JPH05237081A - 物質の定量測定装置 - Google Patents

物質の定量測定装置

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JPH05237081A
JPH05237081A JP4325265A JP32526592A JPH05237081A JP H05237081 A JPH05237081 A JP H05237081A JP 4325265 A JP4325265 A JP 4325265A JP 32526592 A JP32526592 A JP 32526592A JP H05237081 A JPH05237081 A JP H05237081A
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JP
Japan
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substance
radiation
calculation
equation
measured
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Application number
JP4325265A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Hiroshi Tsutsui
博司 筒井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 測定対象となる物体に含まれる複数の物質を
一つの差分計算式で簡単に、検出、定量可能な物質の定
量測定法を提供することを目的とする。 【構成】 物体20の各測定点にエネルギーE1、E2
の放射線24を照射し、その透過強度を測定する。各測
定点における透過強度により物質Cを測定するためのエ
ネルギー差分計算を行う。測定点bbにおける計算結果
を基準とし、この基準と測定点aaにおける計算結果の
差をとることにより、物質B、物質Cと重なった物質A
の単位面積当たりの密度が測定できる。また、物質Bの
ある基準点kは負の値となり、これにより物質Bが検出
でき、定量可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線を用いた物質の
定量測定装置、特に骨密度の定量測定を行うに適した定
量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物体に含まれる特定の物質を定量する方
法としては、従来、複数のエネルギーまたはエネルギー
範囲からなる放射線の透過強度を利用したエネルギー差
分法が用いられている。
【0003】ここでは、図12に示す2つの物質A1、
物質C3からなる物体を測定する場合について従来技術
を説明する。測定対象とする物体80が2つの物質によ
り構成されている場合、次のようにして、ある特定の物
質を定量する。
【0004】エネルギー差分法を用いるため、2種類の
エネルギーE1、E2をもつ放射線4を測定対象の物体
に照射し、各点における透過強度I1、I2を測定する。
【0005】エネルギーE1、E2の2種類の放射線4
の図12中に示すXにおける物体透過後の強度IX1、I
X2は(数1)、(数2)で表される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】図12中に示すYにおける透過後の強度I
Y1、IY2は、(数3)、(数4)で表される。
【0009】
【数3】
【0010】
【数4】
【0011】ただし、μA1、μA2、μC1、μC2は物質
A、CのエネルギーE1、E2における質量減弱係数、
01、I02は物質に照射されるエネルギーE1、E2の
放射線強度、ρA、ρCは物質A、物質Cの密度、TA
Cは物質A、Cの厚さを表す。また、TC’はXにおけ
る物質Cの厚さであり、(数5)の値である。
【0012】
【数5】
【0013】TCを消去するエネルギー差分計算式(数
6)を基にして、物質A1の密度を求める。
【0014】
【数6】
【0015】ただし、RC=μC1/μC2である。点Xで
は、透過強度は(数1)、(数2)で表されるので(数
6)の計算結果は(数7)のようになる。
【0016】
【数7】
【0017】これより、物質A1の単位面積当りの密度
Aは、(数8)として得られる。
【0018】
【数8】
【0019】点Yでは、透過強度は(数3)、(数4)
で表されるので(数6)のSの計算結果は0となる。従
