JPH05295478A - 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法 - Google Patents
曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法Info
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- JPH05295478A JPH05295478A JP12832392A JP12832392A JPH05295478A JP H05295478 A JPH05295478 A JP H05295478A JP 12832392 A JP12832392 A JP 12832392A JP 12832392 A JP12832392 A JP 12832392A JP H05295478 A JPH05295478 A JP H05295478A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車のバンパー等に好適な押出加工が容易
で、曲げ加工性に優れ、かつ耐応腐食が割れ性の良好な
アルミニウム合金押出材とその製造方法を提供する。 【構成】 Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.20
〜1.00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr
0.10〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05〜
0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの1
種または2種を含み、Fe+Siが0.30wt%以下で
かつFe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可避
的不純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt%
以下でその合計が0.05wt%以下であることを特徴と
する曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材。
で、曲げ加工性に優れ、かつ耐応腐食が割れ性の良好な
アルミニウム合金押出材とその製造方法を提供する。 【構成】 Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.20
〜1.00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr
0.10〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05〜
0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの1
種または2種を含み、Fe+Siが0.30wt%以下で
かつFe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可避
的不純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt%
以下でその合計が0.05wt%以下であることを特徴と
する曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム合金押出材
が用いられる自動車のバンパー、スペースフレーム等の
部品材料として好適な押出加工が容易で曲げ加工性に優
れたアルミニウム合金押出材とその製造方法に関するも
のである。
が用いられる自動車のバンパー、スペースフレーム等の
部品材料として好適な押出加工が容易で曲げ加工性に優
れたアルミニウム合金押出材とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、米国のCAFE(燃費節減)基準
の強化法案の影響で自動車の軽量化が本格化して来てい
る。自動車のバンパーについてもスチールからアルミニ
ウムへの転換が軽量化効果が大きいこと及び軽量化によ
る付帯効果として車両のヨーイングモーメントの低減に
よる操縦安定性の向上等が期待されるために、種々のア
ルミニウム合金が試みられている。従来のバンパー用の
アルミニウム合金は、Al−Zn−Mg系合金である7
000系合金が強度が優れていることから採用されてい
る。例えば外国では Raufoss社の7108合金(Al−
1.4wt%Mg−5.3wt%Zn)、7021合金(A
l−1.8wt%Mg−5.9wt%Zn−0.3wt%C
u)やReynolds社の開発合金(Al−1.3wt%Mg−
4.7wt%Zn−0.5wt%Cu)、さらに国内ではア
イシン軽金属社のA7NO1改S合金(Al−0.8wt
%Mg−5.3wt%Zn−0.15wt%Cu)等が開発
されている。
の強化法案の影響で自動車の軽量化が本格化して来てい
る。自動車のバンパーについてもスチールからアルミニ
ウムへの転換が軽量化効果が大きいこと及び軽量化によ
る付帯効果として車両のヨーイングモーメントの低減に
よる操縦安定性の向上等が期待されるために、種々のア
ルミニウム合金が試みられている。従来のバンパー用の
アルミニウム合金は、Al−Zn−Mg系合金である7
000系合金が強度が優れていることから採用されてい
る。例えば外国では Raufoss社の7108合金(Al−
1.4wt%Mg−5.3wt%Zn)、7021合金(A
l−1.8wt%Mg−5.9wt%Zn−0.3wt%C
u)やReynolds社の開発合金(Al−1.3wt%Mg−
4.7wt%Zn−0.5wt%Cu)、さらに国内ではア
イシン軽金属社のA7NO1改S合金(Al−0.8wt
%Mg−5.3wt%Zn−0.15wt%Cu)等が開発
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら上
記の従来の合金ではいずれも強度、曲げ加工性、耐応力
腐食割れ性、耐食性の問題とコストを含む生産性(ダイ
ス寿命、押出性等)とのバランスが悪く、未だ一般乗用
車への適用は殆どないのが現状である。
記の従来の合金ではいずれも強度、曲げ加工性、耐応力
腐食割れ性、耐食性の問題とコストを含む生産性(ダイ
ス寿命、押出性等)とのバランスが悪く、未だ一般乗用
車への適用は殆どないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる状況に鑑
み鋭意検討の結果、押出加工が容易で生産性が良く、し
かも押出加工後の曲げ加工性、耐応力腐食割れ性が良好
で、機械的性質も優れているアルミニウム合金押出材と
その製造方法を開発したものであり、第1の発明は、Z
n4.50〜6.00wt%、Mg0.20〜1.00wt
%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr0.10〜0.
