JPH05255323A - 4−シアノキヌクリジンの製造法 - Google Patents
4−シアノキヌクリジンの製造法Info
- Publication number
- JPH05255323A JPH05255323A JP9164392A JP9164392A JPH05255323A JP H05255323 A JPH05255323 A JP H05255323A JP 9164392 A JP9164392 A JP 9164392A JP 9164392 A JP9164392 A JP 9164392A JP H05255323 A JPH05255323 A JP H05255323A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyanoquinuclidine
- solution
- cyanopiperidine
- aqueous
- cyclic ether
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 4−シアノキヌクリジンを含む反応混合液か
ら、簡単な操作で効率よく、高い収率で4−シアノキヌ
クリジンを得る。 【構成】 4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを
含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加する。環状エー
テルとしてテトラヒドロフランなどを用いる。また、ア
ルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどの水溶液を用いる。アルカリ水溶液の濃度は、水
層のアルカリ濃度が好ましくは10重量%以上となるよ
うに決定する。前記反応混合液として、例えば、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状
エーテル混合液に、水層のアルカリ濃度が2重量%以上
となるアルカリ水溶液を混合し、有機層を閉環反応に付
して得られる反応混合液を用いる。4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行するため、有機層より、純
度の高い4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶液が
収率良く得られる。
ら、簡単な操作で効率よく、高い収率で4−シアノキヌ
クリジンを得る。 【構成】 4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを
含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加する。環状エー
テルとしてテトラヒドロフランなどを用いる。また、ア
ルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどの水溶液を用いる。アルカリ水溶液の濃度は、水
層のアルカリ濃度が好ましくは10重量%以上となるよ
うに決定する。前記反応混合液として、例えば、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状
エーテル混合液に、水層のアルカリ濃度が2重量%以上
となるアルカリ水溶液を混合し、有機層を閉環反応に付
して得られる反応混合液を用いる。4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行するため、有機層より、純
度の高い4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶液が
収率良く得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の中間体、化学
試薬などとして使用できる4−シアノキヌクリジンの製
造法に関する。
試薬などとして使用できる4−シアノキヌクリジンの製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】セフ
ァロスポリン系抗生物質の中間体、化学試薬としての用
途が期待されている4−シアノキヌクリジンは、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸塩を
原料として合成されている。特開昭62−16462号
公報、及び特開昭62−16481号公報には、次のよ
うな合成法により4−シアノキヌクリジンを得る方法が
開示されている。すなわち、閉環効率を高めるため、ナ
トリウムアミドとヨウ化ナトリウムをジメトキシエタン
に懸濁させた懸濁液に、N−(2−クロロエチル)−4
−シアノピペリジン塩酸塩を添加して反応させ、得られ
た反応混合液を氷水中に添加した後、濾過し、濾液の有
機層を濃縮することにより4−シアノキヌクリジンを得
ている。また、濾液の水層に炭酸カリウムを加えた後、
クロロホルムで抽出し、有機層を濃縮することにより、
水層中の4−シアノキヌクリジンを回収している。
ァロスポリン系抗生物質の中間体、化学試薬としての用
途が期待されている4−シアノキヌクリジンは、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸塩を
原料として合成されている。特開昭62−16462号
公報、及び特開昭62−16481号公報には、次のよ
うな合成法により4−シアノキヌクリジンを得る方法が
開示されている。すなわち、閉環効率を高めるため、ナ
トリウムアミドとヨウ化ナトリウムをジメトキシエタン
に懸濁させた懸濁液に、N−(2−クロロエチル)−4
−シアノピペリジン塩酸塩を添加して反応させ、得られ
た反応混合液を氷水中に添加した後、濾過し、濾液の有
機層を濃縮することにより4−シアノキヌクリジンを得
ている。また、濾液の水層に炭酸カリウムを加えた後、
クロロホルムで抽出し、有機層を濃縮することにより、
水層中の4−シアノキヌクリジンを回収している。
【0003】しかし、目的化合物である4−シアノキヌ
クリジンは水に易溶であり、水層に極めて移行し易いた
め、前記方法では、有機層から収率よく4−シアノキヌ
クリジンを得るのは困難である。また、収率を向上させ
るために、さらに水層中の4−シアノキヌクリジンを回
収する操作を行っているが、前記公報記載の回収方法で
は、水層に炭酸カリウムを添加するものの、クロロホル
ムで抽出しているため、4−シアノキヌクリジンを効率
よく回収することができない。このように、従来の方法
では、4−シアノキヌクリジンを取得するための工程数
が多く、操作が煩雑であり、また、収率の点でも満足で
きるものではなかった。
クリジンは水に易溶であり、水層に極めて移行し易いた
め、前記方法では、有機層から収率よく4−シアノキヌ
クリジンを得るのは困難である。また、収率を向上させ
るために、さらに水層中の4−シアノキヌクリジンを回