って、(数6)の差分計算により物体の各点における物
質Aの存在を同定し、密度を定量することができる。ま
た、この計算結果を画像として表示し、物質Aの密度に
比例したイメージを得ることができる。
【0020】図1に示すように測定しようとする物体1
0中に物質B12がさらに存在する場合、物質B12に
ついては、物体Bの単位面積当りの密度mBを求める式
を(数7)、(数8)と同様に新たに求め、計算する必
要がある。
【0021】測定対象とする物体が3種類の物質により
構成され、放射線が3種類の物質すべてを透過するよう
重なっている場合には、3つのエネルギー帯をもつ放射
線を利用する必要がある。。
【0022】ここで、図2に示す3つの物質A21、物
質B22、物質C23からなる物体20を測定する場合
について述べる。
【0023】エネルギー差分法を用いるため、3種類の
エネルギーE1、E2、E3をもつ放射線4を照射す
る。
【0024】エネルギーE1、E2,E3の3種類の放
射線24の図2中に示すaaにおける物体透過後の強度
aa1、Iaa2、Iaa3は(数9)、(数10)、(数1
1)で表される。
【0025】
【数9】
【0026】
【数10】
【0027】
【数11】
【0028】図2中に示すccにおける透過後の強度I
cc1、Icc2、Icc3は、(数12)、(数13)、(数
14)で表される。
【0029】
【数12】
【0030】
【数13】
【0031】
【数14】
【0032】同様に、図2中に示すbbにおける透過後
の強度Ibb1、Ibb2、Ibb3は、(数15)、(数1
6)、(数17)で表される。
【0033】
【数15】
【0034】
【数16】
【0035】
【数17】
【0036】ただし、μA1、μA2、μA3、μB1、μB2
μB3、μC1、μC2、μB3は物質A、B、Cのエネルギー
E1、E2、E3における質量減弱係数、I01、I02
03を物質に照射されるエネルギーE1、E2、E3の
放射線強度、ρA、ρB、ρCは物質A、物質B、物質C
の密度、TA、TB、TC、は物質A、B、Cの厚さを表
す。TC’、TC”はそれぞれ(数18)、(数19)で
ある。
【0037】
【数18】
【0038】
【数19】
【0039】(数9)〜(数11)の両辺の対数をと
り、次式の様に表す。
【0040】
【数20】
【0041】
【数21】
【0042】
【数22】
【0043】この3つの式から、TB、TC’を消去しT
Aについて解くと(数23)の様になる。
【0044】
【数23】
【0045】ただし、DA、Dは
【0046】
【数24】
【0047】
【数25】
【0048】点cc、bbでは、放射線の透過経路に物
質A21が含まれず、放射線の透過強度は(数12)〜
(数17)で表される。(数23)に当てはめると、点
cc、bbではmAは0となる。
【0049】同様に、物質B22、物質C23の単位面
積当りの密度mB、mCも(数20)〜(数22)から求
められる。
【0050】以上の方法により、物体中の物質の定量測
定を行っていた。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、測定する物体に含まれる物質の数だけの
エネルギー帯を有する放射線を照射しなければならな
い。X線を利用する場合には、kエッジフィルタを用い
てエネルギー分離を行い、同時に複数のエネルギー帯の
X線を照射する。あるいは、X線の管電圧を連続して切
り替えることにより、異なるのエネルギー帯のX線を順
次発生させている。kエッジフィルタを用いて、多くの
エネルギー帯に分けると、kエッジフィルタ自身の吸収
により、それぞれのエネルギー帯のフォトン数が小さく
なりすぎ、測定対象の透過像を精度よく測定できない。
【0052】管電圧を切り替える場合には、測定に時間
がかかりすぎることや、そのために測定中における測定
対象の動きの影響が問題となる。
【0053】このように物質の数が多くなると、多くの
エネルギー帯をもつ放射線を発生させることが難しくな
る。また、上記従来の方法では、物質それぞれについて
計算式を変えなければならない。このため、複数の物質
を含む場合においては一度の計算により、それぞれの定
量を行うことができないという問題点を有していた。
【0054】本発明は上記の欠点を解決するもので、測
定対象に含まれる物質数より少ないエネルギー帯の放射
線での測定を可能とし、また1つの計算式で複数の物質
を定量する方法を提供することを目的とする。
【0055】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、エネルギー差分法により計算した結果の負
