JPH05307537A - 被写体輪郭線抽出方法 - Google Patents

被写体輪郭線抽出方法

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JPH05307537A
JPH05307537A JP4242463A JP24246392A JPH05307537A JP H05307537 A JPH05307537 A JP H05307537A JP 4242463 A JP4242463 A JP 4242463A JP 24246392 A JP24246392 A JP 24246392A JP H05307537 A JPH05307537 A JP H05307537A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像から所定被写体候補の輪郭線を精度良く
抽出する。 【構成】 画像から所定の大きさを有する注目領域の範
囲の画像を切り出し、切り出された画像から画像中に含
まれる所定方向の線分を協調・競合させることにより所
定被写体候補の輪郭線を形成し抽出する。また、複素対
数座標において抽出領域を決定するようにしてもよい。
また、放射方向の輪郭線の端点を検出し、この端点に基
づいて円環方向の線分を強調してもよい。また、抽出し
た線分に再抽出防止処理を施してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写体の輪郭線を抽出
する方法、とくに詳細には、画像から所定の被写体の輪
郭線を抽出する被写体輪郭線抽出方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】画像に含まれる被写体の外形を形成する
多数の線分が、意味のある位置関係を持って配置される
ことによって初めて、1つまたは複数の物体の輪郭線と
見なすことができる。一般に画像中にはこの輪郭線以外
にも、非常に多くの線分が存在する。わずかな光の加減
により発生する物体の影、物体の表面にできた皺、ある
いは物体の表面の模様によっても、輪郭線ではない線分
が発生する。これらの線分の中から輪郭線である線分だ
けを選択し、そうでない線分を排除することは、多くの
画像処理における前処理の技法としてきわめて重要であ
る。この線分を選択するための代表的な方法としては、
多数の線分の位置関係を詳細に解析して、あらかじめ与
えられた知識データと照らしあわせ、それがどんな物体
のどの輪郭線であり得るのかを、非常に多くの組み合わ
せの中から決定・判定する方法が挙げられる。
【0003】一方、与えられた画像から輪郭線の端点を
検出して、この端点と輪郭線とが直交する方向に対象物
の輪郭の存在を予想する方法が知られている(Finkel
L.H.ら:Integration of Distributed Cortical Systems
by Reentry:A Computer Simulation of Interactive F
unctionally Segregated Visual Areas,JONS(1989),Vo
l.9,No.9,3188-3208 )。この方法は、与えられた画像
に映し込まれた物体が、背景に溶け込んでしまったり、
画像のコントラストが低いために物体の輪郭線を認識で
きないような場合にも、画像に映し込まれた輪郭線の端
点から輪郭線を形成することにより画像から対象物を抽
出する方法である。このFinkelらの方法は、例えば、画
像中に図27(a) に示すような物体120 A,120 B,120
Cおよび120 Dが存在した場合に、それぞれの物体の端
点を延長して図27(b) に示すような物体121 の輪郭線を
形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した線
分を選択する方法においては、線分の数の増大にともな
って、線分の組み合わせの計算量が膨大になるという問
題や、一部の線分の欠落があったり、位置関係が不完全
だったりすると、知識データとの間に矛盾が生じてしま
い照合がうまくゆかず、結局、輪郭線の決定・判別自体
が不能になることもあるという問題があった。
【0005】また、これらの方法は、与えられた画像の
中に複数の被写体が存在する場合、例えばマスクをかけ
た人の顔や標識の前にある人の顔等、大きな被写体の前
に小さな被写体が重ね合わされている場合や被写体の一
部が重なり合っている場合には、どちらの被写体の輪郭
線を対象とする輪郭線として抽出すべきかを判断するこ
とが困難であり、また双方の対象被写体の輪郭線を別々
に抽出することも困難であった。
【0006】また、前述したFinkelらの輪郭線の端点を
検出する方法は、図27(a) の矢印に示すように物体120
A〜120 Dの一つの端点から画像中の全ての方向、位置
にある輪郭線の端点を対象とするとともにあらゆる方向
に輪郭線を予想しようとする方法であるため、与えられ
た画像が複雑な場合には、予想される輪郭線が雑多にな
り易く、必要とされる対象物の輪郭線を正確に予想して
抽出することができなかった。
【0007】本発明は上記事情に鑑み、与えられた画像
から適切に精度良く所定の被写体の輪郭線を抽出するこ
とができ、演算時間も短縮することのできる被写体輪郭
線抽出方法を提供することを目的とするものである。
【0008】さらに本発明は、複数の所定被写体候補が
存在する画像からでも、複数の所定被写体候補の輪郭線
をすべて抽出することができる被写体輪郭線抽出方法を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の被写
体輪郭線抽出方法は、画像から所定被写体候補の輪郭線
を抽出する被写体輪郭線抽出方法であって、前記画像に
注目点を設定し、該画像から前記注目点を中心とする所
定方向の線分を検出し、該検出された線分のうち、前記
所定方向と略同一方向に連続性が高い線分および/また
は強度が大きい線分を互いに協調させることによって強
調するとともに、前記各線分と前記方向に連続性が低い
線分および/または強度が小さい線分とを互いに競合さ
せることによって該連続性が低い線分および/または強
度が小さい線分を消去することにより前記所定被写体候
補の輪郭線を抽出することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明による第2の被写体輪郭線抽
出方法は、本発明による第1の被写体輪郭線抽出方法で
あって、前記所定被写体候補の所定方向の線分の検出
を、前記画像を前記注目点を極として複素対数座標変換
した後に行うことを特徴とするものである。
【0011】さらに、本発明による第3の被写体輪郭線
抽出方法は、本発明による第1または第2の被写体輪郭
線抽出方法であって、前記線分の検出を、段階的に異な
る大きさの範囲を有する複数の輪郭線検出用マスクを使
用して、前記切り出された画像をコンボリューションさ
せることにより該各マスク毎に行い、前記検出された線
分の強調および消去を、前記マスクの大きさと対応した
大きさの範囲を有する複数の協調競合用マスクを使用し
て、前記各輪郭線検出用マスク毎に検出された線分毎に
コンボリューションさせ、前記各協調競合用マスク毎に
強調された各線分を協調および競合させることにより行
うことを特徴とするものである。
【0012】さらに、本発明による第4の被写体輪郭線
抽出方法は、画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出す
る被写体輪郭線抽出方法であって、前記画像に注目点を
設定し、該画像から前記注目点に対して放射方向の線分
を検出し、前記検出された放射方向の線分の端点を検出
し、該検出された端点に基づいて前記所定被写体候補の
円環方向の輪郭線を形成することを特徴とするものであ
る。
【0013】また、前記所定被写体候補の放射方向の線
分の検出を、前記画像を前記注目点を極として複素対数
座標変換した後に行うことをも特徴とするものである。
【0014】さらに、本発明による第5の被写体輪郭線
抽出方法は、画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出す
る被写体輪郭線抽出方法であって、前記画像に注目点を
