JPH05313216A - 有機非線形光学結晶および部品 - Google Patents

有機非線形光学結晶および部品

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JPH05313216A
JPH05313216A JP11749392A JP11749392A JPH05313216A JP H05313216 A JPH05313216 A JP H05313216A JP 11749392 A JP11749392 A JP 11749392A JP 11749392 A JP11749392 A JP 11749392A JP H05313216 A JPH05313216 A JP H05313216A
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JP
Japan
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nonlinear optical
refractive index
crystal
organic nonlinear
optical crystal
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JP11749392A
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Seiji Fukuda
誠司 福田
Tetsuya Goto
哲哉 後藤
Tomoya Yamaho
智也 山舗
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】表面の反射防止膜は基板側から表面側へ第(2
i−1)層[i;自然数]は屈折率1.80〜2.40
の範囲にある高屈折率物質からなり、第(2i)層は屈
折率1.40〜1.50の範囲にある低屈折率物質から
なり、かつ前記各層は、特定の波長に対して次の条件を
満足することを特徴とする有機非線形光学結晶。 (0.225+0.5m)λ≦n×d≦(0.275+
0.5m)λ ここで、 n;構成物質の屈折率 d;各層の膜厚 n×d;構成物質の光学膜厚 m;0以上の整数 λ;特定波長 【効果】特定波長の入射光または出射光に対する有機非
線形光学結晶の表面反射を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信や光情報処理の
分野で、非線形光学部品として有用な反射防止膜を有す
る有機非線形光学結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】有機非線形光学結晶は、広い意味での光
学用途に用いられる材料であるため、結晶表面での光の
反射を防止するための反射防止膜加工を行なうことが望
まれている。実際、無機非線形光学結晶を用いた非線形
光学部品に反射防止膜加工を行なうことが通常行なわれ
ている。本発明を構成する反射防止膜に類似した構成の
構造の反射防止膜を、無機結晶上に形成した例は知られ
ているが、これらは単一の屈折率に対応しているだけで
あり、大きな複屈折性を有する有機非線形光学結晶上に
反射防止膜を形成したものではない。
【0003】有機非線形光学結晶上に反射防止膜加工が
行なわれた例として、4-(N,N−ジメチルアミノ)-3-アセ
トアミドニトロベンゼン(DAN)に反射防止膜加工を
行なったという記載がある(S.Ducharmeら、Applied Ph
ysics Letters,vol.57,No.6,537,1990)。しかし本発明
で明らかにしたような、膜構成物質の屈折率や光学膜厚
など反射防止膜の加工を実施できる程度の開示はなされ
ていない。
【0004】反射防止加工を施した光学セル中に、結晶
表面での反射を低減するために屈折率調整用のマッチン
グ・オイルに有機非線形光学結晶を浸した例が上記のS.
Ducharmeらの文献に記載されている。また、反射防止膜
加工を施したガラス板を用い、このガラス板を有機非線
形光学結晶に貼りつけて結晶表面での反射を低減した例
がある(北岡ら;光学、第19巻第8号、538頁、19
90)。しかし、何れの場合も、本発明で実現されたよう
な、有機非線形光学結晶の表面に直接形成された反射防
止膜ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、特定
波長の入射光または出射光に対して表面反射が低減され
