JPH0530235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、火災を煙によつて検出する煙感知
器における煙感知器用加煙試験器に関する。

［従来の技術］ 火災報知設備に用いられる煙感知器は、定期的
に加煙試験器によつて実際の煙を加え、正常に作
動するどうかの試験が行われている。このような
試験に用いる加煙試験器としては、例えば本出願
人が先に提案した第２図に示すようなもの（特公
昭58−32440号）が示されている。

第２図において、操作棒５の先端に設けられた
本体１には煙感知器Ｄを収容するフード４と、発
煙室２と、発煙室２内に有する線香などから成る
発煙材６と、発煙室２内で発生した煙を強制的に
煙感知器Ｄに送るフアン３を有するモーター７と
をそれぞれ備え、試験時、天井等に設備された煙
感知器Ｄに本体１を持つて行きフード４で煙感知
器Ｄを覆つて煙を送り込み、煙感知器Ｄの作動試
験を行い、作動確認していた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述のような従来の加煙試験器は、感知器Ｄの
作動下限煙濃度よりも極めて濃い煙を感知器Ｄに
送り込むため、感知器Ｄの作動、不作動の判別は
確認できるが、感度の変化、すなわち煙濃度［通
常は減光率（％／ｍ）で表される］に対するしき
い値レベルの変化がわからないため、失報あるい
は誤発報などの原因となつていた。

［問題点を解決するための手段］ この考案の煙感知器加煙試験器は、操作棒の上
端に本体を有し、該本体には上方に開口を有し煙
感知器を包囲できるような形状の収容体と、発煙
材を着火させて試験用の煙を発生させ、発生した
煙をフアンにより強制的に煙感知器に供給する発
煙室とを備えた煙感知器用加煙試験器において、
一定量毎の塊にされた複数の発煙材と、該複数の
発煙材を所定間隔をおいて配列して設けた帯状体
と、該帯状体の発煙材を着火する発熱体とを設
け、上記帯状体を所定長さずつずらして上記発煙
材を上記発熱体に接する位置に移動させ、１回の
着火で一定量の煙を発生できるようにしたことを
特徴としたもので、上述の問題点を解決したもの
である。

［実施例］ 第１図はこの考案の一実施例を示す煙感知器用
加煙試験器の断面図を示す。第１図において操作
棒５の先端に設けられた本体１には、煙感知器Ｄ
を収容する収容体８と、発煙室２と、発煙室２内
で発生した煙を強制的に煙感知器Ｄに送るフアン
３を有するモーター７とを備えている。発煙室２
には、一定量の塊からなる複数の発煙材６を所定
間隔毎に配列して固着した帯状体１０と、帯状体
１０は本体１の側面の一方からその一端が挿入さ
れ、対向する側面には帯状体１０を巻き取る巻取
装置９を設け、帯状体１０を所定長さ巻き取るこ
とにより使用していない発煙材６に移動させるも
のである。また、発煙室２の中央部には帯状体１
０が接触するように設けられた発熱体１１が設け
られている。この発熱体１１は操作棒５のスイツ
チ１２を操作することによつて加熱され、発煙材
６を着火するように構成されている。

この実施例においては巻取装置９のハンドル９
１を操作して行なうものを用いているが、ソレノ
イドなどを用い、スイツチ操作により自動的に帯
状体１０を一定の巾だけ移動させるようにするこ
ともできる。

第３図は、第１図で示した帯状体１０の構成を
示す断面図である。

帯状体１０は、袋詰されて一定量の塊からなる
複数の発煙材６と一体とされ、発熱体１１の加熱
により１つの発煙材６しか着火発煙しないように
所定間隔をおいて配列されて設けられている。ま
た、１個の発煙材６の量は着火により、煙感知器
Ｄのほぼ作動下限値の煙濃度となる煙を発生でき
るような適量に設定されている。

発煙材６としては、過塩素酸アンモニウム、塩
化アンモニウム等に発煙効果の高い塩化パラフイ
ン、酸化亜鉛などを加えた組成から構成されてい
る。

このような構成において、煙感知器Ｄの作動試
験を行うときは、本体１の収容体８に煙感知器Ｄ
を挿入し、モーター７および発熱体１１に電源
（図示しない）を印加し、発熱体１１上に在る発
煙材６を着火して発煙させる。煙感知器Ｄが正常
な感度を保持しておれば直ちに作動し、作動確認
表示灯あるいは警報ベル（いずれも図示せず）に
よつて確認することができる。

煙感知器Ｄの感度が変化し、正常なものより鈍
化しておれば、動作には至らず発報しないため、
当該煙感知器Ｄが不良であることが判明する。発
煙材６の着火用の発熱体１１、あるいは発煙材の
形状などはこの実施例のものに限定されるもので
はない。

［考案の効果］ この考案の煙感知器用加煙試験器は、煙感知器
に加煙する煙濃度を作動下限値で予めほぼ一定と
なるように構成したため、煙感知器を現場に設置
した後でも感度不良、すなわちしきい値レベルの
変化を定期点検の動作試験時に併せてチエツクで
きるなどの特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の煙感知器用加煙試験器の一
実施例を示す断面図、第２図は従来の煙感知器用
加煙試験器を示す断面図、第３図は第１図に示し
た帯状体の断面図である。 １……本体、２……発煙室、３……フアン、５
……操作棒、６……発煙材、７……モーター、８
……収容体、９……巻取装置、１０……帯状体、
１１……発熱体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作棒の上端に本体を有し、該本体には上方に
   開口を有し煙感知器を包囲できるような形状の収
   容体と、発煙材を着火させて試験用の煙を発生さ
   せ、発生した煙をフアンにより強制的に煙感知器
   に供給する発煙室とを備えた煙感知器用加煙試験
   器において、一定量毎の塊にされた複数の発煙材
   と、該複数の発煙材を所定間隔をおいて配列して
   設けた帯状体と、該帯状体の発煙材を着火する発
   熱体とを設け、上記帯状体を所定長さずつずらし
   て上記発煙材を上記発熱体に接する位置に移動さ
   せ、１回の着火で一定量の煙を発生できるように
   したことを特徴とする煙感知器用加煙試験器。