収する操作を行っているが、前記公報記載の回収方法で
は、水層に炭酸カリウムを添加するものの、クロロホル
ムで抽出しているため、4−シアノキヌクリジンを効率
よく回収することができない。このように、従来の方法
では、4−シアノキヌクリジンを取得するための工程数
が多く、操作が煩雑であり、また、収率の点でも満足で
きるものではなかった。
【0004】したがって本発明の目的は、簡単な操作
で、効率よく、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製
造する方法を提供することにある。
で、効率よく、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製
造する方法を提供することにある。
【0005】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、4−シアノキヌクリジンと環状
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ると、4−シアノキヌクリジンが効率よく有機層に移行
するため、簡単な操作で収率よく4−シアノキヌクリジ
ンが得られることを見出だし、本発明を完成した。
め、鋭意検討した結果、4−シアノキヌクリジンと環状
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ると、4−シアノキヌクリジンが効率よく有機層に移行
するため、簡単な操作で収率よく4−シアノキヌクリジ
ンが得られることを見出だし、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、4−シアノキヌクリ
ジンと有機溶媒とを含む反応混合液に水を添加し、有機
層から4−シアノキヌクリジンを得る方法であって、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加する4−シアノキヌクリジン
の製造法を提供する。
ジンと有機溶媒とを含む反応混合液に水を添加し、有機
層から4−シアノキヌクリジンを得る方法であって、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加する4−シアノキヌクリジン
の製造法を提供する。
【0007】本発明は、4−シアノキヌクリジンと環状
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ることを特徴とする。
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ることを特徴とする。
【0008】前記反応混合液は、4−シアノキヌクリジ
ンを生成させるいかなる反応によるものであってもよ
い。前記反応混合液は、例えば、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得ることができる。
ンを生成させるいかなる反応によるものであってもよ
い。前記反応混合液は、例えば、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得ることができる。
【0009】以下、N−(2−ハロエチル)−4−シア
ノピペリジンの環状エーテル混合液の調製と閉環反応に
ついて説明する。
ノピペリジンの環状エーテル混合液の調製と閉環反応に
ついて説明する。
【0010】前記環状エーテル混合液を閉環反応に付す
場合、原料として用いられるN−(2−ハロエチル)−
4−シアノピペリジンには、N−(2−フルオロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−クロロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ブロモエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ヨードエチ
ル)−4−シアノピペリジンが含まれる。これらのう
ち、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン
及びN−(2−ブロモエチル)−4−シアノピペリジ
ン、特にN−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリ
ジンが繁用される。
場合、原料として用いられるN−(2−ハロエチル)−
4−シアノピペリジンには、N−(2−フルオロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−クロロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ブロモエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ヨードエチ
ル)−4−シアノピペリジンが含まれる。これらのう
ち、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン
及びN−(2−ブロモエチル)−4−シアノピペリジ
ン、特にN−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリ
ジンが繁用される。
【0011】また、反応原料として、遊離のN−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンのほか、その塩を
用いてもよい。N−(2−ハロエチル)−4−シアノピ
ペリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などの
鉱酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩などのスルホン酸塩等が挙げられる。好ましい塩に
は、塩酸塩などが含まれる。
ハロエチル)−4−シアノピペリジンのほか、その塩を
用いてもよい。N−(2−ハロエチル)−4−シアノピ
ペリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などの
鉱酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩などのスルホン酸塩等が挙げられる。好ましい塩に
は、塩酸塩などが含まれる。
【0012】前記環状エーテル混合液として、N−(2
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エー
テル混合液を用いることもできるが、好ましくは、遊離
のN−(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの環
状エーテル混合液である。遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液は、
例えば、次の方法により調製することができる。
