JPH0525445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スライドフアスナーとしての機能と
面フアスナーとしての機能とを兼備したスライド
フアスナーチエーンに関する。

従来の技術 ふとん用袋シーツや袋カバー等の開口部に取り
付けられるスライドフアスナーチエーンとして
は、対向縁部に沿つてスライドフアスナーエレメ
ント列を各々取り付けた１対のフアスナーテープ
から成り、少なくとも一方の前記フアスナーテー
プの表面に、前記フアスナーエレメント列と離隔
して設けられた面フアスナー係合要素部を有する
ものが提案されている。このようなスライドフア
スナーチエーンは、前記面フアスナー係合要素部
を構成する係合要素の抜けを防止するための樹脂
が、前記１対のフアスナーテープの裏面全面にコ
ーテイングされており前記フアスナーエレメント
列取付部にもコーテイングされているものであ
る。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、前記スライドフアスナーチエー
ンにおいては、前述のように樹脂をコーテイング
することによつて、フアスナーエレメント列取付
部が固くなつてフアスナーエレメント列の柔軟性
が失われるため、スライイダーによる円滑な開閉
機能に支障をきたすという恐れがあつた。

故に、本考案は、スライドフアスナーチエーン
としての機能と面フアスナーとしての機能とを兼
備するとともに、両機能を充分に発揮できるスラ
イドフアスナーチエーンを提供することを目的と
する。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本考案によるスラ
イドフアスナーチエーンは、１対のフアスナーテ
ープと、該フアスナーテープの対向縁部に沿つて
各々取り付けられたフアスナーエレメント列とか
ら成り、前記フアスナーテープのうちの少なくと
も一方は、一面に面フアスナー係合要素部が設け
てあり、他面には、前記フアスナーエレメント列
取付部および該取付部に隣接した部分を除いて樹
脂コーテイング層が施されている。

実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図、第２図および第３図で示すように、本
考案によるスライドフアスナーチエーンＡは、１
対のフアスナーテープ２，３と、縫着糸４，５に
よつて前記フアスナーテープ２，３の対向縁部に
沿つて各々取り付けられており互いに噛合する
（図示例では噛合した状態）１対のフアスナーエ
レメント列７，８とから成つている。

一方のフアスナーテープ３の表面、すなわちフ
アスナーエレメント列８を取り付けた方の面に
は、前記フアスナーエレメント列８から離隔した
面フアスナー係合要素部１０が設けられている。
該係合要素部１０を構成する面フアスナー係合要
素９は、図示例のようなフツク状雄係合要素のみ
ならず、キノコ状雄係合要素、また、ループ状雌
係合要素であつてもよい。

さらに、前記フアスナーテープ２，３の各々の
裏面には、前記フアスナーエレメント列７，８を
取り付けたエレメント列７，８取付部および該取
付部に隣接した部分を除いて、樹脂コーテイング
層１２，１２が形成されている。前記樹脂コーテ
イング層１２，１２は、前記係合要素９が前記一
方のフアスナーテープ３から抜けるのを防止する
機能を有するとともに、前記フアスナーテープ
２，３をパツカーリングのないフラツトな状態に
維持し該フアスナーテープ２，３を外観の良いも
のとするという機能をも有する。

第４イ図および第４ロ図は、前記スライドフア
スナーチエーンＡのフアスナーテープ２，３に前
述のような樹脂コーテイング層１２，１２を形成
するためのコーテイング装置１７の一例を示す。
該装置１７は、タンク１９中の樹脂をフアスナー
テープ２，３に塗着するためのローラ１８と、該
ローラ１８上の樹脂を均一にならすためのナイフ
２０とから成つている。さらに、前記装置１７
は、前記フアスナーテープ２，３のフアスナーエ
レメント列７，８取付部および該取付部に隣接し
た部分に樹脂を塗着させないために、前記ローラ
１８の中央部に凹部１８ａを設けている。

本考案の別の実施例として、前記スライドフア
スナーチエーンＡは、面フアスナー係合要素部１
０を設けた方のフアスナーテープ３の裏面にのみ
前記樹脂コーテイング層１２を形成したものであ
つてもよい。さらに、前記１対のフアスナーテー
プ２，３の両方に面フアスナー係合要素部１０，
１０を設けることも可能であり、この場合、前記
係合要素部１０，１０は、各々が同一タイプの係
合要素９から成るものであつても、異なつたタイ
プの係合要素９から成るものであつてもよい。

さらに、前記実施例のすべてにおいて、前記面
フアスナー係合要素部１０は、フアスナーエレメ
ント列７，８を設けた面と反対側の面に設けてあ
つてもよい。

第５図で示すように、本考案によるスライドフ
アスナーチエーンＡは、ふとん用袋シーツや袋カ
バー、ふとん袋等の被着物Ｂ開口部縁部に取り付
けられてスライダー（図示せず）の摺動により前
記開口部を開閉するものであるが、少なくとも一
方のフアスナーテープ３に設けた面フアスナー係
合要素部１０が前記被着物Ｂの開口部縁部に固着
された面フアスナーテープ２１と係脱することに
よつても、前記開口部を開閉できるようになつて
いるものである。

考案の効果 前述のように、本考案によるスライドフアスナ
ーチエーンは、対向縁部に沿つてフアスナーエレ
メント列を各々取り付けた１対のフアスナーテー
プから成り、前記フアスナーテープのうちの少な
くとも一方は、一面に面フアスナー係合要素部が
設けてあり、他面には前記フアスナーエレメント
列取付部および該取付部に隣接した部分を除いて
樹脂コーテイング層が施されているものである。
その結果、前記スライドフアスナーチエーンは、
従来のものと違つて、前記樹脂コーテイング層に
よつてフアスナーエレメント列取付部が固くなつ
てフアスナーエレメント列の柔軟性が失われると
いうことがないためスライダーによる円滑な開閉
機能に支障をきたすことがなく、スライドフアス
ナーとしての機能と面フアスナーとしての機能と
を充分に発揮できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるスライドフアスナーチ
エーンの一実施例を示す平面図、第２図は、第１
図−線断面図、第３図は、第２図の要部拡大
断面図、第４イ図および第４ロ図は、本考案によ
るスライドフアスナーチエーンのフアスナーテー
プに樹脂コーテイング層を形成するための装置を
示し、第５図は、前記スライドフアスナーチエー
ンの使用例を示す図である。 ２，３……フアスナーテープ、７，８……フア
スナーエレメント列、１０……面フアスナー係合
要素部、１２……樹脂コーテイング層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １対のフアスナーテープ２，３と、該フアスナ
   ーテープ２，３の対向縁部に沿つて各々取り付け
   られたフアスナーエレメント列７，８とから成る
   スライドフアスナーチエーンＡにおいて、 前記フアスナーテープ２，３のうちの少なくと
   も一方は、一面に面フアスナー係合要素部１０が
   設けてあり、他面には、前記フアスナーエレメン
   ト列７，８取付部および該取付部に隣接した部分
   を除いて樹脂コーテイング層１２が施されている
   ことを特徴とするスライドフアスナーチエーン。