JPH05238972A - アリルアルコ−ルの製造方法 - Google Patents

アリルアルコ−ルの製造方法

Info

Publication number
JPH05238972A
JPH05238972A JP4043156A JP4315692A JPH05238972A JP H05238972 A JPH05238972 A JP H05238972A JP 4043156 A JP4043156 A JP 4043156A JP 4315692 A JP4315692 A JP 4315692A JP H05238972 A JPH05238972 A JP H05238972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
allyl
allyl alcohol
acetate
allyl acetate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4043156A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Kawahashi
孝造 川橋
Osamu Oshima
修 大嶌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP4043156A priority Critical patent/JPH05238972A/ja
Publication of JPH05238972A publication Critical patent/JPH05238972A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】酢酸アリルをアリルアルコ−ルより高沸点のア
ルコ−ルで酸、または塩基性の触媒の存在下でアルコリ
シスし、生成物を蒸留して、塔頂よりアリルアルコ−
ル、酢酸アリルを含む留出物を留去させ、塔底より当該
アルコ−ル、およびその酢酸エステルを含む塔底液を缶
出させることによって分離し、留出液中の酢酸アリルと
アリルアルコ−ルの分離において (1)適当量の水を添加し、さらに次なる蒸留塔に仕込
み、酢酸アリルを塔頂より留去させ、塔底よりアリルア
ルコ−ルを含む缶出液を得ることを特徴とするアリルア
ルコ−ルの製造方法。および (2)アルカリでケン化しケン化生成物を次なる蒸留塔
に仕込み、塔頂より、アリルアルコ−ルを含む留出液を
得るアリルアルコ−ルの製造方法。 【効果】酢酸アリルから高純度のアリルアルコ−ルを得
る効率的で、且つ経済的な製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】アリルアルコ−ルは、グリセリン
製造原料、エピクロロヒドリン製造原料および医薬品、
化粧品、乳化剤製造原料、また、合成樹脂、可塑剤製造
原料として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】アリルアルコ−ルの工業的製造方法とし
ては、以下の方法が知られている。 アリルクロライドの加水分解法 プロピレンオキシドの異性化 アクロレインの還元化 の方法は環境に影響を与え得る塩素化合物が生成する
ので好ましくない。の方法は比較的高価なプロピレン
オキシドを原料とするため、経済的に好ましくない。
の方法も、プロピレンからのアクロレインの収率はそれ
程高くはないので、経済的に有利とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、アリルアルコ−
ルの製造方法として、酢酸アリルから製造する方法が工
業的に実施されている。酢酸アリルは、比較的安価なプ
ロピレンのアセトキシル化反応によって、ほぼ定量的に
得られるので経済的に有利である。酢酸アリルからのア
リルアルコ−ルの製造は、酢酸アリルを加水分解、また
はアルコリシス化反応させることによって得られる。
【0004】しかし、純度の高いアリルアルコ−ルを酢
酸アリルから得ることには、問題があった。酢酸アリル
を加水分解する反応は平衡反応であるため、反応生成液
中に酢酸アリルも含まれる。しかも、表−1に示すよう
に、反応生成液中の各成分間に複雑な共沸関係があり、
特に反応原料である酢酸アリル、水と、反応生成物であ
るアリルアルコ−ルの三成分共沸点が最低共沸である点
が問題であった。
【0005】しかし、特開昭62−149637号、同
62−149638号公報には酢酸アリルが油性である
ことを利用して、抽出工程を組み込むことによって、こ
の問題を回避することが開示されている。しかしなが
ら、なお、アリルアルコ−ルと水の共沸組成物は均一溶
