JPH0531561A - 湯面下凝固連続鋳造における引抜方法 - Google Patents

湯面下凝固連続鋳造における引抜方法

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JPH0531561A
JPH0531561A JP19152491A JP19152491A JPH0531561A JP H0531561 A JPH0531561 A JP H0531561A JP 19152491 A JP19152491 A JP 19152491A JP 19152491 A JP19152491 A JP 19152491A JP H0531561 A JPH0531561 A JP H0531561A
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JP
Japan
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sec
solidified shell
hot
acceleration
continuous casting
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JP19152491A
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English (en)
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Tatsuto Matsushima
達人 松島
Masayuki Inoue
雅之 井上
Seishiro Saida
誠四郎 才田
Toshihiro Kosuge
俊洋 小菅
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湯面下凝固連続鋳造方法において、鋳片表面
に発生するホットテアを小さくすることを目的とする。 【構成】 上記引抜方法において、引抜工程における引
抜速度の最高値を、150mm/sec以上、400mm/sec以
下とすることにより、減速工程における引抜加速度の最
低値を、−2m/sec2 以下、−8m/sec2 以上とするこ
とにより、さらにホットテアを小さくすることを特徴と
した引抜方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、少なくとも引抜工程
および停止工程を有する湯面下凝固連続鋳造方法におけ
る引抜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、竪型連続鋳造機における湯面下凝
固連続鋳造、水平連続鋳造等の、引抜工程および停止工
程を有する湯面下凝固鋳造方法は、安価な設備費、鋳片
品質改善等の理由から、次第に実用化されつつある。図
1に、湯面下凝固連続鋳造の一例である水平連続鋳造装
置の例を示す。溶湯Mは、タンディッシュ(図示しな
い)より接続耐火物2を介して鋳型3内に供給される。
接続耐火物2はブレーリング1を介して鋳型3と接続さ
れる。接続耐火物2およびブレークリング1は通常、比
較的熱伝導率の低い材料で作られており、溶湯Mがこれ
らの耐火物の表面で凝固しないようになっている。ブレ
ークリング1はセラミック等の耐熱性、耐熱衝撃性に優
れた材料が用いられることが多い。鋳型3は通常銅また
は銅を主成分とする合金等の比較的熱伝導率の高い材料
で作られ、冷却水Wによって冷却される。
【0003】鋳型3内に供給された溶湯Mは鋳型3の内
周面により冷却され、凝固殻Sを形成する。凝固殻Sの
形成はブレークリング1部分より開始される。ブレーク
リング1は、凝固殻Sが逆方向に、すなわち接続耐火物
2の方向に成長するのを防ぐ。溶湯Mが凝固して形成さ
れた鋳片は、ピンチロールなどの引抜装置(図示しな
い)により間欠的に引抜れる。この操作により、ブレー
クリング1と凝固殻Sの先端部との間に空隙が生じ、こ
の空隙に新たに溶湯Mが流れ込んで新たな凝固殻Sが成
長する。
【0004】次に、上記引抜に伴う凝固殻Sの成長過程
を、図2を用いて説明する。図2(a)は、前回の引抜
によって成長した凝固殻S1 の引抜直前の状態を示して
いる。図2(b)は、凝固殻S1 が引抜かれる途中の状
態を示している。通常、鋳型3の冷却能力は非常に大き
いので、凝固殻S1 の引抜途中においても凝固殻S1と
ブレークリング1との間に新たな凝固殻S2 が成長す
る。この新たに成長する凝固殻のうち、一部の凝固殻S
2aはブレークリング1および鋳型3に固着して成長する
が、他の部分の凝固殻S2bは凝固殻S1 に固着して成長
する。この2つの新たに成長する凝固殻S2a,S2bは、
通常ホットテア4(亀裂)によって隔てられる。一般
に、ホットテア4は、鋳片表面に欠陥として残り、鋳片
の品質上の問題となる。図2(c)は、1ストロークS
