JPH05300909A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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Publication number
JPH05300909A
JPH05300909A JP4110235A JP11023592A JPH05300909A JP H05300909 A JPH05300909 A JP H05300909A JP 4110235 A JP4110235 A JP 4110235A JP 11023592 A JP11023592 A JP 11023592A JP H05300909 A JPH05300909 A JP H05300909A
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JP
Japan
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ultrasonic
wave
phase conjugate
reflected
generating
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Withdrawn
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JP4110235A
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Inventor
Koichi Karaki
幸一 唐木
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は高精度に大エネルギの音波を照
射することができるようにした超音波治療装置を提供す
ることにある。 【構成】大エネルギ超音波を発生して治療に供する装置
において、励起信号により超音波を発生すると共に超音
波を受けると電気信号に変換する微小な超音波振動素子
を複数並設して構成した送受信手段PCM 、この送受信手
段からの超音波を反射して収束超音波とする音波強反射
材による反射手段RF、送受信手段から略平面波となる超
音波を発生させる励起信号を発生すると共に各超音波振
動素子の出力する電気信号をもとに上記反射手段からの
反射波のレベル及び到達時間情報を各超音波振動素子別
に得、これら情報をもとに得た上記反射波の位相と逆位
相となるタイミングを以て各超音波振動素子の励起を上
記レベルに対して増倍したレベルの励起信号により行っ
て位相共役波を発生させる駆動手段CNT とから構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波を患部に照射する
ことにより、治療を行う超音波治療装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】癌などの体内に存在する患部組織に、大
出力の超音波を照射し、その力学的振動あるいは吸収さ
せたエネルギによる発熱などによって患部組織を破壊す
る治療方法がある。この場合、できるだけ患部の組織の
みを破壊し、その周辺部の健常な組織は損傷を与えない
ようにするために、患部に収束するような超音波ビーム
である収束ビームを用いるのが通例である。
【0003】すなわち、図10に示すように収束ビーム
を発生する超音波トランスジューサ1を用い、超音波伝
達媒体である例えば、水2を介して患者3の患部組織
(以下、単に患部と呼ぶ)4に収束ビームの超音波5を
与えて患部4の破壊治療を行う。
【0004】収束ビームの収束点を患部4にうまく合わ
せると、患部4に強い超音波があたるが、患部4近傍で
は超音波が収束されていないので、エネルギは弱いもの
となり、従って、超音波エネルギによる破壊から逃れる
ことができる。
【0005】ところで、このような超音波治療におい
て、照射する超音波ビームは単にを収束ビーム化しただ
けでは不十分であり、正常な組織を破壊しないように正
確に患部に超音波を収束させることが重要である。すな
わち、位置決めが重要であり、そのために、種々の工夫
がなされるが、その一つに音響位相共役波を用いる方法
がある。
【0006】ここで音響位相共役波と云うのは、ある入
射波に対し、それと同一の波面を持ち逆向きに進む波、
すなわち、入射波の時間反転波のことである。この位相
共役波を用いれば、超音波の波面の歪を補正できること
は知られている。
【0007】このことは、位相共役波は入射波とまった
く同一の経路を辿って進むことを意味し、従って、患部
からの反射波に対する位相共役波を発生させ、その際、
増幅してエネルギを増大させたものとすれば、強いエネ
ルギの超音波を患部に照射することができる。
【0008】超音波において、任意の入射波に対してそ
の位相共役波を発生させることは可能であり、それを実
現する装置を位相共役鏡と呼ぶが、この位相共役鏡とし
ては種々考案されている。例えば、微粒子浮遊法による
もの、非線形電気音響相互作用による方法等がある。
【0009】また、位相共役波は入射波の時間反転波で
あるから、複数の微小な超音波振動素子を並べて構成し
たアレイ型の超音波振動子を用い、この超音波振動子の
各超音波振動素子において、それぞれの受信した反射波
の遅延時間を反転してそれぞれを励振することで、位相
共役波を発生させることができる。
【0010】このような位相共役鏡による超音波治療の
原理を簡単に説明する。図11に示すように、患者3の