設定し、該画像から前記注目点に対して円環方向および
放射方向の線分を検出し、該検出された線分のうち放射
方向の線分を強調し、前記検出された線分のうち放射方
向の線分の端点を検出し、該検出された端点に基づいて
前記検出された線分のうち前記所定被写体候補の円環方
向の輪郭線を強調することにより輪郭線を抽出すること
を特徴とするものである。さらに、前記所定被写体候補
の放射方向および円環方向の線分の検出を、前記切り出
された画像を前記注目点を極として複素対数座標変換し
た後に行うことをも特徴とするものである。
【0015】さらに、本発明による第6の被写体輪郭線
抽出方法は、複数の所定被写体候補が少なくとも一部重
なり合って映し込まれている画像から該所定被写体候補
の輪郭線を抽出するための被写体輪郭線抽出方法であっ
て、前記画像に注目点を設定し、該画像から前記注目点
に対して所定方向の線分を検出し、該検出された線分の
うち、前記所定方向と略同一方向に連続性が高い線分お
よび/または強度が大きい線分を互いに協調させること
によって強調するとともに、前記各線分と前記方向に連
続性が低い線分および/または強度が小さい線分とを互
いに競合させることによって該連続性が低い線分および
/または強度が小さい線分を消去することにより前記複
数の所定被写体候補のうちの1つの所定被写体候補の輪
郭線を抽出し、該抽出された所定被写体候補の輪郭線に
再抽出防止処理を施し、前記強調された線分とは異なる
線分を強調および消去することにより前記抽出された所
定被写体候補のうちの1つの所定被写体候補の輪郭線と
は異なる所定被写体候補の輪郭線の抽出を行うことを特
徴とするものである。
【0016】さらに、本発明による第6の被写体輪郭線
抽出方法は、前記所定被写体候補の所定方向の線分の検
出を、前記画像を前記注目点を極として複素対数座標変
換した後に行うこと、および前記検出された輪郭線の強
調および消去をニューラルネットワークを用いて行い、
前記再抽出防止処理をニューラルネットワークに疲れの
項を導入することにより行うことをも特徴とするもので
ある。
【0017】さらに、本発明による第7の被写体輪郭線
抽出方法は、画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出す
る被写体輪郭線抽出方法において、所定の大きさの注目
領域の中心点と前記所定被写体候補の輪郭線とを基準と
して前記所定被写体候補の大きさおよび/または形状を
正規化し、その後この正規化された所定被写体候補の輪
郭線を抽出することを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明による第1の被写体輪郭線抽出方法は、
画像に注目点を設定し、この画像から所定方向の線分を
検出して、この線分のうち、所定方向と略同一方向に連
続性が高い線分および/または強度が大きい線分を互い
に協調させることによって強調するとともに、所定方向
に連続性が低い線分および/または強度が小さい線分
を、連続性が高い線分、強度が大きい線分と互いに競合
させることによって消去することによって所定被写体候
補の輪郭線を抽出するようにしたものである。そしてこ
の強調と消去とを繰り返すことにより所定被写体候補の
輪郭線である線分が選択され、所定被写体候補の輪郭線
でない線分を消滅させ、しかも、線分が多少欠落してい
てもそれを協調競合することにより欠落部を補うように
したものである。このため、特定の被写体のみではな
く、いかなる形状の所定被写体候補の輪郭線をも抽出す
ることが可能であり、また、画像における所定被写体候
補の輪郭線の背景が複雑であっても所定被写体候補の輪
郭線を抽出することができる。さらに、画像の全面に対
して処理を行う必要が無くなるため、演算時間を短縮す
ることができる。
【0019】また、本発明による第2の被写体輪郭線抽
出方法は、上述した画像を複素対数座標変換することに
よっても実空間座標における場合と同様に所定被写体候
補の輪郭線を抽出することが可能である。
【0020】さらに、本発明による第3の被写体輪郭線
抽出方法のように、段階的に異なる大きさの範囲を有す
る複数の輪郭線検出用マスクを使用し、切り出された画
像をコンボリューションさせることにより各マスク毎に
線分の検出を行い、このマスクの大きさと対応した大き
さの範囲を有する複数の協調競合マスクを使用して、輪
郭線検出用マスク毎に検出された線分毎にコンボリュー
ションさせて線分の強調および消去を行うようにし、そ
の後、1つの画像から複数のマスクの大きさに適合した
複数種類の線分を強調し、さらに強調された複数の線分
の間で協調および競合させることにより所定被写体候補
の輪郭線を強調するようにすれば、複数種類の輪郭線の
情報から、より真の所定被写体候補に近い輪郭線を選択
することができ、さらに適切な所定被写体候補の輪郭線
の抽出を行うことが可能となる。
【0021】さらに、本発明による第4の被写体輪郭線
抽出方法は、画像に注目点を設定し、この画像から所定
被写体候補の放射方向の線分を検出し、その後この放射
方向の線分の端点を検出して、この端点に基づいて所定
被写体候補の円環方向の輪郭線を形成するようにしたも
のである。また、本発明による第5の被写体輪郭線抽出
方法は、画像に注目点を設定し、この画像から所定被写
体候補の円環方向および放射方向の線分を検出し、その
後この放射方向の線分の端点を検出して、この端点に基
づいて円環方向の輪郭線を強調することにより、所定被
写体候補の輪郭線を抽出するようにしたものである。
【0022】このため、所定被写体候補が背景に溶け込
んでしまっているような場合であっても、所定被写体候
補によって遮られた可能性が高い背景の放射方向の線分
の端点を検出し、この端点に基づき、円環方向に沿って
所定被写体候補の輪郭を予想することにより所定被写体
候補を絞り込むことができ、所定被写体の蓋然性の高い
被写体の輪郭線を抽出することが可能である。さらに、
画像の全面に対して処理を行う必要が無くなるため、演
算時間を短縮することができる。
【0023】また、上述した画像を複素対数座標変換し
ても実空間座標における場合と同様に所定被写体候補の
輪郭線を抽出することが可能であり、演算時間を短縮す
ることができる。
【0024】さらに、本発明による第6の被写体輪郭線
抽出方法は、複数の所定被写体候補が少なくとも一部重
なり合って映し込まれている画像に注目点を設定し、こ
の画像から所定方向の線分を検出して、この線分のう
ち、所定方向と略同一方向に連続性が高い線分および/
または強度が大きい線分を互いに協調させることによっ
て強調するとともに、所定方向に連続性が低い線分およ
び/または強度が小さい線分を、連続性が高い線分、強
度が大きい線分と互いに競合させることによって消去す
ることにより複数の所定被写体候補のうちの1つの所定
被写体候補の輪郭線抽出し、この抽出された所定被写体
候補の輪郭線に再抽出防止処理を施すようにし、その
後、強調された線分とは異なる線分を強調および消去す
ることにより抽出された所定被写体候補のうちの1つの
所定被写体候補の輪郭線とは異なる所定被写体候補の輪
郭線の抽出を行うようにしたものである。このため、複
数の所定被写体候補の少なくとも一部が重なり合って映
し込まれている画像からでも、それぞれの所定被写体候
補の輪郭線を別々に独立して抽出することにより、画像
中に含まれる所定被写体候補の輪郭線をくまなく抽出す
ることが可能となる。
【0025】また、上述した画像を複素対数座標変換し
ても実空間座標における場合と同様に所定被写体候補の
輪郭線を抽出することが可能である。
【0026】また、再抽出防止処理をニューラルネット
ワークに疲れの項を導入することにより行うようにすれ
ば、一層精度良く所定被写体候補の輪郭線を抽出するこ
とが可能となる。
【0027】また、本発明による第7の被写体輪郭線抽
出方法は、所定の大きさの注目領域の中心点と所定被写
体候補の輪郭線とを基準としてこの所定被写体候補の大
きさおよび/または形状を正規化して、所定被写体候補
の輪郭線を抽出するようにしたものである。このため、
大きさや形状が異なる被写体の輪郭線を略同一の大きさ
および/または形状にして抽出することができ、この抽
出の次のステップである判別や学習等のシステムに対し
