JPH05312747A - 樹脂塗膜の劣化判定試験方法 - Google Patents

樹脂塗膜の劣化判定試験方法

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JPH05312747A
JPH05312747A JP12041392A JP12041392A JPH05312747A JP H05312747 A JPH05312747 A JP H05312747A JP 12041392 A JP12041392 A JP 12041392A JP 12041392 A JP12041392 A JP 12041392A JP H05312747 A JPH05312747 A JP H05312747A
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JP
Japan
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deterioration
resin coating
coating film
test
impedance
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Application number
JP12041392A
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English (en)
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Satoshi Suda
聡 須田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術である交流インピ−ダンスの測定に
よる樹脂塗膜の劣化診断を材料選定や寿命の予測まで行
えるようにするためにその判断基準となる管理限界値を
短時間で決めることのできる試験方法の提供である。 【構成】 樹脂塗膜の劣化を交流インピ−ダンスにより
判断する試験方法において水蒸気拡散現象を利用し短時
間に樹脂塗膜の劣化判定基準を決定することを特徴とす
る樹脂塗膜の劣化判定試験方法である。 【効果】 樹脂塗膜の管理基準を短時間(例えば数百時
間)で定めることができ従来技術である交流インピ−ダ
ンス法による樹脂塗膜の劣化変数管理を材料選定や寿命
予測に十分適用することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂塗膜によって防食
される金属材料について、適正な樹脂塗膜の選定と樹脂
塗膜の劣化による寿命を予測する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】装置材料
を適正に選定するには、発生する劣化現象を適切に予測
しその劣化現象を定量的に表すパラメ−タ−(管理変
数)の経時変化と寿命を評価するための基準値(管理限
界値)から耐用年数を考慮にいれ使用の可否を判断する
ことが重要である。また、機器の劣化を診断するのも発
生した劣化現象について同様の考え方で劣化の程度を評
価し継続使用の可否や寿命時間の推定を行う。この様に
機器の材料選定や劣化診断には、管理変数の精度のよい
測定と管理限界値の決定という2つの重要な観点があ
る。
【0003】樹脂塗膜の劣化の主要なものは環境液(樹
脂塗膜に接する液体)の樹脂塗膜への浸透に起因するも
のである。そこでこの材料を適正に選定したり劣化を管
理するには、樹脂塗膜中への環境液の浸透速度や樹脂塗
膜中への環境液の浸透程度または下地金属材料に環境液
が到達する時間(寿命時間)を定量的に評価することが
重要である。
【0004】従来よりこの浸透劣化を非破壊的に測定す
る方法として樹脂塗膜の交流インピ−ダンスの測定があ
った。(例えば電気化学28,P15(1955)な
ど)また近年測定方法や装置等に多くの改良が加えられ
たため測定の精度があがりこの劣化現象を十分検出する
事が可能になった。
【0005】しかしながら、この手法を実用面で活用し
た先行文献は見当たらずこの手法を適用する考えはいま
だない。例えば、材料選定や劣化診断を行う上での重要
な観点の1つである管理限界値を決定しようとすると、
1度は使用する環境で材料の寿命まで劣化を進行させそ
の時の交流インピ−ダンスの値を測定し管理限界値とす
る必要があった。化学設備などは、多種類の塗膜を様々
な環境で使用するため使用する環境及び材料それぞれに
ついてこの様な試験をすることは、時間的経済的両側面
から考えて不可能である。特に材料選定を行う場合など
は検討する時間も非常に限られているため実際問題とし
てこの手法を適用することはできなかった。このこと