体内に塊となった患部4があるとする。一般的に癌組織
などは正常な組織より固く、超音波の反射率が高い。そ
して言い換えれば、そのような疾患がここで述べる超音
波治療の対象となる。
【0011】この患部4を含む広い部分に平面波の超音
波Bfを照射する(図11(a))。するとこの平面波
超音波Bfのうち、患部4にぶつかった部分が当該患部
4によって散乱され、体外に戻って来る(図11
(b))。この治療しようとする患部4から反射された
反射波Eは位相共役鏡(PCM(Phase Coujugate Mirro
r))によって位相共役波として増幅反射させる(図11
(c))。
【0012】PCMの原理によってこの波は正確に患部
4に収束する。これにより、エネルギの強い超音波を発
生して患部4に照射することができ、目的が達成される
ことになる。
【0013】もちろん、骨のような固い組織からも反射
があるので、これを弁別する必要がある。しかし、超音
波の伝播速度は例えば、電磁波に比べて非常に遅いの
で、通常の電子回路技術により、時間的に弁別すること
が可能である。
【0014】また、実際、位相共役鏡PCMの構成とし
ては、非線形結晶や媒体の非線形相互作用を用いる方法
では効率が低く、増幅はおぼつかない。また、こうした
用途に利用できるような直径数cm程度の大きさの非線形
結晶は現実には得ることができないから、位相共役鏡P
CMは図12のようなアレイ状の超音波振動子によって
構成する。
【0015】すなわち、図12のように複数個の独立な
小さい超音波振動素子D1,D2〜Dnを複数個、並設して構
成したアレイ状の超音波トランスジューサTRを超音波
振動子として用い、この超音波トランスジューサTRの
各々振動素子D1〜Dnを励振するタイミングと位相を制御
することによって実現する。すなわち、平面波超音波Bf
の送信は図12(a)に示すように全ての振動素子D1〜
Dnを同時励振することにより行う。
【0016】すると体内に伝播した平面波超音波Bfは、
体内組織に応じて一部は反射され、エコー(反射波)E
となって戻って来るが、反射波E は球面波になって戻っ
て来ることから、反射位置や深さに応じてある一定の位
相を以て振動素子D1〜Dnに入射することになるので、図
12(b)に示すように各振動素子D1〜Dn間の受信信号
には遅延時間差td1 〜tdn が発生する。
【0017】そして図12(c)のように、各振動素子
D1〜Dnの当該受信信号の遅延時間を反転し、受信信号を
レベル増幅してこの増幅した信号により再び受信時の対
応振動素子D1〜Dnを励振して超音波を送信することで、
「増幅する作用を有する位相共役鏡PCM」が実現され
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の位相共役鏡による方式では、 [1]患部と正常組織とで超音波に対する反射率の差が
もともと余りないために、患部を特定し、患部からの反
射波を弁別することが困難である。
【0019】[2]通常、位相共役鏡は超音波診断用の
超音波振動子を兼ね、この超音波振動子で体内の患部を
探査して治療すべき患部を捜し当てたならば、上述のよ
うな手法により、位相共役鏡として作用させて超音波治
療に入るが、治療効果の得られるような大きなパワーの
超音波を発生させることのできるアレイ状振動子とする
には各振動素子は必然的に大きいものとならざるを得な
いために、患部を識別する際の分解能が悪くなり、小さ
い患部を見落とす心配があるなど、治療精度が悪くな
る。と云った問題があった。
【0020】そこで、この発明の目的とするところは、
超音波位相共役鏡(PCM)を用いた超音波治療装置に
おいて、大きなエネルギの超音波位相共役波を発生させ
ることができ、正確に患部に集中させて高精度に超音波
治療を行い得るようにした超音波治療装置を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、強いエネ
ルギの超音波を発生して治療に供する超音波治療装置に
おいて、励起信号により超音波を発生すると共に、超音
波を受けると電気信号に変換する微小な超音波振動素子
を複数並設して構成した超音波送受信手段と、この超音
波送受信手段からの超音波を反射して収束超音波とする
音波強反射材による超音波反射手段と、超音波送受信手
段からほぼ平面波となる超音波を発生させるための励起
信号を発生すると共に、該超音波送受信手段における各
超音波振動素子の出力する電気信号をもとに上記超音波
反射手段からの反射波のレベルおよび到達時間情報を各
超音波振動素子別に得、これらの情報をもとに得た上記
反射波の位相と逆位相となるタイミングを以て、各超音
波振動素子の励起を上記レベルに対して増倍したレベル
の励起信号により行うことにより位相共役波を発生させ
る駆動手段とから構成し、上記位相共役波を照射用の強
エネルギ超音波として利用するようにした。
【0022】
【作用】このような構成の本装置は、微小な超音波振動
素子を複数並設して構成した超音波送受信手段を用いて
おり、超音波治療対象患部を介してこの超音波送受信手
段に対向するよう、上記超音波反射手段を配置した後、
駆動手段により超音波送受信手段からほぼ平面波となる
超音波を発生させるための励起信号を発生する。する
と、超音波送受信手段からほぼ平面波の超音波が発生さ
れ、この超音波は超音波反射手段に当たって反射され、
収束されて患部を通り、超音波送受信手段に戻る。これ
により、超音波送受信手段における各超音波振動素子か
らはこの反射超音波の受信による電気信号が出力され、
