JPH0531169A - 生体内で分解されにくい体内埋込用高分子材料 - Google Patents

生体内で分解されにくい体内埋込用高分子材料

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JPH0531169A
JPH0531169A JP3194169A JP19416991A JPH0531169A JP H0531169 A JPH0531169 A JP H0531169A JP 3194169 A JP3194169 A JP 3194169A JP 19416991 A JP19416991 A JP 19416991A JP H0531169 A JPH0531169 A JP H0531169A
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dipyridamole
polymer material
artificial
segmented polyurethane
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Hiroshi Matsumoto
博志 松本
Kensuke Kondo
健介 近藤
Kazuhiko Inoue
和彦 井上
Nobutaka Tani
敍孝 谷
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体内で分解されにくい体内埋込用高分子材
料を提供する。 【構成】 ジピリダモールおよび/またはジピリダモー
ルの塩もしくは誘導体を含有することを特徴とする体内
埋込用高分子材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内で分解されにく
い体内埋込用高分子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療技術の急激な進歩により、長
期間体内に埋め込んで用いる医療用具が広く臨床に用い
られるようになってきた。とりわけ高分子材料は金属、
セラミックスなどに比べその力学的性質が生体組織によ
り近く、加工が容易で、また抗血栓性、生体適合性など
の性質を付与しやすいため、体内埋め込み材料として盛
んに開発が行われている。高分子材料の中でもセグメン
ト化ポリウレタンなどの弾性材料は力学的性質に優れ、
生体組織との適合性がよいため人工血管、人工心臓、ペ
ースメーカーの絶縁被覆などに好んで用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、高分子
材料は体内埋め込み材料として優れた性質を有している
が、その生体内における長期間の安定性については他の
材料に比べて劣る面がある。すなわち高分子材料は生体
内で分解あるいは劣化し、強度低下や溶出物の発生が懸
念されている。さらに弾性材料や軟質材料あるいは親水
性材料ではポリマー鎖の動きが大きく硬質材料に比べて
劣化や分解を受ける可能性が高いことが指摘されてい
る。また生体内での分解および劣化は材料の形状にも依
存しており、材料の表面積が大きい場合は分解や劣化の
進行が速いことが知られている。従って高分子材料の易
加工性を生かして薄膜や多孔体に加工された体内埋め込
み材料は、分解や劣化の程度が大きくなる可能性が高く
なるなど、高分子材料本来の特質を生かすことができな
かった。
【0004】現状では、高分子材料の生分解および劣化
を効果的に抑制しうる方法は見出されておらず、結果的
に高分子材料の特質を生かしきれていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な実情に鑑み、体内埋込用高分子材料の生体内分解を抑
制する方法について鋭意研究を重ねた結果、ジピリダモ
ールおよび/またはジピリダモールの塩もしくは誘導体
を含有した高分子材料を用いることにより、該高分子材
料の分解を効果的に抑制しうることを見出し、本発明を
完成するにいたった。
【0006】すなわち、本発明は、ジピリダモールおよ
び/またはジピリダモールの塩もしくは誘導体を含有す
ることを特徴とする体内埋込用高分子材料に関する。
【0007】
【実施例】本発明でいう生体内分解および劣化とは、生
体内に材料を埋め込むことによって生じる異物反応、炎
症などの生体反応により引き起こされた材料の分解、お
よび力学的特性、化学的特性などの材料特性の変化の総
称である。
【0008】本発明の体内埋込用高分子材料は、ジピリ
ダモールおよび/またはジピリダモールの塩もしくは誘
導体を含有する高分子材料であり、以下に述べるような
体内埋込用材料の形で用いられる。
【0009】本発明に言う体内埋込用材料とは、生体内
に一定期間以上移植して用いられる材料の総称であり、
その移植期間は目的によって異なるが、通常数日以上か
ら数十年にわたる。体内埋込材料の代表例としては、縫
合糸、接着剤などの手術用材料、留置センサーなどの診
断用材料、人工皮膚、人工筋肉、空隙充填材などの組織