tの引抜を終了し、新たに成長しつつある凝固殻S2 の
様子を示したものである。図2(c)の凝固殻S2 は停
止工程のあと、図2(a)の凝固殻S1 と同様の状態に
成長し、次の引抜工程が行なわれる。
【0005】図3に、加速工程10、定速工程8、減速
工程9、停止工程6、押戻工程7よりなる引抜速度パタ
ーンの一例を示す。引抜工程5は、加速工程10、定速
工程8、減速工程9よりなる。加速工程10は、時間の
進行にともなって引抜速度が上昇する工程であり、その
上昇する度合は、図3のように直線的である必要はな
く、曲線的または何本かの直線をつないだようなパター
ンであってもよい。定速工程8は、一定速度を持続する
工程である。なお定速工程8を有しない引抜パターンも
ある。減速工程9は、時間の進行にともなって引抜速度
が減少する工程であり、その減少する度合は、直線的で
ある必要はなく、曲線的または何本かの直線をつないだ
ようなパターンであってもよい。通常、減速工程9が終
了すると停止工程6に移行する。また、停止工程6の途
中または減速工程9と停止工程6の間に押戻工程7を設
けることがある。押戻工程7は、図2(c)における凝
固殻S1 およびS2bを引抜方向と逆方向に若干移動させ
ることにより、上記凝固殻S2bの先端部にあるホットテ
ア4を押しつぶすことが目的である。しかし一般に、押
戻工程を行なう時点ではホットテア4部分の凝固殻は相
当に厚くなっており、完全にホットテア4を押しつぶす
ことはできない。従って、押戻工程7はホットテア4を
完全に防止することはできない。上記の説明は、竪型の
湯面下凝固連続鋳造においても同様に表わすことができ
る。
【0006】引抜工程および停止工程の繰り返しによる
1サイクルの引抜に要する時間は、例えば特開昭56−
11143号公報には、0.1から0.6秒と記載され
ており、鋳片表面性状の改善を目的としている。しか
し、上記で説明したように、ホットテアの発生機構は1
ストロークの引抜工程と深い関係があり、引抜工程およ
び停止工程の繰り返しによる1サイクルの引抜に要する
時間とは直接の関係がない。したがって前記の方法はホ
ットテアを十分に防止する手段とならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記で説明したホット
テアは、従来の引抜工程においては必ず発生し、鋳片品
質上の問題となる。本発明は、上記ホットテアの発生を
抑えて品質のよい鋳片を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳片の引抜工
程として、少なくとも加速工程および減速工程を有する
湯面下凝固連続鋳造方法において、上記引抜工程におけ
る引抜速度の最高値を、150mm/sec以上、400mm/s
ec以下とすることを特徴とする引抜方法である。また、
上記引抜工程の減速工程における引抜加速度の最低値
を、−2m/sec2 以下、−8m/sec2 以上とすることを
特徴とする引抜方法である。
【0009】引抜工程における引抜速度の最高値および
減速工程における引抜加速度の最低値を種々かえて水平
連続鋳造を行なった。引抜パターンは図3のように加速
工程10、定速工程8、減速工程9がそれぞれ1本の直
線で構成されている。この場合、引抜工程における引抜
速度の最高値は定速工程8での引抜速度であり、減速工
程における引抜加速度の最低値は減速工程9全体の減速
加速度に相当する。
【0010】引抜工程5における引抜速度の最高値を種
々変えた場合の鋳片のホットテア(亀裂)の深さ(mm)
を測定する実験を行なった。定速工程8の速度を変化さ
せて、定速工程8における引抜長さが4mmとなるよう
に、この工程の持続時間を調節した。また、加速工程1
0、減速工程9の加速度を、それぞれ2m/sec2 、−2
m/sec2 、停止工程6と押戻工程7の持続時間の合計を
0.2sec 、押戻工程7における押戻量を0.8mmとし
た。図4に、実験の結果を示す。引抜工程における引抜
速度の最高値を大きくするほど、ホットテアの深さを抑
えることができる。ホットテアの深さは品質上0.2mm
以下とすることが望ましく、これを達成するためには、
引抜工程における引抜速度の最高値を150mm/sec以上
とすることが必要である。
【0011】次に、減速工程における引抜加速度の最低
値を種々変えた場合の鋳片のホットテア(亀裂)の深さ
(mm)を測定する実験を行なった。引抜工程における引
抜速度の最高値(定速工程の引抜速度)は150mm/se
c、加速工程の引抜加速度は2m/sec2 とした。また、
停止工程6と押戻工程7の持続時間の合計を0.2se
c、押戻工程7における押戻量を0.8mmとした。図5
に、実験の結果を示す。これより、減速工程における引
抜加速度の最低値を小さくするほど、ホットテアの深さ
を抑えることができる。ホットテアの深さは品質上0.
