JPH05277968A - 脚式移動ロボットの制御装置 - Google Patents
脚式移動ロボットの制御装置Info
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- JPH05277968A JPH05277968A JP10531692A JP10531692A JPH05277968A JP H05277968 A JPH05277968 A JP H05277968A JP 10531692 A JP10531692 A JP 10531692A JP 10531692 A JP10531692 A JP 10531692A JP H05277968 A JPH05277968 A JP H05277968A
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Abstract
いて、ロボットの数学モデルを構築するときに、脚部リ
ンクのモデルを、大腿リンクと下腿リンクを2辺とする
3角形の1辺が鉛直方向になす角度で求める。 【効果】 膝関節が大きく曲がる歩行も正確にモデリン
グすることができ、着地誤差が減少する。
Description
御装置に関し、より具体的には2足歩行のロボットにつ
いて数学モデルを構築して制御系を設計する様にした脚
式移動ロボットの制御装置において、モデリング手法を
改良したものに関する。
移動ロボットとしては、例えば特開昭62−97005
号公報記載のものが知られている。
式移動ロボットを安定に制御するために、ロボットの数
学モデルを構築し、そのモデルに対して制御系を設計す
ることは行われており、本出願人も先に特願平2−25
9839号(平成2年9月28日出願)において、2足
歩行ロボットの運動を前後方向と左右方向とに分け、そ
れぞれ3リンクのモデルで近似して制御する技術を提案
している。そして、特に前後方向については歩行中に膝
関節が微小にしか曲がらないものと見做し、図17に示
す様に、支持脚の絶対角をリンク1または2の絶対角度
とし、遊脚の絶対角をリンク4または5の絶対角で求め
てモデリングしていた。この手法は膝関節が曲がらない
歩行においては良好な結果を得ることができる。
関節が大きく曲がったりするとき、或いは平地でも膝関
節を大きく曲げて歩行するときなど、この手法では誤差
が生じる不都合があった。かと言って、他方、安易にロ
ボットモデルのリンク数を増やすと制御系の設計が複雑
となり、また実際の制御においてもコンピュータの演算
負荷が増大することとなって得策ではない。
する課題を解決する技術を提案することにあり、2足歩
行ロボットの前後方向モデルを、膝関節が大きく曲がる
ときも3リンクのままで、膝関節で細分した5リンクモ
デルに十分近い精度で数学的に近似できる様にした脚式
移動ロボットの制御装置を提供することにある。
ためにこの発明は、基体と、それに連結される2本の脚
部とからなり、該2本の脚部がそれぞれ基体に第1の関
節を介して連結されると共に、第1の関節と脚部先端と
の間に第2の関節を備え、更に脚部先端付近に第3の関
節を備えてなる脚式移動ロボットの制御装置であって、
該2本の脚部をそれぞれ1個のリンクと見做して数学モ
デルで近似し、該リンクの鉛直方向に対する絶対角度を
含むパラメータを用いて運動方程式表現を行ってその解
を求め、求めた解に基づいて制御値を決定するものにお
いて、前記リンクの絶対角度を、前記第1の関節と第3
の関節とを結ぶ線が鉛直方向に対してなす角度で求める
様に構成した。
関節とを結ぶ線が鉛直方向に対してなす絶対角度でとる
様にしたので、即ち、図18に示す様に、前後方向のモ
デルにおいて、支持脚の絶対角をリンク1,2を2辺と
する3角形の1辺の角度とし、同様に遊脚の絶対角をリ
ンク4,5を2辺とする3角形の1辺の角度としてモデ
リングする様に構成した。その結果、3リンクモデルで
ありながら、第2関節(膝関節)が大きく曲がる歩行に
おいても誤差を低減することができると共に、第2関節
をも含めた5リンクモデルに十分近い精度で数学的に近
似することができ、よって着地誤差が減少するなど、制
御値を一層的確に決定することができる。
ボットを例にとってこの発明の実施例を説明する。図1
はそのロボット1を全体的に示す説明スケルトン図であ
り、左右それぞれの脚部リンク2に6個の関節(軸)を
備える(理解の便宜のために各関節(軸)をそれを駆動
する電動モータで例示する)。該6個の関節(軸)は上
から順に、腰の脚部回旋用の関節(軸)10R,10L
(右側をR、左側をLとする。以下同じ)、腰のピッチ
