JPH05292079A - 秘話通信装置 - Google Patents

秘話通信装置

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JPH05292079A
JPH05292079A JP8729492A JP8729492A JPH05292079A JP H05292079 A JPH05292079 A JP H05292079A JP 8729492 A JP8729492 A JP 8729492A JP 8729492 A JP8729492 A JP 8729492A JP H05292079 A JPH05292079 A JP H05292079A
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signal
output
input
pseudo noise
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JP8729492A
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Michio Shimada
道雄 島田
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音質劣化が少なく盗聴が困難で、かつ低コス
トにできる。 【構成】 秘話伝送装置100は、レシジュアル符号器
102で入力音声信号5を適応予測して求めた予測誤差
6に設定信号2に基づき疑似雑音発生器108で発生し
た雑音信号4を加算し、フィルタ104で音声帯域の信
号に変換する。切替器110でフィルタ104の出力信
号と音声帯域の信号に変調した設定信号2とを選択して
出力する。秘話受信装置200は、秘話伝送装置100
の出力信号7から設定信号9により疑似雑音発生器20
8で求めた雑音信号10を減算し、レシジュアル復号器
202で復号して出力音声信号12を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムの秘話通
信装置に利用する。
【0002】
【従来の技術】従来、秘話通信装置は、次のような方法
で音声信号を盗聴が困難なようにして伝送していた。
【0003】 スペクトルを反転したり、スペクトル
を推移させたりする。
【0004】 スペクトルをいくつかの領域に分割し
てスペクトルを入換える。
【0005】 振幅を変換する。
【0006】 雑音を混入する。
【0007】 音声信号を圧縮してディジタル情報に
変換し、そのディジタル情報を暗号化した上で変調して
伝送する。
【0008】なお、上述の秘話通信装置については、た
とえば1975年に出版された数理科学12月号の56
項から65項に掲載された志方 泰著「秘話装置の解
説」および1986年に出版された数理科学8月号の6
0項から69項に掲載された志方 泰著「ディジタル化
される秘話装置」に詳しい解説がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の秘話通信装置では、スペクトルを反転したり、スペ
クトルを推移させたりする項の場合では、使っている
秘話方式が盗聴者に知れてしまうと、盗聴者も音声信号
を簡単に復元できる問題点があった。また、スペクトル
をいくつかの領域に分割してスペクトルを入換える項
の場合では、ジグソーパズルの要領で盗聴者によって解
読される問題点があった。さらに、振幅を変換する項
の場合では、音質が劣化する問題点があった。また、雑
音を混入する項の場合では、聞きづらいながらも音声
が聞こえる問題点があった。さらに、音声信号を圧縮し
てディジタル情報に変換し、そのディジタル情報を暗号
化した上で変調して伝送する項の場合では、盗聴者に
よって解読される危険は少ないものの、装置のコストが
高くなるし、音質が劣化する問題点があった。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するもので、
音質劣化が少なく盗聴が困難で、かつ低コストの秘話通
信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、 入力する音
声信号を盗聴困難な信号に変調して送信する秘話伝送装
置と、この秘話伝送装置の出力を受信して復調する秘話
受信装置とを備えた秘話通信装置において、上記秘話伝
送装置は、入力した音声信号に基づき上記入力する音声
