JPH05295655A - ポリエステルの処理方法 - Google Patents

ポリエステルの処理方法

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JPH05295655A
JPH05295655A JP9284992A JP9284992A JPH05295655A JP H05295655 A JPH05295655 A JP H05295655A JP 9284992 A JP9284992 A JP 9284992A JP 9284992 A JP9284992 A JP 9284992A JP H05295655 A JPH05295655 A JP H05295655A
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JP
Japan
Prior art keywords
polyester
irradiation
pulse
fluence
ultraviolet ray
Prior art date
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Pending
Application number
JP9284992A
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English (en)
Inventor
Hirosuke Watanabe
博佐 渡辺
Tetsushige Uchikawa
哲茂 内川
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05295655A publication Critical patent/JPH05295655A/ja
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ポリエステル材料に紫外線
パルスレーザー光を照射することによって紫外線吸収能
に優れた表面を有するポリエステル材料とすることにあ
る。 【構成】 ポリエステルに248nmの波長を有する紫
外線パルスレーザー光をパルスエネルギー(フルエンス
30〜80mJ/cm2 /パルス)の条件下で10〜5
0パルス照射することを特徴とするポリエステルの処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル紫外線パ
ルスレーザー光を照射し、表面特性を変化させ耐光性を
向上させたポリエステルに関する。一般衣料用あるいは
産業資材用途に利用可能である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは今や汎用繊維、汎用プラ
スチックスとして広範囲に使用されている。しかしなが
ら、そのままの状態で太陽光線下で長期にわたり使用す
ると紫外線により物性の劣化を起こすのが現状である。
【0003】無機微粒子をブレンドする方法、例えば重
合時にポリエステルへ二酸化チタンをブレンドしてポリ
エステルを製糸する方法などが提案され実用化されてい
るが、この無機物のブレンドは異物をブレンドすること
になり物性低下の問題が残るため、さらにそれらの物性
を向上させる技術が求められている。
【0004】一方、ポリエステル繊維表面に紫外線遮蔽
性を有する物質をコーティングする方法もあるが、基質
であるポリエステルとの密着性の問題もありなかなか実
用化するには、問題が残るためか残念ながら汎用的に実
用化されるまでには至っていない。
【0005】
【発明の目的】本発明は以上の事情を背景としてなされ
たものであり、310nm以上の紫外線吸収能に優れた
表面を有するポリエステルを提供することにある。
【0006】
【発明の構成】ここに本発明は、「ポリエステルに、2
48nmの波長を有する紫外線パルスレーザー光を、パ
ルスエネルギー(フルエンス30〜80mJ/cm2
パルス)の条件下で10〜50パルス照射することを特
徴とするポリエステルの処理方法」に関するものであ
る。
【0007】本発明でいうポリエステルとは、下記の一
般式
【0008】
【化1】
【0009】で表される繰り返し単位を主たる構成成分
とするポリエステルが好ましく用いられ、特にエチレン
グリコール及びテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエステルが好ましい。
【0010】本発明でいう紫外線レーザー光とは、15
0〜380nmの波長を有するものであり、XeF,X
eCl,KrF,ArFなどのレーザーの他、銅蒸気レ
ーザー、YAGレーザーなどの高調波レーザー光を用い
ることが出来るが、特に望ましいのは248nmの波長
を有するKrFレーザーである。レーザー光の照射方法
には特に限定はない。照射は空気中、不活性ガス、加圧
下、又は真空中の何れで実施しても良い。照射に際して
の温度は常温から100℃の範囲が望ましい。照射条件
として重要なのは、照射フルエンス及び照射ショット数
である。照射フルエンスは通常1mJ/cm2 /パルス
〜500mJ/cm2 /パルスの範囲が望ましいが、特
に望ましいのは本発明によるポリエステルの場合30m
J/cm 2 /パルス以上80mJ/cm2 /パルスが望
ましい。閾値以上でなるべく低フルエンスで照射するの
