JPH05264693A - 超電導磁気シールド容器 - Google Patents

超電導磁気シールド容器

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JPH05264693A
JPH05264693A JP3349466A JP34946691A JPH05264693A JP H05264693 A JPH05264693 A JP H05264693A JP 3349466 A JP3349466 A JP 3349466A JP 34946691 A JP34946691 A JP 34946691A JP H05264693 A JPH05264693 A JP H05264693A
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magnetic
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Hiroshi Ota
浩 太田
Atsushi Koike
淳 小池
Kazuhiko Kato
和彦 加藤
Hirobumi Odaka
博文 小高
Kazutomo Hoshino
和友 星野
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人の脳の必要とする全ての部位からの磁界検
出を可能とする超電導磁気シールド容器を提供すること
を目的とする。 【構成】 高温酸化物超電導体粉末を加圧焼成してな
り、脳磁界等の極微弱磁界を測定するための超電導磁気
シールド容器1であって、一端閉口/一端開口の円筒状
もしくは角筒状でその閉口端面の中央部から偏心した位
置に磁束計13の嵌入口8を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導現象の内、磁束
を排除する性質を利用した磁気シールド容器に関し、特
に超電導体の臨界温度Tcが液体窒素温度を超える酸化
物超電導体で構成された磁気シールド容器に係る。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】超電導体は電気抵抗ゼ
ロと完全反磁性の性質を利用すれば理想的な磁気シール
ド材料となることが知られている。最近発見された酸化
物超電導体、例えばY−Ba−Cu−O系、Bi−Sr
−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系等
は安価な液体窒素による冷却で超電導状態となるため、
磁気シールド材料として応用する研究が盛んに行われて
いる。
【0003】これら超電導体を用いて、例えば人の脳磁
界を検出する場合、極微弱磁界の検出を要し、そのた
め、超電導磁気シールド容器としては人の頭部が入る開
口部と他端は磁束の漏れを最小限とするため、多チャン
ネルSQUID等からなる磁束計が入る嵌入口を残して
閉塞された閉塞端面をなし、この嵌入口はできるかぎり
小さくされるように構成されている。そして、従来の超
電導磁気シールド容器における前記磁束計の嵌入口は容
器閉塞端面の中央部に穿かれ、そこから容器上方に配置
された冷却用クライオスタットを有するSQUID等の
磁束計が容器内部に位置する人の脳の頂上部に磁束計先
端の磁界検出部が位置するように挿入されることによ
り、磁界検出がなされていた。
【0004】しかしながら、実際に人の脳磁界等の計測
に際し、従来の磁気シールド容器では脳の頭頂部の計測
はできるとしても、脳の前頭部、後頭部あるいは側頭部
等からの磁界検出は不可能であった。
【0005】本発明は、人の脳の必要とする全ての部位
からの磁界検出を可能とする超電導磁気シールド容器を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、高温酸化物
超電導体粉末を加圧焼成してなり、脳磁界等の極微弱磁
界を測定するための一端閉口/一端開口の円筒状もしく
は角筒状の超電導磁気シールド容器における磁束計の嵌
入口をその閉口端面の中央部から偏心した位置に設ける
ことにより前記問題点を解決したものである。
【0007】以下に、添付図面を参照して本発明につい
て説明する。図1は本発明に係る超電導磁気シールド容
器を用いて人の脳磁界を検出する場合の装置例を示すも
のであり、この図において、1は酸化物高温超電導体か
らなる磁気シールド容器であり、その形状は深さ/直径
の比が1以上、好ましくは2とするのがよい。これは開
口端からの磁場が漏れこんでくるので、比が大きいほど
シールド効果がよくなるためである。磁気シールド容器
1は酸化物超電導体粉末を冷間静水圧プレス(CIP)
により、圧力をかけて成型体としたのち、焼結して製作
するが、その際に発生する応力の集中を防ぐため、底部
は例えば容器直径の半分程度の曲率半径を持つ球形形状
となるように設計されている。また、磁気シールド容器
1の底部閉塞端面の中央部から偏心した位置には磁束計
13の挿入口8が穿かれている。これは最外層の真空断
熱容器6の嵌入口が例えばSQUID磁束計の挿入を可
能とするような十分な大きさを持たせており、これによ
り、磁気シールド容器1の開口端から被検出体、例えば
人の頭、小動物、電子機器等を入れ、それらの発する極
微弱磁気を測定できる構造となっている。
【0008】磁気シールド容器1は内部に液体窒素温度
(約77K=−196℃)以下でも気体状態を維持する
気体、例えば水素、ヘリウム、ネオンガスのいずれかか
らなる熱伝達気体2が充填されるか、あるいは軽い真空
とされた気体容器3内に収納され、この気体容器3の周
囲及び/又は底部に液体窒素4が充填された液体窒素容
器5を付け、さらにこの気体容器3と液体窒素容器5は
真空断熱容器6内に収納されている。なお、真空断熱容
器6内は真空排気孔9に接続された図示していない真空
ポンプにより予め1×10マイナス3乗Torr以下に
真空排気され、真空断熱状態となっている。気体容器3
は銅やアルミニウム等の非磁性で熱伝導性の良いもので
構成する。これにより、液体窒素容器5に液体窒素供給
