JPH05286859A - チロシンプロテインキナーゼインヒビター含有癌治療剤 - Google Patents

チロシンプロテインキナーゼインヒビター含有癌治療剤

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JPH05286859A
JPH05286859A JP5022455A JP2245593A JPH05286859A JP H05286859 A JPH05286859 A JP H05286859A JP 5022455 A JP5022455 A JP 5022455A JP 2245593 A JP2245593 A JP 2245593A JP H05286859 A JPH05286859 A JP H05286859A
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JP
Japan
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trk
cells
protein kinase
cell
tyrosine protein
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JP5022455A
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English (en)
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Mariano Barbacid
マリアノ・バーバシッド
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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Publication date
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    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/55Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having seven-membered rings, e.g. azelastine, pentylenetetrazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 新規な癌の予防、安定化および緩解用組成物
を提供する。 【構成】 下記式に示す治療学的有効量のチロシンプロ
テインキナーゼインヒビターを含有する癌の予防、安定
化および緩解用組成物。 (式中、Rは水素またはメチル、Rは水素、メチル
またはn−ヘキシル、Rは水素またはメチル、R
水素または−OCHCHCHを示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、治療学的有効量のチロ
シンプロテインキナーゼインヒビターを含有することを
特徴とする癌の予防、安定化および緩解用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現在
のところ、多くのヒト疾患は、少なくともその一部は、
その疾患にかかっている個人の細胞中に存在するタンパ
ク質によってひきおこされることがわかっている。たと
えば、ヒトにおける癌の産生は、癌遺伝子によってコー
ドされるある種のタンパク質にその原因がある。
【0003】これら癌遺伝子のうちには、trkとして
示される癌遺伝子がある。このtrk座は、もともと、
種々のヒト腫瘍中での癌遺伝子としてのその活性化によ
って同定された(マーチン−ザンカ(Martin−Zanca,
D.)ら(1986)、Nature、319、743〜74
8)。その後の研究により、対応する正常遺伝子である
trk癌原遺伝子は内在性チロシンプロテインキナーゼ
活性を有する790アミノ酸長の細胞表面レセプターを
コードすることが明らかになった(マーチン−ザンカら
(1989)、Mol.Cell.Biol.,、24〜33)。こ
のgp140trkと称されるタンパク質は、それ自身か
(クライン(Klein,R.)ら(1991)、Cell、65、1
89〜197)または第二の神経生長因子(NGF)レセ
プターであるp75LNGFRとの組合せで(ヘンプステッド
(Hempstead,B.L.)ら(1991)、Nature、350
678〜683)、NGFと高親和性で結合する。
【0004】累積的な証拠により、gp140trkはN
GFの機能的作用を媒体することが示された。NGF
は、レセプターを活性化しシグナル変換(signal transd
uction)の流れを開始するのに必要な過程である、チロ
シン残基上でのgp140trkの迅速な自己リン酸化(au
tophosphorylation)を誘発する(カプラン(Kaplan,D.
R.)ら(1991)、Nature、350、158〜16
0;カプランら(1991)、Science、252、554
〜558;クラインら(1991)、Cell、65、18
9〜197)。さらに、gp140trkレセプターを異所
的に発現するNIH3T3細胞にNGFを添加すると、
c−Fosタンパク質の一過性発現、DNA合成および
形態的トランスフォーメーションが誘発される(コード
ン−カード(Cordon−Cardo,C.)ら(1991)、Cel
l、66、173〜183)。同様に、trk癌原遺伝子
mRNAをミクロ注入したツメガエル属(Xenopus)卵母
細胞にNGFを添加すると、胚胞の崩壊が誘発される
(ネブレダ(Nebreda,A.R.)ら(1991)、Science、
252、558〜561)。最後に、NGF非応答性の
(nonresponsive)PC12細胞をtrk cDNAクロー
ンでトランスフェクションすると、NGFに応答すると
いうこれら変異細胞の能力が回復される(ロエブ(Loeb,
D.M.)ら(1991)、Cell、66、961〜96
6)。
【0005】新生組織形成とは、細胞増殖および分化を
制御する制御機構が損なわれる結果、進行性の増殖とな
る過程をいう。新生組織形成においては、細胞の代謝お
よび増殖を制御できないという特徴がある。このように
制御ができなくなることにより、腫瘍が進行的に増殖
し、大きくなり、生体の生きた領域を占領していく。腫
瘍が周囲の組織にも侵潤し、離れた部位にも転移する
と、しばしば個体の死を招く。癌細胞を選択的に殺しな
がら正常細胞に対する有害な作用を最小に抑えること
が、癌治療に望まれる目的である。過去においては、こ
のことは種々の方法を用いて行われてきた。これら方法
には、化学物質の投与(化学療法)、放射線照射(放射線
療法)、および外科手術が含まれる。近年、癌治療の急
速な進展がみられる。新たな治療法が開発されていると
はいうものの、殆どのタイプの癌の治療の改良法に対す
る必要性がなお存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従い、治療学的
有効量のチロシンプロテインキナーゼインヒビターを含
有することを特徴とする癌の予防、安定化および緩解用
組成物が開示される。さらに、チロシンプロテインキナ
ーゼにより全体的または部分的に引き起こされた癌の予
防、安定化または緩解のための新規方法も開示される。
該方法は、そのような治療を必要とする哺乳動物種に治
療学的有効量のチロシンプロテインキナーゼインヒビタ
ーを投与することを特徴とする。
【0007】本明細書において「癌」とは、その最も広い
意味で使用するものであり、腫瘍、新生組織形成、癌
腫、肉腫、白血病、リンパ腫などを包含する。本明細書
において「チロシンプロテインキナーゼインヒビター」と
は、チロシンプロテインキナーゼがリン酸化反応を触媒
するのを抑制したり減少したりすることのできる物質を
意味する。本明細書において癌を「安定化する」とは、新
たな癌性病変の進行を遅らせ、および/またはその生成