た、有機非線形光学結晶および非線形光学部品を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は下記の構成を有する。
【0007】「反射防止膜を表面に持つ有機非線形光学
結晶であって、該反射防止膜は(2i)層構成(i;自
然数)からなり、基板側から表面側へ第(2i−1)層
は屈折率1.80〜2.40の範囲にある高屈折率物質
からなり、第(2i)層は屈折率1.40〜1.50の
範囲にある低屈折率物質からなり、かつ該反射防止膜の
各層は、特定の波長に対して次の条件を満足することを
特徴とする有機非線形光学結晶。
【0008】 (0.225+0.5m)λ≦n×d≦(0.275+0.5m)λ ここで、 n;構成物質の屈折率 d;各層の膜厚 n×d;構成物質の光学膜厚 m;0以上の整数 λ;特定波長」 本発明で言う有機非線形光学結晶とは、非線形光学効果
を示す有機結晶であれば何でも良い。非線形光学効果に
は、2次非線形光学効果や3次非線形効果が知られてお
り、2次非線形光学効果としては1次の電気光学効果
(ポッケルス効果)や2次高調波発生(SHG)効果が
あり、3次非線形光学効果としては2次の電気光学効果
(カー効果)や3次高調波発生(THG)効果がある。
【0009】本発明で好ましく用いられる4´−ニトロ
ベンジリデン−3−アルカノイルアミノ−4−メトキシ
アニリン、4´−ニトロベンジリデン−3−ハロゲノア
ルカノイルアミノ−4−メトキシアニリン、および、そ
れらの少なくとも一部が重水素置換されてなる化合物と
は、4´−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−4
−メトキシアニリン(MNBA)、4´−ニトロベンジ
リデン−3−エチルカルボニルアミノ−4−メトキシア
ニリン(MNBA−Et)、4´−ニトロベンジリデン
−3−クロロアセトアミノ−4−メトキシアニリン(M
NBA−Cl)、4´−ニトロベンジリデン−3−ブロ
モアセトアミノ−4−メトキシアニリン(MNBA−B
r)、4´−ニトロベンジリデン−3−(β−クロロエ
チル)カルボニルアミノ−4−メトキシアニリン(MN
BA−ClEt)など、アルカノイルアミノ基あるいは
ハロゲノアルカノイルアミノ基を表す下記式、 −NHCOR において、Rが炭素数2以下のアルキル、ハロゲン化ア
ルキルのもの、および、それらの少なくとも一部が重水
素置換されてなる化合物を指す。これら化合物の結晶
は、何れも大きな2次の非線形光学効果を示し(特開昭
63−113429号公報)、化合物の蒸気圧が低く蒸
着法による反射防止膜形成が可能であるため、本発明に
よる反射防止膜を表面に持つ有機非線形光学結晶に適す
る。
【0010】また同じく大きな2次の非線形光学効果を
示す有機結晶として、
【化3】 で表わされる3,9−E,E’−5a,6,11a,1
2−テトラヒドロ[1,4]ベンゾオキサジノ[3,2
−b][1,4]ベンゾオキサジン(E,E’はアクセ
プター性置換基)の結晶(特開平1−45388号公
報)も、本発明による反射防止膜を表面に持つ有機非線
形光学結晶に適する。ここでEおよびE’は同一のアク
セプター性置換基である。アクセプター性置換基として
は、ニトロ、シアノ、イソシアネート、アルデヒド、メ
トキシカルボニルやエトキシカルボニルなどのアルコキ
シカルボニル、スルフォニル、ハロゲン等が挙げられ
る。N−H基との水素結合により結晶の耐熱性が高くな
るという点で、ニトロ、アルデヒド、アルコキシカルボ
ニル基が好ましい。例えば、3,9−ジニトロ−5a,
6,11a,12−テトラヒドロ[1,4]ベンゾオキ
サジノ[3,2−b][1,4]ベンゾオキサジン(D
NBB)、3,9−ジメトキシカルボニル−5a,6,
11a,12−テトラヒドロ[1,4]ベンゾオキサジ
ノ[3,2−b][1,4]ベンゾオキサジン(DMC
BB)である。
【0011】本発明で言う結晶の表面とは、特定波長の
光の入射または出射を目的とした面であれば何でも良
く、有機結晶の自然成長面・劈開面でも、また任意の方
位に切断・研磨した面であっても良い。この表面に対し
てほぼ垂直に特定波長の光が入射または出射する場合
に、反射防止効果が最も大きい。一般に有機非線形光学
結晶は、結晶の異方性のために、結晶の面方位や入・出
射光の偏光方向に依存して屈折率が異なる。本発明の反
射防止膜は、該膜の低屈折率物質よりも高い屈折率を有
する有機非線形光学結晶に対して用いる場合において好