液であるため、そのまま蒸留しても無水のアリルアルコ
−ルを得ることはできない。共沸組成をくずすためには
多量のエネルギ−が必要であるが、エピクロロヒドリン
製造の原料用としては、含水のまま使用できるので、エ
ピクロロヒドリン製造用のアリルアルコ−ルの製造方法
としては、有用なものである(参考として、特開昭61
−60054号公報)。
【0006】しかしながら、合成樹脂、可塑剤製造原料
用等のアリルアルコ−ルは、無水の高純度のアリルアル
コ−ルが必要となり、さらなる技術の確立が望まれてい
た。一方、アルコ−ルを用いたアルコリシス化法におい
ても、この反応は平衡反応であり、アルコリシス生成物
中には酢酸アリルとアリルアルコ−ルとが共存する。
しかしながら、酢酸アリル/アリルアルコ−ル共沸物と
アリルアルコ−ルの沸点が近接しているので、酢酸アリ
ルとアリルアルコ−ルとを蒸留分離することは、非常に
困難である。これを解決するためにベンゼン等の第三成
分を加えて分離する提案もなされているが、工業的に満
足すべき方法とは言えない。
【0007】この問題を解決するために、特公昭48−
43328号公報、昭52−12167号公報には、メ
タノ−ル等の低級アルコ−ルを用い、処理工程の組み合
わせによって、効率よく酢酸アリルからアリルアルコ−
ルを製造できることが開示されている。ここで言う低級
アルコ−ルはアリルアルコ−ルより低沸点のアルコ−ル
をいう。
【0008】しかし、アルコ−ルを用いたアルコリシス
化反応では、用いたアルコ−ルに対応する酢酸エステル
が生成し、工業化に際しては、この酢酸エステルの商業
的価値が重大な影響を与える。低級アルコ−ルを用いた
場合、なるほど、当該低級アルコ−ルとその酢酸エステ
ルと酢酸アリル、アリルアルコ−ルとの分離は、効率よ
く行われるが、生成した酢酸エステルは具体的には、酢
酸メチル、酢酸エチル等であり、商業的価値は低いと言
わざるを得ない。即ち、酢酸メチルの需要は、僅かであ
り、アルコリシス化反応で副生する酢酸エチルはアセト
アルデヒドからのティシェンコ反応を用いて製造された
ものに比べ、明らかに割高となる。
【0009】本発明者らは、上記の諸問題を解決すべく
検討を重ねた結果、アルコリシス化反応で用いるアルコ
−ルの沸点等を注意深く選択することと、処理工程の組
み合わせによって、効率良く、且つ経済的に酢酸アリル
からアリルアルコ−ルを製造できることを見出し、本発
明に至った。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、酢酸アリルから高純度
のアリルアルコ−ルを得る効率的で、且つ経済的な製造
方法を開発することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「酢
酸アリルをアリルアルコ−ルより高沸点のアルコ−ルで
アルコリシスするに際し、酸、または塩基性の触媒の存
在下でアルコリシスし、アルコリシス生成物を蒸留し
て、塔頂よりアリルアルコ−ル、酢酸アリルを含む留出
物を留去させ、塔底より当該アルコ−ル、およびその酢
酸エステルを含む塔底液を缶出させることによって分離
し、留出液中の酢酸アリルとアリルアルコ−ルの分離に
おいて、酢酸アリルとアリルアルコ−ルを含む留出液に
適当量の水を添加し、さらに次なる蒸留塔に仕込み、酢
酸アリル/アリルアルコ−ル/水の三成分共沸組成を形
成させ、酢酸アリルを塔頂より留去させ、塔底よりアリ
ルアルコ−ルを含む缶出液を得ることを特徴とするアリ
ルアルコ−ルの製造方法」および。
【0012】「酢酸アリルをアリルアルコ−ルより高沸
点のアルコ−ルでアルコリシスするに際し、酸、または
塩基性の触媒の存在下でアルコリシスし、アルコリシス
生成物を蒸留して、塔頂よりアリルアルコ−ル、酢酸ア
リルを含む留出物を留去させ、塔底より当該アルコ−
ル、およびその酢酸エステルを含む塔底液を缶出させる
ことによって分離し、留出液中の酢酸アリルとアリルア
ルコ−ルの分離において、酢酸アリルとアリルアルコ−
ルを含む留出液をアルカリでケン化しケン化生成物を次
なる蒸留塔に仕込み、塔頂より、アリルアルコ−ルを含
む留出液を得るアリルアルコ−ルの製造方法」である。
【0013】以下に本発明によるアリルアルコ−ルの製
造方法について詳述する。
【0014】本発明の対象となる酢酸アリルは、プロピ
レンのアセトキシル化反応で得られる酢酸アリルであ
る。プロピレンのアセトキシル化反応で得られる酢酸ア
リルの具体的な製法としては特開平1−197457号
公報、同1−199924号公報、同1−299253
号公報、同2−96548号公報等に記載されており、
これらいずれの酢酸アリルも対象となる。