て、負担をかけることが無くなり、抽出後のステップで
ある所定被写体の判別や学習等をより適切に行うことが
可能となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0029】図1は、本発明による被写体輪郭線抽出方
法の第1実施例の基本的概念を示すブロック図である。
なお、本実施例はニューラルネットワークを用いて画像
から所定被写体候補である人間の顔の輪郭線を抽出する
ものとする。
【0030】図1に示すように、本実施例はニューラル
ネットワークを用いて注目領域の移動を繰り返して所定
被写体候補の探索を行うニューラルネット部3からな
る。
【0031】まずニューラルネット部3のステップAに
おいて、画像上に注目点である注目領域の中心点位置を
設定して画像から注目領域の範囲の画像を取り込み、次
いでステップBにおいて所定被写体候補の絞り込みを行
う。
【0032】図2は、上述した機能を有するニューラル
ネットワークの一構成を表わす図である。
【0033】このニューラルネットワークの入力は、所
定の大きさの注目領域から入力される外界の画像であ
る。また、出力は、入力された画像中に存在する所定被
写体候補の輪郭線に関する情報である。
【0034】本実施例におけるニューラルネットワーク
の基本構造は階層型であるが、一部の層内e1,e2層
では相互結合もしているため複合型ともいえる。また、
階層型として有名なバックプロパゲーションモデルで
は、各層間の各ニューロン同士はすべて互いに結合して
いる構造がとられるのに対し、このニューラルネットワ
ークでは、各層同士で位置が対応するニューロンと、そ
の近傍のニューロンとの間にのみ結合が限定されている
局所結合型になっている。このため、各層間のシナプス
数を相当低減でき、演算時間の短縮を実現できる。ま
た、相互結合層内の各ニューロン間の結合も同様に、位
置的に近いものどうしの間にのみ存在する。このような
局所的な結合構造は、人間の眼の網膜から脳の1次視覚
野にかけてみられる神経回路と同様の構造となってい
る。
【0035】次に、このニューラルネットワークの各層
の機能について説明する。このニューラルネットワーク
は図1に示すようにステップA,Bと大きく2つのステ
ップに分けられており、画像上に注目領域中心点の位置
を設定し、この画像から注目領域の範囲の画像を取り込
むステップAは、所定の大きさの注目領域を有しこの注
目領域の大きさに画像を切り出してニューラルネットワ
ークに入力するa層、および入力された画像の複素対数
座標変換(対数極座標変換)を行うb層から構成され
る。入力された画像から所定被写体候補の輪郭線を絞り
込むステップBは、画像中の被写体の円環方向、放射方
向の各線分を検出するc1,c2層、放射方向の線分の
端点を検出するd層、円環方向の線分を選択する相互結
合回路網層であるe1層および、放射方向の線分を選択
する相互結合回路網層であるe2層から構成される。
【0036】ここで、複素対数座標の円環方向というの
は、複素対数座標の方位軸方向を意味するものである。
すなわち、複素対数座標の方位軸は実空間座標の原点
(本発明においては注目領域の中心点)をとりまく角度
を表わしており、実空間座標において原点を中心とする
円は複素対数座標では方位軸に平行な直線となる。した
がって複素対数座標の方位軸を円環方向としたものであ
る。また、複素対数座標の距離軸は実空間座標の原点か
らの距離を表わしており、実空間座標において原点を通
る放射状の直線は複素対数座標では距離軸に平行な直線
となる。したがって、複素対数座標の距離軸を方位軸に
平行な円環方向に対して放射方向と呼ぶこととする。
【0037】なお、本実施例のニューラルネットワーク
においては、b層以降の各層間あるいは各層内のシナプ
ス結合は、空間不変(スペースインバリアント)とし
た。これは、モデルシミュレーションや並列処理の実行
容易性を考慮したためで、必ずしも空間不変である必要
はない。しかし、空間不変としておくことで、各ニュー
ロンの出力は、シナプス結合マトリックスと前段のニュ
ーロン層マトリックスとのコンボリューション(シナプ
ス結合パターンとのマッチング)演算結果を、非線形関
数に通したものに相当するので、ニューラルネットワー
クのシミュレーションを計算機上で行う場合、計算的な
扱いが非常に楽になる。
【0038】まず、a層において、所定の大きさの注目
領域の範囲の画像が切り出される。a層においては、注
目領域の中心点ほどニューロンが高密度に存在する。a
層において取り込まれた画像はb層において、注目領域
の中心点を極として複素対数座標変換される。このb層
において、画像を複素対数座標変換することで、b層以
降のニューラルネットワークの動作を画像データの配列
と空間不変なシナプス結合データ配列とのコンボリュー
ションとして計算的に扱うことができることになる。
【0039】図3に、様々な図形が複素対数座標変換さ
れた結果を示す。複素対数座標変換では、極すなわち注
目領域中心点が所定被写体候補の輪郭線で囲まれる領域
の中心にあれば、図3(a) に示すように同心円状の曲線
が水平の直線に、図3(b) に示すように放射状の線が垂
直な直線に、また三角形は図3(c) に示すような形に変
換される。
【0040】ここで、変換前の空間座標上の点W(x,
y)を、数学的に複素表現で z=x+iy (1) とすれば、複素対数座標変換された点W′は W′=ln(z)=ln(|z|)+jθZ (2) となる。ここで z=(x+y2 1/2 (3) θZ =tan -1(y/x) (4) である。すなわち、複素対数座標変換は複素対数座標に
おける距離軸が注目領域中心点からの距離の対数値、方
位軸が注目領域中心点の周囲の角度となるように変換す
ることである。
【0041】複素対数座標変換された画像はc1,c2
層において、複素対数座標上でそれぞれ円環方向、放射
方向の各線分が抽出される。c1層においては、図4
(a) に示すようなシナプス結合で複素対数座標変換され
た画像を重み付けられた信号として伝達することによっ
て円環方向の、c2層においては、図4(b) に示すよう
なシナプス結合で重み付けられた信号として伝達するこ
とによって放射方向の線分がそれぞれ抽出される。d層
においては、放射方向の線分が抽出されたc2層の画像
から、ある所定被写体候補が手前に存在する別の物体に
遮ぎられた場合にその境界で発生する放射方向の線分の
端点を抽出する。
【0042】以下、この線分の端点の検出について説明
する。
【0043】図5(a) に示すような略円形の所定被写体
候補の輪郭線と、所定被写体候補に遮られた放射方向の
線分からなる背景とを含んだ画像がa層において切り出
されたとすると、b層において複素対数座標変換され
て、図5(b) に示すような画像となる。この画像からc
1,c2層においてそれぞれ円環方向、放射方向の線分
が検出され、図5(c) および(d) に示すような画像を得
る。次に、d層において、図5(d) に示すc2層で得ら
れた放射方向の線分の端点を検出して、図5(e)に示す
うな端点の画像を得る。この端点は、図6(a) および
(b) に示すシナプス結合でc2層の画像を重み付けられ
た信号として伝達することにより検出される。なお、こ
こでは図6(a) に示すシナプス結合により注目領域の中
心点へと向かう線分の端点が、図6(b) に示すシナプス
結合により注目領域中心点から外側へと向かう線分の端
点がそれぞれ検出される。上述したようにd層において
検出された放射方向の線分端点はe1層へと入力され、
図5(f) に示すような画像を得る。e1,e2層は、そ
れぞれ円環方向、放射方向の線分が強調されるような局
所相互重み結合を有する相互結合層であり、e1層にお
いて、図5(e) に示すようなc1層およびd層で検出さ
れた円環方向の線分と放射方向の端点から円環方向に連
続性の高い線分、強度の大きな線分が強調され、独立し
た線分や弱い線分は消去され、図5(g) に示すような画
像を得る。ここで、端点は背景が所定被写体候補によっ
て遮られた場合に、その所定被写体候補の輪郭線の位置
に存在するためe1層においてはd層において検出され
た放射方向の線分の端点の位置からの信号により、所定
被写体候補の輪郭線である可能性が高い円環方向の線分
