JPH05256248A - 海水圧発電プラント - Google Patents

海水圧発電プラント

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JPH05256248A
JPH05256248A JP4090305A JP9030592A JPH05256248A JP H05256248 A JPH05256248 A JP H05256248A JP 4090305 A JP4090305 A JP 4090305A JP 9030592 A JP9030592 A JP 9030592A JP H05256248 A JPH05256248 A JP H05256248A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 深海の水圧によるエネルギーを電気エネルギ
ーに変換すること。 【構成】 深海の水圧により水車4を回転させて水車4
に連結した発電機により発電させ、水車4より流出する
海水を排水ポンプにて海洋に還元することにより、常時
深海より流入する深海水に水流を起こし、深海の水圧に
よる水車4の回転を保持し、これにより発電を持続させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は深海の水圧によるエネル
ギーを電気エネルギーに変換する海水圧発電プラントに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から発電方式として水力発電、火力
発電、原子力発電等が挙げられるが、いずれのものも諸
問題を有している。
【0003】即ち、水力発電にあっては水の落差を利用
し、水車を回して発電する方式であるが、季節的の河川
の流量及び負荷の変動に応じて発電するため、その調整
が難しく、貯水量によって発電量が依存される欠点を有
している。
【0004】又、火力発電にあっては石炭、石油等の燃
焼によるエネルギーを原動機を通じて電気エネルギーに
変換する発電方式であるが、かかる燃料を燃焼させた時
に発生する排ガスが大気を汚染したり、しかもわが国で
は石油、石炭等の燃料の殆どすべてを輸入に頼らざるを
得ず、又近い将来この燃料は増産限界に達すると危惧さ
れている等の欠点を有している。
【0005】更に、原子力発電にあってはウラン235
等の核分裂物質を核分裂させ、発生する熱エネルギーを
利用して発電する方式で、少量の燃料を長期間発電でき
ること、他の電源より経済性が優れていること等が挙げ
られるが、放射能に対する防護が必要となる等の問題を
要していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は資源コストが
かからない無尽蔵な海水に目を向け、深海の水圧を自然
(海洋)エネルギーとして有効に且つクリーンに使用で
きる様にした海水圧発電プラントを提供せんとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術に
基づく、エネルギー資源の有限性、環境汚染の課題に鑑
み、深海の水圧により水車を回転させて水車に連結した
発電機により発電させ、水車より流出する海水(水車に
回転力を与えた海水)を排水ポンプにて海洋に還元する
ことにより、常時深海より流入する深海水に水流を起こ
し、深海の水圧による水車の回転を保持し、これにより
発電を持続させ、又発電に要する排水ポンプ等の付属機
器の電力を発電機からの送電にて賄う様にすることによ
り、資源コストのかからない海洋エネルギーを有効且つ
クリーンに使用する様にして、上記欠点を解決せんとし
たものである。
【0008】
【作用】本発明にあっては、主弁を開弁すると、深海の
水圧により海水が取水管を経て水車が回転して発電機が
起電すると共に、かかる電力は排水ポンプを運転させる
始動の電力として送電される。
【0009】一方、水車より排水管へ流出する海水は、
所定の水圧を有する深海と連通しているため、排水管内
を自然に上昇し排水ポンプに到達する。
【0010】かかる時点において、排水ポンプが前記の
始動電力により運転し、海水を排水口より海に還元し、
この海水の排水によって常時深海から流入する深海水に
水流を起こし、深海の水圧による水車の回転を保持し、
これにより発電を持続させ、かかる作動状態の繰り返し
により所定の電力を発生する。
【0011】又、発電機の作動停止時には主弁を閉弁
し、水車の回転を停止させ、排水管内の海水を排水ポン
プにより排水し、吐出管における電磁弁を開弁してポン
プにより排水管内の残留海水を排水し、排水後電磁弁を
閉弁し、次に排水管と真空ポンプ間の電磁弁を開弁して
真空ポンプにより排水管内を減圧することにより、主弁
を開弁した直後の水車の始動時において、排水管に流出
する海水を排水ポンプにまで難なく上昇させる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、1は本発明に係る海水圧発電プラントであり、
所定水圧の深海域を有する海洋に、鉄筋コンクリート製
等所定の水圧に耐えられる強度を有し、円筒形状にして
且つ水深Dより高い構造物2を沈設し、海面より構造物
2の上方が突出する様に海底に鉛直に立設している。
【0013】構造物2内には同一構造の二台の発電装置
3、3aが設置されており、以下一方の発電装置3につい
て説明する。
【0014】4は構造物2内の底部に設置された反動水
車であり、該水車4はフランシス水車、プロペラ水車等
が使用されるが、本実施例では立軸フランシス水車を使
用してなり、該水車4はケーシング5内に設置し、水車