方向(x方向)の関節(軸)12R,12L、同ロール
方向(y方向)の関節(軸)14R,14L、膝部のピ
ッチ方向の関節(軸)16R,16L、足首部のピッチ
方向の関節(軸)18R,18L、同ロール方向の関節
(軸)20R,20Lとなっており、その下部には足平
(足部)22R,22Lが取着されると共に、最上位に
は胴体部(基体)24が設けられ、その内部には制御ユ
ニット26が格納される。上記において股関節は関節
(軸)10R(L),12R(L),14R(L)から
構成され、また足関節は、関節(軸)18R(L),2
0R(L)から構成される。また、股関節と膝関節との
間は大腿リンク28R,28Lで、膝関節と足関節との
間は下腿リンク30R,30Lで連結される。
それぞれ6つの自由度を与えられ、歩行中にこれらの6
×2=12個の関節(軸)をそれぞれ適宜な角度に駆動
することで、足全体に所望の動きを与えることができ、
任意に3次元空間を歩行することができる様に構成され
る。先に述べた様に、上記した関節は電動モータからな
り、更にはその出力を倍力する減速機などを備えるが、
その詳細は先に本出願人が別途提案した出願(特願平1
−324218号、特開平3−184782号)などに
述べられており、それ自体はこの発明の要旨とするとこ
ろではないので、これ以上の説明は省略する。
足首部には公知の6軸力センサ36が設けられ、足平を
介してロボットに伝達されるx,y,z方向の力成分F
x,Fy,Fzとその方向回りのモーメント成分Mx,
My,Mzとを測定し、足部の着地の有無と支持脚に加
わる力の大きさと方向とを検出する。また足平の四隅に
は公知の接地スイッチ38が設けられて、接地の有無を
検出する。更に、胴体部24の上部には、一対の傾斜セ
ンサ40,42が設置され、x−z平面内のz軸に対す
る傾きとその角速度、同様にy−z平面内のz軸に対す
る傾きとその角速度を検出する。また、各関節の電動モ
ータには、その回転量を検出するロータリエンコーダが
設けられる(図1において足関節の電動モータ用のもの
のみを示す)。これらセンサ36などの出力は前記した
胴体部24内の制御ユニット26に送られる。
ック図であり、マイクロ・コンピュータから構成され
る。そこにおいて傾斜センサ40,42などの出力はA
/D変換器50でデジタル値に変換され、その出力はバ
ス52を介してRAM54に送られる。また各電動モー
タに隣接して配置されるエンコーダの出力は可逆カウン
タ56を介してRAM54内に入力されると共に、接地
スイッチ38等の出力は波形整形回路62を経て同様に
RAM54内に格納される。制御ユニット内には演算装
置64が設けられており、ROM66に格納されている
歩行パターンを読み込んで可逆カウンタ60から送出さ
れる実測値との偏差から電動モータの速度指令値を算出
し、D/A変換器68を介してサーボアンプに送出す
る。また図示の如く、エンコーダ出力はF/V変換回路
を介してサーボアンプに送出されており、図3に示す様
にマイナーループとしての速度フィードバック制御が実
現されている。
公知の関節角サーボ系を構成した場合を示すブロック図
である。予めオフラインで設計しておいた平坦路を前提
とする歩行パターンを12個の関節の角度qr、角速度
qrドットの時系列データ、即ち、関節軌道に変換し、
それを各関節のサーボアンプに指令値として一定間隔で
出力する。その結果、各関節角は指令値通りにほとんど
遅れなく追従し、ロボット1は設計された歩行パターン
通りに駆動されて歩行する。これによって平坦路は支障
なく歩行するが、予期しない凹凸路面に遭遇したとき
は、支持脚の足平の角度が一定ではないことから、必ず
しも安定した歩行を確保することはできない。
に、図3に示した関節角サーボ系に、後で述べる操作量
uを加えて凹凸路面に対する安定化を試みた。以下、こ
の操作量uの算出とそれによる歩行安定化について説明
する。
ット1について数式モデルを作成する。その際に次に示
す仮定を設ける。 〔仮定1〕ロボット1の前後方向の運動と左右方向の運
動とは相互干渉が安定化制御により十分小さく、分離す
ることができる。(図5に前後方向の、図6に左右方向
の運動を示す。) 〔仮定2〕2本の脚部リンクのうちのどちらかの足平2
2は、路面に完全に接地しているものとする。また、足
平が完全に路面に接地している方の脚を支持脚とする。 〔仮定3〕支持脚の足平は、路面に対して動かない(滑
らない)ものとする。(一般に歩行パターンは、片足支
持期において支持脚の足平が路面に対して動かない様に
