JPH05256951A - 半導体検出器の信号をデジタル処理する回路装置 - Google Patents

半導体検出器の信号をデジタル処理する回路装置

Info

Publication number
JPH05256951A
JPH05256951A JP4325742A JP32574292A JPH05256951A JP H05256951 A JPH05256951 A JP H05256951A JP 4325742 A JP4325742 A JP 4325742A JP 32574292 A JP32574292 A JP 32574292A JP H05256951 A JPH05256951 A JP H05256951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
module
input
time
charge
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4325742A
Other languages
English (en)
Inventor
Juergen Stein
ユルゲン・シユタイン
Andrey Georgiev
アンドレイ・ゲオルギエフ
Andree Buechner
アンドレ・ビユヒナー
Werner Gast
ウエルナー・ガスト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Forschungszentrum Juelich GmbH
Forschungszentrum Dresden Rossendorf eV
Original Assignee
Forschungszentrum Juelich GmbH
Forschungszentrum Dresden Rossendorf eV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE4226175A external-priority patent/DE4226175C2/de
Application filed by Forschungszentrum Juelich GmbH, Forschungszentrum Dresden Rossendorf eV filed Critical Forschungszentrum Juelich GmbH
Publication of JPH05256951A publication Critical patent/JPH05256951A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/24Measuring radiation intensity with semiconductor detectors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/17Circuit arrangements not adapted to a particular type of detector
    • G01T1/171Compensation of dead-time counting losses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾道不足と電荷担体の捕獲・効果による測定
パルス振幅の低減を改善し、高計数速度と温度・経時安
定性を保証する、半導体検出器からの出力信号をデジタ
ル処理する回路装置を提供する。 【構成】 低域濾波器A8を経由して入力した測定アナ
ログ入力信号Eをアナログ・デジタル変換器A1に導入
してデジタル化し、測定窓を移動させて畳み込みを行う
モジュールA3により、所定測定窓にわたって平均化を
行うが、その際、平均化モジュールA4と移動する平均
化モジュールA5による値の差を減算器A6で形成す
る。入力信号Eに応じて制御モジュールA2が両方の平
均処理を制御し、処理された値はレジスタA7に中間保
存される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体輻射線検出器
に後続し、RC帰還部を有する電荷に敏感な前置増幅器
から入力された入力信号をデジタル処理して、個別事象
によってこの検出器中に生ずる全電荷を求めるために使
用される回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体検出器の信号は高分解能分光分析
系中で演算処理される。この分析系は輻射量子(X線、
ガンマ線、荷電粒子)のエネルギをできる限り正確に測
定すること、およびできる限り高入射線量で求めること
に関して最適にされている。ガンマ線分光では、例えば
そこで使用するガンマ線検出器が高い分解能(約 0.1
%)であるため、アナログ検出信号が約 70 dBの範囲に
わたって 0.02 %より良好な非線形積分特性と 0.3%よ
り良好な非線形微分特性で分光を行う必要がある。この
場合、得られている入射線量は一秒当たり 104〜 105
である。
【0003】半導体分光計の応用分野は非常に広く、環
境保護、医薬や材料研究の測定系から核物理学や宇宙基
礎研究の大規模実験プロジェクトにまで及ぶ。半導体分
光計の信号を演算処理する通常の方法では、今まで、ア
ナログパルス増幅器(分光増幅器SV )を高分解能アナ
ログ・デジタル変換器(ADC)と共に使用している。
分光増幅器では、入射線量とS/N比を最適にして、振
幅が半導体検出器中で生じる電荷にできる限り正確に一
致する出力信号を発生させる目的で初段増幅器の信号の
パルス整形を行っている。更に、SVには零点安定化
(ベースラインの修復)とパルス増加を除去する(重な
りを除去する)ための通常の回路が設けてある。分光増
幅器の出力信号はデジタル化用のADCに導入される。
このADCには、先端値検出器と延長器および線形ゲー
トの外に、変換時間の間信号振幅を一定にするため、振
幅・時間変換器とそれに続く時間・デジタル値変換器
(ウィルキンソンADC; Wilkinson ADC)がある。
【0004】この通常の信号処理法には、多くの難点が
ある。すなわち、「弾道不足(ballistic deficit)」と
「電荷の捕獲(charge trapping)」効果による半導体分
光計の有効分解能の低下、パルス増加とADCの変換時
間が長いため最大入射線量が制限されること、および温
度変動に対する感度が高いこと、各信号処理チャンネル
に使用されている同類の部品が多いため長時間安定性が
不足することである。
【0005】「弾道不足」効果は、電荷積算期間にわた
る検出信号の電荷分布の相違に起因し、前置増幅器の出
力信号の立ち上がりエッジの種々の形状と立ち上がり時
間となって現れる。後続するSV中のパルス整形回路の
装置側で一定に設定されている伝達関数は、この相違を
不完全にしか計算せず、パルス振幅の変動にある上記相
違を小さい値の方向に向けて変換する。パルス振幅の上
記減少は「弾道不足」と称されている。つい最近では、
アナログ回路に基づく種々の方法が、そのような効果お
よび「電荷担体の捕獲(charge carrier trapping)」効
果に起因するパルス振幅の不足を修正するため開発され
ている(F. S. Goulding and D. A. Landis, IEEE 35
(1988) 119; M. L. Simpson et al., IEEE 36 (1989) 2
60; S. M.Hishaw and D. A. Landis, IEEE 37 (1990) 3
74) 。これ等のうち最も流布している方法は、Goulding
-Landis の方法である。この方法は、パルス整形後のパ
ルス最大値の異なった時間的なずれに基づき補正係数を
求めている。この方法はエネルギ分解能に多少の改善を
与えるが、結果に必ず明確なエネルギ依存性を与え、
「小数担体の捕獲」効果を計算に入れる状態になってい
ない。
【0006】分光分析計の入射線量を最適にするため、
二つの方向で努力が成されている。つまり、一方でアナ
ログ分光増幅器の不感時間を低減し、他方でアナログ・
デジタル変換器の変換時間を最小にすることである。
【0007】アナログ信号処理の不感時間を低減するに
は、接続された積分器(ゲート積分器;GI)が挿入さ
れている。このGIでは、比較的短い時定数のパルス整
形回路に接続された積分器が続いている。この方法で、
計数速度が早い場合、SVの特性が改善されるが、一般
的に幾分低下したエネルギ分解能となる代償を払うこと
になる。
【0008】Wilkinson 法 (D. Wilkinson, Proc. Camb
r. Soc. 46 (1950) 508)を二進平衡法(逐次近似)に置
き換えて(P. Casoli and P. Maranosi, Nucl. Instr.
