JPH05264363A - 電子体温計 - Google Patents

電子体温計

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JPH05264363A
JPH05264363A JP4060287A JP6028792A JPH05264363A JP H05264363 A JPH05264363 A JP H05264363A JP 4060287 A JP4060287 A JP 4060287A JP 6028792 A JP6028792 A JP 6028792A JP H05264363 A JPH05264363 A JP H05264363A
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真 鳥海
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、初期の群分けによらず予測
精度の高い電子体温計を提供することのある。 【構成】 被測定部位の温度を検出して経時変化に基づ
いて平衡温度を予測する電子体温計であつて、初期温度
の経時変化に基づいて、温度上昇傾向を群分けする群分
手段と、該群分け以降の所定期間の経時変化に基づい
て、前記群分けを変更する群変更手段とを備えることを
特徴とする。前記群変更手段による群分けの変更が不可
能な場合に、予測成立時点で予測値の補正を行う予測値
補正手段を更に備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子体温計、特に検出温
度の経時変化に基づいて予測演算式を選択して予測演算
を行い、この予測演算値を測定体温値として表示する電
子体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の予測式電子体温計においては、検
出温度が所定値以上、かつ温度上昇率が所定値以上にな
った時を予測演算の起点とし、予測演算値の変動が所定
値以内になった時を予測成立点とする。予測式は一般
に、予測値をY、検出温度をT、上乗量をUとすると、
Y=T+Uで与えられる。
【0003】この場合の上乗量Uとしては種々の計算方
法が知られており、例えばtを予測起点からの経過時間
とすると、 U=a1 ×dT/dt+b1 、あるいは U=(a2 ×t+b2 )×dT+(c2 ×t+d2 )な
どがある。
【0004】この上乗量Uの精度を被検者や検温素子の
違いによらず一定に保つために、最適な計算式のパラメ
ータa1 ,b1 ,a2 ,b2 ,c2 ,d2 を選択する工
夫もなされている。また、被検者の特徴や検温素子の特
性に基づいて温度上昇予測を群分けし、計算式のパラメ
ータ群を割り当てることもなされている。さらに、表示
値の連続性を保つために、Uに重みをかけることも考え
られている。例えば表示値をHとし、重み関数M=(t
/50)2 とすると、H=T+U×Mとなる。この場
合、表示器に表示されるのは表示値Hであり、tが50
秒からは表示値Hは予測値Yに等しくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
予測式電子体温計では、一旦群分けされて以後はその群
内の計算式のパラメータしか使用されない。この場合
に、もし初期の群分けが不適切であった時は予測精度が
著しく低下する。
【0006】本発明は、前記従来の欠点を除去し、初期
の群分けによらず予測精度の高い電子体温計を提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の電子体温計は、被測定部位の温度を検出し
て経時変化に基づいて平衡温度を予測する電子体温計で
あつて、初期温度の経時変化に基づいて、温度上昇傾向
を群分けする群分手段と、該群分け以降の所定期間の経
時変化に基づいて、前記群分けを変更する群変更手段と
を備える。更に、前記群変更手段による群分けの変更が
不可能な場合に、予測成立時点で予測値の補正を行う予
測値補正手段を備える。
【0008】ここで、前記群分けの変更は、予測演算以
前あるいは予測演算中に、一定周期毎あるいは不定期
に、一回または数回行われる。又、前記群変更手段は、
予測値が単調上昇または単調下降する場合に前記群分け
を変更する。
【0009】
【実施例】以下添付図面を参照して、本発明の一実施例
を説明する。尚、本実施例では温度予測の一例として群
分けに基づく予測式の選択を行う電子体温計を説明する
が、他の予測式体温計においても本発明の技術思想が適
用される。
【0010】<電子体温計の温度予測の一例>図1及び
図2は、群分けに基づく予測式の選択を行う電子体温計
の予測原理を説明する図である。
【0011】予測式電子体温計では600秒の体温を逐
次予測する。予測演算は、検出温度が30℃以上、かつ
温度上昇率が0.25℃/4秒以上になった時を起点と
する。
【0012】予測値Yは、検出温度をT、予測起点から
の経過時間をtとして、以下の式で与えられる。
【0013】 U=(a×t+b)×dT(c×t+d)…上乗量 Y=T+U ここで、a〜d:定数,dT:過去20秒間の温度上昇
である。
【0014】予測起点からの経過時間t=40秒の時点
で群分けを行う。30〜40秒間の温度上昇値(図1の
縦軸)と30秒における温度(図1の横軸)とを用い