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エー
テル混合液を用いることもできるが、好ましくは、遊離
のN−(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの環
状エーテル混合液である。遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液は、
例えば、次の方法により調製することができる。
【0013】すなわち、N−(2−ハロエチル)−4−
シアノピペリジンの塩の環状エーテル混合液に、水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合し、有機層より、遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液を得る
ことができる。以下、この方法について説明する。
シアノピペリジンの塩の環状エーテル混合液に、水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合し、有機層より、遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液を得る
ことができる。以下、この方法について説明する。
【0014】N−(2−ハロエチル)−4−シアノピペ
リジンの塩として、前記したいずれのものも使用でき
る。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどが用いられ
る。これらのうち、特にテトラヒドロフランが繁用され
る。使用する環状エーテルの量は任意に選択できるが、
操作性を良くするため、N−(2−ハロエチル)−4−
シアノピペリジンの塩100重量部に対し、通常50重
量部以上、好ましくは80〜800重量部、さらに好ま
しくは80〜300重量部程度である。
リジンの塩として、前記したいずれのものも使用でき
る。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどが用いられ
る。これらのうち、特にテトラヒドロフランが繁用され
る。使用する環状エーテルの量は任意に選択できるが、
操作性を良くするため、N−(2−ハロエチル)−4−
シアノピペリジンの塩100重量部に対し、通常50重
量部以上、好ましくは80〜800重量部、さらに好ま
しくは80〜300重量部程度である。
【0015】前記N−(2−ハロエチル)−4−シアノ
ピペリジンの塩の環状エーテル混合液に混合するアルカ
リ水溶液として、有機アルカリの水溶液を用いることも
できるが、通常、無機アルカリの水溶液が用いられる。
無機アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
チウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムな
どのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げら
れる。これらのアルカリは、一種又は二種以上組み合わ
せて用いられる。
ピペリジンの塩の環状エーテル混合液に混合するアルカ
リ水溶液として、有機アルカリの水溶液を用いることも
できるが、通常、無機アルカリの水溶液が用いられる。
無機アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
チウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムな
どのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げら
れる。これらのアルカリは、一種又は二種以上組み合わ
せて用いられる。
【0016】前記アルカリのうち、アルカリ金属の水酸
化物、又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。特
に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ水酸化ナト
リウム及び水酸化カリウムが繁用される。
化物、又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。特
に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ水酸化ナト
リウム及び水酸化カリウムが繁用される。
【0017】前記アルカリ水溶液の濃度は、N−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩を遊離化する
のに消費されるアルカリの量を考慮し、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上、好ましくは5重量%以
上、さらに好ましくは10%重量以上となるように決定
する。水層のアルカリ濃度を2重量%以上とすることに
より、有機層より、純度の高いN−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が高収率で
得られる。また、閉環反応に供するために、有機層の水
分を同時に除去する場合には、水層のアルカリ濃度を3
0%以上とするのが好ましい。水層のアルカリ濃度を3
0%以上とすることにより、有機層の水分を、例えば
0.1%以下にすることができる。
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩を遊離化する
のに消費されるアルカリの量を考慮し、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上、好ましくは5重量%以
上、さらに好ましくは10%重量以上となるように決定
する。水層のアルカリ濃度を2重量%以上とすることに
より、有機層より、純度の高いN−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が高収率で
得られる。また、閉環反応に供するために、有機層の水
分を同時に除去する場合には、水層のアルカリ濃度を3
0%以上とするのが好ましい。水層のアルカリ濃度を3
0%以上とすることにより、有機層の水分を、例えば
0.1%以下にすることができる。
【0018】図1に示されるように、N−(2−ハロエ
チル)−4−シアノピペリジンのアルカリ水溶液に対す
る溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化し、アル
カリ濃度が2重量%以上になると著しく低下する。一
方、テトラヒドロフランなどの環状エーテルは、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを極めて容
