JPH05290569A - 固体磁性メモリ素子およびそれを用いた記憶装置 - Google Patents

固体磁性メモリ素子およびそれを用いた記憶装置

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JPH05290569A
JPH05290569A JP4092643A JP9264392A JPH05290569A JP H05290569 A JPH05290569 A JP H05290569A JP 4092643 A JP4092643 A JP 4092643A JP 9264392 A JP9264392 A JP 9264392A JP H05290569 A JPH05290569 A JP H05290569A
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magneto
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JP4092643A
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Inventor
Yoji Maruyama
洋治 丸山
Kazuhisa Fujimoto
和久 藤本
Akira Imura
亮 井村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は固体磁性メモリ装置内に特定の情報か
ら任意の情報を検索する新たな機能を設けることで、情
報検索時間の短縮化をはかり、特に小型の情報機器に搭
載可能な新規メモリ装置を実現する。 【構成】強磁性体膜中に存在する磁区、あるいは磁区周
囲の磁壁中に生じるブロッホラインを情報担体に用い、
情報の書き込み、転送および読み出し手段を有する固体
磁性メモリ素子において、少なくとも磁区を移動する転
送路上の一部に光磁気膜を設け、転送路上に存在する磁
区を光磁気膜に転写する手段を少なくとも備えた固体磁
性メモリ素子およびそれを用いた記憶装置。 【効果】固体磁性メモリ素子内に任意の情報から、関連
する情報を記憶するアドレス位置を検索する機能を設け
ているので、情報検索のための新たな情報機器が不要と
なり、情報機器全体としての小型化(約80%)と低価
格化(約50%)が実現できる。また、情報の関連性を
単一動作で判定できるため、情報検索処理時間の大幅な
短縮(約1/10)がはかられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体磁性メモリ素子およ
びそれを用いた記憶装置に係り、特に単一のメモリ装置
内に、入力する任意情報から、それに関連する情報が存
在するアドレス位置を算出することができる新規な情報
検索手段を設けて、情報検索時間の短縮化と、小型の情
報機器に搭載可能な構造とした固体磁性メモリ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、情報社会の進歩に伴って情報機器
に利用される計算機は、パ−ソナル型でさえ100MB
以上の膨大な情報量を扱う必要が生じてきた。計算機の
小型化は、卓上型からノ−ト型、さらに手乗り型へと進
められている。これらの計算機が扱う単位体積当たりの
記憶容量は、情報機器の小型化に伴って増える傾向にあ
る。このため、使用される記憶装置も小型化、かつ大容
量化が進められている。記憶容量が増加すると、特定の
デ−タを検索するのに多くの時間を必要とする。検索処
理は、計算機の動作の中で最も時間を要する処理であ
り、大型の計算機では、並列化やファイルメモリと演算
装置の間に、バッファメモリ等の高速メモリを介在させ
る対策を施している。しかしながら、計算機が小型化す
ると低価格化および省スペ−ス化のために、これらの対
策はほとんど採られていないのが現状である。これらの
小型計算機の高速化に対するニ−ズに対し、全く新しい
アルゴリズムによる高速検索法が検討されている。これ
は、人間のように特定の情報から過去に記憶した情報を
連想させる機能である。この機能を実現するためには、
冗長度を持たせた判断が必要となる。従来の計算機は
“1”と“0”でのみ情報を処理するため、このような
