JPH05294800A - 微小粒子の作製方法及びその装置 - Google Patents

微小粒子の作製方法及びその装置

Info

Publication number
JPH05294800A
JPH05294800A JP4121189A JP12118992A JPH05294800A JP H05294800 A JPH05294800 A JP H05294800A JP 4121189 A JP4121189 A JP 4121189A JP 12118992 A JP12118992 A JP 12118992A JP H05294800 A JPH05294800 A JP H05294800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
charged particles
fine particles
producing fine
charged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4121189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07112539B2 (ja
Inventor
Toshihiko Kanayama
敏彦 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP4121189A priority Critical patent/JPH07112539B2/ja
Priority to US08/035,688 priority patent/US5382801A/en
Publication of JPH05294800A publication Critical patent/JPH05294800A/ja
Publication of JPH07112539B2 publication Critical patent/JPH07112539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D59/00Separation of different isotopes of the same chemical element
    • B01D59/44Separation by mass spectrography

Abstract

(57)【要約】 【構成】中心電極3からの距離の増大とともに強度が減
少する交流電界を、荷電粒子に前記の中心電極に向かう
力を及ぼす直流電界に重畳させることにより荷電粒子1
を所定の領域に捕捉させるとともに、この領域で第2の
粒子2を原料として荷電粒子1を成長させる微小粒子の
作製方法とその装置。 【効果】大きさ、形状等が揃った微小粒子が作製でき、
また異種の物質よりなる複合的な構造の微小粒子を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大きさ、形状等が揃
えられた例えば、その粒径が0.1 μm 以下の微小な粒子
を作製する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微小粒子を作製するには気相又は
液相中で原料物質を反応させ、気体又は液体の中に反応
生成物を析出させる方法が用いられている。例えば、金
属の微小粒子を作製するには、その金属の塩化物や弗化
物或はカルボニル化合物などの気体材料を原料として用
い、これを水素などの還元性の気体の中で高温で反応さ
せて金属を析出させる方法が用いられている。
【0003】また、同じ原料気体をプラズマ中で分解さ
せても同様に微小粒子が得られ、この他100Pa 程度の圧
力の希ガス中で原料物質を加熱し蒸発させると、その蒸
気は希ガスにより急冷されて凝縮し微小な粒子が作製で
きる。
【0004】更に、液相中で色々な析出反応を起こさせ
ることによって容易に微小な粒子を得ることができる。
例えば、塩化鉄のような金属塩の水溶液に水素化ホウ素
ナトリウムのような還元剤を加えて金属微粒子を析出さ
せる方法が工業的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
従来の方法には下記のような欠点があり、微小粒子の作
製精度を向上させる上で重大な問題となっていた。即
ち、以上の何れの方法でも反応物質の濃度や反応温度な
どの反応条件を制御して作製する粒子の大きさや形状を
制御している。したがって、一般に大きさの制御性が悪
く、また作製した粒子の形状も不揃である。即ち、従来
の方法で作製した粒子の大きさは常に或る程度のばらつ
きを持っており、特定の大きさの粒子のみを作製するこ
とは不可能であった。
【0006】また、気相や液相中で反応析出させるた
め、不純物の取り込みが多く、更に従来法では作製した
粒子には構造欠陥が多く、結晶性が悪いという欠点があ
り、良好な結晶性が必要な場合には作製後に熱処理を行
なわなければならないが、その過程で粒子が融合してし
まうという問題点があった。
【0007】それ以外に、従来の方法では、単一の材料
からなる粒子を作製することしかできず、異種の物質が
組み合わさって形成されるような複合的な構造を作るこ
とは不可能であった。
【0008】また、大きさが0.1 μm 以下の微小な粒子