て、計測データを1〜5群に分ける。尚、図1の6群は
予測不可、7群は人体でないとして予測はせず、実測値
の表示を行う。ここで、1群は最も熱応答の早い群であ
り、最初の温度は高いがすぐに上昇がおさまり、予測に
必要な上乗量は小さい。逆に、5群は最も熱応答の遅い
群で、最初の温度は低いが温度上昇が遅くまで続き、必
要な上乗量が大きい(図2参照)。これらの関係は多数
の計測標本から求められたものである。
【0015】40秒以後は、それぞれの群に応じたa〜
dの係数を用いて予測演算を行う。一例として、40〜
60秒間の各群のa〜dを挙げる。
【0016】 1群 a=0.03859 :b=-0.56178 :c=-0.00642
:d=0.78483 2群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00623 :
d=0.7967 3群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00389 :
d=0.7977 4群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00674 :
d=1.0937 5群 a=0.06137 :b=-0.85641 :c=-0.00701 :
d=0.95034 以下a〜dは40秒から120秒まで20秒おきに所定
の値に切り替える。
【0017】更に、表示値の連続性を保つためにUに重
みをかける。表示値をHとすると、50秒までは、 H=T+U×M1 ,M1 =(t/50)2 …重み関数 LCDに表示されるのは表示値Hである。tが50秒か
らは表示値Hは予測値Yに等しくなる。
【0018】50秒から120秒まではH=T+U×M
2 ,M2 =1であり、重みはない。50〜120秒間に
予測が成立するとブザーが鳴る。この予測成立の条件
は、 実測値の温度上昇が、群,係数区間によって決められ
た一定値以下になる 予測値が安定する(予測値の回帰直線の傾きが一定値
以下になる) の2点が成立することである。
【0019】予測成立の条件の温度上昇は、一例とし
て、40〜60秒間では、 1群 ≦0.19℃/20秒 2群 ≦0.23℃/20秒 3群 ≦0.20℃/20秒 4群 ≦0.15℃/20秒 5群 ≦0.17℃/20秒 である。
【0020】一方、予測値の回帰直線の傾きKAは、t
に於ける予測値をY(t)として SY = Y(t)+Y(t-2)+Y(t-4)+Y(t-6)+Y(t-8)+Y(t-10) STY = 2*Y(t-2)+4*Y(t-4)+6*Y(t-6)+8*Y(t-8)+10*Y(t-1
0) KA = 20*(SY/14+STY/70) で求める。KAが0.04℃/20秒以下になったら予
測値が安定したと判断する。
【0021】120秒までに予測が成立しない時は、1
20秒で強制成立させる。
【0022】120秒以降は、120秒時の上乗量U
120 を用いて、 H=T+U120 ×M33 =A×t+B とする。ここで、A,Bは定数で270秒で切り替わ
り、M3 は120秒で1,600秒で0の折れ線とす
る。こうして、600秒以降は検出温度Tがそのまま表
示温度Hとなる。
【0023】以上、最新の予測式電子体温計の予測方法
の概略を説明した。
【0024】<温度予測の改善>本実施例では、予測開
始後40秒の群分け以降に予測値を観察し、群分けが不
適切であった場合にこれを群の移動によって補正する。
群分けが不適切であった場合には、群分け後の予測演算
において予測値が単調増加または単調減少の動きを示
す。従って、図3に示すように、単調増加するときは上
乗量が不足しているので、より上乗量が大きくなる係数
を持つ群に移動する。単調減少の場合はより上乗量が小
さくなる係数を持つ群に移動する。
【0025】予測開始後40秒の群分け以降に次のよう
に予測値を観察する。予測値の回帰直線の傾きが0.0
2℃/20秒以上だったら、フラグFKP=1とする。
逆に、前記傾きが−0.02℃/20秒以下だったら、
フラグFKM=1とする。フラグFKP,FKM共に、
1になったら80秒まで0に戻らない、予測開始後40
秒から80秒まで予測値の回帰直線を求め、フラグFK
P,FKMを更新する。
【0026】予測開始後80秒で、(FKP,FKM)
の組が(0,0)の時は、予測値は十分に安定している
として予測を成立させる。(1,1)の時は、細かい増
減があるので群はあっているものとして、そのまま予測
を継続する。
【0027】(1,0)の時は、予測値が単調増加して
いるものとして、5群以外の場合はより上乗量が大きく
なる係数を持つ群(大きい群)に移動し、予測係数を切
り替える。この時に、フラグFKP,FKM共に0に戻
す。さらに、予測開始後80〜100秒の間に同様に予
測値の変化を観察し、単調減少が見られたら群を元に戻
す。(0,1)の時は、(1,0)と逆の処理を行う。
【0028】しかし、群分けをせずに1種類の係数しか
もっていない場合や、群分けしていても一番端の群(1
群や5群)では、上乗量を調整できないことがある。こ
のような場合、強制成立時(予測演算打ち切り時)で補
正値を加える。
【0029】また、強制成立時で予測値の変化が大きい
場合は、そのまま予測値を表示すると誤差が大きくなる
危険があるため、過去の予測値のを参照して再度予測値
を計算し直すことによって、より精度の高い表示値が得
られる。
