JPH05314998A - 熱電池 - Google Patents
熱電池Info
- Publication number
- JPH05314998A JPH05314998A JP11451892A JP11451892A JPH05314998A JP H05314998 A JPH05314998 A JP H05314998A JP 11451892 A JP11451892 A JP 11451892A JP 11451892 A JP11451892 A JP 11451892A JP H05314998 A JPH05314998 A JP H05314998A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- thermal battery
- igniter
- ignition
- electric
- Prior art date
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- Pending
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-
- Y02E60/12—
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気式点火器の改良により着火の信頼性向上
と、電池の小形化および組立工数を削減した熱電池を提
供することを目的とする。 【構成】 外部から起動用端子を介して送られた点火信
号によって火炎を発する電気式点火器を備えた熱電池で
あって、前記電気式点火器の樹脂ベースに固定された電
線2の先端に電橋1を少なくとも2本取りつけた構成と
する。これによって電橋1の断線による点火不良が削減
できる。
と、電池の小形化および組立工数を削減した熱電池を提
供することを目的とする。 【構成】 外部から起動用端子を介して送られた点火信
号によって火炎を発する電気式点火器を備えた熱電池で
あって、前記電気式点火器の樹脂ベースに固定された電
線2の先端に電橋1を少なくとも2本取りつけた構成と
する。これによって電橋1の断線による点火不良が削減
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱電池に関し、特に起動
用点火器を改良した熱電池に関する。
用点火器を改良した熱電池に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電池は常温では不活性であるが、高温
に加熱すると活性となり、外部へ電気を供給し得るよう
になる溶融塩電解質を用いた貯蔵型電池である。従っ
て、5〜10年あるいはそれ以上の貯蔵後においても製
造直後と全く電池特性が変わらない。また、高温で電極
反応を行わせるので、水溶液電解液や有機溶媒電解液な
どを用いる電池に比べ分極が小さく大電流放電特性に優
れている。さらに、使用希望時に起動信号を入れると1
秒以内の短時間に電力を取り出せるなどの利便性を有す
る特徴を活かして、飛翔体ならびに各種誘導機器の電源
や緊急用電源に利用されている。
に加熱すると活性となり、外部へ電気を供給し得るよう
になる溶融塩電解質を用いた貯蔵型電池である。従っ
て、5〜10年あるいはそれ以上の貯蔵後においても製
造直後と全く電池特性が変わらない。また、高温で電極
反応を行わせるので、水溶液電解液や有機溶媒電解液な
どを用いる電池に比べ分極が小さく大電流放電特性に優
れている。さらに、使用希望時に起動信号を入れると1
秒以内の短時間に電力を取り出せるなどの利便性を有す
る特徴を活かして、飛翔体ならびに各種誘導機器の電源
や緊急用電源に利用されている。
【0003】熱電池の構造は、図示していないが、正極
層、電解質層、負極層の三層から成るペレット状の素電
池と、同じくペレット状の発熱剤を交互に積層したのち
断熱材で覆いこれを金属ケースに挿入し、出力端子を備
える電池を圧入してTIG(Tungsten Inert Gas)溶
接などで溶接し完全密封構造としたものが一般的であ
る。
層、電解質層、負極層の三層から成るペレット状の素電
池と、同じくペレット状の発熱剤を交互に積層したのち
断熱材で覆いこれを金属ケースに挿入し、出力端子を備
える電池を圧入してTIG(Tungsten Inert Gas)溶
接などで溶接し完全密封構造としたものが一般的であ
る。
【0004】熱電池は先に述べたように、常温では電解
質がイオン伝導性のない固体であるので発電せず、その
ままでは外部へエネルギーを取り出すことができないた
め発電を開始するまで特殊な方法を用いている。そこで
実用的な熱電池の起動順序を図3により述べる。まず外
部エネルギー(電気、圧力など)を電池に印加して内蔵
する点火器12から小さな火炎を発生させ、燃焼剤13
により火種を大きくしたのち導火帯14により燃焼を伝
播させ発熱剤15に着火、燃焼させて、高速かつ大量に
発熱反応を起こして負極16、電解質17、正極18か
らなる素電池を加熱する。素電池は400〜650℃に
昇温されて電解質が融解し、放電可能状態となり電圧、
電流を出力することができる。電池は断熱材(図示して
いない)によって保温されているがその後の放熱により
徐々に冷却され、電池内部温度が電解質の凝固点以下に
低下すると発電が停止する。
質がイオン伝導性のない固体であるので発電せず、その
ままでは外部へエネルギーを取り出すことができないた
め発電を開始するまで特殊な方法を用いている。そこで
実用的な熱電池の起動順序を図3により述べる。まず外
部エネルギー(電気、圧力など)を電池に印加して内蔵
する点火器12から小さな火炎を発生させ、燃焼剤13
により火種を大きくしたのち導火帯14により燃焼を伝
播させ発熱剤15に着火、燃焼させて、高速かつ大量に
