JPH05238714A - 多孔質炭素材の製造方法 - Google Patents

多孔質炭素材の製造方法

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JPH05238714A
JPH05238714A JP4008628A JP862892A JPH05238714A JP H05238714 A JPH05238714 A JP H05238714A JP 4008628 A JP4008628 A JP 4008628A JP 862892 A JP862892 A JP 862892A JP H05238714 A JPH05238714 A JP H05238714A
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JP
Japan
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carbon material
powder
lignite
binder
heated
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JP4008628A
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English (en)
Inventor
Hideyone Araki
英米 荒木
Mataichi Utsunomiya
又市 宇都宮
Naoyuki Miyamoto
直幸 宮本
Eitaro Araki
英太郎 荒木
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KEIHAN KK
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KEIHAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水の浄化材、気体の脱臭、脱硫または吸着
材、植物成長促進材などの分野に使用し得る多孔質炭素
材を、従来の複雑な製造方法によらず、吸着性能と強度
をできる限り維持しつつ、見掛密度を減少させて重量を
軽く、かつ経済的に有利に製造する方法を確立する。 【構成】 亜炭または褐炭を燃料とするボイラー用燃焼
室の後から発生する未燃焼チャーを、空気を断って60
0〜900℃の温度に加熱し、揮発分が7%以下になる
まで焼成するか、或いは上記未燃焼チャーに所望によっ
て結合材、炭素材を加え加圧、成型し、この成型物を空
気を断って600〜900℃の温度に加熱し、揮発分が
7%以下になるまで焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は上水、下水の浄化材、気
体の脱臭、脱硫または吸着材、植物成長促進材などの、
多分野に使用し得る多孔質炭素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自然環境保全の立場から、水質汚
濁防止、大気汚染防止などの問題が大きく取り上げら
れ、その対策として各方面で研究や、実用化のための努
力が精力的に行われている。本発明者らはすでに「浄水
用塊状炭素材の製造方法」について、特許出願中(特願
平2−198125号及び特願平3−101019号)
であるが、これら塊状炭素材の用途について種々研究を
重ねた結果、水の浄化用だけでなく、この炭素材の有す
る吸着性能や細孔での菌体培養効果にもとずく気体の脱
臭、脱硫または吸着材或いは植物成長促進材などへの巾
広い応用が可能であることが判明した。これらの応用段
階において、それぞれの用途に応じて、吸着性能よりも
多孔質化に重点が置かれたり、また軽量化によって、単
位容積当りのコストを切り下げるなどの要求も生まれて
くる。
【0003】これらの要望に対する解決策としては、こ
れまでの技術では、木炭粉や高揮発分炭チャーが一応は
考えられてきた。しかし木炭粉は吸着性能がやゝ低く、
また成型しにくいため、塊状に固めるにはバインダーが
多く要るなどの問題があり、また木炭粉の価格も必ずし
も安くはない。さらに高揮発分炭チャーは一般に比重が
大きく、軽量化の要望に対応出来ないうえ、チャー化す
るために特別の費用が必要となるなど、好ましくない面
がある。そのほかの材料では素灰、ヤシガラ炭、各種コ
ークス粉等が考えられたが、これらにはいずれも成型
性、コスト、比重などの面で欠点があり、適切とはいえ
ない。
【0004】その一方、石炭を原料とした脱臭、脱硫用
炭素材の従来の製造方法では、一般的には石炭の粘結性
や膨脹性をある範囲に調整した後、加圧成型して成型炭
をつくり、これを乾留賦活して製造していた。しかしな
