JPH05279222A - ゴルフ場の芝草及び牧草のカビ病害の無農薬防除法 - Google Patents

ゴルフ場の芝草及び牧草のカビ病害の無農薬防除法

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JPH05279222A
JPH05279222A JP4105544A JP10554492A JPH05279222A JP H05279222 A JPH05279222 A JP H05279222A JP 4105544 A JP4105544 A JP 4105544A JP 10554492 A JP10554492 A JP 10554492A JP H05279222 A JPH05279222 A JP H05279222A
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JP
Japan
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grass
golf course
soil
biochitosan
agricultural chemical
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JP4105544A
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Kikuo Kurasawa
倉澤喜久夫
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学合成農薬を使用することなくゴルフ場の
芝草や牧草の病害を防除できるゴルフ場の芝草及び牧草
のカビ病害の無農薬防除法を提供することを目的とす
る。 【構成】 カニ殻、魚かす、発酵させた植物繊維を適量
配合した有機質肥料であるカニ有機と、カニ殻を微生物
処理して製造したバイオキトサンと、バイオキトサンを
含浸乾燥した天然ゼオライト2号と、金属イオン結合し
た天然ゼオライト3号とを芝草や牧草等の多年性植物に
対し、病害の季節的消長に対応させてそれぞれ散布す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学合成農薬を使用す
ることなく、ゴルフ場の芝草や、牧草のカビ起因の病害
を防除することができるゴルフ場の芝草及び牧草のカビ
病害の無農薬防除法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフ場等では、芝草管理に農薬を主体
とした病虫害駆除や雑草防除が欠かすことのできない手
段とされており、芝草や牧草のカビ病害は、発生初期ま
たは病害の予兆が見られたとき、殺菌剤、除草剤及び殺
虫剤等の農薬を使用していることで防除している。ゴル
フ場の芝草は田畑と異なった生態系で構成されているた
め、農薬や化学肥料の多用を余儀なくされている。即
ち、芝地は、多年性植物である芝草を超密生し、低刈り
を行い、非耕耘土壌に踏圧が加わる等過酷な条件下にあ
るため、本来あるべき自然連鎖による生態維持ができ
ず、また、芝地は堆肥等を補給することが少ないため土
壌中の有機物は消費される方が多く地力は低下する一方
で、このため化学肥料を多用することになり、土壌腐植
が進行しなくなり土壌微生物相のバランスが極めて悪く
なるという悪循環を繰り返している。この結果、田畑の
作物に比べて土壌伝染性病害が受け易くなっているから
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴルフ場の
数は年々増大しており(現在全国で約1700個所余
り)、また、各ゴルフ場では年間に多量の農薬が使用さ
れている(18ホールで2トン程度といわれている)た
め、ゴルフ場で使用される農薬が人間の健康に及ぼす影
響が懸念されており、また周囲自然環境の破壊に繋がる
ものとして、全国的な問題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
のような実状に基づいてなされたものであり、カニ殻を
主成分とした有機肥料を使用することによって、肥料と
しての窒素、燐酸、カリウム分をバランス良く芝草に供
給し、土壌微生物フローラの活性化を図り、且つ、バイ
オキトサンが植物の持つ本来的な病気に対する防御機能
を向上させると共に、金属イオンが有害微生物の増殖を
抑制するため、農薬を使用することなく芝草病害を防除
