JPH05261396A - 廃水リサイクル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 省力ポンプと気体圧による循環浄化処理をコ
ントロールコンピューターで制御することで、効率のよ
い浄化処理から高層建築物の廃水リサイクルを可能とす
る。 ［構成］円筒側面部の内面に液溝を備え回転可動にする
シリンダーの内部に、Ｃ字形円筒のクランクの開口部で
板状のピストンをベーンもしくはローラーで挟み、ピス
トン回転軸をクランクの回転中心点からずらしてピスト
ン系を構成するポンプを用い、負圧で廃水を一次濾過を
させ加圧で送液をする省力ポンプ手段と、その送液され
た一次濾過水を気体圧による圧力で、圧力タンク内と二
次濾過器内の生物処理及び化学処理作業をさせながら上
部の貯水槽まで押しあげる気体圧循環手段と、かつ該ポ
ンプ送液の一次濾過水を気体圧環境内で下部まで落下さ
せて発電をする水力発電手段と、循環送液操作を電子制
御により実行する循環操作制御手段と、を設けたことを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、廃水を浄化処理して再
利用する循環装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】廃水処理の中で処理方法（特公平２−１
７２３８号公報参照）は、リン酸イオンを含有する有機
汚水を効率よく浄化し、廃水処理装置（特公平２−２５
６７９号公報参照）は、廃水を循環処理することで装置
を小型化にして、廃水処理の実用に供している。実用の
廃水処理装置は、廃水を生物処理後に膜透過で浄化する
平面的装置で、汲み上げや水圧など高低差に関わる問題
はなく実用上十分であった。

【０００３】しかし、個々の建築物ごとに廃水を浄化処
理してリサイクルする環境保全装置に供するときには、
建築物が高層になるほど水の使用量が多くなり浄化供給
も頻繁で、動力の電力費を軽減するため送液作業を電力
の余る夜間に集中させることから、膜透過も短時間で済
ませるので濾過器が大型になるなどの欠点があった。

【０００４】一般高層建築物の廃水を浄化処理して再利
用する場合において、この欠点は高層建築物の延面積が
広くなり消費水量が増すので、常に循環浄化して供給す
る必要から消費電気エネルギー量も多くなることや、建
築物の容積からあまり大きな濾過器を設置することもで
きず、廃水を効率よく経済的にリサイクルする浄化処理
装置の実用化には難しい問題があった。

【０００５】この改善策として、廃水を高圧ポンプ（特
公昭６４−８１９３号公報参照）などの加圧もしくは負
圧により濾過器内を流動透過させ建築物の最上階へ送液
して、中上階層の使用済の廃水を地上まで落水させ水力
発電をすることで電力費を軽減する方法がある。しか
し、ポンプにより液体を直接加圧や負圧で送液する方法
は、送液の断続時に逆流動や圧力変化が発生しやすく濾
過器内のフィルター組織の吸着除去機能の低下や破損の
原因となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、高層建築物の廃水を浄化処理してリサイクルする
場合において障害となる、高圧ポンプで直接送液する循
環手段では経済的にも濾過器の機能からも効率のよい浄
化作業ができない点である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、高層建築物に
おける効率のよい廃水の循環浄化処理を可能とするた
め、円筒側面部の内面に液溝を備え回転可動にするシリ
ンダーの内部に、Ｃ字形円筒のクランクの開口部で板状
のピストンをベーンもしくはローラーで挟み、ピストン
回転軸をクランクの回転中心点からずらしてピストン系
を構成するポンプを用い、負圧で廃水を一次濾過をさせ
加圧で送液をする省力ポンプ手段と、その送液された一
次濾過水を気体加圧による圧力で、圧力タンク内と二次
濾過器内の生物処理及び化学処理をしながら上部の貯水
槽まで押しあげる気体圧循環手段と、かつ該ポンプ送液
の一次濾過水を気体圧環境内で下部まで落下させて発電
をする水力発電手段と、循環送液操作を電子制御により
実行する循環操作制御手段と、を設けたことを最も主要
な特徴とする。省力ポンプと気体圧による循環浄化をコ
ントロールコンピューターで制御する効率のよい廃水浄
化処理から、高層建築物廃水のリサイクルを可能にする
という目的を小型な構成で実現した。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の概略図である。また、図２
は、省力ポンプ手段のポンプ１実施例の断面図である。