を抑制することをいう。本明細書において癌の「緩解」と
は、癌性病変を減少および/または除去することをい
う。
【0008】図1: NGFおよびFGFにより誘発さ
れるPC12細胞のニューロン分化に及ぼすK252a
の特異な効果 神経親和性因子(neurotrophic factor)を添加する前
に、コラーゲンをコーティングしたプレート上でPC1
2細胞を24時間増殖させた。ついで、種々の濃度のK
252aの不存在下または存在下、これら細胞を50n
g/mlのNGF(黒丸)かまたは50ng/mlの酸性
および塩基性FGFの混合物(白い三角)とともにインキ
ュベートした。3日後、神経突起の生長の存在について
細胞を視覚で調べた。陽性の神経突起を有する細胞は、
2つの細胞の直径よりも長い神経突起を示す細胞として
定義した。各場合について少なくとも500の細胞をカ
ウントした。K252aなしのそれぞれのコントロール
培養中での、NGFにより誘発された神経突起を有する
細胞(全細胞の46%)またはFGFにより誘発された神
経突起を有する細胞(全細胞の29.6%)の比率に対し
て値を標準化した。
【0009】図2: K252aは、NGFにより誘発
されるgp140trkのチロシンリン酸化を抑制する 100nM K252aの不存在下(−)または存在下
(+)、(A)PC12細胞および静止状態(quiescent)の
(B)F19−91細胞および(C)NIH3T3細胞を1
8時間インキュベートした。ついで、P−TYR緩衝液
(下記材料および方法参照)中で溶解する前に、100n
g/mlの(A)NGF、(B)EGF、または(C)PDG
Fの不存在下(−)または存在下(+)でさらに5分間細胞
をインキュベートした。細胞溶解液を、(A)gp140
trkに対して産生させた抗血清、(B)EGFレセプター
(EGF−R)に対して産生させた抗血清、または(C)P
DGFレセプター(PDGF−R)に対して産生させた抗
血清とともにインキュベートした。得られた免疫沈降物
を8%SDS−PAGEにより分析し、ニトロセルロー
スフィルターに移し、抗ホスホチロシンモノクローナル
抗体4G10を用いてブロッティングした。フィルター
を[125I]−プロテインAとともにインキュベートし、
増感スクリーンの助けを借りて−70℃でコダックX−
Omatフィルムに2〜18時間暴露した。gp140
trk、EGF−RおよびPDGF−Rの移動を矢印で示
す。一緒に電気泳動にかけた分子量マーカーには、ミオ
シン(2000,000)、ホスホリラーゼb(97,00
0)、ウシ血清アルブミン(69,000)および卵アルブ
ミン(46,000)が含まれていた。
【0010】図3: K252aによるgp140trk
のチロシンプロテインキナーゼ活性の投与量依存性抑制 (A)E25−48細胞をNP−40溶解緩衝液中で溶解
し、抗gp140trk抗血清で免疫沈降させた(材料およ
び方法参照)。[γ−32P]−ATPを添加する前に、得
られた免疫複合体を指示濃度のK252aとともに5分
間インキュベートした。NP−40溶解緩衝液を加えて
反応を停止させ、8%SDS−PAGEで分析した。増
感スクリーンの助けを借りて−70℃にてゲルをコダッ
クX−Omatフィルムに18時間暴露した。(B)指示
濃度のK252aの存在下、静止状態のE25−42細
胞を18時間インキュベートした。100ng/mlの
NGFの不存在下(−)または存在下(+)、細胞をさらに
10分間インキュベートし、P−TYR緩衝液中で溶解
し、抗gptrk抗血清で免疫沈降させた。得られた免疫
沈降物を8%SDS−PAGEにより分画し、ニトロセ
ルロースフィルターに移し、抗ホスホチロシンモノクロ
ーナル抗体4G10でブロッティングした。フィルター
を[125I]−プロテインAとともにインキュベートし、
増感スクリーンの助けを借りて−70℃でコダックX−
Omatフィルムに30時間暴露した。リン酸化gp1
40trkレセプターの移動を矢印で示す。白い矢印は、
gp110trk(gp140trkのリン酸化前駆体)の移動
を示す[マーチン−ザンカら、Mol.Cell.Biol.、2
4〜33(1989)]。一緒に電気泳動にかけた分子量
マーカーは図2で説明したものと同じであった。
【0011】図4: K252aは、リガンドにより誘
発されるtrk群レセプターのチロシンリン酸化を抑制
する 100nM K252aの不存在下(−)または存在下
(+)で、(A)PC−12細胞、静止状態にある(B)E2
5−42細胞、(C)Z52−17細胞および(D)R4−
31細胞を18時間インキュベートした。ついで、P−
TYR緩衝液中で溶解する前に、100ng/mlの
(A,B)NGF、(C)BDNFまたは(D)NT−3とと
もに(+)またはなしで(−)さらに5分間(PC−12細
胞)または10分間(E25−42細胞、Z52−17細
胞およびR4−31細胞)インキュベートした。細胞溶
解物を、gp140trkのカルボキシ末端に対して産生
させた抗ペプチド抗血清(マーチン−ザンカら、Mol.C
ell.Biol.、24〜33(1989))(gp145trkB
レセプターおよびgp145trkCレセプターをも認識す
る)を用いて免疫沈降させた。得られた免疫沈降物を8
%SDS−PAGEにより分画し、ニトロセルロースフ
ィルターに移し、抗ホスホチロシンモノクローナル抗体
4G10を用いてブロッティングした。フィルターを[
125I]−プロテインAとともにインキュベートし、増感
スクリーンの助けを借りて−70℃にてコダックX−O
matフィルムに12〜48時間暴露した。gp140
trk、gp145trkBおよびgp145trkCの移動を矢
印で示す。おそらく異なる糖付加のためにPC−12細
胞およびE25−42細胞ではgp140trkの移動が
わずかに異なることに注意すべきである。一緒に電気泳
動にかけた分子量マーカーは、図2で説明したものと同
じであった。
【0012】図5: K252aは、trk群のレセプ
ターの各成員をそれぞれのリガンドとともに共発現する
ことによりトランスフォームしたNIH3T3細胞のト
ランスフォーム表現型を元に戻す(reverts) gp140trkをコードするプラスミドおよびNGFをコード
するプラスミド(Z99−541細胞)、gp145trkB
をコードするプラスミドおよびBDNFをコードするプ
ラスミド(Z82−432細胞)、gp145trkCをコー
ドするプラスミドおよびNT−3をコードするプラスミ
ド(Z82−711細胞)でコトランスフェクションする
ことによりトランスフォームしたNIH3T3細胞株の
位相差顕微鏡写真(×200)。100nM K252a
の不存在下(−)または存在下(+)で細胞を2〜4日間増
殖させた。
【0013】図6: K252aによるtrk癌タンパ
ク質のインビトロチロシンプロテインキナーゼ活性の投
与量依存性抑制 (A)ヒト結腸癌腫trk癌遺伝子でトランスフォームし
たNIH3T3細胞株(106−632細胞)、(B)tr
k5癌遺伝子でトランスフォームしたNIH3T3細胞
株(B38−941細胞)、および(C)v−srcでトラ
ンスフォームしたNIH3T3細胞株(C74−321
細胞)をNP−40溶解緩衝液中で溶解し、(A,B)抗g
p140trk抗血清または(C)抗pp60v-srcモノクロ
ーナル抗体327を用いて免疫沈降させた(下記材料お
よび方法参照)。[γ−32P]−ATPを添加する前に、
免疫複合体を指示濃度のK252aとともに5分間イン
キュベートした。NP−40溶解緩衝液を添加してイン
ビトロキナーゼ反応を停止させ、8%SDS−PAGE
により分析した。増感スクリーンの助けを借りてゲルを
−70℃にてコダックX−Omatフィルムに1〜4時
間暴露した。p70trk、gp120trk5およびpp6
v-srcの移動を矢印で示す。白い矢印はgp120
trk5の前駆体の移動を示す。パネルCに示す高分子量リ
ン酸化種は、共沈降pp60v-src基質を表していると
思われる(レイノルズ(Reynolds,A.)ら、Mol.Cell.
