JPH05269074A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄水の噴射により洗浄を行う食器洗浄機に
関し、洗浄静音化と同時に組立性及びサービス性向上を
目的としたものである。 【構成】 洗浄槽１と、洗浄水を加圧する洗浄ポンプ１
６と、洗浄槽１を支持する台枠２３とを備え、前記洗浄
槽１底部の排水口１７に設けた導水路１９と洗浄ポンプ
１６の吸込口１８が脱着自在に嵌合するとともに、この
嵌合部の空隙に可撓性ある材料で形成した略環状のシー
ル部材２０を配置し、且つ洗浄ポンプ１６を洗浄槽１底
面に吊下げるように構成した食器洗浄機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗浄水の噴射により洗浄
を行う食器洗浄機に関し、特に洗浄静音化と同時に組立
性及びサービス性向上を意図したものである。

【０００２】

【従来の技術】以下に従来の食器洗浄機の一般的なもの
の運転方法について、図６に基づいて説明する。

【０００３】食器を洗浄槽１の食器かご（上かご２と下
かご３から構成されている。）に収納し、洗剤を投入し
て運転を開始すると、まず所定量の洗浄水が洗浄槽１内
に供給される給水工程が実行される。続いて、洗浄ポン
プ４によって加圧した洗浄水を洗剤と共に洗浄ノズル
（上ノズル５と下ノズル６から構成されている。）から
噴射する本洗工程が行われる。所定時間の本洗工程を終
了すると、次に食器等から洗い落とされた汚れを含む洗
浄水を機外に排出する排水工程に入る。この一回目の排
水工程に引き続いて、新たに洗浄水を供給する給水工程
と、洗浄水を洗浄ノズルから噴射することで洗剤や残菜
等で汚れた食器をすすぐためのすすぎ工程と、排水工程
とを連続して４回繰り返して、洗浄工程を終了するもの
である。なお、８は洗浄ポンプ４、ヒータ７等の運転を
制御する制御装置である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の食
器洗浄機では、以下に述べるような課題を有している。
洗浄ポンプの運転振動を音源とする洗浄騒音を低減する
ための構成として、図７に示すように洗浄ポンプの吸込
口４ａと洗浄槽１底部の貯水部９（以下では、排水口と
もいう）を可撓性のある材料で形成した蛇腹状の接続ホ
ース１０で振動絶縁をしている。すなわち、これは洗浄
ポンプ１３の運転振動が排水口を経て洗浄槽１に伝達し
て拡大して共鳴するための騒音として問題となっていた
ものを解決する手段であった。ところが、ホース固定用
バンド１１をはじめ、部品点数が多く、組立性が悪いも
のとなっていた。

【０００５】また、図８に示すように、この振動絶縁構
造を略環状のシール部材１２で構成した食器洗浄機があ
るが、洗浄ポンプ１３を製品底部で洗浄槽１を支持する
台枠１４に可撓性のある材料からなる防振部材１５を介
して取り付けているものがあるが、洗浄ポンプ１３を交
換するためには洗浄槽１と台枠１４を分離する必要があ
り、サービス性が悪いものとなっていた。また、洗浄ポ
ンプ１３の運転振動が洗浄槽１に伝達することを防止す
るため、洗浄槽１と台枠１４の高さ位置関係を精度良く
管理する必要があり、組立性も悪いとものとなってい
た。

【０００６】さらに、シール部材１２によるシール状態
を高精度に保持できないと、洗浄ポンプ１３の運転時に
その吸込み圧力により空気を洗浄ポンプ１３内に吸込
み、洗浄ポンプ１３の吐出圧が低下する。そのために、
洗浄ノズルの噴射圧が低下して、所定の圧力が得られず
に、洗浄不良となるという問題もあった。

【０００７】本発明は上記のような問題点を解決するも
ので、洗浄静音化ができて且つ組立性に優れた食器洗浄
機を提供することを第一の目的としている。

【０００８】また、組立バラツキに左右されずに安定し
て静音化を実現できて、サービス性にも優れた食器洗浄
機を提供することを第二の目的としている。

【０００９】さらに、シール状態を高精度に保持するこ
とで空気の吸込みを防止できて、安定して高い洗浄性能
が得られる食器洗浄機を提供することを第三の目的とし
ている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るための本発明の第一の手段は、洗浄槽と、前記洗浄槽
内に食器を収納する食器かごと、洗浄水を噴射する洗浄
ノズルと、前記洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、前記洗
浄水を機外に排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持
する台枠とを備え、前記洗浄槽底部の洗浄水貯水部に設
けた導水路と前記洗浄ポンプの吸込口が脱着自在に嵌合
するとともに、この嵌合部の空隙に可撓性のある材料で
形成した略環状のシール部材を配置し、且つ前記洗浄ポ
ンプを洗浄槽下方位置に吊下げるように構成した食器洗
浄機とするものである。