ましく効果を発揮される。本発明の低屈折率物質の屈折
率範囲が1.40〜1.50であることを考慮すれば、
有機非線形光学結晶の屈折率は、少なくとも1.50程
度であれば、本発明の効果は十分期待できるが、屈折率
1.6以上の有機非線形光学結晶の表面に対してより大
きな効果が発揮される。反射光を半分以下に低減できる
からである。屈折率1.7〜2.6の範囲の結晶表面の
場合さらに大きな効果が発揮される。反射光を4分の1
以下に低減できるからである。
【0012】反射防止膜を形成する有機非線形光学結晶
の表面は、単一の表面であっても良いし、2つ以上の表
面であっても良い。複数の表面に反射防止膜を形成する
場合には、同一の特定波長の光に対する反射防止膜であ
っても良いし、それぞれ異なる特定波長の光に対する反
射防止膜であっても良い。
【0013】一般に光の反射は、屈折率の不連続な境界
面によって生じる。この境界面、すなわち、本発明にお
いては有機非線形光学結晶の表面が、光の波長に比べて
滑らかであれば、入射した光の一部もしくは全部は鏡面
反射する。一方、表面の凹凸が波長と同程度以上であれ
ば、反射は種々の方向に進む。このような反射は、拡散
反射あるいは乱反射と呼ばれる(岩波出版、「理化学事
典」(第3版増補版);「反射」)。本発明の反射防止
膜は、表面の凹凸、傷、欠陥等により部分的に拡散反射
を生じる様な表面であっても効果がある。従って、反射
防止膜が形成される有機非線形光学結晶の表面は、光の
入射、出射が可能であれば必ずしも平面である必要はな
く、球面、円筒面などの湾曲した面であってもよい。ま
たこれらの面全体であっても良いし、光導波路の入射端
面のようにその一部であっても良い。
【0014】本発明で言う低屈折率物質とは、特定波長
に対する屈折率が1.40〜1.50で、特定波長に対
して透明な物質であれば何でも良いが、真空蒸着法によ
る膜形成可能な物質が望ましい。真空蒸着法による膜形
成は膜厚の調整が容易であり、同時に生産性も高いから
である。このことは、ガラス材料などを対象にした反射
防止膜の形成が、真空蒸着法により広く行なわれている
ことからも明白である。さらに望ましくは、近赤外光あ
るいは可視光に対して透明な誘電体膜、例えばSiO2
が良い。一般に誘電体膜は、SiO2 のように膜強度が
高いため傷が付きにくく、有機非線形光学結晶の保護膜
としての機能を兼ね備えており、また透明性も高いから
である。SiO2 は、蒸着法による膜形成も容易であ
り、屈折率も1.40〜1.50の範囲にあるからであ
る。SiO2 の屈折率は、可視光の波長領域で1.45
程度である。SiO2 の屈折率は波長に依っても若干の
変化があるうえに、蒸着膜の作製方法によっても変化す
るが、本発明の屈折率範囲1.40〜1.50から外れ
ることはない。
【0015】本発明で言う高屈折率物質とは、特定波長
に対する屈折率が1.8〜2.40で、特定波長に対し
て透明な物質であれば何でも良いが、真空蒸着法による
膜形成可能な物質が望ましい。例えばZrO2 (屈折率
2.05,以下同様),Ta2 5 (2.1),Y2
3 (1.87),TiO2 (2.35),CeO
2 (2.3),ZnS(2.4)などがある。また屈折
率を微調整する目的で、あるいは膜形成を容易にする目
的で、これらの混合物を主成分とする物質を用いても良
い。屈折率をさらに微調整する目的で、これらにAl2
3 (1.63)を混合した物質を用いても良い。これ
らの物質は、混合物も含めて、真空蒸着用材料として市
販されているので入手も容易である。
【0016】高屈折率物質は、反射防止膜を形成する有
機非線形光学結晶の屈折率に合わせて選択できる。例え
ば前記有機非線形光学結晶、4´−ニトロベンジリデン
−3−アセトアミノ−4−メトキシアニリン(MNB
A)には、前記の何れの材料でも良いが、ZrO2 が最
適である。また前記、3,9−ジニトロ−5a,6,1
1a,12−テトラヒドロ[1,4]ベンゾオキサジノ
[3,2−b][1,4]ベンゾオキサジン(DNB
B)には、前記何れの材料でも良いが、Y2 3 が最適
である。
【0017】本発明で言う真空蒸着法とは、一般に言う
物理蒸着法であれば何でも良い。蒸着膜品質を向上させ
る目的で、酸素イオンやアルゴンイオンを用いたイオン
シャワーを併用しても良い。融点の高い誘電体膜の蒸着
を行なう場合には、電子ビーム加熱蒸着法が好ましく用
いられる。より好ましくは、蒸着基板である有機非線形