Biol.、3951〜3958(1989))。一緒に電
気泳動にかけた分子量マーカーは、図2で説明したもの
と同じであった。
【0014】図7: K252aによるtrk癌タンパ
ク質のインビボチロシンリン酸化の投与量依存性抑制 (A)ヒト結腸癌腫trk癌遺伝子でトランスフォームし
たNIH3T3細胞株(106−632細胞)、(B)tr
k5癌遺伝子でトランスフォームしたNIH3T3細胞
株(B38−941細胞)、および(C)v−srcでトラ
ンスフォームしたNIH3T3細胞株(C74−321
細胞)を、PTYR緩衝液中で溶解する前に、指示濃度
のK252aの存在下で18時間インキュベートした。
細胞溶解物を(A,B)抗gp140trk抗血清または(C)
抗pp60v-srcモノクローナル抗体327で免疫沈降
し、8%SDS−PAGEにより分画した。試料をニト
ロセルロースフィルターに移し、(A,B)抗ホスホチロ
シンモノクローナル抗体4G10または(C)ポリクロー
ナルホスホチロシン抗血清でブロッティングした。フィ
ルターを[125I]−プロテインAとともにインキュベー
トし、増感スクリーンの助けを借りて−70℃にてコダ
ックX−Omatフィルムに6時間暴露した。p70
trk、gp120trk5およびpp60v-srcの移動を矢印
で示す。一緒に電気泳動にかけた分子量マーカーは、図
2で説明したものと同じであった。
【0015】図8: K252aは、trk癌遺伝子に
より誘発される形態的トランスフォーメーションを選択
的に元に戻す trk癌遺伝子でトランスフォームしたNIH3T3細
胞(106−632)、trk5癌遺伝子でトランスフォ
ームしたNIH3T3細胞(B38−941)、v−sr
c癌遺伝子でトランスフォームしたNIH3T3細胞
(C74−321)およびv−fms癌遺伝子でトランス
フォームしたNIH3T3細胞(C51−642)を、指
示濃度のK252aの不存在下(−)または存在下(+)で
2〜4日間増殖させた位相差顕微鏡写真。
【0016】本発明の組成物および方法は、チロシンプ
ロテインキナーゼ活性を示す癌遺伝子コードタンパク質
により全体的または部分的に引き起こされる種々の癌の
治療に用いることができる。そのような癌遺伝子には、
trk群に由来するあらゆる癌遺伝子または癌原遺伝子
並びに他の関連するチロシンプロテインキナーゼ癌遺伝
子が含まれる。
【0017】とりわけ、本発明の組成物および方法は、
チロシンプロテインキナーゼ活性領域を含有するtrk
癌遺伝子タンパク質(これらはtrk癌遺伝子によりコ
ードされるタンパク質である)により引き起こされる癌
を治療するのに用いることができる。trk癌遺伝子は
trk癌原遺伝子に由来する。trk癌原遺伝子はtr
k群レセプターをコードする。これらtrk群レセプタ
ーには、trkレセプター[マーチン−ザンカら、Mol.
Cell.Biol.、24〜33(1989)参照]、trk
Bレセプター[クラインら、EMBO J.、3701
〜3709(1989)参照]およびtrkCレセプター
[ランバルレ(Lamballe,F.)ら、Cell66、967〜
979(1991)参照]が含まれる。
【0018】治療しようとする特定の癌の原因であるプ
ロテインキナーゼを抑制し得るあらゆるチロシンプロテ
インキナーゼインヒビターを本発明に従って用いること
ができる。適当なチロシンプロテインキナーゼインヒビ
ターには、式:
【化2】 (式中、R1は水素またはメチル、R2は水素、メチルま
たはn−ヘキシル、R3は水素またはメチル、R4は水素
または−OCH2CH2CH3)で示されるものが含まれ
る。これら化合物の多くは、カミヤ・バイオメディカル
・カンパニー(Kamiya Biomedical Company)(サウザ
ンドオークス、カリフォルニア州、91359)から市
販されている。特に好ましいのは、R1、R3およびR4
が水素であり、R2がメチルである化合物、すなわち、
(8R*,9S*,11S*)−(−)−9−ヒドロキシ−
9−メトキシカルボニル−8−メチル−2−3−9−1
0−テトラヒドロ−8,11−エポキシ−1H,8H,1
1H−2,7b,11a−トリアザジベンゾ(a,g)シク
ロオクタ(cde)トリンデン−1−オンである(該化合
物はBichem.Biophys.Res.Commun.142、436〜
440(1987)に記載されている)。
【0019】本発明の方法を行うに際しては、そのよう
な治療を要する種々の哺乳動物種、たとえばサル、イ
ヌ、ネコ、ラット、ヒト等に本発明のチロシンプロテイ
ンキナーゼインヒビターを投与すればよい。チロシンプ
ロテインキナーゼインヒビターは経口や非経口などのよ
うに全身的に投与することもできるし、または局部的
に、たとえば局所投与により投与することもできる。チ
ロシンプロテインキナーゼインヒビターは、錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤または注射剤などの通常の剤型中
に用いることができる。上記剤型にはまた、必要な担体
物質、賦形剤、滑沢剤、緩衝液、抗菌剤、充填剤(マン
ニトールなど)、抗酸化剤(アスコルビン酸や重亜硫酸ナ
トリウム)なども含まれる。非経口の剤型も極めて満足
のいくものであるが、経口剤型が好ましい。
【0020】そのような全身または局所調合物に関して
は、約5〜約2500mg、好ましくは約10〜約20
00mg/1日に1〜4回の1回または分割投与量を、
治療しようとする癌の予防、安定化または緩解に充分な
期間、上記のような全身剤型にてまたは局所的に投与す
る。
【0021】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明し、化学名が(8R*,9S*,11S*)−(−)
−9−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−8−メチ
ル−2−3−9−10−テトラヒドロ−8,11−エポ
キシ−1H,8H,11H−2,7b,11a−トリアザジ
ベンゾ(a,g)シクロオクタ(cde)トリンデン−1−
オンである化合物がtrk群の癌遺伝子のチロシンプロ
テインキナーゼ活性を抑制し、それゆえ新生組織生成細
胞のトランスフォーメーションを元に戻す能力について
調べる。しかしながら、この実施例は本発明の範囲を限
定するものではなく、本発明をさらに理解するのを助け
るためのものである。
【0022】実施例 I.材料および方法 A.細胞株:NIH3T3(ジェインチル(Jainchill,
J.L.)ら(1969)、J.Virol.,、549〜55
3)およびNIH3T3由来細胞株を10%ウシ血清含
有DMEM中で増殖させた。これら細胞株には、gp1
40trkを発現するNIH3T3細胞(E25−42およ
びE25−48;クラインら(1991)、Cell、
、189〜197)、gp145trkBを発現するNI
H3T3細胞(Z52−17;クラインら(1991)、
