JPH05295499A - 銀薄板の製造方法 - Google Patents
銀薄板の製造方法Info
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- JPH05295499A JPH05295499A JP13004492A JP13004492A JPH05295499A JP H05295499 A JPH05295499 A JP H05295499A JP 13004492 A JP13004492 A JP 13004492A JP 13004492 A JP13004492 A JP 13004492A JP H05295499 A JPH05295499 A JP H05295499A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気接点材料等として使用する銀薄板の製造
方法を提供する。 【構成】 Cu20〜100ppm,残部Ag及び不可避不純物から
なる銀鋳塊を準備する。この銀鋳塊中における結晶粒の
大きさは10mm以下である。この銀鋳塊に、550〜900℃の
条件で均質化処理を施す。次いで、第一次冷間圧延を施
す。第一次圧延率は50〜95%とする。この後、150〜600
℃の条件で中間焼鈍を施す。次いで、更に第二次冷間圧
延を施す。第二次圧延率は50〜95%とする。この後、所
望により150℃以上の温度で最終焼鈍を施す。以上のよ
うにして銀薄板を製造する。 【効果】 この銀薄板を800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中の結晶粒は粗大化しにくい。従って、高
温下に曝されても、銀薄板に割れが生じたり或いは表面
の肌荒れが生じにくいという効果を奏する。
方法を提供する。 【構成】 Cu20〜100ppm,残部Ag及び不可避不純物から
なる銀鋳塊を準備する。この銀鋳塊中における結晶粒の
大きさは10mm以下である。この銀鋳塊に、550〜900℃の
条件で均質化処理を施す。次いで、第一次冷間圧延を施
す。第一次圧延率は50〜95%とする。この後、150〜600
℃の条件で中間焼鈍を施す。次いで、更に第二次冷間圧
延を施す。第二次圧延率は50〜95%とする。この後、所
望により150℃以上の温度で最終焼鈍を施す。以上のよ
うにして銀薄板を製造する。 【効果】 この銀薄板を800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中の結晶粒は粗大化しにくい。従って、高
温下に曝されても、銀薄板に割れが生じたり或いは表面
の肌荒れが生じにくいという効果を奏する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気接点材料或いはそ
の他の電気材料に用いる銀薄板の製造方法に関するもの
である。
の他の電気材料に用いる銀薄板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気接点等に使用する銀薄板
は、以下の如き製造方法で製造されている。即ち、Ag10
0重量%、又はCu0.002〜0.01重量%(Cu20〜100ppm)及
び残部Agよりなる鋳塊を準備し、この鋳塊を面削した
後、温度300℃前後で温間圧延加工を施して、厚さ約4mm
程度の銀板を得る。そして、この銀板に冷間圧延加工を
施し、必要に応じて冷間圧延加工時に温度150〜200℃程
度で中間焼鈍を施し、厚さ0.3〜0.7mm程度の銀薄板を得
るというものである。また、更に必要な場合には、200
〜300℃で最終焼鈍を行なって、銀薄板の強度や結晶粒
の大きさを調整することが行なわれている。
は、以下の如き製造方法で製造されている。即ち、Ag10
0重量%、又はCu0.002〜0.01重量%(Cu20〜100ppm)及
び残部Agよりなる鋳塊を準備し、この鋳塊を面削した
後、温度300℃前後で温間圧延加工を施して、厚さ約4mm
程度の銀板を得る。そして、この銀板に冷間圧延加工を
施し、必要に応じて冷間圧延加工時に温度150〜200℃程
度で中間焼鈍を施し、厚さ0.3〜0.7mm程度の銀薄板を得
るというものである。また、更に必要な場合には、200
〜300℃で最終焼鈍を行なって、銀薄板の強度や結晶粒
の大きさを調整することが行なわれている。
【0003】この銀薄板は、一定の形状に成形され、そ
の後電気材料として用いられる際、又は他の材料と接合
させる際、800℃以上の高温下に曝されることがあっ
た。そして、この高温下において、銀薄板に割れが生じ