は触媒、光学材料、電子材料などに新たな応用が期待さ
れるが、従来の作製方法ではこれらの目的に利用するに
は問題が多く、狙い通りの構造を持つ微小粒子を高精度
に作製する方法が必要とされていた。
【0009】そこで、この発明は所定の大きさと所定の
構造を持つ微小粒子乃至異種の物質よりなる複合的な構
造の微小粒子の作製を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、これらの課
題を解決するために所定の領域に荷電粒子を捕捉させる
とともに、この領域で第2の粒子を原料として上記荷電
粒子を成長させる微小粒子の作製方法とその装置を提供
するものである。
【0011】
【作用】図1にこの発明の原理を説明する。同図に示す
ように、所定の領域Aに例えば正電荷を有する荷電粒子
1…を捕捉するとともに、荷電粒子1…の周辺に中性の
原子又は分子からなる第2の粒子2…を供給すると、荷
電粒子1…の持つ静電力で両者が引き合い、互いに接触
して付着する現象が生じ、この付着反応で荷電粒子が成
長する。即ち、第2の粒子が原料となって荷電粒子が成
長するのである。
【0012】ここで、使用する第2の粒子には特に制限
はなく、任意の粒子を用いることができるが、通常に得
られる気体状の原子又は分子を用いることが実際的で有
用である。
【0013】なお、第2の粒子として荷電粒子と化学的
に反応性を有するものを使用すれば、荷電粒子が第2の
粒子を取り込んだ形となり、結果として荷電粒子の大き
さが成長する。
【0014】この場合、荷電粒子が第2の粒子を全てを
取り込んで成長する必要はなく、適当な部分が脱離して
もよい。例えば、シリコンの粒子を成長させるのに、シ
ラン(SiH4) や塩化シリコンなどのガス化しやすい材料
を第2の粒子として用いることができるが、この例の場
合には、これらの原料ガスがシリコンの粒子に付着する
際に、Si原子のみを残して蒸気圧の高い水素や塩素ガス
が脱離する。
【0015】以上の方法では、荷電粒子の持つ静電引力
に第2の粒子が引き寄せられ、付着しながら粒子が成長
するが、単なる粒子の幾何学的断面積に比べてこの静電
引力による付着する断面積は遥かに大きく、効率的に付
着反応が進行する。したがって、この発明では密度が低
い原料ガスを使用することができ、このため原料ガスの
純度を維持し易く、不純物の混入を少なくすることがで
きる。
【0016】また、微小粒子を従来法で成長させた後、
例えば電子線を照射してこの微小粒子に荷電を与える
と、一般的に大きなエネルギーの授受を伴い、成長させ
た微小粒子が分裂してしまうが、この発明の方法では微
小粒子が常に荷電を持つた状態で成長するため、成長中
或は成長後に荷電粒子の位置や運動エネルギーを操作し
たり、その質量や運動エネルギーを検出する手法が利用
できる。
【0017】例えば、荷電粒子の質量は種々の公知の手
法により測定できるが、その質量が所定の値に達した時
点で成長を終了させたり、成長後に所定の質量のみを選
別することにより、粒子の大きさを特定のもののみに限
定できる。
【0018】特に、この発明では成長中に質量を連続的
に監視できるため、成長状況を把握して成長条件を適切
に制御することができる。
【0019】即ち、この発明の方法では、異種の物質よ
りなる微小粒子を作製するには、成長の途中で第2の粒
子を変更すればよいが、上述のように質量を監視しなが
ら微小粒子を成長させるため、所定の大きさに粒子が成
長した時に第2の粒子の種類を変更することは容易であ
る。
【0020】また、この場合供給するガスの種類を切り
替える代りに、荷電粒子の捕捉位置を電気的に移動させ
て周辺にあるガスの種類を変化させるようにしてもよ
い。
【0021】一方、第2の粒子に成長中の荷電粒子と逆
の電荷を持つ粒子を用いると、両者の間の静電引力が更
に強くなり、成長効率が増すと同時に、次のような特徴
ある成長が可能となる。
【0022】即ち、従来の方法では作製した微小粒子を
単に結合させただけでは、結合する組み合わせを特定で
きず、同種粒子が無制限に結合することが頻発して、作
製した微小粒子の形状はその製法で自動的に定まるに任
せざるを得ず、一般に球対称的な粒子や結晶成長が容易
な方向に伸びた線状又は樹枝状の形状の粒子しか作製で
きず、所望の形状の粒子を作製できなかった。
【0023】これに対して、図2に示すように、荷電粒
子1が捕捉された所定領域A内にある程度の大きさに成
長した、荷電粒子1とは逆の電荷を有する第2の粒子2
が供給されると、逆の電荷を有する粒子のみが特定の面
でのみ結合するので、図2にあるように、特異な形状の
微小粒子を制御して作製できる。
【0024】このように、この発明によれば単に微小粒
子を作製するだけでなく、これを組み合わせて微細な構
造形成が精度よく行なうことができ、またこの発明によ
り異種の物質よりなる複合的な構造を持つ微小粒子を設
計通りに作製できる。
【0025】更に、この発明では成長中の荷電粒子に適
当な電磁界を加えることにより、その運動エネルギーを
所望の値に設定できるが、荷電粒子に適当な運動エネル
ギーを与えると、粒子の運動速度が向上するので、第2
の粒子との接近する頻度が増し、成長速度が増進され
る。
【0026】この時、荷電粒子と第2の粒子の付着が適
