JPH0525820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のアクスルシヤフトを引抜く
アクスルシヤフト抜取具に関するものである。

（従来技術） 一般に、自動車の整備の際にアクスルシヤフト
を抜取るために、従来ではアクスルシヤフトの頭
部を大きなハンマーで強打してその反動でアクス
ルシヤフトを引抜いていた。しかし、このような
方法ではアクスルシヤフトの頭部に打傷がつく上
にアクスルシヤフトの高周波焼入れ部にも傷がつ
く恐れがあり、その傷の有無を検査するためにカ
ラーチエツクが必要であり、また大きなハンマー
を振回すのに大きな労力と時間を必要とする欠点
があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、大きなハンマーを振回す必要
がなく、従つて大きな労力と時間を必要とするこ
となくアクスルシヤフトを短時間に高い作業性で
抜取ることができるアクスルシヤフト抜取具を提
供することにある。

（考案の構成） 本考案のアクスルシヤフト抜取具は、引抜くべ
きアクスルシヤフトの頭部の縁の内面に係合する
エツジを有する半円形湾曲部から成る頭部係合部
と、この頭部係合部の両側面に枢支ピンによつて
結合されデスクホイールに係止される１対の脚部
と、頭部係合部から一体に延び枢支ピンを支点と
して頭部係合部をアクスルシヤフトが引抜かれる
ように揺動するハンドルとを備え、脚部はその長
さを調整することができるねじ調整手段を有する
ことを特徴としている。

このようにすると、アクスルシヤフトはその頭
部の縁の内面に抜取具の半円形湾曲部のエツジを
係合し脚部をデスクホイールに係止して手でハン
ドルを回すことによつて枢支ピンを支点とするて
こ運動によつてアクスルシヤフトを傷付けること
なる抜取ることができるが、頭部係合部は１対の
脚部によつてデスクホイールに係止されて支持さ
れるので、アクスルシヤフトの抜取り動作中抜取
具が横に倒れることがなく、安定した動作で効率
よく作業することができる。

特に、抜取具がアクスルシヤフトの頭部の縁の
内面に係合する部分は、半円形湾曲部のエツジで
あるので、ハブに密接しているアクスルシヤフト
の頭部の内面に食込ませて抜取具を確実にエクス
ルシヤフトの頭部の内面に係合することができ、
また脚部はねじ調整手段によつてその長さを調整
することができるので、アクスルシヤフトとデス
クホイールとの間の寸法が異なつても脚部を確実
にデスクホイールに着座（係止）することがで
き、従つてアクスルシヤフトを容易に抜取ること
ができる。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
ると、第１図は本考案に係るアクスルシヤフト抜
取具１０を示し、このアクスルシヤフト抜取具１
０は、引抜くべきアクスルシヤフト１２の頭部１
２ａに係合する頭部係合部１４と、この頭部係合
部１４に所定位置に固定することができるがこの
固定を解いて枢動することができるように頭部係
合部１４の両側面に枢支ピン１９，１９′によつ
て結合されてデスクホイール１６に係止される１
対の脚部１８，１８′と、頭部係合部１４から一
体に延び脚部１８，１８′を支点として頭部係合
部１４をアクスルシヤフト１２が引抜かれるよう
に揺動するハンドル２０とを備えている。

頭部係合部１４は、第２図に示すように、アク
スルシヤフト１２の頭部１２ａの縁の内面に係合
するエツジ２２ａ（第４図参照）を有する半円形
湾曲部２２から成つており、従つて抜取具１０は
全体的にスパナ状をなしている。

また、１対の脚部１８，１８′は、その長さを
調整することができるねじ調整手段２４を有す
る。このねじ調整手段２４は、第３図に示すよう
に、下端ねじ孔１８ａ，１８′ａを有する上部脚
部分１８Ａ，１８′Ａと、この下端ねじ孔１８ａ，
１８′ａに螺入されるねじ１８ｂ，１８′ｂを有す
る下部脚部分１８Ｂ，１８′Ｂとから成つており、
自動車の大きさによつてアクスルシヤフト１２か
らデスクホイール１６までの寸法に対応すること
ができるようにしている。尚、このねじ調整手段
２４は、上下の脚部分１８Ａ，１８′Ａ，１８Ｂ，
１８′Ｂを固定するロツクナツト１８Ｃ，１８′Ｃ
を有する。