るということがあった。また、銀薄板の表面に肌荒れが
生じるということがあった。
の後電気材料として用いられる際、又は他の材料と接合
させる際、800℃以上の高温下に曝されることがあっ
た。そして、この高温下において、銀薄板に割れが生じ
るということがあった。また、銀薄板の表面に肌荒れが
生じるということがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本件出願人が、銀薄板
に割れが生じたり或いは表面の肌荒れが生じたりする理
由について検討した結果、高温下に曝された箇所におい
て銀薄板中の結晶粒が粗大化していることが判明した。
即ち、銀薄板中の結晶粒が粗大化することによって、銀
薄板の強度が低下し又は銀薄板の表面に肌荒れが生じて
いることが判明したのである。
に割れが生じたり或いは表面の肌荒れが生じたりする理
由について検討した結果、高温下に曝された箇所におい
て銀薄板中の結晶粒が粗大化していることが判明した。
即ち、銀薄板中の結晶粒が粗大化することによって、銀
薄板の強度が低下し又は銀薄板の表面に肌荒れが生じて
いることが判明したのである。
【0005】そこで、本件出願人は、銀薄板中の結晶粒
の粗大化を抑制するために、銀薄板の組成や製造方法等
について種々検討した。その結果、本件出願人は、銀薄
板の製造工程である冷間圧延中において、比較的高温で
中間焼鈍を施すと、後に高温下に曝されても銀薄板中の
結晶粒が粗大化しにくいことを見出し、特願平3-292092
号に係る発明を提案した。
の粗大化を抑制するために、銀薄板の組成や製造方法等
について種々検討した。その結果、本件出願人は、銀薄
板の製造工程である冷間圧延中において、比較的高温で
中間焼鈍を施すと、後に高温下に曝されても銀薄板中の
結晶粒が粗大化しにくいことを見出し、特願平3-292092
号に係る発明を提案した。
【0006】その後、本件出願人が研究を進めた結果、
比較的高温で中間焼鈍を施さなくても、準備した銀鋳塊
中の結晶粒の大きさを一定以下にしておくこと、及び所
定の条件で均質化処理及び冷間圧延を施すことによっ
て、後に高温下に曝されても銀薄板中の結晶粒が粗大化
しにくいことを見出し、本発明に到達した。
比較的高温で中間焼鈍を施さなくても、準備した銀鋳塊
中の結晶粒の大きさを一定以下にしておくこと、及び所
定の条件で均質化処理及び冷間圧延を施すことによっ
て、後に高温下に曝されても銀薄板中の結晶粒が粗大化
しにくいことを見出し、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、Cu20〜
100ppm,残部Ag及び不可避不純物からなり、且つ結晶粒
の大きさが10mm以下である銀鋳塊に、550〜900℃の条件
で均質化処理を施し、次いで第一次冷間圧延を施して第
一次圧延率を50〜95%とした後、150〜600℃の条件で中
間焼鈍を施し、その後更に第二次冷間圧延を施して第二
次圧延率を50〜95%とし、この後所望により150℃以上
の温度で最終焼鈍を施すことを特徴とする銀薄板の製造
方法に関するものである。
100ppm,残部Ag及び不可避不純物からなり、且つ結晶粒
の大きさが10mm以下である銀鋳塊に、550〜900℃の条件
で均質化処理を施し、次いで第一次冷間圧延を施して第
一次圧延率を50〜95%とした後、150〜600℃の条件で中
間焼鈍を施し、その後更に第二次冷間圧延を施して第二
次圧延率を50〜95%とし、この後所望により150℃以上
の温度で最終焼鈍を施すことを特徴とする銀薄板の製造
方法に関するものである。
【0008】本発明においては、まず所定の元素組成を
持つ銀鋳塊を準備する。即ち、Cuが20〜100ppm含有され
ている銀鋳塊を準備する。Cuが20ppm未満であったり或
いは100ppmを超えると、鋳塊中の結晶粒が粗大化しやす
く、得られた銀薄板の結晶粒も粗大化するので、好まし
くない。また、Cuが100ppmを超えると、銀鋳塊が硬化し
て冷間圧延性が低下するので、好ましくない。本発明に
おいては、得られた銀薄板自体の結晶粒も微細で均一に
分布しているものを使用する必要がある。そうでなけれ
ば、銀薄板を高温下に曝すと、更に結晶粒が粗大化し、
割れや表面の肌荒れを起こすからである。銀薄板自体の
結晶粒を微細にするためには、使用する銀鋳塊中の結晶
粒も一定の大きさ以下にしておく必要がある。本発明で
は、銀鋳塊中の結晶粒の大きさを10mm以下に調整してお
くことが必要である。結晶粒の大きさが10mmを超える
と、冷間圧延や中間焼鈍等の加工を施しても、均一で微
細な結晶組織を持つ銀薄板が得られないので、好ましく
