JPH05279672A - 廃棄プラスチックの油化装置 - Google Patents
廃棄プラスチックの油化装置Info
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- JPH05279672A JPH05279672A JP4109010A JP10901092A JPH05279672A JP H05279672 A JPH05279672 A JP H05279672A JP 4109010 A JP4109010 A JP 4109010A JP 10901092 A JP10901092 A JP 10901092A JP H05279672 A JPH05279672 A JP H05279672A
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 廃棄プラスチックを、より少ない燃料でより
効率的に熱分解し、且つ、より均質な油性物質を取り出
せる様にした廃棄プラスチックの油化装置を提供する。 【構成】 バーナ2によって加熱される加熱炉1内の、
一端側に、廃棄プラスチックを溶融させる溶融室3を設
け、中程に、溶融室3内の溶融プラスチックが供給され
る、撹拌手段12を備えた加熱室4を設け、他端側に、
加熱室4から供給される溶融プラスチックを熱分解して
気化生成物を生じさせる熱分解室5を設け、更に、熱分
解室5から供給される気化生成物を所望の組成を有する
油性物質に改質させる、反応触媒層を備えた反応室6を
設けた。溶融室及び加熱室は、夫々密閉可能に構成し、
溶融プラスチックの供給は此等の室内に生じた蒸気圧を
利用して行い、又、両室に夫々設けた安全弁17の逃げ
口を反応室6の出口側に連設した凝縮器19に接続する
とよい。
効率的に熱分解し、且つ、より均質な油性物質を取り出
せる様にした廃棄プラスチックの油化装置を提供する。 【構成】 バーナ2によって加熱される加熱炉1内の、
一端側に、廃棄プラスチックを溶融させる溶融室3を設
け、中程に、溶融室3内の溶融プラスチックが供給され
る、撹拌手段12を備えた加熱室4を設け、他端側に、
加熱室4から供給される溶融プラスチックを熱分解して
気化生成物を生じさせる熱分解室5を設け、更に、熱分
解室5から供給される気化生成物を所望の組成を有する
油性物質に改質させる、反応触媒層を備えた反応室6を
設けた。溶融室及び加熱室は、夫々密閉可能に構成し、
溶融プラスチックの供給は此等の室内に生じた蒸気圧を
利用して行い、又、両室に夫々設けた安全弁17の逃げ
口を反応室6の出口側に連設した凝縮器19に接続する
とよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄されたプラスチッ
クやゴム類を熱分解して油性物質を生成させる為の、廃
棄プラスチックの油化装置に関する。
クやゴム類を熱分解して油性物質を生成させる為の、廃
棄プラスチックの油化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、先に、“廃プラスチック
用油化還元炉”を、開発し特許出願している。この先願
発明の油化還元炉は、「密閉可能に形成され廃プラスチ
ックを液化する溶融室と、溶融室から送られた液化した
廃プラスチックを気化する熱分解室と、溶融室と熱分解
室とを連通し、一方が溶融室の底部に開口した連通路
と、溶融室と熱分解室とを同一炉内に左右に並設した状
態で加熱する加熱炉と、炉上部に設けられ熱分解室へ連
通された接触反応室とを備えており、接触反応室で生成
した油化物の蒸気を取り出して、冷却液化する構成を備
えており、」 装置全体を1基のユニットにコンパクト
にまとめることが出来るので、複数基のユニットを組合
わせて構成された従来の廃プラ油化装置に比べて、設置
床面が少なく済み、又、単純な操作で連続処理を行える
長所を備えている。