当な相対速度を持って起こり、したがって反応性が向上
して、第2の粒子を取り込み易くなるとともに、揮発性
の成分の離脱が起こり易くなる。
【0027】また、付着した粒子が適当な運動エネルギ
ーを持つため、成長されながら加熱されたと同様な効果
を生じ、このため付着した粒子が安定な位置にたどり着
き易くなり、したがって作製した粒子の結晶性が向上す
る。
【0028】この場合、ヘリウムなどの不活性ガスを加
えると、これが減速材として働き、運動量の制御が行な
われる。
【0029】なお、この発明の方法では、荷電粒子を自
由に走行させて微小粒子を成長させてもよいが、所定の
領域に電磁的に捕捉してその領域に第2の粒子を供給す
る方法を採用すると、所望の時間を掛けて粒子を成長さ
せることができるので、成長速度を下げて結晶性を向上
させることができ、また第2の粒子を供給する領域が限
定されるので、材料の消費が減り、更に捕捉のための電
磁極系を用いて同時に荷電粒子の質量を測定できるの
で、成長中の質量の監視も容易となる。
【0030】これに対して、荷電粒子を所定の領域に捕
捉するには種々の公知の方法を採用することができる
が、特にこの発明では所定の領域に荷電粒子を捕捉する
手段としては、少なくとも1つの中心電極を用意し、こ
れに交流電圧と直流電圧を重畳して印加させることによ
り、中心電極からの距離の増大とともに強度が減少する
交流電界と、荷電粒子に前記の中心電極に向かう力を及
ぼす直流電界とを重畳させて発生する方法が有用であ
る。
【0031】所定の領域に荷電粒子を捕捉する方法とし
ては、従来より図6に示すように、4つの双曲面状の捕
獲電極31〜34を配置し、これに高周波電圧を印加して捕
獲電極31〜34間に高周波電界を発生させ方法が質量分離
器等に採用されていた。
【0032】この方法は、高周波電界によって捕獲電極
31〜34から荷電粒子を遠ざけることにより電極で囲まれ
る空間内部に荷電粒子を保持するものであるが、この方
法では高周波電界の分布形状が重要であり、このため捕
獲電極31〜34の形状を厳密に設定する必要があり、また
荷電粒子を広い空間に捕捉できず、更に狭い質量範囲の
粒子しか捕捉できないという難点がある。
【0033】これに対して、図3、図4はこの発明で採
用した荷電粒子の捕捉装置の原理構成を示すものであっ
て、3は中心電極、4は中心電極3の回りの電界を規定
するために中心電極3の外周に設けられた外部電極であ
る。
【0034】なお、中心電極3は、例えば球状の電極の
ように、3次元的な中心電極構成を採ってもよいが、こ
の場合には電極の保持や電極への電圧の供給が困難とな
るなどの問題があるので、図3、図4では中心電極3と
して軸対称の電極を使用した例について説明する。
【0035】また、外部電極4については、この発明に
おいて重要なのは中心電極3付近の電界であり、したが
って外部電極4は中心電極3の回りを単に囲むものであ
ればよく、その形状の如何は重要でなく、従来の電極の
ように、密に構成される必要はない。
【0036】しかし、図3、図4に示すように中心電極
3が軸対称であると、軸方向には粒子を閉じ込める力が
作用しないので、軸方向に粒子が逃げ去るのを抑制する
ために電極の両端付近に外部電極4を設置する必要があ
る。
【0037】また、イオンや電子などの荷電粒子の捕捉
は、通常真空中で行なわれるが、真空中でない場合で
も、粒子を捕捉する場に、塵埃や電気的雑音の流入を防
止するため外界から隔離する必要がある。そのため、外
部電極4には真空容器や隔離容器等を使用してもよい。
【0038】中心電極3には交流電源5を接続し、更に
この交流電源5に直流バイアスを与える直流電源6を接
続して中心電極3に荷電粒子を引き付ける方向の直流電
圧を、交流電圧とを重畳して印加する。
【0039】即ち、ここで印加された直流電圧はその静
電引力により荷電粒子1をそのまま捕捉する力となり、
捕捉できる粒子のエネルギー範囲が広く、また密度も上
げられるが、中心電極3に直流電圧のみを印加すると、
捕捉した粒子はやがて電極に衝突してしまうので、この
発明では中心電極3に交流電圧を重畳して印加すること
によりこれを防止するようにしている。
【0040】ここで、交流電界の強度が中心電極3から
の距離の増大とともに減少すると、この交流電界から荷
電粒子が受ける力は、時間平均すると中心電極3から遠
ざかる方向に働き、直流電界による引力と平衡して荷電
粒子を空間に保持するのである。
【0041】なお、上述の従来法では高周波電界によっ
て電極から荷電粒子を遠ざけ、これにより電極で囲まれ
る空間の内部に荷電粒子を保持していたが、この発明の
方法は荷電粒子を捕捉するのは直流電圧であり、交流電
圧は荷電粒子の中心電極への衝突を防止する作用しかな
い。
【0042】このため、この発明の方法では荷電粒子を
広い空間で捕捉でき、また上述の従来法のように高周波
電界の詳細な分布形状は重要ではなく、したがって中心
電極の形状を厳密に設定する必要がない。
【0043】一方、図3に示すような中心電極として単
純な形状のものを用いると、交流電界と直流電界の中心
電極からの距離に対する減衰特性が同じであるため、常
に同じ特性しか得られない。図4はこれを改良したもの
である。
【0044】即ち、中心軸の回りに2(n−1)本(但