孔7より液体窒素4を供給し冷却した場合、気体容器3
の上下端での温度差を減らすことができる。また、この
気体容器3内には熱伝達気体供給孔10に接続された図
示していないボンベから熱伝達気体2を充填する。充填
圧力を増す程、磁気シールド容器1への熱伝達が良くな
るが、冷却速度が速いと磁気シールド容器1に亀裂が入
る危険があり、さらに充填圧力に耐えられるように気体
容器3の構成材料も厚くしなければならないため、熱伝
達気体2として、例えばヘリウムガスを使用した場合
は、冷却完了時に大気圧と等しくなるように充填してあ
る。このようにすることにより、磁気シールド容器1の
冷却に際し、上下端の温度差をさらに減少させることが
可能となり、重量で約70kgもある大きな磁気シール
ド容器1を亀裂の発生なしに臨界温度以下にまで冷却す
ることができ、超電導磁気シールド装置内を無磁場空間
とすることができる。
【0009】さらに、磁気シールド容器1の着脱を可能
とするため、熱伝達気体2により冷却される気体容器3
の上端面は軟質金属をコーティングした金属製シール1
1、例えばインジウム(In)コーティングの金属製オ
ーリングとボルト締結により取外し可能としてあり、同
じく真空断熱容器6の上端面は真空断熱及び薄肉の金属
製パイプを通した伝熱のため、ほぼ室温となっており、
ゴム製シール12、例えばバイトン製オーリングとボル
ト締結により取外し可能としてある。これにより磁気シ
ールド容器1が取外し可能となるとともに磁気シールド
容器1、気体容器3及び液体窒素容器5が取外し可能と
なる。
【0010】このような装置において、装置下端の開口
端側から人の頭部を装置内に挿入し、同時に磁束計13
の嵌入口8から装置内空間の降下させ、人の頭部上方に
配置し、脳磁界を計測する。この際、磁束計13の嵌入
口8は容器閉塞端面の中央部から偏心した位置に設けて
いるため、磁束計の先端の磁界検出部は人の脳の前頭
部、後頭部あるいは側頭部のいずれかに配置されること
になる。この位置での計測が終了したら、次に人の頭部
を回転させるか、あるいは装置そのものを回転させるこ
とにより、順次前頭部、後頭部あるいは側頭部へと磁界
検出を行うことにより、頭部の広範囲にわたり磁界検出
が可能となる。また、磁気シールド容器の嵌入口8の中
心部からの偏心位置をずらすことにより、さらに広範囲
の頭部からの磁界検出が可能となる。人の頭部を回転さ
せることは、例えば人の座っている椅子を回転させるこ
とにより容易に行える。また、人の脳磁界の広範囲の計
測を可能とする構成として、上記の様に磁束計の嵌入口
を閉塞端面の中央部から偏心させることに代えて、例え
ば閉塞端面あるいは磁気シールド容器上部側面に傾斜し
て嵌入口を設けるようにしても良く、また磁束計の嵌入
口は閉塞端の偏心位置で傾斜させて設けても良い。これ
により磁束計先端部の磁界検出部が人の頭部の偏心した
位置に配置される。
【0011】
【実施例】酸化物高温超電導体からなる磁気シールド容
器はビスマス(Bi)系酸化物超電導体の粉末(Bi−
Pb−Sr−Ca−Cu−O)をCIP成型後、焼成し
て作製した。この磁気シールド容器の大きさは内径32
cm、内部高さ62cm、厚さ約2.5cmであり、そ
の重量は約70kgであった。この磁気シールド容器を
図1に示す超電導磁気シールド装置に組込み冷却した。
この装置の全体の大きさは外径69cm、高さ84.5
cmの円筒であり、SQUID磁束計を挿入するための
嵌入口は容器の閉塞端面の中心から約5cm偏心した位
置に設け、磁気シールド容器部分で直径18cm、真空
断熱容器部分で直径9cmである。この嵌入口の反対側
に設けられた被検出気体を挿入するための嵌入口は真空
断熱容器部分で直径24cmである。冷却を開始してか
ら定常状態に冷却されるまでに要した液体窒素の量は約
500リットルであり、時間にして約12時間を要し
た。
【0012】このような装置により、人の脳磁界を検出
したところ、従来の磁気シールド容器を用いた装置では
測定できなかった脳の広範囲にわたる計測が可能となっ
た。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡単な構
成により人の脳から発する極微弱磁気の検出を脳の広範
囲部位にわたり計測することができる超電導磁気シール
ド容器が提供され、その効果は当該分野において極めて
顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導磁気シールド容器を用いた
装置の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 磁気シールド容器 2 熱伝達気体 3 気体容器 4 液体窒素 5 液体窒素容器 6 真空断熱容器 7 液体窒素供給口 8 磁束計の嵌入口 9 真空排気孔 10 熱伝達気体供給孔 11a 軟質金属コーティング金属製シール材 11b 軟質金属コーティング金属製シール材 12a ゴム製シール材 12b ゴム製シール材 12c ゴム製シール材 12d ゴム製シール材 13 磁束計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和彦 埼玉県熊谷市代708 (72)発明者 小高 博文 千葉県市川市原木1−3−1−114 (72)発明者 星野 和友 埼玉県上尾市大谷本郷441−19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温酸化物超電導体粉末を加圧焼成して
    なり、脳磁界等の極微弱磁界を測定するための超電導磁
    気シールド容器であって、一端閉口/一端開口の円筒状
    もしくは角筒状でその閉口端面の中央部から偏心した位
    置に磁束計の嵌入口を有することを特徴とする超電導磁
    気シールド容器。
JP03349466A 1991-12-09 1991-12-09 超電導磁気シールド容器 Expired - Fee Related JP3130618B2 (ja)

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