することができるゴルフ場の芝草及び牧草のカビ病害の
無農薬防除法を提供することを目的とするものであっ
て、カニ殻、魚かす、発酵させた植物繊維を適量配合し
た有機質肥料であるカニ有機と、カニ殻を微生物処理し
て製造したバイオキトサンと、バイオキトサンを含浸乾
燥した天然ゼオライト2号と、金属イオン結合した天然
ゼオライト3号とを芝草や牧草等の多年性植物に対し、
病害の季節的消長に対応させてそれぞれ散布することを
要旨とするものである。
【0005】
【作用】カニ有機は、地力の構成要因として最も大きな
部分を占める土壌有機物として作用するもので、動物
質、植物質のアミノ酸のバランスが優れ、植物の必須養
分の窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)が均質化され
ていて、土壌微生物の繁殖を活発にして土壌団粒化を促
進する。配合されているカニ殻は土壌改良剤、土壌の化
学性改良剤として極めて有効である。キチン質のカニ殻
は肥料成分として有効であるばかりでなく、土壌微生物
によって分解されたキトサンが合成されるため、植物細
胞の活性化、防御機能促進等の有効作用が自然のサイク
ルの中で付加されることになる。また、バイオキトサン
はカニ殻を微生物の分泌する酵素によって分解生産した
アミノ基を持った多糖物質で、植物細胞の活性化、病原
微生物に対する抗菌性、センチュウの増殖が阻止され
る。この、バイオキトサンを含浸させたゼオライト2号
はキトサンの効力を持続させると共に、土壌改質効果が
あり、特に、化学肥料を多用した芝地では残留塩類を吸
着し、イオン交換による塩基置換作用が大きなメリット
となる。農業分野におけるキトサンの生理活性発現のメ
カニズムは、詳細な遺伝子・分子レベルでの解析はこれ
からにしても、今まで多くの実験結果から合理的に説明
できるメカニズムを図1の「バイオキトサンの抗菌性・
細胞活性化・土壌改良モデル」の模式図で示す。
【0006】図1において、点線の上半分は連作障害を
含めた現場の状態を示したものである。植物細胞は病原
微生物感染、センチュウの侵入、昆虫の食害を受けて生
理機能低下、栄養障害、生理不良を起しつつもかろうじ
て成長しているが、場合によっては発病、枯死にいたる
ことがある。これを防ぐため、従来は農薬の散布及び施
肥を繰り返して行なっている結果、農薬に対する抵抗微
生物の出現、残留毒性、過肥による塩類等の土壌汚染、
その汚染に誘導増殖する様々な微生物のアンバランスな
拮抗現象の誘起により、土壌汚染は復元力を越えて進み
被害が拡大蔓延するものである。点線の下半分は、農薬
や化学肥料を使用しないで、バイオキトサンを施用した
場合である。バイオキトサンを施用すると、4つの反応
が進み、連続して使用することによってその効果は拡大
する。第1の反応は、バイオキトサンに含まれている低
分子可溶性キトサンオリゴ糖が直ちに植物細胞に侵入
し、DNAからRNAへの転写を促進して植物細胞活性
化を速効的に促すことになる。第2の反応は、活性化し
た植物細胞はタンパク合成が盛んになり、活発にキチナ
ーゼ、キトサナーゼ等の酵素類や、ファイトアレキシン
のようなトキシンが誘導合成されて、外敵防衛機能が復
元又は活性化される。第3の反応は、これらの酵素は病
原微生物の細胞壁を分解して細胞の内部に侵入して、R
NAの転写を制御し増殖を阻害する。センチュウについ
ても同様に作用する。第4の反応は、病原微生物の細胞
壁分解で生じたキトサンオリゴ糖は、バイオキトサンか
らの分解生成物と共に植物細胞の活性化に作用する。芝
草の主要病害の病原菌に対する最低発育阻止濃度は表1
の通りである。
【表1】
【0007】さらに、ゼオライト3号は、抗菌効果の高
い銀イオンを結合した天然物で、土壌中の有害糸状菌の
発育や増殖を抑制する作用がある。ゼオライト3号の
「芝草病害の主要病原菌に対する最低発育阻止濃度」は
表2に示す通りである。
【表2】 このように作用機構が証明された天然系材料を、表3に
示す「主要病害の季節的消長と実施適期」にしたがって
使用することで、芝草の病害を防除することができる。
なお、表3中に記載したゼオライト1号は、土壌の改良
材として広く使用されているものであるが、通常使用し
ている目砂に約20パーセント混合して散布した。この
ゼオライト1号の散布により、保水力、保肥力、土壌の
団粒化の他に化学肥料による土壌中の塩類を吸着し、イ
オン交換による塩基置換作用が大きい等の土質改良効果
が得られる。
【表3】
【0008】