用油化還元炉”を、開発し特許出願している。この先願
発明の油化還元炉は、「密閉可能に形成され廃プラスチ
ックを液化する溶融室と、溶融室から送られた液化した
廃プラスチックを気化する熱分解室と、溶融室と熱分解
室とを連通し、一方が溶融室の底部に開口した連通路
と、溶融室と熱分解室とを同一炉内に左右に並設した状
態で加熱する加熱炉と、炉上部に設けられ熱分解室へ連
通された接触反応室とを備えており、接触反応室で生成
した油化物の蒸気を取り出して、冷却液化する構成を備
えており、」 装置全体を1基のユニットにコンパクト
にまとめることが出来るので、複数基のユニットを組合
わせて構成された従来の廃プラ油化装置に比べて、設置
床面が少なく済み、又、単純な操作で連続処理を行える
長所を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】廃棄プラスチックを回
収して熱分解処理し、有用な油性物質として再活用する
技術を実用化させるには、その処理経費を極力低く押え
ると共に、得られる油性物質の組成を極力均質に保つ必
要がある。そこで、本発明の目的は、上記先願発明を更
に発展させて、廃棄プラスチックを従来に比べてより少
ない燃料でより効率的に熱分解させ、且つ、より均質な
油性物質を取り出せる様にした廃棄プラスチックの油化
装置を提供するにある。
収して熱分解処理し、有用な油性物質として再活用する
技術を実用化させるには、その処理経費を極力低く押え
ると共に、得られる油性物質の組成を極力均質に保つ必
要がある。そこで、本発明の目的は、上記先願発明を更
に発展させて、廃棄プラスチックを従来に比べてより少
ない燃料でより効率的に熱分解させ、且つ、より均質な
油性物質を取り出せる様にした廃棄プラスチックの油化
装置を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
の本発明による廃棄プラスチックの油化装置は、バーナ
2によって加熱される加熱炉1と、該加熱炉1内の一端
側に設けられて、廃棄プラスチックを溶融させる、撹拌
手段12を備えた溶融室3と、前記加熱炉1内の中程に
設けられて、前記溶融室3内の溶融プラスチックが供給
される、撹拌手段12を備えた加熱室4と、前記加熱炉
1内の他端側に設けられて、前記加熱室4から供給され
る溶融プラスチックを熱分解して気化生成物を生じさせ
る熱分解室5と、該熱分解室5から供給される前記気化
生成物を所望の組成を有する油性物質に改質させる、反
応触媒層を備えた反応室6とを具備する構成とした。そ
して、前記溶融室3及び加熱室4は、夫々密閉可能に構
成し、前記溶融プラスチックの供給は、此等の室内に生
じた蒸気圧を利用して行うと共に、前記溶融室3及び加
熱室4に夫々設けた安全弁17の各逃げ口を、前記反応
室6の出口に接続し凝縮器19の入口側に接続する様に
するとよい。
の本発明による廃棄プラスチックの油化装置は、バーナ
2によって加熱される加熱炉1と、該加熱炉1内の一端
側に設けられて、廃棄プラスチックを溶融させる、撹拌
手段12を備えた溶融室3と、前記加熱炉1内の中程に
設けられて、前記溶融室3内の溶融プラスチックが供給
される、撹拌手段12を備えた加熱室4と、前記加熱炉
1内の他端側に設けられて、前記加熱室4から供給され
る溶融プラスチックを熱分解して気化生成物を生じさせ
る熱分解室5と、該熱分解室5から供給される前記気化
生成物を所望の組成を有する油性物質に改質させる、反
応触媒層を備えた反応室6とを具備する構成とした。そ
して、前記溶融室3及び加熱室4は、夫々密閉可能に構
成し、前記溶融プラスチックの供給は、此等の室内に生
じた蒸気圧を利用して行うと共に、前記溶融室3及び加
熱室4に夫々設けた安全弁17の各逃げ口を、前記反応
室6の出口に接続し凝縮器19の入口側に接続する様に
するとよい。
【0005】
【作用】バーナ2によって加熱される溶融室3に供給さ
