JPH05305939A - 中仕切付きの折畳式段ボール箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一部材から成り、製作・保管コストを極力
低く押えられ、簡単・迅速に箱状に折上げられ、組立の
手間と経費も大幅に節減出来る、中仕切付きの折畳式段
ボール箱を提供する。 【構成】 矩形段ボール１００の長手方向の中央部に、
２条の主折り目Ａ及びＢを所定間隔を隔てて、段ボール
の幅方向に平行状に設け、両主折り目Ａ，Ｂ間に跨がら
せて、縦側壁２Ａ，２Ｂを切起状に形成させる切起用切
れ目Ｃ及び切起用折り目Ｄを設け、主折り目の夫々の外
側に順次、２つ折用折り目Ｆ、平行折り目Ｇ及びＨを介
して、外側横側壁１、内側横側壁５、箱底面６、及び、
中仕切７を夫々連設すると共に、中仕切７の両側端には
掛止片７ａを延設し、更に、縦側壁２Ａ，２Ｂには、矩
形段ボールを前記各折り目に沿って折曲して中仕切付き
の箱の形態に折上げる際に前記掛止片７ａと干渉する箇
所に、嵌合用切欠８を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、所定の複数箇所に折り
目や切れ目等を設けた１枚の矩形段ボールを、その折り
目に沿って折曲させることにより、内部を２区画に区切
る中仕切が一体に形成された箱が殆どワンタッチ操作で
折り上がる様に構成した、中仕切付きの折畳式段ボール
箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】仕切付きの折畳式段ボール箱としては、
例えば、パック詰苺を４箱づつ納める為の、十文字状の
仕切を設けたものが様々に考えられている。此等の従来
のものは、所定箇所に折り目や切れ目等を設けた１枚の
段ボールを素材として箱を折上げ、続いて、別個に作っ
た中仕切を折上げた箱の中に組み込むという２段階の作
業が必要であり、然も、折上げた箱が外力によって崩れ
るのを防ぐ為に、箱の四隅に夫々折重ね構造を設けて補
強したり、この折重ね構造を固定させる為に、複数箇所
に掛止爪とその掛合孔を設ける等して、複雑な構造を備
えていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この様に、従来の仕切
付きの折畳式段ボール箱は、複数の部材を組合わせて構
成されているで、此等の部材の裁断加工費が嵩み、組立
に多くの手間が掛かる上に、その保管・輸送にも余分の
手間と経費を要する難点があった。その為、作製及び組
立をより簡単に行えて、梱包コストの目立った低減を達
成出来る、仕切付きの折畳式段ボール箱の出現が望まれ
ていた。そこで、本発明の目的は、一枚の段ボールから
箱を折り上げる際に、中仕切を切起法によって同時形成
させることにより、仕切材を別個に用意する必要を無く
すと共に、切起しによって生じた切欠孔を塞ぐ手段も講
じ、従来の複数の部材を必要として構成が複雑なものに
比べて、製作、保管コストを低く押えられと共に、簡単
・迅速に箱を折り上げることが出来る、中仕切付きの折
畳式段ボール箱を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
の、本発明による中仕切付きの折畳式段ボール箱は、所
定の複数箇所に折り目や切れ目等を設けた１枚の矩形段
ボールを、その折り目に沿って折曲させることにより、
箱内を２区画に区切る中仕切を一体に形成させた箱が、
簡単・迅速に折り上がる様に構成されたものであって、
前記矩形段ボール１００の長手方向の中央部に、２条の
主折り目Ａ及びＢを所定間隔を隔てて、段ボールの幅方
向に平行状に設け、前記主折り目Ａ，Ｂ間に跨がらせ
て、縦側壁２Ａ，２Ｂを切起状に形成させる為の、切起
用切れ目Ｃ及び切起用折り目Ｄ，ｄを設け、前記主折り
目Ａ，Ｂの夫々の外側に外側横側壁１を連設し、この外
側横側壁１の外側に２つ折用折り目Ｆを介して内側横側
壁５を連設し、この内側横側壁５の外側に平行折り目Ｇ
を介して箱底面６を連設し、この箱底面６の外側に平行
折り目Ｈを介して中仕切７を夫々連設すると共に、この
中仕切７の両側端には掛止片７ａを延設し、前記縦側壁
２Ａ，２Ｂには、矩形段ボール１００を前記各折り目に
沿って折曲して中仕切付きの箱の形態に折り上げる際
に、前記掛止片７ａと干渉する箇所に、嵌合用切欠８を
設ける構成とした。前記縦側壁２Ａ，２Ｂの上縁部は、
２つ折状に折り重ねて補強するとよい。