が、この手法を材料選定や劣化の診断に適用する上での
最も大きな障害であり、実際の使用を大変困難にしてい
た理由である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためになされたもので、従来技術である交流
イピ−ダンスの測定による樹脂塗膜の劣化診断法を材料
選定や寿命の予測まで行えるようにするためその判断基
準となる管理限界値を短時間で決める事の出来る試験方
法の提供を目的にしたもである。
【0007】上述により明らかになった問題点は、樹脂
塗膜の劣化である浸透現象を短時間で再現できる試験
(加速試験)を交流インピ−ダンス測定による劣化検出
に応用することで解決できる。その手法について以下に
示す。
【0008】材料選定や寿命予測を行う対象材料におい
て、まず管理基準値を決定するための試験を行う。この
試験は、加速試験により材料を寿命(例えば膨れの発
生、下地金属への環境液の浸透)まで浸透現象を進行さ
せその過程において交流インピ−ダンス(管理変数)を
測定し劣化による管理変数の変化のパタ−ン及び寿命に
至った時の管理変数の値を求める。
【0009】しかし、加速速度を行う上で次のような条
件が必要である。
【0010】劣化を加速しても管理変数である交流イ
ンピ−ダンスの値の変化のパタ−ンと管理限界値の交流
インピ−ダンスの値には変化がない。
【0011】機器に使用する材料の耐用年数は通常7
年以上であり検討試験に費やされる時間がそれに比べて
非常に短い(500Hr程度/1回の実験時間)事から
加速試験の劣化スピ−ドが数百倍以上であること。この
条件を満たすには樹脂塗膜中への環境液の浸透速度のみ
を物理的に早める必要がある。
【0012】樹脂塗膜には、内外面の温度勾配(以下△
Tと略称する)により浸透速度が加速するという特有の
性質がある。この性質は、樹脂塗膜に発生する水蒸気拡
散現象と呼ばれるものである。この現象における加速ス
ピ−ドと温度勾配の関係は明らかになっていないが、一
般的には浸透劣化が非常に顕著に発生すると言われてい
る。後で述べる実施例において現象を利用した加速試験
において条件前述のを満足することを示す。
【0013】次に使用する環境において交流インピ−ダ
ンスの変化を測定しその初期の段階で加速試験で求めた
管理基準値に到達する時間を数値計算(n次多項式等)
により算出し寿命時間を測定する。
【0014】以上の様な手法により管理限界値を求める
ことで材料選定試験における適正な判定や寿命の予測が
可能になる。
【0015】
【実施例1】以下に上述した手法を用いれば、樹脂塗膜
の寿命予測が可能であり材料選定や実機の劣化診断に有
効であることを示す実施例を述べる。また、加速試験に
水蒸気拡散現象を利用した時に上述した加速試験の条件
を満足することを実験例により説明する。
【0016】測定装置の構成例は、図1に本発明を実施
する為の装置の構成例を示す。図1に示したように装置
は、試験片内外面に温度勾配を与えることが可能な水蒸
気拡散試験装置1と環境液の温度を自由に設定すること
のできる温度コントロ−ラ2または交流インピ−ダンス
を自動に測定することのできる計測装置3から構成され
る。
【0017】実験例では「10%硝酸の貯蔵タンクにフ
ェノ−ル樹脂ライニング材料を使用する」とした場合の
材料選定試験方法(使用可否の判定方法)と寿命推定方
法の例を以下に示す。 材料を選定しようとする装置の
仕様 材質 フェノ−ル樹脂焼付ライニング(下地金属はSS
41) 樹脂塗膜の厚み 0.42mm 温度 常温 圧力 常圧 環境液 10%HNO水溶液 管理限界値の決定は、まず、上記のような装置の材料を
選定する場合、管理基準になる交流インピ−ダンスの値
を求める試験を実施する。今回は水蒸気拡散による加速
試験の条件として次の2種類の△Tを与えた。
【0018】加速試験の条件1 材質 フェノ−ル樹脂焼付ライニング(下地金属はSS
41) 樹脂塗膜の厚み 0.42mm 温度 環境液側 40℃ 下地金属側 25℃ △T=15℃ 環境液 10%HNO水溶液 加速試験の条件2 材質 フェノ−ル樹脂焼付ライニング(下地金属はSS
41) 樹脂塗膜の厚み 0.42mm 温度 環境液側 70℃ 下地金属側 25℃ △T=45℃、 環境液 10%HNO水溶液 また、交流インピ−ダンスの測定条件は次の通りであ
る。
【0019】第1に、等価回路の考え方は、樹脂塗膜の
インピ−ダンスは浸透劣化の初期の段階すなわち環境液
が、下地金属に到達する前の段階では図2に示すように
抵抗(R)とコンデンサ−(C)が並列に接続された等
価回路で表すことができる。ここで、Iはこの回路に流
れる交流電流の総量、Iは抵抗R側に流れる電流、I
はコンデンサ−C側に流れる電流、eはこの回路の交