を一層強調することにより選択することができる。この
ように端点を検出することによって、所定被写体候補の
輪郭線を一層正確に抽出することができるのである。
【0044】次に、e1層の機能について詳細に説明す
る。e1層におけるニューロンの相互結合の重みは、複
素対数座標上のあるニューロンAの位置を(Xa
a )、ニューロンBの位置を(Xb ,Yb )とした場
合、 Wab=(1.0−4.0 ×Dx ×(1.0 −Dy ×Mc)2 ) ×exp (-2.0 ×Dx ×(1.0 −Dy ×Mc)2 )×exp(-2.0×Dy 2 ) (5) ただし Dx =Kx ×|Xa −Xb | Dy =Ky ×|Ya −Yb | Kx ,Ky は適当な正の係数、Mc は適当な係数で与え
られる値となっている。式(5) は、ニューロン同士が円
環方向には協調性、すなわち正の重みで、放射方向には
抑制性、すなわち負の重みで結合されていることを示
し、また、結合の強さはニューロン間の距離に依存し、
近傍に存在するニューロン同士ほど強い重みで結合し、
離れた位置に存在するニューロンほど重みは弱くなると
いう、いわゆる局所相互結合型の内部結合であることを
示している。このような相互結合をもつe1層内では以
下のように線分の強調および消去が行われている。
【0045】a層において切り出された画像は、所定被
写体候補の輪郭線が途切れていたり背景が複雑であった
りするため、c1層において抽出されてe1層に入力さ
れた画像中の線分は図7の画像6に示すように線分が途
切れたものとなっている。この画像6において円環方向
にできるだけ連続するような形でしかも強い興奮を有す
るニューロン部分は、本来実空間座標上において1つの
物体として存在している可能性が強い部分である。e1
層のニューロンは同じ画像内で相互結合しているためこ
の画像6を協調競合用シナプス結合7で重み付けられた
信号として伝達すると層内での再起的信号の繰返しによ
り、途切れているそれぞれの線分の端点のニューロン同
士が円環方向に互いに協調し合い、興奮領域をつなげよ
うとする。これにより、端点のニューロンに隣接するニ
ューロンは画像6aの実線矢印で示す方向に興奮されてい
き、途切れていた線分は徐々に連続するようになり、ま
た、協調競合用シナプス結合7の形状により円環方向に
対して多少傾いている線分をつなげることができるた
め、最終的に円環方向に連続した線分となる。一方、画
像6に見られるような、円環方向に対して連続性が低
く、しかも興奮が弱いニューロン(画像6における黒点
部分)は、1つの物体として存在している可能性は低
い。e1層内のニューロンは、前述したように円環方向
に対しては協調し合うが放射方向に対しては競合し合う
ような相互結合となっており、黒点部分のニューロンは
強い興奮を有する円環方向の線分のニューロンと競合
し、このニューロンが発する放射方向(破線矢印方向)
への抑制性の信号により抑制されて消去されてしまう。
この結果、e1層に入力された画像6は、円環方向に連
続した線分のみを有する画像6bとなる。
【0046】また、e2層においては、c2層で検出さ
れた放射方向の線分のうち放射方向に連続性の高い線
分、強度の大きな線分が強調され、独立した線分や弱い
線分は消去される。e2層におけるニューロンの相互結
合の重みは、式(5) のxとyを入れかえた式となってお
り、円環方向には競合性、放射方向には協調性の重みで
結合されている。このため、c2層において抽出された
図8に示す画像8のように、放射方向に連続性が高く、
しかも強い興奮を有するニューロン部分が、協調競合用
シナプス結合9で重み付けられた信号として伝達される
ことにより、互いに協調し合い、それぞれの線分の端点
のニューロンに隣接するニューロンが画像8aの実線矢印
で示す方向に興奮されていき、途切れていた線分は徐々
に連続するようになる。一方、放射方向に対して連続性
が低く、しかも興奮が弱いニューロン(画像8における
黒点部分)は、強い興奮を有する放射方向の線分のニュ
ーロンと競合し、このニューロンが発する円環方向(破
線矢印方向)の抑制性の信号により抑制されて消されて
しまう。この結果、e2層に入力された画像8は、放射
方向に連続した線分のみを有する画像8bとなる。
【0047】本実施例によるニューラルネットワークは
以上の動作を繰り返し、所定被写体候補の輪郭線を形成
し、この形成された輪郭線を正規化しその後抽出する。
【0048】ここで、所定被写体候補の輪郭線正規化の
方法について説明する。
【0049】まず、e1層より抽出される輪郭線の場合
を説明する。ここで、注目領域の中心点と所定被写体候
補の中心点とが一致している場合、例えば所定被写体候
補である人間の顔の中心位置と注目領域の中心点とが一
致している場合、小さい顔46および大きい顔47の輪郭線
の複素対数座標上における画像はそれぞれ図9(a) ,
(b) に示すように注目領域中心点からの距離がそれぞれ
1 ,R2 となる直線46′および47′となる。この距離
1 ,R2 を略同一とすることによって正規化を行って
いるが、以下、この正規化の方法について説明する。
【0050】図10は、本発明の実施例による正規化の方
法を説明するための図である。
【0051】図10に示すように、円形の人間の顔の中心
位置と注目領域の中心点とが一致している場合、ニュー
ラルネットワークのe1層において、注目領域中心点か
らの距離が略一定となる円環方向のニューロン50が興奮
する。そこで、e1層における規則的に配列された放射
方向に並んだニューロンの列毎に、円環方向に並んだニ
ューロンの出力をシナプス結合51によって加えると、出
力が加えられたニューロン52における、注目領域中心点
から所定距離Rθにあるニューロン53のみが出力を出す
ようになり、この所定距離Rθが人間の顔の中心位置か
ら輪郭線までの距離を表わすものとなる。この距離Rθ
を逆複素対数変換して、逆複素対数変換された距離ln-1
Rθを一定値Lに正規化するような伸縮係数k(=L/
Rθ)を求め、実空間座標で所定被写体候補である人間
の顔の輪郭線を抽出する際に、伸縮係数kに応じていか
なる大きさの顔の輪郭線も略同一の大きさとなるように
抽出してやればよい。
【0052】次に、人間の顔であっても長い顔等、人に
より顔の形状が異なる場合があるが、楕円形をした長い
顔55の中心位置と注目領域の中心点とが一致している場
合、この長い顔55の輪郭線の複素対数座標上における画
像は、図11に示すように、円環方向の角度毎に注目領域
中心点から輪郭線までの距離が異なる(最大値R3 ,最
小値R4 )輪郭線55′となる。このような場合には、逆
複素対数変換された距離ln-1Rθを一定値Lに正規化す
るような伸縮係数kを円環方向の角度毎に求め、実空間
座標で、長い顔55を抽出する際に、各角度毎の伸縮係数
kに応じて、抽出する顔が略同一形状かつ略同一の大き
さとなるようにして、抽出してやればよい。
【0053】次に、e2層の出力を重視した場合につい
て説明する。この場合には、図12(a) に示すように所定
被写体候補60の輪郭線の交点Tと注目領域中心点Oとが
一致している。輪郭線の交点Tは所定被写体候補60の一
部分であり、この部分を抽出するためには、所定被写体
候補60全体の大きさについての情報が必要である。そこ
で、一旦e1層の出力を重視するように出力の合成のバ
ランスを切り換えて、所定被写体候補60の中心と注目領
域の中心点とが一致するように注目領域を移動させる。
【0054】このときすでに注目領域中心点Oは所定被
写体候補60の輪郭線の一部にあるので、所定被写体候補
60の大きさが注目領域61の中に納まるような大きさであ
れば、この探索によって注目領域を確実に所定被写体候
補60の中心位置へ移動させることができる。
【0055】ところが、図12(a) に示すように所定被写
体候補60の大きさが注目領域61より大きい場合には所定
被写体候補60の中心に移動させることができない。注目
領域の中心点を所定被写体候補の中心点へ正しく移動さ
せられるかどうかは、e1層のニューロンの興奮状態を
調べることで知ることができる。すなわち、図12(a)に
示すように、e1層に所定しきい値を超えて興奮するニ
ューロンが存在しない場合には、所定被写体候補60の全