光学結晶を加熱することが望ましい。蒸着膜の平滑性や
膜の付着強度がより向上するからである。有機非線形光
学結晶の加熱温度としては、用いる有機結晶が融解や真
空中での昇華を生じない温度にとどめる必要があるが、
耐熱性の非常に高い有機結晶を用いる場合には120〜
150℃の加熱が望ましい。耐熱性に劣る有機結晶の場
合にはより低い温度に設定する必要が有るが、有機結晶
の耐熱性に応じて調節すれば良い。耐熱性の低い有機結
晶に反射防止膜を蒸着形成する場合には、加熱温度60
〜120℃の範囲が望ましい。
【0018】基板加熱には、有機結晶の表面に存在する
吸着ガス、特に水蒸気の脱ガスを促進し、反射防止膜の
付着強度を向上する効果もあるので、基板加熱温度が1
00℃以下の場合には、蒸着前の真空加熱を少なくとも
30分間以上行なうことが望ましい。蒸着前の加熱温度
を必要に応じて変化させても良いが、蒸着中の基板温度
は変動を抑えることが望ましい。蒸着膜の屈折率が不均
一になり、反射防止性能が一定しない要因となるからで
ある。
【0019】有機結晶の加熱方法としては、裏面に設置
した熱板からの熱幅射によっても、熱板に接触させて行
なっても良い。また裏面側もしくは表面側に設置した加
熱ランプによって、加熱を行なっても良い。さらには、
有機結晶を加熱するための特別な装置を設けずとも、加
熱された蒸着物質からの熱幅射を利用しても良い。例え
ば、電子ビーム加熱法によりSiO2 を蒸着する場合
に、蒸着基板である有機結晶までの距離が25cm程度で
あれば約60〜80℃まで有機結晶の温度が上昇する。
有機結晶をより均一に加熱することができ、かつ蒸着中
の温度変動が少ないという点で、裏面もしくは表面から
のランプ加熱が望ましい。
【0020】本発明で言う光学膜厚とは、反射防止膜の
構成物質の膜厚を特定波長における光学距離で表わした
ものであり、構成物質の屈折率と膜厚の積に等しい。構
成物質の屈折率は、光の波長に依存して異なった値を持
つため、光学膜厚の測定は、特定波長にほぼ等しい波長
の光を用いて行なうことが望ましい。光学的膜厚は、反
射防止膜を形成した有機非線形光学結晶の透過スペクト
ルや反射スペクトルの干渉パターンにより容易に測定す
ることができる。
【0021】蒸着法を用いて反射防止膜を形成する場合
に、光学式の膜厚モニタを用いれば、蒸着中に特定波長
の光学膜厚をその場測定することができ好ましい。この
ような光学膜厚のその場測定法は、蒸着膜厚の測定法と
して通常用いられている方法である。膜厚モニタ光とし
て、特定波長を中心として±20%程度の範囲で選べ
ば、構成物質の屈折率分散の影響を避けることができ好
ましい。
【0022】光学式の膜厚モニタが特定波長にほぼ等し
い波長の光を使用することができない場合には、屈折率
の波長依存性に起因する光学膜厚のずれを前述の干渉パ
ターンにより校正すれば良い。この場合には、特定波長
と簡単な整数比の関係にある波長、例えば特定波長の半
分の波長を、膜厚モニタ光とすると制御が容易になり好
ましい。もちろん、構成物質の屈折率分散が小さい場合
には、例えば特定波長の半分の波長の光をモニタ光とし
たとしても、屈折率分散の影響を特に補正することは不
必要である。
【0023】また水晶振動子式の膜厚モニタを用いる場
合には、同様に干渉パターンを用いて光学膜厚を校正す
れば良い。光学式・水晶振動子式何れの膜厚モニタを用
いる場合でも、光学膜厚精度を5%の精度で制御するこ
とは容易である。注意深く制御を行なえば、1〜2%の
光学膜厚精度を得ることも充分可能である。
【0024】本発明の反射防止膜を構成する各層の光学
膜厚は、 (0.225+0.5m)λ≦n×d≦(0.275+0.5m)λ ここで、 n;構成物質の屈折率 d;各層の膜厚 n×d;構成物質の光学膜厚 m;0以上の整数 λ;特定波長である必要がある。
【0025】構成物質の光学膜厚n×dが、半波長の整
数倍0.5mλに4分の1波長0.25λ加えた値を有
するとき、つまり n×d=(0.25+0.5m)λ の時に入射側の境界面と出射側の境界面との反射光が互
いに逆位相となり、最も反射が抑えられ、すなわち、透
過率が最良となる。しかし膜厚を前記等式を完全に満た
すように形成するのは、工業的に困難であり、4分の1
波長0.25λの10%程度の誤差があっても、より好
ましくは5%以内ならば、十分に効果が得られることを
考慮した結果、本発明の不等式条件が得られた。
【0026】mの値については0,1,2,…等であれ
ば何でも良いが、均質な膜が得やすい点、さらに、生産