4に設けられた案内羽根(図示せず)を調速機(図示せ
ず)が負荷の変動に応じて連動し、流入水量を調整する
様になしている。
【0015】6は水車4のケーシング5の入口側に主弁
7を介して連結した取水管であり、該取水管6は構造物
2の内方底部より深海に突設している。
【0016】主弁7は油圧式のちょう形弁、回転弁、ス
ルース弁等が挙げられ、この内より諸条件に基づき適宜
選択使用され、水車4に通水又は断続する様になしてい
る。
【0017】8は水車4の回転力を電気エネルギーに変
換する発電機であり、該発電機8は三相交流の同期発電
機(三相立軸発電機)を使用してなり、発電機8の主軸
(図示せず)を前記水車4の軸(図示せず)に連結する
と共に、発電機8は後述する発電所9に付属する変圧器
10に接続している。
【0018】11は水車4のケーシング5の出口側に設け
た流出管であり、該流出管11は構造物2内を上方鉛直に
延びる排水管12を連結し、該排水管12は適宜下方部位及
び上方部位で夫々2方に分岐され、かかる分岐管13、13
a …には夫々構造物2の所定高さ(水深D1、D2に対
応する)位置に排水ポンプ14、14a …を介在すると共
に、排水管12 (分岐管13、13a …) の排水口15、15a …
を構造物2の上方より外方へ突出する様に設けている。
【0019】尚、排水ポンプ14、14a …の設置位置(水
深D1、D2)の条件は、取水管6、水車4を介して排
水管12が所定の水圧を有する深海と連通しているため、
海水は自然に排水管12内を海面に至るまで上昇するの
で、かかる位置 (水深) より下方でなければならない。
【0020】排水ポンプ14、14a …は構造物2の下方部
位に設置されたものを第一排水ポンプ14、14a 、構造物
2の上方部位に設置されたものを第二排水ポンプ14b 、
14cとなしており、第一及び第二排水ポンプ14、14a …
の各原動機(図示せず)は前記変圧器10に接続され、該
変圧器10より送電される電力にて第一及び第二排水ポン
プ14、14a …を運転させる様になしている。
【0021】尚、変圧器10より送電される第一及び第二
排水ポンプ14、14a …の電力は、海水がその設置位置
(水深D1、D2)まで自然に上昇してくるので、第一
排水ポンプ14、14a は水深D1から排水口15、15a ま
で、第二排水ポンプ14b 、14c は水深D2から排水口15
b 、15c までを揚水するに必要な電力であればよい。
【0022】又、本実施例にあっては、排水管12の下方
部位及び上方部位に夫々二台の第一及び第二排水ポンプ
14、14a …を連結して並列運転したものを示したが、か
かる方式限定さることなく、第一及び第二排水ポンプ1
4、14a …は直列に接続した直列運転でもよく、又第一
及び第二排水ポンプ14、14a …の台数は深海の水圧、配
管の口径、ポンプの能力等の諸条件によって適宜選定さ
れる。
【0023】16は排水管12底部と構造物2の内方底部に
設けた海水溜部17に導入した吸込管18の夫々に電磁弁1
9、19a を介して連結した吐水管であり、該吐水管16は
構造物2内を上方鉛直に延び、その吐水口20を構造物2
の上方より外方へ突出する様に設けると共に、吐水管16
の適宜高さ(本実施例にあっては第一排水ポンプ14、14
a と同じ) 位置にはポンプ21を介在して設置してなり、
主弁7を閉弁し、第一及び第二排水ポンプ14、14a …に
て排水管12内の海水を排水した際、排水管12内に残留し
た海水を排水したり、構造物2底部に溜まった海水を排
水する様になしている。
【0024】22は第一排水ポンプ14、14a を介在してな
る排水管12 (分岐管13、13a ) に電磁弁23を介して連結
した真空引管であり、該真空引管22には真空ポンプ24を
連結してなり、該真空ポンプ24は前記ポンプ21による排
水管12内の残留海水の排水後分岐管13、13a を通じて第
二排水ポンプ14b 、14c を介在してなる分岐管13b 、13
c を含む排水管12内全体を所定の真空度に減圧する様に
なしている。
【0025】尚、ポンプ21及び真空ポンプ24の各々の原
動機(図示せず)は前記変圧器10に接続され、該変圧器
10より送電される電力にてポンプ21及び真空ポンプ24の
夫々を運転させる様になしている。
【0026】25、25a …は排水管12において排水口15、
15a …の近傍に介在した逆止弁であり、該逆止弁25、25
a …は真空ポンプ24の運転時には気密閉塞する様に設け
られている。
【0027】26は構造物2上面に設けられた発電所設置
部であり、該発電所設置部26には制御室及び搬入口等が
設けられた発電所建屋27及び変圧器10からなる発電所9
が構築されており、該変圧器10は海底ケーブル線28を接
続し、陸地の各変電所等に送電する様になしている。
【0028】29は適宜メッシュの格子枠にて構成された
防魚網枠であり、該防魚網枠29は取水管6を包囲する様
に海底に設置されている。
【0029】30は内部の機械の組み立てと解体に使用さ
れる天井走行クレーンであり、構造物2内の最上部にお
いて、構造物2の内周に沿って設けられた円環状のレー
ル31に移動自在に装着されている。
【0030】尚、発電所9内は水車4、発電機8、変圧
器10等の主要設備の運転制御及び保護を行うに当たっ
て、主機を制御するに必要な補助機器等を含む一切の機
器は適当に運転を制御され、又事故等の際必要に応じて
停止、無負荷運転又は警報等によって保護される様に施
設してある。
【0031】そして、発電所9の制御室には配電盤にす