【0015】有機酸エステルを酸または塩基性触媒の存
在下にアルコリシスして、相当するアルコ−ルと有機酸
エステルを得ることは良く知られている。
【0016】酸触媒としては、硫酸等の鉱酸、PTS
(p−トルエンスルフォン酸)、酸性イオン交換樹脂等
が用いられる。一般にアルコリシス化反応においては、
酸触媒は塩基性触媒に比べて反応速度は遅いが水分の影
響は受けないので、用いるアルコ−ル、有機酸エステル
の含有水分によっては、酸触媒の使用は実際的なものと
なる。
【0017】塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等が用いられ
る。塩基性触媒を用いる場合は用いるアルコ−ル、有機
酸エステルの含有水分によっては、ケン化反応が起こ
り、触媒の失活を招く場合もあるが、多くの場合は反応
速度が充分に速いので、実際的な使用量で充分に目的を
達することが出来る。
【0018】アルコリシス工程において用いられる高沸
点アルコ−ルは、アリルアルコ−ル(沸点=96.9
℃)より沸点の高いものが使用されるのであるが、好ま
しくは1−プロパノ−ル(沸点=97.4℃)、1−ブ
タノ−ル(沸点=117.4℃)2−ブタノ−ル(沸点
=99.5℃)、1−メトキシ−2−プロパノ−ル(沸
点=121℃)等が使用され、特により沸点が高く、且
つ商業的価値の高い有機酸エステルを生み出す1−ブタ
ノ−ル、1−メトキシ−2−プロパノ−ルを用いるのが
最も好適である。
【0019】アルコリシス工程で用いられる触媒は、上
記の酸性、および塩基性触媒を使用することができる
が、その使用量は、酸性触媒においては、該アルコリシ
スに対して重量割合で、0.2〜10重量%、好ましく
は1〜5重量%である。0.2重量%より低ければ、反
応速度は非常に遅く実際的なものとは成らない。
【0020】また、10重量%より高ければ、エ−テル
化等の副反応も起こり、品質、経済性に影響を与える。
塩基性触媒においては、該アルコリシスに対して重量割
合で、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量
%である。0.05重量%より低ければ、微量水分等の
影響で触媒が失活し、アルコリシス反応が平衡近くまで
進行しなくなる。また、5重量%より高ければ、精製工
程における蒸留塔リボイラ−におけるアルカリ物の付着
等が起こり経済性に影響を与える。
【0021】アルコリシス工程における反応温度は、0
℃〜150℃の範囲で、好ましくは20℃〜100℃の
範囲で行なうのが良い。反応温度は低い程平衡定数は大
きくなるが、反応速度は遅くなる。また、低温を保つた
めに冷凍機等の設備も必要となり経済性を損なう。
【0022】一方、反応温度を高くすると、平衡定数は
小さくなり、反応速度は大きくなる。また、高温では重
合等も起こり、品質、経済性に影響を与える。反応圧力
は、上記反応温度において組成物が液状を保つ程度が良
いが、より高い圧力でも良い。液状を保つことができな
い場合は、触媒との接触が悪くなり、反応速度が著しく
遅くなる。
【0023】反応時間は、上記の条件の下では、5〜1
20分で充分に実質的に平衡に達する。反応時間が5分
より短ければ、平衡に達しなくなり非効率となる。ま
た、120分より長くすると、より容積の大きい反応器
が必要となり好ましくない。
【0024】この反応は次のような平衡反応である。
【0025】 CH2 =CHCH2 OCOCH3 + ROH→ CH2 =CHCH2 OH + CH3 COOR したがって、酢酸アリルの転化率を高くするには、高沸
点アルコ−ルの量を大きくすれば良いが、高沸点アルコ
−ルを大量に使用すると、後続する精製工程における蒸
留塔(高沸点アルコ−ルと当該酢酸エステルの分離塔)
における負荷が増し好ましく無い。よって、高沸点アル
コ−ルの使用量は転化率上昇による経済性と蒸留負荷と
のバランスでその最適値を求めれば良い。通常、高沸点
アルコ−ルの使用量は、酢酸アリルの0.2〜20倍モ
ルで、好ましくは0.5〜10倍モルである。なお本反
応の平衡定数は比較的大きく、また低温でも速やかに実
質的な平衡に達するので、酢酸アリルは工業的に有利に
アリルアルコ−ルに転換できる。
【0026】以上のアルコリシスによって得られた生成
物には、アリルアルコ−ル、酢酸アリル、高沸点アルコ
−ル、該高沸点アルコ−ルの酢酸エステル(以下、高沸
点酢酸エステルという)、触媒等が含まれているが、こ
れらは蒸留操作によって容易にアリルアルコ−ル、酢酸
アリルを含む第一低沸分と高沸点アルコ−ル、高沸点酢
酸エステル、触媒を含む第一高沸分とに分離することが
できる。