し、nは2以上の整数:図4の実施例ではn=3)の円
筒状の要素電極11〜14を対称的に配列して中心電極3を
構成し、この要素電極に交互に位相の反転した交流電圧
を供給するように交流電源5を接続して、要素電極11〜
14全てに共通した直流電源6から供給される直流電圧と
位相の反転した交流電圧を印加することにより、上記交
流電界と直流電界の減衰特性を異ならせて、捕捉特性を
変化させることができる。
【0045】図4の改良例では、n=3即ち4重極の例
であるが、交流電源3はトランス7を用いて構成し、4
本の要素電極11〜14に1本おきに位相を反転させて交流
電圧を供給する。
【0046】例えば、11〜14の4本の要素電極の内、11
と13及び12と14の相対する2本の要素電極ずつが組にな
って同じ位相の電圧が供給され、11と12のように隣合う
要素電極の間では交流電圧の正負が常に反転した交流電
圧が供給される。
【0047】この時、交流電圧の角振動数をωとする
と、この中心電極3の外部にある荷電粒子1(電荷q、
質量m)には、
【0048】交流電界(r方向:a cos(n-1)θ・cosωt/
rn、θ方向:a sin(n-1)θ・cosωt/rn) と直流電界(=
A/r )が働く。ここでaとAは、交流電界と直流電界の
大きさを表す係数で、印加した電圧に比例し、更に上式
はn=1 とすることにより、図3の例のような交流電界と
直流電界が中心電極からの距離に対して同じ減衰特性を
示す場合も含めて論じることができる。したがって、以
下ではnは1以上の整数とする。
【0049】上記交流電界は時間平均すると、質量mの
荷電粒子には大きさnqa2/2mω2r(2n+1)のr方向の力が
中心軸からの斥力として作用し、この斥力と直流引力
(=A/r )との釣合により、2力の平衡位置 ro =(nqa
2/2mω2A)1/2nの周辺に粒子を捕捉できる。
【0050】この式のように、2(n−1)重極の時、
平衡位置ro は荷電粒子の質量mの1/2n乗に比例する。
したがって、この実施例では極めて広い質量範囲の粒子
を捕捉することができることが分かる。
【0051】即ち、nの値が1、2、3の時、平衡位置
o の質量mに対する依存性はそれぞれ1/2、1/4、1/6 乗
になる。このため、例えば中心電極の回りにその10倍の
半径までの捕捉空間を用意できるときには、捕捉できる
粒子の質量範囲はそれぞれ、102 、104 、106 倍に亘
る。
【0052】上式のように平衡位置が粒子の質量と共に
変化するので、この発明の方法では種々の質量の粒子を
捕捉することができ、且つ捕捉した粒子をその質量の順
に整列することができるという特長がある。
【0053】この例では、捕捉できる質量範囲を広げる
にはnの大きな電極、即ち多数の要素電極よりなる中心
電極を採用するのが有利であるが、一方nの値が小さい
方が安定に捕捉できる領域が広くなる。これらの点を考
慮すると、図2のように4本の要素電極からなる4重極
(n=3)が最も実用的な構成であり、しかもこの4重
極にはこの発明によりその外部に荷電粒子を捕捉できる
のみならず、上述の従来法の原理でその内側に粒子を取
り込めるという特長がある。
【0054】この4重極の内部への荷電粒子の取り込み
は、従来法の原理従って粒子の質量に依存するので、4
重極を用いたこの発明の方法では、その外部に広い質量
範囲の粒子を捕捉しつつ、特定の質量の粒子のみを内部
に取り込むことができる。
【0055】この構成は、この発明のような微小粒子の
作製の目的に利用する際には極めて有用である。例えば
4重極の外部から内部に粒子が通過できるような通路を
設け、4重極の外部に荷電粒子を捕捉しながら原料を供
給して微小粒子を成長させ、所定の質量になったところ
で4重極の内側に取り込むことができる。
【0056】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいてこの発明を更
に詳細に説明する。図5はSiイオンを捕捉し、これに
Si蒸気を供給してSiの微結晶を成長させる装置の概
略を示すものである。
【0057】ここで、中心電極3は図4に示すように、
中心軸の回りに対称的に4本の要素電極を配置して構成
される。具体的にはアルミニウム製の直径1cm の円筒を
要素電極11〜14とし、これを円筒の軸が中心軸から半径
1cm の周上に並ぶように配置して中心電極3を構成し、
また4重極の外側から内側への粒子の通路を設けるため
に、4本の要素電極のうちの2本、要素電極11、12 には
中央に1cm の長さに切り欠いた部分を設けた。
【0058】中心電極3は、その内部をターボ分子ポン
プにより10-7Pa以下の圧力に排気された内径30cmのアル
ミニウム合金製の真空容器内に収容し、この容器自体を
外部電極4として用いた。従って、外部電極4は中心軸
からほぼ15cm離れていることになる。
【0059】ここで、外部電極4の材質としてアルミニ
ウムを用いたのは、電気伝導性が良いことと、非磁性で
あること、真空中での脱ガスが少ないこと等の理由によ
る。
【0060】また、外部電極4の円盤状の一端部には開
口部4aを設け、開口部4aの後方には引き出し電極8と更
に所定間隔を置いてチャネルプレート9を配置してあ
る。この引き出し電極8とチャネルプレート9を設けた
目的は、引き出し電極8に負のパルス電圧を印加して捕