易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しない。従
って、前記塩の環状エーテル混合液に、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合することにより、遊離化したN−(2−ハロエ
チル)−4−シアノピペリジンが効率的に有機層に移行
し、その結果、有機層より、純度の高いN−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が
高収率で得られるものと思われる。なお、図1は、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジンの水酸化
ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグラフである。
チル)−4−シアノピペリジンのアルカリ水溶液に対す
る溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化し、アル
カリ濃度が2重量%以上になると著しく低下する。一
方、テトラヒドロフランなどの環状エーテルは、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを極めて容
易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しない。従
って、前記塩の環状エーテル混合液に、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合することにより、遊離化したN−(2−ハロエ
チル)−4−シアノピペリジンが効率的に有機層に移行
し、その結果、有機層より、純度の高いN−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が
高収率で得られるものと思われる。なお、図1は、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジンの水酸化
ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグラフである。
【0019】前記アルカリ水溶液の量は、任意に選択で
きるが、操作性を良くするため、用いる環状エーテル1
00重量部に対して、通常5〜300重量部、好ましく
は10〜150重量部である。
きるが、操作性を良くするため、用いる環状エーテル1
00重量部に対して、通常5〜300重量部、好ましく
は10〜150重量部である。
【0020】前記塩の環状エーテル混合液にアルカリ水
溶液を混合する場合、予め調製したアルカリ水溶液を添
加、混合してもよく、また、前記アルカリと水またはア
ルカリ水溶液とを別個に添加してもよい。また、アルカ
リ水溶液又はアルカリは、分割して添加することもでき
る。
溶液を混合する場合、予め調製したアルカリ水溶液を添
加、混合してもよく、また、前記アルカリと水またはア
ルカリ水溶液とを別個に添加してもよい。また、アルカ
リ水溶液又はアルカリは、分割して添加することもでき
る。
【0021】混合は、慣用の方法で行うことができる。
混合後、混合液を分液させ、有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液との混合、
分取を繰り返すこともできる。また、得られた有機層
は、必要に応じて、通常用いられる乾燥剤、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、無
水硫酸ナトリウム等を加えることにより、水分を除去
し、閉環反応に供することもできる。
混合後、混合液を分液させ、有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液との混合、
分取を繰り返すこともできる。また、得られた有機層
は、必要に応じて、通常用いられる乾燥剤、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、無
水硫酸ナトリウム等を加えることにより、水分を除去
し、閉環反応に供することもできる。
【0022】こうして得られる前記有機層は、N−(2
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを高純度で含む
ため、閉環反応に付される前記N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液として好
適に用いられる。また、上記方法によれば、N−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の遊離化を、
入手し易く、取り扱い易いアルカリによって行うため、
工業的に有利である。
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを高純度で含む
ため、閉環反応に付される前記N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液として好
適に用いられる。また、上記方法によれば、N−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の遊離化を、
入手し易く、取り扱い易いアルカリによって行うため、
工業的に有利である。
【0023】前記閉環反応は、慣用の方法で行うことが
できる。
できる。
【0024】閉環反応には、通常、ナトリウムアミド、
カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金属ア
ミド;リチウムジイソプロピルアミドなどのアルカリ金
属のジアルキルアミド;ブチルリチウム、メチルリチウ
ムなどのアルキルリチウム;水素化ナトリウム、水素化
カリウムなどのアルカリ金属の水素化物などの塩基が用
いられる。これらのうち、好ましくは、ナトリウムアミ
ド、カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金
属アミド等であり、特に、ナトリウムアミドが繁用され
る。また、反応温度は、用いる塩基の種類などにより適
宜選択できるが、通常−80℃〜100℃、好ましくは
−10℃〜50℃程度である。
カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金属ア
ミド;リチウムジイソプロピルアミドなどのアルカリ金
属のジアルキルアミド;ブチルリチウム、メチルリチウ
ムなどのアルキルリチウム;水素化ナトリウム、水素化
カリウムなどのアルカリ金属の水素化物などの塩基が用
いられる。これらのうち、好ましくは、ナトリウムアミ
ド、カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金
属アミド等であり、特に、ナトリウムアミドが繁用され
る。また、反応温度は、用いる塩基の種類などにより適