の値をも利用し、物質の定量を行うものである。また、
本発明は、エネルギー差分法により第1の物質を消去し
た後、第2の物質を計算した結果をベースとし、そのベ
ースの値と第3の物質との差をとることにより、物質が
重なった場合の第3の物質の定量を行う。
【0056】
【作用】上記手段によって、エネルギー差分した後の正
の値、負の値の両方を利用することにより、1つの計算
式で複数の物質を定量することができる。
【0057】
【実施例】実施例により本願の発明を詳細に説明する前
に、原理的な説明を簡単に行っておく。
【0058】例えば、図1において、物質の原子番号も
しくは実効原子番号が物質A>物質C>物質Bの場合、
(数7)によるエネルギー差分計算結果は物質Bを含む
部分は負の値、物質Aを含む部分は正の値となるため、
計算結果の正負の判定を行えば、そこに含まれる物質の
判定を容易に行うことができるのである。
【0059】また、図2のように3つの物質が重なって
いる場合には、放射線の透過方向に第1、第2の物質を
含む測定点と、第1、2の物質および他の物質を含む測
定点に2種類のエネルギーまたはエネルギー範囲の放射
線をそれぞれ測定し、これらの各測定点の透過強度にお
いてエネルギー差分法により第1の物質を消去した後、
第2の物質の計算した結果をベースとし、このベースの
値と他の物質に対する計算結果の差をとることにより、
他の物質が第1、2の物質と重なった場合でも他の物質
の定量が測定可能となる。すなわち、エネルギー差分し
た後の値において基準となる値をさらに基準として重な
り部にある他の物質を定量することが可能となる。
【0060】以下、本発明を、実施例に基づき図面を参
照しながら具体的に説明する。 (第1実施例)図1に示すような3種類の物質からなる
物体の場合、次のようにして物質の定量を行うことがで
きる。
【0061】物体の各部を透過したエネルギーE1、E
2の放射線の強度I1、I2について(数7)の差分計算
を行う。すなわち、物質B12を含むと思われる部分の
透過強度もすべて(数7)の式で差分計算を行う。
【0062】測定点X、Yにおける透過放射線強度は
(数1)から(数4)で表すことができる。
【0063】物質Bを含む部分Zの透過放射線強度は、
【0064】
【数26】
【0065】
【数27】
【0066】で表されるので(数7)のln(IX1/I
01)、ln(IX2/I02)の代わりに、(数26)、
(数27)から得られるln(IZ1/I01)、ln(I
Z2/I02)を代入すると、(数28)となる。
【0067】
【数28】
【0068】上式において、μB1/μB2がRcより小さ
い値の場合、差分した結果のmA’は負の値を示す。物
質A11の部分は、(数7)が物質A11を定量するた
めのエネルギー差分計算式であるため、差分計算後の値
が正になる。
【0069】したがって、(数7)によるエネルギー差
分計算結果は物質B12を含む部分は負の値、物質A1
1を含む部分は正の値となるため、計算結果の正負の判
定を行えば、そこに含まれる物質の判定を容易に行うこ
とができる。
【0070】一般に、k吸収端を含まないエネルギー範
囲においては、低エネルギーの減弱係数と高エネルギー
の減弱係数の比は実効原子番号が大きいほど大きくな
る。よって、エネルギー差分結果が正の値の値を示す場
合、その部分には、消去した物質(ここでは物質C1
3)より、原子番号または実効原子番号の大きい物質が
含まれ、負の値を示す部分には原子番号または実効原子
番号の小さい物質が含まれると判定できる。
【0071】また、物質B12の単位面積当りの密度m
Bは、(数29)により得られる。
【0072】
【数29】
【0073】以上により、同一の式(数7)により、複
数の物質の密度を得ることができる。
【0074】本実施例では、人体の骨、脂肪の量を定量
する場合について述べる。図3は人体腰部の断面図であ
る。図3に示すように、人体の腰部は骨31、筋肉3
2、脂肪33の3つの物質から構成されているとする。
【0075】これを、図4に示す測定系でX線の透過情
報を計測する。この測定系はX線源41、kエッジフィ
ルタ44、X線イメージセンサ42および演算装置4
3、画像表示装置47を有する。X線源41、kエッジ
フィルタ44とX線イメージセンサ42は支持体48に
より支持されており、これらを移動装置49により同期
して走査することにより、測定対象45の2次元透過放
射線強度の測定を行うことができる。
【0076】X線源41の直下には、kエッジフィルタ
44が設けられている。kエッジフィルタ44は、ガド
