JPH05310479A - 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート - Google Patents

耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート

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JPH05310479A
JPH05310479A JP11567692A JP11567692A JPH05310479A JP H05310479 A JPH05310479 A JP H05310479A JP 11567692 A JP11567692 A JP 11567692A JP 11567692 A JP11567692 A JP 11567692A JP H05310479 A JPH05310479 A JP H05310479A
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JP
Japan
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cellular concrete
lightweight cellular
carbonatization
carbonation
water
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Application number
JP11567692A
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English (en)
Inventor
Shunji Matsuo
俊次 松尾
Hiroshi Ishii
石井  博
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリートを
提供する。 【構成】 含水率が10重量%以下であり、かつ炭酸化
度が10%以下であることを特徴とする撥水性を有する
軽量気泡コンクリート。 【効果】 従来の軽量気泡コンクリートに比べて、炭酸
化反応速度が数分の一になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐炭酸化性に優れた軽
量気泡コンクリートに関するものである。
【0002】
【従来技術】軽量気泡コンクリートは、不燃で耐火性に
優れ、断熱性に優れ、軽量であり、施工性にも優れてい
る等の多くの特徴を有しているため、壁、床、屋根、間
仕切り等の建築材料として広く使用されている。この軽
量気泡コンクリートは、一般に珪石,ポルトランドセメ
ント、生石灰等を主原料としたスラリーに、発泡剤や起
泡剤等による気泡を導入し、硬化させた後、高温高圧蒸
気養生して製造されている。このようにして製造された
軽量気泡コンクリートは、一般的には比重が0.5程度
のものが多く、この場合、約50容量%が気泡であり、
約30容積%が細孔、残る約20容量%が固体部分から
なる。そして固体部分はトバモライト結晶とCSHゲ
ル、および未反応珪石である。
【0003】このように軽量気泡コンクリートは、表面
から内部まで無数に存在する細孔に気泡が連通している
構造となっているため、表面から水を吸い易く、吸収さ
れた水の中へ大気中の炭酸ガスが溶解していく。溶解し
た炭酸ガスは軽量気泡コンクリート中のトバモライト結
晶、CSHゲルと反応して炭酸カルシウムを生成し、い
わゆる炭酸化現象をおこす。炭酸化が進行すると固体部
が収縮して軽量気泡コンクリートに亀裂を生じ、その亀
裂から水がさらに進入し易くなり、さらに軽量気泡コン
クリートの強度も低下することになる。
【0004】従来、この軽量気泡コンクリートの炭酸化
現象を防止するために、軽量気泡コンクリートを建材と
して壁等に使用した場合、その表面に塗料を塗布して、
表面から水が入らないようにして使用されている。しか
しながら、塗料等で表面処理をして炭酸ガスの侵入を抑
えて炭酸化の進行を遅くするにはかなり厚い塗装が必要
になり、また通常は室内側はそのような塗装が行なわれ
ないことから、徐々に軽量気泡コンクリートの炭酸化が
進行し、長時間経過すると、炭酸化のために亀裂が発生
することがあった。
【0005】このために、軽量気泡コンクリートの耐炭
酸化性を向上しようとする提案がなされている。これは
特開昭57−179009号公報から特開昭57−17
9013号公報等に示されているように、軽量気泡コン
クリートの原料スラリー中に有機燐酸エステルやストロ
ンチウム化合物を添加して製造する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機燐