【００１１】また第二の目的を達成するための本発明の
第二の手段は、シール部材を導水路と吸込口の嵌合軸方
向の端面を前記導水路または吸込口に設けた複数個のリ
ブ状の凸部で保持するように構成した食器洗浄機とする
ものである。

【００１２】また第三の目的を達成するための本発明の
第三の手段は、シール部材を洗浄ポンプの吸込み圧力を
駆動源としてシール力を付加するように構成した食器洗
浄機とするものである。

【００１３】

【作用】本発明の第一の手段は、洗浄ポンプを排水口に
略環状のシール部材で弾性的に接続し且つ洗浄槽の底面
に吊り下げた構成であるので、少ない部品点数で、組立
性良く洗浄ポンプの運転振動を排水口、洗浄槽等と絶縁
することができて、洗浄騒音の低減が得られる。

【００１４】また本発明の第二の手段は、シール部材を
排水口の導水路と洗浄ポンプの吸込口の嵌合軸方向の端
面で導水路または吸込口に設けた複数個のリブ状の凸部
で保持できるので、シール部材は確実に精度良く装着で
きて組立時のバラツキによる洗浄騒音は少ない。

【００１５】また本発明の第三の手段は、シール部材を
洗浄ポンプの吸込み圧力を駆動源としてシール力を付加
することができるので、洗浄工程で洗浄ポンプに空気を
吸込んで吐出圧が低下することを防止できる。

【００１６】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第一の手段の一実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。図１において、１
６は洗浄ポンプ、１７は排水口、１８は洗浄ポンプ１６
の吸込口、１９は排水口１７の導水路、２０は吸込口１
８と導水路１９の空隙に装着されたシール部材、２１は
洗浄ポンプ１６をパッキン２２を介して洗浄槽１に吊り
下げて同時に洗浄ノズルを軸支するノズル軸受けであ
る。食器かご、洗浄ノズル、ヒータ等の機構部品につい
ては、基本構成が図６の構成と同様であり、また洗浄工
程の基本的な動作も従来の食器洗浄機と同様であるた
め、説明を省略する。

【００１７】以上のように構成された食器洗浄機につい
て、以下その動作の中で洗浄工程中の騒音低減について
説明する。洗浄工程では、洗浄ポンプ１６及びこの駆動
源である洗浄モータ１６ａの運転振動は図７に示した従
来の食器洗浄機と同様に、排水口１７には直接伝達しな
いので、騒音は低減されている。

【００１８】一方、構造的には洗浄ポンプ１６周辺の構
成がシンプルであってその組立性、分解性に優れてい
る。また、図８に示す他の従来の食器洗浄機とは違って
洗浄ポンプ１６が洗浄槽１に吊下げた構造であり、洗浄
槽１は台枠２３及び脚２４にて支持されているから、図
２に示すように製品下部の底板２５を外せば、その開口
部より洗浄ポンプ１６の脱着が可能なものであり、メイ
ンテナンスの容易な構成である。

【００１９】なお、図示していないが、洗浄ポンプ１６
を台枠２３に設けた取付部に吊り下げて、洗浄槽１のノ
ズル軸受け２１とは可撓性ある材料で形成したホースで
接続する構成でも、上述のような効果が得られる。

【００２０】（実施例２）次に、本発明の第二の手段の
実施例について図３、図４を参照しながら説明する。機
構部品の基本構成は図１の構成と同様であり、説明を省
略する。本実施例では、シール部材２６の支持構成が実
施例１とは異なっている。すなわち、シール部材２６は
洗浄ポンプ２７の吸込口２８と排水口２９の導水路３０
の空隙に装着されていて、且つこれらの嵌合軸方向の端
面では導水路３０と吸込口２８に設けた複数個のリブ状
の凸部３０ａ及び２８ａで保持できるので、シール部材
２６は導水路３０と吸込口２８の軸心が一定範囲でずれ
た状態で組み込まれた時にも、凸部３０及び凸部２８で
矯正しながら確実に精度良く装着できる。