Math. 166 (1979) 299),ADCの変換時間を低減してい
る。しかし、この方法にはかなりの非線形微分特性があ
るので、この方法をスライドチャンネル位置の方法(ス
ライディング・スケール, sliding scale)により補う必
要がある(E. Gatti,Nucl. Instr. Math. 24 (1963) 24
1) 。組み合わせたこの方法は著しく短い変換時間をも
たらすが、それ以外に若干の取扱の難しさがつきまと
う。即ち、一方で、Wilkinson の方法のように、変換の
時間間隔の間パルス振幅を固定するため、ここでも先端
値検出器と延長器および線形ゲートのようなアナログ回
路を頼りにし、更にこのような回路と共に計数速度や温
度変動等に対して敏感であるような固有な難点に直面す
る。他方で、原理的に平均化プロセスである移動チャン
ネル位置の方法の利点は、測定値が充分統計処理されて
いる場合には、完全に効力を発揮する。つまり、この方
法は個別測定では望ましくないチャンネルプロファイル
のため役に立たない。
【0009】一般的に、今日使用され、上に議論した半
導体検出信号の演算処理方法は実際上かなりの温度不安
定性と経時不安定性を有する。これ等は分解能や積分直
線性のような系の重要なパラメータに悪影響を与える。
これは、とりわけ、通常の分光分析系で使用されている
ような、多数の電子部品とその外乱に対する敏感さに帰
される。
【0010】つい最近では、更に接続された積分器とA
DCを早いデジタル化装置(フラッシュADC)に置き
換えて、分光計の系を安定化する問題に取り組む試みが
既になされている。これ等の方法では、アナログパルス
を整形した後に信号波形のデジタル化が行われる。それ
故、これ等の方法は「弾道不足および担体捕獲による不
足」に結びつく問題を不充分にしか計算できない。何故
なら、これ等の問題は、アナログパルス整形に起因する
からである。更に、これ等の方法は新しい特別な「弾道
不足」の問題を含み、その原因がサンプリング・ラスタ
ーに対するパルスの最大値の時間的な非相関位置に起因
する。従って、この方法は、目下のところ、最大エネル
ギ分解能を必要としないような場合にのみ使用される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】それ故、この前提条件
を考慮して、この発明の課題は下記の特性、 a) 「弾道不足」と「電荷担体の捕獲」の効果の改善さ
れた抑制、 b) 特に達成可能な最大エネルギ分解能に関して良好な
計数速度特性、 c) 温度安定性と経時安定性、 を有する、荷電に敏感な前置増幅器を有する半導体検出
器からの信号をデジタル処理する回路装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、輻射事象によって検出器中に生じる全電荷を測
定するためにあり、この検出器の後に電荷に敏感な前置
増幅器が続き、この前置増幅器の出力端が回路装置の入
力端(E)に接続し、 a) 前置増幅器の信号をサンプリングしてデジタル化す
る急速アナログ・デジタル変換器(ADC)−(A1)
と、 b) 処理すべき信号の入力を検証し必要な全ての制御信
号を準備する時間判別および制御ユニット(A2)、 を有する半導体検出器の信号をデジタル処理するための
回路装置の場合、輻射量子の全電荷を表し、入力信号中
で通常完全に規定される前置増幅器の伝達関数で畳み込
んだ輻射事象の電荷分布関数をL個の時間窓にわたって
数値的な畳み込みのL個の結果から、その都度輻射事象
の電荷分布を完全に覆う入力信号を与える値と、測定し
た電荷に対する階段状雑音のその時の電荷の寄与を与
え、入力信号中で通常完全に規定される前置増幅器の伝
達関数で畳み込んだ輻射事象の電荷分布関数をN個の時
間窓にわたって数値的な畳み込みのN個の結果から、輻
射事象に帰せない電荷を含む入力信号を与える値と、の
間の差を形成して、最終結果、つまり個々の輻射量子に
よって半導体検出器中に生じる全電荷量を計算し、その
場合、 a) デジタル入力信号(E)で通常完全に規定される前
置増幅器の伝達関数で畳み込んだ輻射事象あるいは階段
状雑音の当該離散電荷分布関数をM個のサンプリング間
隔の幅の時間窓にわたって数値的に畳み込むため、そし
て同時に時間窓を入力信号のサンプリング値にわたって
移動させ、その結果、新しい結果の各々が時間窓を一サ
ンプリング間隔ほど前のものに対して移動する新しい結
果の各々が生じることによってサンプリング期間の間隔
で連続する畳み込みの一連の結果を発生させるために、
移動する畳み込み用のモジュールと見なせ、入力端をA
DCの出力端に接続するモジュール(MWD)−(A
3)を使用し、 b) 事象の全電荷をその都度完全に含み、MWDモジュ
ールから形成される一連の畳み込み結果であるL個の結
果に基づき、輻射事象の全電荷を表す値を求めるため
に、入力端がMWDモジュールの出力端に接続する他の
モジュール(A4)を使用し、 c) 輻射事象に帰せない電荷を含み、MWDモジュール
から形成される一連の畳み込み結果であるN個の結果に
基づき、その時の階段状雑音の寄与を求めるために、入
力端がMWDモジュールの出力端に接続する他のモジュ
ール(A5)を使用し、 d) 事象の全電荷を表す値から階段状雑音のその時の寄
与を引き算して最終結果を算出するために、前記のモジ
ュールに関係している他のモジュール(A6)を使用
し、そして、数M、つまりデジタル入力信号(E)で通
常完全に規定される前置増幅器の伝達関数で畳み込んだ
輻射事象あるいは階段状雑音の当該離散電荷分布関数の
数値的な畳み込みを行うサンプリング間隔の単位の窓の
幅が、電荷の発生が行われる最大時間間隔よりL個のサ
ンプリング間隔ほど大きい、つまり最大電荷補集時間よ
りL個のサンプリング間隔ほど大きく、しかも数NがL
に等しいかあるいはLより大きい、ことによって解決さ
れている。
【0013】この発明による他の有利な構成は、特許請
求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0014】
【作用】半導体検出器では、各輻射事象が吸収されたエ
ネルギに相当する電荷量を与える。この電荷量は接続さ
れた荷電に敏感な前置増幅器中で集められ、この増幅器
の出力端に階段状の立ち上がりエッジの信号を発生す
る。放電は一般に高抵抗を介して行われ、特にここで考
慮する高入射線量の系では、同時に良好なエネルギの分
解能で行われる。その結果、信号の階段状の立ち上がり
には指数関数的な減少が続く。この時定数は立ち上がり
時間に比べて非常に長い。数学的には、前置増幅器の出
力信号UP (t) は、電荷分布関数 g(t) と前置増幅器の
伝達関数 f(t) の間の畳み込みと見なされる。即ち、
【0015】
【外1】 電荷の補集が瞬間的に行われる場合には、 g(t) をδ関
数で表せる。従って、式(1)は、
【0016】
【外2】 とできる。ここで、Gは吸収されたエネルギに比例する
全電荷である。通常のアナログパルス整形では、この条
件が満たされている、あるいは電荷補集時間がパルス整
形の時定数に比べて少なくとも非常に短いことが前提に
成っている。しかし、計数速度が早い、即ち比較的短い
パルス整形の時定数で使用される大容積の同軸ゲルマニ
ューム検出器では、このような状況にならない。有限な
電荷補集時間では最早適当でないパスル整形は、パルス
振幅の低下、つまり既に述べた「弾道不足」効果とな
る。
【0017】この発明の回路装置は、信号処理の第一段
階として、式 (1)で示す前置増幅器中の電荷分布と前置
増幅器の伝達関数の畳み込みを取り消し、つまり畳み込
みによって検出器の初めの電荷分布を修復する問題を解
決するので、輻射事象の全電荷の理想的な衝動的測定を
行うことができる。
【0018】このような畳み込みをアナログ信号処理手
段で実行するのは実際上不可能である。それ故、半導体
検出器の信号は電荷に敏感な前置増幅器の直後で早いA
DCによりサンプリングされ、デジタル化される。この
時、他の全ての処理はデジタル的な状況で行われる。前
置増幅器のデジタル化された信号の離散値に対して、畳
み込み積分は、式 (1)から和、
【0019】
【外3】 となる。ここで、 ts はサンプリング間隔、つまり信号
P (t) の二つの隣接するサンプリング時点の間の時間
的な間隔を表す。 ts で規格化された時間軸に対して、