補綴材、人工歯、人工歯根などの歯科用材料、人工関
節、人工骨などの整形外科用材料、埋め込み型人工腎
臓、人工肺、人工肝臓、人工すい臓などの人工臓器、人
工血管、人工心臓、人工弁、ペースメーカーなどの循環
器用材料、眼内レンズ、人工角膜などの眼科用材料、さ
らには留置カテーテル、ドラッグデリバリー用留置器具
などがあげられるがこれらに限定されるわけではない。
【0010】これらのうち循環器用材料や人工臓器、血
管内留置カテーテルのように血液と直接接触する材料に
は、本発明がとくに好適に適用できる。
【0011】本発明の体内埋込用高分子材料とは、上述
の体内埋込材料の一部あるいは全部を構成するものであ
り、それを構成する高分子材料は1種類であってもよい
し、2種類以上でもよい。
【0012】本発明で言う高分子材料とは、たとえば村
橋俊介ら編著「高分子化学」(共立出版)、あるいは岡
村誠三ら著「高分子化学序論」(化学同人)などに記載
されているごとく、一般に定義されている高分子の総称
であり、化学的には炭素- 炭素結合、エステル結合、エ
ーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合、イ
ミド結合、カーボネート結合、スルホン結合、シロキサ
ン結合などにより結合した繰り返し単位を有する化合物
である。一つの高分子材料中に存在する繰り返し単位お
よび結合の種類は、1種類であっても、2種以上が混在
していてもよい。すなわち単独重合体(ホモポリマー)
であっても共重合体(コポリマー)であってもよく、共
重合体についてはランダム共重合体、交互共重合体、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよ
い。
【0013】さらに高分子材料は線状であっても架橋さ
れていてもよい。架橋については化学結合により架橋さ
れていてもよいし、水素結合、イオン結合、疎水結合、
結晶化などの物理的な相互作用による架橋であってもよ
い。
【0014】高分子材料の代表例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、
ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重
合体、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリジメチル
アクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化エチレン、
ポリ弗化プロピレンなどのビニルポリマー類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートに代
表されるポリエステル類、ポリテトラメチレングリコー
ル- ポリエチレンテレフタレートブロック共重合体、ポ
リカプロラクトン- ポリエチレンテレフタレートブロッ
ク共重合体などのセグメント化ポリエステル類、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオ
キシメチレン、ポリフェニレンオキシド、多糖類などの
ポリエーテル類、ポリエーテルウレタン、ポリエステル
ウレタン、ポリエーテルウレタンウレア、ポリエステル
ウレタンウレアなどのポリウレタン類、さらにはこれら
のポリウレタン化合物のうち線状で熱可塑性を有するセ
グメント化ポリウレタン類、ナイロンなどのポリアミド
類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、
ポリペプチド類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類
などがあげられるがこれらに限定されるわけではない。
【0015】なかでも本発明はポリマー鎖が動きやす
く、生分解作用を受けやすい、軟質および弾性の高分子
材料、さらには親水性高分子材料に対してより効果的に
適用できる。
【0016】これらの高分子材料の代表例としては、ポ
リイソプレン、ポリブタジエン、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリエチレンオキサイド、ポリテトラメチレング
リコールなどの非晶性で低ガラス転移温度の高分子鎖
や、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、さらには多糖類、ポリペプチドなど
の親水性高分子鎖を分子内に有する高分子材料があげら
れる。これらは上述の様々な方法で架橋されていてもよ
いし、また他の高分子材料と混合されていてもよい。
【0017】熱可塑性エラストマーはこれらの高分子材
料の好適な一例である。すなわち熱可塑性エラストマー
は一般の弾性高分子材料とは異なり、線状高分子であ
り、結晶性あるいは凝集力の高いいわゆるハードセグメ
ントと運動性の高いいわゆるソフトセグメントにより構
成されている。分子間に化学的な架橋は存在せず、ハー
ドセグメントの凝集力により形状を保っている。したが