性に優れる点で、m=0の場合が望ましい。
【0027】本発明で言う特定波長とは、有機非線形光
学結晶に入射もしくはそれから出射する光の真空中での
波長を指す。反射防止膜の効果はこの特定波長の光に対
して発揮される。
【0028】有機非線形光学結晶を非線形光学部品とし
て用いる場合には、先に述べた拡散反射の少ない面であ
る必要がある。本発明で言う光学的に平滑な面とは、拡
散反射の少ない面を指し、反射防止膜がない場合に拡散
反射光の強度が鏡面反射の多くとも半分を越えないよう
な表面である。光学的に平滑な面の作製は、先に述べた
切断、研磨によっても、また結晶の劈開を利用しても良
い。この場合には、拡散反射のほとんどない、表面の凹
凸が波長程度以下の光学的に平滑な面が形成できる。
【0029】本発明の非線形光学部品とは、光学的に平
滑な面に反射防止膜を持つ有機非線形光学結晶であれ
ば、そのままの形態で適当な器具で保持して使用するも
のであっても良いし、適当な強度を持った容器に固定し
たものであっても良い。取扱いを容易にするために、金
属、プラスチック等の枠に接着固定したものであっても
良い。
【0030】反射防止膜が形成された表面に、光の入
射、出射を行なうために、直接光ファイバ等を接着して
も良いが、反射防止膜が直接露出していることが望まし
い。直接露出している方が、反射防止効果が大きいから
である。
【0031】一般に有機非線形光学結晶は、光の進行方
向は同一であっても、偏光状態あるいは偏光方向に依存
して異なった屈折率を持つ、いわゆる複屈折性の材料で
ある。本発明を構成する反射防止膜の表面反射防止効果
は,基材である有機非線形光学結晶の複屈折による屈折
率の変化に対して影響を受けにくいことが特徴である。
そのため、本発明の非線形光学部品は、光の偏光状態が
変化する場合や、偏光方向が一義的に決められない場
合、あるいは光学部品を入出射面内で回転して用いる場
合といった用途に適する。
【0032】本発明の反射防止膜を表面に持つ有機非線
形光学結晶は、特定波長の入射光および出射光に対する
表面反射が低減されている。さらに反射防止膜の外面を
構成する低屈折率物質として真空蒸着法により形成され
た透明な誘電体を用いた場合には、比較的軟らかく傷つ
きやすい有機非線形光学結晶の表面保護膜としての機能
を併せ持つことができる。本発明の有機非線形光学結晶
からなる非線形光学部品は、有機非線形光学結晶の光学
的に平滑な面に形成された反射防止膜により、光の効率
的な利用が可能になり、また表面反射光により生じる迷
光を防ぐことができる。さらに本発明の非線形光学部品
は、偏光状態が変化する場合や偏光方向が一義的に決め
られない場合の使用に適する。
【0033】本発明について以下の実施例によりさらに
詳細に説明する。
【0034】
【実施例】
実施例1 メチルエチルケトン溶液からの結晶成長によって板状の
DNBB結晶を得た。この結晶は以下の格子定数を持つ
α型の単斜晶系結晶である。
【0035】 DNBBα型結晶は、光学軸を2つ持つ二軸結晶であ
り、3つの主屈折率が全て異なる(nX >nY
Z )。最も小さい主屈折率nZ が、少なくとも1.5
1以上(測定波長1.06μm)である。従って、DN
BBα型結晶のどのような面に対しても、本発明に示さ
れた反射防止膜の効果は十分期待できる。
【0036】このようにして得られた板状DNBBα型
結晶の最も広い2つの面が{010}面である。この
{010}面に対して、以下の方法で波長1064nmの
光に対する反射防止膜を形成した。
【0037】得られたDNBBα型結晶の{010}面
を、直径4mmの円形開口部を持つステンレス薄板で挟み
込み、ハロゲンランプ加熱による基板加熱機能を持つ真
空蒸着装置内の上部に取り付けた。蒸着装置下部にある
蒸着源電子ビーム加熱位置にY2 3 およびSiO2
結ペレットを設置した。この時蒸着源とDNBBα型結
晶の距離は約80cmであった。
【0038】蒸着装置を5×10-6Torrまで排気後、ハ
ロゲンランプにより有機結晶を100℃に加熱し、15
分後電子ビームにより焼結ペレットを加熱し、Y
2 3 ,SiO2 の順で蒸着を開始した。蒸着中、膜厚
を均一にする目的で、DNBBα型結晶を取り付けた半
球状のドームの回転を行なった。DNBBα型結晶と同
時に蒸着されるモニターガラスの透過率変化を、干渉フ
ィルターにより単色化した光を用いて測定することで、
直接光学膜厚を知ることのできる光学式の膜厚モニタ