酸エステルやストロンチウム化合物を軽量気泡コンクリ
ートの原料スラリーに添加して製造する技術では、得ら
れる耐炭酸化性の程度は十分でなく、また、これらの方
法でトバモライト結晶が良く成長した軽量気泡コンクリ
ートを得るには長時間養生を要する等の難点があった。
【0007】本発明の目的は、従来技術に比べてさらに
耐炭酸化性が向上した軽量気泡コンクリートを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の軽量気泡コンク
リートは撥水性を有し、含水率が10重量%以下であ
り、炭酸化度が10%以下であることを特徴とするもの
である。本発明でいう撥水性を有する軽量気泡コンクリ
ートは、通常の軽量気泡コンクリートと異なり、撥水性
を有し、吸水速度が小さいことを特徴とする軽量気泡コ
ンクリートである。このような軽量気泡コンクリートは
例えば軽量気泡コンクリートを製造する際に原材料スラ
リー中にポリジメチルシロキサン等の撥水剤を添加して
成形、養生することによって作製することができる。
【0009】本発明でいう軽量気泡コンクリートの撥水
性については、乾燥した軽量気泡コンクリートの表面に
水滴を落としたとき、水滴がひろがって水が軽量気泡コ
ンクリートに吸収されていくか、または水玉が形成され
るかによって測定して得られる。また、軽量気泡コンク
リートの吸水速度を測定することによっても撥水性の程
度を判断できる。本発明の軽量気泡コンクリートは、水
滴を落とした場合、水玉を形成する程度の撥水性が必要
である。
【0010】本発明の軽量気泡コンクリートの含水率
は、10重量%以下であることが必要である。原料スラ
リー中へポリジメチルシロキサン等の撥水剤を添加して
作製した軽量気泡コンクリートは、作製直後は約40重
量%程度の含水率があり、軽量気泡コンクリートのごく
表面は撥水性があるが、内部は撥水性がほとんど無い。
このような状態では、撥水剤を添加して作製した軽量気
泡コンクリートでも炭酸化速度は速く、撥水性を有しな
い軽量気泡コンクリートの炭酸化速度と大差ない。軽量
気泡コンクリートを乾燥させ、含水率を低下させること
によって軽量気泡コンクリートの内部まで撥水性を発現
するようになり、炭酸化速度も小さくなってくる。含水
率が低下する程、炭酸化速度は小さくなるが、10重量
%を超える含水率ではその程度は小さい。10重量%以
下の含水率になると、含水率40重量%の場合に比べて
炭酸化速度が半分以下になり、炭酸化の進行を大きく遅
らせることが可能となる。通常、建材として壁等に使用
される軽量気泡コンクリートのパネルは、強制的に乾燥
した後使用するような方法はとられていないので、実際
の建物では躯体に取付られた時点でのパネルの含水率は
高く、またその後に防水仕上げが行われるため、含水率
が10重量%以下に低下するには年オーダーの時間を要
する。一方、その間に炭酸化反応はパネルの含水率が高
い状態で進行するので、初期の炭酸化反応は早い。はじ
めから含水率を低下させたパネルを使用することによっ
て、施工された初期の炭酸化反応を抑制することがで
き、結果として軽量気泡コンクリートパネルの炭酸化の
進行を遅らせることが可能となる。上記の含水率にする
ためには、たとえば、軽量気泡コンクリートパネルを乾
燥装置を使って強制乾燥すればよい。
【0011】含水率が10重量%であり、かつ、撥水性
があるとなぜ炭酸化速度が小さくなるのかその理由は必
ずしも明らかではないが、軽量気泡コンクリート中の細
孔や気泡表面の性質が撥水剤によって変化し、細孔や気
泡表面が水に濡れ難くなり、炭酸ガスを溶解した水との
接触面積がすくなくなったためではないかと予想され
る。軽量気泡コンクリートが撥水性であることの他の利
点は吸水しにくいということにある。施工された軽量気
泡コンクリートパネルの仕上げ材の防水性が低下した
り、亀裂が発生した場合でも、そこから吸水しにくくパ
ネルの含水率が上昇することがない。従って後述のよう
に含水率の上昇によって炭酸化速度が大きくなる様なこ
とは起こりにくくなる。
【0012】本発明の軽量気泡コンクリートの炭酸化度
は10%以下である。作製した軽量気泡コンクリートの
炭酸化が大きく進行する前に、含水率を低下させること
が必要である。炭酸化が進行した後含水率を低下させて
も,炭酸化速度自身は小さくなるが、軽量気泡コンクリ
ートの炭酸化の進行を抑えるという意味では効果が小さ
い。公知の方法で軽量気泡コンクリートを作製すると、
通常作製した時点で数%の炭酸化を受けているが、なる
べく早く含水率をさげるのが効果的であり、炭酸化が1
0%を越さない時点で含水率を10重量%以下に低下さ
せるのが好ましい。
【0013】以下実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、実施例中の促進炭酸化試験、炭酸化