体の大きさが注目領域61よりも大きいと判断される。こ
の場合には、所定被写体候補60全体を注目領域61の内部
に捕えることが可能になるまで、a層で切り出す外界の
画像の領域、すなわち注目領域61を拡大するような信号
をa層に送ればよい。図12(b) に示すように所定被写体
候補60が、拡大された注目領域61′の内部に入ってくる
と、e1層のニューロンが興奮し、所定被写体候補60全
体の中心へと注目領域を向かわせることができ、図12
(c)に示すように、ニューラルネットワークは注目領域
中心点Oを所定被写体候補全体の中心に移動することが
できる。
【0056】その後、前述した方法と同様にして、所定
被写体候補60の大きさR5 を、中心点から円環方向の輪
郭線までの距離に基づき求める。しかる後に、先ほど発
見した輪郭線の交点Tへと、再び注目領域中心点Oを戻
し、その輪郭線の交点Tを中心にして、所定被写体候補
60全体の大きさに対しあらかじめ設定された比率の大き
さの領域(ここでは半径 k・ln-15 の領域、k は伸縮
係数)を抽出してやればよい。
【0057】以上のようにして、所定被写体候補である
顔の輪郭線画像は、正規化されて抽出される。
【0058】この所定被写体候補の輪郭線抽出であるが
与えられた画像に1つの所定被写体候補しか映し込まれ
ていない場合は、その所定被写体候補の輪郭線をそのま
ま抽出すればよく、また図13の画像63に示すように標識
64の前に人間62が映し込まれており、人間の顔62a の輪
郭線と標識64の輪郭線とをともに所定被写体候補の輪郭
線として抽出したい場合であっても、本発明による被写
体輪郭線抽出方法は顔62a の輪郭線と標識64の輪郭線双
方を別々に抽出することができる。以下そのシステムに
ついて説明する。
【0059】図13に示すように、注目領域中心点がQ1
の地点から徐々に顔62a の中心へと移動していき、最終
的に顔62a の中心点において注目領域中心点は停止す
る。この状態において、e1層において強調された輪郭
線は図14(a) に示すように略円環方向に並んだ2本の輪
郭線62a ′,64′となる。ここで、e1層のニューロン
は相互結合をしており、その結合の重みは式(5) で与え
られる値となっているため、輪郭線62a ′と輪郭線64′
との間で協調、競合がなされ、より強い輪郭線である顔
の輪郭線62a ′が標識の輪郭線64′を抑制して消去し、
図14(b) に示すように顔の輪郭線62a ′のみが残った状
態となる。この状態において図13における人間の顔62a
がまず抽出される。
【0060】ここでe1層のニューロンに対して以下に
示すような特性を与えておく。
【0061】
【数1】
【0062】 但し oi (t):時刻tにおけるiニューロンの出力 ii (t):時刻tにおけるiニューロンへの他層から
の入力 ij (t):時刻tにおけるe1層内のjニューロンへ
の入力 Wij :e1層中のiニューロンと相互結合してい
るjニューロンとの間の重み ki :適当な正の数 tf :適当な正の数 式(6) において、積分の項は疲れが溜る項であり、ある
時間tから時間tf だけさかのぼった一定時間内におけ
るあるニューロンが出力した出力量を時間で積分したも
のである。ここでe1層内において図14(b) に示す顔の
輪郭線62a ′の部分のニューロンにおいてはki =1、
他の部分のニューロンにおいてはki =0とすることに
より、顔の輪郭線62a ′の部分のニューロンにのみ疲れ
が溜るようになる。すなわち、式(6) によって、顔の輪
郭線62a ′でない部分のニューロンは疲れることがない
ため、ニューロンへの入力そのものを出力として出せる
が、顔の輪郭線62a ′の部分のニューロンは、疲れが溜
り、入力を受けても前述した疲れの項によって出力の低
下を生じるようになる。この出力の低下によって顔の輪
郭線62a ′の部分のニューロンの出力は図14(c) に示す
ように消えてしまうため、今まで顔の輪郭線62a ′によ
って抑制されていた標識の輪郭線64′の部分のニューロ
ンは、図14(d) に示すように再度出力を示すようにな
る。この図14(d)に示す状態で図13における標識64の輪
郭線が抽出される。
【0063】ここで、時間の経過により標識の輪郭線6
4′の部分のニューロンは顔の輪郭線62a ′の部分のニ
ューロンと同様に疲れが溜り、出力の低下を生じ、一
方、顔の輪郭線62a ′のニューロンは再び出力を示すよ
うになる。これは、式(6) におけるtf とki の値にも
よるが、本実施例においては、顔の輪郭線62a ′と標識
の輪郭線64′とは出力を交互に振動的に繰り返すように
なる。ここで、式(6) のtf の値を無限大とすることに
よって、一度興奮したニューロンは2度と興奮すること
がなくなり同一の所定被写体候補の輪郭線が抽出される
ことはなくなる。
【0064】次に本発明による被写体輪郭線抽出方法の
第2実施例について説明する。
【0065】図15は本発明による被写体輪郭線抽出方法
の第2実施例を実施するためのニューラルネットワーク
の一構成を表す図である。
【0066】本発明による被写体輪郭線抽出方法の第2
実施例は、まずa層において注目領域の範囲の画像を切
り出し、この切り出された画像をb層において複素対数
座標変換する。次いでc1,c2層において段階的に異
なる大きさの範囲を有する複数の輪郭線検出用シナプス
結合を使用して、b層において複素対数座標変換された
画像を重み付けられた信号として伝達することにより線
分の検出を各シナプス結合毎に行い、e1,e2層にお
いて、輪郭線検出用シナプス結合の大きさと対応した大
きさの範囲を有する複数の協調競合用シナプス結合を使
用して、各輪郭線検出用シナプス結合毎に検出された線
分毎に重み付けられた信号として伝達し、さらに、各協
調競合用シナプス結合毎に協調された線分を協調および
競合させることにより線分の強調および消去による所定
被写体候補の輪郭線の抽出を行う。
【0067】本発明による被写体輪郭線抽出方法の第2
実施例においては、a層における画像の切り出しと、b
層における複素対数座標変換は、本発明による第1実施
例と同様であるため詳しい説明は省略する。複素対数座
標変換された画像は、c1層において図16(a) ,(b) お
よび(c) に示す3種類の大きさの範囲を有する輪郭線検
出用シナプス結合71a ,71b および71c によって重み付
けられた信号として伝達され、それぞれのシナプス結合
の大きさに対応した線分を検出した画像72A,72Bおよ
び72Cを得ることができる。この検出された線分におい
て、例えばa層において切り出された画像が人間の顔を
含むものであった場合、輪郭線検出用シナプス結合71a
によって検出された画像72Aの線分は人間の目や口、耳
等の細い部分の線分をも含むものであり、輪郭線検出用
シナプス結合71c によって検出された画像72Cは、細い
部分の線分を含まず人間の顔の輪郭線からなる線分の
み、もしくはさらに大きな物体の輪郭を含むものであ
る。
【0068】次いでe1層において、図17に示すように
輪郭線検出用シナプス結合71a ,71b および71c と対応
した大きさの範囲を有する協調競合シナプス結合73a ,
73bおよび73c によって、それぞれの協調競合用シナプ
ス結合と対応する画像72A,72Bおよび72Cが重み付け
られた信号として伝達される。これにより、それぞれの
画像において円環方向に連続性が高くしかも強い興奮を
有する途切れた線分のニューロンは互いに協調し合い、
線分の端点のニューロンに隣接するニューロンが円環方
向に興奮されていき、途切れていた線分は円環方向に連
続した線分となる。一方、円環方向に対して連続性が低
くしかも興奮が弱いニューロンは、連続性が高く、強い
興奮を有するニューロンと競合して消去される。この場
合、画像72Aは、協調競合用シナプス結合73a に合わせ
て小さな範囲で線分の協調、競合がなされるため、図17
(a) の画像74Aに示すように細い線分を選択する。一方
画像72Bは、協調競合用シナプス結合73b に合わせて協
調競合用シナプス結合72aよりも大きな範囲で線分の協
調、競合がなされるため、図17(b) の画像74Bに示すよ
うな線分を選択し、協調競合用シナプス結合73c で重み