【０００９】密閉な圧力タンク３１は生物処理タンクで
あり、貯水槽３２間までの水圧に等しい酸素圧力で水面
をタンク内部の位置に保ち、酸素圧力の供給はタンク上
部の流通口に連通する圧縮器２６により供給できるよう
にされ、一次濾過水は圧力タンク３１内及び二次濾過器
２３内で浄化された後貯水槽３２内へ流動し、ポンプ２
１により供給された圧力タンク３４内の上水は、圧力タ
ンク３１と同様に圧縮器２６により酸素加圧をされ貯水
槽３３内へ流動している。

【００１０】また、貯水槽３３内の上水は飲料用６０に
使用され、貯水槽３２内の浄化水はトイレ水洗用６２と
飲料以外用及び循環用６１に分けて使用されて、前記飲
料用６０からの廃水と飲料以外用及び循環用６１の廃水
は合流して循環経路の一次濾過器２２内へ流動させてい
るが、トイレ水洗用６２で使用された屎尿汚水を処理し
て再循環させる場合は、一般廃水に比べ生物処理の時間
や汚泥量に差があるため、別途の有機性処理槽へ流動さ
せ浄化後に圧力タンク３１内へ還元させる。

【００１１】また、一次濾過器２２並びにポンプ２０及
び動力４０からなる省力ポンプユニットが高層建築物内
に設置され、中上階層の一次濾過水を圧力タンク３０内
へ、下階層の一次濾過水は圧力タンク３１内へ、ともに
送液管先端にシャワーノズルを装着して酸素を溶存さ
せ、ＢＯＤ処理や曝気の効果を上げる送液をしている。

【００１２】また、圧力タンク３０内の酸素圧力は圧力
タンク３１内と同等になるよう圧縮器２５により酸素が
加圧供給され、圧力タンク３０内の一次濾過水は開閉器
５０により貯水量調節と発電機３５の発電調節をしてい
る。圧力タンクに一次濾過水を貯水させることで停電時
などのバックアップができるようにし、圧力タンク３
０、３１を直接バイパス管で酸素圧を連通させる場合
は、圧縮器２６及び圧縮器２５のいずれか一方で供給す
る。

【００１３】そして、一次濾過器２２内部は微細粒子除
去用フィルターで、二次濾過器２３内部は、順次に生物
処理及び化学処理ができるよう多段に室区分され、各室
間の流通管部にはカートリッジ式の透過及び吸着除去の
各種フィルターを介し取り付けて、各種フィルター交換
の簡素化をはかっている。

【００１４】また、コントロールコンピユーター４５は
主に、各部所２２、２３、６０、６１、６２に取り付け
た水流速及び水圧センサーと、各部所３０、３１、３
２、３３、３４に取り付けた水位及び圧力センサーから
の値を入力して予め設定された値から倹知して制御信号
を、各部所４０、４１、４２、４３、５０のアクチュエ
ーターに出力して循環操作制御の実行をしている。

【００１５】図２は、省力ポンプ手段に用いるポンプの
１実施例で、シリンダー２の側面部の内面に液溝９を四
か所に備え、ハウジング１５とベアリングを介し回転可
動に設置して、そのシリンダー２の内部三か所に配置す
るピストン系は、該シリンダー２の側面部の内面と密着
して両端でベアリングを介して回転可動に設置されたＣ
字形円筒のクランク５の開口部で板状のピストン３Ａ、
３Ｂ、３Ｃを、該開口部の両側からベーン７でそれぞれ
挟み備え、該ピストンと連結固定する回転軸４はクラン
ク５の回転中心点からずらして設置され、かつそれぞれ
のピストン系はハウジング１５に固定設置された圧力分
離体１により、加圧室１４及び負圧室１２を気密よく形
成している。

【００１６】また、クランク５の開口部と逆の側面位置
には流通口１０を設け、該開口部の両側面部の内部に備
えるスプリング８によりベーン７を関口部へ向かって押
し出して板状ピストンの側面を挟みクランクルーム６内
を遮蔽し、シリンダー２の側面部の内面に設けられた液
溝９には、ピストンの回転進行側の縁に盛り上げた駆動
突起１６を設け、動力に連動するギヤをハウジング外部
で取り付けたピストンの回転軸を回転させると、ピスト
ンが液溝９に噛みあい駆動突起１６に側面を押しあてシ
リンダーを駆動回転するとき、加圧室１４と負圧室１２
間の液体流動を断ち液圧を分離する。

