JPH05263273A - 塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法 - Google Patents
塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法Info
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- JPH05263273A JPH05263273A JP9160492A JP9160492A JPH05263273A JP H05263273 A JPH05263273 A JP H05263273A JP 9160492 A JP9160492 A JP 9160492A JP 9160492 A JP9160492 A JP 9160492A JP H05263273 A JPH05263273 A JP H05263273A
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Abstract
とが出来、該水溶液より分離回収される鉄とニッケルか
らなる混合物中のニッケル含有量が多く、ニッケル含有
量が少なくとも該混合物を廃棄する必要がない方法を見
出す。 【構成】以下1、2で示される塩化鉄水溶液中のニッケ
ル除去及び回収方法。1.塩化鉄水溶液に鉄材を加えて
得られる液に、鉄粉を添加し、該水溶液中のニッケルを
除去及び回収する方法において、ニッケル析出に必要な
鉄粉を分割添加し、分割添加毎に析出するニッケルをそ
の都度分離する方法。2.上記1.の方法において、分
離された鉄とニッケルからなる混合物を、鉄とニッケル
の合計量の15重量%以上がニッケルである場合は回収
し、15重量%未満がニッケルである場合は塩化鉄水溶
液中のニッケル除去及び回収方法で再使用する方法。
Description
64鉄等のアンバー材、42アロイ(Fe:58重量%、N
i:42重量%)、52アロイ(Fe:48〜50重量%、Ni:5
0〜52重量%)等のアロイ材或いはステンレス材等のニ
ッケルを含む合金をエッチングして、テレビジョンのシ
ャドウマスクや半導体用のリードフレーム等を製造する
際に、エッチング液として用いられた塩化第二鉄水溶液
の廃液の再生に利用される方法であり、それら廃液中の
ニッケルの除去及び回収方法を提供するものである。
の鉄−ニッケル合金を精密加工するためのエッチング液
として汎用されている塩化第二鉄水溶液は、下記反応式
(1)及び(2)で示される様に、エッチングに用いら
れるに従い、水溶液中の3価の鉄(塩化第二鉄)が2価
の鉄(塩化第一鉄)に還元され、又ニッケルも蓄積して
行き、そのエッチング能力が次第に低下して最終的に使
用困難な廃液となってしまうものである。
地より、再生しリサイクルことが望ましいことである
が、エッチング廃液には、エッチング液としての能力を
低下させるニッケルが通常数千ppm〜1万ppm程度
存在しており、エッチング廃液を再使用するためには、
ニッケル含有量を100ppm以下に抑さえる必要があ
る。従って、従来、エッチング廃液よりニッケルを除去
する試みが種々行われている。
性下に塩化ニッケルを晶析除去する方法(特開昭59−
250764号)、ジメチルグリオキシム等のグリオキ
シム類の添加により、ニッケルグリオキシムとして沈澱
除去する方法(特開昭59−190367号)或いは塊
状の金属鉄を添加し除去する方法(特開昭59−121
123号)等が提案されている。
て、ニッケルを含有する塩化第一鉄水溶液に100メッ
シュパス以上の粒径の鉄粉を添加する方法(特開昭62
−191428号)、ニッケルを含有する塩化第一鉄水
溶液に比表面積が1m2 /g以上の鉄粉を添加する方法
(特開平3−253584号)を提案した。他方、クロ
ム、ニッケルを含有する塩化鉄水溶液中から、クロム、
ニッケルを除去する方法も提案している(特公平3−2
233号)。
した発明は、最終的に得られる塩化第一鉄水溶液中のニ
ッケル量を微量にすることが出来る優れた方法ではある
が、鉄粉との反応後に塩化第一鉄水溶液より分離される
鉄及びニッケルからなる混合物中のニッケル含有量は多
いものではない。分離された混合物からのニッケルの回
収を考えた場合、ニッケル含有量が多い方が回収効率が
良く、回収効率の悪いニッケル含有量の少ない混合物は
廃棄されていた。
