JPH05301637A - リング状ワークの供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マガジンに積層状態で装填されたリング状ワ
ークを下側のものから順に切出してマガジン直下に配置
した被供給物に落し込めるようにし、装置の前後方向寸
法を短縮して装置を小型化する。 【構成】 マガジン７の下側に、ワークＲが前方に少許
動いたときワークの落下を許容するような形態でワーク
Ｒを支持するワークホルダ９を設けると共に、ワークＲ
の前部内周面に当接してワークＲを前方に切出す切出し
片１１を前後方向に摺動自在に且つばね１５で後方に付
勢して設ける。切出し片１１をその後端に当接するプッ
シュロッド１６により前進させ、最下側のワークＲを前
方に切出して落下させる。この際ワークＲの後部がプッ
シュロッド１６に引掛り、ワークが前下りに傾斜してそ
の前部が被供給物２の周面に当接する。該ロッド１６の
後退時に切出し片１１の後退を所定位置で規制し、ロッ
ド１６を切出し片１１の後端から離間させてワークＲの
後部を落下させ、被供給物２にワークを落し込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マガジンに積層状態で
保持されるピストンリング等のリング状ワークを下側の
ものから順に切出してピストンリングの組付工程で使用
する拡径ガイド等の被供給物に供給するリング状ワーク
の供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ピストンリングの供給装置とし
て、実公昭６１−１６０２０号公報により、マガジンを
立設した架台の上面に、マガジンの下部空間を通して架
台の前方に進退自在な切出し片を設け、切出し片の前端
部上面にピストンリングの一枚を受入れる凹入部を形成
し、切出し片の後退で前端部をマガジン直下に臨ませ
て、マガジンに保持される最下側のピストンリングを凹
入部に受け入れさせ、切出し片の前進で最下側のピスト
ンリングの凹入部に保持させたまま架台の前方に切出
し、この切出し位置にピストンリングを適宜の係止手段
により後退不能に係止した状態で切出し片を後退させる
ことにより、架台の前方下側に配置した拡径ガイドにピ
ストンリングを落し込むようにしたものが知られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のものでは、マガ
ジンと拡径ガイドとを前後方向に離間配置しなければな
らず、装置の前後方向寸法が大きくなる。本発明は、マ
ガジンの直下位置に拡径ガイド等の被供給物を配置して
も、マガジンに積層されたピストンリングを下側のもの
から順に該被供給物に供給し得るようにして、装置のコ
ンパクト化を図ることをその目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、リング状のワークを積層状態で保持するマガ
ジンと、該マガジンに保持されるワークを下側のものか
ら順に切出す切出し機構とを備えるリング状ワークの供
給装置において、ワークの切出し方向を前方として、マ
ガジンの下側に、ワークを該ワークが前方に少許動いた
とき該ワークの落下を許容するような形態で支持するワ
ークホルダを設け、前記切出し機構を、マガジンの下側
に前後方向に摺動自在に設けられ、前方への移動でワー
クホルダに支持されるワークの前側部内周部に当接して
該ワークを前方に切出す切出し片と、該切出し片の後端
に当接して該切出し片を前方に移動させるプッシュロッ
ドとで構成すると共に、プッシュロッドの後退時に切出
し片を、その後端がプッシュロッドの前端に対しワーク
の後側部の落下を許容する隙間を存して対向するような
所定の後退位置に付勢保持せしめる手段を設けたことを
特徴とする。