れた廃棄プラスチックは、次第に溶融して室底部に溜ま
る。この溶融プラスチックは撹拌手段12を備える加熱
室4に送られて所要温度に加熱されると共に、組成を均
一化される。昇温し均質化された溶融プラスチックは熱
分解室5に供給され、ここで効率的に熱分解されて気化
する。気化生成物は反応室6に送られて、ここで触媒の
働きによってより利用価値の高い組成物に改質されて、
所望の油性物質となる。そして、バーナ2が生じさせる
燃焼熱を、溶融室3、加熱室4及び熱分解室5の各室に
最も効率良く伝えられる様に各室の配置及びバーナ2の
設置箇所と炉構造を決めることによって、廃棄プラスチ
ックの熱分解に要する熱エネルギーは最小に押えられ
る。又、溶融室3及び加熱室4を夫々密閉可能に構成
し、前記溶融プラスチックの供給は、此等の室内に生じ
た蒸気圧を利用して行うことによって、装置の構造が単
純化されると共に、その分、装置の運転・保守の手間が
省ける様になる。更に、溶融室3及び加熱室4に夫々取
着した安全弁17の逃げ口を、反応室6の出口に連設し
た凝縮器19の入口側に接続することによって、作業環
境の安全が確保される。
れた廃棄プラスチックは、次第に溶融して室底部に溜ま
る。この溶融プラスチックは撹拌手段12を備える加熱
室4に送られて所要温度に加熱されると共に、組成を均
一化される。昇温し均質化された溶融プラスチックは熱
分解室5に供給され、ここで効率的に熱分解されて気化
する。気化生成物は反応室6に送られて、ここで触媒の
働きによってより利用価値の高い組成物に改質されて、
所望の油性物質となる。そして、バーナ2が生じさせる
燃焼熱を、溶融室3、加熱室4及び熱分解室5の各室に
最も効率良く伝えられる様に各室の配置及びバーナ2の
設置箇所と炉構造を決めることによって、廃棄プラスチ
ックの熱分解に要する熱エネルギーは最小に押えられ
る。又、溶融室3及び加熱室4を夫々密閉可能に構成
し、前記溶融プラスチックの供給は、此等の室内に生じ
た蒸気圧を利用して行うことによって、装置の構造が単
純化されると共に、その分、装置の運転・保守の手間が
省ける様になる。更に、溶融室3及び加熱室4に夫々取
着した安全弁17の逃げ口を、反応室6の出口に連設し
た凝縮器19の入口側に接続することによって、作業環
境の安全が確保される。
【0006】
【実施例】以下に、図1及び図2を参照しながら本発明
の一実施例を説明する。先ず、油化装置の概略の構成は
図1に示した様に、所定の内容積を有して、その前面下
部に炉内を所要温度に加熱するバーナ2を設けた加熱炉
1の内部には、その後部に、廃棄プラスチックAを溶融
させる溶融室3を設け、中程に、溶融室3内で溶けた溶
融プラスチックBを供給されて、これを撹拌混和すると
共に所要の温度に昇温させる加熱室4を設け、最も高温
になる前部には、加熱室4から供給される溶融プラスチ
ックBを熱分解して気化生成物を生じさせる熱分解室5
を設けいる。更に、熱分解室5の上部には、気化生成物
を所望の組成の油性物質に改質する為の、反応触媒層を
備えた反応室6を設けている。加熱炉1内での各室のこ
の様な配置によって、各室は、夫々の室に望ましい適温
に効率良く加熱される。
の一実施例を説明する。先ず、油化装置の概略の構成は
図1に示した様に、所定の内容積を有して、その前面下
部に炉内を所要温度に加熱するバーナ2を設けた加熱炉
1の内部には、その後部に、廃棄プラスチックAを溶融
させる溶融室3を設け、中程に、溶融室3内で溶けた溶
融プラスチックBを供給されて、これを撹拌混和すると
共に所要の温度に昇温させる加熱室4を設け、最も高温
になる前部には、加熱室4から供給される溶融プラスチ
ックBを熱分解して気化生成物を生じさせる熱分解室5
を設けいる。更に、熱分解室5の上部には、気化生成物
を所望の組成の油性物質に改質する為の、反応触媒層を
備えた反応室6を設けている。加熱炉1内での各室のこ