設計する。例えば、いわゆるZMP(zero moment poin
t)の概念を用いて、足平が路面から離れない様にZMP
の軌道を決めて設計される。また倒立振り子の概念を用
いた歩行パターンにおいても、足首回りで回転する場合
には足平は物理的に路面から離れない。滑りに対して
は、足裏にゴムを貼るなど適宜処理することにより滑ら
ない様にすることは可能である。)
の運動方程式は、数1の様に表すことができる。数1の
式から明らかな様に、仮定3が成り立てば、ロボット1
の運動は足平の角度に無関係である。
関節角サーボ系を備えることから、各関節(符号iで代
表させる)の発生トルク(図3中のモータ発生トルク)
は、関節角qiと関節角指令値qirとから数2に示す
式を用いて計算される。(尚、数2の式中のkp,k
d,fvは、図3中のkp,kdにkv,kc,ktを
それぞれ含む値の意味で使用する。)
リンク角θiとの関係は数3で表すことができる。ここ
で、先に図18に示した様に、ロボットの前後方向のモ
デルを腰関節と足関節とを結ぶ線を脚部リンクと仮想的
に見做し、図19に表される如くモデリングする。この
とき、モデリング前後の各リンク角(図5、図19)の
関係は数3−2で表される。尚、この明細書において、
「関節角」または「q」はリンク間の角度(即ち、相対
角度)を、「リンク角」または「θ」は重力方向に対す
る(絶対座標における)リンクの角度(即ち、絶対角
度)を意味するものとして使用する。以下、リンク角と
しては図19のモデリング後のものを用いる。
してまとめると、数5に示す様になる。
ち、足平角度θ0の実際値と目標値とによって生じる値
は数6の様に示すことができる。
理すると、数7の如くになる。
るロボットの運動方程式となる。数1の式では運動を制
御する操作量は関節トルクTであるが、数7の式におい
ては目標姿勢Θr(絶対角度),Θrドット(絶対角速
度)となる。また数1の式では足平角度θ0(絶対角
度)の項が式の上に表れないが、数7の式では表れてく
る。このため、関節角サーボ系で予期しない凹凸路を歩
行させると足平角度θ0がランダムに変動し、数7の式
の運動を乱す外乱となり歩行が不安定となる。よって、
歩行可能な目標姿勢、即ち、歩行パターンは、仮定3よ
り路面の形状を既知としてのみ設計することができる。
ここで、平坦路の歩行を考えると、足平角度は零である
ことから、数8に示す様になる。
の歩行パターンとなる。このとき、ロボットの運動方程
式(数7の式)は、数9で表すことができる。
な値に設定すると目標関節軌道に実際の関節軌道がほと
んど遅れなく追従するので、数10で示す通りとなる。
即ち、数11で示す様になる。
式が成り立つ。
知の凹凸が存在する場合を考えると、足平角度θ0が零
ではなくて不明なため、歩行可能な歩行パターンを作成
するのが困難である。そこで路面の凹凸が十分小さいと
し(段差、階段などの大きい凹凸は前記したロボット1
に視覚手段を設ければ検知し易い)、平坦路の歩行パタ
ーンΘrを用いると(即ち、外乱d(θr,θ0)=
0)、凹凸による姿勢のズレ(偏差)をΔΘとすると
き、ロボットの姿勢Θは数13の様に表すことができ
る。
の式の関節トルクに補正量Uを数14で示す式の様に導
入する。
即ち(θ0r,θ0=0)の状態における関節角サーボ
系による発生トルクに補正量Uを加えた形になっている
ことが分かる。
る。数13,数14の式をロボットの運動方程式である
数1の式に代入すると、数15の式となる。即ち、平坦
路歩行パターンΘrとズレΔΘで表した運動方程式とな
る。
Θも十分小さくなることから、数16の式の様に変形す
ることができる。
ると、数17の式となる。
る数12に示した式より、数17の式は近似的に数18
に示す様になる。
いこと、X(Θr)は値が小さいこと、関節角サーボの
ゲインFp,Fvの値が大きいことから、数19に示す
様な大小関係が成り立つ。
とができる。
レΔΘに対する運動方程式を表し、安定化のための補正
量UはそのズレΔΘの運動を制御する操作量となってい
る。よって、ズレΔΘを零にする操作量Uを導き出せ
ば、凹凸のある路面であってもロボットの姿勢は平坦路
の歩行パターンに収束するため、安定して歩行すること
になる。
について説明する。ここで操作量Uを数21の様に表し
てみる。ここで、ΔFは遊脚に作用する外力の変動分で
あるが、これは前記した6軸力センサ36から検出する
ことができる。
22の如くとなる。
ば、数22の式はズレΔΘに関する線形方程式となり、
また最適に制御値を決定することができる。ただし、外
力変動分ΔFが十分小さく、数22の式において外乱と