がら、このような製造工程では粘結性や膨脹性の制御に
石炭を部分酸化したり、粉コークスや膨脹性の低い石炭
を配合したりする必要があり、また成型、乾留、賦活等
の諸工程が必要となるために、複雑な設備や要員によっ
て高価なものに成らざるを得なかった。本発明者らはこ
れらの複雑な製造工程の簡略化と製造コストの削減を計
ることを目的として鋭意研究を続け、先に排煙脱硫用コ
ークスの製造方法に関する特許を出願したが(特願平2
−208705号)、なお一層経済的に有利な製造方法
が望まれているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は水の浄
化材、気体の脱臭、脱硫または吸着材、植物成長促進材
などの分野に使用し得る多孔質炭素材を、従来の複雑な
製造方法によらず、吸着性能と強度をできる限り維持し
つゝ、見掛密度を減少させて重量を軽く(塊状炭素材で
は1個当たりの重量を軽く)、かつ経済的に有利に製造
する方法を確立することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記のような用途に適合する多孔質炭素材の製造に使用し
得る各種素材について種々検討を行なった結果、亜炭ま
たは褐炭を燃料とするボイラー用燃焼室後の集塵ダスト
に含まれる未燃焼チャーダスト(以下P粉と称する)が
極めて適切なものであることを見出した。P粉は大量の
水中に上記の集塵ダストを投入し、沈降する成分を分
離、脱水することによって得られる。このP粉は従来は
再度燃料として循環使用していたものであるが、水分が
多い上に、粒子の表面が燃焼時の熱作用によってコーク
ス化し、難燃化しているため、循環使用量に限度がある
と云われ、大半は格別の用途のないまま放置されてい
た。
【0007】このようなP粉を集塵ダストから分離し、
これを水の浄化材、気体の脱臭、脱硫または吸着材、植
物成長促進材などの分野に使用し得る多孔質炭素材製造
用素材として活用したのは本発明者らが最初である。こ
のP粉は嵩比重が0.2で著るしく軽く、ヨウ素吸着量は
木炭よりも可成り高く380mg/gを示す。さらにP粉
を加熱加工すると、ヨウ素吸着量は700mg/g台まで
向上する。またP粉に結合材を加えて成型した結果、木
炭粉等よりも成型し易いことも判明した。このP粉の平
均的な主な性状を表1に示す。
【0008】
【表1】 表 1 ─────────────────────────────────── 工業分析(%) 全イオウ ヨウ素 平均 1〜2mm 嵩密度 ─────────── 吸着量 粒度 収 率 (dry 灰分 揮発分 固定炭素 (%) (mg/g) (mm) (%) g/cc) ─────────────────────────────────── 6.9 12.5 80.6 0.32 374 1.09 50.7 0.20 ─────────────────────────────────── P粉は亜炭や褐炭の未燃焼部分であり、10〜20%の
揮発分が残留しているものが多いので、吸着能力は弱
く、そのままでは吸着材としての利用価値が低い。しか
しこれを600〜900℃に空気を断って加熱焼成し、
揮発分を7%以下にすると、かなり高い吸着性を示すよ
うになる。従ってP粉をそのまゝ、または篩によって適
当な粒度に篩分け、これを加熱処理することにより、気
体脱臭用の炭素材をつくることができる。また前記の特
願平2−208705号明細書に開示されたような手法
に準じて、P粉を原料とした小粒の成型炭をつくり、こ
れを加熱処理することによって、SO2 吸着能に優れた強
度の高い脱硫用の炭素材をつくることができる。
【0009】P粉の焼成温度と吸着性との関係について
各温度に予め保持した電気炉にP粉を入れ、一定時間加
熱焼成した後、その揮発分とヨウ素吸着量を測定して図
1を得た。
【0010】この結果からもわかるとおり、P粉の吸着
性を高めるための最適温度が存在する。従って適切な温
度を選定し、加熱処理する必要がある。例えば浄水用炭
素質塊状炭素材のような比較的大きなものは以下に述べ
るようにして製造する。すなわち先ずP粉を乾燥後微粉
砕し、P粉単独または褐炭チャー等の他の炭素材を加え
てよく混合し、さらに10〜30%程度の結合剤、例え
ばピッチ、タール等を加えたものを十分に混合、攪拌す
る。ついでこれをタブルロール方式の成型機で中窪型や
その他の型の塊状体に成型し、しかる後に焼成炉によっ
て600〜900℃程度の温度で焼成を行い、蒸気中で
徐冷して多孔質塊状炭素材を得る。
【0011】このようにして製造した多孔質塊状炭素材
では、さきに特願平2−198125号及び特願平3−
101019号によっ特許出願した浄水用塊状炭素材と