【0027】次に、上記第一低沸分は、第二の蒸留塔に
導入し、アリルアルコ−ルと酢酸アリルを分離する。し
かし、酢酸アリルとアリルアルコ−ルとの2成分は、前
記したように沸点が95.1℃、組成が酢酸アリルが3
7重量%、アリルアルコ−ルが63重量%の共沸系を形
成し、しかも共沸温度がアリルアルコ−ルの沸点と近接
しているので蒸留分離が極めて困難である。
【0028】そこで、この2成分共沸組成系に水を添加
してやると沸点が82.6℃、組成がそれぞれ78.6
重量%−16.3重量%−5.1重量%の酢酸アリル−
水−アリルアルコ−ルの3成分共沸組成系を形成する。
この3成分共沸組成系は、沸点がアリルアルコ−ルの沸
点と大きく異なることと、共沸組成中のアリルアルコ−
ルの含有量が極めて小さいことから、比較的容易にアリ
ルアルコ−ルと酢酸アリルの分離が行なえる。
【0029】しかも、この3成分共沸組成系は酢酸アリ
ルを主成分とする上層と水を主成分とする下層とに分液
するので、この下層を上記2成分共沸組成系に添加して
やることによって、新たに外部から添加してやる水は僅
かとなり、排水処理は極めて簡単となる。この方法は特
に3成分共沸組成中の酢酸アリルの含有量が比較的大き
いことから、酢酸アリルの転化率が相対的に低い場合に
採用すると優位になる。 後述するように高沸点アルコ
−ルと高沸点酢酸エステルが共沸するような場合、この
ような場合、酢酸アリルの転化率を大きくするために高
沸点アルコ−ルの使用量を大きくすると、高沸点アルコ
−ルと高沸点酢酸エステルが共沸組成を形成しているた
め、高沸点アルコ−ルと高沸点酢酸エステルの分離は水
等の第三成分を添加して共沸組成を変化させることが必
要になる。
【0030】次に、高沸点アルコ−ルと高沸点酢酸エス
テルの分離が通常の蒸留操作で容易に行なえるような場
合には、高沸点アルコ−ルの使用量を大きくして酢酸ア
リルの転化率を大きくすることが出来る。このような場
合は、残存する酢酸アリル量は僅かとなるので、酢酸ア
リルを水およびアルカリを加えて完全にケン化する。こ
のような場合には、完全なケン化に要する水およびアル
カリ量も僅かとなり、また、高純度なアリルアルコ−ル
を得るために要するエネルギ−も少量となり、設備も小
規模なものとなるので、充分に経済性を保つことが可能
になる。ケン化に用いるアルカリは、水酸化カルシウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を用いること
ができる。このケン化反応は、ほぼ定量的に進行するの
で、使用するアルカリ量は、酢酸アリルと当量ないしは
若干過剰量用いれば充分である。水の量は生成する酢酸
アルカリ塩を溶解するに必要な量より、やや過剰に用い
るのが実際的である。
【0031】反応温度は、常温から150℃の範囲で行
なうことが出来る。反応温度は、上記の温度で組成物が
液状を保つ程度で良いが、より高圧でも良い。反応時間
は30分から60分で実質的に完了する。上記ケン化に
よって得られた生成物中には、アリルアルコ−ルを主成
分として少量の水と酢酸アルカリ塩を含んでいる。これ
らは、通常の蒸留操作によって、比較的簡単に水を含む
少量の留出物と、酢酸アルカリ塩を含む、無水の塔底物
に分離できる。塔底物はフラッシュ蒸留塔を用いること
によって、酢酸アルカリ塩を取り除き、純アリルアルコ
−ルを得ることができる。
【0032】ところで、高沸点アルコ−ルと高沸点酢酸
エステルの分離は、これらが共沸組成を形成する場合と
しない場合とで異なる。共沸組成を形成しない場合は通
常の蒸留操作で分離できるが、共沸組成を形成する場合
は、これらの物性に応じた工夫が必要になる。以下に具
体的な実施例を述べ、本発明を具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されない。
【0033】[実施例−1]酢酸アリルを1モル(10
0.12g)毎時間と1−ブタノ−ル1モル(76.1
6g)毎時間の速さで、攪拌機付きの反応器に仕込み、
これに水酸化カリウム濃度が全体で0.5重量%になる
ように仕込んだ。水酸化カリウムはあらかじめ1−ブタ
ノ−ルに10重量%になるように溶解させておいた。反応
温度を45℃に保持して反応させた。反応器での滞留時
間は30分に調整した。反応中反応器内の液を連続的に
抜き取り、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、
反応液の組成は以下の平衡組成になっていた。
【0034】 酢酸アリル 18重量% 酢酸ブチル 32重量% アリルアルコ−ル 32重量% 1−ブタノ−ル 18重量% この反応粗液から酢酸アリルおよびアリルアルコ−ルを
