JPH05256133A - エンジンの予熱装置 - Google Patents

エンジンの予熱装置

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JPH05256133A
JPH05256133A JP5811292A JP5811292A JPH05256133A JP H05256133 A JPH05256133 A JP H05256133A JP 5811292 A JP5811292 A JP 5811292A JP 5811292 A JP5811292 A JP 5811292A JP H05256133 A JPH05256133 A JP H05256133A
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JP
Japan
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cooling water
engine
jacket
water
water jacket
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JP5811292A
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Masashi Ishida
昌司 石田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの冷態始動時において、冷却装置の
冷却水を利用してシリンダヘッドの吸気ポートを暖める
エンジンの予熱装置を提供する。 【構成】 エンジンの予熱装置は、冷態始動時、吸気ポ
ート側ウォータジャケット23、蓄熱装置35及び電動
ポンプ36を含む第1循環経路を形成し、この第1循環
経路に加熱されている冷却水を供給して、吸気ポートを
積極的に暖める。また、温態以上の高温時には、ウォー
タジャケット23からの冷却水をラジエータ30を介し
て循環させる第2循環経路を形成して、エンジンの構成
部品を所定温度に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの冷態始動時
において、冷却装置の冷却水を利用してシリンダヘッド
の吸気ポートを暖めるエンジンの予熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車のエンジンは、冷態時に燃
料の点火が悪くなって始動しにくくなるため、冷態時に
は、温態時より混合気の空燃比を濃くする制御機構が働
いて、エンジンの始動を良くしている。また、冷態時に
は、エンジン本体に設けられた冷却装置を働かせないよ
うにして、具体的には冷却装置のサーモスタットのバル
ブを閉じ、ラジエータを通じて冷却水が循環しないよう
にして、エンジン本体をできるだけ早く暖めるようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の自動
車のエンジンによると、冷態時には、燃料の気化が悪
く、吸気ポートの内壁面に付着する燃料の量も増加す
る。このため、吸気ポートの内壁面に付着した燃料の燃
焼に遅れが生じて不完全燃焼を起こし、温態時に比べて
排気ガス中にスモークやHC(炭化水素)の発生量が多
くなるという問題がある。
【0004】特に、希薄燃焼型エンジンでは、主とし
て、2つある吸気ポートの一方から点火プラグに向けて
燃料を噴射する構造であるから、冷態始動時、吸気ポー
トの内壁面に付着する燃料の量がさらに増加し、従来の
自動車のエンジンの場合に比べて排気ガス中に含まれる
スモークやHCの発生量が多くなるという問題がある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされ、その目的
は、冷却装置の冷却水を利用して、冷態始動時に、エン
ジンの吸気ポートを積極的に暖めることができるエンジ
ンの予熱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するため、エンジンの予熱装置は、シリンダヘ
ッドの一端部に設けられ、吸気ポート側ウォータジャケ