判断には適していない。このため、人間の脳と同様のア
ルゴリズムで機能するような特別な装置やプログラム等
が開発されている。これらの将来の技術潮流にマッチし
た記憶装置としては、例えば、コンピユータ、第12
巻、第3号、(1979年)、第53頁から第60頁
〔 Yau,S.S,Fung,H.S.,らによるC
omputer,Vol.12,No.3,pp.53
−60(1979)“Associative Pro
cessor Archtecture A Surv
ey”〕に提案されている内容検索メモリや、磁気デ
ィスク等に利用されているキャシュメモリ、およびデ
−タに適度なハミング距離を設けて記憶させることで
連想記憶を実現するメモリ(例えば、1985年電子通
信学会技術研究報告、第41頁から第52頁)等が挙げ
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
けるおよびのメモリは、半導体メモリから構成され
る大規模なシステムであり、小型計算機に適用するには
低価格化、小型化の点から困難を伴う。また、上述の
のメモリは、主にアクセス時間の短縮化を目的とした一
種のバッファメモリであり、特定の情報から連想される
所定のアドレス位置を算出する機能は持ち合わせていな
い。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解決するものであって、固体磁性メモリ装置内
に、特定の情報に近似する任意の情報を検索する新たな
機能を設けることにより、情報検索時間の短縮化をはか
ることが可能で、特に小型の情報機器に搭載可能な、新
規な固体磁性メモリ素子およびそれを用いた記憶装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、強磁性体膜中に存在する磁区を情報担体と
して用いるバブルメモリ、あるいは磁区周囲の磁壁中に
生じるブロッホラインを情報担体に用いるブロッホライ
ンメモリを基本型として用い、固体磁性メモリ装置内に
情報の書き込み、転送および読み出し機能を設けること
で、機械的な回転部の無い小型の固体磁性メモリ装置を
構成するものである。この技術は基本的には既存技術で
あり、例えば、特開昭59−101092号公報等に記
載されている。しかし、本発明においては、特に固体磁
性メモリ素子の磁区を移動する転送路(メジャライン)
上の一部に光磁気膜を設け、この光磁気膜に、上記転送
路に存在する磁区を転写する手段を設けた点に新規性を
有するものである。
【0006】ここで、本発明の構成について図2を用い
て説明する。、図2(a)に示すごとく、転送路は蛇行
導体2により形成され、蛇行導体2と重なる位置に光磁
気膜3を設けている。情報担体である磁性ガーネット膜
の磁区5は、転送路に沿って転送される。さらに、転送
路上の磁性ガーネット膜の磁区5の存在を、光磁気膜3
に転写する機能を固体磁性メモリ素子内に設けるもので
ある。転送路上の磁性ガーネット膜の磁区5の存在を光
磁気膜3に転写する手段として、光磁気記憶において利
用されている熱磁気転写法を用いることができる。具体
的には、光磁気膜3の温度を上昇させることで転送路上
の磁性ガーネット膜の磁区〔図2(a)の符号5〕の存
在を光磁気膜3に転写して光磁気膜の磁区〔図2(a)
の符号6〕を形成する。熱の発生は、光磁気膜3に通電
する方法、外部から熱を印加する方法、あるいは光磁気
膜3の近傍に発熱体を設ける方法等を用いることができ
る。図2(b)に示すように、磁区が転送路上にあり、
かつ磁性ガ−ネット膜中の任意情報に対応する磁区5−
1、5−2、5−3と、光磁気膜3に転写した磁区6−
1、6−2、6−3を、各々接近させることで生じる磁
気的な相互作用を利用して、特に光磁気膜3上の磁区と
重なる転送路上の磁区5−1、5−3に静磁気的なエネ
ルギ−変化(例えば磁区の拡大)を与える。図2(c)
に示すように、強磁性体膜面に対し垂直に磁界Hbを印
加することにより、光磁気膜の磁区6−1、6−3が存
在する位置に対応する磁性ガ−ネット膜の磁区5−1、
5−3を選択的に残存させ、他を消去する。上記の操作
により、残存した磁性ガ−ネット膜中の磁区を検出器ま