【０００５】

【作用】被供給物をマガジンの直下位置に配置した状態
でプッシュロッドを前進させる。これによれば、切出し
片の後端にプッシュロッドが当接して切出し片が前方に
押動され、ワークホルダに支持されるリング状ワークが
その前側部内周面への切出し片の当接によって切出され
る。この切出しによりワークが少許前方に動くと、ワー
クはワークホルダから外れて落下するが、この際、ワー
クの後側部が切出し片の後端に当接しているプッシュロ
ッドに引掛り、かくてワークは前下りに傾むいて被供給
物の周面前側部にワークの前側部が当接する。次に、プ
ッシュロッドを後退させるもので、この後退当初切出し
片が付勢力によりプッシュロッドに追従して後退して、
ワークホルダに次のワークが着座し、次いで切出し片が
所定の後退位置に到達した後切出し片の後端からプッシ
ュロッドが離間し、プッシュロッドに引掛っていたワー
クの後側部が切出し片とプッシュロッドとの隙間を通っ
て落下する。ここで、ワークは、その前側部が予め被供
給物の周面に係合しているから、被供給物に対し大きく
芯ずれすることはなく、後側部の落下により被供給物に
ワークがその全周に亘って確実に外挿される。ところ
で、ワークに防錆用のオイルが塗布されていると、ワー
ク同士がオイルを介して貼り付き易くなり、ワークを上
記の如く切出しても該ワークがその上のワークにこれに
接する部分において貼り付いて落下しないことがある。
この場合、前記マガジンの下側に前記ワークホルダに支
持されるワークの上のワークの周面に係合して該ワーク
の切出しを規制する規制部材を設けると共に、該規制部
材の下面に前方に向って下方に傾斜する傾斜部を形成し
ておけば、ワークの切出しに際し、傾斜部によりワーク
が強制的に押し下げられ、ワークがその上のワークから
引き離されて確実に落下する。

【０００６】

【実施例】図１及び図２を参照して、１は搬送パレット
を示し、該パレット１上の筒状治具１ａにピストンＰを
位置決め保持させると共にピストンＰに上方から拡径ガ
イド２を嵌合セットし、この状態で搬送パレット１を搬
送し、搬送路の途中に設けた供給装置３により拡径ガイ
ド２にピストンリングＲを供給し、供給装置３の後段に
設けた図示しない組付装置によりピストンリングＲを拡
径ガイド２の下端から押出してピストンＰに組付けるよ
うにした。

【０００７】供給装置３は、搬送路の長手方向に直交す
る方向を前後方向として、搬送路の後側に立設した支柱
枠４を備えており、該支柱枠４に前方に張出す垂直の支
持板５を介して有底筒状のマガジンホルダ６を搬送路の
直上部に位置するように取付け、該ホルダ６に支持板５
を挿通可能な後側のスリットを有する筒状のマガジン７
を上方から着脱自在に嵌着し、ピストンリングＲの合い
口部分を支持板５に係合させた状態でマガジン７の外周
にマガジンホルダ６に亘ってピストンリングＲを上下に
積層して装填し得るようにした。

【０００８】マガジンホルダ６は、支柱枠４から前方に
張出す水平の架台８に形成した透孔８ａにピストンリン
グＲが通過可能な隙間を存して挿入されている。そし
て、マガジンホルダ６の下面に、図２、図３及び図５に
示す如く、ピストンリングＲの前側部をその内径側から
張出して支持する下端の張出し部９ａを有する第１ワー
クホルダ９を設けると共に、架台８の下面に、図３及び
図４に示す如く、ピストンリングＲの後側部の左右２箇
所を夫々その外径側から張出して支持する下端の張出部
１０ａを有する左右１対の第２ワークホルダ１０、１０
を設け、マガジン７に装填されたピストンリングＲうち
の最下側のリングをこれらワークホルダ９、１０により
支持し、最下側のピストンリングＲが前記張出部９ａ、
１０ａの張出幅に相当する僅かな距離だけ前方に動いた
とき、該ピストンリングＲがワークホルダ９、１０によ
る支持を解かれて落下するようにした。