ットに連通したジャケット入口と、シリンダヘッドの他
方の端部に設けられ、同じく吸気ポート側ウォータジャ
ケットに連通したジャケット出口と、ジャケット入口と
ジャケット出口との間を接続し、吸気ポート側ウォータ
ジャケット内を通じて、冷却水の循環経路を構成する接
続管路と、ジャケット出口をラジエータの入口側に連通
させる一方、接続管路をラジエータをラジエータの出口
に連通させる開閉可能な連通手段と、接続管路に設けら
れ、ジャケット入口に向けて冷却水を圧送するポンプ
と、エンジンの冷態時には、連通手段を閉じて、吸気ポ
ート側ウォータジャケットと接続管路との間で冷却水の
第1循環経路を形成し、エンジンが温態以上の高温にな
った時には、連通手段を開き、吸気ポート側ウォータジ
ャケットからラジエータ及び接続管路を介して流れる冷
却水の第2循環経路を形成する制御手段と、接続管路の
ジャケット入口側に設けられ、冷却水が第1循環経路を
介して循環するとき、前記ジャケット入口側に向け、加
熱されている冷却水を供給する供給手段とから構成され
ている。
【0006】
【作用】本発明による、エンジンの予熱装置によれば、
エンジンの冷態始動時には、連通手段が閉じ、吸気ポー
ト側ウォータジャケットと接続管路との間に冷却水の第
1循環経路が形成される。このとき、接続管路の供給手
段が働き、加熱されている冷却水がジャケット入口を通
じて吸気ポート側ウォータジャケットに送り込まれ、こ
の温かい冷却水が吸気ポート側ウォータジャケット内を
流れることで、吸気ポートの内壁が積極的に暖められ
る。
【0007】エンジンが温態以上の高温になると、連通
手段が開かれて、吸気ポート側ウォータジャケットから
ラジエータ及び接続管路を介して流れる冷却水の第2循
環経路が形成される。従って、この場合、吸気ポート側
ウォータジャケット内には、ラジエータで冷却された後
の冷却水が循環して流れるから、シリンダヘッドの吸気
ポート側は通常通りに冷却される。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の第1実施例を図1乃至図6
に基づいて詳細に説明する。自動車のエンジン本体は、
図1に示すように、主として、シリンダブロック10と
シリンダヘッド11とから構成されている。シリンダブ
ロック10には、複数のシリンダボア12が形成されて
いて、これらシリンダボア12内にライナ13を介し
て、ピストン14が図中上下に摺動自在に嵌合されてい
る。
【0009】また、シリンダブロック10の内部には、
シリンダボア12を囲むようにして冷却水の通路である
ウォータジャケット15が形成されている。このシリン
ダヘッド11は、シリンダブロック10の上部に、ガス
ケット16を挟んで固定されていて、このシリンダヘッ
ド11の下面には、シリンダボア12のそれぞれに連な
るペントルーフ形の燃焼室27が形成されている。
【0010】図2に示した気筒の概略斜視図から明らか
なように、シリンダヘッド11には、一対の吸気ポート
17a,17bと、一個の排気ポート18とが設けられ
ている。吸気ポート17a,17b及び排気ポート18
は、吸気弁19及び排気弁20によりそれぞれ開閉さ
れ、更に、この吸気ポート17a,17bの入口には吸
気管21が、排気ポート18の出口には排気管22が、
それぞれ取り付けられている。
【0011】シリンダヘッド11の内部にも、吸気ポー
ト17a,17bを囲むようにしてウォータジャケット
23が形成されていて、排気ポート18側も同様にして
ウォータジャケット24が形成されている。ウォータジ
ャケット24は、シリンダブロック10側のウォータジ
ャケット15に連通されているが、ウォータジャケット
23は、ウォータジャケット15に対して独立の通路と
なっている。
【0012】シリンダヘッド11の燃焼室27の内面上
部には、その点火部25aを燃焼室27に突き出させて
点火プラグ25が設けられており、一方の吸気ポート1
7aの入口付近には、点火プラグ25に向けて燃料を噴
射するインジェクタ26が設けられている。従って、イ
ンジェクタ26から一方の吸気ポート17aを通じ燃焼
室27に向けて燃料が直接噴射されると、図2に示すよ