ル除去効率が優れており、しかも分離される鉄及びニッ
ケルからなる混合物中のニッケル含有量が回収工程に回
すに満足なものであり、ニッケル含有量が少ない該混合
物を廃棄する必要がない経済的な塩化鉄水溶液中のニッ
ケルを除去及び回収方法を見出すため鋭意検討を行った
のである。
を解決するためには、塩化鉄水溶液に鉄材を加えて得ら
れる液に鉄粉を加えて該水溶液中のニッケルを除去及び
回収するに際して、ニッケル析出に必要な鉄粉を分割添
加し、分割添加毎に析出するニッケルをその都度分離す
ること、及び分離された鉄及びニッケルからなる混合物
を前記ニッケル除去及び回収の鉄材或いは鉄粉として再
使用することが有効であることを見出し本発明を完成し
た。即ち、本発明は、塩化鉄水溶液に鉄材を加え該水溶
液中の塩化第二鉄を塩化第一鉄に変化させた液に、鉄粉
を添加し、析出したニッケルを塩化第一鉄水溶液から分
離することからなる塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び
回収方法において、ニッケル析出に必要な鉄粉を分割添
加し、分割添加毎に析出するニッケルをその都度分離す
ることを特徴とする塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び
回収方法、及び前記の塩化鉄水溶液中のニッケル除去及
び回収方法において、塩化第一鉄水溶液から分離された
鉄とニッケルからなる混合物を、鉄とニッケルの合計量
の15重量%以上がニッケルである場合は回収し、15
重量%未満がニッケルである場合は、当該混合物を塩化
鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法で使用する鉄材
又は鉄粉の一部又は全部として再使用することを特徴と
する塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法に関す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。
ケル合金等を塩化第二鉄でエッチングした廃液等の、塩
化第一鉄、塩化第二鉄及びニッケルを含有する水溶液を
言う。
び回収方法では、まず鉄−ニッケル合金を塩化第二鉄水
溶液でエッチングした廃液等の塩化鉄水溶液に鉄材を加
え、(3)式に示す様に該水溶液中の塩化第二鉄を塩化
第一鉄に変化させる。
(4)式に示す様にその塩酸も鉄と反応して塩化第一鉄
を生成する。
該液中のニッケルを、主として鉄粉上に付着さた後、析
出したニッケルを塩化第一鉄水溶液から分離する。この
時の鉄粉の作用については、明らかではないが以下のこ
とが考えられる。 1)極微量の遊離酸との反応によるpHの上昇による水
酸化ニッケルの生成。 2)鉄とのイオン化傾向の差による、金属表面へのニッ
ケル金属の析出。
除去及び回収方法において、ニッケル析出に必要な鉄粉
を分割添加し、分割添加毎に析出するニッケルをその都
度分離することを特徴とするものである。従来、塩化鉄
水溶液に鉄材を加えて得られた液に鉄粉を添加して該水
溶液中のニッケルを除去する場合、鉄粉は該液中のニッ
ケルに対して数倍モル量を一度に添加されていたが、こ
の方法では反応後分離回収される鉄及びニッケルからな
る混合物中のニッケル量が少なく、回収工程に回すには
必ずしも充分なものではなかった。本発明は、この点を
改良したものである。
添加する鉄粉としては、細かいものが良く、粗いと除去
効率が悪い。粒径としては、100メッシュパス以上が
好ましく、150〜350メッシュパスがより好まし
い。さらに、比表面積として、1m2 /g以上を有する
ものを使用することが、除去効率が良いため好ましい。
反応温度としては、常温〜100℃が好ましく、より好
ましくは40〜90℃である。反応時間は、反応条件に
より種々の時間を選択出来るが、反応温度が80℃では
1時間以上が好ましく、より好ましくは2〜8時間であ
る。反応の雰囲気は窒素雰囲気でも、空気雰囲気でもニ
ッケル除去率には殆ど差はないが、反応液をエアーレー
ションすると一部フェライト化した鉄にニッケルが取り
込まれるので好ましい。
で使用される鉄粉の合計量が、塩化鉄水溶液に鉄材を加
えて得られた液中に存在するニッケル量に対して4倍モ
ル以下であることが好ましい。各鉄粉の分割添加で使用
される鉄粉の合計量が4モル倍を越えると、塩化第一鉄
水溶液から分離して得られる鉄及びニッケルからなる混
