JPH05242806A - ディスプレイ装置における放電ランプの接合方法並びに接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラスバルブ２の連結部分における外部電極
間のピッチを一定とし得ると共に電極の幅を広く取れる
ディスプレイ装置における放電ランプの接合方法並びに
接合構造を得る。 【構成】 全ての放電ランプ１の後端側にＶ字状の第２
の溝９を設け、一方の放電ランプ１の後端２ｂ側のＶ字
状の第２の溝９に他方の放電ランプ１の先端２ａ部分を
挿入した。これにより、放電ランプ１間の連結部分にお
ける外部電極間のピッチを一定とし、電極の幅を広くと
れる。更に、容易に放電ランプ１を手前側へ引き出し、
メンテナンスを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、電光掲示板、大型デ
ィスプレイ装置などに利用されるディスプレイ装置にお
ける放電ランプの接合方法並びに接合構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年、電光掲示板、大型ディスプレイ装
置に放電ランプが用いられている。この用途では放電ラ
ンプに対してより小型、高輝度、長寿命で、かつ信頼性
が高いことが求められている。従来の放電ランプは管内
部にフィラメント電極を有しているため、電極による構
造上の制約が大きく、これらの問題を解決するために様
々な試みがなされている。

【０００３】図６及び図７は、例えば平成３年度 照明
学会創立７５周年記念全国大会予稿集に示された従来の
放電ランプを示す断面図であり、図において、１は従来
の放電ランプ、２は内部にキセノンガスを主体とした希
ガスを封入した円筒形のガラスバルブ、３はガラスバル
ブ２の内面に形成された蛍光体層、４はランプ内で発生
した光をランプ外に照射する光出力部、５ａ及び５ｂは
ガラスバルブ２の外側表面の軸方向に設けられた外部電
極、７は電極間に電圧を供給する電源であり、リード線
６ａ及び６ｂによって接続されている。

【０００４】外部電極５ａ及び５ｂの間に電源７より電
圧を印加すると、電極間の静電容量により電流が流れ放
電する。この放電によってガラスバルブ２内に紫外線が
発生し、この紫外線はガラスバルブ２の内面に形成した
蛍光体層３を励起して可視光線を発生する。

【０００５】図８は、２対の外部電極５ａ、５ｂ及び５
ｃ、５ｄを軸方向に配置した放電ランプ１を示してお
り、外部電極５ａ、５ｂ及び５ｃ、５ｄはリード線６
ａ、６ｂ及び６ｃ、６ｄを介して電源７に接続されてい
る。

【０００６】図９はこの放電ランプ１を多数並べてディ
スプレイ装置としたものである。一対の電極を一画素と
して、それぞれの電極対に選択的に電圧を印加すること
によって、文字あるいは図形などを表示することができ
る。なお、図示例では「Ｓ」を表示している。更に、Ｒ
ＧＢ３色のランプを規則正しく並べると、フルカラーデ
ィスプレイになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来のディスプレイ装
置は、以上のようになっており、図４に示すように、放
電ランプ１のガラスバルブ２は先端側はガスバーナーに
よりチップオフされて閉じられるため、図５に示すよう
にガラスバルブ２の先端２ａ側は凸状となっており、後
端２ｂ側は予め平に形成されている。このため、放電ラ
ンプ１を複数連結する際、一方のガラスバルブ２の先端
２ａ側と他方のガラスバルブ２の先端２ａ側とを連結し
たり、一方のガラスバルブ２の後端２ｂ側と他方のガラ
スバルブ２の後端２ｂ側とを連結したりすると、ガラス
バルブ２の連結部分における外部電極間のピッチが変わ
り、画像が歪むという問題点があった。また、一方のガ
ラスバルブ２の先端２ａ側と他方のガラスバルブ２の先
端２ａ側とを連結した状態、及び一方のガラスバルブ２
の後端２ｂ側と他方のガラスバルブ２の後端２ｂ側とを
連結した状態で、外部電極間のピッチを同じにすると、
電極の幅が狭くなり、これにより発光する部分が狭くな
り、輝度が低下するという問題点があった。

【０００８】この発明は、上記のような課題を解消する
ためになされたもので、ガラスバルブ２の連結部分にお
ける外部電極間のピッチを一定とし得ると共に電極の幅
を広く取れるディスプレイ装置における放電ランプの接
合方法並びに接合構造を得ることを目的とするものであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係る接合方法
は、電極間に放電を生じさせることにより放電用媒体を
励起してエキシマ発光を起こす複数の放電ランプを備え
るディスプレイ装置において、第１の放電ランプの先端
側と第２の放電ランプの後端側とを連結して配置したこ
とを特徴とするものである。

【００１０】また、この発明に係る接合構造は、電極間
に放電を生じさせることにより放電用媒体を励起してエ
キシマ発光を起こす複数の放電ランプを備えるディスプ
レイ装置において、放電ランプの後端側に円錐状の第１
の溝部を設け、第１の放電ランプの後端側の円錐状の第
１の溝部に第２の放電ランプの先端部分を挿入したこと
を特徴とするものである。