Cell、66、395〜403)、gp145trkCを発現
するNIH3T3細胞(RA−31;ランベルラら(19
91)、Cell、66、967〜979)、p70trkを発
現するNIH3T3細胞(106−632;マーチン−
ザンカら(1986)、Nature、319、743〜74
8)、pp60v-srcを発現するNIH3T3細胞(C7
4−321;クアドラド(Cuadrado,A.)ら(199
0)、Cell Growth Diff.,、9〜15)、gp12
v-fmsを発現するNIH3T3細胞(C51−642;
クアドラドら(1990)、Cell Growth Diff.,
9〜15)、およびgp120trk5を発現するNIH3
T3細胞(B38−941;クーリエ(Coulier,F.)ら
(1990)、Mol.Cell.Biol.,10、4202〜42
10)が含まれる。
【0023】ヒトEGFレセプターを過剰発現するNI
H3T3由来細胞株であるF19−91細胞は、ヒトE
GFレセプターをコードする発現プラスミドであるpH
ERN3B(シュレシンガー(Schlessinger)より入手)
でNIH3T3細胞をトランスフェクションすることに
より得た。trk群のレセプターの自己分泌活性化によ
りトランスフォームされたNIH3T3由来細胞株は、
NIH3T3細胞をプラスミドpDM69(gp140
trk)+pLTRSNGF(NGF)(Z99−541細
胞)、pFKR44(gp145trkB)+pLL42(BD
NF)(Z82−432細胞)およびpFL20(gp14
trkC)+pLL43(NT−3)(Z82−711細胞)
[マーチン・ザンカら(1989)、Mol.Cell.Biol.,
、24〜33;コードン−カードら(1991)、Cel
l、66、173〜183;クラインら(1991)、Ce
ll、66、395〜403;ランベルラら(1991)、
Cell、66、967〜979]でコトランスフェクショ
ンすることにより得た(グラハム(Graham,F.L.)およ
びファン・デア・エブ(van der EB,A.J.)(197
3)、Virology53、456〜467)。
【0024】すでに記載されたようにして(オスカム(O
skam,R.)ら(1988)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、
、2964〜2968)、トランスフォームした細胞
のフォーカスをクローニングシリンダーで釣り上げ、半
固体アガー中での増殖によりクローニングした。10%
ウシ血清および5%ウマ血清を含有するDMEM中、コ
ラーゲンをコーティングしたディッシュ(ビトロジェン
(Vitrogen))上でラットクロム親和性細胞腫PC12細
胞(グリーン(Greene,L.A.)およびティッシュラー(T
ischler A.S.)(1976)、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、73、2424〜2428)を増殖させた。神経突起
の生長を測定するため、プレート当たり5×104細胞
の密度でPC12細胞を35mmディッシュ上にプレー
ティングした。プレーティングから24時間後、K25
2aの不存在下または存在下、50mg/mlの濃度で
因子を添加した。神経突起の生長のパーセントは、細胞
の直径の少なくとも2倍の全長の神経突起を示した細胞
のパーセントとして評価した。
【0025】B.K252a、因子および抗血清:K2
52aはカミヤ・バイオメディカル・カンパニー(サウ
ザンドオークス、カリフォルニア州)から入手し、DM
SO中に溶解し、暗所にて−20℃で貯蔵した。マウス
EGF、酸性および塩基性FGF、2.5S NGFおよ
びヒトABPDGFをアップステート・バイオテクノロ
ジー(Upstate Biotechnology Inc.)(ニューヨーク)
から購入した。すでに記載されたようにして(コードン
−カードら(1991)、Cell、66、173〜18
3)、組換えバクロウイルスpAcS27(BDNF)お
よびpAcS28(NT−3)を感染させたSf9昆虫細
胞の上澄み液からBDNFおよびNT−3を約95%の
均質性に精製した。抗血清には、gp140trkレセプ
ターのカルボキシル末端に対応するペプチドに対して産
生させたウサギ抗血清(43−4)(マーチン−ザンカら
(1989)、Mol.Cell.Biol.,、24〜33)、P
DGFレセプターに対するウサギポリクローナル抗血清
(抗PR4、コートネージ(S.Courtneidge)より贈与)
(キプタ(Kypta,R.M.)ら(1990)、Cell、62
481〜492)、抗ヒトEGFレセプターモノクロー
ナル抗体(アップステート・バイオテクノロジー)、抗p
p60v-srcモノクローナル抗体327(オンコジーン・
サイエンシズ(Oncogene Sciences))、抗ホスホチロシ
ンモノクローナル抗体4G10(アップステート・バイ
オテクノロジー)およびアフィニティー精製ウサギ抗マ
ウス免疫グロブリン(ダコ(Dako))が含まれる。ポリク
ローナルホスホチロシン抗血清は、ポリホスホチロシン
−グリシン−アラニン免疫源でウサギを免疫することに
より調製した(カンプス(Kamps,M.P.)およびセフトン
(Sefton,B.M.)(1988)、Oncogene、、305
〜315)。
【0026】C.ウエスタンブロット分析:増殖因子で
刺激する前に0.5%ウシ血清を含有するDMEM中で
48時間培養することによりNIH3T3由来細胞株を
静止状態にした。PC12細胞は静止状態にしなかっ
た。因子で処理した後、P−TYR溶解緩衝液(50m
M Hepes、pH7.5;1%トリトンX−100;50
mM NaCl;50mM NaF;10mMピロリン酸
ナトリウム;5mM EDTA;0.5mMオルトバナジ
ウム酸ナトリウムおよび0.5mM PMSF)中で溶解
する前に、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウムを
含有する冷PBS中で細胞を濯いだ。12,000rp
mにて10分間遠心分離することにより、溶解液から不
溶性物質を除いた。ついで、清澄化した細胞溶解液を適
当な抗血清とともにインキュベートし、得られた免疫複
合体をプロテインA−セファロースで沈澱させることに
より回収し、溶解緩衝液で4回洗浄し、8%SDS−P
AGEにより分画し、ニトロセルロースフィルターに移
した(ハーロウ(Harlow)およびレイン(Lane)(198
8)、アンチボディーズ:ア・ラボラトリー・マニュア
ル(Antibodies:A LaboratoryManual)(コールド・
スプリング・ハーバー、ニューヨーク:コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリー))。レセプターのチロ
シンリン酸化レベルは、抗ホスホチロシンモノクローナ