30wt%を含み、さらにMn0.05〜0.20wt%、
Cr0.05〜0.20wt%のうちの1種または2種を
含み、Fe+Siが0.30wt%以下でかつFe/Si
が1.5以上であり、残部Alと不可避的不純物とから
なり不可避的不純物が各々0.05wt%以下でその合計
が0.15wt%以下であることを特徴とする曲げ加工性
に優れたアルミニウム合金押出材であり、第2の発明
は、Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.20〜1.
00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr0.10
〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05〜0.20
wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの1種または
2種以上を含み、Fe+Siが0.30wt%以下でかつ
Fe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可避的不
純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt%以下
でその合計が0.15wt%以下である合金鋳塊を420
〜520℃の温度で2〜24時間均一化処理した後、4
30〜520℃の温度で押出し加工を施し、次に、90
〜110℃の温度で2〜12時間一段目の時効処理した
後、さらに120〜170℃の温度で5〜24時間二段
目の時効処理を施すことを特徴とする曲げ加工性に優れ
たアルミニウム合金押出材の製造方法である。
み鋭意検討の結果、押出加工が容易で生産性が良く、し
かも押出加工後の曲げ加工性、耐応力腐食割れ性が良好
で、機械的性質も優れているアルミニウム合金押出材と
その製造方法を開発したものであり、第1の発明は、Z
n4.50〜6.00wt%、Mg0.20〜1.00wt
%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr0.10〜0.
30wt%を含み、さらにMn0.05〜0.20wt%、
Cr0.05〜0.20wt%のうちの1種または2種を
含み、Fe+Siが0.30wt%以下でかつFe/Si
が1.5以上であり、残部Alと不可避的不純物とから
なり不可避的不純物が各々0.05wt%以下でその合計
が0.15wt%以下であることを特徴とする曲げ加工性
に優れたアルミニウム合金押出材であり、第2の発明
は、Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.20〜1.
00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Zr0.10
〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05〜0.20
wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの1種または
2種以上を含み、Fe+Siが0.30wt%以下でかつ
Fe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可避的不
純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt%以下
でその合計が0.15wt%以下である合金鋳塊を420
〜520℃の温度で2〜24時間均一化処理した後、4
30〜520℃の温度で押出し加工を施し、次に、90
〜110℃の温度で2〜12時間一段目の時効処理した
後、さらに120〜170℃の温度で5〜24時間二段
目の時効処理を施すことを特徴とする曲げ加工性に優れ
たアルミニウム合金押出材の製造方法である。
【0005】
【作用】まず本発明アルミニウム合金押出材の合金組成
の限定理由について説明する。Znは、優れた機械的性
質を付与するのに不可欠の元素であり、4.50wt%
(以下単に%と略記)未満ではこの効果は少なく、ま
た、6.00%を超えて含有すると耐応力腐食割れ性、
耐食性および成形性が劣るようになる。よって、Zn含
有量は4.50〜6.00%の範囲とする。Mgは、優
れた機械的性質を付与するのにZn以上に不可欠の元素
であり、0.20%未満ではこの効果は少なく、また、
1.00%を超えて含有すると耐応力腐食割れ性、曲げ
加工時の成形性及び押出加工性が劣化して生産性を損な
うことになる。よって、Mg含有量0.20〜1.00
%の範囲とする。Cuは最も重要な元素で時効硬化によ
り機械的性質を向上させると共に耐応力腐食割れ性を向
上させるものであり0.20%未満ではこの効果は少な
く、また、0.50%を超えて含有すると耐食性を劣化
させる。よって、Cu含有量0.10〜0.50%の範
囲とする。Zrは合金中の粗大再結晶を抑制し、結晶粒
形状を繊維組織化して組織の安定化をはかると共に曲げ
加工性の改善のために有効なものであるが、0.10%
未満ではこの効果は少なく、0.30%を超えて多く含
有すると粗大なAl−Zr系金属間化合物が生成して靱
性等を劣化させる。よって、Zr含有量0.10〜0.