うに、燃焼室27すなわちシリンダボア12内には、吸
気ポート17aから流入する混合気28と、他方の吸気
ポート17bから流入する空気29とにより、2層の縦
渦が生成され、そして、混合気28に点火することで燃
料の燃焼が行われることになる。
【0013】このようなエンジンは、混合気28の縦渦
を点火プラグ26に向けて導入するようにしたから、混
合気28が希薄であっても、燃料の燃焼が可能な希薄燃
焼型エンジン(リーンバーンエンジン)と称されてお
り、このリーンバーンエンジンは燃費がよくて、更に、
排気対策上にも優れたものである。一方、自動車のエン
ジンには、エンジン構成部品の温度を適正に保つため
に、図3に示すような、水冷式の冷却装置が設けられて
おり、この冷却装置には、第1実施例に係るエンジンの
予熱装置が組み込まれている。
【0014】この冷却装置は、エンジンの前方に設けら
れ、冷却水を冷却するラジエータ30と、冷却水の流れ
を制御するサーモスタット31と、エンジン本体に設け
られ、クランクシャフト(図示せず)の回転と連動して
駆動するウォータポンプ32とを備えている。なお、図
3において、シリンダブロック10側のウォータジャケ
ット15は図示されていない。
【0015】シリンダブロック10側のウォータジャケ
ット15と排気ポート18側のウォータジャケット24
の出口24aは、管路P1を介して、ラジエータ30の
入口30aと接続されているとともに、管路P1から分
岐した管路P2を介して、サーモスタット31の一方の
入口31aとも接続されている。ラジエータ30の出口
30bは、管路P3を介して、サーモスタット31の他
方の入口31bと接続されている。また、サーモスタッ
ト31の出口31cは、管路P4を介して、ウォータポ
ンプ32の吸入口32aと接続されている。
【0016】そして、ウォータポンプ32の排出口32
bは、シリンダブロック10側のウォータジャケット1
5の入口24bと直に接続されている。この実施例の場
合、シリンダヘッド11の吸気ポート側のウォータジャ
ケット23と排気ポート側のウォータジャケット24と
は、図3に示すように、分離壁33によって互いに分離
されているが、しかしながら、分離壁33には、ウォー
タジャケット24の出口24a側に位置して、ウォータ
ジャケット23,24間を相互に連通させる通路23c
が形成されている。
【0017】吸気ポート側のウォータジャケット23に
は、ウォータジャケット24の出口24aとは反対側に
位置し、シリンダヘッド11の外部から冷却水を導き入
れる導入口23aと、上記出口24a側に位置し、シリ
ンダヘッド11の外部に冷却水を送り出す導出口23b
とが設けられている。一方、サーモスタットの出口31
cとウォータポンプの吸入口32aとを結ぶ管路P4の
途中には、新たに冷却水の出口P4aが設けられてい
る。
【0018】この出口P4aは、管路P6を介して電磁
弁34の第1ポート34aに接続されており、この電磁
弁34の第2ポート34bは、管路P7を介して吸気ポ
ート側ウォータジャケット23の導出口23bに接続さ
れている。更に、電磁弁34の第3ポート34cは管路
P5を介して、ウォータジャケット23の導入口23a
に接続されている。
【0019】電磁バルブ34は、3ポートの2位置の方
向切換弁からなり、通電されてオンとなると、その弁体
34dが図中下方に移動して、第2ポート34bと第3
ポート34cとを接続し、第1ポート34aと第3ポー
ト34cとの間は遮断される。一方、電磁バルブ34の
通電が解除されてオフとなると、弁体34dが図中上方
に移動して、第2ポート34bと第3ポート34cとの
間が遮断され、第1ポート34aと第3ポート34cと
の間が接続される。
【0020】電磁バルブ34の第3ポート34cとウォ
ータジャケット23の導入口23aとを結ぶ管路P5に
は、導入口23aに近い側から順に、冷却水の蓄熱装置
35及び電動ポンプ36が介挿されている。この電動ポ
ンプ36は、エンジン運動中、常に駆動されるものとな
っている。冷却水の蓄熱装置35は、図4に示すよう
に、蓄熱材43を封入した多数のフィン42と、内部容
器41と、外部容器40とで構成されている。
