JPH0531560U - 家畜用自動給餌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家畜飼育に際し、家畜に特別な学習の必要性
やストレスを与える事なく、食餌に応じる自然な給餌を
することができ、しかもその際、粉状餌のブリッジ等に
よる餌詰まりが発生することがなく、必要量を食餌に応
じて円滑に吐出できる給餌装置を提供する。 【構成】 飼料受器１に垂下する飼料容器本体３を揺動
可能な支柱２とそれに固定したアーム４を介して前後方
向へ揺動可能に吊支し、支柱２をクランクハンドル９に
て回転するスクリュウロッド８にい軸方向へ伸縮可能に
構成し、支柱２から飼料容器本体３に撹拌プレート１４
に撹拌リング１５，１６を設けたブリッジ防止金具５を
垂下して挿入し、飼料容器本体３の下端部に揺動を規制
するガイドリング２２を嵌合するとともに、飼料受器１
の平底２０に面する吐出口１８を左右方向へ揺動可能に
連結して構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は家畜用自動給餌装置に関し、特に養豚場における給餌・給水において 、家畜に特別な学習の必要性やストレスを与える事なく、食餌に応じる自然な状 態での給餌をすることができ、しかもその際、飼料容器本体にブリッジ等による 餌詰まりが発生することがなく、必要量を食餌に応じて円滑に提供することがで きるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時、家畜飼育場、とりわけ養豚場では豚が欲するときに餌を自由に摂取する ことができるように、各種飼料を混合した粉状の餌を自動的に給餌できるように することが多くなった。そのため、粉状の餌を所定の容器内に収納し、その容器 の出口にレバー等の開閉機構を取り付け、その開閉機構を豚が鼻先や口で縦や横 へ押したり、持ち上げることにより出口から餌が一定量づつ吐出するようにして いる。

【０００３】 また、養豚場において、餌の食いが良好なため、所定の配管によって水を供給 し、餌と水を混ぜて水を飲みながら餌を食べられるようにしたウエット食餌器も 用いられている。

【０００４】 なお、幼児期の子豚には、人工粉ミルクを与える必要があるが、人工粉ミルク はメッシュが小さくてブリッジが発生し易いので、容器内では餌詰まりを生じる ことが多いから、従来の給餌装置では与えることができなかった。そのため、必 要に応じて別途人手による給餌をする以外に方法がなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、豚がレバー等の開閉機構を操作しなければならない従来の自動 給餌装置では、豚が鼻先や口でレバー等を動かす操作を自ら学習する必要がある が、豚の知能指数は中程度であって、条件反射を習得するのに時間がかかるため 、全ての豚がスムーズに食餌をすることができない。そのため、餌付けに時間が かかり、餌付けの当初は食餌ができず、既に学習し終えた他の豚が給餌された餌 を盗み取りすることとなり、豚の成長にバラツキが生じる。

【０００６】 このように、従来の給餌の方法は豚の食餌に合わせた自然な方法ではなく、一 定の学習を強いるものであるから、豚はストレスを生じ易い。さらに、従来の給 餌装置では餌詰まりを生じ易くて、豚の食餌に併せて餌が自然な状態でスムーズ に吐出されない欠点がある。さらに、餌の吐出量を豚の成長度若しくは成育状況 に併せて適切に調節することは困難である。

【０００７】 そこで、本考案は上記事情に鑑みて、豚が食餌をする自然な状態において、全 ての豚が特別な学習をしなくとも、満遍なく欲する食餌量を供給することができ 、しかもブリッジ等による餌詰まりが発生することがない家畜用給餌器を提供す るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するため、飼料受器に垂下する飼料容器本体を伸縮調 節可能な支柱とそれに固定したアームを介して前後方向へ揺動可能に吊支し、支 柱に所定の角度で固定したブリッジ防止金具を飼料容器本体内に垂下して挿入し 、飼料容器本体の下端部に飼料受器の平底と対面する吐出口を形成してなり、又 吐出口は左右方向へ揺動可能に連結してなる構成を提供する。