べての運転操作スイッチと調整スイッチとによって機器
を順序に従って自動的に操作させることができ、又発電
所9に設けた制御用アンテナ32によって、配電盤での制
御を遠く離れた変電所等からの信号ですべての制御を行
わせ、又機器の運転状態と監視をかかる制御所に遠隔測
定或いは信号によってわかる様になしている。
【0032】尚、本実施例において、水車4の形式及び
動力、主弁7の形式及び口径、発電機8の形式及び容
量、排水管12の口径、第一及び第二排水ポンプ14、14a
…の形式、能力及び台数等その他の機器の能力はプラン
ト1の設置される深海の水圧等の諸条件によって適宜設
定される。
【0033】ここで、海水圧発電プラントの建設につい
て簡単に説明すると、 〔第一期工事〕構造物2は陸上ドックで構築し、排水管
12等を取付け、外部と連通する部分を気密状に閉塞し、
かかる工事の終了後構造物2を陸上ドックより海へ移送
し、(構造物2は中空のため) 海上に浮かせる。
【0034】〔第二期工事〕海上に浮かせた構造物2を
輸送船舶により牽引し、プラント1の設置する海域に輸
送し、かかる地点において構造物2内に海水を充填し、
構造物2を沈下させ、所定の海底上に構造物2を立設
し、構造物2の固定設置工事を行い、かかる作業完了後
構造物2内の海水を排水する。
【0035】〔第三期工事〕構造物2の固定設置後、発
電機8、排水ポンプ14、14a …等の関連機器の取付け工
事を行い、構造物2の上面部に発電所9(発電所建屋27
及び変圧器10)を構築し、海底ケーブル線28を海底に布
設し、所定の変電所等に連結する。
【0036】又、他の実施例にあっては、図5に示す様
に内部構造は前記と同様な構造物2を陸地の開発地域
(好ましくは海浜)に上方が突出する様に埋設し、取水
管6を所定の水圧を有する深海に連通する様に地中を延
出して設けており、かかるプラント1は海底ケーブル線
28でなく送電線を使用する。
【0037】又、排水管12より排水される海水は、適宜
水路により海洋に還元するか、或いは排水される海水
(深海水)は海に還元せずとも、この海水中には生物に
有効な物質が多量に含まれているので、この海水によっ
て魚介類の養殖を、例えば以下の様に利用することがで
きる。
【0038】この深海水は一旦大型のプールへ投入する
と共に、少量の珪藻を含む水を加えることにより、珪藻
は深海水に含まれる栄養塩と太陽の光により急激に増殖
するため、この珪藻を含む水を養殖場の魚介類に与え育
てると通常の浅い所の海水を利用した養殖に比して数倍
の成長をなし、しかも人工の餌を全く必要としない天然
の養殖となる。
【0039】尚、かかる養殖方法にあっては、かかる方
式の様に陸地でなくとも海洋で行ってもよい。
【0040】次に本発明に係る海水圧発電プラントの作
用について説明すると、主弁7を開弁すると、深海の水
圧により海水が取水管6を経て水車4のケーシング5内
に充満して流入し、水車4を回転させ、発電機8を作動
させる。
【0041】これにより、発電機8が起電すると共に、
かかる電力は変圧器10を介して第一及び第二排水ポンプ
14、14a …を運転させる原動機の始動の電力として、原
動機に送電される。
【0042】一方、水車4のケーシング5より流出管11
を経て排水管12へ流出する海水は、水深Dの水圧を有す
る深海と連通しているため、排水管12内を自然に上昇し
第一及び第二排水ポンプ14、14a …に到達する。
【0043】かかる時点において、第一及び第二排水ポ
ンプ14、14a …の各原動機が、前記の始動電力により作
動し、第一及び第二排水ポンプ14、14a …を運転させ、
海水を排水口15、15a …より海に還元し、この海水の排
水によって常時深海から流入する深海水に水流を起こ
し、深海の水圧による水車の回転を保持し、これにより
発電を持続させ、かかる作動状態の繰り返しにより所定
の電力を発生し、変圧器を介して海底ケーブル線28にて
変電所等に送電する。
【0044】又、発電機8の作動の停止時には主弁を閉
弁することにより、水車4の回転を停止させ、排水管12
内の海水を第一及び第二排水ポンプ14、14a …により排
水する。
【0045】次に、電磁弁19を開弁してポンプ21によ
り、第一及び第二排水ポンプ14、14a…では排水できな
かった排水管12内の残留海水を吐水管16の吐水口20より
排水し、排水後電磁弁19を閉弁し、電磁弁23を開弁して
真空ポンプ24により分岐管13、13a を通じて分岐管13b
、13c を含む排水管12内全体を所定の真空度に減圧す
る。
【0046】この時、逆止弁25、25a …は閉鎖状態であ
り、排水管12 (分岐管13、13a …を含む) 内を気密的に
閉塞している。
【0047】この様に分岐管13、13a …及び排水管12内
を減圧するのは、主弁7を開弁した直後の水車4の始動
時において、流出管11より排水管12に流出する海水を第
一及び第二排水ポンプ14、14a …にまで自然に上昇させ
るためである。
【0048】尚、海水溜部17内に溜まった構造物2内の
漏水を排水する時には、電磁弁19aを開弁し、ポンプ21
を運転させることにより吸込管18を経て吐水管16の吐水
口20から排水する。
【0049】
【発明の効果】要するに本発明は、所定水圧の深海域を
有する海洋に、水深Dより高い構造物2を沈設し、該構
造物2の内方底部に発電機8を連結した水車4を設け、
該水車4の入口側に主弁7を介して構造物2の内方底部
より深海に突設する取水管6を連結し、水車4の出口側
に上方鉛直に延びる排水管12を排水ポンプ14、14a …を
介して連結すると共に、排水管12の排水口15、15a …を