って一般の架橋弾性材料に比べ劣化や分解による物性の
低下がより大きいと考えられる。一方、一般にハードセ
グメントとソフトセグメントからなる熱可塑性エラスト
マーはそれぞれのセグメントが微小な状態で分離したミ
クロ相分離構造をとることが多く、それぞれのセグメン
トが疎水性および親水性である場合は抗血栓性にすぐ
れ、人工血管など血液に接触する体内埋込材料として好
適であるため、これらの材料として多用されている。こ
のような高分子材料の代表的な例としてはソフトセグメ
ントにポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサンな
どを用いたセグメント化ポリウレタン、およびセグメン
ト化ポリエステルなどがあげられるがこれらに限定され
るわけではない。
【0018】本発明でいう体内埋込用高分子材料は、体
内埋込材料の一部、あるいは全部を形成するものであ
り、体内埋込材料の一部を該高分子材料により形成する
には被覆、塗布、接着、混合、嵌合、積層などの方法を
用いることができる。
【0019】本発明の体内埋込用高分子材料が含有する
ジピリダモールおよび/またはその塩もしくは誘導体
は、化学名 2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8- ジ
ピペリジノピリミド[5,4-d ]ピリミジン:
【0020】
【化1】
【0021】であらわされる骨格をもつ化合物の総称で
あり、それらの化合物の塩であってもよい。具体的なジ
ピリダモールの塩としては、たとえば亜硫酸塩、ビス
(フォスフォノキシ)プロピオン酸塩、硫酸塩、p-トル
エンスルホン酸塩、リン酸塩、5′- グアニル酸塩、イ
ノシン酸塩、アデノシン酸塩、ジホスホグリセリン酸塩
などがあげられる。
【0022】ジピリダモールは従来より血栓・塞栓抑制
作用、血小板凝集・粘着抑制作用、血小板活性化抑制作
用、尿蛋白減少作用、血管拡張作用などの効果を有する
ことが知られており、手術後の血栓・塞栓抑制剤、ネフ
ローゼ症候群治療剤として用いられてきた。しかしなが
ら本発明のごとき高分子材料の生分解および/または劣
化を抑制する効果を有することは、従来のジピリダモー
ルの作用・効果に関する知見からはまったく予見できな
いことであった。
【0023】本発明の体内埋込用高分子材料において、
ジピリダモールおよび/またはその塩もしくは誘導体の
含有量は、体内埋込用材料の形態、素材、使用部位によ
って必要量が異なるので一概に規定することはできない
が、体内埋込用材料に対して0.0001〜100 %(重量
比)、好ましくは0.001 〜50%(重量比)含有させるの
が好適である。
【0024】また、ジピリダモールおよび/またはその
塩もしくは誘導体を含有するポリウレタン製人工血管の
ばあいは、ウレタン重量に対して、ジピリダモールおよ
び/またはその塩もしくは誘導体が0.0001〜100 %(重
量比)、好ましくは0.001 〜50%(重量比)、さらに好
ましくは0.01〜10%(重量比)が良い。0.0001%(重量
比)未満では生体内分解を抑制する効果が劣る傾向にあ
り、100 %(重量比)を越えると人工血管としての力学
的特性が劣ったり、開存性が劣るなどの欠点がある。
【0025】該高分子材料がたとえばジピリダモールを
含有する具体的形態としては、該高分子材料中にジピリ
ダモールが混在する、あるいは、体内埋込用材料が多孔
質構造を有するばあいは、その細孔内にジピリダモール
が保持されていてもよい。前者のばあいは該高分子材料
とジピリダモールを混練すればよい。このばあい、高分
子材料溶液にジピリダモールを分散させてもよく、高分
子材料とジピリダモールの混合溶液としてもよく、ま
た、熱可塑性高分子材料のばあいは、該高分子材料の溶
融液中にジピリダモールを分散させるか、ジピリダモー
ルの融点(約165℃)以上のばあいは両者の混合溶融液
としてもよい。後者のばあいは、多孔体構造を有する体
内埋込用材料をジピリダモール溶液中に浸漬し、体内埋
込用材料が有する細孔内にジピリダモール溶液を侵入さ
せたのち溶媒を留去し、細孔内にジピリダモールを保持
させればよい。用いる溶媒は高分子材料によって異なる
ため特定できないが、ジピリダモールの良溶媒として
は、メタノール、エタノール、クロロホルム、ジオキサ
ンあるいは、pH3.3 以下の希酸などがあげられる。ま
た、市販の注射液をそのまま用いることもできる。
【0026】本発明の体内埋込用高分子材料の分解が効
果的に抑制されるのは、体内埋込み後、その表面よりジ
ピリダモールおよび/またはジピリダモールの塩もしく
は誘導体が放出されることによるものと推定される。
【0027】本発明の生体内で分解されにくい体内埋込
用高分子材料は、それ自体、生体内で分解されにくい性
質を有するが、該体内埋込用材料の使用者に対して、ジ
ピリダモールおよび/またはその塩もしくは誘導体の投
与を併せて行うことがさらに好ましい。これにより、該
体内埋込用高分子材料の生体内分解をより効果的に抑制
することができる。