ない。なお、結晶粒の大きさは、以下の測定方法によっ
て測定されるものである。即ち、銀鋳塊を光学顕微鏡で
観察して、結晶粒の面積を測定する。この面積と同一の
面積を持つ円を考えて、この円の直径を結晶粒の大きさ
とした。本発明においては、結晶粒の大きさは、全て
(銀薄板中の結晶粒の大きさも含めて全て)この方法で
測定した。以上の如き銀鋳塊は、所定量のCuとAgとを溶
解して、脱ガス後、水冷鋳型による半連続若しくは連続
鋳造を行なえば、容易に得ることができる。
持つ銀鋳塊を準備する。即ち、Cuが20〜100ppm含有され
ている銀鋳塊を準備する。Cuが20ppm未満であったり或
いは100ppmを超えると、鋳塊中の結晶粒が粗大化しやす
く、得られた銀薄板の結晶粒も粗大化するので、好まし
くない。また、Cuが100ppmを超えると、銀鋳塊が硬化し
て冷間圧延性が低下するので、好ましくない。本発明に
おいては、得られた銀薄板自体の結晶粒も微細で均一に
分布しているものを使用する必要がある。そうでなけれ
ば、銀薄板を高温下に曝すと、更に結晶粒が粗大化し、
割れや表面の肌荒れを起こすからである。銀薄板自体の
結晶粒を微細にするためには、使用する銀鋳塊中の結晶
粒も一定の大きさ以下にしておく必要がある。本発明で
は、銀鋳塊中の結晶粒の大きさを10mm以下に調整してお
くことが必要である。結晶粒の大きさが10mmを超える
と、冷間圧延や中間焼鈍等の加工を施しても、均一で微
細な結晶組織を持つ銀薄板が得られないので、好ましく
ない。なお、結晶粒の大きさは、以下の測定方法によっ
て測定されるものである。即ち、銀鋳塊を光学顕微鏡で
観察して、結晶粒の面積を測定する。この面積と同一の
面積を持つ円を考えて、この円の直径を結晶粒の大きさ
とした。本発明においては、結晶粒の大きさは、全て
(銀薄板中の結晶粒の大きさも含めて全て)この方法で
測定した。以上の如き銀鋳塊は、所定量のCuとAgとを溶
解して、脱ガス後、水冷鋳型による半連続若しくは連続
鋳造を行なえば、容易に得ることができる。
【0009】このようにして準備された銀鋳塊に、550
〜900℃の条件で均質化処理を施す。均質化処理の温度
条件が550℃未満であると、加工工程中若しくは最終薄
板での結晶粒が粗大化するので、好ましくない。逆に、
均質化処理の温度条件が900℃を超えると、銀鋳塊中の
不均一な部分を拡散及び分散させて均質化するという効
果が飽和し、900℃を超える温度を採用することは不合
理である。また、銀鋳塊を重ねて均質化処理する場合、
銀鋳塊の表面が溶解して、銀鋳塊同士がくっつく恐れが
あるので、好ましくない。
〜900℃の条件で均質化処理を施す。均質化処理の温度
条件が550℃未満であると、加工工程中若しくは最終薄
板での結晶粒が粗大化するので、好ましくない。逆に、
均質化処理の温度条件が900℃を超えると、銀鋳塊中の
不均一な部分を拡散及び分散させて均質化するという効
果が飽和し、900℃を超える温度を採用することは不合
理である。また、銀鋳塊を重ねて均質化処理する場合、
銀鋳塊の表面が溶解して、銀鋳塊同士がくっつく恐れが
あるので、好ましくない。
【0010】均質化処理を施した銀鋳塊に、第一次冷間
圧延を施す。冷間圧延は、従来公知の方法で行なうこと
ができる。本発明においては、この第一次冷間圧延時に
おける第一次圧延率を50〜95%とすることが必要であ
る。圧延率が50%未満であると、中間焼鈍を施しても、
微細で均一な結晶組織とならず、得られた銀薄板を高温
下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましくない。
逆に、圧延率が95%を超えると、経時的に軟化しやす
く、中間焼鈍を施しても、微細で均一な結晶組織となら
ず、得られた銀薄板を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化
するので、好ましくない。なお、ここで第一次圧延率と
は、100×[(面削後の銀鋳塊の厚さ)−(第一次冷間
圧延後の銀板の厚さ)]/[面削後の銀鋳塊の厚さ]な
る式で算出されるものである。
圧延を施す。冷間圧延は、従来公知の方法で行なうこと
ができる。本発明においては、この第一次冷間圧延時に
おける第一次圧延率を50〜95%とすることが必要であ
る。圧延率が50%未満であると、中間焼鈍を施しても、
微細で均一な結晶組織とならず、得られた銀薄板を高温
下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましくない。
逆に、圧延率が95%を超えると、経時的に軟化しやす