度、撥水性および含水率の測定は次のようにしておこな
った。 促進炭酸化試験 <供試体>20*40*160mmの大きさの供試体を
切り出し、20℃、RH60%の条件で恒量になるまで
乾燥した後、炭酸化促進試験に用いた。
【0014】<炭酸化条件> 条件A;温度20℃、相対湿度60%、炭酸ガス濃度1
0%に設定されたプラスチック製チャンバー内で所定時
間反応させた。 条件B;含水率の影響を調べる時は、温度20℃、相対
湿度95%、炭酸ガス濃度10%に設定されたプラスチ
ック製チャンバー内で所定時間反応させた。
【0015】炭酸化度測定 供試体を105℃で24時間乾燥後粉砕し、100〜5
00mgを精秤した。5規定の塩酸水溶液で分解し、発
生する炭酸ガス量を測定して供試体1グラム当たりのガ
ス発生量(v)を求めた。一方、供試体の一部を粉砕し
た後温度20℃、相対湿度100%、炭酸ガス2kgf
/cm2 の条件下で7日間炭酸化させた。105℃で2
4時間乾燥させた後、100〜500mgを精秤し、5
規定の塩酸水溶液で分解し、発生する炭酸ガス量を測定
して供試体1グラム当たりのガス発生量(V)を求め
た。
【0016】炭酸化度は次の式を用いて求めた。 炭酸化度=(v/V)*100 (%) 撥水性の測定 平な面を有する供試体に赤インクで着色した水滴を落と
し、1分後の水滴の様子を観察した。水玉を形成した場
合を撥水性あり、供試体中へ吸水された場合を撥水性無
しとした。
【0017】含水率の測定 供試体の重量(W)を測定した後、供試体を105℃で
恒量になるまで乾燥し、その重量(w)を測定した。含
水率は次の式によって求めた。 含水率={(W−w)/w}*100 (wt%)
【0018】
【実施例】
【0019】
【比較例1】珪石49.8重量部、普通ポルトランドセ
メント38.8重量部、生石灰8.1重量部、石膏3.
3重量部に成形水70重量部を加え撹拌混合し、これに
アルミニウム粉末0.07重量部を加えたモルタルを6
0℃の養生槽にて発泡・硬化させ、所定の硬度に達した
モルタルブロックをオートクレーブ養生(180℃、1
0時間)して軽量気泡コンクリートを得た。得られた軽
量気泡コンクリートの中心部から20*40*160m
mの大きさの供試体を切り出し、20℃、RH60%の
条件で恒量になるまで乾燥した後、促進炭酸化試験(条
件A)に用いた。
【0020】促進炭酸化試験結果を表1に示した。
【0021】
【実施例1】原料混合物中にシリコーンオイル0.7重
量部を添加した以外は(比較例1)と同様な方法で作製
し、20℃、RH60%の条件で恒量になるまで乾燥し
た20*40*160mmの大きさの軽量気泡コンクリ
ート供試体を得、促進炭酸化試験(条件A)に用いた。
【0022】促進炭酸化試験結果を表1に示した。
【0023】
【比較例2】原料混合物中に燐酸トリブチル2重量部を
添加した以外は(比較例1)と同様な方法で作製し、2
0℃、RH60%の条件で恒量になるまで乾燥した20
*40*160mmの大きさの軽量気泡コンクリート供
試体を得、促進炭酸化試験(条件A)に用いた。
【0024】促進炭酸化試験結果を表1に示した。
【0025】
【比較例3】原料混合物中に水酸化ストロンチウム2重
量部を添加した以外は(比較例1)と同様な方法で作製
し、20℃、RH60%の条件で恒量になるまで乾燥し
た20*40*160mmの大きさの軽量気泡コンクリ
ート供試体を得、促進炭酸化試験(条件A)に用いた。
【0026】促進炭酸化試験結果を表1に示した。
【0027】
【実施例2a、b】
【0028】
【実施例1】と同じ条件で撥水性を有する軽量気泡コン
クリートを作製し、得られた軽量気泡コンクリートの中
心部から20*40*160mmの大きさの供試体を切
り出した。20℃、RH60%の条件で時間を変えて供
試体を乾燥し、含水率の異なる供試体(含水率15wt
%以下)を得、促進炭酸化試験(条件B)に用いた。
【0029】促進炭酸化試験結果を表2に示した。
【0030】
【比較例4a、b】
【0031】
【実施例1】と同じ条件で撥水性を有する軽量気泡コン
クリートを作製し、得られた軽量気泡コンクリートの中
心部から20*40*160mmの大きさの供試体を切
り出した。20℃、RH60%の条件で時間を変えて供
試体を乾燥し、含水率の異なる供試体(含水率10wt
%以上)を得、促進炭酸化試験に用いた。
【0032】促進炭酸化試験結果を表2に示した。
【0033】
【実施例3】珪石45重量部、普通ポルトランドセメン
ト44重量部、生石灰11重量部、シリコーンオイル
0.5重量部に成形水70重量部を加え撹拌混合し、こ
れにアルミニウム粉末0.07重量部を加えたモルタル
を60℃の養生槽にて発泡・硬化させ、所定の硬度に達
したモルタルブロックをオートクレーブ養生(180