(真空機械工業株式会社製OPM−8)により、蒸着膜
厚の測定を行なった。透過光波長が1050nmの干渉フ
ィルタを用いて、膜厚モニタランプの単色化を行ない、
膜厚モニタ光とした。約6分間で、n×d=0.25λ(λ
=1064nm)の光学膜厚を持つY2 3 膜を、つづい
て約5分間で、n×d=0.25λ(λ=1064nm)の光
学膜厚を持つSiO2 膜をDNBB結晶の{010}面
上に形成した。電子ビーム加熱を止め、蒸着装置内を大
気圧に戻し、DNBBα型結晶を取り出した。
【0039】同様な操作を行ない、もう1つの{01
0}面にも0.25λ(λ=1064nm)の光学膜厚を持つ
2 3 膜と、0.25λ(λ=1064nm)の光学膜厚を
持つSiO2 膜を形成し、両{010}面に反射防止膜
を形成したDNBBα型結晶を得た。
【0040】両側に反射防止膜を形成したDNBBα型
結晶の{010}面について、1064nmのNd−YA
Gレーザ光を入射面に垂直に入射して透過率を測定し
た。この{010}面は偏光方向によって屈折率が異な
る複屈折性の面である。そのため反射率も偏光方向に依
存して異なる値を持つと予想される。そこで、偏光解消
板を用いて偏光方向をランダムにしたレーザ光を用いて
測定を行なったところ、98.5%以上の透過率であっ
た。
【0041】比較例1 反射防止膜を形成していない以外は実施例1と同様の方
法で得られたDNBBα型結晶の{010}面の透過率
について、1064nmのNd−YAGレーザ光(ランダ
ム偏光)を入射面に垂直に入射して測定した結果、透過
率は87%であった。
【0042】実施例2 4’−ニトロベンジリデン−3−エチルカルボニルアミ
ノ−4−メトキシアニリン(略称MNBA−Et)の単
結晶をジメチルアセトアミド溶液から温度降下法により
成長させた。この結晶は以下の格子定数を持つα型の単
斜晶系結晶である。
【0043】 MNBA−Etα型結晶は、光学軸を二つ持つ二軸結晶
であり、3つの主屈折率が全て異なる(nX >nY >n
Z )。最も小さい主屈折率nZ が、少なくとも1.53
以上(測定波長1.06μm)である。したがって、M
NBAα型結晶のどのような面に対しても、本発明に示
された反射防止膜の効果は十分期待できる。
【0044】このMNBA−Etα型結晶の{010}
平滑面を得るために{010}面に平行に切断した後、
両面の光学研磨を行なった。研磨粒子にはダイヤモンド
・ペーストを用い、仕上げにバフ研磨を行なった。
【0045】研磨後、蒸着中の有機結晶の加熱温度を6
0℃に保った以外は実施例1と同様の方法で波長106
4nmの光に対するZrO2 とSiO2 からなる反射防止
膜を両面に形成した。
【0046】MNBA−Et{010}面についても、
結晶の複屈折性のために、反射防止膜の効果が偏光方向
に依存することが予想される。そこで実施例1と同様に
MNBA−Et{010}面の透過率について、ランダ
ム偏光の1064nmのNd−YAGレーザ光を用い、入
射面に垂直に入射して測定した結果、透過率は97.5
%であった。
【0047】比較例2 反射防止膜を形成していない以外は実施例2と同様の方
法で得られたMNBA−Et結晶の{010}面の透過
率について、1064nmのNd−YAGレーザ光(ラン
ダム偏光)を入射面に垂直に入射して測定した結果、透
過率は83%であった。
【0048】実施例3 4’−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−4−メ
トキシアニリン(略称MNBA)の板状単結晶をジメチ
ルアセトアミド溶液から温度降下法により成長させた。
この結晶は以下の格子定数を持つα型の単斜晶系結晶で
ある。
【0049】 MNBAα型結晶は、光学軸を二つ持つ二軸結晶であ
り、3つの主屈折率が全て異なる(nX >nY
Z )。最も小さい主屈折率nZ が、少なくとも1.5
3以上(測定波長1.06μm)である。従って、MN
BAα型結晶のどのような面に対しても、本発明に示さ
れた反射防止膜の効果は十分期待できる。
【0050】このMNBAα型結晶の{010}平滑面
を得るために、両面の光学研磨を行なった。研磨粒子に
はダイヤモンド・ペーストを用い、仕上げにバフ研磨を
行なった。
【0051】研磨後、膜厚モニタ光の単色化に用いる干
渉フィルタとして、透過光波長が530nmのフィルタを
用いる以外は実施例1と同様にして、1064nmの光に
対するZrO2 とSiO2 からなる反射防止膜を両面に