宜選択できるが、通常−80℃〜100℃、好ましくは
−10℃〜50℃程度である。
【0025】以上のようにして、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得られる反応混合液は、本発明
の4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応
混合液として好適に用いられる。前記閉環反応により得
られる反応混合液はそのまま用いてもよく、また、必要
に応じて、濃縮、希釈又は濾過等の物理的操作を施した
ものを用いることもできる。
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得られる反応混合液は、本発明
の4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応
混合液として好適に用いられる。前記閉環反応により得
られる反応混合液はそのまま用いてもよく、また、必要
に応じて、濃縮、希釈又は濾過等の物理的操作を施した
ものを用いることもできる。
【0026】本発明における環状エーテルには、テトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサ
ンなどが含まれる。これらのうち、特にテトラヒドロフ
ランが繁用される。
ヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサ
ンなどが含まれる。これらのうち、特にテトラヒドロフ
ランが繁用される。
【0027】4−シアノキヌクリジンを含む反応混合液
は、通常、目的化合物である4−シアノキヌクリジンの
ほか、反応に用いられる原料、塩基の種類などに応じ
て、塩化ナトリウムなどの無機塩、アンモニア等のガ
ス、その他の副生物を含有している。従って、反応生成
物から4−シアノキヌクリジンと無機塩などとを分離す
るために、通常、有機溶媒と水を用いる抽出操作が採ら
れる。しかし、4−シアノキヌクリジンは水に極めて溶
解しやすいため、抽出溶媒として通常用いられる、ジメ
トキシエタンやジエチルエーテルなどの鎖状エーテル
類;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類等によっては、4−シア
ノキヌクリジジンを有機層側に収率よく移行させ、抽出
することができない。また、クロロホルムなどは、4−
シアノキヌクリジン生成反応で、強塩基を使用する場合
には、反応溶媒として不適当でもある。
は、通常、目的化合物である4−シアノキヌクリジンの
ほか、反応に用いられる原料、塩基の種類などに応じ
て、塩化ナトリウムなどの無機塩、アンモニア等のガ
ス、その他の副生物を含有している。従って、反応生成
物から4−シアノキヌクリジンと無機塩などとを分離す
るために、通常、有機溶媒と水を用いる抽出操作が採ら
れる。しかし、4−シアノキヌクリジンは水に極めて溶
解しやすいため、抽出溶媒として通常用いられる、ジメ
トキシエタンやジエチルエーテルなどの鎖状エーテル
類;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類等によっては、4−シア
ノキヌクリジジンを有機層側に収率よく移行させ、抽出
することができない。また、クロロホルムなどは、4−
シアノキヌクリジン生成反応で、強塩基を使用する場合
には、反応溶媒として不適当でもある。
【0028】これに対し、環状エーテルは、4−シアノ
キヌクリジン生成反応の反応溶媒として優れていると共
に、目的化合物である4−シアノキヌクリジンを極めて
容易に溶解し、しかもアルカリ水溶液と混和しない。一
方、後述するように、4−シアノキヌクリジンは、アル
カリ水溶液に対して溶解度が著しく小さい。従って、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加すると、4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行し、副生する無機塩等から
容易に分離することができる。また、反応溶媒として環
状エーテルを用いる場合は、反応溶媒をそのまま抽出溶
媒として用いることができるため、反応工程から円滑に
分離工程へ移行することができ、工業的に極めて有利で
ある。
キヌクリジン生成反応の反応溶媒として優れていると共
に、目的化合物である4−シアノキヌクリジンを極めて
容易に溶解し、しかもアルカリ水溶液と混和しない。一
方、後述するように、4−シアノキヌクリジンは、アル
カリ水溶液に対して溶解度が著しく小さい。従って、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加すると、4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行し、副生する無機塩等から
容易に分離することができる。また、反応溶媒として環
状エーテルを用いる場合は、反応溶媒をそのまま抽出溶
媒として用いることができるため、反応工程から円滑に
分離工程へ移行することができ、工業的に極めて有利で
ある。
【0029】前記反応混合液における環状エーテルの量
は、特に限定されないが、操作性を良くするため、反応
混合液中の4−シアノキヌクリジン100重量部に対し
て、通常50重量部以上、好ましくは80〜800重量
部、さらに好ましくは80〜300重量部程度である。
は、特に限定されないが、操作性を良くするため、反応
混合液中の4−シアノキヌクリジン100重量部に対し
て、通常50重量部以上、好ましくは80〜800重量
部、さらに好ましくは80〜300重量部程度である。
【0030】本発明において、4−シアノキヌクリジン
と環状エーテルとを含む反応混合液に添加するアルカリ
水溶液中のアルカリの種類は、N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの塩の遊離化に用いられる前記
アルカリから選択できる。前記アルカリのうち、アルカ
リ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物が好
ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが繁用される。
と環状エーテルとを含む反応混合液に添加するアルカリ
水溶液中のアルカリの種類は、N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの塩の遊離化に用いられる前記
アルカリから選択できる。前記アルカリのうち、アルカ
リ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物が好
ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが繁用される。