信号を適応的に予測して予測値を生成し、この予測値と
この入力する音声信号との誤差を出力するレシジュアル
符号器と、入力する設定信号に基づき設定された第一の
雑音信号を出力する第一の疑似雑音発生器と、上記レシ
ジュアル符号器とこの第一の疑似雑音発生器との出力信
号とを加算する加算器と、この加算器の出力信号を入力
して音声帯域の信号に変換するフィルタと、上記設定信
号を入力し音声帯域の信号に変調するディジタル変調器
と、上記フィルタの出力信号を出力し入力する切替信号
に基づき上記ディジタル変調器の出力信号を選択して出
力する切替器と、初期化信号を入力し上記設定信号を上
記第一の疑似雑音発生器および上記ディジタル変調器に
与えるとともに上記切替信号を上記切替器に与えてこの
ディジタル変調器の変調された設定信号をすべて出力さ
せる初期化回路とを含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、上記秘話受信装置は、上
記切替器の出力信号を入力し上記フィルタの入力信号を
復元する逆フィルタと、上記切替器の出力信号を入力し
上記ディジタル変調器の入力信号を復元するディジタル
復調器と、上記逆フィルタの出力信号から入力する第二
の雑音信号を減算する減算器と、上記ディジタル復調器
の出力信号に基づきこの減算器の出力電力が最小になる
ように同期を調整して上記第二の雑音信号を出力する第
二の疑似雑音信号発生器と、上記減算器の出力信号を入
力し上記レシジュアル符号器の入力信号を復元するレシ
ジュアル復号器とを含むことができる。
【0013】
【作用】秘話伝送装置は、レシジュアル符号器で入力し
た音声信号に基づき入力する音声信号を適応的に予測し
て予測値を生成し、この予測値とこの入力する音声信号
との誤差を出力し、第一の疑似雑音発生器で入力する設
定信号に基づき設定された第一の雑音信号を出力し、加
算器でレシジュアル符号器と第一の疑似雑音発生器との
出力信号とを加算する。フィルタは加算器の出力信号を
入力して音声帯域の信号に変換する。ディジタル変調器
は上記設定信号を入力し音声帯域の信号に変調する。切
替器でフィルタの出力信号を出力し入力する切替信号に
基づきディジタル変調器の出力信号を選択して出力す
る。初期化回路は初期化信号を入力し上記設定信号を第
一の疑似雑音発生器およびディジタル変調器に与えると
ともに上記切替信号を切替器に与えてディジタル変調器
の変調された設定信号をすべて出力させる。また、秘話
受信装置は、逆フィルタで切替器の出力信号を入力しフ
ィルタの入力信号を復元する。ディジタル復調器は切替
器の出力信号を入力しディジタル変調器の入力信号を復
元する。減算器は逆フィルタの出力信号から入力する第
二の雑音信号を減算する。第二の疑似雑音信号発生器は
ディジタル復調器の出力信号に基づき減算器の出力電力
が最小になるように同期を調整して上記第二の雑音信号
を減算器に出力する。レシジュアル復号器は減算器の出
力信号を入力しレシジュアル符号器の入力信号を復元す
る。
【0014】以上により音質劣化が少なく盗聴が困難
で、かつ低コストにできる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。図1は本発明一実施例秘話通信装置の秘話伝送装
置のブロック構成図である。図2は本発明の秘話通信装
置の秘話受信装置のブロック構成図である。図3は本発
明の秘話通信装置の秘話伝送装置のレシジュアル符号器
のブロック構成図である。図4は本発明の秘話通信装置
の秘話受信装置のレシジュアル復号器のブロック構成図
である。図5は本発明の秘話通信装置の秘話伝送装置の
疑似雑音発生器のブロック構成図である。図6は本発明
の秘話通信装置の秘話受信装置の疑似雑音発生器のブロ
ック構成図である。
【0016】図1において、秘話通信装置は、入力する
入力音声信号5を盗聴困難な信号に変調して送信する秘
話伝送装置100と、秘話伝送装置100の出力を受信
して復調して出力音声信号12を出力する秘話受信装置
200とを備える。
【0017】ここで本発明の特徴とするところは、秘話
伝送装置100は、入力した入力音声信号5に基づき入
力する出力音声信号12を適応的に予測して予測値を生
成し、この予測値とこの入力する入力音声信号5との誤
差を予測誤差6として出力するレシジュアル符号器10
2と、入力する設定信号2に基づき設定された第一の雑
音信号として雑音信号4を出力する第一の疑似雑音発生