ル抗体4G10でブロッティングし、ついでウサギ抗マ
ウス免疫グロブリンおよび[125I]−プロテインA(デュ
ポンNEN)とともにインキュベートすることにより決
定した(コードン−カードら(1991)、Cell、66
173〜183)。pp60v-srcリン酸化のウエスタン
ブロット分析も上記と同様にして行ったが、ニトロセル
ロースフィルターをポリクローナルホスホチロシン抗血
清でプローブした。
【0027】D.インビトロチロシンプロテインキナー
ゼアッセイ:0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム
を含有する冷PBSで細胞を濯ぎ、NP−40溶解緩衝
液(20mMトリス−Cl pH7.5;150mM Na
Cl;1%アプロチニン;0.5mMオルトバナジウム
酸ナトリウム;2.5mM EDTA;10mM NaF)
中で溶解した。溶解液を清澄化し、上記対応抗血清で免
疫沈降させた。得られた免疫複合体をNP−40溶解緩
衝液で4回洗浄し、50mM NaClおよび1%アプ
ロチニンを含有する20mM Hepes(pH7.2)で1回
洗浄し、50mM NaClおよび1%アプロチニンを
含有する20mMHepes(pH7.2)(47μl)中に再
懸濁し、10mM MnCl2を含有する20mM Hepe
s(pH7.2)(47μl)中に再懸濁した。試料を指示濃
度のK252aの存在下、30℃にて5分間インキュベ
ートした。10μCiの[γ−32P]−ATP(6000
Ci/ミリモル;デュポンNEN)および4μM ATP
を添加してキナーゼ反応を開始させた。30℃にて10
分間反応を続け、0.5mlのNP−40溶解緩衝液を
加えて反応を停止させた。試料をNP−40緩衝液で2
回洗浄し、8%SDS−PAGEで分画した。オートラ
ジオグラフィーにかける前に、電気泳動したゲルを1N
NaOHで55℃にて2時間洗浄した。
【0028】II.結果 A.NGFおよびFGFにより誘発されるPC12細胞
のニューロン分化に対するK252aの特有の効果:N
GFやFGFなどの神経親和性因子をPC12細胞に添
加すると、長い神経突起の生長を特徴とする過程である
ニューロンの分化が誘発される(グリーンおよびティッ
シュラー(1982)、In Advances in Cellular Ne
urobiology(フェデロッフ(S.Federoff)およびヘルツ
(L.Hertz)編)、373〜414頁、アカデミックプレ
ス、ニューヨーク)。以前の観察(コイズミ(Koizumi,
S.)ら(1988)、J.Neurosci.,、715〜72
1)と一致して、NGFにより誘発された場合に、プロ
テインキナーゼインヒビターK252aはこの分化過程
を有効に阻止した。図1に示すように、K252aは、
約40nMのIC50にてNGFに暴露されたPC12細
胞における神経突起過程の出現を阻止した。しかしなが
ら、K252aは、FGFなどの他の神経親和性因子に
よる神経突起生成の誘発に対しては、たとえ300nM
という高濃度でも検出可能な効果を有しなかった(図
1)。興味深いことに、ミクロモル未満の濃度のK25
2aは、PC12細胞の増殖に対して有意の抑制効果を
有しなかった(データは示していない)。
【0029】B.K252aはgp140trk NGFレ
セプターのリガンド依存性活性化を抑制するが、他のチ
ロシンキナーゼ増殖因子レセプターの活性化は抑制しな
い:これらの結果は、K252aが、NGFにより活性
化されるシグナル変換経路の特定の成員、おそらくプロ
テインキナーゼを阻止することを示唆している。それゆ
え、NGFレセプターであるgp140trkのチロシン
キナーゼ活性を抑制することにより、NGFにより誘発
されるPC12分化をK252aが阻止するかどうかを
調べた。この目的のため、100nMのK252aの不
存在下または存在下、血清飢渇した(serum−starved)P
C12細胞を100ng/mlのNGFとともにインキ
ュベートした。gp140trkのカルボキシ末端に対し
て産生させた抗体を用いて細胞抽出物を免疫沈降させ、
SDS−PAGEにより分画し、抗ホスホチロシン抗体
でブロッティングした。図2Aに示すように、K252
aはgp140trkのチロシン残基上でのNGF誘発リ
ン酸化を完全に阻止した。100nM K252aの存
在下でNIH3T3細胞をPDGF(100ng/ml)
とともにインキュベートしても、PDGFレセプターの
チロシン残基のリン酸化にはなんらの影響もなかった
(図2C)。同様の結果は、ヒトEGFレセプターを過剰
に発現するNIH3T3細胞株であるF19−91細胞
をEGF(100ng/ml)で刺激した場合にも得られ
た(図2B)。これらの観察結果は、K252aがgp1
40trkチロシンキナーゼレセプターのインヒビターで
あることを示している。
【0030】チロシンプロテインキナーゼレセプターの
活性化は、リガンドに誘発されたオリゴマー化工程の後
にそのチロシン残基が自己リン酸化されることにより媒
体されると考えられている(ウルリッヒ(Ullrich,A.)
およびシュレシンガー(1990)、Cell、61、20
3〜212)。それゆえ、上記結果は、gp140trk
ナーゼの触媒活性に対するK252aの直接的な抑制作
用の結果であると思われる。この仮説を正式に示すた
め、gp140trkレセプターを含有する免疫沈降物の
インビトロチロシンキナーゼ活性に対するK252aの
影響を調べた。図3Aに示すように、K252aは約3
0nMのIC50にてgp140trkの触媒活性を有効に
抑制した。これと平行したインビボでの実験では、K2
52aはgp140trkのチロシンリン酸化を約3nM
のIC50にて抑制した(図3B)。インビトロの方がK2
52aの抑制効果が低いのは、このアッセイの非生理学
的条件を反映しているためと思われる。しかしながら、
K252aが、触媒ドメインの外部にある構造またはg
p140trkのキナーゼ活性に影響を与える補助タンパ
ク質とインビボで相互反応する可能性を排除することは
できない。
【0031】C.K252aはtrk群のニューロトロ
フィン(neurotrophin)レセプターのインヒビターであ
る:gp140trkNGFレセプターは、関連チロシン
プロテインキナーゼの小群の1成員であり、該小群に
は、trkB遺伝子の産物であり(クラインら(198
9)、EMBO J.,、3701〜3709;クライン
ら(1990)、Cell、61、647〜656;ミドル
マス(Middlemas,D.S.)ら(1991)、Mol.Cell.B
iol.,11、143〜153)BDNFおよび一層低い程
度ではあるがNT−3の生物学的活性を媒体する(グラ
ス(Glass,D.J.)ら(1991)、Cell、66、405
〜413;クラインら(1991)、Cell、66、39
5〜403;ソッペト(Soppet,D.)ら(1991)、Ce
ll、65、895〜903;スキント(Squinto,S.