℃、10時間)して軽量気泡コンクリートを得た。得ら
れた軽量気泡コンクリートの中心部から20*40*1
60mmの大きさの供試体を切り出し、20℃、RH6
0%窒素雰囲気中の条件で恒量になるまで乾燥した後、
促進炭酸化試験(条件A)に用いた。
【0034】促進炭酸化試験結果を表3に示した。
【0035】
【比較例5】
【0036】
【実施例3】と同様な条件で軽量気泡コンクリートを作
製し、中心部から20*40*160mmの大きさの供
試体を切り出した。この供試体を室内に約1年間放置
し、炭酸化度32%供試体を得た。この供試体を促進炭
酸化試験(条件A)に用いた。促進炭酸化試験結果を表
1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上述べたとおり本発明によれば、軽量
気泡コンクリートの炭酸化反応速度が数分の一に減少す
る。炭酸化の進行が遅くなることによって、炭酸化収縮
による亀裂の発生が起こりにくくなり、軽量気泡コンク
リートの耐久性を向上させることが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水率が10重量%以下であり、かつ、
    炭酸化度が10%以下であることを特徴とする撥水性を
    有する軽量気泡コンクリート。
JP11567692A 1992-05-08 1992-05-08 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート Pending JPH05310479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11567692A JPH05310479A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート

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JP11567692A JPH05310479A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート

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Publication Number Publication Date
JPH05310479A true JPH05310479A (ja) 1993-11-22

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ID=14668531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11567692A Pending JPH05310479A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 耐炭酸化性に優れた軽量気泡コンクリート

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JP (1) JPH05310479A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000035827A1 (fr) * 1998-12-14 2000-06-22 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Ciment cellulaire a faible poids possedant une excellente resistance a la carbonisation
KR101471782B1 (ko) * 2013-07-26 2014-12-10 (주) 에스와이씨 분말형 알루미늄 기포제를 포함한 미네랄 하이드레이트 단열 소재용 조성물
KR101471781B1 (ko) * 2013-07-26 2014-12-10 한국세라믹기술원 첨가제가 포함된 미네랄 하이드레이트 단열 소재용 조성물

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WO2000035827A1 (fr) * 1998-12-14 2000-06-22 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Ciment cellulaire a faible poids possedant une excellente resistance a la carbonisation
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Effective date: 20010710