バルブまたはリークバルブを設けるか、
あるいは、血液流路側にリーク・バルブを設け、気体流
路の圧力または血液流路の圧力を、不具合が生じない程
度に、たとえば、常圧よりも5〜100torr低い程
度に調節することによって、防止することが出来る。
【0020】本発明においては、血液側に、プライミン
グ液が充満したのちに、圧力をさらに下げることが望ま
しい。
【0021】膜が非多孔質膜である場合、すなわち、全
く細孔の無い均質膜である場合や、細孔があっても、か
かる細孔が互いに連絡していないような、いわゆる独立
気泡膜である場合や、膜中に実質的に非多孔質の層を有
する不均質膜や、複合膜などである場合には、プライミ
ング液の導入と、気体側の減圧操作との前後関係は、効
果の違いを、ほとんど、もたらさない。
【0022】したがって、これらの場合には、プライミ
ング液を導入したのちに、減圧を開始するという方法
や、プライミング液の導入と、減圧とを同時に開始する
という方法などが、操作が簡単であり、好ましい処であ
る。
【0023】本発明においては、膜やハウジングに付着
して、人工肺の血液流路に存在する気泡状の空気は、膜
を通して、気体側に除去される。あるいは、気泡状の空
気が、一旦、プライミング液に溶解したのちに、膜を通
して、気体側に除去される。
【0024】残留気泡が消滅する速度は、気体側の圧力
の影響が支配的ではあるが、プライミング液の流速にも
影響されるものである。つまり、流速が低いほど、気泡
が消滅するまでの時間が短くなる。
【0025】よって、血液側流路のプライミング液流速
がゼロの状態で以て、気体側を減圧する方法もまた、好
ましい処である。また、プライミング液を高流速で導入
し、大きな気泡を排出したのちに、流速を下げて、残余
の気泡を、膜を通して除去することも好ましい。
【0026】本発明において、減圧の程度は、常圧未満
の圧力であればよいが、絶対圧力が600torr以下
であることが望ましく、150torr以下であること
が、さらに望ましい。
【0027】圧力(絶対圧力)が低いほど、気泡除去の
効果が高くなる処から、圧力の下限を限定することを要
しない。しかし、1torr以下にすることは、コスト
の割りに、さほど、効果の向上化が期待できない。
【0028】減圧装置としては、通常の減圧装置、たと
えば、ダイヤフラム式真空ポンプ、水封式真空ポンプ、
油回転式真空ポンプあるいはスクロール型真空ポンプな
どの真空ポンプや、水流アスピレ−タまたは蒸気エジェ
クタなどの、任意のものが使用できる。
【0029】しかし、水蒸気の吸入に耐え、しかも、小
形で取り扱い性が良いという処から、ダイヤフラム式真
空ポンプの使用が望ましい。それに次いで、水流アスピ
レ−タの使用が望ましい。
【0030】プライミング時間は、プライミングの手
順、人工肺の構造、減圧の程度によって、大きく変わり
得るが、多孔質膜型の人工肺において、減圧しつつ、プ
ライミング液を導入する方法にあっては、1〜10分で
処理することが可能であるし、非多孔質膜型人工肺をプ
ライミング液の導入後に、減圧せしめるという方式にお
いても、通常、10分〜20分で処理することが可能で
ある。
【0031】本発明において使用するプライミング液
は、通常、プライミングに使用される水または水溶液で
あるならば、特に制約はない。当該プライミング液とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、蒸留
水、無菌水、食塩水あるいは生理的食塩水などを挙げる
ことが出来るが、これらの水または水溶液には、さら
に、血液凝固防止剤、殺菌剤あるいは糖分無機塩などを
含むことが出来る。通常は、生理的食塩水の使用が好適
であるが、このほかにも、たとえば、無菌水を用いてプ
ライミングを行い、しかるのち、この無菌水を、生理的
食塩水などで以て置換することもまた、可能である。
【0032】また、気泡除去の処理中、プライミング液
は流しておくことも、人工肺中に滞留させておくことも
可能である。さらに、脱気されたプライミング液を使用
する方法との併用によるときは、効果は、一層、完全な
ものとなる。
【0033】本発明の方法において対象となる人工肺
は、膜の一方の側に血液を流し、他の側に、酸素を含む
流体を流すことによって、酸素−ならびに炭酸ガス透過
性の膜を通して、血液のガス交換を行うというものであ
り、酸素を含む流体としては、純酸素ガス、酸素ガスを