捉した荷電粒子を引き出し、これをチャネルプレートで
構成される検出系9で検出することにより、捕捉した粒
子の質量を飛行時間法で測定するためである。
【0061】一方、外部電極4の下部には、その上部に
載せた多結晶Siの蒸発材料20を電子ビーム加熱すること
により、Siのイオンと中性原子を同時に供給する電子ビ
ーム蒸発源10を設け、更に蒸発源10と上記捕捉電極の間
にはイオン流を制御するためのイオン制御電極21と可動
式のシャッター22を設ける。
【0062】この装置を用いて、Si微小粒子の成長は
次のような条件で行なった。即ち図4の例に示すトラン
ス7を用いた回路で、4本の要素電極11〜14には全て-1
2Vの直流電圧を印加し、このそれぞれに交互に位相の反
転した周波数85KHz 、2乗平均電圧310Vrms の交流電圧
を印加した。
【0063】この電圧を保ったまま上記のように電子ビ
ーム蒸発源10を作動させるとともに、イオン制御電極21
に-10Vの電圧をパルス的に掛けてイオンを引き込み、中
心電極1の回りに捕捉した。以上の条件でSiイオンを
捕捉しながら、電子ビーム蒸発源10から中性のSi原子
を供給して、捕捉したSiイオンを種として成長を行な
わせることができた。
【0064】また、シャッタ−22を開けたままイオン制
御電極21に+50Vの電圧を掛けて、イオンの流入や流出を
防止しながら、その供給量が捕捉空間での圧力換算で、
最大ほぼ10-4Pa程度の中性原子のみを供給した。この条
件で適当な時間だけ中性原子の供給を行ない、チャネル
プレート9を用いた飛行時間法で捕捉粒子の質量をモニ
ターして成長を観察したところ、30分の成長時間で約2
×104 個の原子数に相当する値までの質量の増大が観察
できた。同時に、引き出し電極8の開口部の位置を変化
させることにより、このように質量が増加した粒子が中
心電極3に近い部分に存在することを確認した。
【0065】更に、同じチャネルプレート9を用いた測
定により、4本の要素電極11〜14の内側にもこの質量の
粒子が捕捉されていること、またここで捕捉された粒子
は質量のばらつきが小さく、大きさが揃っていることを
確認した。更にこの内側で捕捉された粒子を、電子顕微
鏡観察用の支持薄膜上に捕集し、透過電子顕微鏡で観察
すると大きさがほぼ10nmのSi結晶であり、 透過電子顕微
鏡で電子線回折像を観察したところ、このSi粒子は単結
晶であることを観察した。
【0066】上記の条件で成長させたSi粒子をそのまま
中心電極3の周囲に捕捉しながら、酸素の圧力10-3Paで
酸素ガスを供給し、この状態で1時間放置して粒子表面
の酸化による改質を試み、その後に捕集した粒子を透過
電子顕微鏡で観察することにより、表面が変質している
ことを確認した。
【0067】これより、この発明によれば空間中に捕捉
した状態でSi微結晶表面の酸化処理を行なうことがで
き、Siと酸化シリコンよりなる複合粒子を作製できるこ
とが分かった。
【0068】なお、このような質量変化を伴う処理を従
来の捕捉方法で行なうと、質量変化に追随して捕捉パラ
メータを変化させなければならない上に、ガス供給のた
めの開口を捕捉電極に設けなければならず、極めて困難
であったが、この発明では電極形状やパラメータを変化
させることなく容易に処理を行なうことができる。
【0069】また以上の電圧条件を、直流電圧の大きさ
を-25V、交流電圧を周波数150KHz、2乗平均電圧400V
rms に変化させて同様にSiイオンの捕捉とこれを種とし
た微粒子の成長を試みた。
【0070】この場合には成長できた微粒子はほぼ6 ×
108 個のSi原子からなる大きさ約5nm 程度のものまでで
あったが、直流電圧の値を増大させた分だけ捕捉能力が
増し、一度の操作で成長できる粒子数を約2倍程度に増
加させることができた。
【0071】
【発明の効果】以上要するに、この発明によれば大き
さ、形状等が揃った微小粒子が作製でき、また異種の物
質よりなる複合的な構造の微小粒子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る方法の原理を模式的に示す図
【図2】この発明に係る他の方法の原理を模式的に示す
【図3】この発明に採用された荷電粒子の捕捉方法の原
理説明図
【図4】図3の捕捉方法を改良した原理説明図
【図5】この発明の一実施例の概略図
【図6】従来の荷電粒子の捕捉方法の概略説明図
【符号の説明】
1 荷電粒子 2 第2の粒子 3 中心電極 4 外部電極 4a 開口部 5 交流電源 6 直流電源 7 交流電源を構成するトランス 8 引き出し電極 9 チャネルプレート 10 蒸発源 11〜14 中心電極を構成する要素電極 20 蒸発材料 21 イオン制御電極 22 シャッター 31〜34 従来法で用いられた捕獲電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の領域に荷電粒子を捕捉させるとと
    もに、この領域で第2の粒子を原料として上記荷電粒子
    を成長させることを特徴とする微小粒子の作製方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の粒子が電気的に中性な原子又