の様な配置によって、各室は、夫々の室に望ましい適温
に効率良く加熱される。
【0007】次に、油化装置の細部の構成を順次説明す
る。バーナ2は、断熱・耐火レンガで築かれた加熱炉1
の内部を800〜1000℃に昇温させる性能を備えて
いる。加熱炉1の内部にはその前面域を上下に仕切る区
画棚7を設け、バーナ2の燃焼焔及び燃焼ガスが、図中
に破線矢印aで示した様に、加熱炉1内の下方域をその
奥端に達した後、Uターンして加熱炉1の前部頂面に設
けた煙突8に向けて炉内の上方域を流れる様にしてい
る。これによって、バーナ2から最も近い熱分解室5は
400〜600℃に、又、炉内の中程に位置する加熱室
4は200〜400℃の適温に夫々効率良く加熱され、
そして、最も遠い溶融室3は廃棄プラッチックの溶融温
度以上に加熱される様にしている。
る。バーナ2は、断熱・耐火レンガで築かれた加熱炉1
の内部を800〜1000℃に昇温させる性能を備えて
いる。加熱炉1の内部にはその前面域を上下に仕切る区
画棚7を設け、バーナ2の燃焼焔及び燃焼ガスが、図中
に破線矢印aで示した様に、加熱炉1内の下方域をその
奥端に達した後、Uターンして加熱炉1の前部頂面に設
けた煙突8に向けて炉内の上方域を流れる様にしてい
る。これによって、バーナ2から最も近い熱分解室5は
400〜600℃に、又、炉内の中程に位置する加熱室
4は200〜400℃の適温に夫々効率良く加熱され、
そして、最も遠い溶融室3は廃棄プラッチックの溶融温
度以上に加熱される様にしている。
【0008】溶融室3の頂壁は加熱炉1の頂壁面に接し
ており、この頂壁に原料供給部9を設けている。原料供
給部9には廃棄プラッスチックAを間欠的に自動供給す
る、図示を省いた自動フィーダーを付設している。原料
供給部9の原料出口には図示を省いたバルブを設けて、
原料を供給しない時は溶融室3内が密閉される様にして
いる。溶融室3の底部は球面状に形成して伝熱効率を高
めている。この油化装置は、塩化ビニール系やポリオレ
フィン系等の汎用合成樹脂は勿論、殆ど全ての種類の合
成樹脂を油化出来る他に、各種のゴム類も油化させるこ
とが出来る。此等の原料は細片状に破砕して自動フィー
ダーのホッパーに供給される。自動フィーダーの作動
は、溶融室3内の溶融液面を検知する液面センサ10か
らの信号に基ずいて行われる。又、溶融室3には、供給
された原料を効率良く加熱・溶融させる為に、モータ1
1で駆動される撹拌機12を、撹拌手段として設けてい
る。
ており、この頂壁に原料供給部9を設けている。原料供
給部9には廃棄プラッスチックAを間欠的に自動供給す
る、図示を省いた自動フィーダーを付設している。原料
供給部9の原料出口には図示を省いたバルブを設けて、
原料を供給しない時は溶融室3内が密閉される様にして
いる。溶融室3の底部は球面状に形成して伝熱効率を高
めている。この油化装置は、塩化ビニール系やポリオレ
フィン系等の汎用合成樹脂は勿論、殆ど全ての種類の合
成樹脂を油化出来る他に、各種のゴム類も油化させるこ
とが出来る。此等の原料は細片状に破砕して自動フィー
ダーのホッパーに供給される。自動フィーダーの作動
は、溶融室3内の溶融液面を検知する液面センサ10か
らの信号に基ずいて行われる。又、溶融室3には、供給
された原料を効率良く加熱・溶融させる為に、モータ1
1で駆動される撹拌機12を、撹拌手段として設けてい
る。
【0009】加熱室4は、溶融室3に似た構成を備えて
いるが、原料供給口9に替えて、溶融室3の底部に溜っ
た溶融プラッスチックBをこの加熱室4に送り込む移送
パイプ13の末端が頂壁面を貫いて開口している。又、
溶融プラスチックBの液面を検知する液面センサ14を
設けている。加熱室4は、溶融室3から供給される溶融
プラスチックBを撹拌機12で撹拌することにより、所
要の温度に効率良く加熱すると共に、溶融室3から供給
される溶融プラスチックBを一時的に貯留することによ