リニウムにより作製されており、これによりX線源41
から放射されるファンビームX線46は2つのエネルギ
ーに分離され、測定対象45に照射される。図5に示す
ように、X線管の管電圧が100kVの場合、実効エネ
ルギーが45keVと75keVの2つのエネルギー帯
にに分離される。X線イメージセンサ42は複数の検出
素子で構成され、各検出素子はX線光子エネルギーを弁
別することができる。それぞれのエネルギーのX線強度
をX線イメージセンサにより光子計数法を用いて測定し
た。
【0077】各々のエネルギーにおける各部の透過X線
のカウント数の測定結果を図6に示した。(表1)に
は、図3に示すX、Y、Zの3点についての測定結果を
示した。点Xは筋肉と骨を、点Yは筋肉のみ、点Zは筋
肉と脂肪を透過したX線強度が測定される。
【0078】
【表1】
【0079】この測定結果から、筋肉を基準として消去
し骨の単位面積当りの密度mboneを算出するエネルギー
差分計算をすべての領域について行った。すなわち、
(数7)における物質Cを筋肉とし、物質Aを骨とし、
(表2)に示す減弱係数を用いてmA(すなわち
bone)を計算した。(表2)には、計算に用いる物体
を透過する前のX線強度I0やRcをあわせて示す。
【0080】
【表2】
【0081】(数7)により求めた各部のmAを図7と
(表3)に示す。
【0082】
【表3】
【0083】骨の単位面積当りの密度は、1.143 g/cm2
と正の値を示し、筋肉部は差分計算処理により、ほぼ0
となっている。また、点Zでは負の値を示した。この点
には筋肉より減弱係数比の小さい、すなわち実効原子番
号の小さい物質が含まれることがわかる。
【0084】X線イメージセンサで測定した2次元領域
のmAの計算結果の数値をその数値に応じて色分けして
画像表示装置に表示した。負の値を示す部分は、画像表
示装置に表示された色によりすぐに認識でき、この部分
に脂肪が存在することが一見して分かった。
【0085】(表4)に脂肪の減弱係数、減弱係数比R
を、(表5)に筋肉、骨、脂肪の実効原子番号を示す。
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】脂肪の減弱係数比、実効原子番号とも基準
物質の筋肉より小さい。これにより、差分計算処理後の
負の値の領域には脂肪が存在すると同定できる。
【0089】差分計算処理後、負の値を示し、脂肪が存
在する部分について、(数29)により、その部分にお
ける単位面積当りの脂肪密度を算出した。この結果、Z
部の密度は、4.5529 g/cm2 となり、脂肪の定量を行う
ことができた。
【0090】また、画像表示装置に表示された負の値を
示す部分を関心領域として指定し、その部分について、
上記と同様の計算を行いこの結果の平均値をとることに
より、関心領域内の脂肪密度が算出できた。
【0091】以上のように本実施例によれば、差分計算
処理後の負の値を利用することによって、人体に含まれ
る骨だけでなく、脂肪をも同時に検出し、かつ定量をお
こなうことができた。
【0092】(第2実施例)次に、3つの物質が重なっ
た場合の実施例について述べる。
【0093】図2のように物質A21、物質B22、物
質C23からなる物体20において、物質C23の内部
に物質A21と物質B22が位置し、かつ物質A21が
物質B22の一部に重なっている。この場合、次のよう
にして物質A21の定量を行うことができる。
【0094】まず、物体20の各部を透過したエネルギ
ーE1、E2の放射線24の強度I 1、I2は放射線の透
過経路に物質A、B、Cを含む測定点aaでは、
【0095】
【数30】
【0096】
【数31】
【0097】ただし、TB”は(数32)で表される。
【0098】
【数32】
【0099】点bbでは、(数33)、(数34)、点
ccでは、(数35)、(数36)で表される。
【0100】
【数33】
【0101】
【数34】
【0102】
【数35】
【0103】
【数36】
【0104】ただし、TC”’は(数37)で表わされ
る。
【0105】
【数37】
【0106】各測定点について、エネルギー差分式(数
6)を適用し、(数8)と同様に物質A1の密度を求め
るための定数で除算すると、点aa、点bbでは各々
(数38)、(数39)のようになる。
【0107】
【数38】
【0108】
【数39】
【0109】各点におけるmAの計算結果を図8に示
す。物質C2のみで構成される点ccではmAは0であ
る。
【0110】物質B22と物質C23からなる点bbで