式 (3)は、
【0020】
【外4】 となる。離散的な電荷分布関数 g(j) の畳み込み、つま
り g(i) による一般形のこの等式系の解は、相当な計算
経費をかけることなく実現させることはできない。しか
し、若干の事情が処理をリアルタイムで可能にするほど
計算法を非常に単純化する。第一に、畳み込み処理を幅
Mの窓、つまりサンプリング期間の間隔tS で連続する
M個のサンプリング値に制限するので、式 (4)の項数は
Mに制限される。このことは、時間間隔MtS が予想さ
れる最大電荷補集時間より長い限り、全電荷に対して計
算すべき結果に影響を与えない。第二に、輻射線事象の
エネルギを求めるため、全電荷を求めるのことで充分で
ある。電荷補集の実際の時間経過の詳細な知識、つまり
電荷分布関数 g(j) の形は不要である。そして、第三
に、前置増幅器の伝達関数 f(i) が特に非常によく知ら
れていて、数学的に容易に記載できる。放電が抵抗を介
して行われる前置増幅器の場合には、この関数は簡単な
指数関数になる。
【0021】上記の三つの事情は、等式系 (4)を簡単な
循環公式で解くことを可能にする。つまり、
【0022】
【外5】 ここで、k = exp−(tsRC),一つのサンプリング期間
の間の前置増幅器の伝達関数の減衰定数である。時点i
=Mでは、捕集された電荷Gi はGM になる。そして、
0〜Mts の時間間隔で積算された全電荷に等しい。循
環公式 (5)には二つの重要な特性がある。即ち、(i) 最
終結果GM はM個の連続ステップの後に生じる。その場
合、各ステップ毎では、一回の乗算・加算と一回の加算
のみを行う必要がある。各ステップは入力デジタル化装
置からの新しいサンプリング値に対応する。つまり循環
がリアルタイムで行われる。 (ii) 循環はMで予め指定
される範囲にわたって容易に拡張できる。つまり、
【0023】
【外6】 即ち、一回のステップ当たりただ一回の他の操作(引き
算)のみを入れて、新しい窓の中で畳み込みが行われ
る。等式 (6)のパラメータLは任意の数であってよいと
言う事実から、畳み込みの過程は連続的に、換言すれば
「滑らせて」行われることになる。それ故、この方法は
移動する畳み込み(移動する窓の畳み込み;moving win
dow deconvolution) と称される。
【0024】この発明の回路装置では、上記の方法が入
力デジタル化装置の全てのサンプリング値に使用され
る。即ち、新しいサンプリング値の各々を用いて、実際
の畳み込み窓の中にある電荷量の新しい測定が実行され
る。最終結果、つまり個々の輻射量子によって半導体検
出器に生じる電荷の全量は、当該輻射事象に起因する全
電荷量の測定から求まる測定値と、階段状雑音(ステッ
プノイズ; step noise)のその時の寄与による測定値の
間の差を形成して求まる。その場合、全電荷の測定値は
連続するL個の時間窓での畳み込みのL個の結果に基づ
き求まる。これ等の窓はそれぞれ輻射線事象を記述する
全電荷の時間分布を完全に覆う。階段状雑音の寄与は、
何らかの輻射量子の寄与のない実際のN個の時間窓での
畳み込みのN個の結果により生じる。
【0025】それぞれ一サンプリング期間ほど互いにず
れた一つの幅がM個のサンプリング期間の時間窓で連続
的に畳み込みを行うため、従って、一サンプリング間隔
の間で連続する一連の畳み込み結果を発生させるため、
移動する折り畳み(移動する窓の畳み込み器;MWD)
のモジュールが使用され、このモジュールはADCの出
力端に接続する。このモジュールは上に説明した方法を
直接具現化するものである。
【0026】放射線事象の全電荷を表す値を求めるため
に、入力端がMWDモジュールの出力端に接続するモジ
ュールが利用される。その場合、このモジュールはそれ
ぞれL個の連続値を処理し、それ等の値の各々は輻射量
子によって生じる全電荷を完全に再現する。対応する値
はMWDモジュールが発生する移動する畳み込みによる
結果のデータの流れから読み取れる。
【0027】MWDモジュールに後続するモジュールは
階段状雑音のその時の寄与を出力する。このモジュール
は、何らかの輻射量子の寄与を含まないN個の実際の畳
み込みの結果を処理する。これ等の結果は当該輻射事象
の前あるいは後にMWDモジュールから出て往く。
【0028】個々の事象によって生じる全電荷を表す最
終結果は、適当な方法で接続する前記モジュールによっ
て得られる。このモジュールは各輻射量子の全電荷を再
現する測定値から階段状雑音のその時の寄与を引き算す
る。
【0029】上記の説明では、Mは畳み込みを行うサン
プリング間隔の単位で時間窓の幅を表したものである。
この幅は個々の輻射量子による電荷を与える最大時間間
隔よりLサンプリング間隔ほど大きい。数NはLに等し
いか、あるいはそれよりも大きい。
【0030】モジュールをこの発明の請求項1の移動す
る畳み込み(MWD)を行うモジュールを形成するた
め、請求項2に述べた慣用の電子部品素子あるいは対応
する信号処理器(デジタル信号プロセッサ;digital si
gnal processor:DSP) の処理素子を使用すると合理
的である。詳しくは、これ等はM段デジタル遅延ユニッ
ト、減算器、一段遅延ユニット、加算器および一定の乗
算係数を有するマルチプレクサである。遅延Mは畳み込
みを行う窓の幅を規定する。遅延Mは接続されている半
導体検出器の最大電荷補集時間より長い。定数Kは前置
増幅器の減衰時定数とサンプリング間隔の長さによって
決まる。
【0031】MWDモジュールの入力端は、減算器の正
の入力端とM段遅延ユニットを介して前記減算器の負の
入力端に接続している。減算器の出力端は、一段遅延ユ
ニットを経由して加算器の第一入力端に通じている。こ
の出力端は、他の一段遅延ユニットを介してその第二入
力端に帰還され、マルチプレクサを介して出力加算器の
第一入力端に通じる。第二入力端は減算器の出力端に接
続する。
【0032】請求項1による輻射量子の全電荷を表す値
を求める回路装置としては、請求項3の構成を有する平
均値形成モジュール(AU)が使用される。この発明の
請求項3により平均値形成モジュール(AU)を形成す
るには、請求項4に述べる慣用の電子部品素子あるいは
対応するDSPプロセス素子を使用すると合理的であ
る。詳しくは、それ等は積算器、レジスタおよび一定の
乗算係数 1/Lを有するマルチプレクサである。定数L
は、この場合、平均値を形成する値の数に相当する。
【0033】AUモジュールの入力端は積算器の入力端
である。積算器の出力端はマルチプレクサを介して出力
レジスタの入力端に接続する。積算器のクロック入力端
は同時にAUモジュールのクロック入力端である。積算
器のリセット入力端と出力レジスタのクロック入力端は
AUモジュールの時間切換制御入力端に接続する。
【0034】請求項1のその時の階段状雑音の寄与を求
める回路装置としては、請求項5の特徴構成を有する移
動する平均値形成モジュール(MAU)を使用する。こ
の発明の請求項5による移動する平均値形成モジュール
(MAU)を形成するため、請求項6に記載する慣用の
電子部品素子あるいは対応するDPSプロセス素子を使
用すると合理的である。詳しくは、これ等は積算器、N
個の記憶箇所を有するFIFO記憶器(First-In-First
-Out),減算器および一定の乗算係数1/Nを有するマルチ
プレクサである。この定数Nは平均値を形成する値の数
に相当する。
【0035】MAUモジュールの入力端は、減算器の正
の入力端に直接、またFIFO記憶器を介して間接的に
減算器の負の入力端に接続する。減算器の出力端はマル
チプレクサを経由して積算器の入力端に通じる。積算器
のクロック入力端とFIFO記憶器のクロック入力端は
MAUモジュールのクロック入力端に接続する。
【0036】請求項1による最終結果を計算する回路素
子としては、請求項7に規定する減算器を使用すると合
理的である。減算器の入力端はAUまたはMAUモジュ
ールの出力端に接続している。この減算器はMAUモジ
ュールの計算する階段状雑音のその時の平均値を、各輻
射量子の全電荷を含み、AUモジュールが出力する平均
値から引き算する。減算器には、他のデータ検出のため
の結果を中間記憶するレジスタが後続する。
【0037】請求項1によるエイリアシング(Aliasin
g) 効果を除去する回路装置としては、請求項8に規定