【０００５】

【作用】１枚の矩形段ボール１００から、箱内を２区画
に区切る中仕切を一体に備えた箱を折上げるには、先
ず、主折り目Ａ及びＢを、一旦下向きに折曲させて折り
癖を付けたうえ、今度は上向きに折曲させると、外側横
側壁１，１間でその両端を圧迫された縦側壁２Ａ，２Ｂ
が切起状に自ずから起立される。次いで、２つ折用折り
目Ｆ，Ｆを内向きに２つ折りして内外両横側壁１，１を
重ね合わせ、切起しによって外側横側壁１生じた切欠孔
を塞ぐと共に横側壁を補強する。更に、平行折り目Ｇ及
びＨを夫々下向きに直角に折曲させれば、箱底面６，６
が箱の底となる位置にもたらされて箱が折り上がると共
に、両中仕切７，７が重合されて箱内の真ん中に立設さ
れ、この時、掛止片７ａが嵌合用切欠８に嵌合されて、
折り上げ状態が強固に固定される。

【０００６】

【実施例】以下に、図１乃至図５を参照し乍ら本発明の
一実施例を説明する。図５に示した形態に折上げられ
る、本発明による折畳式段ボール箱は、保管・運搬時に
は、図１に示した嵩張らない１枚の矩形段ボール１００
の状態に展開されている。矩形段ボール１００の中央部
には、２条の主折り目Ａ及びＢを、段ボール箱の縦方向
長さに等しい間隔を隔てて、段ボールの幅方向に平行状
に設けている。両主折り目Ａ，Ｂの夫々の外側には、主
折り目Ａ，Ｂを夫々介して外側横側壁１，１を連設して
いる。そして、両主折り目Ａ，Ｂ間には、縦側壁２Ａ，
２Ｂを切起状に形成させる為に、両外側横側壁１，１間
に間に跨がらせて、切起用切れ目Ｃ及び１組の切起用折
り目Ｄ，ｄ及びＤ，ｄを設けている。

【０００７】切起用切れ目Ｃは、全体として偏平な略Ｈ
字形に形成されており、この実施例では、縦側壁２Ａ，
２Ｂの各上縁部を２枚重ね状に２つ折して補強する為
に、切起用切れ目Ｃの上記Ｈ字の横画に当たる部分は、
両主折り目Ａ，Ｂ間のみに設け、切起用切れ目Ｃのこの
横画に当たる部分の両側には、所定間隔を隔てて２つ折
用折り目Ｅ，Ｅを設けて、折返片３，３を形成させてい
る。一方、切起用折り目Ｄは、矩形段ボール１００の長
手方向両縁端近くに、この縁部に平行させて両主折り目
Ａ，Ｂ間に設けた折り目Ｄと、この折り目Ｄの各末端
と、切起用切れ目Ｃの両縦画部分の各末端とを結ぶ切起
用斜折り目ｄとを連設した形状を備えている。その為、
両外側横側壁１，１の各両側端には、台形をした切起用
補助片４が、主折り目Ａ，Ｂを介して連結された状態に
ある。尚、切起用折り目Ｄ，ｄの裏側には切れ目を設け
て折曲し易くしている。

【０００８】両外側横側壁１，１の夫々の外側には、両
切起用折り目Ｄ，Ｄ間の間隔に略等しい横幅の内側横側
壁５，５を、２つ折用折り目Ｆを介して連設し、この内
側横側壁５，５の夫々の外側には平行折り目Ｇを介して
箱底面６，６を連設し、各箱底面６，６の外側端に設け
た平行折り目Ｈと矩形段ボール１００の長手方向の各縁
端との間を夫々中仕切７，７としている。各中仕切７，
７には、その上縁部の両側端に、夫々鈎形をした掛止片
７ａを延設している。そして、縦側壁２Ａ，２Ｂには、
夫々２つ折用折り目Ｅの真ん中に、この掛止片７ａの切
欠部に掛合する嵌合用切欠８を直交状に設けている。

【０００９】次に、上記構成の作用を説明する。矩形段
ボール１００から、図５に示した形態の中仕切付きの箱
を折り上げるには、先ず、図２に示した様に両主折り目
Ａ，Ｂを夫々一旦下向きに折曲させて、縦側壁２Ａ，２
Ｂを起立させ易い様に折癖を付ける。次いで、図３に示
した様に両外側横側壁１，１を、主折り目Ａ，Ｂに沿っ
て上向きに折曲し起立させてゆくと、両外側横側壁１，
１間でその両側端を圧迫された縦側壁２Ａ，２Ｂは、切
起用折り目Ｄ，ｄに沿って折曲されて、自ずから起立さ
れる。起立された縦側壁２Ａ，２Ｂは、夫々の上部を２
つ折用折り目Ｅに沿って外側に折り返せば、その強度を
増すことが出来る（図４参照）。