含む気体(たとえば空気)、あるいは酸素を溶解させた
液体(たとえば、水)などであり得る。
【0034】これらのうちでも、酸素を含む流体が気体
であるようなタイプのものが、本発明にとって、一層、
効果的である。また、膜が平膜状のものと、中空糸状の
ものとがあって、それらのうちでも、中空糸状のものに
あっては、血液流路が中空糸膜の外側であるものと、内
側であるものなどとがあるが、本発明は、従来の技術に
従う限りは、どうしても、気泡の除去が行いにくかっ
た、血液流路が中空糸膜の外側であるタイプの人工肺に
対して、効果が大きい。
【0035】さらに、人工肺に使用される膜の種類につ
いて言えば、気泡が残留し易い、非多孔質膜型の人工肺
に対して、特に効果的である。また、本発明は、膜がポ
リオレフィン、シリコン樹脂あるいはフッ素系樹脂など
のような、強い疎水性を有する形の素材からなる人工肺
について、効果が高いけれども、表面が親水化された人
工肺であっても、さらに、気泡除去効果と信頼性を増大
せしめることが出来る。
【0036】本発明においては、プライミング液を導入
する前に、機器に充填されている気体の種類について
は、何らの制約は無い。たとえば、空気、酸素あるいは
炭酸ガスなどのようなものであってよいことは、勿論で
ある。
【0037】また、機器中の気体を、炭酸ガスのよう
な、水に対する溶解度の高い気体に置換したのちに、プ
ライミングを実施することも、本発明の効果を、一層、
完全なものにする上で、望ましい処である。
【0038】この際も、人工肺の気体側を減圧せしめる
ことによって、さらに一層、気体除去効果が増大され、
益々、完全なものとなる。
【0039】[作用]人工肺の血液流路に存在する気泡
は、膜を通して、減圧された気体側に除去される。ある
いは、一旦、気泡がプライミング液に溶解したのちに、
膜を通して気体側に除去される。この点で、血液流路を
通して、気泡を機器外に追い出すという方式の、これま
でのプライミング方法とは異なる。また、機器中の気泡
は、一定時間以上、膜を隔てて減圧されることによっ
て、完全に、吸収されて消滅する処となる。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明するが、本発明は、決して、これら
の例のみに限定されるものではない。以下において、部
および%は、重量基準であるものとする。
【0041】実施例 1 本例は、まず、多孔質膜を使用した人工肺を作製し、次
いで、この膜型人工肺についてのプライミング試験を行
うというものである。
【0042】(膜型人工肺の作製)ヘキスト・セラニー
ズ社製ポリプロピレン多孔質中空糸膜[外径=250ミ
クロン(μm)で、内径=200μmで、かつ、孔径=
0.4×0.04μm(以上は、すべてが、カタログ値
である。)]の約30,000本を、中間部を絞った、
最小内径が5.0cmで、かつ、有効長が11.5cm
なる、円筒型のポリカーボネート製ハウジングに組み込
んで、図1に見られるような、中空糸の外表面基準の膜
面積が約2.7m2 なる膜型人工肺を作製した。
【0043】すなわち、中空糸膜1はハウジング2に装
填され、両端部が樹脂によって封止され(この樹脂封止
部が3および3’である。)、封止部端面4および4’
には、中空糸膜の端部が開口している。
【0044】ハウジングには、血液流入口6および血液
流出口7が設けられており、また、気体流入口8と、気
体流出口9を有するキャップ5および5’とが接着され
ている。
【0045】(プライミング試験)この人工肺を縦置き
に設置し、図2のように、バルブと、真空ポンプとを接
続した。
【0046】人工肺10の気体流入口8に接続されたバ
ルブ11を閉じ、気体流出口9に接続された排気速度が
18l/分で、かつ、到達真空度が550torrなる
ダイヤフラム式真空ポンプ12と、リーク・バルブ14
とによって、圧力計13の圧力が、常圧から約10to
rrほど、減圧となるように調節し、この状態で以て、
送液ポンプ(図示せず。)によって、人工肺の血液入口
6に、プライミング液15として、36℃なる生理的食
塩水を、毎分3リットルで以て導入せしめた。
【0047】プライミング液が人工肺の血液側に充満し
て、血液出口7から流出し始めたのち、リーク・バルブ
14を閉じ、圧力を550torrとした。人工肺の血
液出口7から、プライミング液15’と共に流出する気
泡を観察したが、通液の最初から、流出する気泡は、全