は、物質B22の単位面積あたりの密度に比例した値と
なり、μB1/μB2がRCより小さいため、負の値を示し
ている。
【0111】物質A21、物質B22、物質C23から
なる点aaでは、(数38)からわかるように、物質B
22、物質C32からなる点bbの差分計算結果に物質
A21の単位面積あたりの密度が加わった結果が得られ
ている。
【0112】したがって、物質B22と重なった物質A
21の値を得るには、物質C23、物質B22のある部
分を基準として、その差を物質A21の単位面積あたり
の密度として求めることができる。
【0113】すなわち、図8において、kを基準の値と
することにより、ρAAをえることができる。
【0114】また、点bbにおいては、さきに述べた方
法により物質Bの密度を定量することができた。
【0115】以上により、測定しようとする物質以外
に、2つ以上の物質が存在する場合にも定量することが
可能になった。
【0116】本実施例では、人体の骨を定量する場合に
ついて述べる。図9は人体腰部の断面図である。 図9
に示すように、人体60の腰部は骨61、筋肉62、脂
肪63の3つの物質から構成されているとする。
【0117】これを、図4に示す測定系でX線の透過情
報を計測する。本装置では、前述したように、実効エネ
ルギー45keV、75keVのX線を発生することが
できる。それぞれのエネルギーのX線強度を、光子計数
法を用いてX線イメージセンサ42を走査して測定し
た。
【0118】各々のエネルギーにおける各部のカウント
数の測定結果を簡単ために、図9に示す3点についての
み(表6)に示した。点aaは筋肉62、脂肪63と骨
61を、点ccは筋肉62のみ、点bbは筋肉62と脂
肪63を透過したX線強度が測定される。
【0119】
【表6】
【0120】この測定結果から、筋肉を消去し骨の単位
面積当りの密度mboneを算出する(数40)で示される
エネルギー差分計算をすべての領域について行った。
【0121】
【数40】
【0122】骨の減弱係数μA、筋肉の減弱係数比RB
計算に用いる物体を透過する前のX線強度I0は(表
7)に示す値を用いた。
【0123】
【表7】
【0124】差分計算結果を図11に示す。本実施例で
は、(数30)から(数39)において、物質Aを骨、
物質Bを脂肪、物質Cを筋肉とした場合に相当する。し
たがって、骨の単位面積あたりの密度は、脂肪13と筋
肉12からなるcc点の値k’を基準として、この値と
骨部の測定値の差をとることにより求められる。
【0125】点ccの値は-0.0497、点aaの値は0.949
7であった。この結果、骨の単位面積当りの密度は、0.9
994 g/cm2であった。
【0126】また、点bbの脂肪の密度もさきに述べた
方法で求めることができた。また、X線エネルギー分離
方法は、実施例で示したkエッジフィルタによる分離方
法以外に、X線の管電圧を切り替えて、異なるエネルギ
ーのX線を発生させ、それぞれのエネルギーの透過強度
を検出器にて測定することにより、同様の測定を行って
も、骨や脂肪の密度を同じ計算方法により求めることが
できる。
【0127】以上のように本実施例によれば、差分計算
処理後の基準値を選定し、この基準値との差を利用する
ことによって、人体に含まれる脂肪の影響を受けること
なく、骨を検出し、かつ定量をおこなうことができた。
【0128】
【発明の効果】以上のように本発明は、差分処理計算処
理結果の負の部分を利用することにより、1つの計算式
により、物体中の同時に複数の物質を2次元画像として
も識別でき、かつ定量することが可能な物質の定量測定
法を実現するものである。
【0129】また、差分計算結果の基準値を選び、この
基準値との差をとることにより、測定対象となる物体に
含まれる放射線の透過方向に重なった複数の物質のうち
1つの物質を2次元画像としても識別することができ、
かつ定量することが可能な物質の定量測定法を実現する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明を行うための、被測定物の
物質構成を示す断面図
【図2】本発明の原理の説明を行うための、被測定物の
物質構成を示す断面図
【図3】本発明の測定装置の一実施例における被測定体
の物質構成を示す断面図
【図4】同実施例装置の要部構成図
【図5】同実施例装置において測定に用いたX線のスペ
クトル図
【図6】同実施例装置により得られたX線透過強度の測
定結果を示す図
【図7】同実施例装置における差分計算結果を示す図
【図8】図2の測定対象物体における差分結果を示す図
【図9】本発明の他の実施例装置における被測定体の物