【０００９】 更に、上記飼料容器本体が漏斗状体からなり、ブリッジ防止金具は支柱に所定 の角度で連結した平板状体からなり、又ブリッジ防止金具は支柱に所定の角度で 連結した平板状体の撹拌プレートとそれを中心として環状に配置して連結した撹 拌リングとからなり、撹拌リングが撹拌プレートの長手方向へ複数個配置され、 更に飼料容器本体の揺動範囲を規制するガイドリングを配設し、ガイドリングは 飼料容器本体の下端部を後方へ引き寄せ構成し、吐出口にチョークを挿入してな る構成を提供する。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、家畜が食餌のために飼料受器に首を突っ込み飼料を食べる自 然な動作によって、飼料受器との間隔が変化して、飼料容器本体に収納された粉 状又は顆粒状等の飼料が流動して吐出口から吐出される。その際、飼料容器本体 に鼻先等が当たり飼料容器本体が前後方向へ揺動するため、支柱に固定されたブ リッジ防止金具が飼料容器本体内において上下及び前後へ位置を替えることとな って飼料を掻き回すため、飼料はブリッジを起こさずに常にスムーズに吐出され る。そのため、家畜の食餌に際する動きを利用して、飼料容器本体内に発生しが ちな餌のブリッジを効果的に防止できて、メッシュが小さい人工ミルクでもブリ ッジが発生することがなく自動給餌を行うことができる。そして吐出された飼料 は家畜の食餌によって減少し、飼料容器本体の揺動によって突き崩されるため、 家畜の食餌に応じて、飼料が順次円滑に吐出されることとなる。

【００１１】 また、飼料容器本体を昇降させてその吐出口と飼料受器の平底との間隔を適宜 調節すると、吐出量の調節とともに、ブリッジの発生し難い吐出量を設定できる 。したがって、家畜が欲する量の飼料が家畜の自然な食餌に応じて飼料容器本体 から自動的に吐出するため、家畜がレバー等を押すことを学習する必要がなくて 、ストレスを生じることなく全ての家畜がスムーズに食餌できる。

【００１２】 このように、家畜の食餌に際する動きを利用して、飼料容器本体内に発生しが ちな餌のブリッジを効果的に阻止できるようにしたから、自動給餌が人手による 何等の介護もなく行うことができるようになり、家畜飼育の効率を向上させる。

【００１３】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を図面に基づき説明する。図１は本考案にかかる家畜 用自動給餌装置の一実施例を示す中央部縦断側面図で、図示のように養豚場の床 上に載置する飼料受器１に、支柱２を垂直に立設し、その支柱２に飼料容器本体 ３がアーム４を介して前後方向へ揺動可能、かつ、上下方向へ伸縮調節可能に吊 支され、又飼料容器本体３内にブリッジ防止金具５が支柱２の上端部から挿入さ れている。飼料容器本体３は漏斗状体で上部が開口している。

【００１４】 支柱２は外筒体６とそれに軸方向で嵌合する内筒体７とからなり、内筒体７に はスクリュウロッド８を挿入し、そのスクリュウロッド８の上端部にクランクハ ンドル９が連結されている。スクリュウロッド８の下端部は外筒体６に達して、 そこに固定されたナット１０に挿入されている。アーム４は内筒体７に連結され たコ字形部材で、その両端部にピン１１，１１を介して飼料容器本体３を揺動可 能に連結してある。

【００１５】 ブリッジ防止金具５は内筒体７の上端部に固定したブラケット１２にプレート １３の一端部を連結し、そのプレート１３の他端部を飼料容器本体３の略中心部 に導き、その他端部に平板状の撹拌プレート１４を所定の角度で固定して連結し てある。このブリッジ防止金具５が固定されていることが本願考案の大きな特徴 である。そして、撹拌プレート１４には金属線等からなる大小所定径の撹拌リン グ１５，１６が取り付けられるとともに、下端部に直交して平板状の交差プレー ト１７が連結されている。交差プレート１７は、飼料容器本体３の下端部に挿入 した吐出口１８内に伸びて遊嵌している。したがって、ブリッジ防止金具５は、 図３に示したように、撹拌プレート１４と交差プレート１７が十字状に交差し、 又径を異にした撹拌リング１５，１６が段状に配置されている。