【0030】強制成立時(予測演算打ち切り時)での補
正の様子を図4に示す。
【0031】予測開始後40秒で群分けした後、上乗量
が最も大きな群(5群)の予測値が単調増加しいてた場
合、群移動によって上乗量を更に大きくすることはでき
ないので、強制成立時(120秒)でプラスの補正値を
加える。補正値の量は、40〜120秒間の予測値の変
化量の半分で、0.15℃を上限とする。上乗量が最も
小さな群(1群)で、予測値が単調減少していた場合
は、この逆になる。
【0032】<電子体温計の構成例>第5図は本実施例
の電子体温計の構成を示すブロツク図である。
【0033】本電子体温計は温度を計測し、それをデジ
タル値として出力する温度計測部10と、計測された温
度から予測温度を演算すると共に本電子体温計を制御す
る演算制御部20と測定結果を表示する表示部30とか
ら構成される。
【0034】温度計測部10は、並列に接続された感温
部に設置されたサーミスタ13及びコンデンサ14と、
このサーミスタ13とコンデンサ14との時定数に従つ
て、ワンシヨツトをたたくワンシヨツトマルチ15と、
基準クロツクを発生するクロツク発生器11と、基準ク
ロツクを分周する分周器12と、ワンシヨツトマルチ1
5の出力がHighの間のクロツク発生器11からのクロツ
ク数をカウントするカウンタ16とから成り、サーミス
タ13の温度に対応してカウンタ16のカウント量が変
化することにより、温度をデジタル量として出力する。
尚、本温度計測部10の構成は一例であつて、これに限
る必要はない。
【0035】演算制御部20は、演算制御用のCPU2
1と、制御プログラムを格納し、且つ本電子体温計で使
用される予測式を記憶する予測式記憶部22aと、パラ
メータa,b,c,dを記憶するパラメータ記憶部22
bと、強制成立時での補正値を記憶する補正値記憶部2
2cとを有するROM22と、フラグFKP,FKMと
補助記憶用及び計測温度を時系列で記憶するためのRA
M23とから成り、プログラムに従つて、初期判断と群
分けと予測演算及び成立条件の判断等の本電子体温計の
動作制御を行う。
【0036】第6図に本電子体温計の本体外観図を示
す。本体は表示部30に当る液晶表示器(LCD)1,
ケース2,体温を第5図のサーミスタ13に伝導する先
端金属キヤツプ3から構成される。
【0037】第7図に本電子体温計の動作手順を示す全
体のフローチヤートを示す。ここで、ブザーは充分な予
測精度が得られる条件を満たした場合等に成る。
【0038】まず、所定のスタートスイツチ,例えばリ
ードスイッチ等により電源が入ると、ステツプS1で初
期値化が行なわれる。ステツプS2で温度計測部10か
らのデータを時間経過に対応して記憶する。ステツプS
3では群分けか否かを判断し、群分けと判断される場合
は、ステツプS4で予測開始後40秒の群分けを行う。
ステツプS4で群分けによりパラメータが設定される
と、ステツプS5で予測式を基に予測演算が行なわれる
と共に、ステツプS6で選ばれた予測成立条件を満たす
かどうかをチエツクする。
【0039】予測成立条件を満たさない場合は、ステツ
プS8に進んで、予測温度をLCDに表示し、ステツプ
S9からステツプS2に戻つて計測を続ける。予測が成
立した場合は、ステツプS6からS7に進んで成立を告
げるブザーを鳴らし、ステツプS8に進んでLCD表示
をしてステツプS9からS2に戻る。
【0040】ステツプS3で群分けでない場合は、ステ
ツプS10に進んで群を移動すべきか否かを判定する。
群移動の場合はステツプS11で群の移動を実行する。
計測は終了条件成立まで繰り返され、終了条件例えば体
温計が測定部位からはずされた場合等に計測を終了す
る。図7には強制成立時での補正は示さなかったが、簡
単なステツプの追加によって実現できる。
【0041】尚、本実施例では温度予測の一例として群
分けに基づく予測式の選択を行う電子体温計を説明した
が、他の予測式体温計においても本発明の技術思想が適
用されることは自明である。
【0042】
【発明の効果】本発明により、初期の群分けによらず予
測精度の高い電子体温計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の電子体温計の群分けを説明する図で
ある。
【図2】本実施例の電子体温計の温度上昇曲線例を示す
図である。
【図3】本実施例の電子体温計の群移動を説明する図で
ある。
【図4】本実施例の電子体温計の強制成立時の補正を説
明する図である。
【図5】本実施例の電子体温計の構成例を示すブロツク
図である。
【図6】本実施例の電子体温計の外観斜視図である。
【図7】本実施例の電子体温計の動作手順を示すフロー
チャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定部位の温度を検出して経時変化に
    基づいて平衡温度を予測する電子体温計であつて、 初期温度の経時変化に基づいて、温度上昇傾向を群分け
    する群分手段と、 該群分け以降の所定期間の経時変化に基づいて、前記群
    分けを変更する群変更手段とを備えることを特徴とする
    電子体温計。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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