次に、本考案のアクスルシヤフト抜取具１０の
使用状態をのべると、アクスルシヤフト１２を引
抜く際には、第５図に示すように、半円形湾曲２
２のエツジ２２ａをハブ１３とアクスルシヤフト
１２の頭部１２ａとの間に食込ませてエツジ２２
ａをアクスルシヤフト１２の頭部１２ａの縁の内
面に係合させ、脚部１８，１８′の長さをねじ調
整手段２４によつて調整しながら、第２図に示す
ように、デスクホイール１６に着座（係止）す
る。この状態で、ハンドル２０を脚部１８，１
８′の枢支ピン１９，１９′を支点として手で揺動
しててこ運動することによつてアクスルシヤフト
１２を抜取ることができる。

特に、この場合、抜取具１０は、頭部係合部１
４の両側面に枢支ピン１９，１９′によつてデス
クホイール１６に支持されるので、抜取具１０の
頭部係合部１４の動作中に頭部係合部１４が横に
倒れることがなく、従つて抜取具１０を安定して
操作してアクスルシヤフトを抜取ることができ
る。

（考案の効果） 本考案によれば、上記のように、アクスルシヤ
フトはその頭部に抜取具の頭部係合部を係合し脚
部をデスクホイールに係止して手でハンドルを回
すだけで容易に抜取ることができ、従つてアクス
ルシヤフトを傷つけることなく小さな労力で高い
作業性を抜取ることができる実益がある。

また、抜取具がアクスルシヤフトの頭部に係合
する部分は、半円形湾曲部のエツジから成つてい
るので、ハブに密着するアクスルシヤフトの頭部
とハブとの間に食込んで頭部係合部をアクスルシ
ヤフトの頭部に容易に係合させることができ、更
に、脚部は、ねじ調整手段によつて無段階に長さ
を調整することができるから、アクスルシヤフト
の頭部からデスクホイールまでの種々の寸法に対
応して脚部をデスクホイールに確実に着座するこ
とができる。

特に、頭部係合部は、１対の脚部によつてデス
クホイールに支持されるので、その動作中に横に
倒れることがなく、アクスルシヤフトを安定して
抜取ることができる。

尚、脚部のねじ調整手段は、頭部係合部の支点
である枢支ピンよりも固定位置側に設けられてい
るので、頭部係合部のてこ運動はねじ調整手段に
よる調整に拘らず常に一定のストロークで安定し
て行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアクスルシヤフト抜取具
の斜視図、第２図は本考案のアクスルシヤフト抜
取具の使用状態の正面図、第３図は本考案に用い
られる１対の脚部の一方の脚部の拡大断面図、第
４図は本考案に用いられる頭部係合部の半円形湾
曲部の拡大斜視図、第５図は本考案のアクスルシ
ヤフト抜取具のエツジがアクスルシヤフトの頭部
とハブとの間に食込む状態を示す説明図である。 １０……アクスルシヤフト抜取具、１２……ア
クスルシヤフト、１２ａ……頭部、１３……ハ
ブ、１４……頭部係合部、１６……デスクホイー
ル、１８，１８′……脚部、１８Ａ，１８′Ａ……
上部脚部分、１８ａ，１８′ａ……下端ねじ孔、
１８Ｂ，１８′Ｂ……下部脚部分、１８ｂ，１
８′ｂ……ねじ、１８Ｃ，１８′Ｃ……ロツクナツ
ト、１９，１９′……枢支ピン、２０……ハンド
ル、２２……半円形湾曲部、２２ａ……エツジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引抜くべきアクスルシヤフトの頭部の縁の内面
   に係合するエツジを有する半円形湾曲部から成る
   頭部係合部と、前記頭部係合部の両側面に枢支ピ
   ンによつて結合されデスクホイールに係止される
   １対の脚部と、前記頭部係合部から一体に延び前
   記枢支ピンを支点として前記頭部係合部を前記ア
   クスルシヤフトが引抜かれるように揺動するハン
   ドルとを備え、前記脚部はその長さを調整するこ
   とができるねじ調整手段を有することを特徴とす
   るアクスルシヤフト抜取具。