発熱反応を起こして負極16、電解質17、正極18か
らなる素電池を加熱する。素電池は400〜650℃に
昇温されて電解質が融解し、放電可能状態となり電圧、
電流を出力することができる。電池は断熱材(図示して
いない)によって保温されているがその後の放熱により
徐々に冷却され、電池内部温度が電解質の凝固点以下に
低下すると発電が停止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように熱電池は
外部より起動信号を送り点火器12から火炎を発するこ
とによって活性化させる。この点火器12として一般的
に使用されているものが図4に示すような電気式点火器
である。点火器は樹脂ベース19に固定された電線20
の先端に電橋21を取り付け、その周囲に発火薬22を
配したのち樹脂被膜23によって覆われた構造になって
いる。
外部より起動信号を送り点火器12から火炎を発するこ
とによって活性化させる。この点火器12として一般的
に使用されているものが図4に示すような電気式点火器
である。点火器は樹脂ベース19に固定された電線20
の先端に電橋21を取り付け、その周囲に発火薬22を
配したのち樹脂被膜23によって覆われた構造になって
いる。
【0006】しかしながら熱電池が使用される環境は、
激しい振動や衝撃などが外部から加わることが多く、そ
のため電橋21が断線することがまれではあるが発生す
る。このような場合、起動信号を送っても点火器から火
炎が発せず電池を活性化することができないという致命
的な欠陥となる。このような課題を解決するため従来で
は点火玉を2個取りつける方法が考えられているが、こ
の方法には電池が大形化するとともに、組立工数が増加
するなどの問題があった。
激しい振動や衝撃などが外部から加わることが多く、そ
のため電橋21が断線することがまれではあるが発生す
る。このような場合、起動信号を送っても点火器から火
炎が発せず電池を活性化することができないという致命
的な欠陥となる。このような課題を解決するため従来で
は点火玉を2個取りつける方法が考えられているが、こ
の方法には電池が大形化するとともに、組立工数が増加
するなどの問題があった。
【0007】本発明はこのような問題を解決するもの
で、起動時における点火の信頼性を向上した熱電池を提
供することを目的とする。
で、起動時における点火の信頼性を向上した熱電池を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の熱電池は、点火器の電橋を一対の電線の間に
少なくとも2本備えることによって、電橋の断線による
電池の不活性化という欠陥を極力抑えるものである。
め本発明の熱電池は、点火器の電橋を一対の電線の間に
少なくとも2本備えることによって、電橋の断線による
電池の不活性化という欠陥を極力抑えるものである。
【0009】
【作用】熱電池点火器の電橋を少なくとも2本備えるこ
とによって、電橋のうち1本がたとえ断線したとして
も、残る少なくとも1本で点火器を発火させ電池を活性
化できるので、熱電池点火の信頼性を大幅に向上するこ
ととなる。また、点火器を2個備える熱電池に比べ電池
寸法を小形化でき、組立工数も削減できることとなる。
とによって、電橋のうち1本がたとえ断線したとして
も、残る少なくとも1本で点火器を発火させ電池を活性
化できるので、熱電池点火の信頼性を大幅に向上するこ
ととなる。また、点火器を2個備える熱電池に比べ電池
寸法を小形化でき、組立工数も削減できることとなる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例の熱電池について図面
を参照しながら説明する。
を参照しながら説明する。
【0011】図1において、一対の電線2の先端間に発
熱用の電橋1を2本備えている。図2において、発熱剤
3は鉄が酸化鉄に酸化されるときの反応熱を利用するも
ので、酸化剤として過塩素酸カリウムを、還元剤として
鉄粉を用いた混合成形体で、220cal/g程度の発
熱量を有する。素電池4は正極に二硫化鉄、電解質にL
iCl−KCl溶融塩、負極にリチウムを用いた正極、
電解質、負極の三層を一体に構成したペレットである。
一般的な積層形熱電池は素電池4と発熱剤3とを交互に
積層し発電部積層体を構成する。着火パッド5はクロム
酸バリウムとジルコニウムの混合体で発電部積層体の上
部に位置される。導火帯6は着火パッド5と同成分で作
られ発電部積層体の外周面に1〜4本配置されている。
特殊な高性能断熱材で構成された外部断熱層7は積層体
の外周および上下を覆い、電池内部を高温に保つ働きを
する。そしてこれらの構成品を金属製の電池ケース8に
挿入し、ガラス接合した出力端子12および起動用端子
11を備えた電池蓋9を圧入してTIG(Tungsten In
ert Gas)溶接などで溶接し完全密封構造とする。この
起動用端子11に点火器10の電線をはんだ付けによっ
て取りつけ、着火パッド5の上部に配する。この点火器
10に外部から起動用端子11を介して点火信号を送る
ことによって火炎を発し、着火パッド5、導火帯6、発
熱剤3と順次着火して電池内部を加熱して発電する。本
実施例の点火器10は電橋2を2本備えており従来の1
本のものに比べ、電橋の断線による電池の不活性化とい
う致命的な欠陥を極力抑えることができる。
熱用の電橋1を2本備えている。図2において、発熱剤
3は鉄が酸化鉄に酸化されるときの反応熱を利用するも
ので、酸化剤として過塩素酸カリウムを、還元剤として
鉄粉を用いた混合成形体で、220cal/g程度の発
熱量を有する。素電池4は正極に二硫化鉄、電解質にL
iCl−KCl溶融塩、負極にリチウムを用いた正極、
電解質、負極の三層を一体に構成したペレットである。