付けられた信号として伝達された画像72Cは、図17(c)
の画像74Cに示すような線分を選択することとなる。
【0069】このようにして、線分が選択された画像74
A,74Bおよび74Cは、各画像間でニューロンの発する
興奮信号の伝達が相互になされており、各画像のいずれ
においても、対応する位置に存在するニューロンが興奮
している部分において、特に有利に協調競合の作用が進
み、この結果、所定被写体候補の輪郭線を求めるのに最
適なニューロンのみが興奮し続けることになる。このよ
うにして整理された各画像のニューロンの興奮の状態を
統合して、所定被写体候補の輪郭線が形成され、抽出さ
れる。
【0070】一方、c2層においては、図18(a) ,(b)
および(c) に示す3種類の大きさの範囲を有する輪郭線
検出用シナプス結合75a ,75b および75c によって、複
素対数座標変換された画像が重み付けられた信号として
伝達され、それぞれのシナプス結合の大きさに対応した
線分を検出した画像76A,76Bおよび76Cを得ることが
できる。この検出された線分において、輪郭線検出用シ
ナプス結合75a によって検出された画像76Aの線分はa
層において切り出された画像のより細い部分の線分を含
むものであり、画像76B、76Cの順に、より大きな範囲
で抽出された線分となる。
【0071】次いで、e2層において、図19に示すよう
に、輪郭線検出用シナプス結合75a,75b および75c と
対応した大きさの範囲を有する協調競合用シナプス結合
77a,77b および77c によって、それぞれの協調競合用
シナプス結合と対応する画像76A,76Bおよび76Cが重
み付けられた信号として伝達される。これにより、それ
ぞれの画像において放射方向に連続性が高く、しかも強
い興奮を有する途切れた線分のニューロンは互いに協調
し合い、線分の端点のニューロンに隣接するニューロン
が放射方向に興奮されていき、途切れていた線分は放射
方向に連続した線分となる。一方、放射方向に対して連
続性が低くしかも興奮が弱いニューロンは、連続性が高
く強い興奮を有するニューロンと競合して消去される。
このの場合、画像76Aは、協調競合用シナプス結合77a
に合わせて小さな範囲で線分の協調競合がなされるた
め、図19(a) の画像78Aに示すように細い線分を選択す
る。一方、画像76Bは、協調競合用シナプス結合77b に
合わせて協調競合用シナプス結合77a よりも大きな範囲
で線分の協調、競合がなされるため、図19(b) の画像78
Bに示すような線分を選択し、協調競合用シナプス結合
77c で重み付けられた信号として伝達された画像76C
は、図19(c) の画像78Cに示すような線分を選択するこ
ととなる。
【0072】このようにして、線分が選択された画像78
A,78Bおよび78Cは各画像間でニューロンの発する興
奮信号の伝達が相互になされており、各画像のいずれに
おいても、対応する位置に存在するニューロンが興奮し
ている部分において、特に有利に協調競合の作用が進
み、この結果、所定被写体候補の輪郭線を抽出するのに
最適なニューロンのみが興奮し続けることとなる。この
ようにして整理された各画像のニューロンの興奮の状態
を統合して、所定被写体候補の輪郭線が形成され、抽出
される。
【0073】次に、本発明による被写体輪郭線抽出方法
の第3実施例について説明する。
【0074】本発明による被写体輪郭線抽出方法の第3
実施例は、所定の大きさの注目領域の範囲で切り出した
画像を複素対数座標変換しないで実空間座標状のニュー
ロン配列をしたニューラルネットワークを用いて所定被
写体候補の輪郭線を抽出するものである。
【0075】図20は本発明の第3実施例による所定被写
体候補の輪郭線の抽出を行うニューラルネットワークの
1例を表わす図である。本発明の第3実施例のニューラ
ルネットワークは、与えられた画像90から所定の大きさ
の注目領域の範囲に画像を切り出す入力層100 、切り出
した画像から円弧状の線分を検出する線分検出層101、
切り出した画像から放射状の線分を検出する線分検出層
101 ′、放射状の線分の端点を検出する端点検出層102
、連続する円弧状の線分を選択する相互結合層103 お
よび連続する放射状の線分を選択する相互結合層103 ′
からなる。すなわち入力層100 は図2における複素対数
座標で所定被写体候補の輪郭線を抽出するニューラルネ
ットワークのa層と、線分検出層101 ,101 ′はc1
層,c2層と、端点検出層102 はd層と、相互結合層10
3 ,103 ′はe1層,e2層とそれぞれ対応している。
【0076】まず入力層100 において、所定の大きさの
注目領域の範囲の画像が切り出されて外界から取り込ま
れる。入力層100 において取り込まれた画像は線分検出
層101 ,101 ′において円弧状および放射状の線分が検
出される。この検出を行なうために、入力層100 から線
分検出層101 ,101 ′へのシナプス結合の重みはそれぞ
れ図21(a) 、図24(a) に示すように設定されている。す
なわち、線分検出層101 においては注目領域中心点を取
り囲むように円弧状の線分を検出しやすいようなシナプ
ス結合が同心円状に配置され、しかもそのシナプス結合
のサイズは、注目領域中心点に近いほど結合範囲が狭く
なるようなシナプス結合群108 となっている。一方、線
分検出層101 ′においては、注目領域中心点の中心から
放射状に延びる線分を検出しやすいようなシナプス結合
が同心円状に配置され、しかもそのシナプス結合のサイ
ズはシナプス結合群108 と同様に注目領域中心点に近い
ぼど結合範囲が狭くなるようなシナプス結合群108 ′と
なっている。ここで、中心点までの距離に応じて結合範
囲が変化するのは、複素対数座標変換を行う第1または
第2実施例において、放射方向の距離が非線形に対数変
換されるのに対応している。円弧状および放射状の線分
が検出されると、次いで端点検出層102 においては、放
射状の線分が検出された線分検出層101 ′の画像から、
ある所定被写体候補が手前に存在する別の物体に遮ぎら
れた場合にその境界で発生する放射状の線分の端点を抽
出する。この端点は図22(a) および(b) に示すようなシ
ナプス結合で入力層101 ′の画像を重み付けられた信号
として伝達することにより検出される。なお、ここでは
シナプス結合112aにより注目領域中心点から外側へと向
かう線分の端点が、シナプス結合112bにより注目領域中
心点へと向かう線分の端点がそれぞれ検出される。以上
のように端点検出層102 で検出された放射状の線分の端
点は、図23に示すシナプス結合113 により、円環方向に
沿った所定被写体候補の予想輪郭線として相互結合層10
3 へと伝達される。このようにして円弧状の線分、予想
輪郭線および放射状の線分が検出されると、次いで相互
結合層103,103 ′において連続する円弧状および放射
状の線分が選択される。相互結合層103 の層内で互いに
結合しているシナプス結合の重みは図21(b) に示すよう
に設定されており、注目領域中心点Qを中心として注目
領域中心点Qをとり囲む形で円周方向の線分は互いに協
調し合い、円周方向に連続性が高く、しかも強度が強い
線分は強調されて、背景等により円周方向に途切れてい
た線分は連続するようになる一方で放射方向の線分は円
周方向に連続性が高く強度が強い線分と競合し、円周方
向の線分が発する抑制信号により抑制されて消去される
ようなシナプス結合群109 となっている。一方、相互結
合層103 ′の層内での互いに結合しているシナプス結合
の重みは図24(b) に示すように設定されており、注目領
域中心点Qを中心として注目領域中心点Qをとり囲む形
で放射方向の線分は互いに協調し合い、放射方向に連続
性が高く、しかも強度が強い線分は強調されて、背景等
により放射方向に途切れていた線分は連続するようにな
る一方で、円周方向の線分は放射方向に連続性が高く強
度が線分と競合し、放射方向の線分が発する抑制信号に
より抑制されて消去されるようなシナプス結合群109 ′
となっている。
【0077】上述したように、所定被写体候補の輪郭線
が選択されると、前述した本発明の第1および第2実施
例と同様に所定被写体候補の輪郭線を正規化して抽出す
る。
【0078】この所定被写体候補の輪郭線の抽出である