構造物2上方に設け、排水管12底部に吐水管16を電磁弁
19及びポンプ21を介して連結すると共に、吐水管16の吐
水口20を構造物2の上方に設けたので、深海の水圧によ
り水車4を回転して発電機8により起電し、この電力が
排水ポンプ14、14a …を運転させる電力として送電さ
れ、一方水車4より排水管12へ流出する海水は、所定の
水圧を有する深海と連通しているため、排水管12内を自
然に上昇し排水ポンプ14、14a …に到達し、排水ポンプ
14、14a …が前記の始動電力により運転し、海水を排水
口15、15a …より海に還元し、この海水の排水によって
常時深海から流入する深海水に水流を起こし、深海の水
圧による水車4の回転を保持し、これにより発電を持続
させ、かかる作動状態の繰り返しにより所定の電力を発
生することができる。
【0050】この様に、発電に要する排水ポンプ等の付
属機器の電力を発電機からの送電にて賄っても、有り余
る電力を変電所等に送電出来、しかも資源コストのかか
らない無尽蔵な海洋エネルギー(深海の水圧)を有効且
つクリーンに使用でき、その上開発途上の海洋にプラン
ト1を建設するため、陸地の様に開発地域の選定が容易
であり、斯業の発展を尽くすことができる。
【0051】又、本発明のものは、この発電方式のため
の特別に開発された機器を用いなくとも、実施が可能な
ため他の発電方式に比し、開発及び研究期間を短縮する
ことができる。
【0052】又、前記排水管12には電磁弁23を介して真
空ポンプ24を連結すると共に、排水口15、15a …の近傍
に真空ポンプ24の運転時に気密閉塞する逆止弁25、25a
…を介在して設けたので、発電機8の作動停止時には主
弁7を閉弁し、水車4の回転を停止させ、排水管12内の
海水を排水ポンプ14、14a …により排水し、吐水管16に
おける電磁弁19を開弁してポンプ21により排水管12内の
残留海水を排水し、排水後電磁弁19を閉弁し、次に排水
管12と真空ポンプ24間の電磁弁23を開弁して真空ポンプ
24により排水管12内を減圧することにより、主弁7を開
弁した直後の水車4の始動時において、排水管12に流出
する海水を排水ポンプ14、14a …にまで難なく上昇させ
ることができるのである。
【0053】又、所定の陸地に構造物2を上方が突出す
る様に埋設し、構造物2の内方底部に発電機8を連結し
た水車4を設け、該水車4の入口側に主弁7を介して構
造物2の内方底部より所定の水圧を有する深海に連通す
る様に地中を延出して設けた取水管6を連結し、水車4
の出口側に上方鉛直に延びる排水管12を排水ポンプ14、
14a …を介して連結すると共に、排水管12の排水口15、
15a …を構造物2上方に設け、排水管12底部に吐水管16
を電磁弁19及びポンプ21を介して連結すると共に、吐水
管16の吐水口20を構造物2の上方に設け、又前記排水管
12には電磁弁23を介して真空ポンプ24を連結すると共
に、排水口15、15a …の近傍に真空ポンプ24の運転時に
気密閉塞する逆止弁25、25a …を介在して設けので、前
記と同様なる発電を陸地であっても実現できるため、イ
ンニシャルコストと海洋と陸地との関係を良く見極めて
設置することができる。
【0054】又、少なくとも二台以上の排水ポンプ14、
14a …を排水管12の下方部位及び上方部位に夫々介在連
結したので、発電機8より送電される第一及び第二排水
ポンプ14、14a …の電力は、海水がその設置位置(水深
D1、D2)まで自然に上昇してくるため、第一排水ポ
ンプ14、14a は水深D1から排水口15、15a まで、第二
排水ポンプ14b 、14c は水深D2から排水口15b 、15c
までを揚水するに必要な電力であればよく、排水ポンプ
14、14a …の負担、排水ポンプ14、14a …への全体の電
力の軽減ができる等その実用的効果甚だ大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海水圧発電プラントの簡略構造図
である。
【図2】排水ポンプの設置状態を示す簡略図である。
【図3】図1の上方拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】他の実施例を示す簡略図である。
【符号の説明】
2 構造物 4 水車 6 取水管 7 主弁 8 発電機 12 排水管 14、14a … 排水ポンプ 15、15a … 排水口 16 吐水管 19 電磁弁 20 吐水口 21 ポンプ 23 電磁弁 24 真空ポンプ 25、25a … 逆止弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は深海の水圧によるエネル
ギーを電気エネルギーに変換する海水圧発電プラントに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から発電方式として水力発電、火力
発電、原子力発電等が挙げられるが、いずれのものも諸
問題を有している。
【0003】即ち、水力発電にあっては水の落差を利用
し、水車を回して発電する方式であるが、季節的の河川
の流量及び負荷の変動に応じて発電するため、その調整
が難しく、貯水量によって発電量が依存される欠点を有
している。
【0004】又、火力発電にあっては石炭、石油等の燃
焼によるエネルギーを原動機を通じて電気エネルギーに
変換する発電方式であるが、かかる燃料を燃焼させた時
に発生する排ガスが大気を汚染したり、しかもわが国で
は石油、石炭等の燃料の殆どすべてを輸入に頼らざるを
得ず、又近い将来この燃料は増産限界に達すると危惧さ