駆動手段はこの超音波振動素子の出力する電気信号をも
とに上記超音波反射手段からの反射波のレベルおよび到
達時間情報を各超音波振動素子別に得、これらの情報を
もとに得た上記反射波の位相と逆位相となるタイミング
を以て、かつ、上記レベルに対して増倍したレベルの励
起信号により各超音波振動素子の励起を行う。これによ
り、超音波送受信手段からは上記反射波に基づく位相共
役波が発生され、しかも、増幅されているので強いエネ
ルギレベルの位相共役波として反射波の経路を逆に辿っ
て伝播する。位相共役波は反射波の経路を正確に辿り、
かつ、もととなった反射波が、超音波反射手段により平
面波を収束するかたちとなっていることから、集束点に
患部が位置するように設定しておくことで、大きなエネ
ルギの超音波位相共役波を、正確に患部に集中させて高
精度に超音波治療を行うことができるようになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。初めに本発明の前提となる原理につい
て説明する。 (原理の説明)
【0024】本発明の基本的な特徴としては患部近傍
に、治療すべき患部と同程度もしくはそれよりも小さい
大きさの超音波の強い反射体を置き、この反射体は凹面
鏡のような収束作用を有するものを用いるようにすると
ともに、収束点は上記治療すべき患部領域とし、また、
この反射体からの反射波に対して位相共役波を発生する
位相共役波鏡の機能を有する超音波トランスジューサを
超音波発振源として用い、この超音波発振源から平面波
の超音波を発振させると共に、この平面波を上記反射体
で反射させて上記患部に向けて超音波を収束させ、これ
をさらに上記超音波発振源で受けて、該超音波発振源で
発生させた上記反射波の位相共役波を上記患部に照射す
ることで精度良く治療を行えるようにし、しかも、患部
組織を重点的に治療できるようにしたことであり、反射
体を患部近傍に置くこと、および患部の位置を正確に同
定することの2つの作用を内視鏡を用いることによって
行うことである。この基本的な概念を図1を参照して説
明する。
【0025】つまり、治療効果が得られるように、増幅
された位相共役波PCWは正しくは患部4ではなく、反
射体に向って収束してゆくわけであるが、反射体が患部
4の近傍にあれば、患部4にも十分な密度の音波のパワ
ーが集中する。図1には内視鏡を用いて体腔、消化管の
内側から患部近傍に音波反射用の反射体RFを置く作用
の概念を示した。
【0026】すなわち、内視鏡の先端に音波反射用の反
射体RFを取り付け、この内視鏡を体腔や消化管に挿入
して先端を患部4の近傍に送り、反射体RFを患部4の
近傍に位置させる。そして、この患部4の背面に反射体
RFが位置するような関係を以て体外に超音波位相共役
鏡PCMを配置し、この超音波位相共役鏡PCMから反
射体RFに向け平面波超音波Bfを送信する(図1
(a))。
【0027】すると反射体RFから強い反射波Eが患部
4を通して超音波位相共役鏡PCMに返る(図1
(b))。超音波位相共役鏡PCMはこの反射波Eを受
信して増幅し、この増幅出力を時間反転させたタイミン
グで受信超音波振動素子に対して与えて励振させ、位相
共役波PCWを発生させる(図1(c))。
【0028】これにより、患部4を高エネルギの位相共
役波により治療することができる。そして、ここで使用
した内視鏡が診断用の超音波内視鏡であれば、超音波像
によって患部4を探しながら、外部から治療することが
可能である。
【0029】しかし、このような手法を採用しても、対
象となり得るのは患部がごく表層にある場合に限られて
しまうこと、反射損失を小さくするためには反射体を体
腔壁や管壁に密着させる必要があり、そのために原理的
には図2に示すような機構が必要であること、などから
現実的ではない。
【0030】すなわち、内視鏡ESの先端に音波反射用
の反射体RFを取り付ける訳であるが、反射体RFを生
体の体腔壁や管壁ISに密着させるためには反射体RF
を体腔壁や管壁に押し付けたり引き離したりする機構O
Mが必要で、それは原理的には図2に示すようなものと
なり、内視鏡の先端にこのような機構OMを設けて外部
から操作可能にすることは技術的にかなり困難なものと
なって現実的ではない。しかも、通常の光学的内視鏡の
場合、体内組織に埋もれる患部組織を観察してその患部
位置近傍に反射鏡を位置決めすると言ったことはできな
いから、現実味に欠ける。
【0031】そこで、本発明では図3に示す如く、内視
鏡ESとして超音波断層像(Bモ−ド像)を得ることの
できる超音波振動子USDを内蔵した超音波内視鏡を用
い、体内組織に埋もれる患部の探索を行うことができる
ようにすると共に、反射体RFを当該内視鏡ESの先端
に埋込み、かつ、この反射体RFを凹面形状に形成する
などして音波収束型とし、さらに反射体RFの焦点を超
音波振動子USDの超音波走査面に位置させるようにす
ることによって、反射体RFを収束効果を有する構成と
し、次のように動作させる。
【0032】図4を参照して説明すると、まず、収束性
のある反射体(凹面鏡反射体)RFを体内に患部近傍に
配置させ、この患部4を介して凹面鏡反射体RFと対峙
するように位相共役鏡PCMを体外に配置する。そし
て、この位相共役鏡PCMより凹面鏡反射体RFに向
け、平面波超音波Bfを照射する(a)。
【0033】すると平面波超音波Bfは途中にある患部
4によっても僅かではあるが反射されるものの、もとも
とインピーダンスの差はあまりないので、殆どの平面波
超音波Bfは患部4を透過し、凹面鏡反射体RFに達す