【００１０】続いて、両２つ折用折り目Ｆを上向きに、
両平行折り目Ｇ，Ｈを夫々下向きに（図１の状態を基に
して言えば）、夫々図４の様に直角に迄折曲させて行く
と、縦側壁２Ａ，２Ｂが切起されたことによって外側横
側壁１に生じた切欠孔が内側横側壁５によって封鎖され
ると共に、箱の内側面の見た目が良くなり、且つ横側壁
が補強される。そして、箱底面６，６によって段ボール
箱の底が形成される。又、両中仕切７，７が互いに重な
り合って、折上がった箱内の真ん中に起立された状態に
なる。この起立状態で、中仕切７の両側端に設けた掛止
片７ａの切欠部が、縦側壁２Ａ，２Ｂの真ん中に設けた
嵌合用切欠８に掛合するので、中仕切７はその起立状態
を固定されると共に、両縦側壁２Ａ，２Ｂ間の間隔が拡
がるのが防がれて、中仕切を一体に備えた段ボール箱の
組立状態が強固に固定される。折り上げた箱を、再び一
枚の段ボールに展開させる操作も簡単迅速に行える。

【００１１】尚、上記構成に於いて、段ボール箱の縦・
横方向の区別は便宜上付けたものである。そして、中仕
切７を設ける位置は、箱内の中央部に限られず、２個の
収容物品の大きさが夫々異なる場合には、それらの寸法
比に対応した位置に立設される様に、２つの箱底面６，
６の寸法比を適宜に変えればよい。そして、箱の各部の
寸法比に就いても勿論同様である。又、縦側壁２Ａ，２
Ｂの上縁部は、箱の大きさによっては、必ずしも２つ折
する必要はない。

【００１２】

【発明の効果】以上の説明によって明らかな様に、本発
明による中仕切付きの折畳式段ボール箱は、中仕切を切
起法によって形成させる様に構成したことによって、以
下に列挙した如き実用上の優れた効果を奏する。 （ａ） 唯一枚の矩形段ボールで構成されているで、従
来の複数の部材の組合わせから成る仕切付き段ボール箱
に比べて、組立の手間は勿論、素材の裁断・加工費、そ
して、その保管・輸送費等も顕著に節減され、総じて、
物品の梱包コストの大幅低減が達成される。 （ｂ） 仕切を切起形成させた後に、外側縦側壁に生じ
た切欠孔は、内側横側壁によって塞がれるので、段ボー
ル箱内に例えば、小粒の果物や菜果をばらで納めた場合
にも、中身がこぼれ出る恐れを生じない。 （ｃ） そして、上記切欠孔の為に強度低下した外側横
側壁は、内側横側壁によって十分に補強される。 （ｄ） 又、２枚重ねにされた中仕切及び縦仕切によっ
て、箱の強度が十分に高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す、段ボール箱を１枚の
矩形段ボールに展開させた状態の平面図である。

【図２】同上、矩形段ボールを箱の形態に折り上げ始め
る時の折り方の説明図である。

【図３】同上、折上げ途中の折り方の説明図である。

【図４】同上、箱底面及び中仕切を形成させつつある状
態を示す斜視図である。

【図５】同上、折上がった段ボール箱の斜視図である。

【符号の説明】

１００ 矩形段ボール Ａ，Ｂ 主折り目 Ｃ 切起用切れ目 Ｄ 切起用折り目 ｄ 切起用斜折り目 Ｅ，Ｆ ２つ折用折り目 Ｇ，Ｈ 平行折り目 １ 外側横側壁 ２Ａ，２Ｂ 縦側壁 ３ 折返片 ４ 切起用補助片 ５ 内側横側壁 ６ 箱底面 ７ 中仕切 ７ａ 掛止片 ８ 嵌合用切欠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の複数箇所に折り目や切れ目等を設
   けた１枚の矩形段ボールを、その折り目に沿って折曲さ
   せることにより、箱内を２区画に区切る中仕切を一体に
   形成させた箱が、簡単・迅速に折り上がる様に構成され
   たものであって、 前記矩形段ボール１００の中央部に、２条の主折り目Ａ
   及びＢを所定間隔を隔てて、段ボールの幅方向に平行状
   に設け、 前記主折り目Ａ，Ｂ間に跨がらせて、縦側壁２Ａ，２Ｂ
   を切起状に形成させる為の、切起用切れ目Ｃ及び切起用
   折り目Ｄ，ｄを設け、 前記主折り目Ａ，Ｂの夫々の外側に外側横側壁１を連設
   し、この外側横側壁１の外側に２つ折用折り目Ｆを介し
   て内側横側壁５を連設し、この内側横側壁５の外側に平
   行折り目Ｇを介して箱底面６を連設し、この箱底面６の
   外側に平行折り目Ｈを介して中仕切７を夫々連設すると
   共に、この中仕切７の両側端には掛止片７ａを延設し、 前記縦側壁２Ａ，２Ｂには、矩形段ボール１００を前記
   各折り目に沿って折曲して中仕切付きの箱を折り上げる
   際に前記掛止片７ａと干渉する箇所に、嵌合用切欠８を
   設けたことを特徴とする中仕切付きの折畳式段ボール
   箱。
2. 【請求項２】 前記縦側壁２Ａ，２Ｂの上縁部を２つ折
   して折り重ね、補強したことを特徴とする請求項１項記
   載の中仕切付きの折畳式段ボール箱。