【0021】蓄熱材43としては、主に水酸化バリウ
ム、酢酸ナトリウム、ナフタリン等の化合物がある。フ
ィン42は、蓄熱量を大きくするため、表面積を大きく
し、所定の間隔を存して並べてあり、内部容器41の中
に置かれている。また、内部容器41は外部容器40の
中に置かれていて、内部容器41と外部容器40とで挟
まれた空間44は、外部に熱を逃がさないように断熱構
造としてある。フィン42の内部には温度センサ52が
設けられていて、この温度センサ52は、後述するコン
トローラ50に、内部容器41及び外部容器40を連通
して外部に導かれている信号ケーブル52aを介して接
続されている。
【0022】前記断熱構造は、その空間44に断熱材と
してのアルミナ繊維を詰めたり、また、その空間44を
真空にすることで構成されている。更に、内部容器41
からは、外部容器40を貫通して外部に導かれた導入管
43a及び導出管43bが設けられており、これら導入
管43a、導出管43bは管路P5の導入口23a側及
び電磁バルブ34の第3ポート34c側にそれぞれ接続
されている。
【0023】ここで、内部容器41内の冷却水容量は、
吸気ポート側のウォータジャケツト23及び管路P5,
P7内の冷却水容量に比べ十分に大きく設定されてい
る。前述した、電磁バルブは34は、コントローラ50
に電気的に接続されており、このコントローラ50は、
吸気ポート側のウォータジャケット23内の冷却水温度
T及び蓄熱装置35内のフィン42の内部の温度T’に
基づき、電磁バルブ34の切換えを制御する。
【0024】このため、コントローラ50には、前述し
た温度センサ52に加えて、冷却水温度Tを検出する温
度センサ51もまた接続されており、この温度センサ5
1は、ウォータジャケット23の導出口23b近傍の管
路P7に取り付けられている。次に、上述した冷却装置
の動作を、図3に加え、図5のフローチャートを参照し
て詳細に説明する。ただし、初期設定において、フラグ
Ft及び、タイマ変数TMは、それぞれゼロとなってい
る(Ft=0,TM=0)。
【0025】まず、コントローラ50はステップS1に
て、エンジンが始動されたか否か、具体的にはイグニッ
ションキーがオンであるか否かを判断し、エンジンが始
動されていればステップS2を実行し、エンジンが停止
されていればステップS12を実行する。ステップS1
からステップS2が実行される場合、前述したウォータ
ポンプ32及び電動ポンプ36は駆動された状態にあ
る。
【0026】ステップS2では、フラグFtが1か否か
を判断し、この判別結果が正(Yes)の場合には、ス
テップS3に進む。逆に否(No)すなわちFt=0で
あればステップS6に進む。ステップS3では、タイマ
ー変数TMが0か否かを判断し、この判別結果が正の場
合には、すなわちTM=0の場合はステップS5に進
む。逆に否すなわちTM≠0であれば、ステップS4を
実行してステップS11へと進む。
【0027】ステップS4では、TM=TM−1の演算
式を実行して、TM−1の計算結果を再びTMに代入す
るという演算を行っている。ステップS3からステップ
S4へと進むときは、以降のステップS10が実行され
てタイマ変数TMに1以上の数値が代入された場合であ
り、また、ステップS1,S2,S3,S4,S11を
経て実行される過程は、ステップS3でTMが0と判断
されるまですなわちTM回繰り返される。そして、ステ
ップS5へと進む。この繰り返し過程は、このルーチン
において、タイマの役目を果てしている。
【0028】ステップS5では、フラグFtに0が設定
される。ステップS6では、前述した温度センサ51,
52からのセンサ信号に基づき吸気ポート側のウォータ
ジャケット23内の冷却水温度T及び蓄熱装置35内の
フィン内部の温度T’がここで読み込まれる。ステップ
S7では、冷却水温度Tが所定の温度T0 (T0 は例え
ば40°Cから50°Cの値に設定される。)よりも低
いか否か判別される。この判別結果が正であると、エン
ジンが十分暖まっていないと判断して、ステップS8に
進む。逆にステップS7の判別結果が否の場合には、ス
テップS12へと進む。
【0029】ステップS8では、蓄熱装置35内のフィ