る。
【0034】そして、この凹面鏡反射体RFによって反
射されて患部4に収束された後に、透過して反射波Eと
なって位相共役鏡PCMに戻って来る。この結果、透過
波(反射波E)はあたかも患部4から発生した発散波の
ような波面(球面)を持つことになる(b)。
【0035】そこで、位相共役鏡PCMによってこの透
過波を増幅し、位相を反転させてやれば、患部4に正確
に焦点を結ぶ高エネルギの収束波として照射することが
できる(c)。
【0036】このような方法は図のように、位相共役鏡
PCMと患部との間に例えば、骨のような強反射源があ
っても、これを避けることができ、さらに骨によって回
折を受けた効果を含めて患部4に収束することになる。 (実施例1)次に図4で述べた原理を実現する実施例を
説明する。
【0037】図4で述べた方法では超音波反射用の凹面
鏡である凹面鏡反射体RFの焦点を何等かの方法で患部
4に合わせなければならない。本発明ではこれを診断用
の超音波内視鏡を用いて体内にて行う。
【0038】具体的には図3に示すように、超音波内視
鏡ESの導入管部TB先端近傍に超音波断層像を得るた
めの超音波振動子USDを内蔵させた超音波内視鏡ES
を用いると共に、超音波内視鏡ESの導入管部TB先端
近傍には超音波内視鏡ESの構成要素である超音波振動
子USDの視野となる超音波送受信面の領域を外した位
置に超音波反射用の凹面鏡反射体RFを内蔵させる。
【0039】この凹面鏡反射体RFは背面に超音波検出
用のピックアップトランスジューサPTを設けてあり、
凹面鏡反射体RFに超音波が到来してこれを検出し、検
出信号を発生するものである。
【0040】なお、ここで凹面鏡反射体RFはその焦点
fが、超音波内視鏡ESの超音波振動子USDの走査面
SS上にあるように組み立てておく。図5はその状態を
示す。
【0041】そして、超音波内視鏡ESでは超音波振動
子USDを回転走査させ、導入管部TBを軸としてその
直交する面上を超音波ビームで走査してその反射をとら
え、モニタテレビ上に断層像として表示して観察するこ
とから、凹面鏡反射体RFの焦点fの位置をモニタテレ
ビ上にマーカ表示する。図6はこの様子を示すもので、
TVはモニタテレビであり、Mがそのマーカ、Oは超音
波振動子USDの走査中心、IMは超音波像である。
【0042】凹面鏡反射体RFの焦点位置は超音波内視
鏡ESに凹面鏡反射体RFが組み込まれた段階で決まっ
てしまうので、マーカMは超音波内視鏡ESの設計・組
み立てによって一義的に決まるその対応位置に、電気的
に予め表示する構成としておけば良い。
【0043】術者はモニタテレビTV上の像を見ながら
体内での内視鏡全体の位置を変え、マーカMの位置に照
射したい患部4の位置が来るように、モニタテレビTV
上で合わせる。これによって凹面鏡反射体RFの焦点f
を患部4に合わせる。
【0044】さらに図3に示したように、凹面鏡反射体
RFの裏面には体外に配置した治療用の超音波振動子で
ある位相共役鏡PCMからの音波の到来をモニタするた
めにピックアップトランスジューサPTを取り付けてあ
る。位相共役鏡PCMは既にたびたび説明したように、
アレイ型のものを用いている。
【0045】さて、以上のような構造を有する体内の内
視鏡と、アレイ超音波振動子によって構成された体外の
超音波位相共役鏡PCMおよびコントロール回路CNT
によって図7のような超音波治療システムを構成する。
【0046】コントロール回路CNTは超音波位相共役
鏡PCMに対して、まず平面波超音波を発生させるべく
励振駆動制御し、次にその反射を超音波位相共役鏡PC
Mによって検出して得てこれを元に位相共役波が発生す
るように、かつ、強レベルの位相共役波となるように増
幅、遅延時間反転して励振駆動制御するもので、コント
ロール回路CNT内の構成は超音波位相共役鏡PCMの
個々の超音波振動子D1〜Dnに対して図8のように構成し
ている。
【0047】すなわち、図においてSWは経路切り替え
用のスイッチであり、入力系と出力系を切り替えるため
のものである。また、ADはアナログ信号をディジタル
信号に変換するA/D変換回路であり、スイッチSWを
介して入力された超音波振動子Dmからの受信出力信号
をディジタル信号に変換するものである。
【0048】MEMはメモリ回路であり、A/D変換回
路ADの出力する入力アナログレベル対応のディジタル
データを、例えば、受信時点対応のメモリ番地に格納す
ることにより、到達時間と強度の情報として保持するた
めのものである。CPUは演算処理回路であり、まず平
面波超音波を発生させるべく励振駆動制御し、次にピッ
クアップトランスジューサPTの検出出力を受けるとメ
モリ回路MEMに記憶されている到達時間と強度の情報
とを元に、自系統の受信した反射波の遅延時間を他の系
統での受信反射波の遅延時間との兼ね合いからみて、反
転した時間関係が得られるような励起タイミングを求
め、この励起タイミングで送信トリガを発生するように
制御するものである。
【0049】つまり、最も長い時間を経て反射波を受信
した系統では位相共役波発生のための励起開始のトリガ
が発生するとすぐにその系統を励振し、また、最も短い
時間を経て反射波を受信した系統の場合は、最も長い時
間を経て反射波を受信した系統の受信遅延時間分遅れて
その系統を励振し、と言った具合に時間反転させた場合
の励起タイミングを求めてそのタイミングで送信トリガ
を発生するようなタイミング信号を発生すべく制御す
る。
【0050】また、TRは送信回路であり、自系統の演
算処理回路CPUのタイミング信号を受けて送信トリガ