器として疑似雑音発生器108と、レシジュアル符号器
102と疑似雑音発生器108との出力信号とを加算す
る加算器103と、加算器103の出力信号を入力して
音声帯域の信号に変換するフィルタ104と、設定信号
2を入力し音声帯域の信号に変調するディジタル変調器
109と、フィルタ104の出力信号を出力し入力する
切替信号3に基づきディジタル変調器109の出力信号
を選択して出力する切替器110と、初期化信号1を入
力し設定信号2を疑似雑音発生器108およびディジタ
ル変調器109に与えるとともに切替信号3を切替器1
10に与えてディジタル変調器109の変調された設定
信号をすべて出力させる初期化回路107とを含むこと
にある。
【0018】また、秘話受信装置200は、切替器11
0の出力信号7を入力信号8として入力しフィルタ10
4の入力信号を復元する逆フィルタ204と、切替器1
10の出力信号7を入力しディジタル変調器109の入
力信号(設定信号2)を復元するディジタル復調器20
9と、逆フィルタ204の出力信号から入力する第二の
雑音信号として雑音信号10を減算する減算器203
と、ディジタル復調器209の出力信号(設定信号9)
に基づき減算器203の出力電力が最小になるように同
期を調整して雑音信号10を出力する第二の疑似雑音信
号発生器として疑似雑音発生器208と、減算器203
の出力信号として予測誤差11を入力しレシジュアル符
号器102の入力信号を復元するレシジュアル復号器2
02とを含む。
【0019】このような構成の秘話通信装置の動作につ
いて説明する。図1において、入力音声信号5が入力端
子101に入力され、レシジュアル符号器102に入力
される。加算器103は、レシジュアル符号器102の
出力と擬似雑音発生器108の出力とを加算し、加算結
果をフィルタ104に供給する。フィルタ104は、入
力信号の系列に対して、あらかじめ決められた変換を行
って、その出力を逐次的に切替器110に供給する。切
替器110は、初期化回路107から供給される信号に
応じて、ディジタル変調器109の出力とフィルタ10
4の出力とのいずれかを選択して、一方の値を出力端子
105を介して出力する。
【0020】初期化回路107は、入力端子106から
初期化信号が供給され、内蔵する乱数発生器に従って設
定すべき内部状態を決定して擬似雑音発生器108にそ
の内部状態を設定し、また擬似雑音発生器108の内部
状態の設定値をディジタル変調器109にも供給し、デ
ィジタル変調器109がすべての設定値を伝送し終える
まで、切替器110にディジタル変調器109の出力を
選択させる。さらに、初期化回路107は、ディジタル
変調器109がすべての設定値を伝送したときに、切替
器110にフィルタ104の出力を選択させる。なお、
レシジュアル符号器102の入出力および擬似雑音発生
器108の出力はアナログ信号である。
【0021】ただし、アナログ信号といっても、ディジ
タル信号処理プロセッサで実現しているので、厳密に言
うと量子化されたアナログ信号であり、本当のアナログ
信号ではないが、説明の便宜上、アナログ信号と呼ぶこ
とにする。なお参考までに述べておくが、レシジュアル
符号器102を音声信号用のデータ圧縮器として使う場
合には、レシジュアル符号器102の出力を、さらにデ
ィジタル情報に符号化して、そのディジタル情報を変調
して伝送する。また、従来の秘話伝送装置のあるもの
は、そのディジタル情報に対して暗号化の操作を行って
盗聴を防いでいた。
【0022】図2において、受信信号が入力端子205
に入力され、逆フィルタ204とディジタル復調器20
9とに供給される。ディジタル復調器209は、図1に
示すディジタル変調器109の送信したディジタル情報
を復元するもので、復元したディジタル情報すなわち擬
似雑音発生器108の内部状態の設定値を擬似雑音発生
器208に供給する。逆フィルタ204は、図1に示す
フィルタ104の出力信号からフィルタ104への入力
に復元するもので、復元した信号を減算器203に供給
する。
【0023】減算器203は、逆フィルタ204の出力
から擬似雑音発生器208の出力を減算し、減算結果を
レシジュアル複号器202と擬似雑音発生器208とに
供給する。レシジュアル複号器202は、図1に示すレ
シジュアル符号器102の出力からレシジュアル符号器
102に入力された入力音声信号5を復元するもので、
復元した音声信号を出力端子201から出力する。擬似
雑音発生器208は、設定値が等しければ図1に示す擬