ン内部の温度T’が所定の温度T1よりも高いか否か判
別され、この判別結果が正の場合、フィン内部の温度
T’が十分に高いと判断して、ステップS9に進む。ま
た、ステップS8の判断結果が否の場合は、ステップS
12へと進む。ここで、T1 は、T0 よりも高い値に設
定されているが、好ましくは、T1 ≧T0 +20の値に
設定される。
【0030】ステップS9では、フラグFtに1が設定
される。ステップS10では、ステップS3の判別結果
を繰り返すべき時間に相当する初期値がタイマ変数TM
に代入される。ここで、タイマ変数TMの初期値は、ル
ーチンの1サイクル時間を考慮して決定されている。ス
テップS11に至るエンジンの運転状況とは、ステップ
S7,S8の判別結果が正となる場合であって、このこ
とはエンジンの冷態始動時であり、かつ、蓄熱装置35
内の冷却水温度が使用するのに十分であることを示して
いる。
【0031】それ故、ステップS11では電磁バルブ3
4のソレノイドに通電して、この電磁バルブ34をオン
に切換える。電磁バルブ34の弁体34dがオン位置つ
まり図3でみて下方に位置付けられると、蓄熱装置35
内で保温されていた温かい冷却水が、電動ポンプ36に
より管路P5を通って圧送され、管路P5からシリンダ
ヘッド11の導入口23aを介してウォータジャケット
23に流入する。そして、温かい冷却水はウォータジャ
ケット23内の冷たい冷却水を押し出すように流れ、冷
たい冷却水はその導出口23bより、管路P7を通って
電磁バルブ34に至り、この電磁バルブ34から蓄熱装
置35に戻される。ここで、前述したように蓄熱装置3
5の内部容器41の容量は十分に大きいから、蓄熱装置
35内のフィン内部の温度T’は余り低下することはな
い。
【0032】従って、蓄熱装置35からは、温かい冷却
水が、吸気ポート17a,17b側のウォータジャケッ
ト23内に向けて供給され、積極的に吸気ポート17
a,17bの内壁が温められることになる。ここで、電
磁バルブ34のオン状態は、前述したように、ステップ
S3の判別結果か正となるまで維持される。一方、エン
ジンの始動とともに、ウォータポンプ32が駆動されて
いるから、このウォータポンプ32より圧送される冷却
水は、シリンダブロック10側のウォータジャケット1
5に流入して、このウォータジャケット15及び排気ポ
ート側のウォータジャケット24内を流れ、そして、ウ
ォータジャケット24の出口24aから排出される。こ
の時、エンジンの冷態時には、サーモスタット31の弁
体31dが、図3に示してあるように右方に移動してい
るから、ウォータジャケット24の出口24aから排出
された冷却水は、ラジエータ30に流入することなく、
管路P2,サーモスタット31及び管路P4を通じて、
ウォータポンプ32の吸入口32a側に戻される。ここ
で、前述したように電磁バルブ34の第1ポート34a
は閉じられているから、管路P4内の冷たい冷却水が蓄
熱装置35内に流入するようなことはない。
【0033】なお、分離壁33には通路23cが設けら
れているが、このとき、吸気ポート側のウォータジャケ
ット23は、冷却水の流れで見て、閉回路の一部となっ
ているから、ウォータジャケット23内の温かい冷却水
が、排気ポート側のウォータジャケット24内とを流れ
る冷却水と、通路23cを通じて混合することは殆どな
いが、しかしながら、冷却水の対流または乱流により多
少の混合が生じても、この程度の混合は、ウォータジャ
ケット23側の冷却水の温度低下に余り悪影響を与える
ものではない。
【0034】電磁バルブ34のオン状態が、タイマ変数
TMの初期値に相当する時間だけ維持された後には、ウ
ォータジャケット23内の冷却水温度TがT0 以上とな
っており、それ故、ステップS3からステップS5,S
6を経て、ステップS7が実行されると、その判別結果
が否となって、ステップS12に進み、この時点で、電
磁バルブ34はオフに切換えられ、そして、ステップS
1に戻る。
【0035】なお、電磁バルブ34が所定時間オンに維
持された後にあっても、ステップS7の判別結果が正と
なる状況では、ステップS8の判別結果が正となること
を条件として、電磁バルブ34は再び所定時間だけオン
