JPH0530191U - 布帛等の風合改良用ゴムロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で簡便に布帛を柔軟化することができる
ゴムロールを提供する。 【構成】 ロールが軟質ゴムからなり，その外周面が凹
凸形状を有しているゴムロール。 【効果】 簡単な装置で布帛に十分な柔軟性を付与でき
る。また，装置の設置スペースが少なくてすむ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，編織物や不織布等の布帛あるいはフイルム等の風合改良用ゴムロー ルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から，風合改良用装置としてサンフオライズ加工機，カムフイツト加工機 ，カレンダー加工機等が知られている。

【０００３】 サンフオライズ加工機やカムフイツト加工機は，回転するゴムベルトが加圧ロ ールの外周面を通過するときに引き伸ばされ，大径のメインドラムの外周面を通 過するときに弛緩するように構成されたものである。これらは，ゴムベルトの伸 縮を利用して布帛に対する押圧力を変化させ，布帛の風合の改良を図るものであ る。しかしながら，サンフオライズ加工機等は，大径のメインドラムを備え，さ らに，メインドラムの外周面を囲むゴムベルトを備えているため，装置が大きく なって設置スペースが大になるという欠点があった。また，これらの装置の価格 は，比較的高価であるという欠点もあった。

【０００４】 一方，カレンダー加工機としては，ロールカレンダー，フリクシヨンカレンダ ー，シユライナーカレンダー，フエルトカレンダー等が知られている。これらの 装置は，２〜１０数本の金属製ロール，綿製ロール，紙製ロール等が組み合わさ れており，これらのロールの間に布帛を導入して加工するというものである。カ レンダー加工機は，設置スペースも比較的小で，価格も廉価であり，さらに，布 帛に固有の風合を付与することができるものである。しかしながら，これらのカ レンダーロールの外周面は単一の素材で構成されているため，布帛に揉み効果を 与えることができず，柔軟な風合を付与しにくいという欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は，このような現状に鑑みて行われたもので，ゴムベルトの伸縮を利用 するサンフオライズ加工機やカムフイツト加工機のごとき大型加工機を用いるこ となく，カレンダー加工機と同様の仕様で布帛等を加工することにより，簡易か つ低廉に布帛等に柔軟な風合を付与することができる風合改良用のゴムロールを 提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上記目的を達成するもので，次の構成よりなるものである。 すなわち，本考案は，ロールの外周面が凹凸を有するゴムで構成されており， ＪＩＳＫ−６３０１のＡ型によるゴム硬度が２０〜７０であることを特徴とする 布帛等の風合改良用ゴムロールを要旨とするものである。 以下，本考案のロールの一例を図面を用いて詳細に説明する。

【０００７】 本考案でいう布帛等とは，織物，編物，不織布，フイルム等のシート状物を意 味するものとする。

【０００８】 本考案に係るロールは，軟質ゴムよりなり，図１に示すごとく，その外周面が 凹部１と凸部２より構成されている。凹部と凸部の配置の仕方は，図１に示す態 様の他，図２に示すごとく，ロール軸と平行な方向に凹部３と凸部４とが交互に 配置されていてもよく，また，図３に示すごとく，ロール軸の斜め方向に凹部５ と凸部６とが交互に配置されていてもよい。さらに，図示していないが，凹部と 凸部とが千鳥状，散点状，格子状，八の字状等の一定のパターンで交互に配置さ れていてもよく，また，凹部の模様が帯状でなく，波状のものでもよく，特に形 状は限定されるものではない。

【０００９】 図１〜図３に示すごとき態様で凹部１，３，５と凸部２，４，６とをそれぞれ 交互に配置した場合，帯状凹部の幅や凸部の幅は特に限定するものではないが， 一般的には０.5〜５cm程度であるのが好ましい。特に，帯状凸部２，４，６の幅 が０.5cm未満になると，押圧時に該凸部の変形量が大きくなりすぎて損傷するお それが生じる。また，５cmを超えると，布帛等に対する揉み効果が少なくなると ともに皺が発生しやすくなるので注意を必要とする。