が、本発明による第3実施例においても相互結合層103
内のニューロンに対して式(6) に示すような特性を与え
ておくことにより、前述した本発明の第1および第2実
施例と同様の図13に示すような画像から顔62a と標識64
双方を別々に抽出することができる。例えば図13に示す
画像から得られた図25(a) に示すような顔の輪郭線62a
″と標識の輪郭線64″とが強調された画像において、
本発明による第1および第2実施例と同様にまず顔の輪
郭線62a ″と標識の輪郭線64″との間で協調、競合がな
され、より強い輪郭線である顔の輪郭線62a ″が標識の
輪郭線64″を抑制して消去し、図25(b) に示すように顔
の輪郭線62a ″のみが残った状態となる。この図25(b)
に示す状態において、まず図13に示す人間の顔62a が抽
出される。この抽出後、時間の経過により、顔の輪郭線
62a ″の部分のニューロンは疲れが溜り、入力を受けて
も出力の低下を生じるようになる。この出力の低下によ
り、顔の輪郭線62a ″の部分のニューロンの出力は図25
(c) に示すように消えてしまうため、今まで顔の輪郭線
62a ″によって抑制されていた標識の輪郭線64″の部分
のニューロンは図25(d) に示すように再度出力を示すよ
うになる。この図25(d) に示す状態で図13における標識
64の輪郭線が抽出される。
【0079】上述した実施例において抽出された所定被
写体候補の輪郭線は、輪郭線に囲まれた領域を抽出する
方法、輪郭線から注目領域の移動方向を求め、この注目
領域を所定被写体候補の中心点に移動させる方法、ある
いは注目領域の移動方向から画像中の場の傾きを求める
方法等、輪郭線の情報を利用する様々な画像処理を行う
分野に適用することができる。
【0080】なお、上記実施例においては、人間の顔と
標識とが完全に重なり合った画像から、顔と標識との輪
郭線を別々に抽出するようにしているが、本発明による
被写体輪郭線抽出方法は、複数の所定被写体候補の少な
くとも1部分が重なり合った状態で映し込まれている画
像、例えば、図26に示すような3人の人間の顔がわずか
ずつ重なり合っているような画像からでも、それぞれの
顔の輪郭線を別々に抽出することができるものである。
【0081】なお、所定被写体候補が重なっていないよ
うな画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出する場合
は、とくに、抽出した所定被写体候補の輪郭線に再抽出
防止処理を施すことなく、所定被写体候補の輪郭線の抽
出を行うことができる。
【0082】また、上述した本発明による第1,第2お
よび第3実施例においては、ニューラルネットワークを
用いて所定被写体候補の輪郭線の抽出を行っているが、
とくにニューラルネットワークを用いる必要はなく、い
かなる手法を用いてもよいことはもちろんである。
【0083】また、上記実施例においては、本発明の被
写体輪郭線抽出方法を人の顔の輪郭線の抽出のために用
いているが、抽出は人の顔に限定されるものではなく、
いかなる被写体の輪郭線の抽出にも用いることができ
る。この場合、抽出にニューラルネットワークを用い
て、抽出を行う被写体に適した構成で学習を行えば、人
の顔の輪郭線の抽出と同じように効率的に抽出を行うこ
とができる。
【0084】さらに、上記実施例においては、ニューラ
ルネットワークに疲れの項を導入することによって再抽
出防止処理を行うようにしているが、1度抽出した所定
被写体候補の輪郭線を再度抽出することを防止できるも
のであればいかなる処理を施してもよく、例えば、一度
抽出した所定被写体候補の輪郭線にマスキングを施すよ
うにしてもよいものである。
【0085】また、上記実施例においては、画像からの
注目領域の範囲の画像の切り出しから所定被写体候補の
輪郭線の抽出までの全てのステップにニューラルネット
ワークを用いているが、とくに全てのステップに用いる
必要はなく、被写体輪郭線抽出の少なくとも1つのステ
ップに用いればよい。また、所定被写体候補の輪郭線の
抽出をニューラルネットワークを用いて行うようにして
もよいことはもちろんである。
【0086】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る被写体輪郭線抽出方法は、画像から高精度に所定被写
体候補の輪郭線を抽出することができるため、本発明に
よる被写体輪郭線抽出方法を注目領域の移動、画像の場
の傾きの検出あるいは被写体の抽出などに適用すること
により演算時間を短縮でき本発明を用いたシステムの能
力を向上させることが可能となる。
【0087】また、本発明による別の被写体輪郭線抽出
方法は、所定被写体候補の輪郭線が不明瞭な場合であっ
ても、所定被写体候補に遮られた放射方向の線分の端点
を検出することによって所定被写体候補を絞り込み、画
像から高精度に所定被写体候補の輪郭線を抽出すること
ができる。なお、放射方向の線分の端点を検出しなくと
も、所定被写体候補の輪郭線の抽出を行うことができる
場合は、とくに、放射方向の線分の端点を検出する必要
はない。
【0088】また、本発明による被写体輪郭線抽出方法
は、複数の所定被写体候補の少なくとも一部分が重なり
合って映し込まれている画像からであっても所定被写体
候補の輪郭線を1つずつ別々にくまなくかつ高精度に抽
出することができる。
【0089】さらに、本発明による被写体輪郭線抽出方
法は、大きさや形状が異なる所定被写体候補の輪郭線を
略同一の大きさおよび/または形状にして抽出すること
ができるため、被写体輪郭線抽出の次のステップであ
る、注目領域の移動や場の傾き検出のシステムに対して
負担をかけることなく、注目領域の移動や場の傾きの検
出を適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被写体輪郭線抽出方法の基本的概
念を示すブロック図
【図2】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第1実施例に
よる所定被写体候補の輪郭線の抽出を行うニューラルネ
ットワークの一例を表わす図
【図3】様々な図形が複素対数座標変換された結果を示
す図
【図4】c1層およびc2層において線分を抽出するシ
ナプス結合を表す図
【図5】a層において切り出された画像から円環方向の
線分が強調される状態を表わす図
【図6】a層において放射方向の線分の端点を検出する
シナプス結合を表わす図
【図7】c1層において抽出された線分が協調、競合す
る状態を表す図
【図8】c2層において抽出された線分が協調、競合す
る状態を表す図
【図9】大きな顔および小さい顔が複素対数座標変換さ
れた状態を表わす図
【図10】本発明の実施例による所定被写体候補の輪郭
線の正規化の方法を説明するための図
【図11】長い顔が複素対数座標変換された状態を表わ
す図
【図12】本発明の実施例による所定被写体候補の輪郭
線の交点で注目領域が停止した場合の所定被写体候補の
輪郭線の抽出を説明するための図
【図13】人間と標識とが映し込まれた画像上を注目領
域中心点が移動する状態を表わす図
【図14】本発明による第1実施例においてe1層で所
定被写体候補の輪郭線の部分のニューロンが疲れる状態
を表す図
【図15】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第2実施例
による所定被写体候補の輪郭線の抽出を行うニューラル
ネットワークの一例を表す図
【図16】本発明による第2実施例においてc1層で線
分が抽出される状態を表す図
【図17】本発明による第2実施例においてe1層で線
分が協調、競合する状態を表す図
【図18】本発明による第2実施例においてc2層で線
分が抽出される状態を表す図
【図19】本発明による第2実施例においてc2層で線
分が協調、競合する状態を表す図
【図20】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第3実施例
による所定被写体候補の輪郭線の抽出を行うニューラル
ネットワークの1例を表わす図
【図21】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第3実施例