2mm以下とすることが望ましく、これを達成するために
は、減速工程における引抜加速度を−2m/sec2 以下に
することが必要である。
【0012】引抜工程における引抜速度は大きいほど、
また減速工程における引抜加速度は小さいほどホットテ
アの深さを小さくすることができるが、引抜速度が40
0mm/secを超えると、また減速工程における引抜加速度
が−8m/sec2 未満になると、鋳片内部の圧力変動が過
大になって鋳片表面に凹みを生じる。このため引抜工程
における引抜速度の最高値を400mm/sec以下とし、減
速工程における引抜加速度の最低値を−8m/sec2 以上
とすることが必要である。
【0013】また、引抜工程5の持続時間が0.4sec
を超える場合、必然的に引抜サイクルが低サイクルにな
るためコールドシャットクラックなどの鋳片表面欠陥が
増大する傾向があるので、引抜工程5の持続時間はでき
るだけこれ以下に設定することが望ましい。また、この
ときの引抜ストロークは鋳型の冷却能力などによって決
まるが、5〜25mmとすることが望ましい。
【0014】上記の説明から、引抜パターンは、引抜工
程における引抜速度の最高値を、150mm/sec以上、4
00mm/sec以下とすること、さらには、減速工程におけ
る引抜加速度の最低値を、−2m/sec2以下、−8m/se
c2 以上とすることが、ホットテア深さを0.2mm以下
に抑える上で重要である。引抜工程における引抜速度の
最高値を150mm/sec未満にした場合には、図4からわ
かるようにホットテアの深さが急激に増大するので、減
速工程の引抜加速度を−2m/sec2 以下、−8m/sec2
以上とする方策をとってもホットテアの深さを抑制する
上であまり効果がない。
【0015】
【作用】図6に、本発明の引抜法における凝固殻の成長
の過程を示す。図6(a)は前回の引抜によって成長し
た凝固殻S1 を引抜直前の状態を示している。図6
(b)は、凝固殻S1 が引抜れる途中の状態を示してい
る。従来の引抜法では引抜速度が比較的遅いために図2
(b)のように凝固殻S1 とブレークリング1との間に
新たに成長する凝固殻S2aとS2bは引抜途中においてホ
ットテア4を介して接続している。本発明の場合、凝固
殻S1 が比較的高速で引抜れるため、図6(b)のよう
に凝固殻S2aとS2bとの間に未凝固部mが存在する。こ
の未凝固部mは凝固殻S2bの引抜方向への移動に伴なっ
て引抜方向へ高速で移動するため、この部分に新たな溶
湯が次々と供給される。このため未凝固部mの存在を維
持することができ、この時点ではホットテアは発生して
いない。図6(c)は引抜工程が終了する直前の状態を
示している。このときには、凝固殻S2aとS2bとは接触
し、その界面にホットテア4が生じている。これは、引
抜工程5が減速工程9にはいると、必然的に引抜速度が
落ちるのに対し、凝固殻S2a、S2bの成長速度はほぼ一
定であるため、凝固殻の引抜速度に対し凝固殻S2a、S
2bの成長速度が勝った結果、凝固殻S2aとS2bが接触し
たのである。このため、本発明の引抜方法を用いてもホ
ットテア4を完全になくしてしまうことはできない。し
かし、ホットテア4部分の凝固殻の厚さが非常に薄い間
に引抜を終了するため、従来の引抜に比べてホットテア
4の深さを非常に浅くすることができる。図6(d)
は、1ストロークStの引抜を終了し、新たに成長しつ
つある凝固殻S2 の様子を示したものである。
【0016】また、上記の過程において、減速工程にお
ける加速度の最高値をできるだけ小さくし、短時間に減
速工程を完了すれば、図6(b)の凝固殻S2aとS2bと
が直接にはつながっていない状態、または図6(c)に
おいて、ホットテア4部分の凝固殻がほとんど成長して
いない状態(凝固殻の厚さが薄い状態)で引抜を終了す
ることができるのでよりホットテア4の深さを浅くする
ことができる。また、図6(b)の凝固殻S2aとS2bと
が接触していない状態で引抜工程を終了することができ
れば、ホットテアは本質的で引抜工程を終了することが
できれば、ホットテアは本質的に発生しない。さらに、
減速工程の完了後に押戻工程7を設けることにより、凝
固に伴う熱収縮による凝固シェルの割れをもさけること
ができる。