って、原料ホッパーに投入される廃棄プラスチックAの
種類の経時変化に由来する、熱分解室5に供給される溶
融プラスチックBの組成の経時変動を極力少なくしてい
る。
いるが、原料供給口9に替えて、溶融室3の底部に溜っ
た溶融プラッスチックBをこの加熱室4に送り込む移送
パイプ13の末端が頂壁面を貫いて開口している。又、
溶融プラスチックBの液面を検知する液面センサ14を
設けている。加熱室4は、溶融室3から供給される溶融
プラスチックBを撹拌機12で撹拌することにより、所
要の温度に効率良く加熱すると共に、溶融室3から供給
される溶融プラスチックBを一時的に貯留することによ
って、原料ホッパーに投入される廃棄プラスチックAの
種類の経時変化に由来する、熱分解室5に供給される溶
融プラスチックBの組成の経時変動を極力少なくしてい
る。
【0010】熱分解室5も、その頂壁が加熱炉1の頂壁
面に接する様に設けてあり、図2に示した様に室内には
多数本の熱交換用パイプ15が、相互に所定間隔を隔て
水平方向に貫通する様に配設されており、煙管ボイラー
に類する構造を備えている。そして、天井面には、加熱
室4内の溶融プラスチックBをこの室内に供給する移送
パイプ16の末端が開口している。この移送パイプ16
の径は、移送パイプ13の径より太くしている。
面に接する様に設けてあり、図2に示した様に室内には
多数本の熱交換用パイプ15が、相互に所定間隔を隔て
水平方向に貫通する様に配設されており、煙管ボイラー
に類する構造を備えている。そして、天井面には、加熱
室4内の溶融プラスチックBをこの室内に供給する移送
パイプ16の末端が開口している。この移送パイプ16
の径は、移送パイプ13の径より太くしている。
【0011】溶融室3から加熱室4へ、又、加熱室4か
ら熱分解室5への溶融プラスチックBの移送は、此等の
室内に生じた蒸気圧を利用して行う様にしている。その
為、両室共密閉可能な構造になっており、夫々の室の頂
壁には安全弁(調圧弁)17を取着している。此等両安
全弁17の各逃げ口には共通の配管18を連結し、配管
18の末端は以下に述べる凝縮器19の入口側に接続し
ている。
ら熱分解室5への溶融プラスチックBの移送は、此等の
室内に生じた蒸気圧を利用して行う様にしている。その
為、両室共密閉可能な構造になっており、夫々の室の頂
壁には安全弁(調圧弁)17を取着している。此等両安
全弁17の各逃げ口には共通の配管18を連結し、配管
18の末端は以下に述べる凝縮器19の入口側に接続し
ている。
【0012】熱分解室5内で生じた気化生成物を改質す
る反応室6には、改質用の反応触媒を充填した、又は担
体に付着させた構成のカートリッジ(反応触媒層)が組
み込まれている。そして、反応室6の上部出口には、凝
縮器19が、導出パイプ20を介して接続されている。
尚、熱分解室5及び溶融室3(及び加熱室4)には、室
内底部に次第に溜って来る残渣を定期的に取り出す為
に、図2に示した様に残渣取出口21を設けている。
る反応室6には、改質用の反応触媒を充填した、又は担
体に付着させた構成のカートリッジ(反応触媒層)が組
み込まれている。そして、反応室6の上部出口には、凝
縮器19が、導出パイプ20を介して接続されている。
尚、熱分解室5及び溶融室3(及び加熱室4)には、室
内底部に次第に溜って来る残渣を定期的に取り出す為
に、図2に示した様に残渣取出口21を設けている。
【0013】次に、上記構成の作用を説明する。バーナ
2から最も遠い為に過度に加熱されることのない溶融室
3内に、原料供給部9から補給される廃棄プラスチック
Aは、撹拌機12の働きによって炭化を防止されながら
効率良く加熱されて、その底部には次第に溶融プラスチ
ックBが溜まって来る。この溶融プラスチックBは、溶
融室3内に生じた気化物の蒸気圧によって、200〜4
00℃に加熱された加熱室4内に移送パイプ13を通し