によるニューラルネットワークの各層のシナプス結合の
重みを表わす図
【図22】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第3実施例
による放射方向の線分の端点を検出するシナプス結合を
表わす図
【図23】本発明の被写体輪郭線抽出方法の第3実施例
による所定被写体候補の円環方向の予想輪郭線を検出す
るためのシナプス結合を表わす図
【図24】本発明の被写体輪郭線抽出方法によるニュー
ラルネットワークのシナプス結合の重みを表わす図
【図25】本発明による第3実施例において相互結合層
で所定被写体候補の輪郭線の部分のニューロンが疲れる
状態を表す図
【図26】3人の人間が移し込まれている画像を表す図
【図27】Finkelの方法により物体の輪郭線が形成され
る状態を表わす図
【符号の説明】
3 探索ニューラルネット部 7,9,73a ,73b ,73c ,77a ,77b ,77c 協調
競合用シナプス結合 46 小さい顔 47 大きい顔 55 長い顔 62a 人間の顔 64 標識 71a ,71b ,71c ,75a ,75b ,75c 輪郭線検出用
シナプス結合 Q 注目領域中心点 O 所定被写体候補の中心点
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−13092 (32)優先日 平4(1992)1月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−13093 (32)優先日 平4(1992)1月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−13095 (32)優先日 平4(1992)1月28日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出
    する被写体輪郭線抽出方法であって、 前記画像に注目点を設定し、該画像から前記注目点を中
    心とする所定方向の線分を検出し、 該検出された線分のうち、前記所定方向と略同一方向に
    連続性が高い線分および/または強度が大きい線分を互
    いに協調させることによって強調するとともに、前記各
    線分と前記方向に連続性が低い線分および/または強度
    が小さい線分とを互いに競合させることによって該連続
    性が低い線分および/または強度が小さい線分を消去す
    ることにより前記所定被写体候補の輪郭線を抽出するこ
    とを特徴とする被写体輪郭線抽出方法。
  2. 【請求項2】 前記所定被写体候補の所定方向の線分の
    検出を、前記画像を前記注目点を極として複素対数座標
    変換した後に行うことを特徴とする請求項1記載の被写
    体輪郭線抽出方法。
  3. 【請求項3】 前記線分の検出を、段階的に異なる大き
    さの範囲を有する複数の輪郭線検出用マスクを使用し
    て、前記切り出された画像をコンボリューションさせる
    ことにより該各マスク毎に行い、 前記検出された線分の強調および消去を、前記マスクの
    大きさと対応した大きさの範囲を有する複数の協調競合
    用マスクを使用して、前記各輪郭線検出用マスク毎に検
    出された線分毎にコンボリューションさせ、前記各協調
    競合用マスク毎に強調された各線分を協調および競合さ
    せることにより行うことを特徴とする請求項1または2
    記載の被写体輪郭線抽出方法。
  4. 【請求項4】 画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出
    する被写体輪郭線抽出方法であって、 前記画像に注目点を設定し、該画像から前記注目点に対
    して放射方向の線分を検出し、 前記検出された放射方向の線分の端点を検出し、 該検出された端点に基づいて前記所定被写体候補の円環
    方向の輪郭線を形成することを特徴とする被写体輪郭線
    抽出方法。
  5. 【請求項5】 前記所定被写体候補の放射方向の線分の
    検出を、前記画像を前記注目点を極として複素対数座標
    変換した後に行うことを特徴とする請求項4記載の被写
    体輪郭線抽出方法。
  6. 【請求項6】 画像から所定被写体候補の輪郭線を抽出
    する被写体輪郭線抽出方法であって、 前記画像に注目点を設定し、該画像から前記注目点に対
    して円環方向および放射方向の線分を検出し、 該検出された線分のうち放射方向の線分を強調し、 前記検出された線分のうち放射方向の線分の端点を検出
    し、 該検出された端点に基づいて前記検出された線分のうち
    前記所定被写体候補の円環方向の輪郭線を強調すること
    により輪郭線を抽出することを特徴とする被写体輪郭線
    抽出方法。
  7. 【請求項7】 前記所定被写体候補の放射方向および円
    環方向の線分の検出を、前記画像を前記注目点を極とし
    て複素対数座標変換した後に行うことを特徴とする請求
    項6記載の被写体輪郭線抽出方法。
  8. 【請求項8】 複数の所定被写体候補が少なくとも一部
    重なり合って映し込まれている画像から該所定被写体候
    補の輪郭線を抽出するための被写体輪郭線抽出方法であ
    って、 前記画像に注目点を設定し、該画像から前記注目点に対
    して所定方向の線分を検出し、 該検出された線分のうち、前記所定方向と略同一方向に
    連続性が高い線分および/または強度が大きい線分を互
    いに協調させることによって強調するとともに、前記各
    線分と前記方向に連続性が低い線分および/または強度
    が小さい線分とを互いに競合させることによって該連続
    性が低い線分および/または強度が小さい線分を消去す
    ることにより前記複数の所定被写体候補のうちの1つの
    所定被写体候補の輪郭線を抽出し、 該抽出された所定被写体候補の輪郭線に再抽出防止処理
    を施し、 前記強調された線分とは異なる線分を強調および消去す
    ることにより前記抽出された所定被写体候補のうちの1
    つの所定被写体候補の輪郭線とは異なる所定被写体候補
    の輪郭線の抽出を行うことを特徴とする被写体輪郭線抽
    出方法。
  9. 【請求項9】 前記所定被写体候補の所定方向の線分の
    検出を、前記画像を前記注目点を極として複素対数座標
    変換した後に行うことを特徴とする請求項8記載の被写
    体輪郭線抽出方法。
  10. 【請求項10】 前記検出された輪郭線の強調および消
    去をニューラルネットワークを用いて行い、前記再抽出
    防止処理をニューラルネットワークに疲れの項を導入す
    ることにより行うことを特徴とする請求項8または9記
    載の被写体輪郭線抽出方法。
  11. 【請求項11】 画像から所定被写体候補の輪郭線を抽
    出する被写体輪郭線抽出方法において、 所定の大きさの注目点と前記所定被写体候補の輪郭線と
    を基準として前記所定被写体候補の大きさおよび/また
    は形状を正規化し、その後この正規化された所定被写体
    候補の輪郭線を抽出することを特徴とする被写体輪郭線
    抽出方法。
JP4-242463A 1992-01-28 1992-09-11 被写体輪郭線抽出装置 Expired - Lifetime JP3002929B2 (ja)

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JP23321391 1991-09-12
JP3-323343 1991-12-06
JP3-233213 1991-12-06
JP3-323342 1991-12-06
JP32334391 1991-12-06
JP32334291 1991-12-06
JP4-13095 1992-01-28
JP1309292 1992-01-28
JP4-13093 1992-01-28
JP1309392 1992-01-28
JP4-13092 1992-01-28
JP1309592 1992-01-28

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