で転送し、その存在を電気信号に変換する。この電気信
号の数から磁区の存在数を検出し、この磁区の存在数か
ら、光磁気膜に転写された旧情報に対する新規情報の確
からしさを判定する。また、上記転送路を複数個設け、
これら転送路に設けた光磁気膜に任意の旧情報を記憶
(書き込み)させ、上記転送路に新規情報を並列に入力
して、上述の操作によって、光磁気膜に転写された旧情
報に対する新規情報の確からしさを判定することによ
り、最も近似する旧情報を記憶する転送路を選択する。
そして、上記新規情報に対し近似する旧情報を記憶する
転送路の番地から特定の記憶番地を算出する。さらに、
強磁性体膜中に存在する磁区を、2層ないしは1層導体
にて転送させ、上記導体と重なる位置に、Fe、Co、
Ni元素のうちの少なくとも1種の元素を主成分として
含み、さらに少量のPtおよび稀土類元素のうちから選
ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ熱磁気反応
性を有する光磁気膜を設ける。以上の構成により、情報
の記憶と、新規情報から特定の記憶番地を算出する機能
とを固体磁性メモリからなる単一のメモリ装置内に設け
るものである。
【0007】
【作用】強磁性体膜中に存在する磁区には、N極ないし
はS極の磁化が生じており、導体が作る磁界や外部磁界
に感じエネルギー変化が生じる。また、情報担体同志を
接近させると反発力あるいは吸引力の相互作用(干渉)
が働く。この性質を利用することによって、従来の半導
体メモリには無い新たな機能が生まれる。磁区周囲の磁
壁中に生じるブロッホラインを情報担体として用いるブ
ロッホラインメモリは、磁区の存在により情報を記憶す
る磁気記憶方式に比べて、記憶密度を約2桁程度高める
ことができるため、小型で大容量のメモリ装置を実現す
ることが可能であり将来のメモリ装置として注目されて
いる。ブロッホラインメモリにおいては、情報の入出力
時に情報を磁区の存在に変換するため、情報の入出力ラ
インに上記した磁区同志の相互作用を利用する新たな機
能を付加することができる。 同様に、磁区の存在によ
って情報を記憶させるバブルメモリの一部にも、上記の
新たな機能を付加することができる。情報の書き込み、
転送および読み出し機能を設けることにより、外部回路
との情報の入出力が可能となる。また、情報担体である
磁区を転送するため、情報の入出力時にメモリ媒体を移
動させる必要が無いので固体磁性メモリ素子を構成する
ことができる。また、この磁区を移動する転送路上の一
部に光磁気膜を設けることで、磁区の存在を光磁気膜に
転写することが可能となる。
【0008】図3を用いて、本発明の熱磁気反応を説明
する。光磁気膜3を、あらかじめ膜面に垂直方向に磁化
した状態で所定の磁界9を与える。磁界9の強度が、光
磁気膜3の保磁力以下であれば磁区は書き込まれない。
しかしながら、この状態でレ−ザ光8を照射すると、光
が照射された領域の温度が上昇し、光磁気膜の磁区6が
書き込まれる。この現象は、熱により光磁気膜3の保磁
力が選択的に低下し、その領域に磁区が生じ易くなるた
めに起こるもので、いわゆる熱磁気反応として知られて
いる。この現象を応用したものが本発明の固体磁性メモ
リ素子である。すなわち、磁界9を、転送路上に存在す
る光磁気膜の磁区6の漏洩磁界で与え、熱を光磁気膜3
全体に与える。これにより、上記光磁気膜の磁区6は、
磁界9が作用する磁性ガーネット膜の磁区5の下にのみ
生じる。以上の操作により、上記磁性ガーネット膜の磁
区5の存在を、光磁気膜の磁区6の存在に転写させるこ
とができる。また、上記図2(b)に示すように、磁区
が転送路上にあり、かつ磁性ガ−ネット膜中の任意情報
に対応する磁区5−1、5−2、5−3を、光磁気膜3
に転写した磁区6−1、6−2、6−3に接近させるこ
とで磁気的な相互作用が働き、光磁気膜に転写した磁区
6−1、6−3と重なる転送路上の磁区5−1、5−3
に静磁気的なエネルギ−変化が生じる。図2(c)に示
すように、強磁性体膜面に対し垂直に磁界Hbを印加す
ることにより、光磁気膜3に転写した磁区6−1、6−
3が存在する位置と重なる磁性ガ−ネット膜中に存在す
る任意情報に対応する磁区5−1、5−3を選択的に残