みなすことができるならば、ΔF≒0とし、数21の式
の第2項を計算することなく以下の操作量Uθを算出す
ることによっても、ある程度の安定化は可能である。こ
れは例えば、片足支持期では遊脚に外力が作用しないた
めΔF≒0とできる様な場合である。
する。
るから、いわゆる状態方程式表現を用いて数23の様に
表すことができる。
24の式に示す2次形式の評価関数Jを最小にするuは
数25の様に表現することができる。
式から明らかな様に、できるだけ少ない操作量uで状態
変数xをできるだけ小さくすることである。即ち、路面
の凹凸によるズレΔΘをできるだけ小さくすることにな
る。よって、数25の式から補正量(操作量)uを計算
することにより、安定な歩行が実現できることになる。
Bのモデル化誤差を外乱dと考えると、数23に示した
式は、数26の様に表すことができる。
27に示す2次形式の評価関数Jを最小にするuは数2
8の様に計算することができる。
な歩行を実現する補正量(操作量)uの算出手法であ
る。
x,Kiとロボットの状態量xとを求める必要がある
が、ゲインKx,Kiは、周知の如く、最適レギュレー
タ理論によりリカッチ方程式を解くことで求められる。
また状態量xはリンクの角度と角速度であるが、これは
ロボットの胴体部24に取りつけた傾斜センサ40,4
2と各関節に配置したロータリエンコーダにより求める
ことができる。よって、例えば前後方向の運動の場合、
数3の式は数29の様に書くことができる。
は傾斜センサ40,42で検出できることから、この検
出値をψとすると、関節角qiを用いれば、数29の式
より数30の式が成り立つ。
ができる。
で数32の様に表すことができる。
た変換式を用いて数33の様に表すことができる。
斜角と関節角のズレから算出することを示している。こ
こで、マトリックスEの構成要素を見ると、傾斜角と傾
斜角速度の列に1の要素が多いことや、関節角のズレは
サーボ系の偏差と等価であり、サーボ系はこの偏差を小
さくする様に作用することなどを考えると、操作量uは
胴体部24の傾斜角と傾斜角速度のみから簡便に算出す
る数34の式を考えることができる。
れらから数34で操作量uを算出した場合でも、この制
御系は安定となり、制御系の応答性を決める固有値も数
33の式を用いる場合とほとんど変わらないことが確認
できた。即ち、図7から図9はロボットを片足支持状態
にして支持脚の足首関節角を3度前方にステップ状に変
化させたときの各リンク角の応答を示す実験データであ
り、うち図7は関節角サーボのみの場合を、図8は数3
4の式による安定化制御の場合を、図9は数33の式に
よる安定化制御の場合を示す。また図10と図11は左
右方向に同様に3度傾けた場合の実験データを示してお
り、うち図10が関節角制御のみの場合を、図11が数
33の式による安定化制御の場合を示す。この実験結果
から明らかな様に、数33の式による場合と数34の式
による場合とで応答に余り差が見られなかった。またい
ずれの式によるにせよ、この安定化制御を行うことでロ
ボットは転倒することはなかったが、関節角サーボのみ
の場合には勢い余って転倒することが確認された。
式も全く同様に簡略化することができる。
ロー・チャートを参照して制御値の決定を説明する。
尚、これらのフロー・チャートは、図15に示す歩行の
状態遷移図において、右足から歩行を始めて3歩目から
定常歩行に移行し、左足で終わる場合を想定し、それら
に沿って経時的に片足支持期、コンプライアンス制御期
(遊脚着地時の)、両足支持期とに分けて記載したもの
である。
ロー・チャートであり、先ずS10において関節角指令
値qr,qrドットを読み込む。即ち、ロボット1の制
御ユニット26中のROM66には図4に示す様に、歩
行パターンとして各リンク角Θr(先に述べた様に絶対
角)が格納されており、それが経時的に関節角度qrと
角速度qrドット(共に相対角度)に座標変換され、S
10ではその変換された値(時刻tにおける)を、12
個の関節のうち最初の関節について読み出す。
際の角度qを入力し、S14に進んで図示の式から関節
角サーボ系の操作量を算出する。これは具体的には前記
したサーボモータの速度指令値の形で算出される。次い
でS16において傾斜角ψ、傾斜角速度ψドットを入力
し、S18において実際角度qと目標角度qrとから関
節角偏差Δqを算出し、S20において数33あるいは
数34の式のいずれかを用いて補正量uを算出する
(尚、数34の式を用いるときはS18はジャンプす
る)。この補正量uもサーボモータの速度指令値の形で
算出される。続いてS22においてS14で算出した値