【００１１】更に、この発明に係る接合構造は、電極間
に放電を生じさせることにより放電用媒体を励起してエ
キシマ発光を起こす複数の放電ランプを備えるディスプ
レイ装置において、放電ランプの後端側にＶ字状の第２
の溝部を設け、第１の放電ランプの後端側のＶ字状の第
２の溝部に第２の放電ランプの先端部分を挿入したこと
を特徴とするものである。

【００１２】

【作用】この発明における接合方法は、第１の放電ラン
プの先端側と第２の放電ランプの後端側とを連結して配
置しているため、放電ランプ間の連結部分における外部
電極間のピッチを一定にでき、電極の幅を広くとれる。

【００１３】また、この発明に係る接合構造は、第１の
放電ランプの後端側の円錐状の第１の溝部に第２の放電
ランプの先端部分を挿入しているため、放電ランプ間の
連結部分における外部電極間のピッチを一定にでき、電
極の幅を広くとれる。

【００１４】更に、この発明に係る接合構造は、第１の
放電ランプの後端側のＶ字状の第２の溝部に第２の放電
ランプの先端部分を挿入しているため、放電ランプ間の
連結部分における外部電極間のピッチを一定とし、電極
の幅を広くとれ、更に、放電ランプを容易に交換し得
る。

【００１５】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図を用いて説明
する。

【００１６】（１）請求項１記載の発明の実施例 図１は、請求項１記載の発明に係る接続方法を示す正面
図である。

【００１７】このディスプレイ装置は、図９に示すよう
に、複数の放電ランプ１を連結し、かつ連結した放電ラ
ンプ列を複数列整列している。

【００１８】放電ランプ列は、図１に示すように、内部
にキセノンガスを主体とした希ガスを１００Ｔｏｒｒ封
入した円筒形の放電容器としてのガラスバルブ（例え
ば、直径３ｍｍ）２を複数連結しており、ガラスバルブ
２の内壁には、蛍光体層が形成されている。また、ガラ
スバルブ２の全長にわたり蛍光体層が形成されていない
部分があり、ランプ内で発生した光をランプ外に照射す
る光出力部となっている。そして、ガラスバルブ２の外
側表面の軸方向には２対の外部電極５ａ、５ｂおよび５
ｃ、５ｄが配設されており、外部電極５ａ、５ｂおよび
５ｃ、５ｄは放電開始電圧を低減するように近接して配
置されている。

【００１９】更に、放電ランプ列は、一方のガラスバル
ブ２の先端２ａと他方のガラスバルブ２の後端２ｂとで
連結している。

【００２０】従って、ガラスバルブ２相互の連結部分に
おける外部電極間のピッチＰを一定とし、一方のガラス
バルブ２の先端２ａ側と他方のガラスバルブ２の先端２
ａ側とを連結したり、一方のガラスバルブ２の後端２ｂ
側と他方のガラスバルブ２の後端２ｂ側とを連結したり
する従来例より、一方のガラスバルブ２の外部電極５ｄ
から他方のガラスバルブ２の外部電極５ａまでの距離を
短くして、外部電極５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄの幅Ｗ１を
広くし得る。

【００２１】以下、発光の原理について詳しく説明す
る。誘電体であるガラスを介して放電が行われるため、
誘電体により電流が制限されたグロー放電からアーク放
電といった形態へは発展しない。また、電流は印加した
電圧の極性が反転した直後にのみ流れ、それ以外ではガ
ラスバルブ内面に電荷が蓄積されることにより電流が停
止する。このためランプにはパルス状の電流が流れる。
なお、内部の放電状態を詳細に観測すると、１対の電極
間を結ぶ細い糸状の放電がほぼ一定間隔に多数、縞状に
発生しているのが見られる。内部に希ガスを封入した場
合、このような放電により、まず希ガス原子が電子との
衝突により共鳴準位へ励起される。この共鳴準位の励起
原子は、希ガスの圧力が高いためにほかの基底準位の希
ガス原子と衝突を起こして２原子分子のエキシマを形成
する。

【００２２】このエキシマは紫外線を放射して２個の基
底準位の希ガス原子に戻る。エキシマの放射した紫外線
は原子の共鳴紫外線のように自己吸収を起こさないため
に、そのほとんどがランプの内壁に達して蛍光体によっ
て可視光に変換される。つまり、エキシマによる発光の
場合、より明るい光が得られる。また、希ガスとしてキ
セノンを用いた場合、内部に電極を設けたグロー放電型
のランプでは１４７ｎｍのキセノンの共鳴紫外線が多い
のに対し、この放電ランプでは約１７０ｎｍのエキシマ
の放射する紫外線が主体である。紫外線の波長が長いこ
とは蛍光体の発光効率や劣化の点でも有利である。

【００２３】また、放電ランプ１の内部に電極がないの
で、電極が消耗することによる不点寿命がない。

【００２４】（２）請求項２記載の発明の実施例 図２は、請求項２記載の発明に係る接続方法を示す正面
図である。なお、図１と同一構成には同一符号を付して
説明を省略する。