合物中のニッケル含有量が少なくなる。又、各分割添加
毎に使用する鉄粉量は、例えば鉄粉を2回に分けて分割
添加する場合、1回目の鉄粉添加量は、塩化鉄水溶液に
鉄材を加えて得られた液中に存在するニッケル量に対し
て3モル倍以下が好ましく、より好ましくは2倍モル以
下であり、2回目の鉄粉添加量は、1回目に使用した鉄
粉量との合計で4モル倍以下であることが好ましい。
又、鉄粉を3回に分けて分割添加する場合は、1回目の
鉄粉添加量は、2倍モル以下であることが好ましく、2
回目の鉄粉添加量は、1回目で使用した鉄粉量との合計
で3モル倍以下であることが好ましく、3回目の鉄粉添
加量は、1回目及び2回目で使用した鉄粉量との合計で
4モル倍以下であることが好ましい。鉄粉を添加してニ
ッケルを除去する効率は、塩化鉄水溶液中のニッケル濃
度が高い程大きいので、各鉄粉添加毎に分離される鉄及
びニッケル混合物中のニッケル含有量は、最初の鉄粉添
加で回収される混合物程多くなり、順次減少して行く。
ルからなる混合物は塩化第一鉄水溶液より分離する。分
離方法としては、濾過やサイクロン等の遠心力を利用す
る方法を挙げることが出来る。
くなりすぎると設備費が嵩んだり、操作が煩雑になるた
め、分割添加の回数が2〜4回であることが好ましく、
より好ましくは2〜3回である。反応方法としては、多
数の反応槽を用いて一連の操作を連続的に行う方法、一
つの反応槽を使用して一連の操作をバッチ式に連続して
行う方法等を挙げることが出来る。
ニッケルからなる混合物を、該混合物中の鉄とニッケル
の合計量の15重量%以上がニッケルである場合は、そ
のまま回収し、15重量%未満がニッケルである場合
は、当該混合物を前記塩化鉄水溶液中のニッケル除去及
び回収方法で使用する鉄材或いは鉄粉の一部又は全部と
して再使用すると、該鉄及びニッケル混合物からニッケ
ルを回収する際、回収効率がさらに良好になり、廃棄物
の減少も図られる。分離された鉄及びニッケルからなる
混合物を鉄材或いは鉄粉の一部又は全部として再使用す
る場合、分離された混合物は、鉄粉の分割添加における
1回目の鉄粉添加の様なニッケル濃度の高い反応で使用
することが好ましい。又、分離された鉄及びニッケルか
らなる混合物は、鉄材又は鉄粉の代わりとして全く置き
換えて使用することも出来るが、鉄材或いは鉄粉の一部
として使用することが好ましい。
合物からは、例えば特公平2−9092号等の操作を行
うことにより、ニッケルを回収することが出来る。
は、(5)式に示す様に塩素化し、塩化第二鉄水溶液と
して再使用することが出来る。
分離除去出来る上、分離したニッケルを効率良く高含有
量で回収することが出来る。
に詳しく説明する。なお、各例における「%」は「重量
%」を表す。 実施例1 ニッケル6230ppmを含有する塩化第一鉄水溶液
(FeCl2;41% )1リットル(1450g)に、100メ
ッシュパスの粒径を有しかつ251メッシュの粒径のも
のが55%であり、比表面積が3.01m2 /gである
鉄粉17.2g(ニッケルに対して2倍モル)を添加
し、攪拌下80℃で2時間反応を行った。反応終了後、
反応液を濾過したところ、濾物の組成は、Fe;41.2%, N
i;23.3%, 残分水等であり、濾液のニッケル濃度は17
40ppmであった。この濾液に、新たに鉄粉8.6g
(最初のニッケル量に対して1倍モル)を添加し、前記
と同様に反応、濾過を行ったところ、濾物の組成は、F
e;49.1% , Ni;16.3%,残分水等であり、濾液に含まれる
ニッケル濃度は423ppmであった。さらに、この濾
液に、鉄粉8.6g(最初のニッケル量に対して1倍モ
ル)を添加し、前記と同様に反応、濾過を行ったとこ
ろ、濾物の組成は、Fe;58.7% , Ni;2.4%, 残分水等であ
り、濾液のニッケル濃度は26ppmであった。
使用し、これに実施例1で使用したものと同じ鉄粉3
4.4g(ニッケルに対して4倍モル)を一度に添加
し、攪拌下80℃で6時間反応を行った。反応終了後、
反応液を濾過したところ、濾物の組成は、Fe;52.2% , N
i;7.6%, 残分水等であり、濾液のニッケル濃度は75p
pmであった。
(FeCl2;37.81%)1000gに、実施例1で使用したも
のと同じ鉄粉11.9g(ニッケルに対して2倍モル)
を添加し、攪拌下80℃で2時間反応を行った。反応終
了後、反応液を濾過したところ、濾物の組成は、Fe;39.