【0031】前記アルカリ水溶液の濃度は、特に限定さ
れないが、前記反応混合液に添加した後の水層のアルカ
リ濃度が、好ましくは10重量%以上、特に好ましくは
15重量%〜30重量%となるように決定する。なお、
反応混合液に未反応の前記塩基が残存する場合には、塩
基が水と反応してアルカリとなるので、塩基の残存量に
より水層のアルカリ濃度が異なる。
れないが、前記反応混合液に添加した後の水層のアルカ
リ濃度が、好ましくは10重量%以上、特に好ましくは
15重量%〜30重量%となるように決定する。なお、
反応混合液に未反応の前記塩基が残存する場合には、塩
基が水と反応してアルカリとなるので、塩基の残存量に
より水層のアルカリ濃度が異なる。
【0032】前記反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ることにより、有機層から、高純度の4−シアノキヌク
リジンを高収率で得ることができる。
ることにより、有機層から、高純度の4−シアノキヌク
リジンを高収率で得ることができる。
【0033】図2に示されるように、4−シアノキヌク
リジンのアルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶
液に対する溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化
し、アルカリ濃度が10重量%以上、特に15重量%以
上になると著しく低下する。一方、テトラヒドロフラン
などの環状エーテルは、4−シアノキヌクリジンを極め
て容易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しな
い。従って、4−シアノキヌクリジンが極めて効率的に
有機層に移行するものと思われる。なお、図2は、4−
シアノキヌクリジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する
溶解度を示すグラフである。
リジンのアルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶
液に対する溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化
し、アルカリ濃度が10重量%以上、特に15重量%以
上になると著しく低下する。一方、テトラヒドロフラン
などの環状エーテルは、4−シアノキヌクリジンを極め
て容易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しな
い。従って、4−シアノキヌクリジンが極めて効率的に
有機層に移行するものと思われる。なお、図2は、4−
シアノキヌクリジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する
溶解度を示すグラフである。
【0034】前記アルカリ水溶液の添加量は、任意に選
択できるが、操作性を良くするため、反応混合物100
重量部に対して、通常30〜500重量部、好ましくは
50〜300重量部である。
択できるが、操作性を良くするため、反応混合物100
重量部に対して、通常30〜500重量部、好ましくは
50〜300重量部である。
【0035】前記反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
る方法としては、特に限定されず、前記N−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エーテル混
合液にアルカリ水溶液を混合する場合と同様、種々の方
法を採ることができる。
る方法としては、特に限定されず、前記N−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エーテル混
合液にアルカリ水溶液を混合する場合と同様、種々の方
法を採ることができる。
【0036】アルカリ水溶液の添加後、必要に応じて攪
拌等により混合し、分液した有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液の添加及び
分離操作を繰り返すこともできる。
拌等により混合し、分液した有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液の添加及び
分離操作を繰り返すこともできる。
【0037】こうして前記有機層より、4−シアノキヌ
クリジンを、環状エーテル溶液として得ることができ
る。得られた4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶
液は、そのまま、あるいは乾燥、濾過、濃縮、希釈等の
慣用の処理を施した後、医薬品等を製造するため、種々
の反応に供することができる。
クリジンを、環状エーテル溶液として得ることができ
る。得られた4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶
液は、そのまま、あるいは乾燥、濾過、濃縮、希釈等の
慣用の処理を施した後、医薬品等を製造するため、種々
の反応に供することができる。
【0038】また、前記有機層から、例えば蒸留乾固、
濃縮、濾過、晶析、再結晶、溶媒抽出、昇華、カラムク
ロマトグラフィーやこれらを組み合わせた慣用の分離手
段により、高純度の4−シアノキヌクリジンを単離する
ことができる。
濃縮、濾過、晶析、再結晶、溶媒抽出、昇華、カラムク
ロマトグラフィーやこれらを組み合わせた慣用の分離手
段により、高純度の4−シアノキヌクリジンを単離する
ことができる。
【0039】さらに、前記有機層に酸を添加すると、生
成した塩が晶析又は沈澱するため、容易に高純度の4−
シアノキヌクリジンの塩を得ることができる。4−シア
ノキヌクリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩
などの鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸
塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
などのスルホン酸塩等があげられる。これらの塩は慣用
の分離手段、例えば遠心分離、濾過に供することにより
容易に単離することができる。
成した塩が晶析又は沈澱するため、容易に高純度の4−
シアノキヌクリジンの塩を得ることができる。4−シア
ノキヌクリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩
などの鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸
塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
などのスルホン酸塩等があげられる。これらの塩は慣用
の分離手段、例えば遠心分離、濾過に供することにより