信号を発生する回路である。AMPはパワー増幅回路で
あって、送信回路TRからの送信トリガ信号を増幅し、
励起信号(駆動パルス)を発生させる。この励起信号は
スイッチSWを介して超音波振動子Dmに与えられ、超音
波振動子Dmを励起させる。なお、スイッチSWは超音
波送波時にはA側に、超音波受波時にはB側に経路を切
り替えるべく制御される。
【0051】ピックアップトランスジューサPTは凹面
鏡反射体RFに超音波が到来するとこれを検知するもの
で、演算処理回路CPUはこのピックアップトランスジ
ューサPTの検知出力を基準に自系統の超音波振動子D
mが検出した超音波反射波Eの送れ時間を求め、位相共
役波を発生させるための時間反転のタイミングを求める
ようにしている。
【0052】次にこのような構成の本装置の作用を説明
する。まず、実施例の最初に述べたように、超音波内視
鏡ESの検出した超音波断層像(内蔵の超音波振動子に
よる超音波像)を見ながら超音波内視鏡ESの先端位置
を定めることによって、凹面鏡反射体RFの焦点位置は
超音波治療しようとする患部4に合わせられているもの
とする。
【0053】また、患者体外には患部4を介して凹面鏡
反射体RFに対向するように配置されたアレイ超音波振
動子による位相共役鏡PCMがあり、コントロール回路
CNTは位相共役鏡PCMの各超音波振動素子を同時に
励起するような駆動制御を実施する。
【0054】すなわち、各系統では演算処理回路CPU
の制御のもとに、同時に所定レベルのトリガを発生すべ
く指令を出し、これを受けた送信回路TRは所定レベル
のトリガを発生してパワー増幅回路AMPに与えるの
で、パワー増幅回路AMPはこれを増幅し、スイッチS
Wを介して自系統の超音波振動素子に与える。これによ
って、その超音波振動素子は励振され、平面波の超音波
を発生する。
【0055】このようにして、位相共役鏡PCM全体を
同時に励起し、広い平面波超音波を体外から患部4およ
び内視鏡内の凹面鏡反射体RFに向けて照射する。する
と、図9(a)に示すような反射波が位相共役鏡PCM
に戻って来る。
【0056】すなわち、図7のような場合の配置関係で
あれば、時間的に早い順から体表面3a、骨6、患部
4、そして最も強いと予想される凹面鏡反射体RFから
の反射波がE3a,E6,E4,ERFと云った具合に
見えることになる。
【0057】ここで位相反転し、増幅すべき信号は凹面
鏡反射体RFからの反射波ERFである。この反射波E
RFを弁別するために、凹面鏡反射体RFの背面に取り
付けたピックアップトランスジューサPTからの信号を
用いる。
【0058】すなわち、位相共役鏡PCMより発せられ
てから凹面鏡反射体RFに到達するまでの音波の到達時
間tをピックアップトランスジューサPTからの信号
(図9の(b))によって計測し、超音波を送波してか
ら2t時間経過した頃に位相共役鏡PCMに戻って来た
強い音波が凹面鏡反射体RFによって反射された反射波
ERFであるから、これを取り出す。
【0059】具体的には一連の反射波をA/D変換回路
ADによってA/D(アナログ/ディジタル)変換して
到達時間と強度(レベル値)をメモリMEMに記憶し、
ピックアップトランスジューサPTからの信号によって
上記の弁別処理をして、C−2t(Cはアレイ超音波振
動子全体で一定の値)時に送信回路TRをメモリMEM
に記憶したレベル値でトリガする。そして、これにより
送信回路TRから出力された上記受信レベル値対応のト
リガ信号をパワー増幅回路AMPによって増幅すること
で、エネルギ増幅してからこの増幅した信号を励振駆動
信号として自系統の超音波振動素子に与える。
【0060】これにより、位相共役鏡PCMからはエネ
ルギ増幅された位相共役波PCWをが発生され、これは
患部4を焦点fとして収束される位相共役波PCWであ
ることから、大きなパワーの超音波を正確に患部4に照
射して高い治療効果を得ることができるようになる。
【0061】このように、本装置は超音波内視鏡にその
超音波探索視野(超音波走査面)内に焦点を持つ凹面鏡
反射体を内蔵させ、超音波内視鏡により超音波像を得な
がら治療対象の患部を探索し、位置決めすると共に、外
部より治療対象の患部を介して上記凹面鏡反射体に対向
させて位相共役鏡を配置し、この位相共役鏡は複数の超
音波振動素子を並べて構成したアレイ型の超音波送受信
手段を使用し、この位相共役鏡から初めに平面波の超音
波を送波し、この送波超音波の上記凹面鏡反射体による
反射波を当該位相共役鏡で受信してこれをもとに当該位
相共役鏡の各振動素子での受信反射波の遅延時間を求
め、時間反転したタイミングで各振動素子に対するトリ
ガ信号をそれぞれ発生させ、これを増幅して上記位相共
役鏡の対応振動素子にそれぞれ与えて励振することで位
相共役波を発生するようにしたものであるから、高精度
の位置決めが可能で、しかも、増幅により高いエネルギ
強度の位相共役波を発生して、効率の良い超音波治療が
可能になる。 (精度の良い超音波画像を得るための超音波診断装置
具体例1)
【0062】なお、位置決めに使用した超音波内視鏡は
超音波ビームを走査して、その走査領域の超音波反射波
(エコー)を受信し、これより超音波の伝播状態に基づ
く映像を得るようにして、被検体の組成や状態を観察す
るが、精度の良い超音波治療を行うには、精度の良い位
置決めが不可欠である。
【0063】上述した超音波治療装置では超音波内視鏡
の超音波振動子による超音波走査視野内に、反射体の焦
点が位置するようにして超音波像を観察しつつ、所望の