く認められなかったし、通液2分後に、カンシで以て人
工肺を、強く、5回叩いても、あるいは、人工肺を激し
く揺すっても、気泡の流出は、一切、認められなかっ
た。
【0048】実施例 2 プライミング液が人工肺の血液側を満たし、血液流出口
から流出を開始したのちに、減圧を開始するように、プ
ライミング液導入と、減圧とのタイミングを変えるよう
に変更し、かつ、リーク・バルブ14を最初から閉じる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、プライ
ミング試験を行った。
【0049】通液10分後に、カンシで以て、強く2回
叩くと、少量の気泡が流出したが、通液25分後には、
カンシで人工肺を、強く、5回叩いても、あるいは、人
工肺を激しく揺すっても、もはや、気泡の流出は、一
切、認められなかった。
【0050】比較例 1 膜型人工肺の気体側に、大気圧の空気を満たした状態
で、血液流路側にプライミング液を導入するように変更
した以外は、実施例1と同様にして、プライミング試験
を行った。
【0051】通液25分後に、カンシで以て、強く、人
工肺を2回叩いた処、少数の気泡が流出した。その後、
カンシにて人工肺を叩き続けた処、気泡の流出が無いと
判断できるまでには、約100回も、叩く必要があっ
た。
【0052】実施例 3 本例は、ポリ−4−メチルペンテン−1という特定の素
材として作製された、不均質膜タイプの中空糸膜を用い
て行ったものである。
【0053】(人工肺の作製)すなわち、特開平1−1
04271号公報に記載されている発明の製造例5に従
って製作した、ポリ−4−メチルペンテン−1を素材と
する中空糸膜は、外径が258μmで、かつ、内径が2
06μmであって、中空糸膜内表面には、孔径が約0.
1μmなる細孔が多数、存在していたし、一方、外表面
には、孔径が約0.3μmなる細孔が、疎らに存在して
いることが観察された。この中空糸膜のASTM D−
1434に準拠して行った酸素透過速度は1.9×10
-4cm3(STP)/cm2 ・sec・cmHgであっ
たし、同じく、窒素透過速度が1.9×10-4cm3
(STP)/cm2 ・sec・cmHgであった。
【0054】かくして得られた中空糸膜を用いるように
変更した以外は、実施例1と同様にして、人工肺を作製
した。
【0055】(プライミング試験)以後は、実施例2と
同様にして、プライミング試験を行った。通液初期に
は、中空糸膜間に捕捉された気泡の存在が観察された
が、時間の経過と共に、この気泡は小さくなって行き、
通液10分後には、もはや、外部から観察される気泡は
消滅していた。
【0056】一方、通液10分後に、カンシで以て、強
く、人工肺を2回叩いた処、少数の気泡が流出したが、
通液25分後には、もはや、カンシで人工肺を、強く、
5回叩いても、あるいは、人工肺を激しく揺すっても、
気泡の流出は、一切、認められなくなっていた。
【0057】実施例 4 真空ポンプとして、排気速度が5リットル(l)/分
で、かつ、到達真空度が70torrなるダイヤフラム
型真空ポンプを用いて、70torrまで減圧するよう
に変更した以外は、実施例3と同様にして、プライミン
グ試験を行った。
【0058】通液10分後に、カンシで人工肺を、強
く、5回叩いても、あるいは、人工肺を激しく揺すって
も、気泡の流出は、一切、認められなかった。
【0059】比較例 2 膜型人工肺の気体側に、大気圧の空気を満たした状態で
以て、血液流路側にプライミング液を導入せしめるよう
に変更した以外は、実施例3と同様にして、プライミン
グ試験を行った。
【0060】通液10分後にも、中空糸間に捕捉された
気泡が観察されたし、通液10分後に、カンシで人工肺
を、強く、5回叩いた処、多数の気泡が流出した。その
後も、カンシにて人工肺を叩き続けた処、もはや、気泡
の流出が無いと判断できるまでに、約150回も叩く必
要があった。
【0061】実施例 5 プライミング液として、溶存酸素濃度が1.0ppmな
る、隔膜真空脱気された生理的食塩水を使用するように
変更した以外は、実施例4と同様にして、プライミング
試験を行った。
【0062】通液開始時に、中空糸膜間に捕捉された気
泡が観察されたが、時間の経過と共に、この気泡は小さ
くなって行き、通液5分後には消滅した。また、通液5
分後にカンシで人工肺を、強く、5回叩いても、あるい
は、人工肺を激しく揺すっても、気泡の流出は、一切、
認められなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明の方法は、膜型人工肺のプライミ
ングに際して、人工肺の血液流路に残留する気泡の除去
速度が大きく、プライミング時間が短縮できるという、
絶大なる効果がある。
【0064】その上、本発明の方法に従うことにより、
プライミング液の流速を上げたり、人工肺を外部から叩
くという、繁雑であって、しかも、個人差が入り易い操
作が不必要となるし、気泡除去効果が確実である。
【0065】さらに、膜型人工肺の血液接触面を親水化
せしめるという方法に比しても、効果が完全であり、な
おかつ、確実である上に、補体活性を誘発する恐れや、
血漿の漏洩を促進する恐れも無く、製造コストの上昇を
招くことも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するに際して用いられる、膜
型人工肺の部分縦断面図模式図である。
【図2】本発明方法を説明するための、プライミング試
験の配管接続図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜 2 ハウジング 3および3’ 樹脂封止部 4および4’ 封止部端面 5および5’ ハウジング(キャップ部) 6 血液流入口 7 血液流出口 8 気体流入口 9 気体流出口 10 膜型人工肺 11 バルブ 12 真空ポンプ 13 圧力計 14 リーク・バルブ 15および15’ プライミング液 16 排気

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜型人工肺のプライミング方法におい
    て、血液流路側にプライミング液を導入した状態で、膜
    によって、血液流路と隔てられた側を減圧せしめること
    を特徴とする、人工肺のプライミング方法。
  2. 【請求項2】 前記した膜型人工肺が、中空糸膜の外側
    に血液を流すという方式の中空糸膜型のものである、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記した膜型人工肺が、非多孔質なる中
    空糸膜のものである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記した膜型人工肺が、多孔質なる中空
    糸膜型のものである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記した膜型人工肺が、この膜型人工肺
    の血液流路側にプライミング液を導入したのち、膜によ
    って、血液流路と隔てられた側を減圧せしめるものであ
    る、請求項1または3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記した膜型人工肺が、膜によって、血
    液流路と隔てられた側を減圧した状態で、血液流路側に
    プライミング液を導入し、上記した膜によって血液流路
    と隔てられた側を、さらに、減圧せしめるものである、
    請求項1または4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記した膜によって、血液流路と隔てら
    れた側を、絶対圧力が600torr以下となるまで減
    圧せしめるものである、請求項1〜6のいずれか一つに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記した絶対圧力が50torr以下で
    ある、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記したプライミング液が脱気処理され
    ているものである、請求項1〜8のいずれか一つに記載
    の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136199A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 株式会社ジェイ・エム・エス 血液中のマイクロバブル除去装置および心肺システム
CN109224159A (zh) * 2017-07-10 2019-01-18 B·布莱恩·阿维图姆股份公司 带有减压阀的充氧器单元

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