P.)ら(1991)、Cell、65、885〜893)gp
145trkB、およびtrkC遺伝子によりコードされる
チロシンプロテインキナーゼでありNT−3に特異的な
レセプターであるgp145trkC(ランバルレら(199
1)、Cell、66、967〜979)が含まれる。
【0032】K252aが、その同種リガンドによるこ
れらtrk関連レセプターの活性化に対する有効なイン
ヒビターであるかどうかについても調べた。この目的の
ため、gp140trkを発現するPC12細胞およびg
p140trkを異所的に発現するNIH3T3細胞(E2
5−42細胞)、gp145trkBを異所的に発現するN
IH3T3細胞(Z52−17細胞)およびgp145
trkCを異所的に発現するNIH3T3細胞(RA−31
細胞)を、100nM K252aの不存在下または存在
下、それぞれ100ng/mlのNGF、BDNFおよ
びNT−3とともにインキュベートした。細胞抽出物
を、上記各レセプターを認識することがわかっている抗
gp140trk抗体で免疫沈降させ、SDS−PAGE
により分画し、抗ホスホチロシン抗体でブロッティング
した。図4に示すように、100nMのK252aは、
3つの各リガンド活性化レセプターのチロシン残基上で
のリン酸化を完全に阻止した。それゆえ、K252aは
trk群のニューロトロフィンのインヒビターであると
思われる。
【0033】D.K252aはtrk群ニューロトロフ
ィンレセプターのインビボ変異源活性を抑制する:tr
k群のレセプターの公知成員のいずれかをそのリガンド
とともにNIH3T3細胞中で一緒に発現すると強い変
異源性シグナルが示されることが最近になって示された
(コードン−カードら(1991)、Cell、66、173
〜183;クラインら(1991)、Cell、66、39
5〜403;ランバルレら(1991)、Cell、66
967〜979)。この自己分泌変異源活性は、最終的
に、これら細胞の悪性トランスフォーメーションとな
る。これら知見により、PC12細胞かまたはより生理
学的環境(ニューロンなど)中で活性を示すために必要と
されるかもしれないニューロトロフィンシグナル変換経
路の他の成員(たとえば、p75LNGFR)とは独立にtr
kレセプターキナーゼのインビボ活性を調べることが可
能になった。gp140trkをコードするプラスミド(p
DM69)とNGFをコードするプラスミド(pLTRS
NGF)、gp145trkBをコードするプラスミド(pF
RK44)とBDNFをコードするプラスミド(pLL4
2)、またはgp145trkCをコードするプラスミド(p
F120)とNT−3をコードするプラスミド(pLL4
3)とでNIH3T3細胞をコトランスフェクションし
た。ついで、トランスフェクションした細胞を100n
M K252aの不存在下または存在下でトランスフォ
ームした細胞のフォーカスの出現についてモニターし
た。以前の研究結果と一致して、NIH3T3細胞は、
trk群レセプターの3つの成員のそれぞれとそのリガ
ンドとで一緒に発現することにより有効にトランスフォ
ームされた。しかしながら、このトランスフォーメーシ
ョンは、100nMK252aの存在下でトランスフェ
クションNIH3T3細胞を増殖させた場合には完全に
阻止された(表1)。
【0034】trk群レセプターの自己分泌活性化によ
り誘発された形態的トランスフォーメーションをK25
2aが元に戻すことができるかどうかを決定するため、
発現プラスミドpDM69とpLTRSNGF(Z99
−541細胞)、pFRK44とpLL42(Z82−4
32細胞)、およびpFL20とpLL43(Z82−7
11細胞)とでコトランスフェクションすることにより
トランスフォームしたNIH3T3細胞株を生成した。
ついで、トランスフェクションしていないNIH3T3
細胞をコントロールとして用い、これら細胞をK252
a不存在下または種々の濃度(30nM〜1μM)のK2
52aの存在下で増殖させた。ミクロモル濃度のK25
2aは、とりわけトランスフェクションしていないNI
H3T3細胞に対してかなり毒性があることがわかった
(データは示していない)。しかしながら、300nM以
下のK252a濃度では、これら細胞の増殖特性に対し
て有意の影響は観察されなかった。図5に示すように、
100nM K252aは、trkレセプター群の3つ
の成員とそのリガンドとで一緒に発現させることにより
トランスフォームさせたこれらNIH3T3由来細胞株
のトランスフォームされた表現型を完全に元に戻した。
低い濃度(30nM)のK252aでは、限られた効果し
か得られなかった(データは示していない)。これら結果
は、K252aがtrk群レセプターのチロシンキナー
ゼ活性のインビボでの強力なインヒビターであること、
およびこのキナーゼ活性の抑制により、リガンドによる
自己分泌刺激後にtrk群レセプターにより示される変
異源特性およびトランスフォーメーション特性が阻止さ
れることを示している。
【0035】E.K252aはtrk癌遺伝子のチロシ
ンキナーゼ活性を抑制する:ヒトtrk癌原遺伝子座で
の遺伝子再配列(genetic rearrangement)は、結腸およ
び胸腺乳頭癌腫を含むある種のヒト癌の進行において意
味をもたらされてきた(マーチン−ザンカら(198
6)、Nature、319、743〜748;ボンガーゾン
(Bongarzone,I.)ら(1989)、Oncogene、、14
57〜1462)。それゆえ、K252aがこれらヒト
癌遺伝子の選択的なインヒビターでもあるかどうかを調
べた。これらの研究のため、2つのクラスのtrk癌遺
伝子を選択した(バーバシッド(Barbacid,M.)ら(19
91)、BBA Reviews in Cancer、印刷中)。第一の
クラスは、その全リガンド結合ドメインが非筋肉トロポ
ミオシン配列で置換された、当初ヒト結腸癌腫癌遺伝子
のcDNAクローンを包含する。このtrk癌遺伝子
は、70,000ダルトンの細胞質タンパク質であるp
70trk(もはや経膜レセプターとは類似しない)をコー
ドする(マーチン−ザンカら(1986)、Nature、31
、743〜748)。この研究のために選択した第二
の癌遺伝子は、trk癌原遺伝子産物の細胞外ドメイン
中の51アミノ酸残基の欠失となる読み取り枠欠失によ
る遺伝子移動の間に生成した癌遺伝子であるtrk5で
あった(オスカム(Oskam,R.)ら(1988)、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA、85、2964〜2968;クーリエ
(Coulier,F.)ら(1990)、Mol.Cell.Biol.,
、4202〜4210)。その結果、このtrk5癌
遺伝子は120,000ダルトンの糖タンパク質である
gp120trk5をコードし、この糖タンパク質はチロシ
ンプロテインキナーゼレセプターの基本的な構造的特性