吸着性能や強度には大差がなく、重量のみを大幅に軽量
化することができた。この多孔質塊状炭素材は細孔構造
が発達しているので、水の浄化用だけでなく、気体の脱
臭用、気体の吸着用、植物の成長促進材用など、多分野
での使用が可能である。
【0012】なお、上記原料の選択、配合量の調整、ま
たは焼成温度、焼成時間を調整することによって、さら
に有効な塊状炭素材を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0014】
【実施例1】P粉を乾燥後1mm以下に粉砕し、これに結
合材として軟化温度約200℃の石油系ピッチを20%
加え、さらに成型用バインダーを加えて加熱混練後、ダ
ブルロール方式の成型機で中窪型の塊状体に成型した。
これを焼成炉により850℃で20分間焼成し、蒸気中
で徐冷して多孔質塊状炭素材を製造した。
【0015】またP粉の50%を亜炭、褐炭チャー、粉
コークス(いずれも1mm以下に粉砕)でそれぞれ置換
し、上記同様の方法で製造した。このようにして得られ
た配合原料の異なる各種多孔質炭素材について、その性
状を調べた結果を表2に示す。なお表2には比較のベー
スとして浄水用塊状炭素材の一例を参考例1として併記
した。
【0016】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── 項目 配合割合(%) 性 状 ────────────────────────────── P粉 その他 結合剤 I型強度 見掛密度 吸水率 ヨウ素 ケース (%) (g/ cc) (%) 吸着量 (mg/g) ─────────────────────────────────── 褐炭チャー 参考例1 − 90 10 79.0 1.06 46 550 ─────────────────────────────────── 実施例1-1 80 − 20 70.8 0.68 60 550 ─────────────────────────────────── 亜炭 実施例1-2 40 40 20 73.5 0.71 58 460 ─────────────────────────────────── 褐炭チャー 実施例1-3 43 42 15 76.5 0.89 53 540 ─────────────────────────────────── 粉コークス 実施例1-4 40 40 20 82.5 0.85 55 410 ─────────────────────────────────── (註) I型強度:直径131mm、長さ700mmの鉄製円筒管の
中に塊状炭素材3個を入れ、長さの中心を軸として30
回転したのち、16mm篩上歩留り(%)で表示した。
【0017】吸水率:乾燥試料と減圧吸水処理後試料の
重量差を試料体積で割った値で示した。 表2の参考例1は浄水用塊状炭素材の一例を、比較の基
準として示したものである。表2の結果からわかるよう
に、P粉を使用した炭素材はP粉を使用しない参考例1
の炭素材に比べていずれも見掛密度は減少し、吸水率は
増加しており、多孔質化、軽量化が行なわれていること
を示している。またI型強度やヨウ素吸着量は多少の増
減はあるが、あまり大きな変化はない。
【0018】これらのどのケースを選定するかは、使用
条件や使用目的によって変ってくる。一般的には強度を
強くすれば吸着性は低下する傾向にあるので、どちらに
重点を置くかによって各ケースを選定すればよい。
【0019】
【実施例2】P粉50gを予め800℃に加熱した電気
炉に入れ、空気を断って1時間加熱し、冷却後その性状
を調べたところ、揮発分2.8%、ヨウ素吸着量749mg
/gであった。この焼成P粉の各種有機ガスの吸着能力
を調べるため、デシケーター中にトルエンまたはテトラ
クロルエチレンを入れ、上部に焼成P粉、木炭、褐炭チ
ャー、活性炭をそれぞれ5gづつ入れて、24時間後の
重量増加を測定した。つぎの表3には、これらの結果と
ともに、ヨウ素吸着量も並記した。
【0020】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── 品名 単位 焼成 木炭 褐炭 石炭系 種類 P粉 (黒炭) チャー 活性炭 ─────────────────────────────────── トルエン (mg/g) 83 49 55 353 テトラクロル エチレン (mg/g) 95 29 42 434 ヨウ素 吸着量 (mg/g) 749 413 530 1001 ─────────────────────────────────── 表3に示すとおり、焼成P粉の吸着性能は、活性炭には
及ばないが、木炭や褐炭よりは優れており、有機物の吸
着能力が可成り高く、脱臭効果があることを示してい