にS20で算出した値を加算し、その値をサーボアンプ
に出力する。続いて、S24で遊脚が着地したと判断さ
れるまで、次の関節について同様に制御値を決定し、1
2の関節について制御値を決定し終わると、次の時刻t
+1について同様の作業を繰り返す。尚、遊脚の着地は
前記した着地スイッチ38から検出する。
においてサーボアンプに出力するに際し、関節に優先順
位を設けたことである。即ち、関節の優先順位を、支持
脚の足関節18,20R(L)、支持足の膝関節16R
(L)、支持足の股関節10,12,14R(L)、遊
脚の股関節10,12,14L(R)、遊脚の膝関節1
6L(R)、遊脚の足関節18,20L(R)とし、そ
の順で操作量を加算する様にした。即ち、安定した姿勢
の保持に寄与することことが大きい関節を優先する様に
したものであり、この結果、時間的に余裕がないときに
は、例えば、支持脚の足関節と膝関節についてのみ操作
量uを加算することになる。言うまでもなく、時間的に
余裕があるときは、この順序で全ての関節に加算する。
地と判断されるときは図13フロー・チャートに従って
着地時のコンプライアンス制御に移行する。同図を参照
して説明すると、先ずS100からS104において同
様にサーボ制御値を算出した後、S106に進んで前記
した6軸力センサ36の出力から着地した遊脚に加わっ
た足首トルクを入力し、S108でコンプライアンス量
mを算出する。これはインピーダンス制御を速度分解制
御で実現した、いわゆる仮想的なコンプライアンス制御
手法を用いて行う。続いてS110においてサーボ制御
値vcと仮想コンプラアンス制御値mと補正量uとを加
算した値をサーボアンプに出力し、S112でコンプラ
イアンス制御が終了と判断されるまで、それぞれの関節
について経時的に繰り返す。尚、この終了判断は、着地
から所定時間が経過したか否かで判断する。またS11
0の補正量uの値は、図12フロー・チャートのS20
で算出した値を保存しておいて使用する。
でコンプライアンス制御終了と判断されたときは図14
フロー・チャートのS200からS214に従って両脚
支持期の制御値を決定するが、これはS210の補正量
Uの算出が数21の式から決定される点を除けば、図1
2フロー・チャートと同様である。尚、ここで数21に
示した式を用いて精緻に操作量を算出する様にしたが、
ΔFを外乱と考えれば数33または数34から算出して
も良く、逆に遊脚に外力が作用するときは、図12フロ
ー・チャートのS20において数21を含めた式の中か
ら算出しても良い。
定について、図5に示すモデルを前提として付言する
と、先に数24に示した式の評価関数Jを前後方向の運
動の場合に具体的に表すと、一般的には数35の様にな
る。
量uiの重み付き自乗和を表している。最適レギュレー
タ理論によれば、重みの大きい項の姿勢のズレは重みの
小さい項のそれよりも小さい値になる様にフィードバッ
クゲインが算出される。よって、重みの付けかたで違っ
たフィードバックゲインが算出され、姿勢のズレの修正
の時間応答が相違してくる。最適レギュレータ理論で
は、この重みの付けかたに関する定まった選定法がな
い。一般にはシミュレーションや実験により選定する。
徴を考慮して重みQ,Rを選定する様にした。それに関
して階段を昇降するときの様に遊脚の着地位置を正確に
制御したい場合を例にとって説明する。
(x,y)にズレΔx,Δyが生じた場合を考える。こ
れらは数36から数39の様に示すことができる。
(x,y)からのズレΔx,Δyの位置上のズレΔp
は、数40の様に自乗和で表すことができる。
らのズレΔp2 は、各リンクの姿勢ズレΔθiにかかる
係数に比例している。即ち、その係数が大きい順に姿勢
ズレΔθiを小さくすれば、位置ズレΔp2 を効率的に
小さくすることができる。一方、評価関数Jは重みの大
きい姿勢ズレΔθiほど小さくすることができる。よっ
て、評価関数Jを数41の式の様に選ぶことによって最
適に足先位置のズレを修正することができる。即ち、所
定の位置に正確に着地させたいときなどは、全てのリン
ク角についての重みを等しくするのではなく、足先位置
のズレに対する寄与度に応じて重みを変えることとす
る。例えば、数35において、Δθ1の変動を小さくし
たいときは重みq1を大きくし、アクチュエータの最大
発生トルクを考慮し、u2の発生トルクを大きくしたい
ときはr2を小さくすれば良い。この様に、安定化制御
とは別に、重みQ,Rの大きさを最適に制御したい位置
(ここでは関節角度位置などの関節座標系での位置では