【００１６】 吐出口１８は、飼料容器本体３の下端部に前後の直径方向で相対向するピン１ ９，１９を介して左右方向へ揺動可能に軸支され、上端部を下端部よりもやや広 くラッパ状にした筒体からなる。この吐出口１８には飼料受器１の平底２０に面 してその開口直径よりもいくらか小さい直径のチョーク２１が嵌合している。チ ョーク２１は調節ねじで２２で開口面積を拡大又は縮小できる。なお、このチョ ーク２１は主として顆粒状の飼料を与えるときに吐出口の径を調節する役目を果 たすものであり、粉状の飼料のときは省略してもよいものである。また、飼料受 器１の平底２０はその高さを調節できるものとしてもよい。

【００１７】 飼料容器本体３の下端部は所定半径のガイドリング２３に挿入され、そのガイ ドリング２３を飼料受器１に固定して飼料容器本体３の揺動を一定範囲に規制で きるようにしてある。しかも、このガイドリング２３は吐出口１８をアーム４の ピン１１よりも後方へ引いて飼料容器本体３内を前方へ傾斜する状態に保持して いる。したがって、飼料容器本体３内に飼料を収納すると自重にて飼料容器本体 ３は付勢されて常に前方へ傾き、吐出口１８はガイドリング２３の外側の内周部 に接触するようになっている。

【００１８】 なお、前記吐出口１８は図４に示すような構造としてもよい。即ち、飼料容器 本体３の下端部を受けるラッパ状に開いた上端部を設けた筒体２４をシャフト２ ５で外筒体２６に軸支し、筒体２４が外筒体２６内で左右方向へ揺動可能に構成 するとともに、外筒体２６の上端部を飼料容器本体３に連結してなる。

【００１９】 上記実施例の作用について説明すると、クランクハンドル９を回転してスクリ ュウロッド８を昇降させ、吐出口１８と平底２０間の距離を適宜設定し、飼料容 器本体３内に粉ミルク等の粉状又はペレット等の顆粒状の飼料２７を投入する。 そこてで、幼豚が等食餌のために飼料受器１に鼻先を突込み、飼料２７を食べ、 かつ、吐出口１８を押すことによって、飼料容器本体３がガイドリング２２の範 囲内で後方へ移動し、又鼻先等が吐出口１８から離れることによって前方へ移動 する。

【００２０】 しかし、ブリッジ防止金具５はプレート１３により一定の角度にて固定されて いるので、飼料容器本体３とともに動くことはなく、静止しているから飼料容器 本体内３において上下及び前後へ位置を替えることとなって飼料容器本体３内の 飼料２７は撹拌プレート１４と撹拌リング１５，１６にて掻き回される。そのた め、粉状又は顆粒状である飼料２７にブリッジが発生することなく、吐出口１８ からスムーズに流動できる。

【００２１】 さらに、吐出口１８に移動した飼料２７は、吐出口１８に交差プレート１７が 挿入されているとともに、ピン１９，１９にて飼料容器本体３の左右方向へ揺動 できるから、幼豚等の鼻先にて絶えず揺り動かされているのでチョーク２１から 平底２０に向けて流動する。したがって、チョーク２１からブリッジを生じやす い粉状の飼料２７がブリッジを起こすことなく、スムーズに吐出され、水道管２ ８から供給する水とともに食餌できる。なお、このチョークは主として顆粒状の 飼料２７を供給するときに吐出口の径を調節することができるものであり、粉状 の飼料２７のときは省略してよいもものである。