患部がテレビモニタ上のマーク位置に一致されるように
内視鏡を位置合わせすれば位置決めできるので、位置決
め精度決定の要因は、いかに歪のない超音波像を得られ
るように観察用の超音波装置を構成できたかに尽きる。
そこで、超音波観察用の診断装置の構成についても検討
を加えておく。以下は、本発明に関連して検討した超音
波診断装置についての説明である。
【0064】(超音波観察用の診断装置のバックグラウ
ンド)超音波エコーを利用した従来の超音波診断装置は
単発の超音波パルスを照射し、その反射波を画像化する
と云う方式であり、その場合、図13に示したように、
画像が被検体表面の凹凸の影響を受けるのを避けること
ができない。
【0065】すなわち、超音波ビームは入射時にも反射
時にも被検体体表面で反射、屈折を起こし、超音波振動
子に入射する反射波は乱れたものとなる。これは直接的
には画像上の乱れなどとして表われることとなるため、
問題である。
【0066】超音波診断装置において、このような表面
の凹凸の影響を除去あるいは軽減する方法としては位相
共役波を用いれば良いことは知られている。まず、図1
4を用いてその原理的な考え方を説明しておく。
【0067】収束型超音波振動子UTから照射された超
音波パルスUBは(a)のように被検体(患者)3の表
面3aで反射、屈折により波形を歪ませて被検体3内部
の反射体(この場合は組成の異なる組織T)近傍に収束
する。そして、反射体によって反射され、もう一度表面
3aで波形を歪ませて外部に反射して来る(b)。これ
を仮想的に図のような位置にある位相共役鏡PCMによ
って波面を時間反転させて反射する(c)。
【0068】すると、この波は被検体3の表面凹凸によ
る2回の波形歪みを完全に補正されて綺麗な波面を以て
収束型超音波振動子UTに受信される(d)。すなわ
ち、このような配置における表面凹凸による悪影響は完
全に除かれる。
【0069】こうして位相共役波を用いることにより、
表面凹凸の悪影響(波形歪)を取り除いた画像が得られ
るが、図14で述べた方法は概念的なものであり、例え
ば、超音波送受信素子と被検体との間にどのように位相
共役鏡PCMを持ち込むか、など解決しなければならな
い課題があり、実際的なものではない。実際に位相共役
波を発生させるには次のようにする。
【0070】ここで本発明において検討した超音波診断
装置ではその超音波送受を行う超音波振動子(トランス
ジューサ)は電子スキャン用のもので、図15のよう
に、いくつかの小さい超音波振動素子(D1,D2, 〜Dn) を
並べたアレイ型である。そして、その各々の超音波振動
子(D1,D2, 〜Dn) を励起する時に適宜な時間差を持たせ
ることにより、収束波など、任意の波面を発生させてい
る。
【0071】そこで、このようなアレイ型超音波振動子
(送受信子)において、本発明において注目しているよ
うな受信反射波(図16(a)参照)の位相共役波を発
生させるには、ある時刻を起点として、アレイを構成し
ている各々の振動素子において図16(b)に示すよう
に時間反転して励起を行う。すなわち、このような動作
をさせることによって、アレイ型振動子は通常の意味で
の超音波の送受信子となるのみならず、等価的に位相共
役鏡にもなる。
【0072】このような原理に基づいて位相共役波を発
生させる装置を次のように構成する。図16では概念的
に各超音波振動素子の信号線上を音波の波面に対応した
「形」で受信信号の電気パルスが伝播しているように表
わしたが、もちろん、電気パルスの伝播は音波の伝播に
比べて非常に速いので、現実にはこのようなことは起こ
らず、受信電気パルスは瞬時に伝播する。
【0073】そこで、実際は図17のように、各超音波
振動素子の終端に、ある基準時刻を原点としてその時刻
から測った各パルスの到着時間(ta,tb…)と、パ
ルスの大きさを記憶するメモリMa,Mb…を設ける。
【0074】受信時には(a)に示すようにこのメモリ
Ma,Mb…に受信時の上記到着時間と受信した超音波
レベルの大きさを記憶することで、受信を完了する。送
信では(b)に示すように、逆に超音波励起のための基
準となる基準トリガから各々のメモリMa,Mb…が記
憶している時間ta,tb…に対してT−ta,T−t
b…時間の遅延をかけて各々超音波振動素子を励起する
ことにより、位相共役波を発生させる。但し、Tは任意
に設定した時間幅である。全体としてのシステム構成は
図18に示すようになる。但し、図18においてアレイ
型超音波振動子は1個の振動素子で代表させている。つ
まり、PCCは位相共役波発生制御回路であり、この位
相共役波発生制御回路PCCは各超音波振動素子D1〜
Dn毎にそれぞれ設けられる。
【0075】この位相共役波発生制御回路PCCは超音
波送信を実施したタイミングで与えられるセット信号に
よって初期状態にセットされた時点から基準クロックを
計数して反射パルスを検出する時点までの所要時間tを
計時回路TM、受信した反射パルスの波高値データを得
るA/D変換回路ADと、このA/D変換回路ADの出
力と計時回路TMの計時した所要時間tの情報とを記憶
するメモリMEMと、設定した時間Tと上記所要時間t
とをもとにT−tを演算し、また、トリガ信号によって
発生させた励振トリガパルスを基準にT−t経過時点で
励起パルスを発生する演算処理回路CPUと、この励起
パルスを上記メモリMEMに記憶された波高値データに
対応して所要のハイレベルの励起パルスに増幅する増幅
回路AMPと、送信時には増幅回路AMP出力を自系統
に対応する超音波振動素子Dmに与え、また、受信時に
