JPH0526088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、道路や駐車場などにおいて融雪する
ための散水融雪装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、道路や駐車場の融雪方法は地下水を汲み
上げて、この地下水を道路などの中央路面上に一
直線に埋設した多数の散水ノズルから散水するこ
とが行われている。このような融雪方法は各地に
普及しているが、地下水位が低下して地盤沈下を
招く虞れが生ずる。このため節水方式として特公
昭53−36932号公報の道路消雪方法が提案されて
いる。この道路消雪方法は、道路面に付設して散
水する長い散水管を適当間隔毎に区切つて多数本
の分断した散水管列に構成し、この分断散水管列
に送水する送水管を２系統設け、各々の系統の送
水管を分断散水パイプの１本置に配管接続せし
め、この２系統の送水管に適当時間をおいて交互
に１つの水源より送水するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 前記道路消雪方法においては、適当間隔毎に区
切つて多数本に分断した散水管を一直線状に配列
すると共に、これら散水管に１本置きに別系統の
送水管を接続し、この２系統の送水管に交互に送
水するものであるため、散水域が断続的に生じる
ことになり、すなわち散水域の間では全く散水さ
れないため断続的に積雪箇所が発生する虞れがあ
る。また散水管相互が分断しているため送水の始
めにおいては末端のノズル箇所では所定の水圧が
加わりにくく定常状態に散水する迄時間を要し均
一な融雪ができない虞れもある。

本考案は前記問題点を解決するものであり、散
水用水の有効利用を図りつつ融雪効果が十分得ら
れる融雪装置を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案の散水融雪装置は、前記目的を達成する
ために、軸方向を互いに平行にして並べて路面に
埋設した複数の送水管と、これら各送水管に選択
的にかつ各送水管で互いに時間をずらして繰り返
し送水する送水制御部と、前記各送水管にそれぞ
れその軸方向に並べて複数ずつ設けられた散水ノ
ズルとを具備し、前記各送水管の散水ノズルは、
送水管の軸方向において、互いに位置をずらして
均等に分布させたものである。

（作用） 本考案の散水融雪装置では、送水制御部によ
り、平行な各送水管に選択的にかつ各送水管で互
いに時間をずらして繰り返し送水する。ある送水
管へ送水するとこの送水管に設けられた散水ノズ
ルから散水されるが、各送水管の散水ノズルは、
送水管の軸方向において、互いに位置がずれて均
等に分布しているため、ある送水管の散水ノズル
から散水された後、別の送水管の散水ノズルから
散水されるとき、先の散水域間の位置に散水され
ることになる。

（実施例） 次に本考案の一実施例を図面を参照して詳述す
る。

１は道路略中央の長手方向に沿つて埋設された
第１の送水管であり、この送水管１には第１の分
岐管２を介して多方向に散水する第１の散水ノズ
ル３が複数接続されている。これら第１の散水ノ
ズル３は送水管１の軸方向に所定間隔で並んでい
る。そして第１の散水ノズル３には前記第１の分
岐管２と連通して路面４にあらわれる第１の散水
口５が設けられている。６は前記第１の送水管１
と軸方向を平行にして並べて道路に埋設される第
２の送水管であつて、第１の送水管１と同様に第
２の分岐管７を介して第２の散水口８を有する第
２の散水ノズル９が複数接続されている。これら
第２の散水ノズル９は送水管６の軸方向に所定間
隔で並んでいるが、隣接する前記第１の散水ノズ
ル３の中間にそれぞれ１つずつ位置している。す
なわち第１の散水ノズル３および第２の散水ノズ
ル９は送水管１，６の軸方向に略一直線状に配設
されているが、等間隔で交互に並んでいる。

１０は前記第１の送水管１に接続した第１の給
水管であり、この第１の給水管１０には散水制御
用の第１の電動開閉弁１１が設けられ、同様に第
２の送水管６には第２の給水管１２が設けられる
とともに、この第２の給水管１２に第２の電動開
閉弁１３が設けられている。１４は前記第１及び
第２の給水管１０，１２の他端に接続する揚水管
であつて、その他端には散水用水採取用坑井１５
に設けた水中ポンプ１６に接続している。

１７は前記第１及び第２の電動開閉弁１１，１
３に接続したタイマー装置であつて、適宜時間毎
に前記第１及び第２の電動開閉弁１１，１３を交
互に開閉成するものであり、これら電動開閉弁１
１，１３及びタイマー装置１７によつて送水制御
部１８が構成される。すなわち一定時間第１の電
動開閉弁１１が開くとともに第２の電動開閉弁１
３が閉じた後、一定時間第１の電動開閉弁１１が
閉じるとともに第２の電動開閉弁１３が開き、こ
れが順次繰り返されるようになつている。