を保持している(オスカムら(1988)、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、85、2964〜2968;クーリエら(1
990)、Mol.Cell.Biol.,10、4202〜421
0)。
【0036】図6に示すように、K252aは、これら
trk癌遺伝子産物であるp70trkおよびgp120
trk5のインビトロキナーゼ活性を両方ともそれぞれ30
0nMおよび100nMのIC50にて抑制した。これと
は対照的に、10μMもの高濃度のK252aは、非関
連チロシンプロテインキナーゼであるpp60v-src
触媒活性に対して何等有意の抑制効果を有しなかった
(図6C)。同様の結果は、ヒトtrk癌遺伝子でトラン
スフォームしたNIH3T3細胞株(106−632細
胞)およびインビトロで生成させたtrk5癌遺伝子で
トランスフォームしたNIH3T3細胞株(B38−9
41細胞)中に存在するp70trkおよびgp120trk5
癌タンパク質のチロシンリン酸化レベルに対するK25
2aの影響を測定した場合にも得られた。上記のよう
に、これらタンパク質のチロシンリン酸化レベルは、イ
ンビボでの自己リン酸化活性を反映しているように思わ
れる。図7に示すように、K252aは、これら両癌タ
ンパク質のチロシンリン酸化を約50nM(p70trk)
および30nM(gp120trk5)のIC50にて有効に抑
制した。インビトロでのキナーゼアッセイで得られた結
果と一致して、K252aは、1μMもの高濃度でさえ
もpp60v-srcのチロシンリン酸化レベルに対して抑
制作用を有しなかった(図7C)。
【0037】F.K252aはtrk癌遺伝子により誘
発されたトランスフォームされた表現型を元に戻す:上
記結果は、これらtrk癌遺伝子によってトランスフォ
ームされたNIH3T3細胞のトランスフォーム表現型
を元に戻すことができることをも示唆していた。図8に
示すように、trkによりトランスフォームされた10
6−632細胞またはtrk5によりトランスフォーム
されたB38−941細胞を100nM K252aの
存在下でわずか36時間処理するだけでそのトランスフ
ォーム表現型を完全に元に戻した。v−src(C74
−321細胞)、およびv−fms(C51−642細
胞)を含む他の幾つかのチロシンプロテインキナーゼ癌
遺伝子、チロシンプロテインキナーゼレセプターに由来
する他の癌遺伝子によりトランスフォームしたNIH3
T3細胞株の形態に対しては、3倍までの高い濃度でも
K252aは効果を有しなかった(図8)。これらv−s
rcおよびv−fmsNIH3T3トランスフォーム細
胞を増加量(約1μM)のK252aで処理すると、形態
的な変換の兆候を何等示すことなく毒性作用が現れた
(データは示していない)。これら結果は、K252a
が、変異を活性化する性質に拘わらずtrk癌遺伝子の
トランスフォーム特性のインヒビターであることを確立
するものである。
【0038】III.検討 チロシンタンパク質のリン酸化は、細胞が細胞外シグナ
ルを増殖および/または分化応答に変換する基本的機構
の一つである(カントリー(Cantley,L.C.)ら(199
1)、Cell、64、281〜302)。インシュリン、
IGF−I、EGF、PDGF、FGF、CSF−1、
SF、HGFおよびNGF群のニューロトロフィンを含
む多くの増殖因子は、チロシンプロテインキナーゼレセ
プターを介してその生物学的機能を媒体する。加えて、
Src群、c−Ab1およびc−Fes/Fpsなどの
一層多くの細胞質チロシンプロテインキナーゼがシグナ
ルの変換に関与していることがわかっている(カントリ
ーら(1991)、Cell、64、281〜302)。これ
らチロシンプロテインキナーゼにより媒体される種々の
生理学的機能のために、特定のインヒビターを開発する
ためにこれらチロシンプロテインキナーゼが魅力的な標
的となってきた。現在までに、エルブスタチン(erbstat
in)、ゲニステイン(genistein)、ヘルビマイシンA(her
bimycin A)、ラベンデュスチンA(lavendustin A)お
よびトルホスチン(trphostins)などの幾つかのチロシン
プロテインキナーゼインヒビターが単離されてきた。残
念なことに、これらインヒビターは種々のチロシンプロ
テインキナーゼに対して選択性をほとんど示さず、それ
ゆえ治療に使用するには適していなかった。
【0039】セリン/スレオニンキナーゼの公知インヒ
ビターであるK252a(カセ(Kase,H.)ら(198
6)、J.Antibiot.,39、1059〜1065;カセ
ら(1987)、Biochem.Biophys.Res.Commun.,14
、436〜440)をミクロモル未満で用いると、N
GFレセプターであるgp140trkのインビトロでの
チロシンプロテインキナーゼ活性が完全に抑制される。
さらに重要なことに、K252aは、NGFにより媒体
されるgp140trkレセプターのインビボでの自己リ
ン酸化を3nMのIC50にて抑制する。同様の結果は、
本発明者らが関連gp145trkBおよびgp145trkC
チロシンプロテインキナーゼ(それぞれ、NGF関連ニ
ューロトロフィンであるBDNFおよびNT−3のレセ
プターとして働く)を用いた場合にも得られた(グラスら
(1991)、Cell、66、405〜413;クライン
ら(1991)、Cell、66、395〜403;ランベ
ルレら(1991)、Cell、66、967〜979;ソ
ッペトら(1991)、Cell、65、895〜903;
スキントら(1991)、Cell、65、885〜89
3)。対照的に、K252aは、EGFレセプターおよ
びPDGFレセプターをその同種リガンドにより活性化
した場合には、これらレセプターの自己リン酸化活性に
対して影響を有しなかった。これら観察結果は、K25
2aがtrk群のニューロトロフィンレセプターのチロ
シンプロテインキナーゼ活性の強力なインヒビターであ
ることを示している。
【0040】各trkレセプターがその同種リガンドに
より自己分泌刺激されると、NIH3T3細胞の形態的
トランスフォーメーションが起こる。K252aは10
0nMもの低濃度でこのトランスフォーム活性を完全に
阻止し、trkレセプターと対応リガンドとを一緒に発
現しているNIH3T3細胞のトランスフォームした表
現型を元に戻した。興味深いことに、300nMもの高
濃度のK252aでもこれらNIH3T3由来細胞の増
殖速度に何等有意の影響を与えなかったし、検出し得る
毒性効果も示さなかった。それゆえ、K252aは、プ
ロテインキナーゼCなどのセリン/スレオニンキナーゼ
(その活性は、これら細胞の適当な代謝機能に必要であ
ると思われる)などのインヒビターであるよりも一層有
効なtrk群レセプターのインヒビターであると思われ
る。
【0041】trk癌原遺伝子は、種々の遺伝的変化に
よりトランスフォーム特性を獲得し得る(バーバシッド
ら(1991)、BBA Reviews in Cancer、印刷
中)。これら殆どの変異の結果、trk癌遺伝子が生成