れている等の欠点を有している。
【0005】更に、原子力発電にあってはウラン235
等の核分裂物質を核分裂させ、発生する熱エネルギーを
利用して発電する方式で、少量の燃料を長期間発電でき
ること、他の電源より経済性が優れていること等が挙げ
られるが、放射能に対する防護が必要となる等の問題を
要していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は資源コストが
かからない無尽蔵な海水に目を向け、深海の水圧を自然
(海洋)エネルギーとして有効に且つクリーンに使用で
きる様にした海水圧発電プラントを提供せんとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術に
基づく、エネルギー資源の有限性、環境汚染の課題に鑑
み、深海の水圧により水車を回転させて水車に連結した
発電機により発電させ、水車より流出する海水(水車に
回転力を与えた海水)を排水ポンプにて海洋に還元する
ことにより、常時深海より流入する深海水に水流を起こ
し、深海の水圧による水車の回転を保持し、これにより
発電を持続させ、又発電に要する排水ポンプ等の付属機
器の電力を発電機からの送電にて賄う様にすることによ
り、資源コストのかからない海洋エネルギーを有効且つ
クリーンに使用する様にして、上記欠点を解決せんとし
たものである。
【0008】
【作用】本発明にあっては、主弁を開弁すると、深海の
水圧により海水が取水管を経て水車が回転して発電機が
起電すると共に、かかる電力は排水ポンプを運転させる
始動の電力として送電される。
【0009】一方、水車より排水管へ流出する海水は、
所定の水圧を有する深海と連通しているため、排水管内
を自然に上昇し排水ポンプに到達する。
【0010】かかる時点において、排水ポンプが前記の
始動電力により運転し、海水を排水口より海に還元し、
この海水の排水によって常時深海から流入する深海水に
水流を起こし、深海の水圧による水車の回転を保持し、
これにより発電を持続させ、かかる作動状態の繰り返し
により所定の電力を発生する。
【0011】又、発電機の作動停止時には主弁を閉弁
し、水車の回転を停止させ、排水管内の海水を排水ポン
プにより排水し、吐出管における電磁弁を開弁してポン
プにより排水管内の残留海水を排水し、排水後電磁弁を
閉弁し、次に排水管と真空ポンプ間の電磁弁を開弁して
真空ポンプにより排水管内を減圧することにより、主弁
を開弁した直後の水車の始動時において、排水管に流出
する海水を排水ポンプにまで難なく上昇させる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、1は本発明に係る海水圧発電プラントであり、
所定水圧の深海域を有する海洋に、鉄筋コンクリート製
等所定の水圧に耐えられる強度を有し、円筒形状にして
且つ水深Dより高い構造物2を沈設し、海面より構造物
2の上方が突出する様に海底に鉛直に立設している。
【0013】構造物2内には同一構造の二台の発電装置
3、3aが設置されており、以下一方の発電装置3につ
いて説明する。
【0014】4は構造物2内の底部に設置された反動水
車であり、該水車4はフランシス水車、プロペラ水車等
が使用されるが、本実施例では立軸フランシス水車を使
用してなり、該水車4はケーシング5内に設置し、水車
4に設けられた案内羽根(図示せず)を調速機(図示せ
ず)が負荷の変動に応じて連動し、流入水量を調整する
様になしている。
【0015】6は水車4のケーシング5の入口側に主弁
7を介して連結した取水管であり、該取水管6は構造物
2の内方底部より深海に突設している。
【0016】主弁7は油圧式のちょう形弁、回転弁、ス
ルース弁等が挙げられ、この内より諸条件に基づき適宜
選択使用され、水車4に通水又は断続する様になしてい
る。
【0017】8は水車4の回転力を電気エネルギーに変
換する発電機であり、該発電機8は三相交流の同期発電
機(三相立軸発電機)を使用してなり、発電機8の主軸
(図示せず)を前記水車4の軸(図示せず)に連結する
と共に、発電機8は後述する発電所9に付属する変圧器
10に接続している。
【0018】11は水車4のケーシング5の出口側に設
けた流出管であり、該流出管11は構造物2内を上方鉛
直に延びる排水管12を連結し、該排水管12は適宜下
方部位及び上方部位で夫々2方に分岐され、かかる分岐
管13、13a…には夫々構造物2の所定高さ(水深D
1、D2に対応する)位置に排水ポンプ14、14a…
を介在すると共に、排水管12(分岐管13、13a
…)の排水口15、15a…を構造物2の上方より外方
へ突出する様に設けている。
【0019】尚、排水ポンプ14、14a…の設置位置
(水深D1、D2)の条件は、取水管6、水車4を介し
て排水管12が所定の水圧を有する深海と連通している
ため、海水は自然に排水管12内を海面に至るまで上昇
するので、かかる位置(水深)より下方でなければなら
ない。
【0020】排水ポンプ14、14a…は構造物2の下
方部位に設置されたものを第一排水ポンプ14、14
a、構造物2の上方部位に設置されたものを第二排水ポ
ンプ14b、14cとなしており、第一及び第二排水ポ
ンプ14、14a…の各原動機(図示せず)は前記変圧
器10に接続され、該変圧器10より送電される電力に
て第一及び第二排水ポンプ14、14a…を運転させる
様になしている。
【0021】尚、変圧器10より送電される第一及び第
二排水ポンプ14、14a…の電力は、海水がその設置
位置(水深D1、D2)まで自然に上昇してくるので、
第一排水ポンプ14、14aは水深D1から排水口1