【0017】本発明の引抜方法を実施することにより、
ホットテアの深さを0.2mm以下の非常に浅いものにす
ることができる。ホットテアは、その深さが大きいとき
は鋳片表面の研削等の工程を経ることが必要となる。し
かし、ホットテアが0.2mm以下の非常に浅いものであ
れば、上記研削工程を省略することができる。この発明
による方法によって引抜を行なうと、凝固殻の引抜時に
生じるホットテアの発生を抑えて品質の良好な鋳片を製
造することができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 図7に示すように引抜工程における速度変化パターンを
すべて直線的に構成し、定速工程8の引抜速度、減速工
程の引抜加速度および引抜工程5の持続時間および引抜
ストロークを表1のように変えて鋳片を製造した。引抜
1サイクルに要する時間は0.5sec とし押戻し量を
0.8mmとした。
【0019】実施例2 図8に示すように引抜工程における速度変化パターンを
サインカーブで構成し、定速工程は存在しない。引抜速
度の最高速度(サインカーブの頂点)、減速工程の引抜
加速度の最低値(引抜工程の終了する直前)および引抜
工程5の持続時間および引抜ストロークを表1のように
変えて鋳片を製造した。引抜1サイクルに要する時間は
0.5sec とし、押戻量と0.8mmとした。実施例1お
よび2の結果を表1に示す。得られた鋳片の表面の見ら
れるホットテアの深さを、0.2mm以下とすることがで
きた。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明による引抜方法を用いれば、鋳片
の表面欠陥となるホットテアの発生を抑え、品質のよい
鋳片を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な湯面下凝固連続鋳造機における、ブレ
ークリング近傍の構造を表わす図。
【図2】引抜に伴い凝固殻が生成する状態を説明する
図。
【図3】一般的な引抜パターンを示す図。
【図4】引抜速度の最高値とホットテア深さの関係を示
す図。
【図5】引抜加速度の最低値とホットテア深さの関係を
示す図。
【図6】引抜に伴い凝固殻が生成する状態を説明する
図。
【図7】実施例1の引抜パターンを示す図。
【図8】実施例2の引抜パターンを示す図。
【符号の説明】
1 ブレークリング 2 接続耐火物 3 鋳型 4 ホットテア 5 引抜工程 6 停止工程 7 押戻工程 8 定速工程 9 減速工程 10 加速工程 M 溶湯 S 凝固殻 W 冷却水 m 未凝固部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 俊洋 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳片の引抜工程として、少なくとも加速
    工程および減速工程を有する湯面下凝固連続鋳造方法に
    おいて、上記引抜工程における引抜速度の最高値を、1
    50mm/sec以上、400mm/sec以下とすることを特徴と
    する湯面下凝固連続鋳造における引抜方法。
  2. 【請求項2】 減速工程における引抜加速度の最低値
    を、−2m/sec2 以下、−8m/sec2 以上とすることを
    特徴とする請求項1記載の引抜方法。
JP19152491A 1991-07-31 1991-07-31 湯面下凝固連続鋳造における引抜方法 Withdrawn JPH0531561A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021225165A1 (ja) 2020-05-08 2021-11-11 三菱マテリアル株式会社 Cu-Zn-Si系合金の上方引上連続鋳造線材

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021225165A1 (ja) 2020-05-08 2021-11-11 三菱マテリアル株式会社 Cu-Zn-Si系合金の上方引上連続鋳造線材

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Effective date: 19981008