    は分子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の微小粒子の作製方法。
  3. 【請求項3】 上記第2の粒子が荷電粒子と反応性を有
    する粒子乃至荷電粒子と逆の電荷を持つ粒子である特許
    請求の範囲第1項記載の微小粒子の作製方法。
  4. 【請求項4】 上記荷電粒子に適当な電磁界を加えなが
    ら成長を行なう特許請求の範囲第1項の微小粒子の作製
    方法。
  5. 【請求項5】 上記の荷電粒子と化学的に不活性な気体
    中で該荷電粒子を成長させることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項又は第4項記載の微小粒子の作製方法。
  6. 【請求項6】 中心電極からの距離の増大とともに強度
    が減少する交流電界を、荷電粒子に前記の中心電極に向
    かう力を及ぼす直流電界に重畳させることにより該荷電
    粒子を所定の領域に捕捉することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の微小粒子の作製方法。
  7. 【請求項7】 荷電粒子を捕捉するための電磁極系と粒
    子源とを備えることを特徴とする微小粒子の作製装置。
  8. 【請求項8】 捕捉した荷電粒子の質量を測定するため
    の電磁極系と検出系を備えたことを特徴とする特許請求
    の範囲第7項記載の微小粒子の作製装置。
  9. 【請求項9】 上記の電磁極系が少なくとも1つの中心
    電極からなり、前記の中心電極に接続された交流電源
    と、この交流電源に荷電粒子に対して引力として作用す
    る直流バイアスを与える直流電源とを有することを特徴
    とする特許請求の範囲第7項記載の微小粒子の作製装
    置。
  10. 【請求項10】 上記の中心電極が中心軸の回りに対称
    的に配置された偶数本の要素電極からなり、上記の交流
    電源が前記の要素電極に交互に位相の反転した交流電圧
    を供給するように接続されることを特徴とする特許請求
    の範囲第9項記載の微小粒子の作製装置。
  11. 【請求項11】 上記の偶数本の要素電極の本数が、4
    本であることを特徴とする特許請求の範囲第10項記載
    の微小粒子の作製装置。
JP4121189A 1992-04-15 1992-04-15 微小粒子の作製方法及びその装置 Expired - Lifetime JPH07112539B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4121189A JPH07112539B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 微小粒子の作製方法及びその装置
US08/035,688 US5382801A (en) 1992-04-15 1993-03-23 Method for producing minute particles and apparatus therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4121189A JPH07112539B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 微小粒子の作製方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05294800A true JPH05294800A (ja) 1993-11-09
JPH07112539B2 JPH07112539B2 (ja) 1995-12-06

Family

ID=14805064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4121189A Expired - Lifetime JPH07112539B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 微小粒子の作製方法及びその装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5382801A (ja)
JP (1) JPH07112539B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2288760T3 (es) 1996-04-25 2008-01-16 Bioarray Solutions Ltd. Ensamblaje electrocinetico controlado por luz de particulas proximas a superficies.
AU779858B2 (en) 1999-09-17 2005-02-17 Bioarray Solutions Ltd System and method for programmable illumination pattern generation
US9709559B2 (en) 2000-06-21 2017-07-18 Bioarray Solutions, Ltd. Multianalyte molecular analysis using application-specific random particle arrays