する低域濾波器を使用すると合理的である。この濾波器
はデルタ雑音の高周波成分によるエイリアシング効果を
除去し、必要な場合、前置増幅器とADCを接続する。
【0038】
【実施例】以下では、添付図面を参照しながら好適実施
例に基づき、この発明をより詳しく説明する。
【0039】図1から判るように、検出信号Eは低域濾
波器(A8)を経由して早いADC(A1)に導入さ
れ、そこでサンプリングされ、デジタル化される。形成
されたデータの流れは、或るサンプリング間隔で連続す
るサンプリング値から合成されるが、移動する畳み込み
MWDモジュール(A3)に導入される。このMWDモ
ジュール(A3)は、前記データの流れで前置増幅器の
伝達関数と共に畳み込まれた(convoluted) 検出器信号
の電荷分布、あるいはM個の実際の入力値の畳み込みを
連続的に実行する。その結果、新しい入力値のそれぞれ
に対して新しい結果を得る。即ち、MWDモジュール
(A3)は入力データの流れを新しいデータの流れに変
換する。この新しいデータの流れは、同じ間隔のサンプ
リング間隔で連続する畳み込み結果から合成される。
【0040】入力信号で前置増幅器の伝達関数により畳
み込む検出信号の電荷分布の移動する畳み込みを行う窓
が個々の輻射量子によって生じる電荷分布の全てを覆う
と、畳み込みの結果が必ずこの事象に起因する全電荷を
表す。そして、この畳み込みは窓の全ての範囲にわたっ
て行われるので、結果は窓の中の実際の電荷分布にも依
存しない。即ち、理想的な衝動的測定が行われる。
【0041】窓の幅Mは輻射量子の全電荷の最大時間分
布よりL個のサンプリング間隔ほど長いように選択され
る。その結果、畳み込み処理のL個の連続する結果が事
象の全電荷を表す。これ等の結果は事象の電荷に密接に
関連しているが、統計雑音、つまり連続する雑音あるい
はデルタ雑音に関しては余り関係してない。それ故、こ
れ等のL個の連続する結果の平均値は全電荷の値を与え
る。この電荷のS/N比は実行する個別計算の回数Lと
共に増加する。平均値形成モジュールAU(A4)の役
目は、前記平均を畳み込みのL個の結果に対して実行
し、輻射量子の全電荷を表す値を出力することにある。
【0042】窓が輻射事象によって誘起される電荷のな
い時間範囲を覆うと、畳み込みの結果はこの時間窓の中
にある雑音電荷を表す。この雑音電荷は検出器の残留電
流、前置増幅器の入力電流等に起因し、並列雑音あるい
は階段状雑音と見なされる。輻射線事象に一切よらない
電荷を含む範囲にわたる畳み込みの全ての結果は上記の
雑音寄与を表す。従って、このようはN個の結果を平均
すると、階段状雑音の寄与の統計変動が係数√Nほど低
減できる。その場合、N個の畳み込み結果は必ずしも時
間的に直接連続した測定である必要はない。
【0043】例えば検出器の温度変化による比較的ゆっ
くりとした変動を階段状雑音の寄与に取り入れるため、
移動する平均値形成法が使用される。即ち、畳み込みの
N個の実際の結果だけをその都度平均値形成に使用し、
新しい値のそれぞれが階段雑音の新しい実際の寄与を供
給する。
【0044】従って、移動する平均値形成モジュールM
AU(A5)の役目は、輻射線事象の電荷を含まない畳
み込みの全ての結果を引き受け、新しい値を入れる毎
に、N個の実際の値に関して平均処理を実行することに
ある。
【0045】減算器(A6)は、MAUモジュール(A
5)が求めたように、階段状雑音のその時の平均寄与を
AUモジュール(A4)が出力し、当該輻射量子の全電
荷を表す平均値から引き算して最終結果を計算する。レ
ジスタ(A7)では、他のデータ処理結果が中間保存さ
れる。
【0046】必要な場合には、前置増幅器とADC(A
1)の間にデルタ雑音の高周波成分に対する対エイリア
シング濾波器としての低域濾波器(A8)を接続でき
る。こうして、サンプリング定理を満たすことが保証で
き、離散的なサンプリングによるデルタ状雑音および階
段状雑音の残留関数の不連続性を除去できる。
【0047】制御ユニットCU(A2)は新しい輻射線
事象の最初を検出し、MAUモジュール(A5)あるい
はAUモジュール(A4)および出力レジスタ(A7)
に必要な全ての監視・制御信号を発生する。制御ユニッ
トが新しい事象の最初を登録したら、直ちにMAUモジ
ュール(A5)を遮断する。最大電荷補集時間より長い
一定の時間間隔の後、この制御ユニット(A2)はL個
のサンプリング期間の時間間隔の間、AUモジュール
(A4)を開く。L個のサンプリング期間の直後、引き
算が行われ、最終結果が求まる。制御ユニット(A2)
はこの結果を出力レジスタ(A7)に保管し、処理を実
行するためMAUモジュール(A5)を開にする。途中
の時間で他の事象が登録された場合には、制御ユニット
(A2)がAUモジュール(A4)を遮断して、リセッ
トし、MAUモジュール(A5)の遮断を更にM個のサ
ンプリング間隔ほど延長する。正確に処理される二つの
事象の間の最小間隔は、Mサンプリング間隔になる。こ
の間隔が短くなると、第一の事象を消して第二の事象を
阻止する。つまり、両方の事象の何れも最終結果をもた
らさない。どんな場合でも、制御ユニット(A2)は必
要な制御信号を供給する。
【0048】以下では、上で説明した移動する畳み込み
モジュールMWD(A3),移動する平均値を形成する
モジュールMAU(A5)および平均値を形成するモジ
ュールAU(A4)に対して有利な回路構成を説明す
る。
【0049】図2に示すように、移動する畳み込みモジ
ュールMWD(A3)は、M段デジタル遅延ユニット
(B1)、減算器(B2)、加算器(B4)、一段デジ
タル遅延ユニット(B5)および一定の乗算係数Kを有
する乗算器(B6)である通常の回路部品あるいは対応
するDSP素子で構成されていて、図1の回路構成に基
づいて動作する。その場合、新しい結果の各々を前のも
のに対して一つのサンプリング間隔ほど時間窓を移動さ
せて形成し、デジタル入力信号(E)で通常完全に規定
される前置増幅器の伝達関数で畳み込んだ輻射事象ある
いは階段状雑音の当該離散電荷分布関数をM個のサンプ
リング間隔の時間窓にわたって畳み込んだ一連の結果を
数値計算する。
【0050】モジュールMWD(A3)の入力端が減算
器(B2)の正の入力端にも、またM段デジタル遅延ユ
ニット(B1)を介して減算器(B2)の負の入力端に
も接続している。ここで、Mは数値的な畳み込みを行う
窓の幅を表す。減算器(B2)の出力端は一段遅延ユニ
ット(B3)を介して加算器(B4)の入力端の一つに
導入され、加算器(B4)の出力端は再び第二の一段遅
延ユニット(B5)を介して加算器(B4)の他の入力
端に帰還され、また一定の乗算係数Kを有する乗算器
(B6)を介して出力積算器(B7)の入力端の一つに
接続し、出力積算器(B7)の第二入力端は減算器(B
4)の出力端に接続されている。その場合、定数Kは前
置増幅器の減衰時定数とADCのサンプリング速度によ
って指定される。
【0051】図3に示すように、移動する平均値を形成
するモジュールMAU(A5)は、N段 FIFO 記憶器
(C1)、減算器 (C2)、積算器(C4)および一定
の乗算係数 1/Nを有する乗算器(C3)である通常の回
路部品あるいはDSPプロセス素子で構成されている。
【0052】モジュールMAU(A5)の入力端は、減
算器 (C2)の正の入力端にも、また FIFO 記憶器(C
1)を介して負の入力端にも接続している。また、モジ
ュールMAU(A5)の出力が乗算係数 1/Nを有する乗
算器(C3)を介して積算器(C4)の入力端に導入さ
れ、この積算器(C4)の出力端が同時にモジュールM
AU(A5)の出力端となっている。そして、 FIFO 記
憶器(C1)と積算器(C4)に対して同一のクロック
周波数がモジュールMAU(A5)のクロク入力端
(C)を介して供給されている。その場合、Nはその時
の各平均値を形成するデータの数である。
【0053】図4に示すように、平均値を形成するモジ
ュールAU(A4)は、積算器(D1)、レジスタ(D
3)および定数 1/Lを有する乗算器(D2)である通常
の回路部品あるいはDSPプロセス素子で構成されてい
る。
【0054】モジュールAU(A4)のデータ入力端
(In) とクロック入力端 (C)は、それぞれ積算器
(D1)のデータ入力端とクロック入力端に、また積算
器(D1)のリセット入力端はモジュールの時間切換制