一般的な積層形熱電池は素電池4と発熱剤3とを交互に
積層し発電部積層体を構成する。着火パッド5はクロム
酸バリウムとジルコニウムの混合体で発電部積層体の上
部に位置される。導火帯6は着火パッド5と同成分で作
られ発電部積層体の外周面に1〜4本配置されている。
特殊な高性能断熱材で構成された外部断熱層7は積層体
の外周および上下を覆い、電池内部を高温に保つ働きを
する。そしてこれらの構成品を金属製の電池ケース8に
挿入し、ガラス接合した出力端子12および起動用端子
11を備えた電池蓋9を圧入してTIG(Tungsten In
ert Gas)溶接などで溶接し完全密封構造とする。この
起動用端子11に点火器10の電線をはんだ付けによっ
て取りつけ、着火パッド5の上部に配する。この点火器
10に外部から起動用端子11を介して点火信号を送る
ことによって火炎を発し、着火パッド5、導火帯6、発
熱剤3と順次着火して電池内部を加熱して発電する。本
実施例の点火器10は電橋2を2本備えており従来の1
本のものに比べ、電橋の断線による電池の不活性化とい
う致命的な欠陥を極力抑えることができる。
【0012】(表1)に衝撃、振動および低温および高
温試験を以下に記す条件で加えた電池の点火状況を示
す。ただし本実験は、発電部に発熱剤のみを積層した模
擬電池を使用して行った。
温試験を以下に記す条件で加えた電池の点火状況を示
す。ただし本実験は、発電部に発熱剤のみを積層した模
擬電池を使用して行った。
【0013】 (1)衝撃:1000G×10ms (2)振動:10Grms×2h (3)低温:−55℃×4h (4)高温:+75℃×4h
【0014】
【表1】
【0015】未着火の点火器を分解してみると、全数電
橋の断線が確認された。この結果と(表1)から、本発
明の点火器は熱電池の作動信頼性の向上に効果があるこ
とが証明された。
橋の断線が確認された。この結果と(表1)から、本発
明の点火器は熱電池の作動信頼性の向上に効果があるこ
とが証明された。
【0016】
【発明の効果】以上の実施例の説明により明らかなよう
に、本発明の熱電池によれば、電橋を従来1本であった
ものを2本備えたことによって、電池に加わる振動や衝
撃などにより一方の電橋が断線してももう一方の電橋で
電池を活性化できる。さらに、点火の信頼性向上のため
に点火器を従来のように2個取り付ける必要がなく、電
池の小形化、組立工数の低減を可能にした。
に、本発明の熱電池によれば、電橋を従来1本であった
ものを2本備えたことによって、電池に加わる振動や衝
撃などにより一方の電橋が断線してももう一方の電橋で
電池を活性化できる。さらに、点火の信頼性向上のため
に点火器を従来のように2個取り付ける必要がなく、電
池の小形化、組立工数の低減を可能にした。
【図1】本発明の一実施例の熱電池に用いる点火器の断
面図
面図
【図2】同熱電池の構成を示す縦断面図
【図3】熱電池の起動原理の概念を説明する斜視図
【図4】従来の熱電池に用いる点火器の断面図
1 電橋 2 電線 3a 発火薬 10 点火器 11 起動用端子
フロントページの続き (72)発明者 粟野 彰規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】外部から起動用端子を介して送られた点火
信号によって火炎を発する電気式点火器を備えた熱電池
であって、前記点火器の発火薬を発火させるための電橋
を一対の電線の間に少なくとも2本備えた熱電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11451892A JPH05314998A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 熱電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11451892A JPH05314998A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 熱電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05314998A true JPH05314998A (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=14639763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11451892A Pending JPH05314998A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | 熱電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05314998A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008141160A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-06-19 | Doshisha | 熱起動型溶融塩キャパシタ |
-
1992
- 1992-05-07 JP JP11451892A patent/JPH05314998A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008141160A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-06-19 | Doshisha | 熱起動型溶融塩キャパシタ |
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