【００１０】 凹部１，３，５と凸部２，４，６のそれぞれの高低差は特に限定するものでは ないが，一般的には０.2〜０.5cm程度であるのが好ましい。凹部と凸部の高低差 が０.2cm未満では，布帛等に与える揉み効果が少なくなるので好ましくなく，ま た，高低差が０.5cmを超えてさらに大きくなると，凸部が損傷するおそれが生じ ，布帛等に加工皺を発生させるおそれも生じるので好ましくない。

【００１１】 凸部に使用するゴムの硬度は，２０〜７０が好ましい。ここでゴムの硬度は， ＪＩＳＫ−６３０１のＡ型で測定した硬度を意味するものとする。凸部のゴムの 硬度が２０未満であると，凸部が押圧時に過大に変形し，ゴム自体の損傷が起き やすい。また，硬度が７０を超えると，ゴムが硬くなりすぎ，かつ伸縮性等が少 なくなるので，布帛等に対して目標とする揉み効果を十分与えることができなく なるので好ましくない。さらに十分な揉み効果を得るためには，凸部のゴム硬度 は３０〜５０程度であるのが好ましい。

【００１２】 ゴムロールを構成する素材としては，天然ゴムまたは合成ゴムを使用すること ができる。合成ゴムとしては，ブタジエン−スチレンゴム，ニトリルゴム，イソ プレンゴム，ステレオゴム，ブチルゴム，クロロプレンゴム，ウレタンゴム，シ リコーンゴム，弗素ゴム等を用いることができる。特に，天然ゴムはゴム状弾性 および耐熱性にバランスがとれており，本考案において使用するのに好ましいも のである。なお，未加硫の硬質および軟質天然ゴムを使用し，加硫させて本考案 に係るゴムロールを製造する場合，温度１３０〜１８０℃，時間２０分〜１０時 間の条件で加硫させるのが好ましい。

【００１３】 本考案に係るゴムロールは，他の金属製，綿製または紙製のロールと組み合わ せて一対とし，そこへ布帛等を導入して使用してもよいし，本考案に係るゴムロ ール同士を組み合わせて一対とし，そこへ布帛等を導入して使用してもよい。ま た，複数回ロールを通すことにより，より一層柔軟な布帛を得ることができる。

【００１４】

【作 用】

本考案のロールのように，外周面が凹凸状の軟質のゴムロールを使用して布帛 等を押圧すると，布帛等は凸部の軟質ゴムによって押圧されるが，本考案のゴム ロールと外周面が平らなロールとの組み合わせで使用すれば，押圧時に凸部が布 帛を押しつけることにより繊維の糸間をほぐす作用を与えるので，布帛等に柔軟 性を付与することができる。また，本考案のゴムロール同士を組み合わせて使用 すれば，凹凸間に布帛が挟まれて，凹凸部により手揉み効果が与えられ，繊維の 糸間をより一層ゆるやかにほぐす効果を布帛に付与することができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案のゴムロールを使用して布帛等を加工すれば，布帛等に十分に揉み効果 を与えることができ，布帛等に柔軟性を付与することができるという効果を奏す る。また，本考案のゴムロールは，従来のカレンダー加工機に組み込むことがで きるので，設置スペースが少なくてすみ，簡易に，かつ低廉に布帛等を加工し得 るという効果も奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のゴムロールの一例を示す概略側面図で
ある。

【図２】（イ）は本考案のゴムロールの一例を示す概略
側面図，（ロ）はその正面図である。

【図３】本考案のゴムロールの一例を示す概略側面図で
ある。

【符号の説明】

１，３，５ ゴムロールの凹部 ２，４，６ ゴムロールの凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロールの外周面が凹凸を有するゴムで構
   成されており，ＪＩＳＫ−６３０１のＡ型によるゴム硬
   度が２０〜７０であることを特徴とする布帛等の風合改
   良用ゴムロール。