御入力端(T)に接続されている。積算器(D1)の出
力は定数 1/Lを有する乗算器(D2)を介してレジスタ
(D3)のデータ入力端に供給され、このレジスタ(D
3)のクロック入力端が再びモジュールAU(A4)の
時間切換制御入力端に接続している。この場合、Lは平
均を行う値の数である、図1の回路装置は「弾道不足」
と「電荷担体の捕獲」効果を顕著に抑制する。これは、
分光増幅器(SV)と、最近の半導体分光計の系で代表
的に使用されているような、準ガウス・パルス整形器と
を比較して示されている。この比較は、準ガウス・パル
ス整形が最近の慣用される他の多くのパルス整形回路、
例えば「準三角形」あるいは「正弦波N」パルス整形器
のような整形回路より幾分改善された「弾道不足」特性
を示す限り行われる。「弾道不足」効果による分解能の
低下の計算式(B. Loo, F. Gouding, IEEE Trans. Nuc.
Sci., 35 (1988) 1) は、
【0055】
【外7】 となる。ここで、 E0 は輻射線量子のエネルギ、他方 n
は準ガウス・パルス整形器の次数、 Tmin と Tmax は最
小および最大電荷補集時間で、 t0 はパルス整形器のス
テップ応答の先端値時間 (ピーク形成時間) を表す。
【0056】等式(7)で E0 = 1.33 MeV (60Co 校正
線), Tmax = 800 ns(大容積同軸 Ge検出器に対して典
型的な値), n= 2.83 (ORTEC 472分光増幅器のアクティ
ブパルス整形回路の最良「弾道不足」特性に対して最適
なパラメータ値)および t0 =4.45 μs (τs = 4.45
/2.225 = 2μs のパルス整形時定数と全パルス処理時
間、つまり TD = (2.225 + 7) * 2 μs = 18.45μs
の不感時間に対応する)を代入すると、 60Co 線が「弾
道不足」効果により 1.27 KeV ほど広がる。その場合、
「弾道不足」効果による分解能の低下は輻射量子のエネ
ルギの一次式で、および電荷補集時間の二乗で上昇す
る。
【0057】これに反して、図1の回路装置としてはこ
の種の「弾道不足」効果が消失する。何故なら、基礎と
する畳み込み処理が必ず輻射量子の全電荷をどんな損失
もなく計算することを保証するからである。これには、
移動する畳み込みを行う窓の幅が最大電荷補集時間より
必ず大きいことが少なくとも保証される限り、この処理
が輻射量子のエネルギと電荷補集時間に無関係である。
【0058】もっとも、電荷分布に非対称が生じる有限
なサンプリング周波数あるいは有限な長さのサンプリン
グ間隔のために或る「弾道不足」効果がある。この効果
を記載する式を、準ガウスの場合と同じように導くこと
ができ、
【0059】
【外8】 となる。この場合、 TS は一つのサンプリング間隔の期
間であり、τRCは前置増幅器の減衰時定数であり、 E0
と Tmax は上と同じ意味を有する。
【0060】等式 (8)に再び E0 = 1.33 MeV, Tmax
800 ns を代入し、 TS = 40 ns (即ち、 25 MSPSサン
プリング速度) に対して、τRC= 50 μs と 100サンプ
リング間隔の窓の幅を仮定し、これが 4μs の時間窓と
準ガウス・パルス整形器の t 0 = 4.45 μs に対して比
較できる値に相当するとすると、 60Co の校正線に対す
る分解能の低下はただ 0.008 KeVである。この結果は、
「弾道不足」効果が2桁以上抑制され、従ってこの回路
装置の出力の特徴に何ら実際上の影響がないことを示
す。
【0061】図5は 20, 50, 100, 200 あるいは 500 n
s の電荷補集時間と 2μs のパルス整形の等価時定数に
対し、ガウス整形部を有する通常の分光増幅器 (Silena
7611 L 分光増幅器) と比べて、プロトタイプの回路装
置で試験測定した結果を示す。 500 ns の電荷補集時間
で 1.3 MeVの信号では、「弾道不足」効果によるパルス
振幅の減少は、ガウス整形器の場合、79.8 KeV (上のス
ペクトル) になった。この発明によるプロトタイプの回
路装置では、同じ条件下でただ 3.1 KeV (下のスペクト
ル) となった。信号の異なった電荷補集時間は、この試
験で同じ振幅のパルス信号であるが、異なった立ち上が
り時間でシュミレートされている。
【0062】「電荷担体の捕獲」と「弾道不足」効果は
同じ原因に帰する、つまり電荷が遅く解放されるので、
上の考察は「電荷担体の捕獲」効果の抑制にも当てはま
る。即ち、これは「多数電荷担体の捕獲」効果に係わ
り、図1の回路装置が準ガウスあるいは他の、現在慣用
のパルス整形器と比べて似た特性を有する。
【0063】図1の回路装置は優れた雑音抑制と計数速
度の比あるいは雑音抑制と不感時間の積に特徴がある。
高い計数速度の処理が重要で、そのため 10 μs 以下の
先端値時間と 30 〜 40 μs 以下のパルス処理の全不感
時間で動作する、冷却されたFETを有する高分解能 Ge
検出器の応用にますます注目されているので、以下の議
論では、この場合に主要なデルタ雑音を考慮する。異な
ったパルス整形回路の能力を比較する判定基準は、
【0064】
【外9】 事象を処理するのに一緒に付きまとう全不感時間であ
る。雑音指数と計数速度係数("noise-count rate"ある
いは NR 係数) はパルス整形の時定数に対して不変であ
るため、種々のパルス整形器の出力の特徴に対する理想
的な品質判定基準となる。
【0065】種々のパルス整形回路のNR係数は文献か
ら理解できる(F. Goulding and D.Landis, IEEE Tran
s. Nuc. Sci. 29 (1982) 3; E. Fairstain, IEEE Tran
s.Nuc. Sci. 37 (1990) 2)。三角形の、準三角形の、接
続された積分器の、N次の正弦波の、ガウス型の、ある
いは7次の準ガウス形のパルス整形器に対して、NR係
数は 6.0, 7.63, 7.35, 8.46, 9.0 あるいは 9.4であ
る。
【0066】図1の回路装置のNR係数を求めるため、
先ずデルタ雑音の雑音係数を考慮する。この雑音係数
は、
【0067】
【外10】 ここで、L は輻射事象の電荷分布を完全に覆う全ての畳
み込み窓の数で、N は電荷の寄与にならない窓の数およ
び TS はサンプリング期間の間隔である。その場合、 T
S はADCの前に接続された耐エイリアサイジング濾波
器の限界周波数を考慮しているので、サンプリング定理
を満たすことが仮定されている。デルタ雑音の抑制のL
への依存性は既に上で議論した。処理期間の全てにわた
って階段雑音の残留関数の二乗された第一微係数を積分
して等式 (10) の実際のNR係数を得た。等式 (10) の
第二項の寄与はNを適当に選ぶと原理的に任意に小さく
できる。もっとも、これによって系の慣性も、例えば温
度変動あるいはマイクロフォン効果等によるような比較
的ゆっくりした変動に比べて上昇する。それ故、Nの最
適な選択は、Mより2桁あるは3桁大きいが、具体的な
場合にのみ当てはまる。もっと詳しいことは文献(例え
ば、 F. Goulding, Nucl. Instr. Meth. (1972) 100)を
参照されたい。
【0068】パルス処理の全不感時間TD は回路装置の
二重パルス分解能により容易に予測できる。 L・TS
時間間隔より早くない考慮している事象が先行する事象
に続き、この事象自体に再び M・TS の時間間隔より短
い間隔で更に続くことはない。つまり、
【0069】
【外11】 ここで、P はサンプリング間隔を単位とした最大電荷補
集時間である。この補集時間は具体的な例で望ましい
「弾道不足」の抑制に関して定まる。 L・TS = 4μs
で P・TS = 800 ns を選ぶと、これは 0.2の P/L比に
相当するが、等式 (11) は、
【0070】
【外12】 を与える。等式 (10) と等式 (12) を等式 (9)に代入す
ると、回路装置の NR 係数は NR = 4.4となる。
【0071】上に与えた最近のパルス整形回路のNR係
数との比較は、図1の回路装置で得られる改善を明確に
する。この改善は、接続された積分器と比べて 68 %で
初めて、準ガウスパルス整形器との比較が示すように、
110%までになる。
【0072】ただ、三角形パルス整形器は改善が 36 %