に維持されることになる。ステップS7からステップS
12に至るエンジンの運転状況とは、既にエンジンが温
態となっており、またステップS8からステップS12
に至る場合には、蓄熱装置35内の冷却水を使用しても
予熱効果がないことを示しており、それ故、ステップS
12では電磁バルブ34のソレノイドに通電しないで、
電磁バルブ34をオフに切り換える。
【0036】電磁バルブ34の弁体34dがオフ位置つ
まり図3でみて上方に位置付けられると、管路P4を流
れてきた冷却水の一部は、出口P4aから管路P6及び
電磁バルブ34を介して管路P5に流入し、そして、電
動ポンプ36により蓄熱装置35内を通ってシリンダヘ
ッド11の導入口23aに向けて送給され、ウォータジ
ャケット23に流入する。そして、ウォータジャケット
23内を流れる冷却水は、電磁バルブ34の第2ポート
34bが閉じているから、通路23cを通じてウォータ
ジャケット24に流出し、ウォータジャケット24内の
冷却水と共に出口24aからラジエータ30側に排出さ
れる。
【0037】この時、エンジンの温態時には、出口24
aから排出された冷却水の温度上昇に伴い、サーモスタ
ット31の弁体31dが、左方にゆっくりと移動してい
くから、サーモスタット31の入口31aの開度が徐々
に絞られる一方、入口31bの開度は徐々に広くなる。
従って、ウォータジャケット24の出口24aから排出
された冷却水のうち、管路P1を介してラジエータ30
に流入する量が増加していくことになる。そして、ラジ
エータ30にて冷却され、管路P3を通じてサーモスタ
ット31に至る冷却水は、管路P2からの冷却水と合流
して管路P6を通じ、ウォータポンプ32の吸入口32
a側に戻されて循環する。
【0038】更に、エンジンが高温になると、サーモス
タット31の弁体31dが、左方に完全に移動して、サ
ーモスタットの入口31aを塞ぐため、冷却水は管路P
2を流れず、出口24aからの冷却水は全てラジェータ
30のみを流れるようになる。このとき、エンジン内を
通って高温に加熱された冷却水は、ラジェータ30で積
極的に冷却されて、再びエンジンに送られているので、
エンジン構成部品の過熱を防止することができる。
【0039】一方、エンジンが高温状態になると、例え
エンジンからの冷却水がラジエータ30内に冷却される
としても、ラジエータ30から排出される冷却水の温度
は比較的高温である。従って、ラジエータ30から管路
P4を介してウォータポンプ32に向かう冷却水の一部
が、前述したように蓄熱装置35を通じて流れると、こ
の冷却水の熱は、その内部のフィン42の蓄熱材43に
蓄熱されることになる。
【0040】図6は、エンジンの冷態始動時における吸
気ポート付近の温度上昇特性C1及び吸気ポート側ウォ
ータジャケット23の導入口23aの冷却水の温度上昇
特性C2及び従来のエンジンの場合での吸気ポート付近
の温度上昇特性C3を表している。このグラフからみ
て、吸気ポートの温度が例えば80°Cに到達するまで
の時間を、蓄熱装置付きのエンジンと従来のエンジンと
で比較してみた場合、蓄熱装置付きのエンジンの方が従
来のエンジンよりもt時間(約90秒)早く到達してお
り、蓄熱装置付きエンジンの方が早く吸気ポート側が暖
められていることが分かる。
【0041】冷態始動時に吸気ポート17が早く温めら
ると、燃料が一方の吸気ポート17aを通じて燃焼室に
噴射されても、吸気ポート17aの内壁面に付着する燃
料の量を減少させることができる。従って、液状のまま
燃焼室に流入する燃料がわずかになるから、燃焼の応答
遅れを改善でき、冷態始動時でも、排気ガス中のスモー
クやHCの発生量を少なくすることができる。
【0042】図7に示す第2実施例では、第1実施例の
電動ポンプ36の代わりとして、ウォータポンプ32と
共通の回転軸に、クランクシャフトの回転に連動して駆
動されるウォータポンプ36’が設けられている。この
ウォータポンプ36’は蓄熱装置35よりも導入口23
a側に位置付けられている。一方、ウォータジャケット
23とウォータジャケット24とを連通させる通路23
cに代わって、ウォータジャケット24の出口24a側
に位置して、ウォータジャケット23に設けられた出口