形成した。
【0052】MNBA面についても、結晶の複屈折性の
ために、反射防止膜の効果が偏光方向に依存することが
予想される。そこで実施例1と同様にMNBA{01
0}面の透過率について、ランダム偏光の1064nmの
Nd−YAGレーザ光を用い、入射面に垂直に入射して
測定した結果、透過率は97%であった。
【0053】比較例3で示されているように、反射防止
膜を持たない場合の透過率と比較すると、反射率は4分
の1以下に低減されている。
【0054】比較例3 反射防止膜を形成していない以外は実施例3と同様の方
法で得られたMNBAα型結晶の{010}面の透過率
について、1064nmのNd−YAGレーザ光(ランダ
ム偏光)を入射面に垂直に入射して測定した結果、透過
率は83%であった。
【0055】実施例4 実施例3と同様の方法で得られた、MNBAα型結晶の
{010}面の透過率について、膜厚モニタ光の単色化
に用いる干渉フィルタとして、透過光波長が830nmの
フィルタを用いる以外は実施例3と同様にして、特定波
長830nmの光に対する反射防止膜を両面に形成した。
【0056】両側に反射防止膜を形成したMNBA{0
10}面について、830nmの半導体レーザ光を入射面
に垂直に入射して透過率を測定した。
【0057】偏光解消板を用いて偏光方向をランダムに
したレーザ光を用いた結果、透過率は97%であった。
【0058】偏光解消板を用いず、直線偏光のレーザ光
を用いて、偏光方向を入射{010}面に対して回転さ
せ透過率を測定したところ、透過率の最大値は99%以
上、最大値を示した偏光方向Aと垂直な偏光方向(B)
の場合に95.5%の最小値であった。
【0059】比較例4 反射防止膜を形成していない以外は実施例4と同様の方
法で得られたMNBAα型結晶の{010}面の透過率
について、830nmの半導体レーザ光を入射面に垂直に
入射して透過率を測定した。
【0060】偏光解消板を用いて偏光方向をランダムに
したレーザ光を用いた場合、透過率は82.5%であっ
た。
【0061】偏光解消板を用いず、直線偏光のレーザ光
を用いて、偏光方向を入射{010}面に対して回転さ
せ透過率を測定したところ、透過率の最大値は90%、
最大値を示した偏光方向と垂直な偏光方向の場合に78
%の最小値であった。また透過率の最大最小を示す入射
レーザ光の偏光方向は、反射防止膜を形成した場合と全
く逆の方位であった。
【0062】すなわち、反射防止膜を形成した{01
0}面の透過率99%を示した方位Aについて、反射防
止膜のない場合の透過率は78%であり、反射防止膜を
形成した{010}面の透過率94%を示した方位
(B)について、反射防止膜のない場合の透過率は90
%であった。
【0063】本発明による反射防止膜を有する有機非線
形光学結晶と反射防止膜を持たない有機非線形光学結晶
について、それぞれ(数式1)に基づいて、入射面に垂
直に特定波長の光を入射させた場合の有機非線形光学結
晶表面での反射率を算出した結果を図2に示す。
【0064】(数式1) RAR=(nL 2 ・nO / nH 2 −1)2 /(nL 2 ・nO / nH 2 +1)2 AR:有機非線形光学結晶の反射率(本発明による反射
防止膜あり). nL :反射防止膜構成低屈折率物質の屈折率(nL
1.45で計算). nH :反射防止膜構成高屈折率物質の屈折率. nO :有機非線形光学結晶の屈折率. この計算結果から、基板となる有機非線形光学結晶の屈
折率に応じて、さらに入射面の複屈折性を考慮して、反
射防止膜を構成する高屈折率物質を選択することができ
る。
【0065】偏光方向により屈折率が約1.5〜2.0
の範囲で変化するという複屈折性を持つMNBAの(0
10)面に反射防止膜を形成する場合、反射防止膜を構
成する高屈折率物質の屈折率を1.9程度にし、低屈折
率物質の屈折率を1.45程度にすれば、反射防止の効
果が顕著になることが第2図から読取れる。このような
反射防止膜の構成を得るためには、高屈折率物質として
2 3 を、低屈折率物質としてSiO2 を用いること
が好ましい。
【0066】本発明による反射防止膜を有する有機非線
形光学結晶と反射防止膜を持たない有機非線形光学結晶
について、それぞれ(数式1)と(数式2:比較例)に
基づいて、入射面に垂直に特定波長の光を入射させた場
合の有機非線形光学結晶表面での反射率を算出した結果
を図3に示す。
【0067】(数式2) Rno=(nO −1)2 /(nO +1)2 no:有機非線形光学結晶の反射率(反射防止膜な