に過ぎない値になって、比較できる出力特性を有する。
もっとも、純粋に三角形のパルス整形器をアナログ素子
で構成するこは実際には不可能であるため、ただ参考の
ために引用したに過ぎない。何故なら、それは全ての準
三角形パルス整形器の漸近的な限界状態を表すからであ
る。同じことは、純粋なガウス整形器に対しても当ては
まり、この整形器のNR係数9は全ての準ガウスパルス
整形器の漸近限界値に相当し、これはとにかく図1の回
路装置と比べて 100%の劣化を意味する。
【0073】図1の回路装置の改善された雑音指数と計
数速度は、実際的に雑音特性を変えない場合、汎用され
る最近のパルス整形器と比べて、 70 〜 90 %の高い入
射線量が可能になる。
【0074】信号処理で得られた 10 μs の全不感時間
(Total Dead Time TDT)でパルス整形時定数(1μs)を
高入射線量に対して最適に調節するには、図6で大容積
n型ゲルマニウム検出器と準ガウスパルス整形器(Sile
na 7611 L 分光増幅器) を用いて実験的に測定した分解
能が 60 Coの 1.332 MeVのγ線に対して示してある。半
値幅は 2.92 KeV であった(上のスペクトル)。図1の
プロトタイプの回路装置では、同じ条件下で 1.88 KeV
となった(下のスペクトル)。この値は、6μs のパル
ス整形時定数の場合、準ガウスパルス整形器で達成でき
る 2.06 KeV の最大分解能(中央のスペクトル)を凌駕
する。図1の回路装置は、約9倍の高入射線量を可能に
するパルス整形パラメータの調節でもってこのような分
解能を再現する。
【0075】これに対して、図1の回路装置は直接デジ
タル値を出力するが、ここで議論する他の全てのパルス
整形器は更に出力信号の振幅をデジタル化するADCが
必要である。これは、不感時間TD とNR係数に結び付
く。組み合わせ系、つまりパルス整形器とADCの出力
特性の一般的議論は困難であるから、ここではただ一つ
の数値例を引用する。τS = 2.5μs の有効パルス整形
時定数 (これは 2・τ s = 5μs のパルス処理時間で、
従って 10 μs の不感時間に相当する) を有する接続さ
れた積分器(例えば、 ORTEC 672) と 3.0μs の変換時
間と 0.5μs の「立ち上がり時間保護; rise-time prot
ection」の重なりを有する二進平衡法で処理するADC
(例えば、Silena 7423 UHS)から成る組み合わせ系を考
慮すると、 10 μs + 0.5μs + 3.5μs = 14 μs の
系の全不感時間となる。
【0076】上記の値を、 L・ TS = 3μs の等価なパ
ルス整形で、 P・ TS = 0.8μs の最大電荷補集時間の
場合、 2.3μs + 0.8μs = 6.8μs になる図1の回路
装置の不感時間と比較すると、通常の信号処理でデジタ
ル化に更に必要なADCは接続された積分器と図1の回
路装置の間の出力差を 68 %から 120%に増加させるこ
とが判る。換言すれば、ここに提唱する回路装置は、同
じ雑音抑制の場合、少なくとも雑音抑制と計数速度の特
性に関して接続された積分器と「逐次近似」ADCから
成る「現在の技術水準;state-of-the-art」の組み合わ
せより 120%高い入射線量を可能にする。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による回
路装置は「弾道不足」と「電荷担体の捕獲」の効果を著
しく抑制し、不感時間対分解能の高い比率と良好な温度
安定性と経時安定性で優れている。この回路装置によっ
て、理想的な衝動的測定を可能にするため、元の歪のな
い検出器信号の電荷分布を修復し、測定結果が電荷分布
の実際の形状に依存しない技術思想が追求される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回路装置の総合ブロック回路図
である。
【図2】移動する畳み込みモジュールMWDのブロック
回路図である。
【図3】移動する平均値形成モジュールMAUのブロッ
ク回路図である。
【図4】平均値形成モジュールAUのブロック回路図で
ある。
【図5】種々の電荷捕集時間の場合、「弾道不足」効果
によるパルス振幅の減少の測定に関して、この発明の回
路装置と通常の分光増幅器との比較を示すスペストル図
である。
【図6】高入射線量の場合、大容積n型ゲルマニウム検
出器と準ガウス整形器を用いて測定したパルス波形の分
解能を比較するスペクトル図である。
【符号の説明】
A1 アナログ・デジタル変換器(ADC) A2 制御ユニット A3 移動する畳み込みモジュール A4 平均値形成モジュール A5 移動する平均値形成モジュール A6 減算器 A7 レジスタ A8 低域濾波器 B1 M段デジタル遅延ユニット B2 減算器 B3 一段遅延ユニット B4 加算器 B5 第二の一段遅延ユニット B6 一定の乗算係数 Kを有する乗算器 B7 出力積算器 C1 FIFO 記憶器 C2 減算器 C3 一定の乗算係数 1/Nを有する乗算器 C4 積算器 D1 積算器 D2 一定の乗算係数 1/Lを有する乗算器 D3 レジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592250816 フオルシユングスツエントルム・ロツセン ドルフ・エー・フアウ ドイツ連邦共和国、ロツセンドルフ・バ イ・ドレスデン、バウツエナー・ラントス トラーセ(番地なし) (72)発明者 ユルゲン・シユタイン ドイツ連邦共和国、ヴツパータール12、ウ ンターコールフルト、59 (72)発明者 アンドレイ・ゲオルギエフ ブルガリア国、ソフイア、シユタンボリス キー、108 (72)発明者 アンドレ・ビユヒナー ドイツ連邦共和国、ドレスデン、ラテナ ー・ストラーセ、7 (72)発明者 ウエルナー・ガスト ドイツ連邦共和国、ケルン41、ドライベル クストラーセ、2

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輻射事象によって検出器中に生じる全電
    荷を測定するためにあり、この検出器の後に電荷に敏感
    な前置増幅器が続き、この前置増幅器の出力端が回路装
    置の入力端(E)に接続し、 a) 前置増幅器の信号をサンプリングしてデジタル化す
    る急速アナログ・デジタル変換器(ADC)−(A1)
    と、 b) 処理すべき信号の入力を検証し必要な全ての制御信
    号を準備する時間判別および制御ユニット(A2)、 を有する半導体検出器の信号をデジタル処理するための
    回路装置において、 輻射量子の全電荷を表し、入力信号中で通常完全に規定
    される前置増幅器の伝達関数で畳み込んだ輻射事象の電
    荷分布関数をL個の時間窓にわたって数値的な畳み込み
    のL個の結果から、その都度輻射事象の電荷分布を完全
    に覆う入力信号を与える値と、 測定した電荷に対する階段状雑音のその時の電荷の寄与
    を与え、入力信号中で通常完全に規定される前置増幅器
    の伝達関数で畳み込んだ輻射事象の電荷分布関数をN個
    の時間窓にわたって数値的な畳み込みのN個の結果か
    ら、輻射事象に帰せない電荷を含む入力信号を与える値
    と、 の間の差を形成して、最終結果、つまり個々の輻射量子
    によって半導体検出器中に生じる全電荷量を計算し、そ
    の場合、 a) デジタル入力信号(E)で通常完全に規定される前
    置増幅器の伝達関数で畳み込んだ輻射事象あるいは階段
    状雑音の当該離散電荷分布関数をM個のサンプリング間
    隔の幅の時間窓にわたって数値的に畳み込むため、そし
    て同時に時間窓を入力信号のサンプリング値にわたって
    移動させ、その結果、新しい結果の各々が時間窓を一サ
    ンプリング間隔ほど前のものに対して移動する新しい結
    果の各々が生じることによってサンプリング期間の間隔
    で連続する畳み込みの一連の結果を発生させるために、 移動する畳み込み用のモジュールと見なせ、入力端をA
    DCの出力端に接続するモジュール(MWD)−(A
    3)を使用し、 b) 事象の全電荷をその都度完全に含み、MWDモジュ
    ールから形成される一連の畳み込み結果であるL個の結