し、他を消去することができる。上記の操作により残存
した磁性ガ−ネット膜の磁区5−1、5−3を、従来技
術によって磁区の検出器に転送し、その存在を電気信号
に変換することで、残存する磁区の数を検出することが
できる。これにより、新規情報の旧情報に対する確から
しさを判定することが可能となる。しかし、この際、旧
情報の列に含まれる磁区の初期総量が問題となる。すな
わち、旧情報の中に情報“1”が少ない場合(情報
“1”に磁区の存在を対応させる場合)、初期総量が少
なくなる。このため、旧情報に対して新規情報が異なる
と判断される危険性が生じる。これを防ぐために、情報
“0”に対して磁区の存在を対応させる負論理の転送路
を別に設けるものである。これは、正論理の結果が不完
全であると判断されたときに、負論理の結果を参照する
か、負論理と正論理の結果を常に合成する等の対策を施
すことにより信頼性の高い情報処理を実現するものであ
る。
【0009】また、本発明の固体磁性メモリ素子は、上
記の転送路を複数個持ち、これらの転送路上に設けた光
磁気膜に、異なった旧情報を記憶(書き込み)させ、上
記転送路に新規情報を並列に入力し、上記のごとく強磁
性体膜面に対し垂直に磁界を印加することにより、光磁
気膜の磁区が存在する位置に対応する転送路上の磁区を
選択的に残存させ、他を消去して、上記残存した転送路
上の磁区の存在数を検出することにより、光磁気膜に転
写された旧情報に対する新規情報の確からしさを判定し
て、最も近似する旧情報を記憶する転送路を選択するこ
とができる。そして、上記新規情報に対し近似する旧情
報を記憶する転送路の番地から特定の記憶番地を算出す
ることで、任意情報から関連する情報が存在するアドレ
ス位置を算出することができる。また、強磁性体膜中に
存在する磁区を、2層ないしは1層の導体にて転送し、
上記導体と重なる位置に、Fe、Co、Ni元素のうち
の少なくとも1種の元素を主成分とし、Ptおよび希土
類元素のうちの少なくとも1種の元素を含有し、かつ熱
磁気反応特性を有する光磁気膜を設けることにより、転
送路上における磁区の存在を、熱磁気書き込み法によっ
て光磁気膜に転写することができる。情報の記憶と、新
規情報から特定の記憶番地を算出する機能を単一の固体
磁性メモリ装置内に設けることにより、固体磁性メモリ
装置に高速情報検索機能を与えることができる。また、
旧情報に対し近似する新情報を検出できるため、旧情報
に関連する(ハミング距離の近い)情報の検索が可能と
なる。これらの機能は、従来は大型の計算機においての
み別の大型の検索装置が付加されていたものであるが、
本発明は固体磁性メモリ装置内に上記の高速情報検索機
能を与えることができるもののであり、初めて小型の情
報機器への搭載を可能ならしるものである。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いて
さらに詳細に説明する。 〈実施例1〉図1は、情報を検索する機能を設けた磁区
の検索用転送路7の一例を模式的に示したものである。
磁性ガ−ネット膜としては、 例えば 磁区幅が1μm
の(YSmLuGd)3(FeGa)512膜を用いた。
磁性ガ−ネット膜上に、スペ−サを1000Åの厚さに
設けた後、光磁気膜3を被着した。光磁気膜3としては
TbFeCo膜を用いた。その組成は、Tb約20at
(原子)%、Co約10at%残部は多少の不純物を含
むFeとした。この膜のキュ−リ点は約200℃であっ
た。他の光磁気膜を用いた場合には、キュ−リ点温度を
変化させるだけで本発明を実施する上で何ら問題は生じ
ない。この光磁気膜3上に、再度スペ−サを1000Å
の膜厚に積層した。なお、スペ−サは絶縁層としての機
能を兼ねる。このスペーサ上に、磁区転送路用の蛇行導
体2を形成した。蛇行導体2にはAuを用いて構成し
た。蛇行導体2からなる転送路の端部に、磁性ガーネッ
ト膜の磁区5を発生するジェネレ−タ(磁区発生器)1
(記号:G)を設け、逆側端部に磁区検出用の検出器4
(記号:D)を設けた。検出器4は、既存の磁気抵抗効
果を利用した薄膜(パ−マロイ薄膜)検出器を用いた。
光磁気膜3には多数の光磁気膜の磁区6が書き込まれて
いる。
【0011】以下、図10ないし図14を用いて本発明