く、中間焼鈍を施しても、微細で均一な結晶組織となら
ず、得られた銀薄板を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化
するので、好ましくない。なお、ここで第一次圧延率と
は、100×[(面削後の銀鋳塊の厚さ)−(第一次冷間
圧延後の銀板の厚さ)]/[面削後の銀鋳塊の厚さ]な
る式で算出されるものである。
【0011】第一次冷間圧延を終えた後、銀板に中間焼
鈍を施す。中間焼鈍の温度条件は、150〜600℃である。
温度が150℃未満であると、均一な再結晶粒が得られな
いので、好ましくない。逆に、第一次冷間圧延を施して
熱的に不安定な状態となっている銀板に600℃を超える
温度を与えると、再結晶粒が粗大化し、得られた銀薄板
を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましく
ない。また、中間焼鈍の時間は、任意に決定しうる事項
であるが、一般的に1〜5時間程度が好ましい。なお、中
間焼鈍は、第一次冷間圧延後、一週間以内に施すことが
好ましい。一週間を超えると、銀板が経時的に軟化し
て、中間焼鈍を施しても、微細で均一な結晶組織が得ら
れにくくなる傾向が生じる。
鈍を施す。中間焼鈍の温度条件は、150〜600℃である。
温度が150℃未満であると、均一な再結晶粒が得られな
いので、好ましくない。逆に、第一次冷間圧延を施して
熱的に不安定な状態となっている銀板に600℃を超える
温度を与えると、再結晶粒が粗大化し、得られた銀薄板
を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましく
ない。また、中間焼鈍の時間は、任意に決定しうる事項
であるが、一般的に1〜5時間程度が好ましい。なお、中
間焼鈍は、第一次冷間圧延後、一週間以内に施すことが
好ましい。一週間を超えると、銀板が経時的に軟化し
て、中間焼鈍を施しても、微細で均一な結晶組織が得ら
れにくくなる傾向が生じる。
【0012】この中間焼鈍を施した後、銀板に第二次冷
間圧延を施して、所望の厚さの銀薄板を得る。この銀薄
板の厚さは、一般的に0.3〜0.7mmである。この第二次冷
間圧延時における第二次圧延率は、50〜95%である。第
二次圧延率が50%未満であると、得られた銀薄板を高温
下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましくない。
逆に、圧延率が95%を超えると、経時的に軟化しやす
く、得られた銀薄板を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化
するので、好ましくない。なお、ここで第二次圧延率と
は、100×[(第一次冷間圧延後の銀板の厚さ)−(第
二次冷間圧延後の銀薄板の厚さ)]/[第一次冷間圧延
後の銀板の厚さ]なる式で算出されるものである。
間圧延を施して、所望の厚さの銀薄板を得る。この銀薄
板の厚さは、一般的に0.3〜0.7mmである。この第二次冷
間圧延時における第二次圧延率は、50〜95%である。第
二次圧延率が50%未満であると、得られた銀薄板を高温
下に曝すと、結晶粒が粗大化するので、好ましくない。
逆に、圧延率が95%を超えると、経時的に軟化しやす
く、得られた銀薄板を高温下に曝すと、結晶粒が粗大化
するので、好ましくない。なお、ここで第二次圧延率と
は、100×[(第一次冷間圧延後の銀板の厚さ)−(第
二次冷間圧延後の銀薄板の厚さ)]/[第一次冷間圧延
後の銀板の厚さ]なる式で算出されるものである。
【0013】第二次冷間圧延を施して、本発明に係る銀
薄板を得ることができるわけであるが、更に、所望によ
り150℃以上の温度で最終焼鈍を施してもよい。最終焼
鈍は、銀薄板が熱的に不安定な状態であるため、結晶組
織の安定化のために施されるものである。最終焼鈍の温
度が150℃未満であると、均一な再結晶粒が得られにく
い傾向が生じ、高温下に曝すと、結晶粒が粗大化する傾
向が生じる。なお、最終焼鈍は、第二次冷間圧延後、一
週間以内に施すことが好ましい。一週間を超えると、銀
薄板が経時的に軟化して、最終焼鈍を施しても、微細で
均一な結晶組織が得られにくくなる傾向が生じる。
薄板を得ることができるわけであるが、更に、所望によ
り150℃以上の温度で最終焼鈍を施してもよい。最終焼
鈍は、銀薄板が熱的に不安定な状態であるため、結晶組
織の安定化のために施されるものである。最終焼鈍の温
度が150℃未満であると、均一な再結晶粒が得られにく
い傾向が生じ、高温下に曝すと、結晶粒が粗大化する傾