23dと、この出口23dと管路P1の途中の入口P1
aとを結ぶ管路P8が新たに設けられ、ウオータジャケ
ット23とウオータジャケット24とは、分離壁33で
完全に区画されている。
【0043】従って、ウォータポンプ36’は、ウォー
タポーンプ36と一体的に配設することができ、また、
電動ポンプ36のようにエンジン以外の駆動源を必要と
せず、比較的簡単な構造にできる。また、第1実施例
で、ウォータジャケット23とウォータジャケット24
との間の通路23cにおいて、冷却水の対流または乱流
による多少の混合が生じるおそれも、ウォータジャケッ
ト23,24間が分離壁33により完全に区画されてい
れば、これらジャケット間で冷却水が混合したりするこ
とはない。
【0044】図8に示される第3実施例では、第2実施
例の管路P6を設けず、第1実施例の電磁バルブ34の
第1ポート34aが管路P2に接続されており、一方、
電磁バルブ34の第3ポート34cと蓄熱装置35との
間の管路P5の部位と管路P4の出口P4aとの間は管
路P10を介して接続されている。第3実施例の電磁バ
ルブ34は、通電されてオンとなると、その弁体34d
が図中上方に移動して、第2ポート34bと第1ポート
34aとの間を遮断し、第2ポート34bと第3ポート
34cとの間を接続する。
【0045】従って、第3実施例の場合にあっても、エ
ンジンの冷態始動時、電磁バルブ34がオンになると、
蓄熱装置35内で保温されていた温かい冷却水が、ウォ
ータポンプ36’により管路P5を通って圧送され、管
路P5からシリンダヘッド11の導入口23aを介して
ウォータジャケット23に流入する。そして、温かい冷
却水はウォータジャケット23内の冷たい冷却水を押し
出すように流れ、冷たい冷却水はその導出口23bよ
り、管路P7を通って電磁バルブ34に至り、この電磁
バルブ34から管路P5を通って蓄熱装置35に戻され
る。
【0046】ここで、管路P5は、管路P10を介して
管路P4に接続されているが、吸気ポート側ウォータジ
ャケット23の冷却水の通路は閉じた系となっているの
で、管路P10に冷却水の流れは生じない。一方、電磁
バルブ34の通電が解除されてオフとなると、弁体34
dが図中下方に移動して、第2ポート34bと第3ポー
ト34cとの間を遮断し、第2ポート34bと第1ポー
ト34aとの間を接続する。
【0047】従って、電磁バルブ34の通電が解除され
てオフとなると、管路P4を流れてきた冷却水の一部は
管路P10を通って、管路P5に入る。そして、管路P
5に流れた冷却水は、電磁バルブ34の第3ポート34
cが閉じられているので、蓄熱装置35方向に流れ、ウ
ォータポンプ36’により管路P5を通って圧送され
て、管路P5からシリンダヘッド11の導入口23aを
介してウォータジャケット23に流入する。そして、冷
却水はウォータジャケット23内を流れて、ウォータジ
ャケット23の導出口23bから排出され、電磁バルブ
34を通り管路P2に戻される。
【0048】この第3実施例は、管路の位置を変更した
だけのもので、第1実施例及び第2実施例と同様の効果
が得られる。図9に示されるヒータ装置53は、第1,
第2及び第3実施例の蓄熱装置35と置き換えて使用さ
れ、蓄熱装置35の位置の管路P5の回りに巻付けられ
たヒータ線を備えている。ヒータ装置53は、電磁弁3
4がオン状態にあるとき、管路P5を介してウォータジ
ャケット23に向かう冷却水を瞬間に暖める。
【0049】また、ヒータ装置50は、ヒータ線部を直
接管路P5内に設け、直接冷却水を暖めることも可能で
ある。このヒータ装置50を使用した場合、図5のフロ
ーチャートは、次のように変更される。ステップS7で
は、冷却水温度Tのみの読込みとなり、また、ステップ
S8が省略される。
【0050】ステップS11では、電磁バルブ34のオ
ンと共にヒーター装置50がオンとなり、ステップS1
2では、電磁バルブ34のオフと共にヒーター装置50
がオフとなる。このヒータ装置50は、電熱線に電流を
流すだけで確実に冷却水を温めることができるため、蓄
熱装置35の蓄熱温度に拘らずエンジンを予熱すること
ができる。
【0051】また、上述した各実施例では、ウォータジ