【００１７】よって、両ベーン位置と回転軸心間におい
て、両距離には小距離差ができるため、その差に液圧か
らの力がピストンに負荷をさせ、その負荷力の中心は回
転軸の回転により変動することなどから、クランクルー
ム６内の液体を入排させる力は少力であり、ピストン３
Ａの作用行程は、負圧室１２内の液体をクランクルーム
６内へ吸入しながら加圧室１４内の液体を吐出口１３へ
押し出し、ピストン３Ａに負荷する力の中心が次第に変
動し回転軸に近づき、ピストン３Ｃの作用行程は、クラ
ンクルーム６内の液体を加圧室１４へ押し出し、負圧室
１２内へ液体を吸入口１１より吸入すると同時に液溝９
内へ液体を流入させる。

【００１８】また、ピストン３Ｂの側面が駆動突起１６
を押す時、回転軸心から駆動突起間及び回転軸心から加
圧側のベーン位置間において距離差ができるため、その
差に液圧からの力がピストンに負荷をさせ、その負荷力
はピストンの回転方向に作用し、シリンダー２の内部三
か所に配置するピストン系が、順次この行程を連続して
行なうので機能効果が優れ、ピストン３Ｂの作用行程
は、液溝９内の液体とピストン３Ｂを入れ替えながらシ
リンダー２を駆動回転させている。

【発明の効果】以上説明したように本発明の廃水リサイ
クル装置は、省力ポンプ手段に用いるポンプが、ピスト
ンの一回転でクランクルーム内の吸排と液溝内の吸排を
行ない液圧からのモーメントがピストンの回転方向に作
用する機能効果が優れた省力ポンプで、また、気体圧循
環手段を用いることで、圧力変化がないので一定順行す
る廃水の通過速度が二次濾過器内の生物処理及び化学処
理を安定させ、透過及び除去の各種フィルターの浄化機
能が向上し、沈殿槽が不要から小型化され、タンクを加
圧する酸素の供給が極少量で、密閉された循環装置から
悪臭が漏れない。また、水力発電手段を用いることで、
省エネルギー効果があり経済的で、循環操作制御手段を
用いることで、管理の自動化を推進するという利点があ
る。また、起伏差が大きい地域の生活廃水や工場廃水な
どを浄化リサイクルする環境保全に不可欠な用途にも適
用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概略図を示した説明図である。

【図２】省力ポンプ手段のポンプ１実施例を示した説明
図である。

【符号の説明】

１ 圧力分離体 ２ シリンダー ３Ａ、３Ｂ、３Ｃ ピストン ４ 回転軸 ５ クランク ６ クランクルーム ９ 液溝 ２０、２１ ポンプ ２３ 二次濾過器 ４５ コントロールコンピューター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃水を浄化処理して再利用する装置にお
   いて、廃水を負圧で一次濾過をさせ加圧で送液をする省
   力ポンプ手段と、該送液された一次濾過水を気体加圧に
   よる圧力で、圧力タンク内と二次濾過器内の生物処理及
   び化学処理作業をさせながら上部の貯水槽まで押しあげ
   る気体圧循環手段と、かつポンプ送液の一次濾過水を気
   体加圧環境内で下部まで落下させて発電をする水力発電
   手段と、循環送液操作を電子制御により実行する循環操
   作制御手段と、を設けたことを特徴とする廃水リサイク
   ル装置
2. 【請求項２】 請求項１記載の省力ポンプ手段のポンプ
   は、円筒側面部の内面に液溝を備え回転可動にしたシリ
   ンダーの内部に、少なくとも２か所以上に配置するピス
   トン系は、該シリンダーの内面と密着して回転可動に設
   置したＣ字形円筒のクランクの開口部で板状のピストン
   を、該開口部の両側に備えるベーンもしくはローラーで
   挟み備え、該ピストンと連結固定する回転軸をクランク
   の回転中心点からずらして設置し、かつ圧力分離体によ
   り加圧室及び負圧室を形成してなることを特徴とする請
   求項１記載の廃水リサイクル装置
3. 【請求項３】 請求項１記載の循環操作制御手段は、コ
   ントロールコンピューターが各部に備えるセンサーより
   入力する値と予め設定された値より倹知して制御信号を
   出力し、主に、ポンプ動力の出力アクチュエーターを操
   作する循環水量調節と、気体圧縮機動力の出力アクチュ
   エーターを操作する気体圧力調節と、を設けたことを特
   徴とする請求項１記載の廃水リサイクル装置