向が生じる。なお、最終焼鈍は、第二次冷間圧延後、一
週間以内に施すことが好ましい。一週間を超えると、銀
薄板が経時的に軟化して、最終焼鈍を施しても、微細で
均一な結晶組織が得られにくくなる傾向が生じる。
【0014】以上のようにして得られた銀薄板は、電気
接点等の電気材料に用いられるものである。この際、銀
薄板は所定の形状に成形され、その後高温下に曝され
て、各種の処理が施されるのである。
接点等の電気材料に用いられるものである。この際、銀
薄板は所定の形状に成形され、その後高温下に曝され
て、各種の処理が施されるのである。
【0015】
実施例1〜3及び比較例1〜8 99.99重量%純度の銀地金と、Ag−10重量%Cuの母合金
とを使用して、表1に示すCu含有量となるように、黒鉛
るつぼにて配合し溶解した。脱ガス後、水冷鋳型による
連続鋳造及び予熱温度を変えた金型で鋳造して銀鋳塊を
得た。この銀鋳塊の寸法は、厚さ35mm,幅150mm,長さ2
50mmであった。また、この銀鋳塊中の結晶粒の大きさは
表1に示したとおりであった。この銀鋳塊の片面を3mm
づつ、両表面を面削して鋳塊の厚さを29mmとした後、表
1に示す温度条件で均質化処理を行なった。均質化処理
の時間は、表1の温度に銀鋳塊の実態温度が達して3時
間保持した。均質化処理の後、空冷して第一次冷間圧延
を施した。第一次冷間圧延の第一次圧延率は表1に示し
たとおりであり、また第一次冷間圧延後の銀板の厚さは
表1に示したとおりであった。
とを使用して、表1に示すCu含有量となるように、黒鉛
るつぼにて配合し溶解した。脱ガス後、水冷鋳型による
連続鋳造及び予熱温度を変えた金型で鋳造して銀鋳塊を
得た。この銀鋳塊の寸法は、厚さ35mm,幅150mm,長さ2
50mmであった。また、この銀鋳塊中の結晶粒の大きさは
表1に示したとおりであった。この銀鋳塊の片面を3mm
づつ、両表面を面削して鋳塊の厚さを29mmとした後、表
1に示す温度条件で均質化処理を行なった。均質化処理
の時間は、表1の温度に銀鋳塊の実態温度が達して3時
間保持した。均質化処理の後、空冷して第一次冷間圧延
を施した。第一次冷間圧延の第一次圧延率は表1に示し
たとおりであり、また第一次冷間圧延後の銀板の厚さは
表1に示したとおりであった。
【0016】
【表1】
【0017】第一次冷間圧延後において、表2に示す温
度条件で中間焼鈍を施した。中間焼鈍の時間は、表2に
示す温度に銀板の実態温度が達して1時間保持した。中
間焼鈍後、銀板を空冷して第二次冷間圧延を施した。第
二次圧延率は、表2に示したとおりであり、第二次冷間
圧延後の銀薄板の厚さも表2に示すとおりであった。そ
して、所望により最終焼鈍を表2に示す温度条件で施し
た。なお、最終焼鈍の時間は、表2に示す温度に銀薄板
の実態温度が達して1時間保持した。
度条件で中間焼鈍を施した。中間焼鈍の時間は、表2に
示す温度に銀板の実態温度が達して1時間保持した。中
間焼鈍後、銀板を空冷して第二次冷間圧延を施した。第
二次圧延率は、表2に示したとおりであり、第二次冷間
圧延後の銀薄板の厚さも表2に示すとおりであった。そ
して、所望により最終焼鈍を表2に示す温度条件で施し
た。なお、最終焼鈍の時間は、表2に示す温度に銀薄板
の実態温度が達して1時間保持した。
【0018】
【表2】
【0019】以上のようにして得られた銀薄板の性能を
評価するために、以下の試験を行なった。即ち、予め90
0℃に加熱した大気雰囲気の炉に、銀薄板を入れて1時間
保持した。その後、銀薄板を取り出して、光学顕微鏡に
よって結晶粒の大きさを測定した。その結果を、表2に
示した。
評価するために、以下の試験を行なった。即ち、予め90
0℃に加熱した大気雰囲気の炉に、銀薄板を入れて1時間
保持した。その後、銀薄板を取り出して、光学顕微鏡に
よって結晶粒の大きさを測定した。その結果を、表2に
示した。
【0020】表2の結果から明らかなように、実施例1
〜3に係る方法で得られた銀薄板を高温下に曝した後の
結晶粒の大きさは、100μm以下であり、比較例1〜8
に係る方法のものの結晶粒の大きさは、100μmを超え
ていた。一般的に、高温下に曝したときの銀薄板中の結
晶粒の大きさが100μmを超えると、割れや表面の肌荒
れが起こると言われている。従って、実施例1〜3に係
る銀薄板を高温下に曝しても、割れや表面の肌荒れが起
こりにくいことが分かる。
〜3に係る方法で得られた銀薄板を高温下に曝した後の
結晶粒の大きさは、100μm以下であり、比較例1〜8
に係る方法のものの結晶粒の大きさは、100μmを超え
ていた。一般的に、高温下に曝したときの銀薄板中の結