5、15aまで、第二排水ポンプ14b、14cは水深
D2から排水口15b、15cまでを揚水するに必要な
電力であればよい。
【0022】又、本実施例にあっては、排水管12の下
方部位及び上方部位に夫々二台の第一及び第二排水ポン
プ14、14a…を連結して並列運転したものを示した
が、かかる方式限定されることなく、第一及び第二排水
ポンプ14、14a…は直列に接続した直列運転でもよ
く、又第一及び第二排水ポンプ14、14a…の台数は
深海の水圧、配管の口径、ポンプの能力等の諸条件によ
って適宜選定される。
【0023】16は排水管12底部と構造物2の内方底
部に設けた海水溜部17に導入した吸込管18の夫々に
電磁弁19、19aを介して連結した吐水管であり、該
吐水管16は構造物2内を上方鉛直に延び、その吐水口
20を構造物2の上方より外方へ突出する様に設けると
共に、吐水管16の適宜高さ(本実施例にあっては第一
排水ポンプ14、14aと同じ)位置にはポンプ21を
介在して設置してなり、主弁7を閉弁し、第一及び第二
排水ポンプ14、14a…にて排水管12内の海水を排
水した際、排水管12内に残留した海水を排水したり、
構造物2底部に溜まった海水を排水する様になしてい
る。
【0024】22は第一排水ポンプ14、14aを介在
してなる排水管12(分岐管13、13a)に電磁弁2
3を介して連結した真空引管であり、該真空引管22に
は真空ポンプ24を連結してなり、該真空ポンプ24は
前記ポンプ21による排水管12内の残留海水の排水後
分岐管13、13aを通じて第二排水ポンプ14b、1
4cを介在してなる分岐管13b、13cを含む排水管
12内全体を所定の真空度に減圧する様になしている。
【0025】尚、ポンプ21及び真空ポンプ24の各々
の原動機(図示せず)は前記変圧器10に接続され、該
変圧器10より送電される電力にてポンプ21及び真空
ポンプ24の夫々を運転させる様になしている。
【0026】25、25a…は排水管12において排水
口15、15a…の近傍に介在した逆止弁であり、該逆
止弁25、25a…は真空ポンプ24の運転時には気密
閉塞する様に設けられている。
【0027】26は構造物2上面に設けられた発電所設
置部であり、該発電所設置部26には制御室及び搬入口
等が設けられた発電所建屋27及び変圧器10からなる
発電所9が構築されており、該変圧器10は海底ケーブ
ル線28を接続し、陸地の各変電所等に送電する様にな
している。
【0028】29は適宜メッシュの格子枠にて構成され
た防魚網枠であり、該防魚網枠29は取水管6を包囲す
る様に海底に設置されている。
【0029】30は内部の機械の組み立てと解体に使用
される天井走行クレーンであり、構造物2内の最上部に
おいて、構造物2の内周に沿って設けられた円環状のレ
ール31に移動自在に装着されている。
【0030】尚、発電所9内は水車4、発電機8、変圧
器10等の主要設備の運転制御及び保護を行うに当たっ
て、主機を制御するに必要な補助機器等を含む一切の機
器は適当に運転を制御され、又事故等の際必要に応じて
停止、無負荷運転又は警報等によって保護される様に施
設してある。
【0031】そして、発電所9の制御室には配電盤にす
べての運転操作スイッチと調整スイッチとによって機器
を順序に従って自動的に操作させることができ、又発電
所9に設けた制御用アンテナ32によって、配電盤での
制御を遠く離れた変電所等からの信号ですべての制御を
行わせ、又機器の運転状態と監視をかかる制御所に遠隔
測定或いは信号によってわかる様になしている。
【0032】尚、本実施例において、水車4の形式及び
動力、主弁7の形式及び口径、発電機8の形式及び容
量、排水管12の口径、第一及び第二排水ポンプ14、
14a…の形式、能力及び台数等その他の機器の能力は
プラント1の設置される深海の水圧等の諸条件によって
適宜設定される。
【0033】又、排水ポンプ14、14a…及び真空ポ
ンプ24の始動時における補助電力として、発電所設置
部26に風力発電装置を設置し、該風力発電装置を蓄電
器或いは直接に変圧器10に接続し、風力発電装置より
得た電気エネルギーにて排水ポンプ14、14a…及び
真空ポンプ24を運転する様になしてもよい。
【0034】ここで、海水圧発電プラントの建設につい
て簡単に説明すると、 〔第一期工事〕構造物2は陸上ドックで構築し、排水管
12等を取付け、外部と連通する部分を気密状に閉塞
し、かかる工事の終了後構造物2を陸上ドックより海へ
移送し、(構造物2は中空のため)海上に浮かせる。
【0035】〔第二期工事〕海上に浮かせた構造物2を
輸送船舶により牽引し、プラント1の設置する海域に輸
送し、かかる地点において構造物2内に海水を充填し、
構造物2を沈下させ、所定の海底上に構造物2を立設
し、構造物2の固定設置工事を行い、かかる作業完了後
構造物2内の海水を排水する。
【0036】〔第三期工事〕構造物2の固定設置後、発
電機8、排水ポンプ14、14a…等の関連機器の取付
け工事を行い、構造物2の上面部に発電所9(発電所建
屋27及び変圧器10)を構築し、海底ケーブル線28
を海底に布設し、所定の変電所等に連結する。
【0037】又、他の実施例にあっては、図5に示す様
に内部構造は前記と同様な構造物2を陸地の開発地域
(好ましくは海浜)に上方が突出する様に埋設し、取水
管6を所定の水圧を有する深海に連通する様に地中を延
出して設けており、かかるプラント1は海底ケーブル線
28でなく送電線を使用する。
【0038】又、排水管12より排水される海水は、適
宜水路により海洋に還元するか、或いは排水される海水