【0028】ジピリダモールおよび/またはその塩もし
くは誘導体の投与方法については、経口投与あるいは静
脈内投与でもよく、簡便さの点で経口投与が好ましい。
【0029】投与量は該体内埋込用材料の近傍に充分な
量のジピリダモールおよび/またはその塩もしくは誘導
体を存在させるような量、たとえば経口投与のばあい、
1日あたり1mg/Kg体重以上、20mg/Kg体重未満とする
のが好ましい。
【0030】次に実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0031】製造例1 4,4 ´- ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、分子量1000のポリテトラメチレングリコール(P
TMG)および1,4-ブタンジオール(1,4-BD)(モル
比:MDI/PTMG/1,4-BD=2/1/1)をN,N-
ジメチルアセトアミド(DMAc)と1,4-ジオキサンと
の混合溶媒(重量比:DMAc/ジオキサン=7/3)
中、プレポリマー法で重合し、セグメント化ポリウレタ
ンをえた。
【0032】えられたセグメント化ポリウレタンはエタ
ノールを用いて3時間ソックスレー抽出洗浄して精製し
た。
【0033】精製したセグメント化ポリウレタン95部に
対してジピリダモール5部を加え、DMAcと1,4-ジオ
キサンとの混合溶媒 510部(重量比:DMAc/ジオキ
サン=5/5)に溶解した。これに、造孔剤として粒径
約50μmのNaCl結晶を、用いたセグメント化ポリウ
レタンの2.6 倍量(重量)加えて充分に混合し、人工血
管製造用ドープ(ポリウレタン濃度:15重量%)とし
た。
【0034】調製したドープ中に、外径3mmのガラス棒
を浸漬した後引き上げ、ガラス棒にドープをコーティン
グした。ドープをコーティングしたガラス棒を精製水に
浸漬し、セグメント化ポリウレタンを凝固析出させた。
一晩放置した後、ガラス棒を抜取りセグメント化ポリウ
レタン管状体をえた。えられたセグメント化ポリウレタ
ン管状体を精製水で充分洗浄しNaClおよび残存溶媒
を除去した。このようにして作製したセグメント化ポリ
ウレタン管状体は、内径3mm、外径4.5mm で、内面から
外面への連通孔を有する多孔質構造を有する管状体(以
下、人工血管と呼ぶ)であった。
【0035】製造例2 比較例として、ジピリダモールを用いなかったこと以外
は製造例1と全く同様にして、ジピリダモールを含有し
ていない人工血管(セグメント化ポリウレタンの多孔質
管状体:内径3mm、外径4.5mm で内面から外面への連通
孔を有する)をえた。
【0036】製造例3 製造例1と同様にして調製したドープをガラス製シャー
レに展開した後、注射用蒸留水を加えて一晩放置し、凝
固させた。
【0037】生成したフィルムを剥離し、充分に水洗し
てNaClを除去し、セグメント化ポリウレタンの多孔
質フィルム(膜厚1.5mm )をえた。
【0038】製造例4 比較例として、ジピリダモールを用いなかったこと以外
は製造例3と全く同様にして、ジピリダモールを含有し
ていないセグメント化ポリウレタンの多孔質フィルム
(膜厚1.5mm )をえた。
【0039】製造例5 製造例2でえたセグメント化ポリウレタン多孔質管状体
(長さ約3cm)を、ジピリダモールの10重量%エタノー
ル溶液中に浸漬し、真空ポンプを用いて減圧しジピリダ
モール溶液を管状体の細孔内部まで充分に侵入させた。
この後、ジピリダモール溶液より取り出して真空乾燥
し、細孔内部にジピリダモールを保持した人工血管(セ
グメント化ポリウレタン多孔質管状体:内径3mm、外径
4.5mm で内面から外面への連通孔を有する)をえた。
【0040】製造例6 製造例4でえたセグメント化ポリウレタン多孔質フィル
ム(約2cm×2cm)を製造例5と同様に処理し、細孔内
部にジピリダモールを保持したセグメント化ポリウレタ
ン多孔質フィルムをえた。
【0041】実施例1 製造例1のジピリダモールを含有するセグメント化ポリ
ウレタンよりなる人工血管、および比較例として、製造
例2のジピリダモールを含有していないセグメント化ポ
リウレタンよりなる人工血管(それぞれ長さ約3cm)
を、雑種成犬の大腿動脈に6ヶ月間埋入し、両群につい
て、摘出した人工血管を構成するセグメント化ポリウレ
タンの分子量変化をGPCにより比較検討した。この期
間中一切ジピリダモールは外部より投与しなかった。
【0042】GPCによる各セグメント化ポリウレタン
のポリスチレン換算分子量は、埋込前の人工血管でそれ
ぞれ15万であったのに対し、比較例である製造例2のジ
ピリダモールを含まないセグメント化ポリウレタンより
なる人工血管では、6ヶ月間埋入後、10万に低下してい
た。一方、ジピリダモールを混練したセグメント化ポリ
ウレタンよりなる人工血管の分子量は、6ヶ月埋入後も
15万であり、分子量の低下はみられなかった。
【0043】実施例2 製造例3のジピリダモールを含有したセグメント化ポリ
ウレタン多孔質フィルム(約2cm×2cm)、および比較