【実施例】ピシウム性病害とリゾクトニア性病害が多発
しているゴルフ場について1年間のフィールド試験を下
記の通り実施した。 フィールド試験場所 北海道千歳市 ゴルフ場グリーン
7000平方m 試験期間 平成3年4月〜11月 試験区割り 図2に示すように1グリーンを
A、B、C、Dの各区とE区(農薬散布区)及びF区
(無処理区)に区分して試験した(1試験区面積は約1
00平方m)。 使用材料と実施時期 表4の通り
【表4】 このフィールド試験の結果は次のとおりであった。第1
に、カニ有機、バイオキトサン、抗菌ゼオライトを使用
したA区は、10グリーン全部に病害の発生はなかっ
た。第2に、農薬区E区は、10グリーン中6グリーン
にピシウムブライト、リゾクトニアはげ症の発生があっ
た。第3に、無農薬区Fは、10グリーン中4グリーン
にピシウムブライト、リゾクトニアはげ症の発生があっ
た。第4に、化学処理キトサン使用区D区は、10グリ
ーン中3グリーンにピシウムブライトと見られる徴候が
あった。第5に、化学処理キトサン使用区B区は、10
グリーン中2グリーンにリゾクトニアはげ症の発生があ
った。
【0009】なお、本発明は、ゴルフ場の芝草管理とし
てのみならず牧草等の多年性植物の管理として利用でき
るものである。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、芝草の
主要病害に対して農薬を全く使用することなく防除する
ことが可能となり、ゴルフ場等における農薬の多用によ
る人間の健康への影響及び周辺自然環境の破壊等の恐れ
を根本的に解消することができるばかりでなく、通常の
芝草管理作業の中で容易に実施可能で、緑の濃い健康な
芝草を育成することができ、しかも、年間を通して継続
使用することにより、一部の材料の使用量を段階的に減
らすこともでき、芝草管理のランニングコストを殊更高
くすることもない。さらに、芝草管理に使用する材料は
すべて天然物質であり、有機物質は土壌微生物の作用で
土壌に還元され、ゼオライトは本来の土壌となるため、
自然の生態系維持に貢献するもので害を及ぼすことがな
い等極めて有用な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイオキトサンの抗菌性・細胞活性化・土壌改
良モデルを示す模式図である。
【図2】本発明を実施した試験区の区割りを示す概略図
である。
【図3】本発明の作用機構を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01G 1/00 301 C 8602−2B 303 B 8602−2B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カニ殻、魚かす、発酵させた植物繊維を
    適量配合した有機質肥料であるカニ有機と、カニ殻を微
    生物処理して製造したバイオキトサンと、バイオキトサ
    ンを含浸乾燥した天然ゼオライト2号と、金属イオン結
    合した天然ゼオライト3号とを芝草や牧草等の多年性植
    物に対し、病害の季節的消長に対応させてそれぞれ散布
    することを特徴とするゴルフ場の芝草及び牧草のカビ病
    害の無農薬防除法。
JP4105544A 1992-03-31 1992-03-31 ゴルフ場の芝草及び牧草のカビ病害の無農薬防除法 Pending JPH05279222A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100531040B1 (ko) * 2001-09-19 2005-11-24 주식회사 효성 생분해성 고분자를 이용한 미생물제제 및 그의 제조방법
JP2007037519A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Maruwa Biochemical Co Ltd 芝生地における蘚苔類および藻類の防除技術
JP2010239890A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Toda Biosystem:Kk 土壌層を有する水耕栽培容器を用いる植物栽培方法およびその上部空域構造
JP4630434B2 (ja) * 2000-08-31 2011-02-09 サンケイ化学株式会社 農園芸用水中懸濁製剤

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