【０００９】第１ワークホルダ９には、ピストンリング
Ｒの前側部内周面に当接可能な切出し片１１が前後方向
に摺動自在に設けられている。これを図６を参照して詳
述するに、第１ワークホルダ９の下面に前後方向に長手
のガイド溝１２を形成して、該ガイド溝１２に切出し片
１１を摺動自在に収納し、第１ワークホルダ９の下面に
切出し片１１を押える押え板１３を設けて、第１ワーク
ホルダ９を押え板１３と共にマガジンホルダ６の下面に
ボルト１４によって共締めした。切出し片１１の前半部
は二股形状に形成されており、ガイド溝１２の前端部に
切出し片１１の二股部間に係合するように切残した中洲
部１２ａに切出し片１１の後半部に形成した凹孔に挿設
されるばね１５の前端を係合させて切出し片１１を後方
に付勢すると共に、切出し片１１の前端に下方に張出す
ストッパ部１１ａを形成し、切出し片１１を押え板１３
の前縁にストッパ部１１ａが係合する所定の後退位置に
付勢保持せしめた。そして、この後退位置において切出
し片１１がその全長に亘ってマガジン７の下方への投影
面内に収まるようにし、上記ワークホルダ９、１０の張
出し部９ａ、１０ａへのピストンリングＲの下降が切出
し片１１によって阻害されないようにし、更に切出し片
１１の後端に立上り部１１ｂを形成してピストンリング
Ｒの後側部内周面を該立上り部１１ｂによって案内し得
るようにした。

【００１０】また、図２に示す如く、切出し片１１の後
端下部に当接するプッシュロッド１６を設け、該ロッド
１６を支柱枠４に取付けたシリンダ１７により進退自在
として、その前進によれば切出し片１１がプッシュロッ
ド１６に押されてばね１５に抗して前進し、切出し片１
１の前端がワークホルダ９、１０に支持されるピストン
リングＲの前側部内周面に当接して、該リングＲが前方
に切出されるようにし、プッシュロッド１６の後退によ
れば、切出し片１１がばね１５の付勢力によりプッシュ
ロッド１６に追従して前記後退位置まで後退し、引続く
プッシュロッド１６の後退で切出し片１１の後端とプッ
シュロッド１６の前端との間にピストンリングＲの後側
部の落下を許容する隙間が明けられるようにした。尚、
本実施例では、図５に示す如く、切出し片１１の前端上
縁が張出し部９ａに着座している最下側のピストンリン
グＲの上面レベルより若干低くなるようにしてピストン
リングＲを１枚宛切出すようにしたが、切出し片１１の
前端上縁の高さをそれより高く設定してピストンリング
Ｒを複数枚宛切出すことも可能である。

【００１１】また、図２乃至図５に示されている如く、
架台８の下面に第１ワークホルダ９に対向する第１規制
部材１８と、マガジンホルダ６の下面に第２ワークホル
ダ１０、１０に対向する１対の第２規制部材１９、１９
とを設け、最下側のピストンリングＲの上のピストンリ
ングＲの前側部外周面に第１規制部材１８と、該リング
Ｒの後側部内周面に第２規制部材１９とを各係合させ
て、最下側のピストンリングＲの前方への切出しに際し
上のピストンリングＲが前方に動かないようにした。そ
して、第１規制部材１８の中央部下面に、図５に示す如
く、最下側のピストンリングＲの上面レベルより下方に
突出する凸部１８ｂを形成し、該凸部１８ｂの後側の面
に前方に向って下方に傾斜する傾斜部１８ａを形成し、
また、第２規制部材１９の下端を最下側のピストンリン
グＲの上面レベルより低くして、第２規制部材１９の下
端にも前方に向って下方に傾斜する傾斜部１９ａを形成
した。かくて、最下側のピストンリングＲを切出し片１
１の前進で前方に切出す際、該ピストンリングＲは上記
傾斜部１８ａ、１９ａに案内されて押し下げられ、該ピ
ストンリングＲがその上のピストンリングＲにこれらピ
ストンリングＲに塗布するオイルによって貼り付いてい
ても、切出されたピストンリングＲはその上のピストン
リングＲから引き離されて確実に落下する。