似雑音発生器108と等しい雑音信号の系列を出力する
ものである。
【0024】ただし、ディジタル復調器209が擬似雑
音発生器208の内部状態を出力した時刻をもとにし
て、雑音信号の発生を開始するのでは、擬似雑音発生器
208と図1に示す擬似雑音発生器108とを正確に同
期させることはできない。このために、擬似雑音発生器
208は、減算器203の出力を監視し、減算器203
の出力パワーが最小になるように、同期を調整する。
【0025】図1に示す秘話伝送装置で使われるレシジ
ュアル符号器102としては、音声信号用のデータ圧縮
器で使われている任意のものが使えるが、設計の容易さ
や装置のコストを考慮すると、音声信号の線形予測値と
音声信号との誤差すなわち予測誤差を出力するものが適
している。
【0026】図3において、音声信号は入力端子301
に入力され、適応予測器302と減算器303とに供給
される。減算器303は、音声信号から適応予測器30
2の出力を減算し、その結果を出力端子304を介して
出力する。なお、適応予測器302は、次式のような線
形予測式に従って出力を決定する。
【0027】
【数1】 ここで、 x(j−i)、i=1、…、N は時刻j−1、…、j−Nにおける適応予測器302へ
の入力信号であり、px(j)は時刻jにおける適応予
測器302の出力信号(予測値)である。また、入力信
号に乗じてある係数 a(j)、i=1、…、N は、時刻jにおける適応予測器302の内部状態であ
り、決め方については後で述べる。なお、図3に示すよ
うなレシジュアル符号器は音声信号のデータ圧縮で広く
使われており、たとえば1975年にサンフランシスコ
で開催されたインターナショナル・コンファレンス・オ
ン・コミュニケーションズ予稿集の第30−26項から
第30−30項で述べられている(D.L.Cohn
and J.L.Melsa,“The Residu
al Encoder…An Improved AD
PCM System for Speech Dig
itization.”Proc.Internati
onal Conference on Commun
ications(ICC) '75,Vol.11,p
p.30−26〜30−30,San Francis
co,June 1975)。ただし、音声信号のデー
タ圧縮では、予測器の予測誤差をディジタル情報に符号
化する部分も含めてレシジュアル符号器と呼ばれてい
る。
【0028】図4において、予測誤差が入力端子404
に入力され、加算器403に供給される。加算器403
は、予測誤差と適応予測器402の出力を加算し、その
出力を音声信号として出力端子401を介して出力し、
またその出力を適応予測器402にも供給する。適応予
測器402は図3に示すレシジュアル符号器が使ってい
る適応予測器302と同じ機能のものであり、上述の線
形予測式に従って出力を決定する。
【0029】ここで、上式で示したような線形予測式に
従って予測値を決定すると、予測誤差に雑音を加えるこ
とは音声信号に線形変換された雑音を加えていることに
他ならない。したがって、聞きづらいながら、盗聴者も
音声信号を聞き取れる。そこで本実施例のレシジュアル
符号器102およびレシジュアル複号器202では、予
測器の係数を適応的に変更する適応予測器302を用い
ている。適応予測器を使えば、擬似雑音発生器108、
208の発生する擬似雑音が異なると、擬似雑音によっ
て適応予測器の内部状態が狂って、長期にわたって信号
が攪乱されるので、正しい擬似雑音を知らない盗聴者が
元の音声を復元しようとしても、大きく劣化した音声し
か復元できなくなる。適応予測器では、たとえば、次式
のようにして適応予測器の内部状態を更新する。
【0030】 ai (j+1)=(1−δ)・ai (j)+Δai (j) ここで、
【0031】
【数2】 e(j)=x(j)−px(j) である。また、δは定数であり、δを0でない正の値に
選んでおくと、たとえ伝送路の雑音の影響で図3に示す
適応予測器302と図4に示す適応予測器402との内
部状態が食い違っても、処理の進行にともなって、内部
状態の食い違いが解消されてゆく。上式のように適応予
測器の内部状態を更新すれば、伝送路雑音があっても音
声が正しく復元されることは、たとえば、アイトリプリ
イー・トランザクション・オン・アコースティク・スピ
ーチ・アンド・シグナル・プロセッシング誌の32巻、
2号、228項から235項に示されている(J.C.