容易に単離することができる。
【0040】単離された4−シアノキヌクリジン又はそ
の塩は、医薬品の中間体、化学試薬などとして使用する
ことができる。
の塩は、医薬品の中間体、化学試薬などとして使用する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、4−シアノキヌ
クリジンを含む反応混合液から、簡単な操作で、効率よ
く、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製造すること
ができる。
クリジンを含む反応混合液から、簡単な操作で、効率よ
く、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製造すること
ができる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0043】なお、4−シアノキヌクリジンの純度及び
収率は、高速液体クロマトグラフィーにより求めた。分
離条件は次の通りである。
収率は、高速液体クロマトグラフィーにより求めた。分
離条件は次の通りである。
【0044】カラム :ASAHI PACK ODP
−50 4.6mmφ×150mm 移動相 :アセトニトリル(350容量部)−50mM
KH2 PO4 水溶液(KOH水溶液によりpH9に調
整)(650容量部) 流 速:0.5ml/分 検出波長:205nm 注入量 :20μl 温 度:40℃ 保持時間:6.9分 定量法 :絶対検量線法 実施例1 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン160
gに懸濁し、25%水酸化ナトリウム水溶液120g
(0.75モル)を添加して室温で30分撹拌した。分
液後、水層中の水酸化ナトリウムの濃度を測定すると
9.1%であった。有機層に、さらに40%水酸化ナト
リウム水溶液40gを添加し、室温で30分撹拌した。
水層を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノ
ピペリジンのテトラヒドロフラン溶液244gを得た
(収率98%、水分0.09%)。
−50 4.6mmφ×150mm 移動相 :アセトニトリル(350容量部)−50mM
KH2 PO4 水溶液(KOH水溶液によりpH9に調
整)(650容量部) 流 速:0.5ml/分 検出波長:205nm 注入量 :20μl 温 度:40℃ 保持時間:6.9分 定量法 :絶対検量線法 実施例1 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン160
gに懸濁し、25%水酸化ナトリウム水溶液120g
(0.75モル)を添加して室温で30分撹拌した。分
液後、水層中の水酸化ナトリウムの濃度を測定すると
9.1%であった。有機層に、さらに40%水酸化ナト
リウム水溶液40gを添加し、室温で30分撹拌した。
水層を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノ
ピペリジンのテトラヒドロフラン溶液244gを得た
(収率98%、水分0.09%)。
【0045】得られたN−(2−クロロエチル)−4−
シアノピペリジン(0.49モル)のテトラヒドロフラ
ン溶液244gに、攪拌しながらナトリウムアミド47
g(1.2モル)と、ブタノール8gを添加し、室温で
6時間反応させた。反応混合物に25%水酸化ナトリウ
ム水溶液400gを添加し、30分撹拌後分液させた。
有機層を濃縮し、4−シアノキヌクリジン60gを得た
(純度85%、収率82%)。
シアノピペリジン(0.49モル)のテトラヒドロフラ
ン溶液244gに、攪拌しながらナトリウムアミド47
g(1.2モル)と、ブタノール8gを添加し、室温で
6時間反応させた。反応混合物に25%水酸化ナトリウ
ム水溶液400gを添加し、30分撹拌後分液させた。
有機層を濃縮し、4−シアノキヌクリジン60gを得た
(純度85%、収率82%)。
【0046】比較例1 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン
(0.49モル)のジメトキシエタン溶液244gを用
いる以外は実施例1と同様にして閉環反応及び抽出操作
を行い、4−シアノキヌクリジン20gを得た(純度5
1%、収率16%)。さらに、水層にクロロホルム16
0gを添加し、室温で30分攪拌後分液させ、有機層を
濃縮して、4−シアノキヌクリジンを得た(合計収率1
8%)。
(0.49モル)のジメトキシエタン溶液244gを用
いる以外は実施例1と同様にして閉環反応及び抽出操作
を行い、4−シアノキヌクリジン20gを得た(純度5
1%、収率16%)。さらに、水層にクロロホルム16
0gを添加し、室温で30分攪拌後分液させ、有機層を
濃縮して、4−シアノキヌクリジンを得た(合計収率1
8%)。
【0047】実施例2 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン100
gに懸濁し、40%水酸化カリウム水溶液120g
(0.86モル)を添加し、さらに水酸化カリウムの結
晶20gを添加して室温で30分撹拌した。分液後水層
を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペ
リジンのテトラヒドロフラン溶液185gを得た(収率
99%、水分0.1%)。
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン100
gに懸濁し、40%水酸化カリウム水溶液120g
(0.86モル)を添加し、さらに水酸化カリウムの結
晶20gを添加して室温で30分撹拌した。分液後水層
を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペ
リジンのテトラヒドロフラン溶液185gを得た(収率
99%、水分0.1%)。
【0048】得られたN−(2−クロロエチル)−4−
シアノピペリジン(0.5モル)のテトラヒドロフラン
溶液185gにナトリウムアミド47g(1.2モル)
とブタノール8gを添加し、室温で6時間反応させた。
反応混合物に25%水酸化カリウム400gを添加し、
30分撹拌後分液させた。有機層から減圧操作により溶
存アンモニアを脱気し、硫酸38g(0.38モル)を
添加した。析出した結晶を分離、乾燥して、4−シアノ
キヌクリジン硫酸塩91g(収率86%)を得た。
シアノピペリジン(0.5モル)のテトラヒドロフラン
溶液185gにナトリウムアミド47g(1.2モル)
とブタノール8gを添加し、室温で6時間反応させた。
反応混合物に25%水酸化カリウム400gを添加し、
30分撹拌後分液させた。有機層から減圧操作により溶
存アンモニアを脱気し、硫酸38g(0.38モル)を
添加した。析出した結晶を分離、乾燥して、4−シアノ
キヌクリジン硫酸塩91g(収率86%)を得た。