蒸溜によって溜去して酢酸アリルおよびアリルアルコ−
ルを含有する混合液を得た。検出された不純物は1−ブ
タノ−ルだけであった。この混合液を常圧で塔径4c
m、実段数40段の蒸溜塔の上から15段目に混合液80
部、水10部の割合で供給した。溜出液、上層および下
層液の各組成は以下の通りであった。 溜出液組成 上層液組成 下層液組成 酢酸アリル 60重量% 68重量% 3重量% 酢酸ブチル 20重量% 22重量% 13重量% アリルアルコ−ル 20重量% 10重量% 84重量% 缶出率は46%、缶出液の組成は実質的にアリルアルコ−
ルで、わずかの水分を含んでいた。また、塔頂温度は8
4℃で、塔底温度は97℃であった。
【0035】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/02 103 31/08 C07C 27/02 8827−4H 29/82 8827−4H // C07B 61/00 300 C07C 69/155 8018−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸アリルをアリルアルコ−ルより高沸
    点のアルコ−ルでアルコリシスするに際し、酸、または
    塩基性の触媒の存在下でアルコリシスし、アルコリシス
    生成物を蒸留して、塔頂よりアリルアルコ−ル、酢酸ア
    リルを含む留出物を留去させ、塔底より当該アルコ−
    ル、およびその酢酸エステルを含む塔底液を缶出させる
    ことによって分離し、留出液中の酢酸アリルとアリルア
    ルコ−ルの分離において、酢酸アリルとアリルアルコ−
    ルを含む留出液に適当量の水を添加し、さらに次なる蒸
    留塔に仕込み、酢酸アリル/アリルアルコ−ル/水の三
    成分共沸組成を形成させ、酢酸アリルを塔頂より留去さ
    せ、塔底よりアリルアルコ−ルを含む缶出液を得ること
    を特徴とするアリルアルコ−ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 酢酸アリルをアリルアルコ−ルより高沸
    点のアルコ−ルでアルコリシスするに際し、酸、または
    塩基性の触媒の存在下でアルコリシスし、アルコリシス
    生成物を蒸留して、塔頂よりアリルアルコ−ル、酢酸ア
    リルを含む留出物を留去させ、塔底より当該アルコ−
    ル、およびその酢酸エステルを含む塔底液を缶出させる
    ことによって分離し、留出液中の酢酸アリルとアリルア
    ルコ−ルの分離において、酢酸アリルとアリルアルコ−
    ルを含む留出液をアルカリでケン化しケン化生成物を次
    なる蒸留塔に仕込み、塔頂より、アリルアルコ−ルを含
    む留出液を得るアリルアルコ−ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、酸、または
    塩基性の触媒の存在下でアルコリシスし、アルコリシス
    生成物を蒸留して、塔頂よりアリルアルコ−ル、酢酸ア
    リルを含む留出物を留去させ、塔底より当該アルコ−
    ル、およびその酢酸エステルを含む塔底液を缶出させる
    ことによって分離する際して、反応蒸留塔を用いる方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、反応蒸留塔を用いる
    に際して、予め予備反応器において、平衡近くまでアル
    コリシス反応を進めた後、反応蒸留塔に仕込むアリルア
    ルコ−ルの製造方法。
JP4043156A 1992-02-28 1992-02-28 アリルアルコ−ルの製造方法 Pending JPH05238972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4043156A JPH05238972A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 アリルアルコ−ルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4043156A JPH05238972A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 アリルアルコ−ルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05238972A true JPH05238972A (ja) 1993-09-17

Family