(深海水)は海に還元せずとも、この海水中には生物に
有効な物質が多量に含まれているので、この海水によっ
て魚介類の養殖を、例えば以下の様に利用することがで
きる。
【0039】この深海水は一旦大型のプールへ投入する
と共に、少量の珪藻を含む水を加えることにより、珪藻
は深海水に含まれる栄養塩と太陽の光により急激に増殖
するため、この珪藻を含む水を養殖場の魚介類に与え育
てると通常の浅い所の海水を利用した養殖に比して数倍
の成長をなし、しかも人工の餌を全く必要としない天然
の養殖となる。
【0040】尚、かかる養殖方法にあっては、かかる方
式の様に陸地でなくとも海洋で行ってもよい。
【0041】次に本発明に係る海水圧発電プラントの作
用について説明すると、主弁7を開弁すると、深海の水
圧により海水が取水管6を経て水車4のケーシング5内
に充満して流入し、水車4を回転させ、発電機8を作動
させる。
【0042】これにより、発電機8が起電すると共に、
かかる電力は変圧器10を介して第一及び第二排水ポン
プ14、14a…を運転させる原動機の始動の電力とし
て、原動機に送電される。
【0043】一方、水車4のケーシング5より流出管1
1を経て排水管12へ流出する海水は、水深Dの水圧を
有する深海と連通しているため、排水管12内を自然に
上昇し第一及び第二排水ポンプ14、14a…に到達す
る。
【0044】かかる時点において、第一及び第二排水ポ
ンプ14、14a…の各原動機が、前記の始動電力によ
り作動し、第一及び第二排水ポンプ14、14a…を運
転させ、海水を排水口15、15a…より海に還元し、
この海水の排水によって常時深海から流入する深海水に
水流を起こし、深海の水圧による水車の回転を保持し、
これにより発電を持続させ、かかる作動状態の繰り返し
により所定の電力を発生し、変圧器を介して海底ケーブ
ル線28にて変電所等に送電する。
【0045】又、発電機8の作動の停止時には主弁を閉
弁することにより、水車4の回転を停止させ、排水管1
2内の海水を第一及び第二排水ポンプ14、14a…に
より排水する。
【0046】次に、電磁弁19を開弁してポンプ21に
より、第一及び第二排水ポンプ14、14a…では排水
できなかった排水管12内の残留海水を吐水管16の吐
水口20より排水し、排水後電磁弁19を閉弁し、電磁
弁23を開弁して真空ポンプ24により分岐管13、1
3aを通じて分岐管13b、13cを含む排水管12内
全体を所定の真空度に減圧する。
【0047】この時、逆止弁25、25a…は閉鎖状態
であり、排水管12(分岐管13、13a…を含む)内
を気密的に閉塞している。
【0048】この様に分岐管13、13a…及び排水管
12内を減圧するのは、主弁7を開弁した直後の水車4
の始動時において、流出管11より排水管12に流出す
る海水を第一及び第二排水ポンプ14、14a…にまで
自然に上昇させるためである。
【0049】尚、海水溜部17内に溜まった構造物2内
の漏水を排水する時には、電磁弁19aを開弁し、ポン
プ21を運転させることにより吸込管18を経て吐水管
16の吐水口20から排水する。
【0050】
【発明の効果】要するに本発明は、所定水圧の深海域を
有する海洋に、水深Dより高い構造物2を沈設し、該構
造物2の内方底部に発電機8を連結した水車4を設け、
該水車4の入口側に主弁7を介して構造物2の内方底部
より深海に突設する取水管6を連結し、水車4の出口側
に上方鉛直に延びる排水管12を排水ポンプ14、14
a…を介して連結すると共に、排水管12の排水口1
5、15a…を構造物2上方に設け、排水管12底部に
吐水管16を電磁弁19及びポンプ21を介して連結す
ると共に、吐水管16の吐水口20を構造物2の上方に
設けたので、深海の水圧により水車4を回転して発電機
8により起電し、この電力が排水ポンプ14、14a…
を運転させる電力として送電され、一方水車4より排水
管12へ流出する海水は、所定の水圧を有する深海と連
通しているため、排水管12内を自然に上昇し排水ポン
プ14、14a…に到達し、排水ポンプ14、14a…
が前記の始動電力により運転し、海水を排水口15、1
5a…より海に還元し、この海水の排水によって常時深
海から流入する深海水に水流を起こし、深海の水圧によ
る水車4の回転を保持し、これにより発電を持続させ、
かかる作動状態の繰り返しにより所定の電力を発生する
ことができる。
【0051】この様に、発電に要する排水ポンプ等の付
属機器の電力を発電機からの送電にて賄っても、有り余
る電力を変電所等に送電出来、しかも資源コストのかか
らない無尽蔵な海洋エネルギー(深海の水圧)を有効且
つクリーンに使用でき、その上開発途上の海洋にプラン
ト1を建設するため、陸地の様に開発地域の選定が容易
であり、斯業の発展を尽くすことができる。
【0052】又、本発明のものは、この発電方式のため
の特別に開発された機器を用いなくとも、実施が可能な
ため他の発電方式に比し、開発及び研究期間を短縮する
ことができる。
【0053】又、前記排水管12には電磁弁23を介し
て真空ポンプ24を連結すると共に、排水口15、15
a…の近傍に真空ポンプ24の運転時に気密閉塞する逆
止弁25、25a…を介在して設けたので、発電機8の
作動停止時には主弁7を閉弁し、水車4の回転を停止さ
せ、排水管12内の海水を排水ポンプ14、14a…に
より排水し、吐水管16における電磁弁19を開弁して
ポンプ21により排水管12内の残留海水を排水し、排
水後電磁弁19を閉弁し、次に排水管12と真空ポンプ
24間の電磁弁23を開弁して真空ポンプ24により排