30%の範囲とする。MnおよびCrはこれらの両成分
の共存状態でAl素地中に微細分散し組織安定化のため
の元素で、曲げ加工などの成形加工を施した後の押出材
の表面にオレンジピール状の肌荒れが発生することを防
止する作用があり、0.05%未満ではこの効果は少な
く、また、0.20%を超えて含有すると粗大金属間化
合物の生成、焼入感受性の増大、及び強度および押出加
工性の劣化を招き、上記の効果は飽和して含有させる意
味がなくなる。よって、MnおよびCr含有量0.05
〜0.20%の範囲とする。FeおよびSiの含有量は
高純度にすることにより、靱性や機械的性質の向上とな
るために、FeおよびSiの含有量をFe+Siが0.
30%以下とする。Fe/Siを1.5以上としたのは
靱性や機械的性質を向上させるためと粗大金属間化合物
の発生を防止するためである。また不可避的不純物を各
々で0.05%以下、合計で0.15%以下としたのは
高純度にすることにより靱性や機械的性質を向上させら
れるからである。
の限定理由について説明する。Znは、優れた機械的性
質を付与するのに不可欠の元素であり、4.50wt%
(以下単に%と略記)未満ではこの効果は少なく、ま
た、6.00%を超えて含有すると耐応力腐食割れ性、
耐食性および成形性が劣るようになる。よって、Zn含
有量は4.50〜6.00%の範囲とする。Mgは、優
れた機械的性質を付与するのにZn以上に不可欠の元素
であり、0.20%未満ではこの効果は少なく、また、
1.00%を超えて含有すると耐応力腐食割れ性、曲げ
加工時の成形性及び押出加工性が劣化して生産性を損な
うことになる。よって、Mg含有量0.20〜1.00
%の範囲とする。Cuは最も重要な元素で時効硬化によ
り機械的性質を向上させると共に耐応力腐食割れ性を向
上させるものであり0.20%未満ではこの効果は少な
く、また、0.50%を超えて含有すると耐食性を劣化
させる。よって、Cu含有量0.10〜0.50%の範
囲とする。Zrは合金中の粗大再結晶を抑制し、結晶粒
形状を繊維組織化して組織の安定化をはかると共に曲げ
加工性の改善のために有効なものであるが、0.10%
未満ではこの効果は少なく、0.30%を超えて多く含
有すると粗大なAl−Zr系金属間化合物が生成して靱
性等を劣化させる。よって、Zr含有量0.10〜0.
30%の範囲とする。MnおよびCrはこれらの両成分
の共存状態でAl素地中に微細分散し組織安定化のため
の元素で、曲げ加工などの成形加工を施した後の押出材
の表面にオレンジピール状の肌荒れが発生することを防
止する作用があり、0.05%未満ではこの効果は少な
く、また、0.20%を超えて含有すると粗大金属間化
合物の生成、焼入感受性の増大、及び強度および押出加
工性の劣化を招き、上記の効果は飽和して含有させる意
味がなくなる。よって、MnおよびCr含有量0.05
〜0.20%の範囲とする。FeおよびSiの含有量は
高純度にすることにより、靱性や機械的性質の向上とな
るために、FeおよびSiの含有量をFe+Siが0.
30%以下とする。Fe/Siを1.5以上としたのは
靱性や機械的性質を向上させるためと粗大金属間化合物
の発生を防止するためである。また不可避的不純物を各
々で0.05%以下、合計で0.15%以下としたのは
高純度にすることにより靱性や機械的性質を向上させら
れるからである。
【0006】次に本発明アルミニウム合金の製造方法に
ついて説明する。均一化処理はマトリックスの溶質濃度
を下げ、Mg2 Zn等の均一粒子を均一分散させること
により、高温で均一化して低温で析出処理を行うのが望
ましい。均一化処理温度が520℃を超えるとFeやM
nの析出が大きくなり、押出性、焼入感受性を敏感にし
て性能を劣化させる。また、420℃未満や長時間保持
でも析出物の粗大化からの押出加工性の劣化となる。し
たがって420〜520℃で2〜24時間が適当であ
る。
ついて説明する。均一化処理はマトリックスの溶質濃度
を下げ、Mg2 Zn等の均一粒子を均一分散させること
により、高温で均一化して低温で析出処理を行うのが望
ましい。均一化処理温度が520℃を超えるとFeやM
nの析出が大きくなり、押出性、焼入感受性を敏感にし
て性能を劣化させる。また、420℃未満や長時間保持
でも析出物の粗大化からの押出加工性の劣化となる。し
たがって420〜520℃で2〜24時間が適当であ
る。
【0007】また、本発明では軽量かつ高強度の自動車
用バンパーの製造を目指しているために、大型でしかも
薄肉の中空形材の押出加工を可能にするために、押出温
度を430℃以上の高温にしなければならない。従来こ
のくらい高い温度での押出加工を行うと押出形材の再結
晶粒の生成と粗大化が大幅に進んで押出形材の応力腐食
割れが著しく損なわれ、これを避けるために押出温度の
低い温度での押出を余儀なくされ押出加工しやすい厚肉
材や中実材の押出加工に限定されていたのである。そこ
で、本発明は押出性に大きく影響するMgを少なくし、
強度をZn量で補うことによる高Zn低Mgを基本にC
u添加で耐応力腐食割れを大幅に向上させ、Zrで完全
ファイバー組織となり、MnとCrでさらなる安定化組
織となり、FeやMnの不純物を制御することで粗大金
属間化合物を皆無にすることにより押出温度を430〜