0,Ni;22.4%, 残分水等であり、濾液のニッケル濃度は1
978ppmであった。この濾液700gに、鉄粉4.
2g(最初のニッケル量に対して1倍モル)を添加し、
前記と同様に反応、濾過を行ったところ、濾物の組成
は、Fe;16.0,Ni;16.0%, 残分水等であり、濾液のニッケ
ル濃度は513ppmであった。さらに、この濾液に、
鉄粉4.2g(最初のニッケル量に対して1倍モル)を
添加し、前記と同様に反応、濾過を行ったところ、濾物
の組成は、Fe;59.4,Ni;5.5%,残分水等であり、濾液のニ
ッケル濃度は75ppmであった。
(FeCl2;37.81%)700gに、実施例1で使用したもの
と同じ鉄粉4.1g(ニッケルに対して1倍モル)と実
施例2の3回目の鉄粉添加後に分離回収された濾物5.
6gを添加し、攪拌下80℃で2時間反応を行った。反
応終了後、反応液を濾過したところ、濾物の組成は、F
e;44.2%,Ni;19.2% 残分水等であり、濾液のニッケル濃
度は3162ppmであった。
のニッケルを選択的に効率よく除去回収することが出
来、さらに回収された鉄及びニッケルの混合物はニッケ
ル含有量が満足なものであり、或いは該混合物中のニッ
ケル含有量が少なくとも廃棄の必要がなく、ニッケル合
金のエッチング廃液から塩化第二鉄水溶液を容易に再生
できるもので、産業上の寄与の大きなものである。
Claims (2)
- 【請求項1】塩化鉄水溶液に鉄材を加え該水溶液中の塩
化第二鉄を塩化第一鉄に変化させた液に、鉄粉を添加
し、析出したニッケルを塩化第一鉄水溶液から分離する
ことからなる塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方
法において、ニッケル析出に必要な鉄粉を分割添加し、
分割添加毎に析出するニッケルをその都度分離すること
を特徴とする塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方
法。 - 【請求項2】請求項1の塩化鉄水溶液中のニッケル除去
及び回収方法において、塩化第一鉄水溶液から分離され
た鉄とニッケルからなる混合物を、鉄とニッケルの合計
量の15重量%以上がニッケルである場合は回収し、1
5重量%未満がニッケルである場合は、当該混合物を塩
化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法で使用する鉄
材又は鉄粉の一部又は全部として再使用することを特徴
とする塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091604A JP2910393B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091604A JP2910393B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263273A true JPH05263273A (ja) | 1993-10-12 |
JP2910393B2 JP2910393B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=14031171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4091604A Expired - Fee Related JP2910393B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 塩化鉄水溶液中のニッケル除去及び回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2910393B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005019500A1 (en) * | 2003-08-21 | 2005-03-03 | Fritz Scholz | Method of recovery of metals from etching solutions |
JP2020019978A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 株式会社アステック入江 | 塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法 |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP4091604A patent/JP2910393B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005019500A1 (en) * | 2003-08-21 | 2005-03-03 | Fritz Scholz | Method of recovery of metals from etching solutions |
JP2020019978A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 株式会社アステック入江 | 塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2910393B2 (ja) | 1999-06-23 |
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