【００２１】従って本実施例によれば、実施例１に比べ
て非常に簡単な構成上の工夫で、組立時のバラツキに左
右されずに洗浄ポンプ２７の振動が排水口２９に伝達す
ることを防止できて、洗浄騒音の低減が得られる。

【００２２】（実施例３）次に、本発明の第三の手段の
実施例について図５を参照しながら説明する。機構部品
の基本構成は図１の構成と同様であり、説明を省略す
る。本実施例では、シール部材３１の支持構成が前記実
施例とは異なっている。すなわち、洗浄ポンプの吸込口
３２と排水口３３の導水路３４との空隙に対して断面形
状が略Ｖ字形の可撓性ある材料からなるシール部材３１
をＶ字形の開口部を外部に向けて装着している。

【００２３】従って本実施例によれば、洗浄工程で洗浄
ポンプ１６が運転しているときには、洗浄ポンプ１６の
吸込み圧力を駆動源として内部が負圧になりシール力が
付加される。すなわち、シール部材３１のＶ字形部分を
加圧して吸込口３２と導水路３４に洗浄ポンプ１６停止
時より密着させてそのシール力を付加することができる
ので、洗浄工程で洗浄ポンプ１６に空気を吸込んで洗浄
水の吐出圧が低下することを防止できる。

【００２４】なお、本発明は洗浄ポンプについての取付
構成上の工夫による低騒音化を示しているが、排水ポン
プについても同様な構成とすることで排水工程での騒音
低減が得られることは言うまでもない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明の第一の手段によれ
ば、洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗浄槽底部の排水
口に設けた導水路と洗浄ポンプの吸込口が脱着自在に嵌
合するとともに、この嵌合部の空隙に可撓性ある材料で
形成した略環状のシール部材を配置し、且つ洗浄ポンプ
を洗浄槽底面または台枠に吊下げるように構成した食器
洗浄機として、少ない部品点数で、組立性良く洗浄ポン
プの運転振動を排水口と絶縁することができて、洗浄騒
音の低減が得られる装置とすることができる。

【００２６】また本発明の第二の手段によれば、シール
部材を導水路と吸込口の嵌合軸方向の端面を導水路また
は吸込口に設けた複数個のリブ状の凸部で保持するよう
に構成した食器洗浄機として、シール部材は確実に精度
良く装着できて組立時のバラツキによる洗浄騒音の拡大
が少ない装置とすることができる。

【００２７】さらに本発明の第三の手段によれば、シー
ル部材を洗浄ポンプの吸込み圧力を駆動源としてシール
力を付加するように構成した食器洗浄機とすることで、
洗浄工程で洗浄ポンプに空気を吸込んで吐出圧が低下す
ることを防止できるものであり、安定して優れた洗浄性
能が得られる装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の手段の実施例における食器洗浄
機の要部断面図

【図２】同第一の手段の実施例における食器洗浄機の底
面図

【図３】同第二の手段の実施例における食器洗浄機の要
部断面図

【図４】同食器洗浄機の洗浄ポンプの吸込口の要部断面
図

【図５】同第三の手段の実施例における食器洗浄機の要
部断面図

【図６】従来の食器洗浄機の要部断面図

【図７】同食器洗浄機の要部断面図

【図８】他の従来の食器洗浄機の要部断面図

【符号の説明】

１６ 洗浄ポンプ １７ 排水口 １８ 吸込口 １９ 導水路 ２０ シール部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽と、前記洗浄槽内に食器を収納する
   食器かごと、洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、前記洗浄
   水を加圧する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外に排出す
   る排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、
   前記洗浄槽底部の洗浄水貯水部に設けた導水路と前記洗
   浄ポンプの吸込口が脱着自在に嵌合するとともに、この
   嵌合部の空隙に可撓性のある材料で形成した略環状のシ
   ール部材を配置し、且つ前記洗浄ポンプを洗浄槽下方位
   置に吊下げたことを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】シール部材は導水路と吸込口の嵌合軸方向
   の端面を前記導水路または吸込口に設けた複数個のリブ
   状の凸部で保持したことを特徴とする請求項１記載の食
   器洗浄機。
3. 【請求項３】シール部材は洗浄ポンプの吸込み圧力を駆
   動源としてシール力を付加することを特徴とする請求項
   １または請求項２記載の食器洗浄機。