例として、製造例4のジピリダモールを含有していない
セグメント化ポリウレタン多孔質フィルム(約2cm×2
cm)を雑種成犬の皮下に3ヶ月間埋入し、摘出したフィ
ルムの分子量変化をGPCにより比較検討した。なお、
この期間中一切ジピリダモールは外部より投与しなかっ
た。
【0044】GPCによるポリスチレン換算分子量は、
埋込前のフィルムがそれぞれ15万であったのに対し、ジ
ピリダモールを含有していないフィルムの分子量は3ヶ
月間埋入後11万に低下していた。一方、ジピリダモール
を含有するフィルムの分子量は3ヶ月間埋入後も15万で
あり、分子量の低下はみられなかった。
【0045】実施例3 製造例5でえた細孔内部にジピリダモールを保持させた
人工血管、および比較例として、製造例2のジピリダモ
ールを含んでいないセグメント化ポリウレタンよりなる
人工血管(それぞれ長さ約3cm)を、雑種成犬の大腿動
脈に6ヶ月間埋入し、両群について、摘出した人工血管
を構成するセグメント化ポリウレタンの分子量変化をG
PCにより比較検討した。この期間中一切ジピリダモー
ルは外部より投与しなかった。
【0046】GPCによる各セグメント化ポリウレタン
のポリスチレン換算分子量は、埋込前の人工血管でそれ
ぞれ15万であったのに対し、比較例である製造例2のジ
ピリダモールを含まないセグメント化ポリウレタンより
なる人工血管では、6ヶ月間埋入後、10万に低下してい
た。一方、ジピリダモールを保持させたセグメント化ポ
リウレタンよりなる人工血管の分子量は、6ヶ月埋入後
も15万であり、分子量の低下はみられなかった。
【0047】実施例4 製造例6の細孔内部にジピリダモールを保持させたセグ
メント化ポリウレタン多孔質フィルム(約2cm×2c
m)、および比較例として、製造例4のジピリダモール
を含有していないセグメント化ポリウレタン多孔質フィ
ルム(約2cm×2cm)を雑種成犬の皮下に3ヶ月間埋入
し、摘出したフィルムの分子量変化をGPCにより比較
検討した。なお、この期間中一切ジピリダモールは外部
より投与しなかった。
【0048】GPCによるポリスチレン換算分子量は、
埋込前のフィルムがそれぞれ15万であったのに対し、ジ
ピリダモールを含有していないフィルムの分子量は3ヶ
月間埋入後11万に低下していた。一方、ジピリダモール
を保持するフィルムの分子量は3ヶ月間埋入後も15万で
あり、分子量の低下はみられなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の生体内で分解されにくい体内埋
込用高分子材料は、ジピリダモールおよび/またはその
塩もしくは誘導体を含有することにより、体内での分解
が効果的に抑制され、該体内埋込用材料の耐久性および
安全性を向上させたものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジピリダモールおよび/またはジピリダ
    モールの塩もしくは誘導体を含有することを特徴とする
    体内埋込用高分子材料。
  2. 【請求項2】 一部分あるいは全部が軟質および弾性の
    高分子材料からなることを特徴とする請求項1記載の体
    内埋込用高分子材料。
  3. 【請求項3】 一部分あるいは全部がセグメント化ポリ
    ウレタンからなることを特徴とする請求項1記載の体内
    埋込用高分子材料。
  4. 【請求項4】 血液と接触する部位に用いられることを
    特徴とする請求項1記載の体内埋込用高分子材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の体内埋込用高分子材料に
    より製造されたことを特徴とする人工血管。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の体内埋込用高分子材料に
    より製造されたことを特徴とする人工血管。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の体内埋込用高分子材料に
    より製造されたことを特徴とする人工血管。
JP3194169A 1991-07-11 1991-08-02 生体内で分解されにくい体内埋込用高分子材料 Pending JPH0531169A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08252307A (ja) * 1995-01-20 1996-10-01 Otsuka Pharmaceut Factory Inc 医療用材料およびその製造方法

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JPH08252307A (ja) * 1995-01-20 1996-10-01 Otsuka Pharmaceut Factory Inc 医療用材料およびその製造方法

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