ない、作業座標系での位置)に応じて変えることによ
り、例えば足先の位置を最適(効果的)に制御すること
が可能となる。尚、この選定手法は、足先位置のみなら
ず、重心位置など他の部位の位置にも適用可能である。
を備えた2足歩行の脚式移動ロボットの制御装置におい
て、予め設定した歩行パターンの目標角度と実際の角度
との偏差を絶対角度で求め、それに応じて操作量uを求
めてサーボ操作量に足し込む様に構成したので、歩行パ
ターンが予期しない凹凸路面を歩行するときも常に安定
した姿勢を保持することができ、また線形性を損なう様
な歩行パターンに対しても高速なコンピュータを用いて
非線形補償する必要がなく、常に滑らかな歩行を実現す
ることができる。また操作量uの算出に際しても、遊脚
に作用する外力の変動分に応じて精緻に決定する手法に
加えて、胴体部の傾斜角度と傾斜角速度とから簡便に算
出する様にも構成したので、その簡便に算出する手法に
よるときは簡易に算出することができる。
に、前後方向のモデルにおいて、支持脚の絶対角をリン
ク1,2を2辺とする3角形の1辺の角度とし、同様に
遊脚の絶対角度をリンク4,5を2辺とする3角形の1
辺の角度としてモデリングする様にした。その結果、図
17に示した手法に比較して、3リンクのままで5リン
クのモデルに十分近い精度で近似することができる。具
体的には図17に示す手法に比較して以下の効果を得る
ことができる。尚、これらの効果は膝関節が曲がるほど
顕著となる。
ことができる。即ち、両脚部の角度が、腰から足首を結
ぶ線の角度で定義されるために、制御誤差が零ならば、
脚部の角度誤差も零である。誤差は脚部の長さだけなの
で、着地位置はかなり正確である。図17に示した手法
の場合には大腿リンクの延長線上に着地位置があるとし
て制御するため、図18に示したこの手法との脚部の角
度差をΔΘとすれば、「脚部の長さ×sin(ΔΘ/
2)」の差が生じることになる。例えば、脚部長さを1
mで膝関節の角度を10度としたとき、8cmの着地位
置の誤差を抑えることができる。
を向上させることができる。前述の如く、最適レギュレ
ータを用いて制御系の安定性を高めているが、モデリン
グ自体に誤差があると、高い周波数域でかえって発振し
やすくなる不都合がある。またシミュレーションにおい
て制御入力の大きさと制御量の応答の兼ね合いを調整し
ながらフィードバックゲインを決めるが、そのときもモ
デリング誤差が大きいと、意図する応答が得られない。
しかし、この制御においては図18で示す様に構成した
ことでモデリング精度を上げて上記した効果を得てい
る。
を含んだ制御装置を例にとって説明してきたが、この発
明は先に本出願人が特願平2−259839号で提案し
た関節角サーボ系を含まないものについても妥当する。
ボットについて説明したが、それに限られるものではな
く、1足ないしは3足以上の脚式移動ロボットにも妥当
するものである。
連結される2本の脚部とからなり、該2本の脚部がそれ
ぞれ基体に第1の関節を介して連結されると共に、第1
の関節と脚部先端との間に第2の関節を備え、更に脚部
先端付近に第3の関節を備えてなる脚式移動ロボットの
制御装置であって、該2本の脚部をそれぞれ1個のリン
クと見做して数学モデルで近似し、該リンクの鉛直方向
に対する絶対角度を含むパラメータを用いて運動方程式
表現を行ってその解を求め、求めた解に基づいて制御値
を決定するものにおいて、前記リンクの絶対角度を、前
記第1関節と第3関節とを結ぶ線が鉛直方向に対してな
す角度で求める様に構成したので、3リンクでありなが
ら5リンクモデルに十分近い精度で近似することがで
き、遊脚の着地位置の誤差を低減することができると共
に、制御系の安定限界と制御の応答性とを向上させるこ
とができ、更に階段の様な膝関節が大きく曲がる個所の
歩行についても正確にモデル化することができる。
全体的に示す概略図である。
る。
サーボ系を示すブロック線図である。
する第2の操作量を加算する状態を示すブロック図であ
る。
明図である。
明図である。
に、ロボットの支持脚の足首関節角を前後方向にステッ
プ状に3度傾けたときの応答性を示す実験データ図であ
る。
と同様の実験データ図である。
た第2の操作量を加算した場合の実験データ図である。
脚の足首関節角を左右方向にステップ状に3度傾けたと
きの応答性を示す実験データ図である。
2の操作量を加算した場合の実験データ図である。
トであって、片足支持期の制御値決定を示すフロー・チ
ャートである。
プライアンス制御期の制御値決定を示すフロー・チャー
トである。
制御値決定を示すフロー・チャートである。