    果に基づき、輻射事象の全電荷を表す値を求めるため
    に、 入力端がMWDモジュールの出力端に接続する他のモジ
    ュール(A4)を使用し、 c) 輻射事象に帰せない電荷を含み、MWDモジュール
    から形成される一連の畳み込み結果であるN個の結果に
    基づき、その時の階段状雑音の寄与を求めるために、 入力端がMWDモジュールの出力端に接続する他のモジ
    ュール(A5)を使用し、 d) 事象の全電荷を表す値から階段状雑音のその時の寄
    与を引き算して最終結果を算出するために、 前記モジュールに関係している他のモジュール(A6)
    を使用し、 そして、数M、つまりデジタル入力信号(E)で通常完
    全に規定される前置増幅器の伝達関数で畳み込んだ輻射
    事象あるいは階段状雑音の当該離散電荷分布関数の数値
    的な畳み込みを行うサンプリング間隔の単位の窓の幅
    が、電荷の発生が行われる最大時間間隔よりL個のサン
    プリング間隔ほど大きい、つまり最大電荷補集時間より
    L個のサンプリング間隔ほど大きく、しかも数NがLに
    等しいか、あるいはLより大きい、ことを特徴する回路
    装置。
  2. 【請求項2】 移動する畳み込み用のモジュール(MW
    D)、つまりM段デジタル遅延ユニット、減算器、加算
    器、一段デジタル遅延ユニットおよび一定の乗算係数K
    を有する乗算器である通常の回路部品、あるいは対応す
    るDSP素子により、請求項1に基づき、新しい結果の
    各々が前のものに対して一サンプリング間隔ほど時間窓
    を移動させることによって形成され、デジタル入力信号
    (E)で通常完全に規定される前置増幅器の伝達関数で
    畳み込んだ輻射事象あるいは階段状雑音の当該離散電荷
    分布関数をM個のサンプリング間隔の時間窓にわたって
    畳み込んだ一連の結果を数値計算するモジュールにおい
    て、 a) モジュールの入力端が減算器(B2)の正の入力端
    にも、またM段デジタル遅延ユニット(B1)を介して
    減算器(B2)の負の入力端にも接続し、 ここで、Mは数値的な畳み込みを行う窓の幅を表し、 b) 減算器の出力端が一段遅延ユニット(B3)を介し
    て加算器(B4)の入力端の一つに導入され、加算器の
    出力端が再び第二の一段遅延ユニット(B5)を介して
    加算器(B4)の他の入力端に帰還され、また一定の乗
    算係数Kを有する乗算器(B6)を介して出力積算器
    (B7)の入力端の一つに接続し、出力積算器の第二入
    力端が減算器の出力端に接続され、その場合、定数Kは
    前置増幅器の減衰時定数とADCのサンプリング速度に
    よって指定される、ことを特徴する移動する畳み込み用
    のモジュール。
  3. 【請求項3】 輻射量子の全電荷を表す値を求めるた
    め、平均値形成モジュール(AU)−(A4)を使用
    し、 このモジュールは一つの連続するデータの流れから取り
    出した所定数の連続するデータに関して平均処理を行
    う、ことを特徴する請求項1に記載の回路装置。
  4. 【請求項4】 積算器、レジスタおよび定数 1/Lを有す
    る乗算器である通常の回路部品、あるいはDSPプロセ
    ス素子を用い、請求項1および2により平均値を形成す
    るモジュール(AU)において、 a) モジュールのデータ入力端(In) とクロック入力
    端 (C)がそれぞれ積算器(D1)のデータ入力端とク
    ロック入力端に、また積算器(D1)のリセット入力端
    がモジュールの時間切換制御入力端(T)に接続し、 b) 積算器の出力が定数 1/Lを有する乗算器(D2)を
    介してレジスタ(D3)のデータ入力端に供給され、レ
    ジスタのクロック入力端が再びモジュールの時間切換制
    御入力端に接続し、この場合、L は平均を行う値の数で
    ある、ことを特徴とする平均値形成モジュール。
  5. 【請求項5】 その時の階段状雑音を求めるため、 移動する平均値形成ユニット(MAU)−(A5)を使
    用し、 このユニットは一つの連続するデータの流れから取り出
    した一定数の連続データに関して移動する平均を行い、
    データを取り出す範囲を前記データの流れの中で移動さ
    せ、新たなデータを入力する毎に行われるその時の平均
    値を結果として計算する、ことを特徴する請求項1に記
    載の回路装置。
  6. 【請求項6】 N段 FIFO 記憶器、減算器、積算器およ
    び一定の乗算係数 1/Nを有する乗算器である通常の回路
    部品、あるいはDSPプロセス素子を用いて請求項1と
    5に従って、移動する平均値を形成するモジュール(M
    AU)において、 a) モジュールの入力端が減算器 (C2)の正の入力端
    にも、また FIFO 記憶器(C1)を介して負の入力端に
    も接続し、 b) モジュールの出力が乗算係数 1/Nを有する乗算器
    (C3)を介して積算器(C4)の入力端に導入され、
    この積算器の出力端が同時にモジュールの出力端となっ
    ていて、 c) FIFO 記憶器と積算器に対して同一のクロック周波
    数がモジュールのクロク入力端 (C)を介して供給され
    ていて、 その場合、Nはその時の各平均値を形成するデータの数
    である、ことを特徴する平均値形成モジュール(MA
    U)。
  7. 【請求項7】 輻射量子の全電荷を表す値から階段状雑
    音のその時の寄与を引き算して最終結果を算出するた
    め、 減算器 (A6)が使用される、ことを特徴とする請求項
    1に記載の回路装置。
  8. 【請求項8】 エイリアシング効果を除去するため、必
    要な場合、前置増幅器とADCの間に接続する低域濾波
    器(A8)が使用される、ことを特徴とする請求項1に
    記載の回路装置。
JP4325742A 1991-12-09 1992-12-04 半導体検出器の信号をデジタル処理する回路装置 Withdrawn JPH05256951A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4140496 1991-12-09
DE4226175A DE4226175C2 (de) 1991-12-09 1992-08-07 Schaltungsanordnung für die digitale Verarbeitung von Halbleiterdetektorsignalen
DE4140496:3 1992-08-07
DE4226175:9 1992-08-07

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05256951A true JPH05256951A (ja) 1993-10-08

Family

ID=25909891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4325742A Withdrawn JPH05256951A (ja) 1991-12-09 1992-12-04 半導体検出器の信号をデジタル処理する回路装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5307299A (ja)
EP (1) EP0550830B1 (ja)
JP (1) JPH05256951A (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5442575A (en) * 1993-05-19 1995-08-15 Forschungszentrum Julich Gmbh Scanning analog-to-digital converter operating under the subranging principle
US5608222A (en) * 1995-04-07 1997-03-04 Hardy, Ii; William H. Analog to digital conversion technique for spectroscopy