Asmuth and J.D.Gibson,“Se
quential Noise Spectral S
haping in ADPCM,”IEEE Tra
nsactions on Acoustics,Sp
eech,and Signal Precessin
g,Vol.ASSP−32,No.2,pp.228
−235,April 1984)。したがって、δ
を、伝送路の雑音の影響を解消できる最小の値より大き
く、擬似雑音発生器108の出力する擬似雑音の影響を
解消できる最小の値より小さく選んでおけば、正しい擬
似雑音を知らない盗聴者は、秘話受信装置の適応予測器
の内部状態を正しい状態に収束させることができないた
めに、音声を正しく復元できない。
【0032】また、音声は複雑な信号なので、図3に示
すようなレシジュアル符号器を使って予測誤差を計算し
ても、予測誤差は不規則な信号にはならず、予測誤差か
ら音声をある程度聞き取れる。したがって、本実施例の
秘話伝送装置では、盗聴を困難にするために、擬似雑音
発生器108の出力パワーを大きくする必要がある。と
ころが、レシジュアル符号器102の出力パワーよりも
擬似雑音発生器108の出力パワーの方が大きいと、盗
聴者は、擬似雑音発生器108の出力する擬似雑音系列
を知ることができる。そして、知り得た擬似雑音系列か
ら擬似雑音発生器108の内部状態を推定し得る。した
がって、本実施例の秘話伝送装置では、擬似雑音系列を
調べることで擬似雑音発生器108の内部構造が推定で
きないように、注意して擬似雑音発生器108を設計す
る必要がある。
【0033】図5において、一様乱数発生器501は一
様乱数を発生するものである。一様乱数発生器501
は、一般にはM系列発生器が使われるが、他の任意の一
様乱数の生成方法が利用できる。そして、一様乱数発生
器501の出力が暗号化回路502で暗号化され、暗号
化結果が分布変換器503に供給される。暗号化回路5
02は、一般にはDES(データ暗号規格〔米〕)暗号
やRSA暗号(Rivest、Shamin、Adle
manの3人により開発された暗号化法)が使われる
が、他の任意の暗号が利用できるし、暗号の代わりにハ
ッシュ関数を利用しても構わない。分布変換器503
は、入力された一様乱数にもとづいて、あらかじめ決め
られた分布に従う擬似雑音を生成するもので、一般に
は、あらかじめ決められた分布としてガウス分布が選ば
れ、次のような演算を実行してガウス分布に従う擬似雑
音を生成する。なお、次式において、g(j)は時刻j
における分布変換器503の出力であり、一様乱数発生
器501は単位時間ごとに長さ12語の一様乱数を発生
し、r(i、j)は時刻jにおける暗号化回路502の
出力のi番目のワードであり、各ワードは0以上1未満
の実数値に正規化されて加算される。また、Gはあらか
じめ決められた定数である。
【0034】
【数3】 ただし、一様乱数発生器501の初期状態と暗号化回路
502の暗号鍵が固定されていたのでは、同じ装置を入
手した盗聴者によって盗聴されるので、それぞれ入力端
子505と入力端子506とから、初期状態と暗号鍵の
一部または全部を入力して変更できるようにしてある。
【0035】図5に示すような構成にすれば、暗号化回
路502の暗号鍵を知らない盗聴者は、一様乱数発生器
501の内部状態を推定できない。なお、一様乱数の生
成方法および一様乱数をガウス分布に変換する方法につ
いては、たとえばコロナ社から1981年に発行された
有本 卓著「数値解析(1)」に詳しい解説がある。ま
た、DES暗号やRSA暗号やハッシュ関数について
は、たとえば電子通信学会から昭和61年に発行された
池野 信一、小山 謙二著「現代暗号理論」に詳しい解
説がある。
【0036】図6において、一様乱数発生器601、暗
号化回路602、および分布変換器603は、図5に示
す擬似雑音発生器で使われているものと等価なものであ
る。また、入力端子605と入力端子606とも図5に
示す擬似雑音発生器108で使われているものと等価で
あり、ディジタル復調器209から初期状態と暗号鍵の