【００２２】 なお、吐出量の調節はクランクハンドル９を回転操作して飼料容器本体３を飼 料受器１に対し上げ下げをし、吐出口１８と平底２０間の距離を調節し、又はね じ２６を介してチョーク２１の開口面積を調節すればよい。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明した本考案によれば、家畜が欲する時に欲する量の給餌を受けるため に飼料受器に首を突っ込み飼料を食べる自然な動作によって、飼料容器本体に鼻 先等が当たり飼料容器本体が揺動し、支柱に固定されて飼料容器本体内部に収納 されたブリッジ防止金具が飼料容器本体内において上下及び前後へ位置を替える こととなって飼料を掻き回すため、飼料容器本体内に収納された粉状又は顆粒状 の餌が振動してブリッジを起こさずに常にスムーズに吐出される。そして、吐出 された飼料は家畜の食餌によって減少し、飼料容器本体の揺動によって突き崩さ れるため、家畜の食餌に応じて、飼料が順次円滑に吐出されることとなる。

【００２４】 このように、家畜の食餌に際する動きを利用して、飼料容器本体内に発生しが ちな餌のブリッジを阻止できるようにしたから、自動給餌が人手による何等の介 護もなく行うことができるようになり、家畜飼育能率を向上させる。

【００２５】 そのため、家畜が欲するときに欲する量の飼料を自動的に供給することができ 、しかも飼料の自動的な供給は家畜の本能のままの食餌によって行われるので、 家畜が条件反射を特別に学習する必要がなく、ストレスも生じないため全ての家 畜が満足に食餌できるようになり、多数の家畜の成育にバラツキ生じることもな く、その商品価値を向上させる。

【００２６】 さらに、給餌量の調整は飼料容器本体を昇降させてその飼料排出口と平底との 間隔を適宜調節できるから、家畜の飼育状況に応じた適切な給餌ができるととも に、メッシュの小さな人工粉ミルクでもブリッジなく供給することができる。し かも構成は簡単でコストも低廉であり、清掃やメンテナンスが短時間に容易に行 える、等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す中央部縦断側面図。

【図２】本考案の第２実施例を示す中央部縦断正面図。

【図３】ブリッジ防止金具の断面平面図。

【図４】吐出口を示す断面図。

【符号の説明】

１…飼料受器 ２…支柱 ３…飼料容器本体 ４…アーム ５…ブリッジ防止金具 ８…スマリュウロットド ８…クランクハンドル １４…撹拌プレート １５，１６…撹拌リング １８…吐出口 ２０…平底 ２７…飼料

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飼料受器に垂下する飼料容器本体を伸縮
   調節可能な支柱とそれに固定したアームを介して前後方
   向へ揺動可能に吊支し、支柱に所定の角度で固定したブ
   リッジ防止金具を飼料容器本体内に垂下して挿入し、飼
   料容器本体の下端部に飼料受器の平底と対面する吐出口
   を形成してなることを特徴とする家畜用自動給餌装置。
2. 【請求項２】 吐出口は左右方向へ揺動可能に連結して
   なる請求項１記載の家畜用自動給餌装置。
3. 【請求項３】 飼料容器本体が漏斗状体からなる請求項
   １，２記載の家畜用自動給餌装置。
4. 【請求項４】 ブリッジ防止金具は支柱に所定の角度で
   連結した平板状体からなる請求項１，２，３記載の家畜
   用自動給餌装置。
5. 【請求項５】 ブリッジ防止金具は支柱に所定の角度で
   連結した平板状体の撹拌プレートとそれを中心として環
   状に配置して連結した撹拌リングとからなる請求項１，
   ２，３記載の家畜用自動給餌装置。
6. 【請求項６】 撹拌リングが撹拌プレートの長手方向へ
   複数個配置されている請求項５記載の家畜用自動給餌装
   置。
7. 【請求項７】 飼料容器本体の揺動範囲を規制するガイ
   ドリングを配設した請求項１，２，３，４，５，６記載
   の家畜用自動給餌装置。
8. 【請求項８】 ガイドリングは飼料容器本体の下端部を
   後方へ引き寄せている請求項７記載の家畜用自動給餌装
   置。
9. 【請求項９】 吐出口にチョークを挿入してなる請求項
   １２，３，４，５，６，７記載の家畜用自動給餌装置。