ID=12656000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4043156A Pending JPH05238972A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 アリルアルコ−ルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05238972A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231011A (ja) * 2006-02-02 2007-09-13 Showa Denko Kk 共沸蒸留方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231011A (ja) * 2006-02-02 2007-09-13 Showa Denko Kk 共沸蒸留方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5554785A (en) Organotin catalyzed transesterification products
US4747969A (en) Process for the production of fatty acid mixtures containing a high proportion of C6 -C10 -fatty acids
US3458561A (en) Esterification of acrylic acid
EP0010953B1 (en) Process for the preparation of methacrylic acid esters
EP0916643B1 (en) A process for preparing alkyl (meth)acrylates
KR0184885B1 (ko) 4-하이드록시부틸 (메트)아크릴레이트의 제조방법
US4983761A (en) Process for the preparation of high-boiling acrylates and methacrylates
US4226780A (en) Manufacture of propylene oxide
JPH05238972A (ja) アリルアルコ−ルの製造方法
US6506930B1 (en) Process for preparing alkyl (meth)acrylates
JP4831715B2 (ja) モノマーの製造方法
US20220009872A1 (en) Method for preparing alkyl carboxylic acid ester and apparatus for preparing alkyl carboxylic acid ester
JPH10298143A (ja) ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートの製造方法
CN103232325A (zh) 一种由环己烯制备环己醇的方法
EP1140760B1 (en) A process for making butyraldehyde from butadiene
JPS6320415B2 (ja)
US20030220519A1 (en) Process for preparing butyl acrylate by direct esterification
JP2002226433A (ja) (メタ)アクリル酸シクロヘキシルの製造方法
US5567838A (en) Transesterification reaction of alkoxylated bisphenol-a and methyl methacrylate
US3484478A (en) Synthesis of monoesters of itaconic acid
JPH0625053A (ja) グリセリルエーテル類の製造方法
JP2001181271A (ja) α−モノグリセリドケタールの製造法
JP2001002777A (ja) ポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法
CA2307593A1 (en) Continuous process for the production of carboxylic acid esters of alkylene glycol monoalkyl ethers
JP2848709B2 (ja) 酢酸3−エトキシブチルエステル化合物とその製造方法