一部または全部を入力するために使われる。ただし、図
2に示す秘話受信装置で使われる擬似雑音発生器208
では、擬似雑音のタイミングを調整する必要があるの
で、図5に示す擬似雑音発生器108にバッファ607
と制御回路608とが付加された構成になっている。
【0037】すなわち、入力端子610には減算器20
3の出力が供給されており、これが制御回路608に供
給されており、制御回路608は入力のパワーを計算す
る。また、分布変換器603の出力は直接出力されない
で、バッファ607を介して出力端子609から出力さ
れる。バッファ607は入力を所定時間遅延して出力す
るもので、制御回路608から供給される制御信号によ
って、遅延時間が増減できるようになっている。制御回
路608は、入力信号のパワーが最小となるように、バ
ッファ607の遅延時間を制御する。
【0038】なお、以上では、フィルタ104および逆
フィルタ204については述べなかったが、フィルタ1
04の出力が音声帯域におさまるようなものであれば、
任意のものが使える。また、図1に示す秘話伝送装置の
出力端子105から出力された信号は、一般には、ディ
ジタルアナログ変換されて、AM変調器やFM変調器な
どの変調器で変調されたのちに伝送される。その変調信
号がAM復調器やFM復調器などの復調器で復調され
て、アナログディジタル変換されたのちに、その量子化
されたアナログ信号が図2に示す秘話受信装置の入力端
子205に供給される。
【0039】また、図1に示す秘話伝送装置の入力端子
101に供給される信号はすでに量子化されているアナ
ログ信号だとして説明していたが、アナログ信号が供給
される場合には、アナログディジタル変換されたうえで
入力端子101に供給される。また、図2の秘話受信装
置の出力端子201から出力される信号は量子化された
アナログ信号だとして説明していたが、アナログ信号を
出力しなければならない用途では、ディジタルアナログ
変換されたうえで入力端子201から出力される。
【0040】また、初期化回路107は、擬似雑音発生
器108の内部状態のすべてを設定する必要はなく、初
期の内部状態の一部はあらかじめ固定した値にしてお
き、残りの状態だけを決定してもよい。また、図1に示
すディジタル変調器109は入力されたディジタル情報
をそのまま変調するのではなく、暗号化を施した上で変
調してもよい。ただし、その際には、対応する秘話受信
装置のディジタル復調器209には暗号化されたデータ
から元のディジタル情報を復元するための回路を付加す
る必要がある。
【0041】また、秘話伝送装置と秘話受信装置とを2
組用いて双方向の通信を行う場合には、初期化回路10
7は、内部で生成された乱数だけでなく、同じ側にある
秘話受信装置のディジタル復調器209の出力にも依存
して、出力する値を決定しても構わない。
【0042】また、以上で述べた秘話伝送装置および秘
話受信装置は、ディジタル信号処理プロセッサ(DS
P)で実現することも可能である。
【0043】上述のように、本実施例は、音声信号など
のアナログ信号をディジタル情報に符号化することなく
伝送でき、適応予測器を使うことで音声信号を広範囲に
わたって攪乱でき、また、音声データ圧縮用に量産され
ている回路を改造して実現できるので、音声劣化が少な
く盗聴が困難でかつ低コストにできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、音質劣
化が少なく盗聴が困難で、かつ低コストにできる優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例秘話通信装置の秘話伝送装置の
ブロック構成図。
【図2】本発明の秘話通信装置の秘話受信装置のブロッ
ク構成図。
【図3】本発明の秘話通信装置の秘話伝送装置のレシジ
ュアル符号器のブロック構成図。
【図4】本発明の秘話通信装置の秘話受信装置のレシジ
ュアル復号器のブロック構成図。
【図5】本発明の秘話通信装置の秘話伝送装置の疑似雑
音発生器のブロック構成図。