は自系統に対応する超音波振動素子Dmからの受信信号
をA/D変換回路ADに与える送受信切り替えスイッチ
SW2とからなる。
【0076】CNTは超音波診断装置の駆動制御系であ
り、この駆動制御系CNTは収束型超音波パルスを送信
するために、各振動素子D1〜Dnの励振を行うための
もので、位相共役波を発生させる時は解放されるスイッ
チSW1を介して超音波振動素子D1〜Dnに接続され
ている。
【0077】このような構成の装置の動作を時間系列に
沿って説明すると、 [1]超音波診断装置の駆動制御系CNTにより、アレ
イ型超音波振動子の各振動素子D1〜Dn全体をある位
相で励起し、収束型超音波パルスを送信する。
【0078】[2]被検体よりその送信した超音波パル
スの反射波である反射パルスが戻って来ると、各々の振
動素子D1〜Dnで受信され、まず切り替えスイッチS
W1によって位相共役波発生制御回路PCCに送られ
る。
【0079】[3]位相共役波発生制御回路PCCで
は、超音波送信を実施したタイミングで与えられるセッ
ト信号によって初期状態にセットされた時点から基準ク
ロックを計数して反射パルスを検出する時点までの所要
時間を計時回路TMで計時して到着時間tを求めると共
に、また、反射パルスはA/D変換回路ADでディジタ
ル値に変換して反射パルス波高値データとする。そし
て、これらをメモリMEMに記憶させる。
【0080】[4]次にPC波(位相共役波)を発生さ
せるため、設定した時間T(全PC波を得ることができ
るようにするには十分長い時間、送信パルス間隔をと
る)をもとに演算処理回路CPUによりT−tを算出
し、
【0081】[5]トリガ信号によって発生させた励振
トリガパルスにより、演算処理回路CPUからT−t時
間後に増幅回路AMPを介して所定の波高で励振パルス
を発生させ、自系統に対応する超音波振動素子Dmに与
えて励振する。
【0082】[6]これを各系統それぞれに実施させる
ことで各超音波振動素子D1〜Dnを励振させると位相
共役波が発生するので、切り替えスイッチSW1を閉
じ、送受切り替えスイッチSW2を開いて各系統それぞ
れにおいて対応する超音波振動素子D1〜Dnにより位
相共役波の反射波を受信し、[7]映像系に送り、アレ
イ型超音波振動子における各超音波振動素子からの信号
を適宜に積分してモニタ装置に映像表示する。 (具体例2)
【0083】以上の例は反射波の殆ど全部を一旦、PC
(位相共役)波に変換して受信し、映像化している。し
かし、図19(a)に示すように、深さ方向にいくつか
の層構造がある被検体のbは場合、図19(b)に示す
ように、送信トリガ発生時をt=0とし、全てのパルス
が返って来た十分長い時間をTとしてA,B,C各層で
の反射波全てのPC波をA,B,C…の順に返している
ことになり、これらのPC波の再度の反射波は今度は全
て同時に受信されることになって、このような状態にな
ると画像にならない。
【0084】そこで、全てのPC波を発生させるのでは
なく、詳細に観察したい部位に対応した反射波、この例
では層Bでの反射波のみのPC波を発生させる方法を具
体例2として述べる。
【0085】すなわち、層Bでの反射波を含む適宜な時
間帯での反射波のみのPC波が発生するように、図18
の位相共役波発生制御回路PCCにおけるTを設定する
(T´)。そして、時間帯の幅を決定するための時間で
あるT″を適宜に設定し、演算処理回路CPUにおける
T−t演算の中にT−t<T´−T″と云う制限を設け
る。
【0086】そして、上記[5]での演算処理回路CP
Uにおける処理のうち、励振パルスの発生制御タイミン
グをT−t時間、但し、T´−T″以内の遅延時間を以
て行うことで層Bでの反射波を受ける時間帯で、その反
射波に対する位相共役波を発生させることができ、層B
に対する歪みのない超音波断層像を得ることが可能にな
る。
【0087】なお、操作上は、映像表示画面に(T´−
T″,T)に対応する領域を表示し、操作者はこれを見
ながら注目部位がうまく、この帯の中に入るようにT
´,T″を調整すれば良い。図20に超音波内視鏡の場
合の画面表示例を示す。 (具体例3)
【0088】次に具体例3について述べる。具体例1で
は位相共役鏡と映像用の超音波振動子(送受信子)は共
通のもので、そのアレイ状の複数の振動素子の各々の励
振タイミング制御の工夫によって超音波送受信と位相共
役波の送信の両方の機能を得るようにした。
【0089】しかし、超音波送信と位相共役波の発生を
別素子とすることも可能で、それをここに示す。図21
はその例であり、PCM1は位相共役波発生専用の位相
共役鏡、UT1は映像専用の超音波振動子である。位相
共役鏡PCM1はアレイ型の超音波振動子を用いてお
り、映像専用の超音波振動子UT1からは収束型の超音
波ビームB1を注目部位に向けて送信する。
【0090】通常、超音波振動子UT1から送信は自己
より送出した超音波ビームB1に対する自己への反射が
返って来ないような方向に送信を行い、図のような方向
に出てきた反射波を、位相共役鏡PCM1で受信し、こ
れをもとに位相共役鏡PCM1で位相共役波PCW1を
発生させ、この位相共役波PCW1の反射波を超音波振
動子UT1で受信する。この場合、映像用の送受信子
(超音波振動子UT1)はアレイ状である必要はない。
なお、本発明は上記し、かつ、図面に示す実施例に限定
することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形
して実施し得るものである。