水管12内を減圧することにより、主弁7を開弁した直
後の水車4の始動時において、排水管12に流出する海
水を排水ポンプ14、14a…にまで難なく上昇させる
ことができるのである。
【0054】又、所定の陸地に構造物2を上方が突出す
る様に埋設し、構造物2の内方底部に発電機8を連結し
た水車4を設け、該水車4の入口側に主弁7を介して構
造物2の内方底部より所定の水圧を有する深海に連通す
る様に地中を延出して設けた取水管6を連結し、水車4
の出口側に上方鉛直に延びる排水管12を排水ポンプ1
4、14a…を介して連結すると共に、排水管12の排
水口15、15a…を構造物2上方に設け、排水管12
底部に吐水管16を電磁弁19及びポンプ21を介して
連結すると共に、吐水管16の吐水口20を構造物2の
上方に設け、又前記排水管12には電磁弁23を介して
真空ポンプ24を連結すると共に、排水口15、15a
…の近傍に真空ポンプ24の運転時に気密閉塞する逆止
弁25、25a…を介在して設けので、前記と同様なる
発電を陸地であっても実現できるため、インニシャルコ
ストと海洋と陸地との関係を良く見極めて設置すること
ができる。
【0055】又、少なくとも二台以上の排水ポンプ1
4、14a…を排水管12の下方部位及び上方部位に夫
々介在連結したので、発電機8より送電される第一及び
第二排水ポンプ14、14a…の電力は、海水がその設
置位置(水深D1、D2)まで自然に上昇してくるた
め、第一排水ポンプ14、14aは水深D1から排水口
15、15aまで、第二排水ポンプ14b、14cは水
深D2から排水口15b、15cまでを揚水するに必要
な電力であればよく、排水ポンプ14、14a…の負
担、排水ポンプ14、14a…への全体の電力の軽減が
できる等その実用的効果甚だ大なるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定水圧の深海域を有する海洋に、水深
    より高い構造物を沈設し、該構造物の内方底部に発電機
    を連結した水車を設け、該水車の入口側に主弁を介して
    構造物の内方底部より深海に突設する取水管を連結し、
    水車の出口側に上方鉛直に延びる排水管を排水ポンプを
    介して連結すると共に、排水管の排水口を構造物上方に
    設け、排水管底部に吐水管を電磁弁及びポンプを介して
    連結すると共に、吐水管の吐水口を構造物の上方に設
    け、又前記排水管には電磁弁を介して真空ポンプを連結
    すると共に、排水口の近傍に真空ポンプの運転時に気密
    閉塞する逆止弁を介在して設けたことを特徴とする海水
    圧発電プラント。
  2. 【請求項2】 所定の陸地に構造物を上方が突出する様
    に埋設し、構造物の内方底部に発電機を連結した水車を
    設け、該水車の入口側に主弁を介して構造物の内方底部
    より所定の水圧を有する深海に連通する様に地中を延出
    して設けた取水管を連結し、水車の出口側に上方鉛直に
    延びる排水管を排水ポンプを介して連結すると共に、排
    水管の排水口を構造物上方に設け、排水管底部に吐水管
    を電磁弁及びポンプを介して連結すると共に、吐水管の
    吐水口を構造物の上方に設け、又前記排水管には電磁弁
    を介して真空ポンプを連結すると共に、排水口の近傍に
    真空ポンプの運転時に気密閉塞する逆止弁を介在して設
    けたことを特徴とする海水圧発電プラント。
  3. 【請求項3】 少なくとも二台以上の排水ポンプを排水
    管の下方部位及び上方部位に夫々介在連結したことを特
    徴とする請求項1又は2の海水圧発電プラント。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6729857B2 (en) * 2001-03-28 2004-05-04 Fikret Mehmet Zabtcioglu Water pressure multiplier energy generation system
JP2009299577A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Tadanobu Shimose 発電プラントを備えた深海用構築物
JP2020033991A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 陽 凍田 サイフォン原理による揚水式水圧発電方式と、揚水を共用と多目的活用で温度差発電と海洋産業利用の為の揚水式水圧発電構造体である。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6729857B2 (en) * 2001-03-28 2004-05-04 Fikret Mehmet Zabtcioglu Water pressure multiplier energy generation system
JP2009299577A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Tadanobu Shimose 発電プラントを備えた深海用構築物
JP2020033991A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 陽 凍田 サイフォン原理による揚水式水圧発電方式と、揚水を共用と多目的活用で温度差発電と海洋産業利用の為の揚水式水圧発電構造体である。

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