の固体磁性メモリ装置の動作方法について説明する。ま
ず、図10に示すように、各磁区の検索用転送路7に
は、異なった任意の情報列である磁区、すなわち磁性ガ
ーネット膜中の任意の情報列に対応する磁区5−aを存
在させる。この任意の情報列である磁区5−aは、各ジ
ェネレ−タ1にパルス電流を流すことにより発生する。
従来技術と同様に、ジェネレ−タ1はヘヤピン状の形状
を有しており、パルス電流が通電されることにより垂直
方向に強磁界が生じ上記磁区5−aが発生する。パルス
電流は、情報の“1”ないしは“0”に対応させて通電
した。上記磁区5−aを発生させた後、蛇行導体2に所
定の電流を流し、1周期隣のアドレス位置に磁区を移動
させた。この後、連続する情報の“1”ないしは“0”
に対応させて磁区を発生する操作を行い、情報を連続す
る磁区の存在の有無に変換し、存在させた。この後、光
磁気膜3の温度を上昇させ、光磁気膜3のキュ−リ点
(約180℃)温度以上に加熱した。また、補償点書き
込み用の光磁気膜を用いる場合においても上記と同様の
温度設定を行った。光磁気膜3の温度上昇は、光磁気膜
3に電流を流すことによって発生させた。この他に、外
部から熱を加えて素子全体の温度上昇させても本発明の
実施は可能である。また、図5に示すように光磁気膜3
の下部に接近(距離約1000Å)させて発熱用導体2
4を設ける構成にしても良い。以上の操作によって、図
11に示すように、磁性ガーネット膜中の任意の情報列
に対応する磁区5−aの存在は、転送路に重なる光磁気
膜の磁区6の存在に対応して記録される。光磁気膜3の
保磁力は80kA/m(1000Oe)以上であるた
め、光磁気膜の磁区6は、外部磁界(80kA/m以
下)が印加されても安定して存在する。しかる後、図1
2に示すように検索用の情報に対応する新たな磁性ガー
ネット膜の磁区5を、複数の転送路にそれぞれ導入し
た。この後、膜面(素子表面)に対して垂直方向に磁界
Hbを印加した。磁界強度は、約40kA/m(500
Oe)である。この操作により、図13に示すように光
磁気膜の磁区6が下部に存在しない磁性ガーネット膜の
磁区5は消滅した。残存する光磁気膜の磁区6の数を、
比較しやすいように上記光磁気膜の磁区6を消去した結
果を図14に示す。図から明らかなごとく、検索用転送
路7−2は、他の検索用転送路7−1、7−3〜7−8
に比べて、多くの磁性ガーネット膜の磁区5が残存して
いるのが分かる。そして、残存する磁性ガーネットの磁
区5を検出器にまで転送し、その存在数をカウントする
ことにより、新情報に最も近似する旧情報が存在する転
送路を検索することができる。この時、あらかじめ、各
検索用転送路7−1〜7−8内の光磁気膜3に存在する
情報に関係する情報を記憶するアドレス位置に、検索用
転送路7−1〜7−8の固有のアドレス位置を対応させ
ておく必要がある。この処理により検索された転送路ア
ドレスから、関係する情報が記憶されるアドレス位置を
知ることができる。また、光磁気膜3に新たな情報を記
憶するには、光磁気膜3の情報を消去する必要がある。
これには、上記の熱磁気反応が起こる温度に加熱した状
態で強磁界〔約8000A/m(100Oe)程度〕を
加える必要がある。磁界は、固体磁性メモリ素子の外部
から専用のコイルを用いて発生させた。他に、永久磁石
を接近させる等の操作でも消去は可能であった。しかる
後、上記の操作を繰り返すことによって、新たな情報検
索を行うことができる。
【0012】上記一連の操作は、図6に示すコントロ−
ラ16によって制御した。コントロ−ラ16は、外部情
報機器と検索機能を有するメモリ素子15の間に位置し
情報を入出力すると共に、メモリ素子15に必要な制御
信号を送る。すなわち、コントローラ16は、アドレス
制御部30、ライト(W)データバッファ31、リード
(R)データバッファ32、および情報検索用コントロ
ーラ部28から構成される。アドレス制御部30は、外
部情報機器からのアドレス情報36を入力し、R/W動
作を行う際に必要な転送量を算出する。この結果は、転
送ドライバ33に送られ、ここで、信号からメモリ素子
15の駆動装置38を動作させるための電力信号に変換
される。データ37は、Wデータバッファ31を介して
書き込みドライバ34に送られる。ここで、必要な電気