質構成を示す断面図
【図10】図9の測定対象物体におけるX線の透過強度
【図11】図9の測定対象物体における差分結果を示す
【図12】従来の物質の定量測定法を説明するための測
定対象物体の概略断面図
【符号の説明】
1,11,21 物質A 3,13,23 物質C 4,14,24放射線 10,20,80 物体 12,22 物質B 30,60 人体 31,61 骨 32,62 筋肉 33,63 脂肪 41 X線源 42 X線イメージセンサ 43 演算装置 44 kエッジフィルタ 45 測定対象 46 ファンビームX線 47 画像表示装置 48 支持体 49 移動装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのエネルギー値の放射線を照射する放
    射線照射手段と、前記放射線が被測定体を透過した後の
    放射線強度を測定する放射線測定手段と、前記2つのエ
    ネルギ−値の放射線の前記透過強度情報に対して演算を
    行う演算手段と、前記演算手段の演算結果を用いて判定
    を行う判定手段を有した、物質の同定あるいは定量を行
    う物質の定量測定装置であって、前記演算手段は、原子
    番号もしくは実効原子番号の異なる3つの物質で構成さ
    れる被測定体に対して、特定の物質を消去する差分計算
    を用いて、少なくとも差分計算結果として負の値を得る
    演算手段であり、前記判定手段は、前記演算手段の演算
    結果と、消去した物質に対する原子番号もしくは実効原
    子番号との相対関係に基づき3種類の物質の同定、定量
    の判定を行う判定手段であることを特徴とする物質の定
    量測定装置。
  2. 【請求項2】被測定体を構成する物質が蛋白、脂肪、ミ
    ネラルであり、前記蛋白を消去するための差分計算を演
    算手段で行い、前記差分計算結果の符号の正負を用い
    て、前記ミネラルおよび脂肪を同時に同定、定量するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の物質の定量測定装置。
  3. 【請求項3】2つのエネルギー値の放射線を照射する放
    射線照射手段と、前記放射線が被測定体を透過した強度
    情報を測定する放射線測定手段と、前記2つのエネルギ
    −値の放射線の前記透過強度情報に対して演算を行う演
    算手段と、前記演算手段の演算結果を用いて判定を行う
    判定手段を有した、物質の同定あるいは定量を行う物質
    の定量測定装置であって、3種類の原子番号もしくは実
    効原号の異なる物質が放射線の透過方向に重なって構成
    された被測定体に対して、前記演算手段は、第1の物質
    と第2の物質が重なる測定点において前記放射線測定手
    段により測定された測定結果に対して、前記第1の物質
    を消去する差分計算を行い、前記差分計算における第2
    の物質について得られた計算結果を基準値とし、前記第
    1、第2と他の物質を含む測定点においても前記第1の
    物質を消去するための差分計算を行い、前記基準値と前
    記他の物質についての計算値の差を前記演算装置により
    計算し、前記他の物質の同定、定量を行うことを特徴と
    する物質の定量測定装置。
  4. 【請求項4】被測定体を構成する物質が蛋白、ミネラ
    ル、脂肪からなり、前記蛋白、ミネラル、脂肪が放射線
    の透過方向に重なっている場合、蛋白、脂肪からなる測
    定点において蛋白を消去する差分計算を演算手段にて行
    い、前記差分計算における脂肪の計算結果を基準値と
    し、前記差分計算を蛋白、ミネラル、脂肪からなる測定
    点においても行い、前記基準値とミネラルの計算結果の
    差を前記演算手段にて計算することによりミネラルの定
    量を行うことを特徴とする請求項3に記載の物質の定量
    測定装置。
  5. 【請求項5】2つのエネルギー値の放射線を照射する放
    射線照射手段がX線発生装置とKエッジフィルタからな
    り、前記放射線が被測定体を透過した後の放射線強度情
    報を測定する放射線測定手段がX線イメージセンサであ
    り、前記X線発生装置と前記Kエッジフィルタと前記X
    線イメージセンサとは同期して走査されるように構成さ
    れた請求項1から4の何れかに記載の物質の定量測定装
    置。
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