次に前記構成につきその作用を説明する。

予め第１の電動開閉弁１１を開成し、第２の電
動開閉弁１３を閉成し、そして水中ポンプ１６を
作動すると水は揚水管１４、第１の給水管１０、
第１の送水管１へ流れ、そして第１の分岐管２、
第１の散水ノズル３を通つて第１の散水口５より
路面４上に散水し第１の散水口５の周囲を融雪す
る。次にタイマー装置１７に設定された時間に至
ると第１の電動開閉弁１１は閉成し、一方第２の
電動開閉弁１３が開成し、このため水中ポンプ１
６から送り込まれる水は第２の送水管６へ送水さ
れ、そして第２の散水ノズル９を通つて第２の散
水口８より道路上に散水し、第１の散水ノズル３
の間に位置する第２の散水ノズル９の周囲を融雪
する。この第２の散水ノズル９の周囲は第１の散
水ノズル３の周囲間の位置である。このようにし
て第１及び第２の散水ノズル３，９から適宜時間
毎に交互に散水し路面４上の雪を融雪する。この
際、第１及び第２の散水ノズル３，９は交互に並
んでいるものであるために、所定間隔毎に散水さ
れない箇所が生ずるが、第１及び第２の散水ノズ
ル３，９の間隔を適当に設定し、また切換え時間
を適当にすると雪が積りそうになつた箇所にも散
水されることになり、均一に融雪できる。

以上のように、平行な第１及び第２の送水管
１，６に各々第１及び第２の散水ノズル３，９を
設けると共に、これら第１及び第２の散水ノズル
３，９を１個ずつ交互に配設し、かつ前記第１及
び第２の送水管１，６へ適宜時間毎に交互に送水
する送水制御部１８を設け、位置的に交互に並ん
だ散水域で時間的にも交互に散水するので、散水
量を節約して融雪でき、散水用水を有効利用でき
る。それにもかかわらず、局部的な積雪箇所の発
生の虞れはなく均一な融雪が可能となる。

さらに第１及び第２の散水ノズル３，９は第１
及び第２の分岐管２，７を介して各々第１及び第
２の送水管１，６に直結するものであるため損失
水頭が小さく、このため第１及び第２の電動開閉
弁１１，１３の切換え後においてもすぐに第１及
び第２の送水管１，６の端部寄りでは所定の水圧
に達し、短時間で定常状態に散水できる。

第３図は駐車場などの場合を示した第２実施例
を示しており、２１，２２は路面２３に並列に固
定した第１及び第２の送水管であつて、これら第
１及び第２の送水管２１，２２はそれぞれ複数の
第１及び第２の散水ノズル２４，２５を装着す
る。これら第１の散水ノズル２４と第２の散水ノ
ズル２４，２５とは、送水管２１，２２の軸方向
において１つおきに交互に並んでいる。また前記
第１及び第２の送水管２１，２２には第１及び第
２の給水管２６，２７を接続するとともに電動３
方弁２８に接続し、そして前記電動３方弁２８に
は河川から採取しフイルターによつて濾過した水
を給水する。

２９は前記電動３方弁２８に接続し適宜時間毎
に開閉を切換えるタイマー装置であり、前記電動
３方弁２８とともに送水制御部３０を構成するも
のである。

したがつて、電動３方弁２８を第１の送水管２
１に連通すると第１の散水ノズル２４より散水
し、一方電動３方弁２８を第２の送水管２２に連
通すると第２の散水ノズル２５より散水し、残雪
なく均一に融雪できる。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、例えば並列に設ける送水管を３本以上にし
たり、また開閉弁を空気圧駆動式とするなど種々
の変形が可能である。

［考案の効果］ 本考案によれば、路面に複数の送水管を互いに
平行に埋設し、これら各送水管には散水制御部に
より選択的にかつ各送水管で互いに時間をずらし
て繰り返し送水するようにするとともに、各送水
管にそれぞれその軸方向に並べて複数ずつ散水ノ
ズルを設け、これら各送水管の散水ノズルは、送
水管の軸方向において、互いに位置をずらして均
等に分布させたので、道路、駐車場などを残雪な
く均一に、しかも散水量を節約して融雪すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例を示す斜視図、第２図は同
平面図、第３図は第２実施例を示す一部切欠き斜
視図である。 １，６……送水管、３，９……散水ノズル、４
……路面、１８……送水制御部、２１，２２……
送水管、２３……路面、２４，２５……散水ノズ
ル、３０……送水制御部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向を互いに平行にして並べて路面に埋設し
   た複数の送水管と、これら各送水管に選択的にか
   つ各送水管で互いに時間をずらして繰り返し送水
   する送水制御部と、前記各送水管にそれぞれその
   軸方向に並べて複数ずつ設けられた散水ノズルと
   を具備し、前記各送水管の散水ノズルは、送水管
   の軸方向において、互いに位置をずらして均等に
   分布させたことを特徴とする散水融雪装置。