し). nO :有機非線形光学結晶の屈折率. この結果は有機非線形光学結晶の出射光に対する表面反
射についても適用することが可能である。この計算結果
から、本発明の反射防止膜は有機非線形光学結晶の表面
反射の低減に大きな効果があることを示している。さら
に、偏光方向の回転や偏光状態の変化により基板結晶の
屈折率が変化しても反射防止効果の変動が少ないため、
特に複屈折性の大きな有機非線形光学結晶の反射防止に
適している。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、特定波長の入射光また
は出射光に対する表面反射が低減された有機非線形光学
結晶、および表面反射が低減された非線形光学部品を得
ることができ、複屈折性の大きな有機非線形光学結晶の
表面反射防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による反射防止膜を持つ有機非線形光学
結晶の表面構造を示した図である。
【図2】本発明による反射防止膜を持つ有機非線形光学
結晶の表面反射率(片面)が、結晶の屈折率に依存して
どの程度低減された値を持つかを計算により求めた結果
を示した図である(完全反射の場合の表面反射率の値を
100%とする。)。
【図3】本発明による反射防止膜を持つ有機非線形光学
結晶の表面反射率(片面)が、結晶の屈折率に依存して
どの程度低減された値を持つかを計算により求めた結果
を、反射防止膜を持たない有機非線形光学結晶の表面反
射率と比較して示した図である(完全反射の場合の表面
反射率の値を100%とする。)。
【符号の説明】
1:有機非線形光学結晶 2:高屈折率物質(屈折率1.80〜2.40)からな
る第1層 3:低屈折率物質(屈折率1.40〜1.50)からな
る第2層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射防止膜を表面に持つ有機非線形光学結
    晶であって、該反射防止膜は(2i)層構成(i;自然
    数)からなり、基板側から表面側へ第(2i−1)層は
    屈折率1.80〜2.40の範囲にある高屈折率物質か
    らなり、第(2i)層は屈折率1.40〜1.50の範
    囲にある低屈折率物質からなり、かつ該反射防止膜の各
    層は、特定の波長に対して次の条件を満足することを特
    徴とする有機非線形光学結晶。 (0.225+0.5m)λ≦n×d≦(0.275+0.5m)λ ここで、 n;構成物質の屈折率 d;各層の膜厚 n×d;構成物質の光学膜厚 m;0以上の整数 λ;特定波長
  2. 【請求項2】反射防止膜が、真空蒸着法によって形成さ
    れた蒸着膜であることを特徴とする請求項1記載の有機
    非線形光学結晶。
  3. 【請求項3】低屈折率物質がSiO2 からなることを特
    徴とする請求項1記載の有機非線形光学結晶。
  4. 【請求項4】高屈折率物質がZrO2 ,Ta2 5 ,Y
    2 3 ,TiO2 ,CeO2 ,ZnSあるいはこれらの
    混合物からなることを特徴とする請求項1記載の有機非
    線形光学結晶。
  5. 【請求項5】有機非線形光学結晶が、下記一般式; 【化1】 (ただし、Rは炭素数が2以下のアルキル、ハロゲン化
    アルキル)で表される4´−ニトロベンジリデン−3−
    アルカノイルアミノ−4−メトキシアニリン、4´−ニ
    トロベンジリデン−3−ハロゲノアルカノイルアミノ−
    4−メトキシアニリン、および、それらの少なくとも一
    部が重水素置換されてなる化合物の結晶であることを特
    徴とする請求項1記載の有機非線形光学結晶。
  6. 【請求項6】有機非線形光学結晶が 【化2】 で表わされる3,9−E,E’−5a,6,11a,1
    2−テトラヒドロ[1,4]ベンゾオキサジノ[3,2
    −b][1,4]ベンゾオキサジン(E,E’はアクセ
    プター性置換基)の結晶であることを特徴とする請求項
    1記載の有機非線形光学結晶。
  7. 【請求項7】請求項1記載の有機非線形光学結晶の該表
    面が、光学的に平滑な表面であることを特徴とする非線
    形光学部品。
  8. 【請求項8】請求項6記載の結晶からなることを特徴と
    する非線形光学部品。
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