信号に変換されメモリ素子15に送られる。読みだし時
には、メモリ素子15から検出器アンプ35を介して情
報を読みだし、Rデータバッファ32に送られる。これ
らW/R関連の制御は、アドレス制御部30によって行
われる。また、これらの基本構成は、従来のバブルメモ
リ技術とほぼ同じである。本発明では、コントローラ部
16に新たに連想検索制御部25と、アドレス計算部2
6と、比較回路27から構成される情報検索用コントロ
ーラ部28を含む点に特徴がある。連想検索制御部25
に、検索制御信号39が入力されると連想検索制御部2
5では、アドレス制御部30に信号を送り、メモリ素子
15に検索対象の情報を入力する。連想検索制御部25
からの情報を得て、メモリ素子15を所定量駆動させた
後、熱磁気書き込み用ドライバ29に制御信号を送り、
メモリ素子15における熱磁気反応を生じさせる。この
後、メモリ素子15を駆動し読みだしを行う。比較回路
25は、Rデータバッファ32からデータ37を入力し
比較結果をアドレス計算部26に送る。アドレス計算部
26では、アドレス制御部30から、必要なアドレス情
報36を入力し検索を行う。この結果を、Rデータバッ
ファ32に送り、外部情報機器に検索データを出力す
る。
【0013】以上の構成は、単一のメモリ素子15内に
情報検索用の転送路(光磁気膜を設ける)が設けられて
いる場合である。この他に、図7に示すごとく、情報検
索機能を有するメモリ素子14と、従来型(情報検索用
転送路を含まない)の記憶用メモリ素子13とを2種類
用いる構成が考えられる。この場合、転送ドライバ33
と書き込みドライバ34を複数持ち、コントローラ16
で、これらを選択的に動作させることで、上記図6に示
す場合と同様のメモリ検索を実現することができる。こ
の図7に示すシステムは、回路が複雑になる欠点が生じ
るが、従来型のメモリ素子を並列に多数接続することに
より大容量化が比較的容易に実現できる長所がある。
【0014】〈実施例2〉実施例1では複数個の転送路
の各々に磁区発生器(ジェネレ−タ)を設けたが、図8
に示すように、情報担体としてブロッホラインあるいは
磁区を用いる情報記憶部17に対するメジャライン18
を兼用し、単一の磁区発生器(ジェネレータ)20を利
用しても、本発明の実施は可能である。この場合、情報
検索用の転送路41に磁区を転送するまでには若干の時
間が必要となるが、磁区発生器の数を減らすことができ
るのでメモリ素子の構成が簡単になるという長所があ
る。このメモリ素子では、記憶情報を読みだす検出器1
9の他、情報検索用の検出器21を設ける必要がある。
また、図9に示すように、情報検索用の検出器21の位
置に、新たに第2のメジャライン22および検出器23
を設け、これらを動作させることによっても本発明の実
施は可能である。この例では、単一の検出器21を用い
た場合に比べて処理時間が長くなるが、上記実施例1と
同様に各転送路内に残存した磁区の存在数を検出するこ
とができる。
【0015】上記実施例では、蛇行導体型の転送路を用
いた場合の一例について述べた。この蛇行導体は、例え
ば図4(a)に示す形状をしており、蛇行導体11
(1)と12(2)により構成されている。この各蛇行
導体は周期性を持っており、各周期内に磁性ガーネット
膜の磁区5の安定位置が規定される。また、蛇行導体1
1(1)と12(2)は1/4周期シフトしており、各
蛇行導体に流す電流位相も1/4周期ずらす。これによ
り、磁性ガーネット膜の磁区5を所定の方向に一様に移
動させることができる。この技術は、バブルメモリ素子
技術ではよく知られた既存技術である。また同様に、図
4(b)に示すシェブロン型パ−マロイパタ−ン10を
用いる転送路においても本発明の適用が可能である。
【0016】従来の磁性メモリ素子においては、上述の
情報の検索機能は全く無く、本体情報機器で情報検索を
行う必要があった。この操作において、バッファメモリ
等の付加機能が無い場合には全情報を検索する必要があ
り多くの検索時間が必要であり、またバッファメモリ等
の付加機能はメモリ装置の小型化、低価格化ができない
という問題があった。しかし、本発明は固体磁性メモリ
素子内に情報検索機能が設けられるため、情報機器の小
