JPH0527804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 この考案は電解液循環型電池の電解液温度を制
御するために使用する熱交換器に関するものであ
る。

Ｂ 考案の概要 この考案は、亜鉛−ハロゲン電池等の電解液用
熱交換器において熱交換器ピース固定枠の内壁
に、熱交換器ピース用ガイドを備え、熱交換器ピ
ースを交換可能にこのガイドで固定支持するとと
もに、上記固定枠の一端は開放し、他端は接続パ
イプをもつ以外は密閉した構造とし、この接続パ
イプが電解液循環ポンプへの吸込固定配管に固定
して接続される構成をもつ電解液循環型電池の熱
交換器である。

Ｃ 従来の技術 電解液循環型亜鉛−ハロゲン電池の電解液の温
度を制御するために、負極側電解液貯蔵槽の中に
熱交換器を設置し、その熱交換器ピースのダクト
に冷却水または加熱水を循環する方法がとられて
いる。この熱交換器ピースは熱電導性を向上させ
るとともに、耐腐食性、経済性の観点から母材ポ
リエチレンにグラフアイトを添加し、加熱混練し
たものを押出し成形などによつて、パイプ状に形
成して成る。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 上記のような従来の熱交換器においては、まず
押出し成形によつてパイプ状に形成される際に、
加圧されたダイから材料が大気中にし出されるの
で圧力が急に低下することとなり、材料内に内在
していたガスが膨張して、パイプ壁内に気泡が発
生する。この気泡は熱交換器ピースの水密性を著
しく低下させてしまう。

また、熱交換器ピースは、長い前記材質のパイ
プをら線状あるいは蛇行状に加工しているので、
パイプの一部が電解液の腐食作用によつて破損さ
れた場合は、熱交換器全体を取換えなければなら
ず、そのための作業がたいへんである。殊に電池
が大型化し、それに対応するための熱交換器で
は、いつそうたいへんである。また、熱交換器全
体が軽いポリエチレンを主体とする材料で構成さ
れているために、使用中に若干浮上つたり、位置
が移動することなく、しかも効率よく電解液を冷
却等することが必要である。

この考案はかかる問題点を解決するためになさ
れたものであり、複数の熱交換器ピースを交換可
能に形成し、破損時には不良ピースのみを交換す
ることを可能とすることによつて交換作業を簡便
にし、また、冷却または加熱された電解液を効率
よく循環せしめられる様にし、さらに、固定枠の
上蓋に固定具を取りつけ、熱交換器全体を電解液
貯蔵槽中に固定しうる様にして、浮上、移動の問
題を解決し、熱交換率のすぐれた熱交換器を提供
するものである。

Ｅ 問題点を解決するための手段 この考案に係る電解液循環型電池の熱交換器
は、熱交換器ピース固定枠内壁に、熱交換器ピー
ス用ガイドが対向して内設され、互いに接続可能
な複数の熱交換器ピースが熱交換器ピース用ガイ
ドに交換可能に挿入されて支持され、さらに固定
枠の一端は電解液吸入口をもつが、他端は接続パ
イプのみの密閉形とし、この接続パイプが電解液
循環ポンプの吸込用配管に固定して接続される構
成としたものである。

Ｆ 作用 この考案においては、熱交換器ピース固定枠に
内設された熱交換器ピース用ガイドに互いに接続
可能な複数の熱交換器ピースが交換可能に挿入さ
れ支持されるので、不良ピースのみの交換が可能
でその作業も容易に行うことができ保守性が良
い。また、熱交換器ピース固定枠の電解液循環用
ポンプの配管に接続される接続管（ベルマウス
部）側の端面を密閉形とし、また固定枠はその上
蓋に取付けた固定具により熱交換器が電解液貯蔵
槽の外蓋に固定されるので、操作中における熱交
換器全体の浮上や移動等のトラブルが回避され
る。

Ｇ 実施例 以下、具体的に実施例を示しながら、本考案の
構成と効果について説明する。

熱交換器の固定枠に納められる熱交換器ピース
は、この実施例においては、第５図に示した熱交
換器ピース４と第６図に示した熱交換器ピース４
ａの２種類の熱交換器ピースを作成した。第５図
および第６図において、それぞれａは平面図、ｂ
は正面図、ｃは側面図である。第５図および第６
図の５，５ａはフイテイングピースで各ピース
４，４ａを連結するとともに冷却または加熱（以
下冷却についてのみ説明する）水用ダクトの配管
を形成するものである。第７図に、このようにし
て、熱交換器ピース４および４ａを組合せる方法
を示した。