520℃の高温押出が可能となると共に押出速度の向上
による生産効率アップが可能となったものである。
用バンパーの製造を目指しているために、大型でしかも
薄肉の中空形材の押出加工を可能にするために、押出温
度を430℃以上の高温にしなければならない。従来こ
のくらい高い温度での押出加工を行うと押出形材の再結
晶粒の生成と粗大化が大幅に進んで押出形材の応力腐食
割れが著しく損なわれ、これを避けるために押出温度の
低い温度での押出を余儀なくされ押出加工しやすい厚肉
材や中実材の押出加工に限定されていたのである。そこ
で、本発明は押出性に大きく影響するMgを少なくし、
強度をZn量で補うことによる高Zn低Mgを基本にC
u添加で耐応力腐食割れを大幅に向上させ、Zrで完全
ファイバー組織となり、MnとCrでさらなる安定化組
織となり、FeやMnの不純物を制御することで粗大金
属間化合物を皆無にすることにより押出温度を430〜
520℃の高温押出が可能となると共に押出速度の向上
による生産効率アップが可能となったものである。
【0008】人工時効処理は本合金に最大強度をもたら
すためのものであり、時効初期に生じるクラスタを均一
分散させこれをGPゾーンあるいは中間層へと成長させ
る必要がある。理想的には2段時効処理とし一段目でM
g2 Znを微細均一に析出させ二段目の高温時効で粗大
GPゾーン中間層へと成長させることが望ましい。1段
目の時効処理の温度を90〜110℃、時間を2〜12
時間としたのは温度が90℃未満、時間が2時間未満で
はMg2 Znの析出が不充分であり、110℃を超えた
り、12時間を超えると、析出物の粗大化を招くからで
ある。また2段目の時効処理の温度を120〜170
℃、時間を5〜24時間としたのは温度が120℃未
満、時間が5時間未満では、GPゾーンあるいは中間層
への成長が不充分であり、170℃を超えたり、24時
間を超えると析出物が粗大となり、また経済的でないか
らである。
すためのものであり、時効初期に生じるクラスタを均一
分散させこれをGPゾーンあるいは中間層へと成長させ
る必要がある。理想的には2段時効処理とし一段目でM
g2 Znを微細均一に析出させ二段目の高温時効で粗大
GPゾーン中間層へと成長させることが望ましい。1段
目の時効処理の温度を90〜110℃、時間を2〜12
時間としたのは温度が90℃未満、時間が2時間未満で
はMg2 Znの析出が不充分であり、110℃を超えた
り、12時間を超えると、析出物の粗大化を招くからで
ある。また2段目の時効処理の温度を120〜170
℃、時間を5〜24時間としたのは温度が120℃未
満、時間が5時間未満では、GPゾーンあるいは中間層
への成長が不充分であり、170℃を超えたり、24時
間を超えると析出物が粗大となり、また経済的でないか
らである。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例により、更に詳細に説明
する。表1に示す各種組成の合金を水冷鋳造により、3
45mmφの押出用鋳塊に鋳造した後、表1に示す各条件
で均一化処理し、表1に示す押出温度でホロー角管形状
のバンパー用モデル型(肉厚2mm)形材を押出し、これ
らの形材に表1に示す条件の時効処理を施し、試料とし
た。これらの試料につき、機械的性質、押出性、曲げ加
工性、耐応力腐食割れ性を評価した。機械的性質は、引
張試験による引張強さ、耐力、伸びで表した。押出性は
押出時のラム速度(ipm)から換算した押出速度(m
/min.)と押出時の最大押出圧力(kg/mm2 )により評
価した。また曲げ加工性は、バンパー基本型ホロー角管
(厚さ2mm)で200R曲げ後の変形能、シワと割れの
発生状態から総合的に評価した。耐応力割れ性は、クロ
ム酸促進液に12時間浸漬した後応力腐食割れの発生と
表面の腐食状況から判定した耐食性により評価した。こ
れらの結果を表2に示す。
する。表1に示す各種組成の合金を水冷鋳造により、3
45mmφの押出用鋳塊に鋳造した後、表1に示す各条件
で均一化処理し、表1に示す押出温度でホロー角管形状
のバンパー用モデル型(肉厚2mm)形材を押出し、これ
らの形材に表1に示す条件の時効処理を施し、試料とし
た。これらの試料につき、機械的性質、押出性、曲げ加
工性、耐応力腐食割れ性を評価した。機械的性質は、引
張試験による引張強さ、耐力、伸びで表した。押出性は
押出時のラム速度(ipm)から換算した押出速度(m
/min.)と押出時の最大押出圧力(kg/mm2 )により評
価した。また曲げ加工性は、バンパー基本型ホロー角管
(厚さ2mm)で200R曲げ後の変形能、シワと割れの
発生状態から総合的に評価した。耐応力割れ性は、クロ
ム酸促進液に12時間浸漬した後応力腐食割れの発生と
表面の腐食状況から判定した耐食性により評価した。こ
れらの結果を表2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】表2から明らかなように本発明合金材No.
1〜4は従来合金材No.8〜10に比較して機械的性質
はやや劣り中程度の強度であるが、押出性、曲げ加工
性、耐応力腐食割れ性はいずれも優れている。これに対
しCu含有量が本発明の範囲より少なく、Fe+Siが
本発明の範囲より多い比較合金材No.5は押出性と曲げ