流電圧である。通常の塗膜材料の寿命はこの段階までで
ある事からこの等価回路で測定を実施した。
【0020】第2に、交流インピ−ダンスの表現は、塗
膜抵抗の逆数すなわちコンダクタンスGを採用した。ま
た、膜厚及び電極面積によるコンダクタンスの値の変化
を避けるためコンダクタンスの値が測定面積に比例し膜
厚に反比例することを利用し数1の様に表現される。
【0021】
【数1】 第3に、測定周波数は1KHz、印加電圧1という条件
で10%HNO環境液におけるフェノ−ル樹脂の管理
限界値を求めた。その結果を図3に示す。
【0022】ここで、今回管理基準を短時間で測定する
ために採用した水蒸気拡散試験が前述した加速試験の条
件を満足するか検討する。加速試験条件を変えても
劣化点(今回は膨れ発生点)の交流インピ−ダンス(コ
ンタクダンスG)の値は変化せずほぼ14.0×10
−4μsであり、また劣化進行過程を示すコンタクダン
スGの変化パタ−ンもどちらの加速条件においても2次
最小2乗法に非常に良く一致することから水蒸気拡散試
験は加速試験の条件を満足することが判る。次に、加
速試験における劣化スピ−ドの問題であるが、△T=1
5℃の試験では管理限界値に到達する時間は約2300
hrなのに対して、△T=45℃では120hrと20
倍程度の試験時間が短縮され、より大きな△Tをとるこ
とによりこの問題は解決できると考えられる。即ちこの
試験においては加速試験の条件も満足することが判
る。
【0023】以上のことは、交流インピ−ダンスを用い
た樹脂塗膜の劣化評価において水蒸気拡散試験を加速試
験に用いることが有効であり、適正な材料選定や寿命の
予測に必要な管理限界値を短時間で決定することが可能
であることを示す。今回行った10%HNOにおける
フェノ−ル樹脂の管理限界値は、材料の寿命を膨れの発
生点にすれば交流インピ−ダンスの値(コンダクタンス
G)は13×10−4μS・mm/mm である。
【0024】以下、対応例として上述した試験により管
理基準値を求めた材料の使用環境下での寿命の推定方法
を挙げる。
【0025】図4に使用環境中のコンダクタンスGの変
化を示す。図4に示すように試験初期の段階から2次最
小2乗法によく一致することが判るためその線図を管理
基準値まで外挿すればその交点の時間をこの環境におけ
る材料の寿命時間と推定することができる。今回の実験
では、その交点をグラフから読み取れば13300hr
となる。
【0026】この様に、管理限界値と管理変数の変化の
仕方が先に決まっていれば、試験初期の段階で寿命の予
測が可能となり適正材料の選定や装置の劣化の程度の判
定が可能になる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば樹脂塗膜の管理基準を短時間(例えば数百
時間)で定められることができ従来技術である交流イン
ピ−ダンス法による樹脂塗膜の劣化変数管理を材料選定
や寿命予測に十分適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の構成例である。図にお
いて、1は水蒸気拡散試験装置、2は温度コントロ−
ラ、3は交流インピ−ダンス測定装置、4は電気ヒ−タ
−、5は、白金電極、6は防食塗膜、7は下地金属、8
は環境液である。
【図2】交流インピ−ダンスを測定する時の等価回路で
ある。
【図3】水蒸気拡散試験により浸透劣化を加速し管理基
準値を求めたコンダクタンスGの変化曲線の例である。
【図4】 図1で求めた管理基準により寿命を推定した
例を示すコンダクタンスGの変化曲線の例である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂塗膜の劣化を交流インピ−ダンスによ
    り判断する試験方法において水蒸気拡散現象を利用し短
    時間に樹脂塗膜の劣化判定基準を決定することを特徴と
    する樹脂塗膜の劣化判定試験方法。
JP12041392A 1992-05-13 1992-05-13 樹脂塗膜の劣化判定試験方法 Pending JPH05312747A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7638001B2 (en) 2004-05-07 2009-12-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Film forming apparatus, manufacturing management system and method of manufacturing semiconductor devices
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