DE10109002C2 (de) * 2001-02-23 2003-10-16 Forschungszentrum Juelich Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Verarbeitung von Detektorsignalen
DE10161046B4 (de) * 2001-12-12 2006-02-02 Infineon Technologies Ag Digitale Schaltungsanordnung
US7064336B2 (en) * 2003-06-20 2006-06-20 The Regents Of The University Of California Adaptable radiation monitoring system and method
FR2879305B1 (fr) * 2004-12-15 2007-06-29 Commissariat Energie Atomique Traitement d'un signal representatif de rayonnement
EP1720041A1 (en) * 2005-05-01 2006-11-08 Target Systemelectronic GmbH Use of digital filters in a detector and method for obtaining energy spectra of nuclear radiation
US7294840B2 (en) * 2006-03-01 2007-11-13 Nucsafe, Inc. Apparatus and method for reducing microphonic susceptibility in a radiation detector
EP3062125A1 (en) 2015-02-26 2016-08-31 Fei Company Pulse processing
CN112596097B (zh) * 2020-12-11 2022-10-28 成都理工大学 一种基于权冲激函数的核信号前端处理系统

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2540995B1 (fr) * 1983-02-14 1985-09-27 Labo Electronique Physique Dispositif de mesure de radiations a scintillateur et tube photomultiplicateur, et camera a scintillation equipee d'un tel dispositif
JPH0627831B2 (ja) * 1985-08-21 1994-04-13 株式会社東芝 シンチレ−シヨンカメラ
IT1211995B (it) * 1987-12-23 1989-11-08 Consiglio Nazionale Ricerche Metodo e strumento a microprocessore per la misura diretta di un particolare indice per la valutazione del rumore ambientale

Also Published As

Publication number Publication date
EP0550830A1 (de) 1993-07-14
US5307299A (en) 1994-04-26
EP0550830B1 (de) 1997-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Georgiev et al. Digital pulse processing in high resolution, high throughput, gamma-ray spectroscopy
EP2710413B1 (en) High throughput pulse height analyzer
Jordanov et al. Digital synthesis of pulse shapes in real time for high resolution radiation spectroscopy
EP0880821B1 (en) Method and apparatus for digitally based high speed x-ray spectrometer
Stein et al. X-ray detectors with digitized preamplifiers
US20100181491A1 (en) Digitizer for a digital imaging system
Pullia et al. Quasi-optimum γ and X spectroscopy based on real-time digital techniques
US20140084961A1 (en) Method and Apparatus for Analog Pulse Pile-Up Rejection
Jordanov Unfolding-synthesis technique for digital pulse processing. Part 1: Unfolding
CN104469182A (zh) 信号处理设备与信号处理方法
Jordanov et al. Digital pulse processor using moving average technique
JPH05256951A (ja) 半導体検出器の信号をデジタル処理する回路装置
JPS6088383A (ja) 核放射線測定装置
Saxena et al. Digital pulse deconvolution with adaptive shaping for real-time high-resolution high-throughput gamma spectroscopy
GB2197464A (en) Signal processing method for nuclear spectrometers
Geraci et al. A comparative study of the energy resolution achievable with digital signal processors in X-ray spectroscopy
Takahashi et al. A new pulse height analysis system based on fast ADC digitizing technique
Lauer Digital signal processing for segmented HPGe detectors: preprocessing algorithms and pulse shape analysis
Cardoso et al. A mixed analog-digital pulse spectrometer
Boorboor et al. Development of a novel approach for precise pulse height extraction using Lagrange interpolation
Bogovac et al. Digital pulse processor for ion beam microprobe imaging
Jordanov Deconvolution of pulses from a detector-amplifier configuration
Westphal et al. Digital implementation of the preloaded filter pulse processor
Ma et al. System noise of a digital pulse processing module for nuclear instrumentation
Nakhostin et al. Pulse-height loss in the signal readout circuit of compound semiconductor detectors

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000307