EP1311839B1 (en) * 2000-06-21 2006-03-01 Bioarray Solutions Ltd Multianalyte molecular analysis using application-specific random particle arrays
US7262063B2 (en) 2001-06-21 2007-08-28 Bio Array Solutions, Ltd. Directed assembly of functional heterostructures
KR20040068122A (ko) 2001-10-15 2004-07-30 바이오어레이 솔루션스 리미티드 공동 검색과 효소-매개된 탐지에 의한 다형성 좌위의 다중분석
WO2004047007A1 (en) 2002-11-15 2004-06-03 Bioarray Solutions, Ltd. Analysis, secure access to, and transmission of array images
WO2005029705A2 (en) * 2003-09-18 2005-03-31 Bioarray Solutions, Ltd. Number coding for identification of subtypes of coded types of solid phase carriers
NZ546072A (en) * 2003-09-22 2009-08-28 Bioarray Solutions Ltd Surface immobilized polyelectrolyte with multiple functional groups capable of covalently bonding to biomolecules
CA2544041C (en) * 2003-10-28 2015-12-08 Bioarray Solutions Ltd. Optimization of gene expression analysis using immobilized capture probes
WO2005045059A2 (en) * 2003-10-28 2005-05-19 Bioarray Solutions Ltd. Allele assignment and probe selection in multiplexed assays of polymorphic targets
US7049077B2 (en) 2003-10-29 2006-05-23 Bioarray Solutions Ltd. Multiplexed nucleic acid analysis by fragmentation of double-stranded DNA
WO2005075717A1 (en) * 2004-02-09 2005-08-18 Simon Fraser University Controlled nucleation of solutes in solutions having net charge to promote crystal growth
US7363170B2 (en) * 2004-07-09 2008-04-22 Bio Array Solutions Ltd. Transfusion registry network providing real-time interaction between users and providers of genetically characterized blood products
US7848889B2 (en) 2004-08-02 2010-12-07 Bioarray Solutions, Ltd. Automated analysis of multiplexed probe-target interaction patterns: pattern matching and allele identification
US8486629B2 (en) 2005-06-01 2013-07-16 Bioarray Solutions, Ltd. Creation of functionalized microparticle libraries by oligonucleotide ligation or elongation
JP4428467B1 (ja) * 2008-08-27 2010-03-10 日新イオン機器株式会社 イオン源

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS524479A (en) * 1975-05-29 1977-01-13 Isao Kudo Powder treatment process using gas ions

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3650304T2 (de) * 1985-05-24 1995-10-12 Finnigan Corp Betriebsverfahren für eine Ionenfalle.