フイツテイングピース５および５ａを用いて、
熱交換器ピース４および４ａを配管接続する場合
の配管接続部の詳細を第４図に示した。図におい
て、１は、熱交換器ピース固定枠、６はＯ−リン
グ、７は熱交換器ピース用ガイドである。図に示
した様に、熱交換器ピース４および４ａの接続
は、フイツテイングピース５および５ａの先端部
に取付けられたＯ−リング６によつてシールされ
結合されるとともに各熱交換器ピースの積層化を
行うことができる。このようにして得られた熱交
換器ピースは熱交換器ピース用ガイド７中に納め
られて一個の熱交換器が形成される。

第１図に本考案による一実施例を示す熱交換器
ピース固定枠を示す。図において、ａは平面図、
ｂは正面図、ｃは側面図である。熱交換器ピース
が納められる固定枠１は、図に示されるように、
箱状に構成され、材料には耐ハロゲン性のプラス
チツク、例えば硬質塩化ビニールあるいはポリエ
チレン等を用いた。熱交換器ピースは熱交換器ピ
ース用ガイド７によつて交換可能に固定される。
固定枠１の一端をなす側面９は、第１図ｃにみら
れる様に開放状態であり、電解液吸入口を形成し
ている。またこれに対向する他端は第１図ａおよ
びｂに示した様に、電解液循環ポンプの吸込固定
配管（後述の第２図１３に示す）に接続されるベ
ルマウス部３１を備えた接続パイプ３を有し、１
０に示される側板で壁板を形成してこの側面を密
閉状にしている。８は固定枠１の上蓋に取付けら
れる熱交換器固定具（後述の第２図１８に示す）
のガイドである。

第２図は熱交換器の電解液貯蔵槽への取付状態
を示す説明図である。固定枠１内にセツトされた
熱交換器ピースによつて熱交換器１４を形成し、
第２図に示したように負極側電解液貯蔵槽１１内
に設置され、接続パイプ３が電解液循環ポンプ１
２の吸込配管１３に接続される。熱交換器の取付
手順は、まず熱交換器ピースどうしを配管接続部
１５で接続した後、固定枠１に熱交換器ピースユ
ニツト１６を熱交換器ピース固定用ガイド７にそ
つて挿入し固定する。ついで冷却水配管１７を熱
交換器ピースユニツト１６の配管接続部１５に接
続する。熱交換器１４の電解液貯蔵槽１１への設
置は、ベルマウス部３１を固定配管１３に挿入し
た後、熱交換器１４の浮上りや移動を防ぐため
に、ガイド８部に固定具１８を取付け、熱交換器
１４の投入用穴の内蓋１９で釣支して固定され
る。

第３図に、熱交換器１４が取付けられた電解液
循環型亜鉛−ハロゲン電池の冷却システム構成全
体図を示した。図において、２０は積層電池ユニ
ツトで、１１は負極電解液貯蔵槽、２１は正極電
解液貯蔵槽であり、１２および１２ａは電解液循
環ポンプ、１４は熱交換器である。なお、２２は
熱交換器１４の冷却用の冷却水循環用ポンプであ
り、２３は冷却水のクーリングタワーである。

積層ユニツト２０より負極電解液貯蔵槽１１に
もどつた電解液は、熱交換器１４を通つて一定の
温度範囲になるように冷却あるいは加熱され、ポ
ンプ１２によつて再び積層電池ユニツトに送られ
て循環する。

Ｈ 考案の効果 この考案は以上説明した通り、熱交換器を電解
液貯蔵槽中に固定したので電解液循環型電池の長
期間使用中にも熱交換器が移動または浮上するト
ラブルを完全に防止できる。

熱交換器ピースを交換可能に形成したので、不
良ピースのみの交換が可能でしかも容易に行うこ
とができ、保守性が良い。

また、ポンプの吸込固定配管部に設置したの
で、効率がよくコンパクトな熱交換器を設けるこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す熱交換器固定
枠の構造説明図、第２図は熱交換器の電解液貯蔵
槽への取付状態説明図、第３図は亜鉛−臭素電池
の冷却システム構成図、第４図は熱交換器ピース
間配管接続部説明図、第５図は熱交換器ピースＡ
の構造説明図、第６図は熱交換器ピースＢ構造説
明図、第７図は熱交換器ピースの組合せ法状態説
明図である。なお、図中同一符号は同一又は相当
部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電解液貯蔵槽内に設置される電解液循環型電池
   熱交換器において、 前記熱交換器は、前記電解液貯蔵槽の上蓋に固
   定具で固定支持される熱交換器ピース固定枠と、
   該熱交換器ピース固定枠の内壁にそれぞれ対向し
   て内設されている熱交換器ピース用ガイド内に交
   換可能に挿入される互いに接続可能な複数の熱交
   換器ピースとから成り、 前記熱交換器ピース固定枠は、一端に電解液吸
   入口を備え、他端に前記電解液貯蔵槽に設けられ
   た電解液循環ポンプの吸込固定配管に接続される
   接続パイプの外周部を密閉状とした電解液吸出口
   を備えたことを特徴とする電解液循環型電池の熱
   交換器。