【００２５】請求項２記載の発明において特徴的なこと
は、放電ランプ１の後端２ｂ側に、円錐状の第１の溝８
を設け、この円錐状の第１の溝８に他方の放電ランプ１
の先端２ａ部分を挿入したことである。

【００２６】従って、ガラスバルブ２相互の連結部分に
おける外部電極間のピッチＰを一定とし、請求項１記載
の発明に比べても一方のガラスバルブ２の外部電極５ｄ
から他方のガラスバルブ２の外部電極５ａまでの距離を
一層短くして、外部電極５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄの幅Ｗ
２を広くし得る。

【００２７】（３）請求項３記載の発明の実施例 図３は、請求項３記載の発明に係る接続方法を示す正面
図である。なお、図１と同一構成には同一符号を付して
説明を省略する。

【００２８】請求項３記載の発明において特徴的なこと
は、放電ランプ１の後端２ｂ側に、Ｖ字状の第２の溝９
を設け、この第２の溝９に他方の放電ランプ１の先端２
ａ部分を挿入したことである。

【００２９】従って、ガラスバルブ２相互の連結部分に
おける外部電極間のピッチＰを一定とし、請求項１記載
の発明に比べても一方のガラスバルブ２の外部電極５ｄ
から他方のガラスバルブ２の外部電極５ａまでの距離を
短くして、外部電極５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄの幅Ｗ２を
広くし得る。更に、放電ランプ１を交換する場合、放電
ランプ１を手前側（紙面に対して垂直な方向）へ引き出
すことにより容易に交換し得る。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第１の放電ランプの先端側と第２の放電ランプの後端側
とを連結して配置したので、放電ランプ間の連結部分に
おける外部電極間のピッチを一定とすることができ、電
極の幅を広くすることができる。

【００３１】また、この発明によれば、第１の放電ラン
プの後端側に設けられた円錐状の第１の溝に第２の放電
ランプの先端部分を挿入したので、第１の放電ランプの
電極から第２の放電ランプの電極までの距離を短くし
て、電極の幅を更に広くすることができる。

【００３２】更に、この発明によれば、第１の放電ラン
プの後端側に設けられたＶ字状の第２の溝に第２の放電
ランプの先端部分を挿入したので、第１の放電ランプの
電極から第２の放電ランプの電極までの距離を短くし
て、電極の幅を更に広くすることができる。更に、放電
ランプを手前側に引き出すことができ、容易に放電ラン
プを交換することができ、メンテナンス性を向上するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１記載の発明に係るディスプレイ装置の
放電ランプ列を示す正面図である。

【図２】請求項２記載の発明に係るディスプレイ装置の
放電ランプ列を示す正面図である。

【図３】請求項３記載の発明に係るディスプレイ装置の
放電ランプ列を示す正面図である。

【図４】ガラスバルブのチップオフの過程を示す図であ
る。

【図５】チップオフの過程後のガラスバルブを示す図で
ある。

【図６】従来の放電ランプを示す断面図である。

【図７】従来の放電ランプを示す断面図である。

【図８】従来の放電ランプを示す断面図である。

【図９】ディスプレイ装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 放電ランプ ２ ガラスバルブ ２ａ 先端 ２ｂ 後端 ３ 蛍光体層 ４ 光出力部 ５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ 電極 ７ 電源 ８ 第１の溝 ９ 第２の溝

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【手続補正書】

【提出日】平成４年６月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】外部電極５ａ及び５ｂの間に電源７より電
圧を印加すると、誘電体であるガラスバルブ２を介して
ガラスバルブ２内部の放電空間に電圧が印加され放電す
る。この放電によってガラスバルブ２内に紫外線が発生
し、この紫外線はガラスバルブ２の内面に形成した蛍光
体層３を励起して可視光線を発生する。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係る接合方法
は、電極間に放電を生じさせることにより放電用媒体を
励起して発光を起こす複数の放電ランプを備えるディス
プレイ装置において、第１の放電ランプの先端側と第２
の放電ランプの後端側とを連結して配置したことを特徴
とするものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星崎 潤一郎 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 西岡 克典 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電極間に放電を生じさせることにより放
   電用媒体を励起してエキシマ発光を起こす複数の放電ラ
   ンプを備えるディスプレイ装置において、 第１の放電ランプの先端側と第２の放電ランプの後端側
   とを連結して配置したことを特徴とする放電ランプの接
   合方法。
2. 【請求項２】 電極間に放電を生じさせることにより放
   電用媒体を励起してエキシマ発光を起こす複数の放電ラ
   ンプを備えるディスプレイ装置において、 放電ランプの後端側に円錐状の第１の溝部を設け、 第１の放電ランプの後端側の円錐状の第１の溝部に第２
   の放電ランプの先端部分を挿入したことを特徴とする放
   電ランプの接合構造。
3. 【請求項３】 電極間に放電を生じさせることにより放
   電用媒体を励起してエキシマ発光を起こす複数の放電ラ
   ンプを備えるディスプレイ装置において、 放電ランプの後端側にＶ字状の第２の溝部を設け、 第１の放電ランプの後端側のＶ字状の第２の溝部に第２
   の放電ランプの先端部分を挿入したことを特徴とする放
   電ランプの接合構造。