て送り込まれ、次第に貯留される。貯留された溶融プラ
スチックBは撹拌機12の作用によって所要の温度に効
率良く昇温され、且つ、その組成が均一化される。加熱
室4内の溶融プラスチックBの液面が設定されたレベル
に達し、又、加熱に伴って生じた気化物の蒸気圧が高ま
ると、加熱室4内の溶融プラスチックBは、この蒸気圧
によって移送パイプ16に流入し、その末端から400
〜600℃に加熱されている熱分解室5内に送り込まれ
る。尚、熱分解室5の温度は加熱室4より高いが、熱分
解室5は反応室6及び凝縮器19を介して大気に連通し
ており、且つ、移送パイプ16の径は移送パイプ13よ
り太いので、蒸気圧による移送は支障なく行われる。熱
分解室5内で熱分解温度に迄加熱れた溶融プラスチック
Bは、煙管ボイラー式の内部構造を備えたこの室内で効
率良く熱分解されて気化生成物Cを生じさせる。
2から最も遠い為に過度に加熱されることのない溶融室
3内に、原料供給部9から補給される廃棄プラスチック
Aは、撹拌機12の働きによって炭化を防止されながら
効率良く加熱されて、その底部には次第に溶融プラスチ
ックBが溜まって来る。この溶融プラスチックBは、溶
融室3内に生じた気化物の蒸気圧によって、200〜4
00℃に加熱された加熱室4内に移送パイプ13を通し
て送り込まれ、次第に貯留される。貯留された溶融プラ
スチックBは撹拌機12の作用によって所要の温度に効
率良く昇温され、且つ、その組成が均一化される。加熱
室4内の溶融プラスチックBの液面が設定されたレベル
に達し、又、加熱に伴って生じた気化物の蒸気圧が高ま
ると、加熱室4内の溶融プラスチックBは、この蒸気圧
によって移送パイプ16に流入し、その末端から400
〜600℃に加熱されている熱分解室5内に送り込まれ
る。尚、熱分解室5の温度は加熱室4より高いが、熱分
解室5は反応室6及び凝縮器19を介して大気に連通し
ており、且つ、移送パイプ16の径は移送パイプ13よ
り太いので、蒸気圧による移送は支障なく行われる。熱
分解室5内で熱分解温度に迄加熱れた溶融プラスチック
Bは、煙管ボイラー式の内部構造を備えたこの室内で効
率良く熱分解されて気化生成物Cを生じさせる。
【0014】この気化生成物Cは、熱分解室5の上部に
設けらて、350〜450℃に加熱された反応室6に流
入し、改質用触媒と接触する間に所望の組成に改質され
たうえ、気体のまま導出パイプ20に導き出され、その
末端に連結された凝縮器19によって冷却液化し、水分
を含む粗製油性物質として取り出される。そして、取り
出された粗製油性物質を油水分離装置(図示略)に通す
ことによって、所望の油性物質が得られる。
設けらて、350〜450℃に加熱された反応室6に流
入し、改質用触媒と接触する間に所望の組成に改質され
たうえ、気体のまま導出パイプ20に導き出され、その
末端に連結された凝縮器19によって冷却液化し、水分
を含む粗製油性物質として取り出される。そして、取り
出された粗製油性物質を油水分離装置(図示略)に通す
ことによって、所望の油性物質が得られる。
【0015】図3は、本発明の他の実施例を示してい
る。上記実施例との相異点は、加熱室4及び熱分解室5
を補助的に加熱する補助バーナ2Aを、加熱室4の近傍
に設けると共に、それに対応させて加熱炉1の構造を変
えた処にある。補助バーナ2Aの設置箇所は、図示に限
られず、溶融室3、加熱室4及び熱分解室5の夫々が最
も望ましい温度に効率的に熱せられる様に、その箇所を
設定すればよい。
る。上記実施例との相異点は、加熱室4及び熱分解室5
を補助的に加熱する補助バーナ2Aを、加熱室4の近傍
に設けると共に、それに対応させて加熱炉1の構造を変
えた処にある。補助バーナ2Aの設置箇所は、図示に限
られず、溶融室3、加熱室4及び熱分解室5の夫々が最
も望ましい温度に効率的に熱せられる様に、その箇所を
設定すればよい。
【0016】尚、上記構成に於いて、熱分解室5は、こ