【００１２】次に、上記の如く構成された供給装置３の
作動を図７を参照して説明する。搬送パレット１を供給
装置３に搬送して拡径ガイド２をマガジン７の直下位置
に位置決めした状態でプッシュロッド１６を前進させ、
ワークホルダ９、１０の張出し部９ａ、１０ａに着座し
ている最下側のピストンリングＲを切出し片１１により
前方に切出す。この切出しによりピストンリングＲは張
出し部９ａ、１０ａから外れて落下するが、ピストンリ
ングＲの後側部はプッシュロッド１６に引掛り、図７
（ａ）に示す如くピストンリングＲが前下りに傾いてそ
の前側部が拡径ガイド２の周面前側部に当接する。

【００１３】次に、プッシュロッド１６を後退させる
が、この際、切出し片１１はばね１５の付勢力で所定の
後退位置までプッシュロッド１６に追従して後退し、図
７（ｂ）に示す如く次のピストンリングＲが張出し部９
ａ、１０ａに着座すると共に、切出されたピストンリン
グＲの後側部に切出し片１１の後端が当接して、該ピス
トンリングＲが拡径ガイド２の周面に前側部を係合させ
たまま該ガイド２と略同心となるように後方に引き戻さ
れる。そして、引続くプッシュロッド１６の後退で切出
し片１１の後端とプッシュロッド１６の前端との間に隙
間が明いたとき、図７（ｃ）に示す如くピストンリング
Ｒの後側部がプッシュロッド１６から外れて落下し、拡
径ガイド２にピストンリングＲがその全周に亘って外挿
される。

【００１４】以上、ピストンリングを拡径ガイドに供給
する装置に本発明を適用した実施例について説明した
が、ピストンリング以外のリング状ワークの供給にも本
発明を適用できる。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１の発明によれば、マガジンに積層状態で装填されたリ
ング状ワークを下側のものから順に切出してマガジンの
直下位置に配置した被供給物に確実に落し込むことがで
き、装置の前後方向寸法を短縮して装置を小型化でき、
更に請求項２の発明によれば、ワーク同士がオイルによ
って貼り付いていても、切出されたワークをその上のワ
ークから引き離して確実に落下させることができ、被供
給物へのワークの落し込みの確実性を一層向上できる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明装置の一例の正面図

【図２】 図１のII-II線截断側面図

【図３】 図２のIII-III線截断平面図

【図４】 図３のIV-IV線截断面図

【図５】 図３のV-V線拡大截断面図

【図６】 その要部の分解斜視図

【図７】 本発明装置の作用を示す工程図

【符号の説明】

３ 供給装置 ７ マガジン ９、１０ ワークホルダ １１ 切出し片 １１ａ ストッパ部 １５ ばね １６ プッシュロッド １８、１９ 規制部材 １８ａ、１９ａ 傾斜部 Ｒ ピストンリング（ワーク）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リング状のワークを積層状態で保持する
   マガジンと、該マガジンに保持されるワークを下側のも
   のから順に切出す切出し機構とを備えるリング状ワーク
   の供給装置において、ワークの切出し方向を前方とし
   て、マガジンの下側に、ワークを該ワークが前方に少許
   動いたとき該ワークの落下を許容するような形態で支持
   するワークホルダを設け、前記切出し機構を、マガジン
   の下側に前後方向に摺動自在に設けられ、前方への移動
   でワークホルダに支持されるワークの前側部内周部に当
   接して該ワークを前方に切出す切出し片と、該切出し片
   の後端に当接して該切出し片を前方に移動させるプッシ
   ュロッドとで構成すると共に、プッシュロッドの後退時
   に切出し片を、その後端がプッシュロッドの前端に対し
   ワークの後側部の落下を許容する隙間を存して対向する
   ような所定の後退位置に付勢保持せしめる手段を設けた
   ことを特徴とするリング状ワークの供給装置。
2. 【請求項２】 前記マガジンの下側に前記ワークホルダ
   に支持されるワークの上のワークの周面に係合して該ワ
   ークの切出しを規制する規制部材を設けると共に、該規
   制部材の下面に前方に向って下方に傾斜する傾斜部を形
   成したことを特徴とする請求項１に記載のリング状ワー
   クの供給装置。