ャケット23内の冷却水温度Tから、吸気ポートの内壁
温度を推定しているが、シリンダヘッドの吸気ポート1
7の近傍に温度センサを埋設し、この温度センサからの
センサ信号に基づき、電磁バルブのオンオフ制御がされ
るようにしてもよい。更に、ウォータジャケット23,
24間の分離壁33は、必ずしも必要となるものではな
く、例えばこの分離壁33の代わりに導入口から流入し
た冷却水を、主として導出口に導く整流壁を設けてもよ
い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
の予熱装置は、エンジンの冷態時、吸気ポート側ウォー
タジャケットに加熱されている冷却水を循環して流すよ
うにしたから、シリンダヘッドの吸気ポート側を積極的
に暖めることができる。従って、エンジンの冷態始動時
から吸気ポートの内壁が暖められるので、吸気ポートの
内壁に長い時間にわたって付着する燃料の量を低減し
て、燃焼効率を高めることができ、排気ガス中のスモー
クやHCを極めて少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リーンバーンエンジンのシリンダの縦断面図で
ある。
【図2】リーンバーンエンジンの概略斜視図である。
【図3】第1実施例の予熱装置を配設した冷却水の冷却
装置の概略図である。
【図4】蓄熱装置の一部を破断した斜視図を示す。
【図5】予熱装置の動作過程を示すフローチャートであ
る。
【図6】冷態始動時での冷却水温の温度上昇変化を示す
グラフである。
【図7】第2実施例の予熱装置を配設した冷却水の冷却
装置の概略図である。
【図8】第3実施例の予熱装置を配設した冷却水の冷却
装置の概略図である。
【図9】予熱装置に配設されたヒータ装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
10 シリンダブロック 11 シリンダヘッド 15,23,24 ウォータジャケット 17a,17b 吸気ポート 18 排気ポート 25 点火プラグ 26 インジェクタ 30 ラジエータ 31 サーモスタット 32,36’ ウォータポンプ 33 分離壁 34 電磁バルブ 35 蓄熱装置 36 電動ポンプ 50 コントローラ 51,52 温度センサ 53 ヒータ装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドの一端部に設けられ、吸
    気ポート側ウォータジャケットに連通したジャケット入
    口と、シリンダヘッドの他方の端部に設けられ、同じく
    吸気ポート側ウォータジャケットに連通したジャケット
    出口と、ジャケット入口とジャケット出口との間を接続
    し、吸気ポート側ウォータジャケット内を通じて、冷却
    水の循環経路を構成する接続管路と、ジャケット出口を
    ラジエータの入口側に連通させる一方、接続管路をラジ
    エータの出口に連通させる開閉可能な連通手段と、接続
    管路に設けられ、ジャケット入口に向けて冷却水を圧送
    するポンプと、エンジンの冷態時には、連通手段を閉じ
    て、吸気ポート側ウォータジャケットと接続管路との間
    で冷却水の第1循環経路を形成し、エンジンが温態以上
    の高温になった時には、連通手段を開き、吸気ポート側
    ウォータジャケットからラジエータ及び接続管路を介し
    て流れる冷却水の第2循環経路を形成する制御手段と、
    接続管路のジャケット入口側に設けられ、冷却水が第1
    循環経路を介して循環するとき、前記ジャケット入口側
    に向け、加熱されている冷却水を供給する供給手段とを
    具備したことを特徴とするエンジンの予熱装置。
JP5811292A 1992-03-16 1992-03-16 エンジンの予熱装置 Withdrawn JPH05256133A (ja)

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Cited By (5)

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