の室内に供給される溶融プラスチックBに、バーナ2が
生じさせる燃焼熱を効率良く伝えられれば足りるので、
図示の構造に代えて周知の様々な熱交換器の構造を流用
する等してもよく、溶融室3及び加熱室4の形状や内部
構造も図示に限られず、溶融室3は複数基を並設しても
よく、撹拌手段12は図示の構成に限られず、又、溶融
プラッチックBの移送手段としてポンプを使ってもよい
等、細部の構成は適宜に変更しても本発明の目的は達成
される。
の室内に供給される溶融プラスチックBに、バーナ2が
生じさせる燃焼熱を効率良く伝えられれば足りるので、
図示の構造に代えて周知の様々な熱交換器の構造を流用
する等してもよく、溶融室3及び加熱室4の形状や内部
構造も図示に限られず、溶融室3は複数基を並設しても
よく、撹拌手段12は図示の構成に限られず、又、溶融
プラッチックBの移送手段としてポンプを使ってもよい
等、細部の構成は適宜に変更しても本発明の目的は達成
される。
【0017】
【発明の効果】以上の説明によって明らかな様に、本発
明による廃棄プラスチックの油化装置は、以下に列挙し
た如き実用上の優れた効果を奏する。 (a) 油化装置は、1基のユニットとしてコンパクト
に纏められているので、その設置や操業及び保守を簡易
に行うことが出来る。 (b) 又、廃棄プラスチックへの伝熱効率を十分に高
められるので、油化に要する燃費を、従来のものに比べ
て大幅に節減出来、且つ、熱分解を確実に行えて、油化
し切れない残渣が残ることも殆ど無くなる。 (c) 加熱室は、溶融プラスチックを一時貯留して、
熱分解室に供給する溶融プラスチックの組成を均質化さ
せる役割を果すので、生成した油性物質の組成のバラッ
キが少なくなる。 (d) 溶融室から加熱室へ、又、加熱室から熱分解室
への溶融プラスチックの移送は、此等の室内に生じる蒸
気圧を利用して行うことによってポンプが不要になり、
その分、設備費や運転経費を節減出来る。 (e) 溶融室及び加熱室に夫々取着した安全弁の逃げ
口を、反応室の出口側に接続した凝縮器に接続すること
によって、作業環境の安全が確保される。 (f) 油化装置全体が1つの加熱炉内に収まっている
ので、万一、失火等の事故が起こっても、外部に被害を
及ぼさなくて済む。
明による廃棄プラスチックの油化装置は、以下に列挙し
た如き実用上の優れた効果を奏する。 (a) 油化装置は、1基のユニットとしてコンパクト
に纏められているので、その設置や操業及び保守を簡易
に行うことが出来る。 (b) 又、廃棄プラスチックへの伝熱効率を十分に高
められるので、油化に要する燃費を、従来のものに比べ
て大幅に節減出来、且つ、熱分解を確実に行えて、油化
し切れない残渣が残ることも殆ど無くなる。 (c) 加熱室は、溶融プラスチックを一時貯留して、
熱分解室に供給する溶融プラスチックの組成を均質化さ
せる役割を果すので、生成した油性物質の組成のバラッ
キが少なくなる。 (d) 溶融室から加熱室へ、又、加熱室から熱分解室
への溶融プラスチックの移送は、此等の室内に生じる蒸
気圧を利用して行うことによってポンプが不要になり、
その分、設備費や運転経費を節減出来る。 (e) 溶融室及び加熱室に夫々取着した安全弁の逃げ
口を、反応室の出口側に接続した凝縮器に接続すること
によって、作業環境の安全が確保される。 (f) 油化装置全体が1つの加熱炉内に収まっている
ので、万一、失火等の事故が起こっても、外部に被害を
及ぼさなくて済む。
【図1】本発明の一実施例を示す、縦断面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す、図1相当図であ
る。
る。
1 加熱炉 2,2A バーナ 3 溶融室 4 加熱室 5 熱分解室 6 反応室 7 区画棚 8 煙突 9 原料供給部 10,14 液面センサ 11 モータ 12 撹拌機(撹拌手段) 13,16 移送パイプ 15 熱交換用パイプ 17 安全弁 18 配管 19 凝縮器 20 導出パイプ 21 残渣取出口 A 廃棄プラスチック B 溶融プラスチック C 気化生成物