る。
【0021】
【実施例3】P粉を1mm以下に粉砕し、この74%と微
粉砕した結合剤26%とを混合し、これにバインダーを
加えて加熱混練後、直ちにダブルロールプレスにより、
小粒ブリケット(平均直径8mmの円筒型)に成型した。
成型物をロータリーキルンで800℃の温度で1時間乾
留した結果、表4のような脱硫性があり、かつ強度の高
い炭素材を得た。
【0022】
【表4】表 4 ─────────────────── 灰 分(%) 6.9 ─────────────────── 揮発分(%) 3.5 ─────────────────── ロガ強度(%) 92 ─────────────────── 比表面積(m2 /g) 215 ─────────────────── SO2 吸着力(mg/g) 90 ─────────────────── 形 状 8 mm 円筒型 ─────────────────── (註) 表4のうちのロガ強度、比表面積およびSO2
着法の測定法は以下に示すとおりである。
【0023】ロガ強度:ロガ指数測定法(JIS−M−
8801)に使用するドラム試験器に、試料約30gを
入れ、1000回転後、3mm上歩留り(%)で表示し
た。 比表面積:窒素によるBET法で測定した。 SO2 吸着力:2〜2.83mmの試料3gを25mmφの反応
管に入れ、混合ガス(SO2 ;2%、O2;6%、H2O ;1
0%、N2;82%)を100℃で3時間接触させたの
ち、400℃で0.5時間再生し、試料1g当りの再生SO
2 量(mg/g)を求めた。
【0024】
【発明の効果】本発明の効果はつぎのように要約するこ
とができる。 (1) 本発明によって、塊状炭素材の強度や吸着能力
を大きく変えることなく、多孔質化や軽量化を任意に行
うことが可能になった。このことによって多孔質塊状炭
素材の単位容積当りの充填量が減少するので、経済的で
あるばかりでなく、低密度、多孔質化に伴うガスの脱臭
吸収効果の向上、細菌での菌体培養効果の向上による水
浄化の促進、植物の成長促進などの効果が期待できる。 (2) 本発明では、原料炭素材として比較的利用価値
の低いP粉を使用し、比較的簡単な方法で製造するの
で、気体の脱臭用炭素材、排煙脱硫用炭素材等の製造
を、従来の方法よりも低廉に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はP粉の焼成温度による揮発分とヨウ素吸
着量の変化状況を示したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜炭または褐炭を燃料とするボイラー用
    燃焼室の後から発生する未燃焼チャーを、空気を断って
    600〜900℃の温度に加熱し、揮発分が7%以下に
    なるまで焼成することを特徴とする多孔質炭素材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 亜炭または褐炭を燃料とするボイラー用
    燃焼室の後から発生する未燃焼チャーを加圧成型して成
    型物となし、これを空気を断って600〜900℃の温
    度に加熱し、揮発分が7%以下になるまで焼成すること
    を特徴とする多孔質塊状炭素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 未燃焼チャーに結合材を加えて加圧成型
    焼成する請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 未燃焼チャーに結合材および炭素材を加
    えて加圧成型焼成する請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】結合材としてピッチまたはタールを使用す
    る請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素材として褐炭チャーまたは石炭を使
    用する請求項4に記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107140636A (zh) * 2017-07-03 2017-09-08 湖南宇洁活性炭环保科技有限公司 用于汽车碳罐的高效木质颗粒活性炭及其制备方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107140636A (zh) * 2017-07-03 2017-09-08 湖南宇洁活性炭环保科技有限公司 用于汽车碳罐的高效木质颗粒活性炭及其制备方法

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