る歩行の状態遷移図である。
価関数の重みの決定手法を説明する説明図である。
ルを示す説明図である。
ングを示す説明図である。
図である。
ット) 2 脚部リンク 10R,10L 脚部回旋用の関節(軸) 12R,12L 股部のピッチ方向の関節(軸) 14R,14L 股部のロール方向の関節(軸) 16R,16L 膝部のピッチ方向の関節(軸) 18R,18L 足首部のピッチ方向の関節(軸) 20R,20L 足首部のロール方向の関節(軸) 22R,22L 足平(足部) 24 胴体部 26 制御ユニット 36 6軸力センサ 40,42 傾斜センサ
Claims (1)
- 【請求項1】 基体と、それに連結される2本の脚部と
からなり、該2本の脚部がそれぞれ基体に第1の関節を
介して連結されると共に、第1の関節と脚部先端との間
に第2の関節を備え、更に脚部先端付近に第3の関節を
備えてなる脚式移動ロボットの制御装置であって、該2
本の脚部をそれぞれ1個のリンクと見做して数学モデル
で近似し、該リンクの鉛直方向に対する絶対角度を含む
パラメータを用いて運動方程式表現を行ってその解を求
め、求めた解に基づいて制御値を決定するものにおい
て、前記リンクの絶対角度を、前記第1の関節と第3の
関節とを結ぶ線が鉛直方向に対してなす角度で求めるこ
とを特徴とする脚式移動ロボットの制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4105316A JP3071032B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 脚式移動ロボットの制御装置 |
US08/025,528 US5355064A (en) | 1992-03-04 | 1993-03-03 | Control system for legged mobile robot |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4105316A JP3071032B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 脚式移動ロボットの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05277968A true JPH05277968A (ja) | 1993-10-26 |
JP3071032B2 JP3071032B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=14404309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4105316A Expired - Lifetime JP3071032B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-31 | 脚式移動ロボットの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071032B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103884351A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-06-25 | 中国北方车辆研究所 | 足式机器人运动参数测量方法及其应用 |
WO2022176751A1 (ja) * | 2021-02-22 | 2022-08-25 | ソニーグループ株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP4105316A patent/JP3071032B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103884351A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-06-25 | 中国北方车辆研究所 | 足式机器人运动参数测量方法及其应用 |
WO2022176751A1 (ja) * | 2021-02-22 | 2022-08-25 | ソニーグループ株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3071032B2 (ja) | 2000-07-31 |
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