【0091】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、高精度に大エネルギの音波を照射することができる
ようにした超音波治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の原点である内視鏡を用いて体
腔、消化管の内側から患部近傍に音波反射用の反射体R
Fを置く作用の概念を説明するための図。
【図2】図1で使用する反射体RFを備えた内視鏡によ
り患部近傍に反射体RFを配置したイメージとしての構
想図。
【図3】本発明で使用する反射体内蔵超音波内視鏡の構
造を説明するための図。
【図4】 凹面鏡反射体と位相共役鏡を用いての超音波
治療を説明するための図。
【図5】凹面鏡反射体RFの焦点fが、超音波内視鏡E
Sの超音波振動子USDの走査面上にあるように組み立
てた様子を説明する図。
【図6】本発明で使用するモニタテレビ上の像の様子を
示す図。
【図7】本発明の超音波治療システムの一実施例を示す
全体構成図。
【図8】図7のコントロール回路CNTの詳細を示す回
路ブロック図。
【図9】図8のコントロール回路CNTの作用を説明す
るためのタイミングチャート。
【図10】従来より用いられている超音波治療の原理を
説明するための図。
【図11】従来より用いられている位相共役鏡による超
音波治療の原理を説明するための図。
【図12】アレイ状の超音波振動子によって構成した位
相共役鏡(PCM)の原理を説明するための図。
【図13】超音波エコーを利用した従来の超音波診断装
置の原理的な説明をするための図。
【図14】超音波ビームの被検体体表面で反射、屈折に
よる超音波の乱れを位相共役波で除去する様子を説明す
るための図。
【図15】アレイ型の超音波振動子による波面制御を説
明するための図。
【図16】位相共役波を発生させる具体例を説明するた
めの図。
【図17】位相共役波を発生させる具体例を説明するた
めの図。
【図18】位相共役波を利用した超音波診断装置のシス
テム構成図。
【図19】被検体の所望の反射層での反射波のみに対す
る位相共役波を発生可能な超音波診断装置とする場合の
動作説明図。
【図20】超音波内視鏡の場合の画面表示例を示す図。
【図21】超音波送信と位相共役波の発生を別素子にし
た場合の構成を説明するための図。
【符号の説明】
4…患部、RF…反射体、ES…内視鏡、PCM…位相
共役鏡、D1,D2〜Dn…超音波振動素子、TR…超音波ト
ランスジューサ、Bf…平面波超音波、E…透過波(反
射波)、SS…超音波振動子の走査面、USD…超音波
内視鏡の超音波振動子、TB…導入管部、TV…モニタ
テレビ、M…マーカ、O…超音波振動子USDの走査中
心、IM…超音波像、PT…ピックアップトランスジュ
ーサ、CNT…コントロール回路、TR…送信回路、C
PU…演算処理回路、AMP…パワー増幅回路、SW…
スイッチ、MEM…メモリ回路、AD…A/D変換回
路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強いエネルギの超音波を発生して治療に
    供する超音波治療装置において、 励起信号により超音波を発生すると共に、超音波を受け
    ると電気信号に変換する微小な超音波振動素子を複数並
    設して構成した超音波送受信手段と、 この超音波送受信手段からの超音波を反射して収束超音
    波とする音波強反射材による超音波反射手段と、 超音波送受信手段からほぼ平面波となる超音波を発生さ
    せるための励起信号を発生すると共に、該超音波送受信
    手段における各超音波振動素子の出力する電気信号をも
    とに上記超音波反射手段からの反射波のレベルおよび到
    達時間情報を各超音波振動素子別に得、これらの情報を
    もとに得た上記反射波の位相と逆位相となるタイミング
    を以て、各超音波振動素子の励起を上記レベルに対して
    増倍したレベルの励起信号により行うことにより位相共
    役波を発生させる駆動手段と、からなり、上記位相共役
    波を照射用の強エネルギ超音波として利用することを特
    徴とする超音波治療装置。
JP4110235A 1992-04-28 1992-04-28 超音波治療装置 Withdrawn JPH05300909A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004249106A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Biosense Webster Inc 治療処置用の外部供給型の高強度集中型超音波(hifu)
JP2004261596A (ja) * 2003-02-19 2004-09-24 Biosense Webster Inc 肺静脈分離用の外部供給型の高強度集中型超音波(hifu)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004249106A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Biosense Webster Inc 治療処置用の外部供給型の高強度集中型超音波(hifu)
JP2004261596A (ja) * 2003-02-19 2004-09-24 Biosense Webster Inc 肺静脈分離用の外部供給型の高強度集中型超音波(hifu)

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