し、その生成物は細胞表面レセプターの構造特性をもは
や示さない。ヒト腫瘍では、trk癌遺伝子はその細胞
外配列が非筋肉トロポミオシン(マーチン−ザンカら(1
986)、Nature、319、743〜748)やtpr
(グレコ(Greco)ら、公に提供されている)などの非関連
遺伝子により置換されている。加えて、trk配列はイ
ンビトロで組み換えてtrk癌遺伝子をしばしば生成さ
せることができる(コズマ(Kozma,S.C.)ら(198
8)、EMBO J.、、147〜154;オスカムら
(1988)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85、2964
〜2968)。これらインビトロで生成したtrk癌遺
伝子の幾つかは、その細胞外配列が外来遺伝子により置
換されているという点でヒト腫瘍中に認められる遺伝子
と類似している。他のものは、基本的な細胞表面レセプ
ター構造の喪失とならない点突然変異または小さな読み
取り枠欠失により活性化される(クーリエら(199
0)、Mol.Cell.Biol.,10、4202〜4210)。
本研究で示したように、K252aは、細胞質分子また
は細胞表面分子のいずれをコードするかに拘わらず、t
rk癌遺伝子のチロシンプロテインキナーゼの有効なイ
ンヒビターである。しかしながら、K252aは、その
癌遺伝子の対立遺伝子のチロシンキナーゼ活性の抑制に
比べておよそ1オーダー高い正常trkレセプターのチ
ロシンキナーゼ活性の抑制を示す。trk癌遺伝子に対
するK252aの抑制作用が一層限られているのは、癌
遺伝子が活性化されることによる変異のために触媒ドメ
インが構造的に変化する結果であると思われる。
【0042】K252aがtrk癌遺伝子のキナーゼ活
性を抑制するIC50が低いにも拘わらず、このインヒビ
ターは、ヒト結腸癌腫trkトランスフォーム遺伝子か
またはインビトロで生成したtrk5癌遺伝子のいずれ
かを発現するNIH3T3細胞のトランスフォームした
表現型を100nMの濃度で有効に元に戻した。対照的
に、チロシンプロテインキナーゼ癌遺伝子v−srcお
よびv−fmsを含有するNIH3T3細胞のトランス
フォームした表現型に対しては、1μMもの高い濃度で
もK252aは何らの効果も有しなかった。
【0043】K252aは、キナーゼ触媒ドメインへの
ATPの結合に競合することによりその生物学的活性を
示す一群の天然アルカロイド(スタウロスポリン(stauro
sporine)、K252b)および合成アルカロイド(KT5
720、KT5823、KT5926)の1種である(カ
セら(1986)、J.Antibiot.,39、1059〜10
65;カセら(1987)、Biochem.Biophys.Res.Co
mmun.,142、436〜440)。正常および癌遺伝子
trkキナーゼの触媒活性に対するK252aの抑制作
用は、チロシンプロテインキナーゼインヒビターの合理
的な設計の構造的基礎を確立するうえで助けとなるはず
である。
【0044】
【表1】表1 : K252aは、trk群のレセプターをコード
する発現プラスミドおよびそのリガンドをコードする発
現プラスミドでコトランスフェクションすることによる
NIH3T3細胞のトランスフォーメーションを抑制す
る。 コトランスフェクションするDNAa プラスミド プラスミド K252a トランスフォーム活性(レセプター) (ニューロトロフィン) 100nM (フォーカス/105細胞) − − − 0 pDM69(gp140trk) pLTRSNGF(NGF) − >1000 pDM69(gp140trk) pLTRSNGF(NGF) + 0 pFRK44(gp145trkB) pLL42(BDNF) − >1000 pFRK44(gp145trkB) pLL42(BDNF) + 0 pFL20(gp145trkC) pLL43(NT-3) − >1000 pFL20(gp145trkC) pLL43(NT-3) + 0 (注)a:100ngのレセプターDNAおよび1μgの
ニューロトロフィンDNAを各トランスフェクションに
用いた(グラハムおよびファン・デア・エブ、Virology
53、456〜467(1973))。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NGFおよびFGFにより誘発されるPC1
2細胞のニューロン分化に及ぼすK252aの効果を示
すグラフ。
【図2】 各種レセプターのチロシンリン酸化に及ぼす
K252aの効果を示すウエスタンブロット分析結果の
模式図。
【図3】 K252aのチロシンプロテインキナーゼ活
性抑制効果を各種濃度で調べたウエスタンブロット分析
結果の模式図。
【図4】 trk群レセプターのチロシンリン酸化に及
ぼすK252aの効果を示すウエスタンブロット分析結
果の模式図。
【図5】 K252aの不存在下または存在下で、レセ
プターをコードするプラスミドおよびリガンドをコード
するプラスミドでコトランスフェクションすることによ
りトランスフォームした細胞の位相差顕微鏡写真。
【図6】 K252aによるtrk癌タンパク質のイン
ビトロチロシンプロテインキナーゼ活性の投与量依存性
抑制を示すウエスタンブロット分析結果の模式図。
【図7】 K252aによるtrk癌タンパク質のイン
ビボチロシンリン酸化の投与量依存性抑制を示すウエス
タンブロット分析結果の模式図。
【図8】 K252aの不存在下または存在下で、各種
癌遺伝子でトランスフォームした細胞の位相差顕微鏡写
真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療学的有効量のチロシンプロテインキ
    ナーゼインヒビターを含有することを特徴とする癌の予
    防、安定化および緩解用組成物。
  2. 【請求項2】 該チロシンプロテインキナーゼインヒビ
    ターが式: 【化1】 (式中、R1は水素またはメチル、R2は水素、メチルま
    たはn−ヘキシル、R3は水素またはメチル、R4は水素
    または−OCH2CH2CH3)で示される化合物から選ば
    れる請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該チロシンプロテインキナーゼインヒビ
    ターが(8R*,9S*,11S*)−(−)−9−ヒドロ
    キシ−9−メトキシカルボニル−8−メチル−2−3−
    9−10−テトラヒドロ−8,11−エポキシ−1H,8
    H,11H−2,7b,11a−トリアザジベンゾ(a,g)
    シクロオクタ(cde)トリンデン−1−オンである請求
    項2に記載の組成物。
JP5022455A 1992-02-10 1993-02-10 チロシンプロテインキナーゼインヒビター含有癌治療剤 Withdrawn JPH05286859A (ja)

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