【図6】本発明の秘話通信装置の秘話受信装置の疑似雑
音発生器のブロック構成図。
【符号の説明】
1 初期化信号 2、9 設定信号 3 切替信号 4、10 雑音信号 5 入力音声信号 6、11 予測誤差 7 出力信号 8 入力信号 12 出力音声信号 100 秘話伝送装置 101、106、205、301、404、505、5
06、605、606、610 入力端子 102 レシジュアル符号器 103、403 加算器 104 フィルタ 105、201、304、401、504、609 出
力端子 107 初期化回路 108、208 疑似雑音発生器 109 ディジタル変調器 110 切替器 200 秘話受信装置 202 レシジュアル復号器 203、303 減算器 204 逆フィルタ 209 ディジタル復調器 302、402 適応予測器 501、601 一様乱数発生器 502、602 暗号化回路 503、603 分布変換器 607 バッファ 608 制御回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力する音声信号を盗聴困難な信号に変
    調して送信する秘話伝送装置と、この秘話伝送装置の出
    力を受信して復調する秘話受信装置とを備えた秘話通信
    装置において、 上記秘話伝送装置は、入力した音声信号に基づき上記入
    力する音声信号を適応的に予測して予測値を生成し、こ
    の予測値とこの入力する音声信号との誤差を出力するレ
    シジュアル符号器と、入力する設定信号に基づき設定さ
    れた第一の雑音信号を出力する第一の疑似雑音発生器
    と、上記レシジュアル符号器とこの第一の疑似雑音発生
    器との出力信号とを加算する加算器と、この加算器の出
    力信号を入力して音声帯域の信号に変換するフィルタ
    と、上記設定信号を入力し音声帯域の信号に変調するデ
    ィジタル変調器と、上記フィルタの出力信号を出力し入
    力する切替信号に基づき上記ディジタル変調器の出力信
    号を選択して出力する切替器と、初期化信号を入力し上
    記設定信号を上記第一の疑似雑音発生器および上記ディ
    ジタル変調器に与えるとともに上記切替信号を上記切替
    器に与えてこのディジタル変調器の変調された設定信号
    をすべて出力させる初期化回路とを含むことを特徴とす
    る秘話通信装置。
  2. 【請求項2】 上記秘話受信装置は、上記切替器の出力
    信号を入力し上記フィルタの入力信号を復元する逆フィ
    ルタと、上記切替器の出力信号を入力し上記ディジタル
    変調器の入力信号を復元するディジタル復調器と、上記
    逆フィルタの出力信号から入力する第二の雑音信号を減
    算する減算器と、上記ディジタル復調器の出力信号に基
    づきこの減算器の出力電力が最小になるように同期を調
    整して上記第二の雑音信号を出力する第二の疑似雑音信
    号発生器と、上記減算器の出力信号を入力し上記レシジ
    ュアル符号器の入力信号を復元するレシジュアル復号器
    とを含む請求項1記載の秘話通信装置。
JP8729492A 1992-04-08 1992-04-08 秘話通信装置 Pending JPH05292079A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988007229A1 (en) * 1987-03-19 1988-09-22 Fanuc Ltd Output system for determining axial speed

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WO1988007229A1 (en) * 1987-03-19 1988-09-22 Fanuc Ltd Output system for determining axial speed

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