が、物性の面から見て望ましいが、表層部で一定深さを
改質するには、上記の範囲でレーザー照射を行うのが望
ましい。
【0011】
【発明の効果】本発明により得られたポリエステルは、
照射条件にもよるが微細な凹凸形状を有する表面に変化
しており、XPSによる表面の元素分布(例えば酸素濃
度)の解析結果から明らかなように化学変化も起こし、
且つ表面の微細構造(特に非晶部分の増加)も変化し、
また紫外線吸収スペクトルを見ると、310nm以上で
の吸収が明確に増加しており、明らかに表面が改質され
ていることが判る。
【0012】更に、このようにポリエステル表層に形成
された、310nm以上の紫外線領域で優れた吸収能を
有する層で、太陽光が吸収されポリエステルの基質自身
の劣化を防止するものと推定される。
【0013】従ってこの様にポリエステルの表面の性状
変化、形状変化(表面積の増加)並びに、非晶部の増加
などが起ることにより、ポリエステル表面上に他の化合
物を付与したとき、その化合物との親和性が向上し、合
せてその化合物自身の反応性も向上するので、複合的な
機能性を付与することが可能である。
【0014】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、機能面ではこれに限定されるものではなく、耐
光性向上のみならず、その表面に形成される官能基との
反応が期待出来、機能性の巾は広がるものである。勿
論、被処理物の形態も繊維に限定されるものでなはな
く、面状物、線状物などにも適用可能である。
【0015】
【実施例1〜5、比較例1〜6】全繊度500デニール
のポリエチレンテレフタレート繊維(帝人(株)製、
[η]=0.65)からなる織物を被照射サンプルとし
た。織物の構成は、縦糸、緯糸とも250デニール/7
5フィラメント/2本であり、平織の密度は縦,緯とも
28本/inchである。
【0016】上記のポリエステルサンプルに、ラムダフ
ィジック社製エキシマレーザー発生装置(LP120c
ci)を使用しKrF(発振波長248nm)を用い、
繰り返し周波数が10Hz,フルエンスは10mJ/c
2 /パルスから100mJ/cm2 /パルスの範囲、
パルス幅は半値全幅で20nsの条件で試料の両サイド
から両面に均一に直接照射した。ついで照射後のポリエ
ステル織物を、通常光劣化の促進テストに使用される、
アイスーパーUV試験機(SUV―W―13、岩崎電気
(株)製)ハライドメタルランプを使用し、89℃の雰
囲気中で2時間照射を行った。一般に、この条件はウェ
ザオメーターでの照射200時間に相当するとされてい
る。
【0017】促進光劣化テストを行ったポリエステル織
物を取り出し、構成する繊維に分解し、引張試験機を用
い、その強度を測定した。サンプル長250mm、引張
速度300mm/分で引張試験を行い、そのときの強力
を測定した。
【0018】表1にその結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】比較例はエキシマレーザー照射しなかった
場合及び照射を行っても極めて低い、フルエンス又は極
めて高いフルエンスで行った場合のデータである。特
に、比較例6では、強力保持率は抜群であるが、アイス
ーパー照射前の強力が既に大幅に低下しており、実用的
ではない。実施例1〜5で示した如く特定条件下でのエ
キシマレーザー照射ではポリエステルの表層部に310
nm以上の紫外線を極めて良く吸収するような表面改質
がなされていることが判る。表1から明らかな様にフル
エンスが30〜80mJ/cm2 /パルスの範囲でのエ
キシマレーザー照射が望ましい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに、248nmの波長を有
    する紫外線パルスレーザー光を、パルスエネルギー(フ
    ルエンス30〜80mJ/cm2 /パルス)の条件下で
    10〜50パルス照射することを特徴とするポリエステ
    ルの処理方法。
JP9284992A 1992-04-13 1992-04-13 ポリエステルの処理方法 Pending JPH05295655A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1884535A1 (en) * 2006-07-31 2008-02-06 Daikyo Seiko, LTD. Medical containers and treating method for producing medical containers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1884535A1 (en) * 2006-07-31 2008-02-06 Daikyo Seiko, LTD. Medical containers and treating method for producing medical containers
JP2008029763A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Daikyo Seiko Ltd 医療用容器および該医療用容器の処理方法

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