Claims (2)
- 【請求項1】 バーナ2によって加熱される加熱炉1
と、 該加熱炉1内の一端側に設けられて、廃棄プラスチック
を溶融させる、撹拌手段12を備えた溶融室3と、 前記加熱炉1内の中程に設けられて、前記溶融室3内の
溶融プラスチックが供給される、撹拌手段12を備えた
加熱室4と、 前記加熱炉1内の他端側に設けられて、前記加熱室4か
ら供給される溶融プラスチックを熱分解して気化生成物
を生じさせる熱分解室5と、 該熱分解室5から供給される前記気化生成物を所望の組
成を有する油性物質に改質させる、反応触媒層を備えた
反応室6とを具備することを特徴とする廃棄プラスチッ
クの油化装置。 - 【請求項2】 前記溶融室3及び加熱室4は、夫々密閉
可能に構成し、前記溶融プラスチックの供給は、此等の
室内に生じた蒸気圧を利用して行うと共に、前記溶融室
3及び加熱室4に夫々設けた安全弁17の各逃げ口を、
前記反応室6の出口に接続した凝縮器19の入口側に接
続したことを特徴とする請求項1項記載の廃棄プラスチ
ックの油化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4109010A JPH05279672A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 廃棄プラスチックの油化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4109010A JPH05279672A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 廃棄プラスチックの油化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279672A true JPH05279672A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=14499286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4109010A Pending JPH05279672A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 廃棄プラスチックの油化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279672A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005170986A (ja) * | 2003-12-08 | 2005-06-30 | Nakamoto Pakkusu Kk | 廃プラスチック油化処理装置 |
KR100745627B1 (ko) * | 2005-09-13 | 2007-08-09 | 김후근 | 희토를 촉매로 한 폐기유기물 연유 전환방법 |
-
1992
- 1992-04-01 JP JP4109010A patent/JPH05279672A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005170986A (ja) * | 2003-12-08 | 2005-06-30 | Nakamoto Pakkusu Kk | 廃プラスチック油化処理装置 |
KR100745627B1 (ko) * | 2005-09-13 | 2007-08-09 | 김후근 | 희토를 촉매로 한 폐기유기물 연유 전환방법 |
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