【図1】N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリ
ジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグ
ラフである。
ジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグ
ラフである。
【図2】4−シアノキヌクリジンの水酸化ナトリウム水
溶液に対する溶解度を示すグラフである。
溶液に対する溶解度を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 4−シアノキヌクリジンと有機溶媒とを
含む反応混合液に水を添加し、有機層から4−シアノキ
ヌクリジンを得る方法であって、4−シアノキヌクリジ
ンと環状エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液
を添加する4−シアノキヌクリジンの製造法。 - 【請求項2】 水層のアルカリ濃度を10重量%以上と
する請求項1記載の4−シアノキヌクリジンの製造法。 - 【請求項3】 反応混合液として、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エーテル混合液
に、水層のアルカリ濃度が2重量%以上となるアルカリ
水溶液を混合し、有機層を閉環反応に付して得られる反
応混合液を用いる請求項1記載の4−シアノキヌクリジ
ンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164392A JPH05255323A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 4−シアノキヌクリジンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164392A JPH05255323A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 4−シアノキヌクリジンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255323A true JPH05255323A (ja) | 1993-10-05 |
Family
ID=14032211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9164392A Pending JPH05255323A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 4−シアノキヌクリジンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05255323A (ja) |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP9164392A patent/JPH05255323A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5936104A (en) | Process for producing 1,2-epoxy-3-amino-4-phenylbutane derivatives | |
JP2008516005A (ja) | レトロゾールの改良された調製方法 | |
EA009808B1 (ru) | Производные тропенола - исходный материал для получения терапевтически эффективных соединений | |
EP0524634A1 (en) | Process for the preparation of 1,2-naphtho-quinonediazido-5-sulfonyl chloride | |
JPS6351358A (ja) | ジタ−シヤリ−ブチルジカ−ボネ−トの製法 | |
EP1768980B1 (en) | Improved process for the manufacture of mirtazapine | |
JPS5939719A (ja) | 高純度炭酸リチウムの製造法 | |
WO2010122682A1 (ja) | N-アルコキシカルボニル-tert-ロイシンの製造法 | |
EP2643308B1 (en) | Process for the preparation of taurolidine and its intermediates thereof | |
WO2009119785A1 (ja) | エチニルチミジン化合物の精製方法 | |
JPH05255323A (ja) | 4−シアノキヌクリジンの製造法 | |
CN105418477B (zh) | 降低雷迪帕韦中间体中非对映异构体杂质含量的方法 | |
US6350880B1 (en) | Crystalline or crystallized acid addition salt of losartan and purification method of losartan | |
EP1666483B1 (en) | Process for producing 3-chloromethyl-3-cephem derivative | |
JP4721339B2 (ja) | N−アルコキシカルボニルアミノ酸の製造方法 | |
RU2130449C1 (ru) | Способ получения 3,4-дигидрокси-5-нитробензальдегида | |
JPH10316646A (ja) | 高純度の結晶質o−メチルイソ尿素酢酸塩の製造方法及び該方法で得られた結晶質o−メチルイソ尿素酢酸塩 | |
US6316657B1 (en) | Process for purification or recovery of sweetener | |
KR860001900B1 (ko) | β-클로로 아라닌의 제조법 | |
KR101170192B1 (ko) | 1,2-벤즈이속사졸-3-메탄술폰아미드의 원-포트 제조방법 | |
US4762945A (en) | Process for the preparation of aspirin peroxide | |
WO2009017239A2 (en) | Process for producing toluidine compound | |
JPH03157358A (ja) | O―メチルイソ尿素塩の製法 | |
JPS62198665A (ja) | キナルジンの精製法 | |
JPS59186942A (ja) | 粗製1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸又はその塩の精製法 |