晶粒の大きさが100μmを超えると、割れや表面の肌荒
れが起こると言われている。従って、実施例1〜3に係
る銀薄板を高温下に曝しても、割れや表面の肌荒れが起
こりにくいことが分かる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
で得られた銀薄板は、800℃程度の高温に加熱しても結
晶粒の粗大化が起こりにくい。従って、この銀薄板を使
用して、他の材料と接合するために、若しくは電気材料
として使用するために、800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中に粗大化した結晶粒が生じにくい。依っ
て、銀薄板は高強度を維持し、物理的な衝撃等が加わっ
ても、割れが生じにくく、且つ表面の肌荒れも生じにく
いという効果を奏する。
で得られた銀薄板は、800℃程度の高温に加熱しても結
晶粒の粗大化が起こりにくい。従って、この銀薄板を使
用して、他の材料と接合するために、若しくは電気材料
として使用するために、800℃程度以上の高温下に曝し
ても、銀薄板中に粗大化した結晶粒が生じにくい。依っ
て、銀薄板は高強度を維持し、物理的な衝撃等が加わっ
ても、割れが生じにくく、且つ表面の肌荒れも生じにく
いという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 Cu20〜100ppm,残部Ag及び不可避不純物
からなり、且つ結晶粒の大きさが10mm以下である銀鋳塊
に、550〜900℃の条件で均質化処理を施し、次いで第一
次冷間圧延を施して第一次圧延率を50〜95%とした後、
150〜600℃の条件で中間焼鈍を施し、その後更に第二次
冷間圧延を施して第二次圧延率を50〜95%とすることを
特徴とする銀薄板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の第二次冷間圧延を施した
後、150℃以上の温度で最終焼鈍を施すことを特徴とす
る請求項1記載の銀薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13004492A JPH05295499A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 銀薄板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13004492A JPH05295499A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 銀薄板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295499A true JPH05295499A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=15024735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13004492A Pending JPH05295499A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 銀薄板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295499A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102814324A (zh) * | 2012-08-30 | 2012-12-12 | 福达合金材料股份有限公司 | 侧复式银铜复合带材的制备方法 |
CN103056162A (zh) * | 2012-12-17 | 2013-04-24 | 安徽鑫源达有色金属材料有限公司 | 一种镍铝复合带的制备方法 |
-
1992
- 1992-04-22 JP JP13004492A patent/JPH05295499A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102814324A (zh) * | 2012-08-30 | 2012-12-12 | 福达合金材料股份有限公司 | 侧复式银铜复合带材的制备方法 |
CN103056162A (zh) * | 2012-12-17 | 2013-04-24 | 安徽鑫源达有色金属材料有限公司 | 一种镍铝复合带的制备方法 |
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