US4755670A (en) * 1986-10-01 1988-07-05 Finnigan Corporation Fourtier transform quadrupole mass spectrometer and method
AT393333B (de) * 1986-11-27 1991-09-25 Ims Ionen Mikrofab Syst Ionenprojektionseinrichtung fuer schattenprojektion
JPH01132033A (ja) * 1987-11-17 1989-05-24 Hitachi Ltd イオン源及び薄膜形成装置
CA2004786C (en) * 1988-12-07 1993-12-21 Shinichi Yoda Levitator
US4990856A (en) * 1989-01-23 1991-02-05 Varian Associates, Inc. Mass analysis apparatus and method
US5051582A (en) * 1989-09-06 1991-09-24 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Method for the production of size, structure and composition of specific-cluster ions
US5179278A (en) * 1991-08-23 1993-01-12 Mds Health Group Limited Multipole inlet system for ion traps

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS524479A (en) * 1975-05-29 1977-01-13 Isao Kudo Powder treatment process using gas ions

Also Published As

Publication number Publication date
US5382801A (en) 1995-01-17
JPH07112539B2 (ja) 1995-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05294800A (ja) 微小粒子の作製方法及びその装置
Hu et al. α‐Fe2O3 nanorings prepared by a microwave‐assisted hydrothermal process and their sensing properties
Tulinski et al. Nanomaterials synthesis methods
CN103510048B (zh) 一种多孔结构铜纳米线阵列的制备方法及其薄膜电导率的测试方法
KR100606949B1 (ko) 카본 나노튜브의 제조 장치 및 제조 방법
JP2002356316A (ja) 炭素構造体の製造装置および製造方法
Baker et al. The construction of a gas aggregation source for the preparation of mass-selected ultrasmall metal particles
Watanabe Dust phenomena in processing plasmas
Chen et al. A simple and versatile mini-arc plasma source for nanocrystal synthesis
Mondal et al. Performance of a size-selected nanocluster deposition facility and in situ characterization of grown films by x-ray photoelectron spectroscopy
RU2561081C2 (ru) СПОСОБ ВОССТАНОВЛЕНИЯ ЖЕЛЕЗА, ВОССТАНОВЛЕНИЯ КРЕМНИЯ И ВОССТАНОВЛЕНИЯ ДИОКСИДА ТИТАНА ДО МЕТАЛЛИЧЕСКОГО ТИТАНА ПУТЁМ ГЕНЕРАЦИИ ЭЛЕКТРОМАГНИТНЫХ ВЗАИМОДЕЙСТВИЙ ЧАСТИЦ SiO2, КРЕМНИЙСОДЕРЖАЩЕГО ГАЗА, ЧАСТИЦ FeTiО3 И МАГНИТНЫХ ВОЛН
JPH0774838B2 (ja) 荷電粒子の捕獲方法及び装置
JP5669280B2 (ja) 酸化物中空粒子、その製造方法及び酸化物中空粒子製造装置
JP2008095163A (ja) ナノ金属粒子及びナノ金属薄膜の形成方法、並びにナノ金属粒子のサイズ制御方法
Nava-Avendano et al. Plasma processes in the preparation of lithium-ion battery electrodes and separators
Zhu et al. Cu2O porous nanostructured films fabricated by positive bias sputtering deposition
RU2476620C1 (ru) Устройство и способ получения наночастиц
CN100369810C (zh) 磁场控制液体电弧制备碳纳米材料的方法
JP3627021B2 (ja) 異種元素が導入されたチューブ状物質の製造方法
JP2526398B2 (ja) 複合超微粒子の製造方法
US20120305385A1 (en) Plasma sputtering process for producing particles
Gunnarsson Controlling the growth of nanoparticles produced in a high power pulsed plasma
De Toro et al. Types of Cluster Sources
Tachibana et al. Analysis of the Coulomb-solidification process in particle plasmas
JP4965373B2 (ja) カーボンナノチューブの作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term