型化を容易に実現することができる。さらに、他の情報
検索機器を結合させる必要が無いため、低価格化も同時
に達成できる。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の固
体磁性メモリ装置によれば、磁性メモリ素子内に、任意
の情報から関連する情報が記憶されるアドレス位置を検
索する機能を備えているので、情報検索のための新たな
情報機器が不要となり、情報機器全体としての小型化
(約80%)と低価格化(約50%)を同時に実現する
ことができる。また、従来の情報検索とは異なり、情報
の関連性を単一動作で判定できるため、処理時間の大幅
な短縮(約1/10)がはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で例示した情報検索用転送路
の構成を示す模式図。
【図2】本発明の固体磁性メモリ素子の動作原理を示す
模式図。
【図3】本発明の固体磁性メモリ素子における熱磁気反
応を示す説明図。
【図4】本発明の固体磁性メモリ素子における磁区転送
路を示す説明図。
【図5】本発明の固体磁性メモリ素子における熱発生手
段を含む情報検索用転送路の模式図。
【図6】本発明の固体磁性メモリ装置のシステムの構成
の一例を示す模式図。
【図7】本発明の固体磁性メモリ装置のシステムの構成
の他の一例を示す模式図。
【図8】本発明の実施例2で例示した情報検索用転送路
の構成を示す模式図。
【図9】本発明の実施例2で例示した情報検索用転送路
の他の構成を示す模式図。
【図10】本発明の実施例1で例示した固体磁性メモリ
装置の動作を示す説明図。
【図11】本発明の実施例1で例示した固体磁性メモリ
装置の動作を示す説明図。
【図12】本発明の実施例1で例示した固体磁性メモリ
装置の動作を示す説明図。
【図13】本発明の実施例1で例示した固体磁性メモリ
装置の動作を示す説明図。
【図14】本発明の実施例1で例示した固体磁性メモリ
装置の動作を示す説明図。
【符号の説明】
1…ジェネレ−タ(磁区発生器) 2…蛇行導体(転送路用) 3…光磁気膜 4…検出器 5…磁性ガ−ネット膜の磁区 5−1…磁性ガーネット膜中の任意情報に対応する磁区
(光磁気膜上の磁区と重なる転送路上の磁区) 5−2…磁性ガーネット膜中の任意情報に対応する磁区 5−3…磁性ガーネット膜中の任意情報に対応する磁区
(光磁気膜上の磁区と重なる転送路上の磁区) 5−a…磁性ガーネット膜中の任意情報列に対応する磁
区 6…光磁気膜の磁区 6−1…光磁気膜に転写した磁区 6−2…光磁気膜に転写した磁区 6−3…光磁気膜に転写した磁区 7…検索用転送路 7-1、7-2、7-3、7-4、7-5、7-6、7-7、7-8…検索用転送路 8…レ−ザ光 9…磁界 10…シェブロン型パ−マロイパタ−ン 11…蛇行導体(1) 12…蛇行導体(2) 13…メモリ素子(記憶用) 14…メモリ素子(検索機能付) 15…メモリ素子(検索機能付) 16…コントロ−ラ 17…情報記憶部 18…メジャライン 19…検出器(情報読みだし用) 20…ジェネレ−タ(磁区発生器) 21…検出器(情報検索用) 22…メジャライン 23…検出器(情報検索用) 24…発熱用導体 25…連想検索制御部 26…アドレス計算部 27…比較回路 28…情報検索用コントローラ部 29…熱磁気書き込み用ドライバ 30…アドレス制御部 31…ライト(W)データバッファ 32…リード(R)データバッファ 33…転送ドライバ 34…書き込みドライバ 35…検出器アンプ 36…アドレス情報 37…データ 38…駆動装置 39…検索制御信号 40…熱磁気書き込み制御信号 41…情報検索用の転送路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体膜中に存在する磁区もしくは磁区
    周囲の磁壁中に生じるブロッホラインを情報担体として
    用い、情報の書き込み、転送および読み出し機能を有す
    る固体磁性メモリ素子において、上記磁区を移動する転
    送路上の一部に光磁気膜を設け、該光磁気膜に、上記転
    送路上に存在する磁区を転写する手段を少なくとも設け
    たことを特徴とする固体磁性メモリ素子。