加工性が本発明合金材よりやや劣り、合金組成は本発明
の範囲内であるが、製造方法が本発明の範囲外である比
較合金材No.6、7は従来材と比較して押出性、曲げ加
工性、耐応力腐食割れ性とも優れているが、本発明製造
方法で製造した本発明合金材と比較すると曲げ加工性が
やや劣る。
1〜4は従来合金材No.8〜10に比較して機械的性質
はやや劣り中程度の強度であるが、押出性、曲げ加工
性、耐応力腐食割れ性はいずれも優れている。これに対
しCu含有量が本発明の範囲より少なく、Fe+Siが
本発明の範囲より多い比較合金材No.5は押出性と曲げ
加工性が本発明合金材よりやや劣り、合金組成は本発明
の範囲内であるが、製造方法が本発明の範囲外である比
較合金材No.6、7は従来材と比較して押出性、曲げ加
工性、耐応力腐食割れ性とも優れているが、本発明製造
方法で製造した本発明合金材と比較すると曲げ加工性が
やや劣る。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、押
出性が良好で曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出
材が得られるもので工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
出性が良好で曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出
材が得られるもので工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.
20〜1.00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Z
r0.10〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05
〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの
1種または2種を含み、Fe+Siが0.30wt%以下
でかつFe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可
避的不純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt
%以下でその合計が0.15wt%以下であることを特徴
とする曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材。 - 【請求項2】 Zn4.50〜6.00wt%、Mg0.
20〜1.00wt%、Cu0.20〜0.50wt%、Z
r0.10〜0.30wt%を含み、さらにMn0.05
〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%のうちの
1種または2種を含み、Fe+Siが0.30wt%以下
でかつFe/Siが1.5以上であり、残部Alと不可
避的不純物とからなり不可避的不純物が各々0.05wt
%以下でその合計が0.15wt%以下である合金鋳塊を
420〜520℃の温度で2〜24時間均一化処理した
後、430〜520℃の温度で押出し加工を施し、次
に、90〜110℃の温度で2〜12時間一段目の時効
処理した後、さらに120〜170℃の温度で5〜24
時間二段目の時効処理を施すことを特徴とする曲げ加工
性に優れたアルミニウム合金押出材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12832392A JPH05295478A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12832392A JPH05295478A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295478A true JPH05295478A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14981941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12832392A Pending JPH05295478A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295478A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008005852A2 (en) * | 2006-06-30 | 2008-01-10 | Alcan Rolled Products-Ravenswood, Llc, | High strength, heat treatable al-zn-mg aluminium alloy |
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- 1992-04-21 JP JP12832392A patent/JPH05295478A/ja active Pending
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