  2. 【請求項2】請求項1において、磁区を移動する転送路
    上に存在する磁区を光磁気膜に転写する手段は、少なく
    とも熱磁気転写法によることを特徴とする固体磁性メモ
    リ素子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、転送路
    上に存在する任意情報に対応する磁区と、光磁気膜に転
    写された磁区との磁気的な相互作用により、上記転送路
    上の磁区に静磁気的なエネルギ−変化を与える機能を少
    なくとも有することを特徴とする固体磁性メモリ素子。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、強磁性体膜面に対し垂直に磁界を印加すること
    により、光磁気膜の磁区が存在する位置に対応する転送
    路上の磁区を選択的に残存させ、他を消去する手段を少
    なくとも設けたことを特徴とする固体磁性メモリ素子。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    おいて、強磁性体膜中に存在する磁区を、2層ないしは
    1層導体にて転送し、上記導体と重なる位置に、Fe、
    Co、Ni元素のうちの少なくとも1種の元素を主成分
    として含み、さらにPtおよび希土類元素のうちから選
    ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ熱磁気反応
    性を有する光磁気膜を少なくとも設けてなることを特徴
    とする固体磁性メモリ素子。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれか1項記
    載の固体磁性メモリ素子を備え、光磁気膜の磁区が存在
    する位置に対応する転送路上の磁区を選択的に残存させ
    た後、上記残存した転送路上の磁区の存在数を検出する
    ことにより、光磁気膜に転写された旧情報に対する新規
    情報の確からしさを判定する手段を少なくとも設けたこ
    とを特徴とする固体磁性メモリ装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項5のいずれか1項記
    載の固体磁性メモリ素子において、上記固体磁性メモリ
    素子は転送路を複数個有し、該複数の転送路上に設けた
    光磁気膜に任意の旧情報を書き込み記憶させた後、上記
    転送路に新規情報を並列に入力して、強磁性体膜面に対
    し垂直に磁界を印加することにより光磁気膜の磁区が存
    在する位置に対応する転送路上の磁区を選択的に残存さ
    せ、他を消去して、上記残存した転送路上の磁区の存在
    数を検出することにより、光磁気膜に転写された旧情報
    に対する新規情報の確からしさを判定して、最も近似す
    る旧情報を記憶する転送路を選択する手段を少なくとも
    備えたことを特徴とする固体磁性メモリ装置。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7記載の固体磁性メ
    モリ装置において、新規情報に対し近似する旧情報を記
    憶する転送路の番地から特定の記憶番地を算出する手段
    を少なくとも設けたことを特徴とする固体磁性メモリ装
    置。
  9. 【請求項9】請求項6ないし請求項8のいずれか1項記
    載の固体磁性メモリ装置において、情報の記憶および新
    規情報から特定の記憶番地を算出する手段を、少なくと
    も単一のメモリ装置内に備えたことを特徴とする固体磁
    性メモリ装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11185909B2 (en) 2017-09-15 2021-11-30 Ball Corporation System and method of forming a metallic closure for a threaded container

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